JP4080359B2 - セラミック中空粒子とアルミニウムまたはアルミニウム合金との複合体の製造装置、およびセラミック中空粒子とアルミニウムまたはアルミニウム合金との複合体の製造方法 - Google Patents

セラミック中空粒子とアルミニウムまたはアルミニウム合金との複合体の製造装置、およびセラミック中空粒子とアルミニウムまたはアルミニウム合金との複合体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミック中空粒子とアルミニウムまたはアルミニウム合金との複合体の製造装置、およびセラミック中空粒子とアルミニウムまたはアルミニウム合金との複合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルミニウムまたはアルミニウム合金を溶融させた後、この溶融したアルミニウム(即ち、溶湯アルミニウム)またはアルミニウム合金(即ち、溶湯アルミニウム合金)を成形鋳型内に流し込み、そして冷却して、所望形状のアルミニウム製の部材またはアルミニウム合金製の部材を製造する装置ならびに方法は、従来から知られ用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようなアルミニウム製の部材またはアルミニウム合金製の部材をより軽く且つより強度の高いものにできると望ましい。
【0004】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来のアルミニウム製の部材またはアルミニウム合金製の部材よりも軽く且つ強度の高い部材を製造できる製造装置および製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明に係る製造装置は、請求項1に記載したように、セラミック中空粒子とアルミニウムまたはアルミニウム合金との複合体の製造装置であって、
ガス導入開口を上部に有し且つ溶湯放出開口を底部に有する容器本体、前記ガス導入開口および前記溶湯放出開口を連通させるように前記容器本体内に形成され且つ溶湯アルミニウムまたは溶湯アルミニウム合金を収容する収容室、そして前記溶湯放出開口を覆うように前記収容室内の前記底部上に配置された仮封止用セラミックフィルター、を含む溶融容器と、
前記溶融容器の収容室内に所定のガスを送り込むためのガス注入口が形成された部材本体を有し、前記ガス注入口が前記ガス導入開口と連通するように前記部材本体で前記ガス導入開口を覆いながら前記容器本体の上部上に配置されたガス送出部材と、
貫通孔を有し且つ、当該貫通孔が前記溶湯放出開口と連通するように前記容器本体の底部上に配置されたパッキンと、
前記溶融容器の下に前記パッキンを介在させながら配置された鋳型本体、当該鋳型本体に形成され、前記パッキンの貫通孔を介して前記容器本体の溶湯放出開口と連通し且つ複数のセラミック中空粒子を収容するスリット、そして当該スリットと連通するように前記鋳型本体に形成され且つ前記鋳型本体の底部に通気口が形成されるように延長されるベントホール、を含む成形鋳型と、
前記成形鋳型の下に位置し、前記通気口を覆うように前記鋳型本体の底部上に配置されたエア抜き用セラミックフィルターと、
一列に並べられた前記ガス送出部材、前記溶融容器、前記パッキン、前記成形鋳型、そして前記エア抜き用セラミックフィルターを並び方向に加圧して密接させるための加圧ダイと、
を備え、
前記ガス送出部材のガス注入口から前記溶融容器の収容室内に前記所定のガスが送り込まれた際に、そのガス圧によって前記溶湯アルミニウムまたは前記溶湯アルミニウム合金が前記仮封止用セラミックフィルターを通過して前記成形鋳型のスリット内へ流れ込み且つ前記複数のセラミック中空粒子の隙間に含浸されることを特徴としている。
【0006】
また、前述した目的を達成するために、本発明に係る製造方法は、請求項2に記載したように、セラミック中空粒子とアルミニウムまたはアルミニウム合金との複合体の製造方法であって、
ガス導入開口を上部に有し且つ溶湯放出開口を底部に有する容器本体、前記ガス導入開口および前記溶湯放出開口を連通させるように前記容器本体内に形成された収容室、そして前記溶湯放出開口を覆うように前記収容室内の前記底部上に配置された仮封止用セラミックフィルター、を含む着脱自在な溶融容器と、
前記溶融容器の収容室内に所定のガスを送り込むためのガス注入口が形成された部材本体を有し、前記ガス注入口が前記ガス導入開口と連通するように前記部材本体で前記ガス導入開口を覆いながら前記容器本体の上部上に配置されるガス送出部材と、
貫通孔を有し且つ、当該貫通孔が前記溶湯放出開口と連通するように前記容器本体の底部上に配置されるパッキンと、
前記溶融容器の下に前記パッキンを介在させながら配置された鋳型本体、当該鋳型本体に形成され、前記パッキンの貫通孔を介して前記容器本体の溶湯放出開口と連通するスリット、そして当該スリットと連通するように前記鋳型本体に形成され且つ前記鋳型本体の底部に通気口が形成されるように延長されるベントホール、を含む成形鋳型と、
前記成形鋳型の下に位置し、前記通気口を覆うように前記鋳型本体の底部上に配置されたエア抜き用セラミックフィルターと、
一列に並べられた前記ガス送出部材、前記溶融容器、前記パッキン、前記成形鋳型、そして前記エア抜き用セラミックフィルターを並び方向に加圧して密接させるための加圧ダイと、
を設けるステップと、
所定の配置場所から取り外された状態の前記溶融容器の収容室にアルミニウムインゴットまたはアルミニウム合金インゴットを収容する収容ステップと、
前記収容ステップ後の前記溶融容器を加熱し、前記アルミニウムインゴットまたは前記アルミニウム合金インゴットを溶融させて溶湯アルミニウムまたは溶湯アルミニウム合金にする溶融ステップと、
前記成形鋳型のスリットに複数のセラミック中空粒子を充填した後、前記溶融ステップと並行して前記成形鋳型を加熱し且つ所定の温度に保温する加熱保温ステップと、
前記加熱保温ステップによる前記成形鋳型の加熱を中止し、前記溶融ステップ後の前記溶融容器を前記パッキン上に配置した後、前記加圧ダイで前記並び方向に加圧する加圧ステップと、
前記加圧ステップ後に前記ガス送出部材のガス注入口から前記溶融容器の収容室内に前記所定のガスを送り込み、そのガス圧によって前記溶湯アルミニウムまたは前記溶湯アルミニウム合金を前記仮封止用セラミックフィルターを通過させて前記成形鋳型のスリット内へ流し込み且つ前記複数のセラミック中空粒子の隙間に含浸させる含浸ステップと、
を含み、
前記成形鋳型の温度が前記溶湯アルミニウムまたは前記溶湯アルミニウム合金の予め定められた固相温度以下になった後、前記溶融容器の収容室内への前記所定のガスの送り込みを中止し、そして、
前記成形鋳型の温度が予め定められた複合体取出可能温度以下になった後、前記複数のセラミック中空粒子とアルミニウムまたはアルミニウム合金との複合体を前記成形鋳型のスリットから取り出すことを特徴としている。
【0007】
請求項1ならびに請求項2に記載の発明によれば、従来のアルミニウム製の部材またはアルミニウム合金製の部材よりも軽く且つ強度の高い部材、即ち、セラミック中空粒子とアルミニウムまたはアルミニウム合金との複合体を製造できる。
【0008】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明の実施の形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る好適な実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は本発明に係るセラミック中空粒子とアルミニウムまたはアルミニウム合金との複合体の製造装置を模式的に示す縦断面図、そして図2は本発明の製造装置(製造方法)によって製造された部材(即ち、セラミック中空粒子とアルミニウムまたはアルミニウム合金との複合体)の一例を示す斜視図である。
【0010】
図1に示されるように、本発明に係るセラミック中空粒子とアルミニウムまたはアルミニウム合金との複合体の製造装置1は、ガス送出部材20と、溶融容器30と、パッキン50と、成形鋳型60と、エア抜き用セラミックフィルター80と、を備え、これら構成要素を金属製の上加圧ダイ11と金属製の下加圧ダイ12とで挟む形態を採っている。
【0011】
下加圧ダイ12、エア抜き用セラミックフィルター80、成形鋳型60、パッキン50、溶融容器30、ガス送出部材20、そして上加圧ダイ11は、この順で、製造装置1の設置面90から上方へ縦一列に並べられ(即ち、積み上げられ)ている。上加圧ダイ11は、加圧装置3により下向きに加圧されると、下加圧ダイ12と協働して、ガス送出部材20、溶融容器30、パッキン50、成形鋳型60、およびエア抜き用セラミックフィルター80を並び方向に加圧して密接させるようになっている。尚、設置面90が、下加圧ダイ12と同様に、圧力ならびに熱に対して高い強度を有する場合は、下加圧ダイ12を省略してもよい。
【0012】
溶融容器30は、ガス導入開口33を上部に有し且つ溶湯放出開口(直径10mmの円形の開口)34を底部32に有する容器本体31、ガス導入開口33および溶湯放出開口34を連通させるように容器本体31内に形成された収容室35、そして溶湯放出開口34を覆うように収容室35内の底部32上に配置された仮封止用セラミックフィルター36、を含む。仮封止用セラミックフィルター36は、一種類のセラミック材で形成されていても、複数種のセラミック(セラミックス)材で形成されていても、どちらでもよい。尚、溶融容器30は、製造装置1に着脱自在に設けられており、上加圧ダイ11を上方に移動した後ガス送出部材20を取り外せば、製造装置1から取り外すことができる。
【0013】
ガス送出部材20はガス注入通路22を内部に有するグラファイト製の部材本体20aを備えている。この部材本体20aには中空部24を有する中継部材23が気密に接続されている。中継部材23の中空部24にはガスタンク27のガスホース26が通され且つ気密に嵌合されており、当該ガスホース26内のガス流路にガス送出部材20のガス注入通路22が連通するようになっている。従って、ガス送出部材20は、ガスタンク27からガスホース26を経由して所定のガス(本実施形態では、Ar(アルゴン)ガス)の供給を受ける。尚、ガスタンク27は、その上端部にレギュレーター(不図示)を有している。このレギュレーター(不図示)を操作することにより、ガス送出部材20にガスタンク27から送り込まれるArガスの流量(換言すれば、ガス圧)を調節することができる。また、中継部材23は切替弁25を有している。この切替弁25は、レギュレーター(不図示)でArガスの注入を停止した後に冷えた溶融容器30および成形鋳型60からArガスを抜き且つ、外部の空気と置換するための三方弁である。
【0014】
また、ガス送出部材20の部材本体20aには、溶融容器30の収容室35内にArガスを送り込むためのガス注入口21が、ガス注入通路22と連通して形成されている。ガス送出部材20は、そのガス注入口21が溶融容器30のガス導入開口33と連通するように、その部材本体20aでガス導入開口33を覆いながら容器本体31の上部上に配置される。そして上加圧ダイ11の加圧によりガス送出部材20は溶融容器30と気密に接続する。
【0015】
尚、溶融容器30の収容室35には溶湯アルミニウム40または溶湯アルミニウム合金40が収容されるが、この溶湯アルミニウム40または溶湯アルミニウム合金40がArガスにより加圧されていないときに溶湯放出開口34から流出してしまうことを防止するために仮封止用セラミックフィルター36が溶湯放出開口34を仮封止するように設けられている。つまり、仮封止用セラミックフィルター36は、Arガスのガス圧が所定値以上にならない限り溶湯アルミニウム40または溶湯アルミニウム合金40を通過(透過)させない特性を有している。
【0016】
さて、溶融容器30の下に位置するパッキン50は、グラファイト製のパッキン本体51を含み、このパッキン本体51は貫通孔52を有しており、当該貫通孔52が溶融容器30の溶湯放出開口34と連通するように容器本体31の底部32上に配置されている。パッキン50は、溶融容器30と成形鋳型60との間に介在し、上加圧ダイ11の加圧により溶融容器30と成形鋳型60との間を気密に接続する。
【0017】
成形鋳型60は、溶融容器30の下にパッキン50を介在させながら配置されるグラファイト製の鋳型本体61を含む。この鋳型本体61には、パッキン50の貫通孔52を介して溶融容器30の溶湯放出開口34と連通するスリット62、そして当該スリット62と連通し且つ鋳型本体61の底部に通気口63cが形成されるように延長されるベントホール63、が形成されている。尚、本実施形態では、図2に示されるような円筒形の部材(即ち、セラミック中空粒子とアルミニウムまたはアルミニウム合金との複合体)100を製造するために、円筒形の内部空間を有するスリット62を採用したが、スリット62は要求される部材100の形状に応じて形成すればよい。
【0018】
ベントホール63には、金属製のベント部材63aと、このベント部材63aの中で通気口63cを覆うように配置された溶湯漏れ防止用セラミックフィルター63cと、が設けられている。スリット62側に面するベント部材63aの上面には複数の溝(不図示)が形成されている。溶湯漏れ防止用セラミックフィルター63cは、一種類のセラミック材で形成されていても、複数種のセラミック(セラミックス)材で形成されていても、どちらでもよいが、上述したArガスの加圧によりスリット62側から流出するエア(空気)の通過は許容し、そして溶湯アルミニウム40または溶湯アルミニウム合金40の通過(透過)は許容しない特性を有することが望ましい。
【0019】
エア抜き用セラミックフィルター80は、成形鋳型60の下に位置し、通気口63bを覆うように鋳型本体61の底部上に配置されている。このエア抜き用セラミックフィルター80は、一種類のセラミック材で形成されていても、複数種のセラミック(セラミックス)材で形成されていても、どちらでもよいが、上述したArガスの加圧により通気口63bから流出するエアの通過を許容する特性を備えている。
【0020】
以下、上記製造装置1を用い、図2に示される部材100を製造する手順(ステップ)について説明する。尚、以下の説明における数値は一例であり、当該数値に本発明は何ら限定されない。
【0021】
先ず、溶融容器30から取り外した状態で仮封止用セラミックフィルター36を例えば電気炉等の加熱炉(不図示)に入れ、400℃で30分間、十分加熱して当該仮封止用セラミックフィルター36内の水分を完全に蒸発(蒸散)させておく(即ち、加熱蒸散ステップ)。
【0022】
次に、加熱蒸散ステップ終了後の仮封止用セラミックフィルター36を溶融容器30の収容室35内の底部32上に溶湯放出開口34を覆うように配置した後、当該収容室35にアルミニウムインゴットまたはアルミニウム合金インゴットを収容する(即ち、収容ステップ)。尚、好ましいアルミニウム合金インゴットの例としてはADC−12が挙げられる。このADC−12は、密度が2.68g/cmであるとき、その組成が、Cu(銅):3.3wt%、Si(ケイ素):11wt%、Fe(鉄):<1.3wt%(即ち、1.3wt%未満)、Al(アルミニウム):>84.4wt%(即ち、84.4wt%より大)のものである。
【0023】
次に、収容ステップ終了後の溶融容器30を例えば電気炉等の加熱炉(不図示)に入れ、700℃で加熱し、アルミニウムインゴットまたはアルミニウム合金インゴットを溶融させて溶湯アルミニウム40または溶湯アルミニウム合金40にする(即ち、溶融ステップ)。
【0024】
成形鋳型60のスリット62に複数のセラミック中空粒子70を充填した後、溶融ステップと並行して、成形鋳型60を加熱保温装置であるカートリッジヒーター4を用いて加熱し且つ所定の温度(550℃)に保温する(即ち、加熱保温ステップ)。このカートリッジヒーター4は、図1に示されるように、鋳型温度コントローラー4aと、当該鋳型温度コントローラー4aに電気的に接続された熱電対4bと、該鋳型温度コントローラー4aに電気的に接続された複数の加熱保温器4c、4d、4eと、を備えている。熱電対4bの温度検出部である先端部は成形鋳型60の鋳型本体61の外側面上に固定され、加熱保温器4c、4d、4eは、それぞれ、鋳型本体61の外側面に形成された複数の穴64c、64d、64eに挿入される。そして鋳型温度コントローラー4aは、熱電対4bから得られる電圧値に基づいて鋳型本体61の温度を検出し、設定温度である550℃が維持されるように加熱保温器4c、4d、4eを通電して鋳型本体61を加熱(保温)する。尚、セラミック中空粒子70は、その遮蔽された中空空間を形成する本体が、一種類のセラミック材で形成されていても、複数種のセラミック(セラミックス)材で形成されていても、どちらでもよい。
【0025】
次に、カートリッジヒーター4による成形鋳型60の保温を中止し、溶融ステップ終了後の溶融容器30をパッキン50上に配置し且つ溶融容器30の上面にガス送出部材20を適宜配置した後、加圧装置3を用いて上加圧ダイ11を5.0MPa(メガパスカル)で加圧し、これによりガス送出部材20、溶融容器30、パッキン50、成形鋳型60、およびエア抜き用セラミックフィルター80を並び方向に加圧する(即ち、加圧ステップ)。この加圧ステップは、上加圧ダイ11および下加圧ダイ12によってガス送出部材20、溶融容器30、パッキン50、成形鋳型60、およびエア抜き用セラミックフィルター80が完全に加圧されていることを目視でも確認してから終了すると望ましい。
【0026】
次に、加圧ステップ終了後にガス送出部材20のガス注入口21から溶融容器30の収容室35内にArガスを送り込み、そのガス圧(本実施形態では、0.93MPaの圧力)で溶湯アルミニウム40または溶湯アルミニウム合金40を押圧して仮封止用セラミックフィルター36を通過させ、成形鋳型60のスリット62内へ流し込み且つ複数のセラミック中空粒子70の隙間に含浸させる(即ち、含浸ステップ)。このとき、複数のセラミック中空粒子70の隙間等にあったエアは図1に矢印で示されるように、エア抜き用セラミックフィルター80から抜けていく。
【0027】
そして、成形鋳型60の温度が溶湯アルミニウム40または溶湯アルミニウム合金40の予め定められた固相温度(上述したADC−12の場合は514℃)以下になった後、溶融容器30の収容室35内へのArガスの送り込みを中止する。
【0028】
そして、成形鋳型60の温度が予め定められた複合体取出可能温度以下(300℃〜室温)になった後、複数のセラミック中空粒子とアルミニウムまたはアルミニウム合金との複合体を成形鋳型60のスリット62から取り出す。取り出した複合体は、適宜、切削加工、研磨加工、等の仕上げステップが実施された後、図2に示されるような部材100となる。部材100は、従来のアルミニウム製の部材またはアルミニウム合金製の部材よりも軽く且つ強度の高いものである。
【0029】
尚、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形,改良,等が可能である。その他、前述した実施形態における各構成要素の形状,形態,数,数値,配置個所,等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0030】
例えば、上記の実施形態では、溶融容器の容器本体ならびに成形鋳型の鋳型本体として、グラファイト製のものを採用しているが、これに限定されるものではなく、金属製のものを採用してもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、従来のアルミニウム製の部材またはアルミニウム合金製の部材よりも軽く且つ強度の高い部材、即ち、セラミック中空粒子とアルミニウムまたはアルミニウム合金との複合体を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセラミック中空粒子とアルミニウムまたはアルミニウム合金との複合体の製造装置を模式的に示す縦断面図である。
【図2】本発明の製造装置(製造方法)によって製造された部材(即ち、セラミック中空粒子とアルミニウムまたはアルミニウム合金との複合体)の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
33:ガス導入開口
34:溶湯放出開口
32:底部
31:容器本体
40:溶湯アルミニウムまたは溶湯アルミニウム合金
35:収容室
36:仮封止用セラミックフィルター
30:溶融容器
21:ガス注入口
20a:部材本体
20:ガス送出部材
52:貫通孔
50:パッキン
61:鋳型本体
70:複数のセラミック中空粒子
62:スリット
63b:通気口
63:ベントホール
60:成形鋳型
80:エア抜き用セラミックフィルター
11:上加圧ダイ
12:下加圧ダイ

Claims (2)

  1. ガス導入開口を上部に有し且つ溶湯放出開口を底部に有する容器本体、前記ガス導入開口および前記溶湯放出開口を連通させるように前記容器本体内に形成され且つ溶湯アルミニウムまたは溶湯アルミニウム合金を収容する収容室、そして前記溶湯放出開口を覆うように前記収容室内の前記底部上に配置された仮封止用セラミックフィルター、を含む溶融容器と、
    前記溶融容器の収容室内に所定のガスを送り込むためのガス注入口が形成された部材本体を有し、前記ガス注入口が前記ガス導入開口と連通するように前記部材本体で前記ガス導入開口を覆いながら前記容器本体の上部上に配置されたガス送出部材と、
    貫通孔を有し且つ、当該貫通孔が前記溶湯放出開口と連通するように前記容器本体の底部上に配置されたパッキンと、
    前記溶融容器の下に前記パッキンを介在させながら配置された鋳型本体、当該鋳型本体に形成され、前記パッキンの貫通孔を介して前記容器本体の溶湯放出開口と連通し且つ複数のセラミック中空粒子を収容するスリット、そして当該スリットと連通するように前記鋳型本体に形成され且つ前記鋳型本体の底部に通気口が形成されるように延長されるベントホール、を含む成形鋳型と、
    前記成形鋳型の下に位置し、前記通気口を覆うように前記鋳型本体の底部上に配置されたエア抜き用セラミックフィルターと、
    一列に並べられた前記ガス送出部材、前記溶融容器、前記パッキン、前記成形鋳型、そして前記エア抜き用セラミックフィルターを並び方向に加圧して密接させるための加圧ダイと、
    を備え、
    前記ガス送出部材のガス注入口から前記溶融容器の収容室内に前記所定のガスが送り込まれた際に、そのガス圧によって前記溶湯アルミニウムまたは前記溶湯アルミニウム合金が前記仮封止用セラミックフィルターを通過して前記成形鋳型のスリット内へ流れ込み且つ前記複数のセラミック中空粒子の隙間に含浸されることを特徴とするセラミック中空粒子とアルミニウムまたはアルミニウム合金との複合体の製造装置。
  2. ガス導入開口を上部に有し且つ溶湯放出開口を底部に有する容器本体、前記ガス導入開口および前記溶湯放出開口を連通させるように前記容器本体内に形成された収容室、そして前記溶湯放出開口を覆うように前記収容室内の前記底部上に配置された仮封止用セラミックフィルター、を含む着脱自在な溶融容器と、
    前記溶融容器の収容室内に所定のガスを送り込むためのガス注入口が形成された部材本体を有し、前記ガス注入口が前記ガス導入開口と連通するように前記部材本体で前記ガス導入開口を覆いながら前記容器本体の上部上に配置されるガス送出部材と、
    貫通孔を有し且つ、当該貫通孔が前記溶湯放出開口と連通するように前記容器本体の底部上に配置されるパッキンと、
    前記溶融容器の下に前記パッキンを介在させながら配置された鋳型本体、当該鋳型本体に形成され、前記パッキンの貫通孔を介して前記容器本体の溶湯放出開口と連通するスリット、そして当該スリットと連通するように前記鋳型本体に形成され且つ前記鋳型本体の底部に通気口が形成されるように延長されるベントホール、を含む成形鋳型と、
    前記成形鋳型の下に位置し、前記通気口を覆うように前記鋳型本体の底部上に配置されたエア抜き用セラミックフィルターと、
    一列に並べられた前記ガス送出部材、前記溶融容器、前記パッキン、前記成形鋳型、そして前記エア抜き用セラミックフィルターを並び方向に加圧して密接させるための加圧ダイと、
    を設けるステップと、
    所定の配置場所から取り外された状態の前記溶融容器の収容室にアルミニウムインゴットまたはアルミニウム合金インゴットを収容する収容ステップと、
    前記収容ステップ後の前記溶融容器を加熱し、前記アルミニウムインゴットまたは前記アルミニウム合金インゴットを溶融させて溶湯アルミニウムまたは溶湯アルミニウム合金にする溶融ステップと、
    前記成形鋳型のスリットに複数のセラミック中空粒子を充填した後、前記溶融ステップと並行して前記成形鋳型を加熱し且つ所定の温度に保温する加熱保温ステップと、
    前記加熱保温ステップによる前記成形鋳型の加熱を中止し、前記溶融ステップ後の前記溶融容器を前記パッキン上に配置した後、前記加圧ダイで前記並び方向に加圧する加圧ステップと、
    前記加圧ステップ後に前記ガス送出部材のガス注入口から前記溶融容器の収容室内に前記所定のガスを送り込み、そのガス圧によって前記溶湯アルミニウムまたは前記溶湯アルミニウム合金を前記仮封止用セラミックフィルターを通過させて前記成形鋳型のスリット内へ流し込み且つ前記複数のセラミック中空粒子の隙間に含浸させる含浸ステップと、
    を含み、
    前記成形鋳型の温度が前記溶湯アルミニウムまたは前記溶湯アルミニウム合金の予め定められた固相温度以下になった後、前記溶融容器の収容室内への前記所定のガスの送り込みを中止し、そして、
    前記成形鋳型の温度が予め定められた複合体取出可能温度以下になった後、前記複数のセラミック中空粒子とアルミニウムまたはアルミニウム合金との複合体を前記成形鋳型のスリットから取り出すことを特徴とするセラミック中空粒子とアルミニウムまたはアルミニウム合金との複合体の製造方法。
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