JP4079802B2 - 移動体測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、測定対象となる移動体の状態、例えば、移動体までの距離、移動体の速度及び移動体の移動方向等を測定する移動体測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ITS(Intelligent Transport Systems)の分野において、車間距離を測定するためのセンサや車両及び歩行者を感知するためのセンサ等が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このようなセンサの1つとして、反射波を用いた距離測定装置が知られている。この距離測定装置は、周波数が可変の電磁波をアンテナより送信し、アンテナと測定対象である移動体との間の反射波をアンテナの給電部で観測し、かつ信号源の周波数を変化させることによって、観測点における信号振幅が極小、つまり、反射波の節となる周波数を求め、その周波数から測定対象までの距離を算出するものである。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−59943号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の距離測定装置では、信号源の周波数を変化させなければ測定対象との距離を算出することができないため、信号源の周波数を可変するための周波数可変装置を別途設ける必要があり、回路規模が大きくなってしまうという問題を有している。また、上記従来の距離測定装置は、測定対象が移動している場合、距離を測定することが困難であるという問題を有していた。
【0005】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、回路規模を小さくすることができ、測定対象が移動している場合に距離の測定が可能な移動体測定装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る移動体測定装置は、測定対象となる移動体の状態を測定する移動体測定装置であって、単一周波数の電磁波を前記移動体に対して出力する電磁波出力手段と、前記電磁波出力手段によって出力された前記電磁波が前記移動体に反射した反射波を検出する反射波検出手段と、前記反射波検出手段によって検出された反射波に基づいて前記移動体の状態を測定する状態測定手段と、前記反射波検出手段によって検出された反射波を矩形波に波形整形する波形整形手段とを備え、前記反射波は、前記電磁波が移動体に向かって進行する進行波と、当該電磁波が移動体によって反射する反射波とが干渉することによって形成される定在波を含み、前記反射波検出手段は、前記移動体との間に形成される第1の定在波を検出する第1の反射波検出手段と、前記第1の反射波検出手段とλ/4の間隔を有する位置に設けられ、かつ前記移動体との間に形成される第2の定在波を検出する第2の反射波検出手段とを含み、前記波形整形手段は、前記第1の反射波検出手段によって検出された第1の定在波、腹でLレベルからHレベルに変化し、節でHレベルからLレベルに変化するような第1の矩形波に波形整形するとともに、前記第2の反射波検出手段によって検出された第2の定在波、腹でLレベルからHレベルに変化し、節でHレベルからLレベルに変化するような第2の矩形波に波形整形し、前記状態測定手段は、前記波形整形手段によって波形整形された前記第1の矩形波の遷移状態がLレベルからHレベルに変化する場合に、前記波形整形手段によって波形整形された前記第2の矩形波の遷移状態がLレベルであれば移動体は順方向に移動していると判断し前記第1の矩形波の遷移状態がLレベルからHレベルに変化する場合に、前記第2の矩形波の遷移状態がHレベルであれば移動体は逆方向に移動していると判断するの移動方向検出手段を含む。
【0007】
この構成によれば、電磁波出力手段により、単一周波数の電磁波が移動体に対して出力され、出力された単一周波数の電磁波が、移動している物体によって反射されることによって、腹と節の振幅を有する反射波が形成される。そして、反射波検出手段により、電磁波出力手段と移動体との間に形成される反射波が検出され、状態測定手段により、反射波検出手段によって検出された反射波に基づいて移動体の状態が測定される。
【0008】
このように、単一周波数の電磁波が用いられるため、従来のように、発生させる電磁波の周波数を変化させるための回路が不要であり、単一周波数の電磁波を移動している物体に向けて出力し、反射波を検出することによって移動体の状態を測定することができる。
【0009】
また、反射波は、電磁波が移動体に向かって進行する進行波と、当該電磁波が移動体によって反射する反射波とが干渉することによって形成される定在波を含む。移動体との間に形成される定在波を検出する第1の反射波検出手段によって検出された第1の定在波と、第1の反射波検出手段とλ/4の間隔を有する位置に設けられ、かつ移動体との間に形成される定在波を検出する第2の反射波検出手段によって検出された第2の定在波とは、第1の反射波検出手段と第2の反射波検出手段とがλ/4の間隔を有する位置に設けられているため、λ/4の間隔の位相差が生じることとなる。したがって、第1の定在波が波形整形された第1の矩形波と、第2の定在波が波形整形された第2の矩形波との位相差に基づいて、移動体の移動方向を把握することができる。例えば、第1の矩形波の遷移状態がLレベルからHレベルに変化する場合に第2の矩形波の遷移状態がLレベルであれば移動体は順方向に移動していると判断することができる。一方、第1の矩形波の遷移状態がLレベルからHレベルに変化する場合に第2の矩形波の遷移状態がHレベルであれば移動体は逆方向に移動していると判断することができる。
【0010】
また、上記移動体測定装置において、前記状態測定手段は、前記反射波検出手段によって検出された反射波の所定波長あたりの時間を検出することによって前記移動体の速度を算出する速度算出手段を含むことが好ましい。
【0011】
この構成によれば、移動体に対して出力された単一周波数の電磁波は、移動体により反射されて反射波が形成される。そして、反射波検出手段により、電磁波出力手段と移動体との間に形成される反射波が検出され、速度算出手段により、反射波検出手段によって検出された反射波の所定波長あたりの時間が検出されることによって移動体の速度が算出される。反射波の波長は距離にそのまま対応しているため、検出された反射波の所定波長あたりの時間を検出することで移動体の速度を算出することができる。
【0012】
このように、単一周波数の電磁波を用いるので、従来のように発生させる電磁波の周波数を変化させるための回路が不要であり、単一周波数の電磁波を移動している物体に向けて出力し、反射波を検出することによって移動体の速度を算出することができる。
【0013】
また、上記移動体測定装置において、前記波形整形手段によって波形整形された矩形波をカウントすることによって前記移動体の移動距離を測定する移動距離測定手段とをさらに備えることが好ましい。
【0014】
この構成によれば、反射波は波長が距離にそのまま対応しているため、検出された反射波を矩形波に波形整形し、波形整形された矩形波をカウントすることによって移動体の移動距離を測定することができる。
【0015】
また、上記移動体測定装置において、前記状態測定手段は、前記反射波検出手段によって検出された反射波の振幅の大きさに基づいて前記移動体の移動方向を検出する第の移動方向検出手段を含むことが好ましい。
【0016】
移動体が遠くにある場合、電波強度は減衰し、検出される反射波の振幅は小さくなり、移動体が近くにある場合、検出される反射波の振幅は大きくなる。そのため、この構成によれば、反射波検出手段によって検出された反射波の振幅が大から小に減少している場合、移動体は遠ざかっていると判断することができ、反射波の振幅が小から大に増大している場合、移動体は近づいていると判断することができ、反射波の振幅の大きさに基づいて移動体の移動方向を検出することができる。
【0017】
また、上記移動体測定装置において、前記反射波検出手段によって検出された反射波の周波数情報をFFT(Fast Fourier Transform)解析する周波数解析手段と、前記周波数解析手段によってFFT解析された周波数情報に基づいて移動体の数を検出する移動体数検出手段とをさらに備えることが好ましい。
【0018】
この構成によれば、複数の移動体との間に複数の反射波が形成された場合、検出された反射波の周波数情報をFFT解析することによって、周波数成分を分離して異なる反射波の速度成分を分離することができる。つまり、FFT解析された周波数情報は、それぞれの移動体毎にピークを有しており、このピークの数を検出することによって移動体の数を検出することができる。
【0019】
また、上記移動体測定装置において、前記状態測定手段は、前記速度算出手段によって算出された移動体の速度が所定値以下であり、かつ前記反射波検出手段によって検出される反射波が検出されなくなった場合、前記移動体は停止していると判断する移動体停止判断手段を含むことが好ましい。
【0020】
この構成によれば、移動体停止判断手段により、移動体の速度が所定値以下である低速状態であり、かつ反射波検出手段によって検出される反射波が検出されなくなった場合に、移動体は停止したと判断される。すなわち、停止している移動体の反射波は検出されないため、移動体が停止した場合、反射波が検出されなくなる。さらに、低速状態であった移動体の反射波が検出されなくなるということは、移動体が減速して停止したということであるから、移動体が停止したことを予測することができる。
【0021】
また、上記移動体測定装置において、前記状態測定手段は、前記移動距離測定手段によって測定された移動体の移動距離の時間的変化に基づいて前記移動体の形状を測定する移動体形状測定手段を含むことが好ましい。
【0022】
この構成によれば、移動体形状測定手段により、移動距離測定手段によって測定された移動体の移動距離の時間的変化に基づいて移動体の形状が測定される。例えば、移動体測定装置が地面に対して垂直な位置に設けられており、移動体が移動体測定装置と地面との間を通過する場合、移動距離測定手段は、地面から移動体の上部までの距離(長さ)を測定する。移動体形状測定手段は、測定された地面から移動体の上部までの長さの所定時間ごとの変化に基づいて、移動体の大まかな形状を把握することができる。
【0023】
また、上記移動体測定装置において、前記移動体は道路施設における車両を含み、前記反射波検出手段は、前記電磁波出力手段によって出力された前記電磁波が前記車両に反射した反射波を検出し、前記速度算出手段は、前記反射波検出手段によって検出された反射波の一波長あたりの時間を検出することによって前記車両の速度を算出することが好ましい。
【0024】
この構成によれば、伝播媒質中に出力された単一周波数の電磁波は、車両により反射されて反射波が形成される。そして、反射波検出手段により、電磁波出力手段と車両との間に形成される反射波が検出され、速度算出手段により、反射波検出手段によって検出された反射波の所定波長あたりの時間が検出されることによって車両の速度が算出される。このように、単一周波数の電磁波を用いるので、従来のように発生させる電磁波の周波数を変化させるための回路が不要であり、単一周波数の電磁波を出力して反射波を検出することによって、道路施設を移動している車両の速度を算出することができる。
【0025】
また、上記移動体測定装置において、前記移動距離測定手段は、前記波形整形手段によって波形整形された矩形波をカウントすることによって前記車両の移動距離を測定することが好ましい。
【0026】
この構成によれば、反射波の波長が距離にそのまま対応しているため、検出された反射波を矩形波に波形整形し、波形整形された矩形波をカウントすることによって、道路施設を移動している車両の移動距離を測定することができる。
【0027】
また、上記移動体測定装置において、前記移動体は道路施設における人間を含み、前記反射波検出手段は、前記電磁波出力手段によって出力された前記電磁波が前記人間に反射した反射波を検出し、前記速度算出手段は、前記反射波検出手段によって検出された反射波の所定波長あたりの時間を検出することによって前記人間の速度を算出することが好ましい。
【0028】
この構成によれば、伝播媒質中に出力された単一周波数の電磁波は、人間により反射されて反射波が形成される。そして、反射波検出手段により、電磁波出力手段と人間との間に形成される反射波が検出され、速度算出手段により、反射波検出手段によって検出された反射波の所定波長あたりの時間が検出されることによって車両の速度が算出される。このように、単一周波数の電磁波を用いるので、従来のように発生させる電磁波の周波数を変化させるための回路が不要であり、単一周波数の電磁波を出力して反射波を検出することによって、道路施設を移動している人間の速度を算出することができる。
【0029】
また、上記移動体測定装置において、前記移動距離測定手段は、前記波形整形手段によって波形整形された矩形波をカウントすることによって前記人間の移動距離を測定することが好ましい。
【0030】
この構成によれば、反射波の波長が距離にそのまま対応しているため、検出された反射波を矩形波に波形整形し、波形整形された矩形波をカウントすることによって、道路施設を移動している人間の移動距離を測定することができる。
【0031】
また、上記移動体測定装置において、前記移動体は河川の水面を含み、前記移動距離測定手段は、前記波形整形手段によって波形整形された矩形波をカウントすることによって前記水面の移動距離を測定することが好ましい。
【0032】
この構成によれば、反射波は波長が距離にそのまま対応しているため、検出された反射波を矩形波に波形整形し、波形整形された矩形波をカウントすることによって、河川の水面までの距離を測定することができる。河川の水面の移動距離が算出されることによって、河川の水位変化を測定することができ、移動体測定装置を水位センサに適用することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。
【0034】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る移動体測定装置のブロック図の一例を示す図である。移動体測定装置1aは、処理部2、送信部3、受信部4及びアンテナ5を備えて構成される。第1の実施形態では、アンテナ5と測定対象である移動体との間の伝搬媒質中に形成される移動体による反射波を用いて、移動体の速度を算出する。なお、本実施の形態において、反射波が形成される伝搬媒質は空気であるが、本発明は特にこれに限定されず、水などの他の伝搬媒質中に形成される反射波を用いてもよい。
【0035】
ここで、第1の実施形態に係る移動体測定装置1aについて説明する前に、反射波について説明する。
【0036】
図2は、反射波の形成を説明するための概略説明図であり、図2(a)は、アンテナ5と移動体Mとの間に形成される反射波を表す波形図であり、図2(b)は、図2(a)に示す反射波を波形整形することによって得られる矩形波を表す波形図である。図2(a)に示すように、移動体測定装置1aのアンテナ5から単一周波数fの電磁波を空気などの伝搬媒質中に放出すると、電磁波は、進行波となって伝搬媒質中を進行する。やがて、進行波が移動体Mに到達すると、進行波が移動体Mで反射して反射波S(図2(a)参照)となり、この反射波は移動体Mからアンテナ5に向かって進行する。
【0037】
ここで、単一周波数fの波長λは、λ=c/fで表される。波長λは、一周期の間に波動が伝播する距離を表しており、反射波Sは、アンテナ5から送信される単一周波数から得られる波長の4分の1であるλ/4で腹Shと節Sfとが繰り返される。単一周波数の電磁波を出力することによって得られる反射波Sは、移動体Mが停止している場合、振幅が一定レベルのみを示し、振幅は得られないが、移動体Mが移動することで腹Shと節Sfとが繰り返される振幅が得られることとなる。
【0038】
上述のように、反射波Sの波長λは、一周期の間に波動が伝播する距離を表しているため、腹から腹、節から節、腹から節又は節から腹に至る時間を測定すれば、移動体の速度を測定することができる。すなわち、図2(a)に示すように、節dから節dまでの距離Δd(=d−d)は、下記の(1)式で表すことができる。
【0039】
Δd=λ/2=(1/2)×(c/f)=c/2f・・・・(1)
なお、上記(1)式において、cは、伝搬媒質(空気)中を進行する電磁波の速度を表し、fは、アンテナ5から発信される単一周波数を表している。
【0040】
さらに、移動体Mの速度Vは、上記(1)式を用いて下記の(2)式で表すことができる。
【0041】
V=Δd/Δt=(c/2f)/Δt・・・・(2)
なお、上記(2)式において、Δdは、反射波Sの節dから節dまでの距離を表し、Δtは、時間tから時間tまでの期間を表し、cは、伝搬媒質(空気)中を進行する電磁波の速度を表し、fは、アンテナ5から発信される単一周波数を表している。
【0042】
このように、反射波Sの節dから節dまでの距離Δdを、時間tから時間tまでの期間Δtで除算することによって移動体の速度Vを算出することができる。
【0043】
図1に戻って、第1の実施形態に係る移動体測定装置1aについて説明する。
【0044】
送信部3は、周波数発生部31及び増幅部32を備えて構成される。周波数発生部31は、制御部21による制御信号に基づいて、例えば交流電源等の一定の単一周波数fの信号を出力する。増幅部32は、周波数発生部31によって発生された単一周波数fの信号を増幅してアンテナ5に出力する。
【0045】
アンテナ5は、増幅部32によって増幅された単一周波数fの信号を有する電磁波を伝搬媒質中に送信する。また、アンテナ5は、伝搬媒質中に形成される反射波Sを受信する。
【0046】
受信部4は、増幅部41、波形作成部42及びパルス計測器43を備えて構成される。増幅部41は、アンテナ5によって受信された反射波Sの信号を増幅し、波形作成部42に出力する。波形作成部42は、アンテナ5で受信し、増幅部41で増幅された反射波Sの信号を検波するととともに、図2(a)に示すような反射波Sの波形を作成する。パルス計測器43は、波形作成部42によって作成された反射波Sを矩形波に波形整形する。
【0047】
処理部2は、制御部21を備えて構成される。制御部21は、例えば中央演算処理装置(Central Processing Unit、以下、「CPU」と略記する。)で構成され、速度算出部211を含む。なお、制御部21は、単一周波数の信号を発生させるための制御信号を周波数発生部31に出力する。
【0048】
速度算出部211は、受信部4によって検出された反射波Sの所定波長あたりの時間を検出することによって移動体Mの速度を算出する。
【0049】
次に、移動体の速度を算出する場合における移動体測定装置1aの動作について説明する。まず、制御部21は、所定の単一周波数fの信号を発生させるための制御信号を出力し、周波数発生部31に制御信号が入力される。周波数発生部31は、入力された制御信号に基づいて所定の単一周波数fの信号を発生させ、増幅部32に出力する。増幅部32は、入力された単一周波数fの信号を増幅させ、アンテナ5に出力する。アンテナ5は、入力された単一周波数fの信号に基づいて単一周波数fの電磁波を伝搬媒質中に送信する。
【0050】
アンテナ5より送信された電磁波は、進行波として伝搬媒質中を移動体に向かって進行し、移動している移動体Mにより反射波Sが形成される。伝搬媒質中に形成された反射波Sは、アンテナ5によって受信される。アンテナ5は、受信した反射波Sを増幅部41に出力する。増幅部41は、アンテナ5より入力された反射波Sを増幅し、波形作成部42に出力する。波形作成部42は、入力された反射波Sを検波するとともに、反射波Sの波形を作成し、パルス計測器43に出力する。
【0051】
パルス計測器43は、波形作成部42より入力された波形信号に基づいて、図2(b)に示すような反射波Sの腹ShでLレベルからHレベルに変化し、節SfでHレベルからLレベルに変化するようなパルス波形に反射波Sを波形整形し、制御部21の速度算出部211に出力する。速度算出部211は、パルス計測器43より入力されたパルス波形信号に基づいて所定波長あたりの時間を検出し、検出された所定波長あたりの時間を検出する。すなわち、速度算出部211は、パルス波形におけるHレベルの期間(波長はλ/4)Δtを検出する。速度算出部211は、入力された所定波長λ/4あたりの期間Δtに基づいて移動体の速度を算出する。すなわち、速度算出部211は、所定波長あたりの時間Δtを(2)式に代入することにより移動体の速度Vを算出する。
【0052】
このように、伝搬媒質中に出力された単一周波数の電磁波は、移動体により反射されて反射波が形成される。そして、受信部4により、電磁波出力手段と移動体との間に存在する伝搬媒質中に形成される反射波が検出され、速度算出部211により、受信部4によって検出された反射波の所定波長あたりの時間が検出されることによって移動体の速度が算出される。
【0053】
反射波の波長は距離にそのまま対応しているため、検出された反射波の所定波長あたりの時間を検出することで移動体の速度を算出することができる。本発明に係る移動体測定装置1aでは、単一周波数の電磁波を用いるので、従来のように発生させる電磁波の周波数を変化させるための回路が不要であり、単一周波数の電磁波を移動している物体に向けて出力し、反射波を検出することによって移動体の速度を算出することができる。
【0054】
(第2の実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態に係る移動体測定装置のブロック図の一例を示す図である。移動体測定装置1bは、処理部2、送信部3、受信部4及びアンテナ5を備えて構成される。第2の実施形態では、アンテナ5と測定対象である移動体Mとの間の伝搬媒質中に形成される移動体Mによる反射波Sを用いて、移動体Mの移動距離を測定する。なお、移動体測定装置1bにおける送信部3、受信部4及びアンテナ5は、第1の実施形態における移動体測定装置1aの送信部3、受信部4及びアンテナ5と同じ構成であるため、説明を省略する。
【0055】
処理部2は、制御部21を備えて構成される。制御部21は、例えば中央演算処理装置で構成され、移動距離測定部212を含む。
【0056】
移動距離測定部212は、受信部4によって矩形波に波形整形された反射波Sをパルスカウントすることによって移動体Mの移動距離を測定する。
【0057】
次に、移動体の移動距離を算出する場合における移動体測定装置1bの動作について説明する。なお、移動体測定装置1bにおける周波数発生部31、増幅部32、アンテナ5、増幅部41、波形作成部42及びパルス計測器43の動作は、第1の実施形態における移動体測定装置1aの動作と同じであるため説明を省略する。
【0058】
パルス計測器43は、波形作成部42より入力された波形信号に基づいて、図2(b)に示すような反射波Sの腹ShでLレベルからHレベルに変化し、節SfでHレベルからLレベルに変化するようなパルス波形に反射波Sを波形整形し、制御部21の移動距離測定部212に出力する。制御部21の移動距離測定部212は、パルス計測器43より入力されたパルス波形信号に基づいてパルスカウントを行い、パルスカウントによって得られるパルス数を検出力する。移動距離測定部212は、パルスカウントによって得られたパルス数に基づいて移動体Mの移動距離を算出する。すなわち、反射波Sの波長がそのまま距離に対応しているのでパルス数に波長λを乗算することによって移動体Mの移動距離を算出する。なお、移動距離測定部212は、移動体Mに関する反射波Sが検出されてから、移動体Mに関する反射波Sが検出されなくなるまでのパルス数を検出する。例えば、移動距離測定部212は、移動体Mが動き出してから停止するまでの間に検出される反射波Sのパルス数をカウントする。
【0059】
このように、反射波は波長が距離にそのまま対応しているため、検出された反射波を矩形波に波形整形し、波形整形された矩形波をカウントすることによって移動体の移動距離を測定することができる。
【0060】
(第3の実施形態)
図4は、本発明の第3の実施形態に係る移動体測定装置のブロック図の一例を示す図である。移動体測定装置1cは、処理部2、送信部3、受信部4及びアンテナ5を備えて構成される。第3の実施形態では、アンテナ5と測定対象である移動体Mとの間の伝搬媒質中に形成される移動体Mの反射波Sを用いて、移動体Mの移動方向を測定する。なお、移動体測定装置1cにおける送信部3及びアンテナ5は、第1の実施形態における移動体測定装置1aの送信部3及びアンテナ5と同じ構成であるため、説明を省略する。
【0061】
受信部4は、増幅部41及び波形作成部42を備えて構成される。増幅部41は、アンテナ5によって受信された反射波Sの信号を増幅し、波形作成部42に出力する。波形作成部42は、アンテナ5で受信し、増幅部41で増幅された反射波Sの信号を検波するととともに、図2(a)に示すような反射波Sの波形を作成する。
【0062】
処理部2は、制御部21を備えて構成される。制御部21は、例えば中央演算処理装置で構成され、第1の移動方向検出部213を含む。
【0063】
第1の移動方向検出部213は、受信部4によって検出された反射波Sの振幅の大きさに基づいて移動体Mの移動方向を検出する。
【0064】
第3の実施形態における移動体測定装置1cは、反射波の振幅の変化を検出することによって移動体の移動方向を検出する。すなわち、移動体が移動体測定装置1cから遠ざかる場合、電波強度が減衰するため、反射波の振幅は大から小に変化する。一方、移動体が移動体測定装置1に近づく場合、反射波の振幅は小から大に変化する。したがって、反射波の振幅の変化を検出することによって移動体の移動方向を検出することができる。
【0065】
次に、第3の実施形態における移動体測定装置1cの動作について説明する。なお、移動体測定装置1cにおける周波数発生部31、増幅部32、アンテナ5及び増幅部41の動作は、第1の実施形態における移動体測定装置1aの動作と同じであるため説明を省略する。
【0066】
波形作成部42は、入力された反射波Sを検波するとともに、反射波Sの波形を作成し、第1の移動方向検出部213に出力する。第1の移動方向検出部213は、入力された反射波Sの波形信号に基づいて、反射波Sの振幅のレベルを検出し、前回の反射波Sの振幅のレベルと比較して大きければ、移動体Mは近づいていると判断し、小さければ、移動体Mは遠ざかっていると判断する。
【0067】
このように、移動体Mが遠くにある場合、電波強度は減衰し、検出される反射波Sの振幅は小さくなり、移動体Mが近くにある場合、検出される反射波Sの振幅は大きくなる特性を利用して、受信部4によって検出された反射波Sの振幅が大から小に減少している場合、移動体Mは遠ざかっていると判断し、反射波Sの振幅が小から大に増大している場合、移動体Mは近づいていると判断し、反射波Sの振幅の大きさに基づいて移動体Mの移動方向を検出することができる。
【0068】
(第4の実施形態)
図5は、本発明の第4の実施形態に係る移動体測定装置のブロック図の一例を示す図である。移動体測定装置1dは、処理部2、送信部3、受信部4及びアンテナ5を備えて構成される。第4の実施形態では、第1の反射波検出手段と、第1の反射波検出手段とは所定の間隔を有する位置に設けられた第2の反射波検出手段とを設けることによって第1の反射波検出手段において検出される第1の反射波と、第2の反射波検出手段において検出される第2の反射波とに位相差を生じさせる。そして、第1の反射波検出手段によって検出された第1の反射波と、第2の反射波検出手段によって検出された第2の反射波との位相差に基づいて、移動体の移動方向を検出する。なお、移動体測定装置1dにおける送信部3及び受信部4は、第1の実施形態における移動体測定装置1aの送信部3及び受信部4と同じ構成であるため、説明を省略する。
【0069】
第4の実施形態における第1の反射波検出手段及び第2の反射波検出手段は、1のアンテナ5を用いて実現され、アンテナ5を第1の位置から第1の位置とは所定の間隔を有する第2の位置に傾倒させる。アンテナ5を直立させた第1の位置から矢印a方向へ所定の角度で傾倒させることによってアンテナ5を第2の位置に移動させ、アンテナ5を直立させた第1の位置で検出される第1の反射波と、直立位置から所定の角度を有する第2の位置で検出される第2の反射波とに位相差を生じさせる。なお、本実施の形態において、第1の位置におけるアンテナ5は第1の反射波検出手段に相当し、第2の位置におけるアンテナ5’は第2の反射波検出手段に相当する。また、本実施の形態では、直立した第1の位置にあるアンテナ5と、第1の位置から傾倒させた第2の位置にあるアンテナ5’とは、所定の位相差(例えば、λ/4)が生じるように振動させる。
【0070】
処理部2は、制御部21を備えて構成される。制御部21は、例えば中央演算処理装置で構成され、第2の移動方向検出部214を含む。
【0071】
第2の移動方向検出部214は、受信部4によって波形整形された第1の矩形波と、受信部4によって波形整形された第2の矩形波との位相差に基づいて移動体Mの移動方向を検出する。
【0072】
次に、第4の実施形態における移動体測定装置1dの動作について説明する。なお、移動体測定装置1dにおける周波数発生部31及び増幅部32の動作は、第1の実施形態における移動体測定装置1aの動作と同じであるため説明を省略する。
【0073】
アンテナ5より送信された電磁波は、進行波として伝搬媒質中を移動体Mに向かって進行し、移動している移動体Mにより、伝搬媒質中に反射波Sが形成される。伝搬媒質中に形成された反射波Sは、第1の位置におけるアンテナ5によって受信される。さらに、制御部21は、第1の位置におけるアンテナ5を所定の角度で傾倒させることによって第2の位置に移動させ、第2の位置におけるアンテナ5’によって反射波Sを受信する。アンテナ5、5’は、第1の位置で受信した第1の反射波及び第2の位置で受信した第2の反射波を増幅部41に出力する。増幅部41は、アンテナ5、5’より入力された第1の反射波及び第2の反射波を増幅し、波形作成部42に出力する。波形作成部42は、入力された第1の反射波及び第2の反射波を検波するとともに、第1の反射波及び第2の反射波の波形を作成し、パルス計測器43に出力する。
【0074】
パルス計測器43は、反射波Sの腹ShでLレベルからHレベルに変化し、節SfでHレベルからLレベルに変化するようなパルス波形に第1の反射波及び第2の反射波を波形整形し、第1の反射波を波形整形した第1の矩形波及び第2の反射波を波形整形した第2の矩形波を制御部21の第2の移動方向検出部214に出力する。第2の移動方向検出部214は、パルス計測器43より入力された第1の矩形波及び第2の矩形波の位相差に基づいて移動体Mの移動方向を検出する。
【0075】
図6は、移動体が順方向(移動体測定装置1dに近づく方向)に移動する場合の第1の位置において検出される第1の反射波S1及び第2の位置において検出される第2の反射波S2の波形を示す図である。図6(a)は、第1の位置において検出される第1の反射波S1の波形を表す波形図であり、図6(b)は、第2の位置において検出される第2の反射波S2の波形を表す波形図である。図6(c)は、図6(a)に示す第1の反射波S1を矩形波に波形整形した波形を表す波形図であり、図6(d)は、図6(b)に示す第2の反射波S2を矩形波に波形整形した波形を表す波形図である。図6(a)及び図6(b)に示すように、第1の反射波S1と第2の反射波S2とはλ/4だけ位相差が生じる。移動体Mが順方向に移動する場合、第1の矩形波がLレベルからHレベルに立ち上がるタイミングのとき、第2の矩形波は常にLレベルとなる。したがって、第1の矩形波と第2の矩形波との遷移状態を判断することにより、移動体Mの移動方向が順方向であることを検出することができる。
【0076】
図7は、移動体が逆方向(移動体測定装置1dから離れる方向)に移動する場合の第1の位置において検出される第1の反射波S1及び第2の位置において検出される第2の反射波S2の波形を示す図である。図7(a)は、第1の位置において検出される第1の反射波S1の波形を表す波形図であり、図7(b)は、第2の位置において検出される第2の反射波S2の波形を表す波形図である。図7(c)は、図7(a)に示す第1の反射波S1を矩形波に波形整形した波形を表す波形図であり、図7(d)は、図7(b)に示す第2の反射波S2を矩形波に波形整形した波形を表す波形図である。図7(a)及び図7(b)に示すように、第1の反射波S1と第2の反射波S2とはλ/4だけ位相差が生じる。移動体Mが逆方向に移動する場合、第1の矩形波がLレベルからHレベルに立ち上がるタイミングのとき、第2の矩形波は常にHレベルとなる。したがって、第1の矩形波と第2の矩形波との遷移状態を判断することにより、移動体Mの移動方向が逆方向であることを検出することができる。
【0077】
なお、本実施の形態では、第1の反射波検出手段及び第2の反射波検出手段を1つのアンテナ5を用いて実現したが、本実施の形態はこれに限定されず、例えば、受信側のアンテナ5を2つ設けて実現してもよい。すなわち、第1のアンテナ及び第1の受信部と、第1のアンテナと所定の間隔を有する第2のアンテナ及び第2の受信部とを設け、第1のアンテナで検出される第1の反射波S1と、第2のアンテナで検出される第2の反射波S2とに位相差を生じさせる。
【0078】
このように、アンテナ5と移動体Mとの間に形成される反射波を検出する第1の反射波検出手段によって検出された第1の反射波S1と、第1の反射波検出手段と所定の間隔を有する位置に設けられ、かつアンテナ5と移動体Mとの間に形成される反射波を検出する第2の反射波検出手段によって検出された第2の反射波S2とは、第1の反射波検出手段と第2の反射波検出手段とが所定の間隔を有する位置に設けられているため、所定の間隔の位相差が生じることとなる。したがって、第1の反射波S1が波形整形された第1の矩形波と、第2の反射波S2が波形整形された第2の矩形波との位相差に基づいて、移動体Mの移動方向を把握することができる。例えば、第1の矩形波の遷移状態がLレベルからHレベルに変化する場合に第2の矩形波の遷移状態がLレベルであれば移動体Mは順方向に移動していると判断することができる。一方、第1の矩形波の遷移状態がLレベルからHレベルに変化する場合に第2の矩形波の遷移状態がHレベルであれば移動体Mは逆方向に移動していると判断することができる。
【0079】
(第5の実施形態)
図8は、本発明の第5の実施形態に係る移動体測定装置のブロック図の一例を示す図である。移動体測定装置1eは、処理部2、送信部3、受信部4及びアンテナ5を備えて構成される。移動体Mが複数存在する場合、複数の反射波Sが検出される。そこで、第5の実施形態では、この複数検出される反射波Sを用いて移動体Mの数を検出する。なお、移動体測定装置1eにおける送信部3及びアンテナ5は、第1の実施形態における移動体測定装置1aの送信部3及びアンテナ5と同じ構成であるため、説明を省略する。
【0080】
受信部4は、増幅部41、波形作成部42及びA/D変換部44を備えて構成される。なお、移動体測定装置1eにおける増幅部41及び波形作成部42は、第1の実施形態における移動体測定装置1aの増幅部41及び波形作成部42と同じ構成であるため説明を省略する。
【0081】
A/D変換部44は、アナログ信号をデジタル信号に変換するものであり、波形作成部42から出力される反射波Sのアナログ信号をデジタル信号に変換する。
【0082】
処理部2は、制御部21及び演算部22を備えて構成される。制御部21は、例えば中央演算処理装置で構成され、移動体数検出部215を含む。移動体数検出部215は、後述する演算部22によってFFT解析された周波数情報に基づいて移動体Mの数を検出する。
【0083】
演算部22は、例えばデジタル信号高速演算器(Digital Signal Processor、以下、「DSP」と略記する。)で構成され、入力記憶部221、周波数解析部222及び出力記憶部223を備えて構成される。
【0084】
入力記憶部221は、A/D変換部44によってA/D変換された反射波Sの周波数情報を一時的に記憶し、周波数解析部222に出力する。周波数解析部222は、入力記憶部222より入力される反射波Sの周波数情報をFFT解析し、FFT解析された反射波Sの周波数情報を出力記憶部223に出力する。出力記憶部223は、周波数解析部222より入力されるFFT解析された反射波Sの周波数情報を一時的に記憶し、制御部21に出力する。
【0085】
次に、第5の実施形態における移動体測定装置1eの動作について説明する。なお、移動体測定装置1eにおける周波数発生部31、増幅部32、アンテナ5及び増幅部41の動作は、第1の実施形態における移動体測定装置1aの動作と同じであるため説明を省略する。
【0086】
波形作成部42は、入力された反射波Sを検波するとともに、反射波Sの波形を作成し、A/D変換部44に出力する。A/D変換部44は、反射波Sの波形信号をアナログ信号からデジタル信号に変換し、変換されたデジタル信号を演算部22の入力記憶部221に出力する。入力記憶部221は、A/D変換部44から入力されたデジタル信号を一時的に記憶して所定のデータ量を蓄積した後、周波数解析部222に出力する。周波数解析部222は、入力された複数の波形に関するデータをFFT変換し、複数の反射波Sの周波数成分を分離することによって、複数の移動体の速度成分を分離する。FFT変換された移動体Mごとの波形のデジタル信号は、出力記憶部223に出力される。出力記憶部223は、周波数解析部222によって解析されたデータを一時的に記憶し、制御部21の移動体数検出部215に出力する。移動体数検出部215は、周波数解析部222によって解析されたデータに基づいて変換関数F(cy)を作成し、変換関数F(cy)のピーク値の数を検出する。
【0087】
図9は、周波数解析部222において反射波をFFT変換した変換関数F(cy)を示す図である。速度が異なる複数の移動体が存在する場合、検出された反射波をFFT変換することによって、移動体の数だけピーク値が現れる。そのため、変換関数F(cy)のピーク値の数を検出することによって、移動体の数を検出することができる。図9では、3つの移動体が存在するため、cy1,cy2,cy3の3点でピーク値が検出されている。
【0088】
なお、本実施の形態におけるピーク値の検出方法は、周波数解析部222によって解析されたデータに基づいて変換関数F(cy)を作成することによって行われるが、本発明は特にこれに限定されず、例えば、周波数解析部222によって解析されたデータについて、隣接するデータの差を求めて符号の変化を調べることによって検出してもよい。
【0089】
このように、複数の移動体Mとの間に複数の反射波Sが形成された場合、検出された反射波Sの周波数情報をFFT解析することによって、周波数成分を分離して異なる反射波Sの速度成分を分離することができる。つまり、FFT解析された周波数情報は、それぞれの移動体M毎にピークを有しており、このピークの数を検出することによって移動体Mの数を検出することができる。
【0090】
(第6の実施形態)
図10は、本発明の第6の実施形態に係る移動体測定装置のブロック図の一例を示す図である。移動体測定装置1fは、処理部2、送信部3、受信部4及びアンテナ5を備えて構成される。単一周波数の電磁波を用いた場合、移動体Mが移動している場合に反射波Sは形成され、移動体Mが停止した場合に反射波Sは形成されない。また、移動体Mが車両である場合、車両には減速した後、停止する傾向がある。そこで、第6の実施形態における移動体測定装置1fでは、移動体Mの速度が低速となり、かつ反射波Sが検出されなくなると、移動体Mは停止したと判断する。なお、第6の実施形態における移動体測定装置1fの送信部3、受信部4及びアンテナ5は、第1の実施形態における移動体測定装置1aの送信部3、受信部4及びアンテナ5と同じ構成であるため、説明を省略する。
【0091】
処理部2は、制御部21を備えて構成される。制御部21は、例えば中央演算処理装置で構成され、速度算出部211及び移動体停止判断部216を含む。なお、第6の実施形態における移動体測定装置1fの速度算出部211は、第1の実施形態における移動体測定装置1aの速度算出部211と同じ構成であるため説明を省略する。移動体停止判断部216は、速度算出部211によって算出された移動体Mの速度が所定値以下であり、かつ受信部4によって検出される反射波Sが検出されなくなった場合、移動体Mは停止していると判断する。
【0092】
次に、第6の実施形態における移動体測定装置1fの動作について説明する。なお、移動体測定装置1fにおける周波数発生部31、増幅部32、アンテナ5、増幅部41、波形作成部42、パルス計測器43及び速度算出部211の動作は、第1の実施形態における移動体測定装置1aの動作と同じであるため説明を省略する。
【0093】
速度算出部211によって算出された移動体Mの速度Vは、移動体停止判断部216に出力される。移動体停止判断部216は、速度算出部211で算出された移動体Mの速度Vが所定の値以下であるか否かを判断する。所定の値とは、例えば、20km/hであり、速度Vが所定の値以下である場合、移動体Mは低速であると判断することができる。そして、移動体停止判断部216は、移動体Mの速度Vが所定の値以下であり、かつ反射波Sが検出されなくなった場合に移動体Mは停止したと判断する。
【0094】
このように、移動体停止判断部216により、移動体Mの速度Vが所定値以下である低速状態であり、かつ受信部4によって検出される反射波Sが検出されなくなった場合に、移動体Mは停止したと判断される。すなわち、停止している移動体Mの反射波Sは検出されないため、移動体Mが停止した場合、反射波Sが検出されなくなる。さらに、低速状態であった移動体Mの反射波Sが検出されなくなるということは、移動体Mが減速して停止したということであるから、移動体Mが停止したことを予測することができる。
【0095】
(第7の実施形態)
図11は、本発明の第7の実施形態に係る移動体測定装置のブロック図の一例を示す図である。移動体測定装置1gは、処理部2、送信部3、受信部4及びアンテナ5を備えて構成される。第7の実施形態における移動体測定装置1gでは、移動距離測定部212によって測定された移動体Mの移動距離の時間的変化に基づいて移動体Mの形状の測定を行う。なお、第7の実施形態における移動体測定装置1gの送信部3、受信部4及びアンテナ5は、第1の実施形態における移動体測定装置1aの送信部3、受信部4及びアンテナ5と同じ構成であるため、説明を省略する。
【0096】
処理部2は、制御部21を備えて構成される。制御部21は、例えば中央演算処理装置で構成され、移動距離測定部212及び移動体形状測定部217を含む。なお、第7の実施形態における移動体測定装置1gの移動距離測定部212は、第2の実施形態における移動体測定装置1bの移動距離測定部212と同じ構成であるため説明を省略する。移動体形状測定部217は、移動距離測定部212によって測定された移動体Mの移動距離の時間的変化に基づいて移動体Mの形状を測定する。
【0097】
次に、第7の実施形態における移動体測定装置1gの動作について説明する。なお、移動体測定装置1gにおける周波数発生部31、増幅部32、アンテナ5、増幅部41、波形作成部42、パルス計測器43及び移動距離測定部212の動作は、第2の実施形態における移動体測定装置1bの動作と同じであるため説明を省略する。
【0098】
移動距離測定部212によって測定された移動体Mの移動距離は、移動体形状測定部217に出力される。移動体形状測定部217は、所定時間ごとに測定された移動体Mの移動距離に基づいて移動体Mの形状を測定する。
【0099】
図12は、移動体の形状の測定について説明するための図であり、図12(a)は、移動体Mと移動体測定装置1gとの位置関係を説明するための図であり、図12(b)は、移動体Mの移動距離と経過時間との関係を示す図である。図12(a)において、移動体Mは移動体測定装置1gと地面Gとの間を矢印X方向に移動しており、移動体測定装置1gは移動体Mが矢印X方向に移動することによって矢印Y方向に相対的に移動している。移動体測定装置1gは、地面Gに向けて単一周波数の電磁波を送信しており、時刻t1において、移動体Mの移動距離aが検出される。時刻t1から時刻t2までは、移動体Mは相対的に停止しているため、移動体の移動距離は検出されない。時刻t2において、移動体Mの移動距離b−aが検出される。時刻t2から時刻t3までは、移動体Mは相対的に停止しているため、移動体Mの移動距離は検出されない。時刻t3において、移動体Mの移動距離b−aが検出される。時刻t3から時刻t4までは、移動体Mは相対的に停止しているため、移動体Mの移動距離は検出されない。時刻t4において、移動体Mの移動距離aが検出される。以上のようにして検出された結果を移動体Mの移動距離と経過時間との関係で表すと、図12(b)のようになる。図12(b)に示すように、移動体Mの上部の形状を測定することができる。
【0100】
また、移動体Mが車両である場合、移動体測定装置1gは、あらかじめ、大型車両、普通車両及び小型車両等の車両の形状を記憶しておき、測定された移動体Mの形状と比較することによって、移動体測定装置1gで形状が測定された車両が大型車両、普通車両及び小型車両のうちのどれであるかを判別することができる。
【0101】
このように、移動体形状測定部217により、移動距離測定部212によって測定された移動体Mの移動距離の時間的変化に基づいて移動体Mの形状が測定される。例えば、移動体測定装置1gが地面Gに対して垂直な位置に設けられており、移動体Mが移動体測定装置1gと地面Gとの間を通過する場合、移動距離測定部212は、地面Gから移動体Mの上部までの距離(長さ)を測定する。移動体形状測定部217は、測定された地面Gから移動体Mの上部までの長さの所定時間ごとの変化に基づいて、移動体Mの大まかな形状を把握することができる。
【0102】
(第8の実施形態)
図13は、本発明の第8の実施形態に係る移動体測定装置のブロック図の一例を示す図である。移動体測定装置1hは、処理部2、送信部3、受信部4及びアンテナ5を備えて構成される。第8の実施形態における移動体測定装置1hでは、波長の異なる複数の単一周波数の電磁波を移動体Mに向けて出力し、移動体Mとの間に形成される複数の反射波を検出し、検出された複数の反射波に基づいて移動体Mの状態を測定する。
【0103】
送信部3は、制御部21による制御信号に基づいて、第1の単一周波数f1の信号を出力する第1周波数発生部31、第1周波数発生部31によって発生された第1の単一周波数f1の信号を増幅してアンテナ5に出力する第1増幅部32、第1の単一周波数f1とは波長が異なる第2の単一周波数f2の信号を出力する第2周波数発生部31’、第2周波数発生部31によって発生された第2の単一周波数f2の信号を増幅してアンテナ5に出力する第2増幅部32’を備えて構成される。
【0104】
アンテナ5は、第1増幅部32によって増幅された第1の単一周波数f1の信号を有する第1の電磁波と、第2増幅部32’によって増幅された第2の単一周波数f2の信号を有する第2の電磁波とを伝搬媒質中に同時に送信する。また、アンテナ5は、第1の電磁波が移動体Mによって反射した第1の反射波及び第2の電磁波が移動体Mによって反射した第2の反射波を受信する。
【0105】
受信部4は、アンテナ5によって受信された第1の反射波の信号を増幅し、第1波形作成部42に出力する第3増幅部41、アンテナ5によって受信された第2の反射波の信号を増幅し、第2波形作成部42’に出力する第4増幅部41’、第3増幅部41で増幅された第1の反射波の信号を検波するととともに、第1の反射波の波形を作成する第1波形作成部42、第4増幅部41’で増幅された第2の反射波の信号を検波するととともに、第2の反射波の波形を作成する第2波形作成部42’、第1の反射波と第2の反射波との位相を比較する位相比較回路45及び第1の反射波と第2の反射波との位相差を検出する検出回路46を備えて構成される。
【0106】
処理部2は、制御部21を備えて構成される。制御部21は、例えば中央演算処理装置で構成され、速度算出部211及び距離測定部218を含む。速度算出部211は、検出回路46で検出された第1の反射波と第2の反射波との位相差に基づいて移動体Mの速度を算出する。距離算出部218は、検出回路46で検出された第1の反射波と第2の反射波との位相差に基づいて移動体Mまでの距離を算出する。
【0107】
このように、移動体測定装置1hは、波長が異なる複数の単一周波数の電磁波を移動体Mに対して出力する送信部(電磁波出力手段)3と、送信部3と移動体Mとの間に形成される複数の反射波を検出する受信部(反射波検出手段)4と、受信部4によって検出された複数の反射波に基づいて移動体Mの状態を測定する処理部(状態測定手段)2とを備える。この場合、波長が異なる複数の単一周波数の電磁波が用いられるため、従来のように、発生させる電磁波の周波数を変化させるための回路が不要であり、波長の異なる複数の単一周波数の電磁波を移動している物体に向けて出力し、複数の反射波を検出することによって移動体Mの状態を測定することができる。
【0108】
また、受信部4は、検出された複数の反射波の位相を比較し、位相差を検出し、処理部2は、検出された位相差に基づいて移動体Mの速度を算出する速度算出部(速度算出手段)211を含む。この場合、複数の反射波の位相を比較し、位相差を検出することによって移動体Mの速度を測定することができる。
【0109】
また、受信部4は、検出された複数の反射波の位相を比較し、位相差を検出し、処理部2は、検出された位相差に基づいて移動体Mまでの距離を測定する距離算出部(距離測定手段)218を含む。この場合、複数の反射波の位相を比較し、位相差を検出することによって移動体Mまでの絶対距離を測定することができる。
【0110】
なお、第1の実施形態から第8の実施形態において、1つのアンテナ5を用いて電磁波出力手段と反射波検出手段とを実現させたが、本発明は特にこれに限定されず、単一周波数の電磁波を出力する第1のアンテナと、反射波を検出する第2のアンテナとを備える構成でもよい。
【0111】
また、第1の実施形態から第8の実施形態における反射波は、単一周波数の電磁波が移動体に向かって進行する進行波と、当該単一周波数の電磁波が移動体によって反射する反射波とが干渉することによって形成される定在波を含む。
【0112】
また、第1の実施形態から第8の実施形態における移動体Mとしては、道路施設における車両を含む。例えば、第1の実施形態において移動体Mが道路施設における車両である場合、伝播媒質中に出力された単一周波数の電磁波は、車両により反射されて反射波Sが形成される。そして、受信部4により、アンテナ5と車両との間に存在する伝搬媒質中に形成される反射波Sが検出され、速度算出部211により、受信部4によって検出された反射波Sの所定波長あたりの時間が検出されることによって車両の速度が算出される。このように、単一周波数の電磁波を用いるので、従来のように発生させる電磁波の周波数を変化させるための回路が不要であり、単一周波数の電磁波を出力して反射波Sを検出することによって、道路施設を移動している車両の速度を算出することができる。
【0113】
また、例えば、第2の実施形態において移動体Mが道路施設における車両である場合、反射波Sの波長が距離にそのまま対応しているため、検出された反射波Sを矩形波に波形整形し、波形整形された矩形波をカウントすることによって、道路施設を移動している車両の移動距離を測定することができる。さらに、移動体Mが車両である場合、移動体測定装置1bは、車両との追突を防止するための距離センサに適用することができる。
【0114】
また、第1の実施形態から第8の実施形態における移動体Mとしては、道路施設における人間を含む。例えば、第1の実施形態において移動体Mが道路施設における人間である場合、伝播媒質中に出力された単一周波数の電磁波は、人間により反射されて反射波Sが形成される。そして、受信部4により、アンテナ5と人間との間に存在する伝搬媒質中に形成される反射波Sが検出され、速度算出部211により、受信部4によって検出された反射波Sの所定波長あたりの時間が検出されることによって人間の速度が算出される。このように、単一周波数の電磁波を用いるので、従来のように発生させる電磁波の周波数を変化させるための回路が不要であり、単一周波数の電磁波を出力して反射波Sを検出することによって、道路施設を移動している人間、特に、歩行者の速度を算出することができる。
【0115】
また、例えば、第2の実施形態において移動体Mが道路施設における人間である場合、反射波Sの波長が距離にそのまま対応しているため、検出された反射波Sを矩形波に波形整形し、波形整形された矩形波をカウントすることによって、道路施設を移動している人間の移動距離を測定することができる。さらに、移動体Mが人間である場合、移動体測定装置1bは、人間との追突を防止するための距離センサに適用することができる。
【0116】
また、第2の実施形態における移動体Mとしては、河川の水面を含む。すなわち、反射波Sは波長が距離にそのまま対応しているため、検出された反射波Sを矩形波に波形整形し、波形整形された矩形波をカウントすることによって、河川の水面までの距離を測定することができる。河川の水面の移動距離が算出されることによって、河川の水位の変化量を測定することができ、移動体測定装置1を水位センサに適用することができる。
【0117】
【発明の効果】
単一周波数の電磁波が、停止している物体によって反射されると一定レベルの振幅の反射波が形成されるけれども、移動している物体によって反射されることによって、腹と節の振幅を有する反射波が形成される。したがって、単一周波数の電磁波が用いられるため、従来のように発生させる電磁波の周波数を変化させるための回路が不要であり、単一周波数の電磁波を移動している物体に向けて出力し、反射波を検出することによって移動体の状態を測定することができる。
【0118】
また、第1の定在波が波形整形された第1の矩形波と、第2の定在波が波形整形された第2の矩形波との位相差に基づいて、移動体の移動方向を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る移動体測定装置のブロック図の一例を示す図である。
【図2】 反射波Sの形成を説明するための概略説明図である。
【図3】 本発明の第2の実施形態に係る移動体測定装置のブロック図の一例を示す図である。
【図4】 本発明の第3の実施形態に係る移動体測定装置のブロック図の一例を示す図である。
【図5】 本発明の第4の実施形態に係る移動体測定装置のブロック図の一例を示す図である。
【図6】 移動体が順方向(移動体測定装置1dに近づく方向)に移動する場合の第1の位置において検出される第1の反射波及び第2の位置において検出される第2の反射波の波形を示す図である。
【図7】 移動体が逆方向(移動体測定装置1dから離れる方向)に移動する場合の第1の位置において検出される第1の反射波及び第2の位置において検出される第2の反射波の波形を示す図である。
【図8】 本発明の第5の実施形態に係る移動体測定装置のブロック図の一例を示す図である。
【図9】 周波数解析部222において反射波をFFT変換した変換関数F(cy)を示す図である。
【図10】 本発明の第6の実施形態に係る移動体測定装置のブロック図の一例を示す図である。
【図11】 本発明の第7の実施形態に係る移動体測定装置のブロック図の一例を示す図である。
【図12】 移動体の形状の測定について説明するための図である。
【図13】 本発明の第8の実施形態に係る移動体測定装置のブロック図の一例を示す図である。
【符号の説明】
1a〜1g 移動体測定装置
2 処理部
3 送信部
4 受信部
5 アンテナ
21 制御部
22 演算部
31 周波数発生部
31a 第1周波数発生部
31b 第2周波数発生部
32,41 増幅部
32a 第1増幅部
32b 第2増幅部
41a 第3増幅部
41b 第4増幅部
42 波形作成部
42a 第1波形作成部
42b 第2波形作成部
43 パルス計測器
44 A/D変換部
45 位相比較回路
46 検出回路
211 速度算出部
212 移動距離測定部
213 第1の移動方向検出部
214 第2の移動方向検出部
215 移動体数検出部
216 移動体停止判断部
217 移動体形状測定部
218 距離測定部
221 入力記憶部
222 周波数解析部
223 出力記憶部

Claims (12)

  1. 測定対象となる移動体の状態を測定する移動体測定装置であって、
    単一周波数の電磁波を前記移動体に対して出力する電磁波出力手段と、
    前記電磁波出力手段によって出力された前記電磁波が前記移動体に反射した反射波を検出する反射波検出手段と、
    前記反射波検出手段によって検出された反射波に基づいて前記移動体の状態を測定する状態測定手段と、
    前記反射波検出手段によって検出された反射波を矩形波に波形整形する波形整形手段とを備え、
    前記反射波は、前記電磁波が移動体に向かって進行する進行波と、当該電磁波が移動体によって反射する反射波とが干渉することによって形成される定在波を含み、
    前記反射波検出手段は、前記移動体との間に形成される第1の定在波を検出する第1の反射波検出手段と、前記第1の反射波検出手段とλ/4の間隔を有する位置に設けられ、かつ前記移動体との間に形成される第2の定在波を検出する第2の反射波検出手段とを含み、
    前記波形整形手段は、前記第1の反射波検出手段によって検出された第1の定在波、腹でLレベルからHレベルに変化し、節でHレベルからLレベルに変化するような第1の矩形波に波形整形するとともに、前記第2の反射波検出手段によって検出された第2の定在波、腹でLレベルからHレベルに変化し、節でHレベルからLレベルに変化するような第2の矩形波に波形整形し、
    前記状態測定手段は、前記波形整形手段によって波形整形された前記第1の矩形波の遷移状態がLレベルからHレベルに変化する場合に、前記波形整形手段によって波形整形された前記第2の矩形波の遷移状態がLレベルであれば移動体は順方向に移動していると判断し前記第1の矩形波の遷移状態がLレベルからHレベルに変化する場合に、前記第2の矩形波の遷移状態がHレベルであれば移動体は逆方向に移動していると判断するの移動方向検出手段を含むことを特徴とする移動体測定装置。
  2. 前記状態測定手段は、前記反射波検出手段によって検出された反射波の所定波長あたりの時間を検出することによって前記移動体の速度を算出する速度算出手段を含むことを特徴とする請求項1記載の移動体測定装置。
  3. 前記状態測定手段は、前記波形整形手段によって波形整形された矩形波をカウントすることによって前記移動体の移動距離を測定する移動距離測定手段を含むことを特徴とする請求項1記載の移動体測定装置。
  4. 前記状態測定手段は、前記反射波検出手段によって検出された反射波の振幅の大きさに基づいて前記移動体の移動方向を検出する第の移動方向検出手段を含むことを特徴とする請求項1記載の移動体測定装置。
  5. 前記反射波検出手段によって検出された反射波の周波数情報をFFT解析する周波数解析手段をさらに備え、
    前記状態測定手段は、前記周波数解析手段によってFFT解析された周波数情報に基づいて移動体の数を検出する移動体数検出手段を含むことを特徴とする請求項1記載の移動体測定装置。
  6. 前記状態測定手段は、前記速度算出手段によって算出された移動体の速度が所定値以下であり、かつ前記反射波検出手段によって検出される反射波が検出されなくなった場合、前記移動体は停止していると判断する移動体停止判断手段を含むことを特徴とする請求項1記載の移動体測定装置。
  7. 前記状態測定手段は、前記移動距離測定手段によって測定された移動体の移動距離の時間的変化に基づいて前記移動体の形状を測定する移動体形状測定手段を含むことを特徴とする請求項1記載の移動体測定装置。
  8. 前記移動体は道路施設における車両を含み、
    前記反射波検出手段は、前記電磁波出力手段によって出力された前記電磁波が前記車両に反射した反射波を検出し、
    前記速度算出手段は、前記反射波検出手段によって検出された反射波の所定波長あたりの時間を検出することによって前記車両の速度を算出することを特徴とする請求項1又は2記載の移動体測定装置。
  9. 前記移動距離測定手段は、前記波形整形手段によって波形整形された矩形波をカウントすることによって前記車両の移動距離を測定することを特徴とする請求項8記載の移動体測定装置。
  10. 前記移動体は道路施設における人間を含み、
    前記反射波検出手段は、前記電磁波出力手段によって出力された前記電磁波が前記人間に反射した反射波を検出し、
    前記速度算出手段は、前記反射波検出手段によって検出された反射波の所定波長あたりの時間を検出することによって前記人間の速度を算出することを特徴とする請求項1又は2記載の移動体測定装置。
  11. 前記移動距離測定手段は、前記波形整形手段によって波形整形された矩形波をカウントすることによって前記人間の移動距離を測定することを特徴とする請求項10記載の移動体測定装置。
  12. 前記移動体は河川の水面を含み、
    前記移動距離測定手段は、前記波形整形手段によって波形整形された矩形波をカウントすることによって前記水面の移動距離を測定することを特徴とする請求項3記載の移動体測定装置。
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