JP4078964B2 - 直流電動機の駆動方法および直流電動機の駆動装置 - Google Patents

直流電動機の駆動方法および直流電動機の駆動装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固定子巻線に生じる逆起電力に基づいて回転子の位置を検出し、固定子巻線の転流のタイミングを制御する直流電動機の駆動方法および直流電動機の駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、複数個の固定子巻線と、固定子巻線との磁気的に相互作用(つまり、吸引力および反発力)により固定子巻線に対して回転する回転子とを備える構成の直流電動機が提供されている。この種の直流電動機には、回転子の位置を検出せずに各固定子巻線の転流のタイミングを適当に切り換えて回転子を回転させる同期電動機と、回転子の位置を検出するとともに回転子の位置に応じて固定子巻線への通電のタイミングを切り換えるフィードバック制御を行って回転子を回転させるブラシレス電動機とが知られている。ブラシレス電動機における回転子の位置の検出器としてはホール素子が知られているが、ホール素子を用いる代わりに固定子巻線の端子電圧から逆起電力を検出することによって回転子の位置を検出するブラシレス電動機も知られている。
【0003】
ところで、回転子が回転していなければ固定子巻線には逆起電力が生じないから、固定子巻線の端子電圧を監視することによって回転子の位置を検出するブラシレス電動機では、起動時には同期電動機として動作させる必要がある。つまり、この種のブラシレス電動機は、起動時には同期電動機としての動作モードで動作させ(以下、「同期運転」という)、回転子が所定の速度に達した後に、回転子の位置を検出してブラシレス電動機としての動作モードで動作させる(以下、「ブラシレス運転」という)ことになる。
【0004】
この種の技術としては、起動時に固定子巻線に通電して回転子を所定位置に位置付けた後、所定の周波数で各相の固定子巻線に順に通電することにより、同期運転によって回転子を回転させ、さらに回転子が所定速度まで加速されると、固定子巻線の通電電流を減少させて出力を低減し、次に、固定子巻線の端子電圧から検出した回転子の位置と固定子巻線に印加する所定周波数の電圧との位相差がブラシレス運転の可能な位相差になったときに、ブラシレス運転を開始するものが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0005】
上述の技術において、回転子が所定速度まで加速された後に固定子巻線の通電電流を減少させているのは、同期運転時とブラシレス運転時とでは回転子の位置に対する転流のタイミングが異なっており、同期運転からブラシレス運転に直接移行させると回転子が脱調して停止してしまうことがあるからである。そこで、固定子巻線への通電電流を減少させることによって回転子を減速させ、回転子がブラシレス運転が可能な位置に達したときにブラシレス運転を開始させるようにしている。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−308092号公報(第2−3頁、図1、6)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献1に記載された技術では、同期運転からブラシレス運転への移行期間において、同期運転を継続させながらも固定子巻線への通電電流を減少させることによって、回転子がブラシレス運転の可能な位置に達するのを待つ構成を採用している。つまり、通電電流を減少させることにより言わば脱調させるのであって、回転子を減速してからブラシレス運転が可能になるまでの移行期間は負荷の大きさなどに依存しているから、移行期間の長さは一意に決まらず移行期間が比較的長くなる可能性がある。また、移行期間においては回転子が減速するから回転子により駆動される負荷も減速されることになり、直流電動機の起動直後において負荷の加減速が大きくなるという問題もある。
【0008】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、同期運転からブラシレス運転への移行期間を短くするとともに、起動直後における加減速を低減した直流電動機の駆動方法および直流電動機の駆動装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1ないし請求項5の発明は直流電動機の駆動方法に関する。
【0011】
請求項1の発明は、複数の磁極を有する回転子の回転方向において等間隔に配列された固定子磁極を備えるとともに固定子磁極を励磁することにより回転子と固定子磁極との間の磁気的な相互作用によって回転子を回転させる複数相の固定子巻線を備えた直流電動機を駆動する方法であって、回転子の回転中における固定子巻線の端子電圧を基準電圧と比較することにより求めた回転子の位置に対して規定の位相差で固定子巻線の通電パターンを切り換えるブラシレス運転を行うにあたり、一部の固定子巻線に通電するとともに通電パターンを切り換える第1の励磁方法での同期運転を、固定子巻線の通電パターンが所定の通電パターンになるまで行い、次に、すべての固定子巻線に通電するとともに通電パターンを切り換える第2の励磁方法での同期運転を、固定子巻線が次に転流するまで行い、その後、回転子の位置に対応したブラシレス運転の通電パターンで固定子巻線を励磁した後に固定子巻線の端子電圧が前記基準電圧に達するまでの位相差を用いてブラシレス運転を行うことを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、前記固定子巻線は3相であり、前記第1の励磁方法では2相ずつの固定子巻線に互いに逆向きに通電し、前記第2の励磁方法では1相の固定子巻線と残りの2相の固定子巻線とに互いに逆向きに通電することを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明は、複数の磁極を有する回転子の回転方向において等間隔に配列された固定子磁極を備えるとともに固定子磁極を励磁することにより回転子と固定子磁極との間の磁気的な相互作用によって回転子を回転させる複数相の固定子巻線を備えた直流電動機を駆動する方法であって、回転子の回転中における固定子巻線の端子電圧を基準電圧と比較することにより求めた回転子の位置に対して規定の位相差で固定子巻線の通電パターンを切り換えるブラシレス運転を行うにあたり、一部の固定子巻線に通電するとともに通電パターンを切り換える励磁方法での同期運転を、固定子巻線の転流の周波数が規定の周波数に達するまで行い、次に、固定子巻線の端子電圧が前記基準電圧に達してから固定子巻線の通電パターンが次に変化するまでの位相差および固定子巻線への印加電圧を求め、その後、同期運転中に求めた前記位相差および前記印加電圧を用いて同期運転からブラシレス運転に滑らかに移行するようにブラシレス運転中の固定子巻線への印加電圧を求め、この印加電圧によりブラシレス運転を開始した後に固定子巻線の端子電圧が前記基準電圧に達してから固定子巻線の通電パターンが変化するまでの位相差を用いてブラシレス運転を行うことを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明では、請求項3の発明において、前記固定子巻線は3相であり、前記励磁方法では2相ずつの固定子巻線に互いに逆向きに通電し、同期運転中の位相差をθs、同期運転中の印加電圧をVs、ブラシレス運転中の位相差をθb、ブラシレス運転中の印加電圧をVbとするときに、Vb=Vs×sin(θs−60°)/sin(θb−60°)となるように、ブラシレス運転中の印加電圧を設定することを特徴とする。
【0015】
請求項5の発明では、請求項3の発明において、前記固定子巻線は3相であり、前記励磁方法では2相ずつの固定子巻線に互いに逆向きに通電し、同期運転中の位相差をθs、同期運転中の印加電圧をVs、ブラシレス運転中の位相差をθb、ブラシレス運転中の印加電圧をVb、Kを60度以上の定数とするときに、Vb=Vs×(K−|θs−30°|/(K−|θb−30°|)となるように、ブラシレス運転中の印加電圧を設定することを特徴とする。
【0016】
請求項6ないし請求項7の発明は直流電動機の駆動装置に関する。
【0018】
請求項6の発明は、複数の磁極を有する回転子の回転方向において等間隔に配列された固定子磁極を備えるとともに固定子磁極を励磁することにより回転子と固定子磁極との間の磁気的な相互作用によって回転子を回転させる複数相の固定子巻線を備えた直流電動機と、回転子の回転中における固定子巻線の端子電圧を基準電圧と比較することにより求める位置検出回路と、位置検出回路で求めた回転子の位置に対して規定の位相差で固定子巻線の通電パターンを切り換えるブラシレス運転を行う通電制御手段とを備え、通電制御手段は、一部の固定子巻線に通電するとともに通電パターンを切り換える第1の励磁方法での同期運転を、固定子巻線の通電パターンが所定の通電パターンになるまで行い、次に、すべての固定子巻線に通電するとともに通電パターンを切り換える第2の励磁方法での同期運転を、固定子巻線が次に転流するまで行い、その後、回転子の位置に対応したブラシレス運転の通電パターンで固定子巻線を励磁した後に固定子巻線の端子電圧が前記基準電圧に達するまでの位相差を用いてブラシレス運転を行うことを特徴とする。
【0019】
請求項7の発明は、複数の磁極を有する回転子の回転方向において等間隔に配列された固定子磁極を備えるとともに固定子磁極を励磁することにより回転子と固定子磁極との間の磁気的な相互作用によって回転子を回転させる複数相の固定子巻線を備えた直流電動機と、回転子の回転中における固定子巻線の端子電圧を基準電圧と比較することにより求める位置検出回路と、位置検出回路で求めた回転子の位置に対して規定の位相差で固定子巻線の通電パターンを切り換えるブラシレス運転を行う通電制御手段とを備え、通電制御手段は、一部の固定子巻線に通電するとともに通電パターンを切り換える第1の励磁方法での同期運転を、固定子巻線の転流の周波数が規定の周波数に達するまで行い、次に、固定子巻線の端子電圧が前記基準電圧に達してから固定子巻線の通電パターンが次に変化するまでの位相差および固定子巻線への印加電圧を求め、その後、同期運転中に求めた前記位相差および前記印加電圧を用いて同期運転からブラシレス運転に滑らかに移行するようにブラシレス運転中の固定子巻線への印加電圧を求め、この印加電圧によりブラシレス運転を開始した後に固定子巻線の端子電圧が前記基準電圧に達してから固定子巻線の通電パターンが変化するまでの位相差を用いてブラシレス運転を行うことを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に説明する実施形態では、3個の固定子巻線をスター結線するとともに、回転子が回転する形式の3相の直流電動機を例示するが、固定子巻線の相数についてとくに制限はない。また、回転子として永久磁石を用いた例を示すが、回転子に電磁石を用いることも可能である。
【0021】
基本構成
図1に示すように、直流電動機10はスター結線された3個の固定子巻線1u,1v,1wを備え、固定子巻線1u,1v,1wに対応する6極の固定子磁極(図示せず)を備える。固定子磁極は1つの円周上に60度間隔で等間隔に配列される。回転子2は固定子磁極を配列した円周の中心を中心として回転可能になるように配置される。また、回転子2は永久磁石を備え回転中心を中心として周方向に複数の磁極を有する。固定子磁極および回転子2の極数は2極、4極、8極など適宜に設定される。回転子2の磁極は固定子磁極との間で磁気的な相互作用が生じるように配置される。
【0022】
3個の固定子巻線1u,1v,1wには、直流電源Eからインバータ回路3を介して電圧が印加される。インバータ回路3は、スイッチング素子Q1u,Q2u、Q1v,Q2v、Q1w,Q2wを2個ずつ直列接続した3組の直列回路を直流電源Eの両端間にそれぞれ接続し、外部からの制御信号を受けるドライブ回路3aによって各スイッチング素子Q1u,Q2u、Q1v,Q2v、Q1w,Q2wをオンオフさせるように構成されている。また、直列接続された各2個のスイッチング素子Q1u,Q2u、Q1v,Q2v、Q1w,Q2wの接続点には各固定子巻線1u,1v,1wの一端が接続される。ここに、固定子巻線1u,1v,1wはスター結線されているから、各固定子巻線1u,1v,1wの他端は当然ながら互いに接続されている。
【0023】
各スイッチング素子Q1u,Q2u、Q1v,Q2v、Q1w,Q2wは、それぞれダイオードD1u,D2u、D1v,D2v、D1w,D2wとして図示している環流経路を備える。環流経路は、スイッチング素子Q1u,Q2u、Q1v,Q2v、Q1w,Q2wのオフ時にオン時とは逆向きの電流が通電可能となる経路を意味する。したがって、スイッチング素子Q1u,Q2u、Q1v,Q2v、Q1w,Q2wをMOSFETにより構成する場合には、MOSFETのボディダイオードがダイオードD1u,D2u、D1v,D2v、D1w,D2wとして機能することになり、環流経路を形成するための外付部品は不要になる。
【0024】
各固定子巻線1u,1v,1wの上記一端にはそれぞれ固定子巻線1u,1v,1wの端子電圧Vu,Vv,Vwを監視することによって回転子2の位置を検出する位置検出回路4が設けられる。位置検出回路4は端子電圧Vu,Vv,Vwを基準電圧Vt(直流電源Eの2分の1に相当する電圧)と比較し、端子電圧Vu,Vv,Vwが基準電圧Vtを通過した時点でタイミング信号である位置検出信号を出力する。位置検出回路4から出力された位置検出信号は制御回路5に入力され、制御回路5では位置検出信号の発生タイミングに基づいてスイッチング素子Q1u,Q2u、Q1v,Q2v、Q1w,Q2wをオンオフさせるための制御信号を生成する。制御回路5からの制御信号はドライブ回路3aに入力されスイッチング素子Q1u,Q2u、Q1v,Q2v、Q1w,Q2wのオンオフを制御する。要するに、インバータ回路3および制御回路5によって固定子巻線1u,1v,1wの通電を制御する通電制御手段が構成される。ここに、制御回路5は、たとえばマイクロコンピュータを用いて実現される。
【0025】
制御回路5では位置検出回路4から出力される位置検出信号に基づいて回転子2の回転速度を監視しており、回転子2の回転速度が規定した速度(図示していないが、目標値として内部で設定されるか外部から与えられる)に保たれるように、各スイッチング素子Q1u,Q2u、Q1v,Q2v、Q1w,Q2wのPWM制御を行う。つまり、各スイッチング素子Q1u,Q2u、Q1v,Q2v、Q1w,Q2wの通電期間においてスイッチング素子Q1u,Q2u、Q1v,Q2v、Q1w,Q2wを高周波でオンオフするチョッパ制御を行うとともに、チョッパ制御の際のオンデューティを調節する。周知のように固定子巻線1u,1v,1wに通電するにはスイッチング素子Q1u,Q2u、Q1v,Q2v、Q1w,Q2wのうちの2個をオンにする必要があるから、チョッパ制御の際には、固定子巻線1u,1v,1wに通電するために用いる2個のスイッチング素子Q1u,Q2u、Q1v,Q2v、Q1w,Q2wのうちの一方をオンに保ち、他方を高周波でオンオフさせるようにすればよい。たとえば、固定子巻線1u,1vの直列回路に固定子巻線1uから固定子巻線1vに向かって通電するには、スイッチング素子Q1uとスイッチング素子Q2vとをオンにする必要があるから、固定子巻線1u,1vの直列回路に通電する期間においてスイッチング素子Q1uをオンに保つとともにスイッチング素子Q2vを高周波でオンオフさせれば、チョッパ制御が可能になる。なお、以下の説明において固定子巻線1u,1v,1wの端子電圧Vu,Vv,Vwはチョッパ制御による平均値を意味する。つまり、端子電圧Vu,Vv,Vwは制御信号のオンデューティに相当する値になる。
【0026】
次に制御回路5の動作を説明する。制御回路5は、電源が投入されると、まず2相ずつの固定子巻線1u,1v,1wに互いに逆向きに通電する同期運転を行い(以下では、この同期運転の状態を「同期運転1」と呼び、このときの励磁方法を「励磁方法1」と呼ぶ)、次に1相の固定子巻線1u,1v,1wと残りの2相の固定子巻線1u,1v,1wとに互いに逆向きに通電する同期運転を行った後に(以下では、この同期運転の状態を「同期運転2」と呼び、このときの励磁方法を「励磁方法2」と呼ぶ)、ブラシレス運転に移行することを特徴としている。ここで、起動直後の同期運転とブラシレス運転とはともに2相ずつの固定子巻線1u,1v,1wに通電する励磁方法であるが、回転子2の回転位置に対する転流のタイミングが異なるから同期運転1からブラシレス運転に直接移行すると脱調することになる。そこで、本例では同期運転1から同期運転2を経て、ブラシレス運転に移行させているのであって、同期運転2の間には回転子2の回転方向において隣接する固定子磁極の一方と回転子2との間で反発力が作用し、他方と回転子2との間で吸引力が作用するから、同期運転1の期間よりも回転子2のトルクが大きくなる。つまり、同期運転2の期間には固定子巻線1u,1v,1wの転流のタイミングと回転子2の回転位置とは負荷が比較的大きい場合でも規定の関係に保たれることになる。したがって、同期運転2を行って回転子2の回転数が安定した状態からブラシレス運転に移行する場合には、負荷の大きさによらず所定のタイミングで移行することが可能になる。しかも、後述するように同期運転1から同期運転2への移行時、および同期運転2からブラシレス運転への移行時には回転子2に対する吸引力および反発力の急激な変化がなく、結果的に起動直後における急激な加減速が生じないのである。
【0027】
各運転状態での各部の信号を図2に示す。図2では同期運転1の期間をT1、同期運転2の期間をT2、ブラシレス運転の期間をT3で表している。また、図2(a)は電気角θmを示しており、図2(b)〜(d)はドライブ回路3aから出力される各相の制御信号Vu,Vv,Vwを示し、図2(e)〜(g)は各固定子巻線1u,1v,1wの端子電圧Vu,Vv,Vwを示し、図2(h)〜(j)は各固定子巻線1u,1v,1wの通過電流Iu,Iv,Iwを示している。また、図2(h)〜(j)において正極性は対応する固定子巻線1u,1v,1wに直流電源Eの正極から電流が流れる状態を示し、負極性は対応する固定子巻線1u,1v,1wから直流電源Eの負極に電流が流れる状態を示している。
【0028】
同期運転1を行う期間T1においては、図2(b)〜(d)に示すように、2個ずつの固定子巻線1u,1v,1wに電流を流すのであって、各固定子巻線1u,1v,1wに電流を流す期間は電気角で120度に相当する期間に設定している。また、通電される2相の固定子巻線1u,1v,1wの電流の向きは互いに逆向きにする。この期間T1においては通電を停止した固定子巻線1u,1v,1wに対応する固定子磁極から回転子2の磁極が離れる向きに回転子2が回転する。つまり、回転子2の回転方向において隣接する一対の固定子磁極のうち、固定子巻線1u,1v,1wへの通電が停止された固定子磁極に隣接する固定子磁極と回転子2の磁極との間に作用する吸引力によって回転子2が回転する。
【0029】
一方、同期運転2を行う期間T2においては、3個の固定子巻線1u,1v,1wに同時に電流を流しており、各固定子巻線1u,1v,1wに電流を流す期間は電気角で180度に相当する期間に設定している。また、3相の固定子巻線1u,1v,1wのうちの1相と他の2相とには互いに逆向きに通電する。この期間T2においては回転子2の磁極が固定子磁極に重なるタイミングで転流する。したがって、回転子2の磁極は回転子2の回転方向において隣接する一対の固定子磁極のうちの一方からは反発力を受け、他方からは吸引力を受ける。このように、同期運転2を行うと同期運転1の場合よりも回転子2に作用する磁力が大きくなり、回転子2のトルクが大きくなる。つまり、負荷が比較的大きい場合でも固定子磁極に対する回転子2の相対位置を正確に制御することが可能になる。ここで、図2を見るとわかるように、励磁方法1から励磁方法2に移行するときの固定子巻線1u,1v,1wの端子電圧(図2(e)〜(g))および各固定子巻線1u,1v,1wの通過電流(図2(h)〜(j))の変化は小さいから、回転子2の急激な加速は生じない。ただし、回転子2に作用するトルクには変化が生じるから、この期間T2はトルクが安定する程度の時間は継続させる。図示例では期間T2を回転子2が1.5回転する程度の時間としており、具体的には、いずれかの固定子巻線1u,1v,1wで転流する回数を計数し、転流が規定回数に達したときにブラシレス運転に移行させるようにしてある。また、期間T1から期間T2への移行に際しては回転子2の回転数が同期運転2に対応可能となっている必要があるから、同期運転1を行っている期間T1において転流の周波数を求め、この周波数が規定の周波数に達したときに同期運転2に移行させる。
【0030】
ブラシレス運転を行う期間T3においては、同期運転1の場合と同様に、2個ずつの固定子巻線1u,1v,1wに互いに逆向きに電流を流す。ただし、この期間T2においては回転子2の回転方向において隣接する一対の固定子磁極と回転子2の磁極との間で反発力が作用し、同期運転1に比較すると大きなトルクが生じる。同期運転2からブラシレス運転に移行するときには、まず上述のように同期運転2によるトルクが安定した後に、ブラシレス運転の励磁方法になるように固定子巻線1u,1v,1wに印加する電圧を変化させる。励磁方法2からブラシレス運転の励磁方法に変化すると、1個の固定子巻線1u,1v,1wについては通電経路が遮断されるから、この固定子巻線1u,1v,1wには逆起電力が生じ、この固定子巻線1u,1v,1wの端子電圧Vu,Vv,Vwが次第に減少して基準電圧Vtを通過する。ここに、位置検出回路4は固定子巻線1u,1v,1wの端子電圧Vu,Vv,Vwが基準電圧Vtを通過する時点を求めているのであって、基準電圧Vtの通過時点は位置検出信号の発生時点に対応する。図2では期間T2から期間T3への移行に際して、固定子巻線1wに対応するスイッチング素子Q1w,Q2wがオフになり(図2(d)の電圧Vwが0になっている)、図2(g)のように固定子巻線1wの端子電圧Vwが減少して基準電圧Vtを通過している。このように、励磁方法2からブラシレス運転の励磁方法になるように制御してから固定子巻線1u,1v,1wの端子電圧Vu,Vv,Vwが基準電圧Vtになるまでの時間(位相差θb)を求める。
【0031】
このようにして求めた位相差θbは、固定子巻線1u,1v,1wの端子電圧Vu,Vv,Vwが基準電圧Vtになってから、固定子巻線1u,1v,1wの転流までの時間(位相差)に相当する。したがって、励磁方法2からブラシレス運転の励磁方法に移行した時点で制御回路5において位相差θを求めた後には、固定子巻線1u,1v,1wの端子電圧Vu,Vv,Vwが基準電圧Vtになるタイミングを位置検出回路4で検出し、位置検出回路4から位置検出信号が出力されるタイミングから位相差θbだけ遅れて転流させれば、ブラシレス運転が可能になるのである。
【0032】
本例における制御回路5の動作を図3に示す。すなわち、本例では、起動直後に励磁方法1による同期運転1を行った後(S1)、転流の周波数が規定の周波数に達すると(S2)、励磁方法2による同期運転2を開始する(S3)。同期運転2は転流の回数が規定回数(N1)に達したときに(S4)、ブラシレス運転の励磁を行って位相差θbを求め(S5)、求めた位相差θbを用いてブラシレス運転を行う(S6)。なお、ステップS4において転流回数が規定回数に達するまでは転流を繰り返すのである(S7)。
【0033】
実施形態1
本実施形態は、同期運転1を行う期間T1から同期運転2を行う期間T2に移行する際の条件として、転流の周波数ではなく、所定の通電パターンを用いている。また、同期運転2を行う期間T2からブラシレス運転の期間T3に移行する条件として、転流回数ではなく、同期運転2を1つの通電パターンのみ行うようにしている。
【0034】
すなわち、図4に示すように、同期運転1の期間T1において特定の通電パターンになると、同期運転2に移行する。図示例では、期間T1から期間T2に移行する条件として、固定子巻線1u,1v,1wの端子電圧(Vu,Vv,Vw)が(負,0,正)となる通電パターンを選択している。ただし、図示例では同期運転2に移行する際のトルク変化を低減するために、回転子2が1回転以上してから上記条件が成立すると期間T1から期間T2に移行するようにしてある。
【0035】
上述した条件が成立した後に、同期運転2を行う期間T2に移行すると、次に転流するタイミングでブラシレス運転の励磁方法になる通電を行い、このときの位相差θbを求める。つまり、期間T1から期間T2に移行する条件が成立した時点から回転子2が60度回転する間に一旦は同期運転2になるが、期間T1から期間T2に移行する条件が成立してから回転子2が60度回転すると、位相差θbを求めるとともにブラシレス運転を行う期間T3に移行する。ここに、期間T2において固定子巻線1u,1v,1wを通過する電流は、期間T1において固定子巻線1u,1v,1wの通過電流の最大値に対して、それぞれ、066倍、0.66倍、1.33倍になる。つまり、回転子2が60度程度回転する間に励磁方法2によって回転子2が加速されるが、回転子2の速度変化は大きくなく、ブラシレス運転に滑らかに移行させることができる。また、図示例では固定子巻線1wに対応するスイッチング素子Q1w,Q2wのみ電流が増加するから、スイッチング素子Q1w,Q2wのみ電流定格の大きいものを用いればよいのであって、すべてのスイッチング素子Q1u,Q2u,Q1v,Q2v,Q1w,Q2wを用いる場合に比較するとコスト増を抑制することができる。なお、図4において期間T1から期間T2に移行する条件が成立した後に、励磁方法2を行うまでに若干の時間遅れがあるが、これは条件判定から制御までの時間遅れに相当する。
【0036】
本実施形態における制御回路5の動作を図5に示す。すなわち、本実施形態では、起動直後に励磁方法1による同期運転1を行った後(S1)、所定の通電パターンが成立すると(S2)、励磁方法2による同期運転2を開始する(S3)。同期運転2は次に転流するまでの期間であって、転流時点でブラシレス運転の励磁方法になるように通電して位相差θbを求め(S4)、求めた位相差θbを用いてブラシレス運転を行う(S5)。他の構成および動作は基本構成と同様である。
【0037】
実施形態2
上述した構成例では励磁方法1の同期運転1から励磁方法2の同期運転2を一旦行った後にブラシレス運転に移行する構成を採用したが、本実施形態は同期運転1からブラシレス運転に移行可能とした例を説明する。
【0038】
本実施形態では、図6に示すように、励磁方法1である同期運転1を行う期間T1において、転流の周波数が回転子2の回転が安定する程度の規定の周波数に達したことを条件として、この条件の成立時点でのいずれかの固定子巻線1u,1v,1wへの端子電圧Vu,Vv,Vw(以下では、同期運転時の印加電圧をVsで表す)を求めるとともに、当該固定子巻線1u,1v,1wの印加電圧Vsが規定の基準電圧Vtを通過した時点から次に転流するまでの位相差θsを求める。同期運転1の期間T1の印加電圧Vsおよび位相差θsは制御回路5において記憶され、印加電圧Vsおよび位相差θsの記憶を完了すると、位置検出信号により検出した回転子2の位置に対応させてブラシレス運転の励磁状態に移行させる。ただし、ブラシレス運転の励磁状態に移行する際に、固定子巻線1u,1v,1wの端子電圧Vu,Vv,Vw(以下では、ブラシレス運転時の印加電圧をVbで表す)を期間T1に対して変化させる。つまり、上述した構成例では同期運転とブラシレス運転とにおいて、固定子巻線1u,1v,1wの印加電圧Vs、Vbを実質的に変化させていなかったのに対して、本実施形態では同期運転からブラシレス運転に移行するときに印加電圧Vs、Vbを変化させて、同期運転とブラシレス運転とでの発生トルクをほぼ一致させる。
【0039】
ブラシレス運転の印加電圧Vbを決定する方法について以下に説明する。本実施形態において用いる3相の固定子巻線1u,1v,1wを有し固定子磁極が6極である直流電動機では、位置検出信号の発生時点から固定子巻線1u,1v,1wの転流までの位相差θと、固定子巻線1u,1v,1wの端子電圧Vと、発生トルクTmとの間に次式の関係がある。次式は発生トルクTmが位相差θに対して正弦波特性を持つことを意味している。
Tm=k・V×sin(θ+60°)
ただし、kは定数である。したがって、同期運転1の期間T1におけるトルクとブラシレス運転の期間T3におけるトルクとを一致させるには、ブラシレス運転における固定子巻線1u,1v,1wの印加電圧Vbの条件として、次式を成立させる必要がある。
Vb=Vs×sin(θs+60°)/sin(θb+60°)
ただし、期間T1からブラシレス運転の励磁状態に移行する時点では位相差θbが決定されておらず、したがって印加電圧Vbも決定することができない。そこで、ブラシレス運転の励磁状態に移行する時点では位相差θbを30度に設定して印加電圧Vbを求める。これは、位相差θbが30度のときに固定子巻線1u,1v,1wの通過電流に対する発生トルクが最大になるからであって、発生トルクが最大になるときの値を印加電圧Vbに用いることによって、同期運転に対するトルク差を小さくし脱調を防止することができるからである。このようにしてブラシレス運転の期間T3に移行すると、上述した条件で求めた印加電圧Vbを用いて、印加電圧Vbが次に基準電圧Vtを通過した時点から次の転流までの位相差θbを求め、以後のブラシレス運転に用いる。
【0040】
本実施形態における制御回路5の動作を図7に示す。本実施形態では、起動直後に励磁方法1による同期運転1を行った後(S1)、転流の周波数が規定の周波数に達すると(S2)、固定子巻線1u,1v,1wの印加電圧Vsおよび位相差θsを求めて記憶する(S3)。さらに位相差θbを30度に設定した印加電圧Vbを用いてブラシレス運転の励磁を行い(S4)、この励磁状態において求めた位相差θbを用いてブラシレス運転を行う(S5)。他の構成および動作は基本構成と同様である。
【0041】
実施形態3
本実施形態は、ブラシレス運転での固定子巻線1u,1v,1wの印加電圧Vbを決定する条件を実施形態2とは異ならせたものである。すなわち、印加電圧Vbを次式で決定する。
Vb=Vs×(K−|θs−30°|)/(K−|θb−30°|)
ただし、Kは60度以上の定数である。
【0042】
本実施形態では、位相差θbが30度のときに固定子巻線1u,1v,1wの通過電流に対する発生トルクが最大になり、その前後では発生トルクが小さくなることに鑑みて上記条件を設定してある。他の構成および動作は実施形態2と同様である。ただし、本実施形態において印加電圧Vbを求める演算は四則演算のみであり、演算が容易であるから制御回路5の構成が簡単になる。
【0043】
すなわち、本実施形態における制御回路5は図8に示すように動作する。まず、起動直後には励磁方法1による同期運転1を行い(S1)、転流の周波数が規定の周波数に達すると(S2)、固定子巻線1u,1v,1wの印加電圧Vsおよび位相差θsを求めて記憶する(S3)。さらに位相差θbを30度に設定した印加電圧Vbを用いてブラシレス運転の励磁を行い(S4)、この励磁状態において求めた位相差θbを用いてブラシレス運転を行うのである(S5)。
【0044】
【発明の効果】
請求項1、6の発明は、一部の固定子巻線に通電するとともに通電パターンを切り換える第1の励磁方法での同期運転を、固定子巻線の通電パターンが所定の通電パターンになるまで行い、次に、すべての固定子巻線に通電するとともに通電パターンを切り換える第2の励磁方法での同期運転を、固定子巻線が次に転流するまで行い、その後、回転子の位置に対応したブラシレス運転の通電パターンで固定子巻線を励磁した後に固定子巻線の端子電圧が基準電圧に達するまでの位相差を用いてブラシレス運転を行うものであり、まず一部の固定子巻線に通電して同期運転を行うことで直流電動機を起動し、その後、すべての固定子巻線に通電する同期運転を行うことで出力を増大させ転流のタイミングと回転子の位置との位相差をほぼ一定にしてブラシレス運転に必要な位相差を求めるから、負荷が比較的大きい場合でも同期運転からブラシレス運転に移行させる際に、脱調したり急激な加減速を生じたりすることなく滑らかに移行させることができるという利点がある。しかも、第2の励磁方法での励磁期間にはすべての固定子巻線に通電して大きなトルクを発生させかつ第2の励磁方法は次に転流するまでの期間だけであるから、従来構成のように同期運転からブラシレス運転への移行期間が不確定にならず移行期間を従来構成よりも短縮することができる。
【0046】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、固定子巻線は3相であり、第1の励磁方法では2相ずつの固定子巻線に互いに逆向きに通電し、前記の励磁方法では1相の固定子巻線と残りの2相の固定子巻線とに互いに逆向きに通電するので、3相の直流電動機を簡単な励磁方法で起動することができる。
【0047】
請求項3、7の発明は、一部の固定子巻線に通電するとともに通電パターンを切り換える励磁方法での同期運転を、固定子巻線の転流の周波数が規定の周波数に達するまで行い、次に、固定子巻線の端子電圧が基準電圧に達してから固定子巻線の通電パターンが次に変化するまでの位相差および固定子巻線への印加電圧を求め、その後、同期運転中に求めた位相差および印加電圧を用いて同期運転からブラシレス運転に滑らかに移行するようにブラシレス運転中の固定子巻線への印加電圧を求め、この印加電圧によりブラシレス運転を開始した後に固定子巻線の端子電圧が基準電圧に達してから固定子巻線の通電パターンが変化するまでの位相差を用いてブラシレス運転を行うものであり、まず一部の固定子巻線に通電して同期運転を行うことで直流電動機を起動し、その後、ブラシレス運転に移行する際に同期運転からブラシレス運転に滑らかに移行するように固定子巻線への印加電圧を求め、求めた印加電圧でブラシレス運転を開始するから、負荷の大きさに応じてブラシレス運転時の印加電圧が調節されることになり、同期運転からブラシレス運転に移行させる際に、脱調したり急激な加減速を生じたりすることなく滑らかに移行させることができるという利点がある。しかも、同期運転からブラシレス運転に直接移行させることができるから、同期運転からブラシレス運転への移行期間が不要になるという利点がある。
【0048】
請求項4の発明では、請求項3の発明において、固定子巻線は3相であり、同期運転では2相ずつの固定子巻線に互いに逆向きに通電し、同期運転中の位相差をθs、同期運転中の印加電圧をVs、ブラシレス運転中の位相差をθb、ブラシレス運転中の印加電圧をVbとするときに、Vb=Vs×sin(θs−60°)/sin(θb−60°)となるように、ブラシレス運転中の印加電圧を設定するので、同期運転からブラシレス運転への移行時に発生トルクの変化を小さくすることになり、同期運転からブラシレス運転への移行時の振動の発生が低減される。
【0049】
請求項5の発明では、請求項3の発明において、固定子巻線は3相であり、同期運転では2相ずつの固定子巻線に互いに逆向きに通電し、同期運転中の位相差をθs、同期運転中の印加電圧をVs、ブラシレス運転中の位相差をθb、ブラシレス運転中の印加電圧をVb、Kを60度以上の定数とするときに、Vb=Vs×(K−|θs−30°|/(K−|θb−30°|)となるように、ブラシレス運転中の印加電圧を設定するので、ブラシレス運転の際の印加電圧を四則演算で求めることができるから、印加電圧を求める演算処理が簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態を示す回路図である。
【図2】 基本構成を示す動作説明図である。
【図3】 同上に用いる制御回路の動作説明図である。
【図4】 本発明の実施形態1を示す動作説明図である。
【図5】 同上に用いる制御回路の動作説明図である。
【図6】 本発明の実施形態2を示す動作説明図である。
【図7】 同上に用いる制御回路の動作説明図である。
【図8】 本発明の実施形態3に用いる制御回路の動作説明図である。
【符号の説明】
1u,1v,1w 固定子巻線
2 回転子
3 インバータ回路
3a ドライブ回路
4 位置検出回路
5 制御回路
10 直流電動機
E 直流電源

Claims (7)

  1. 複数の磁極を有する回転子の回転方向において等間隔に配列された固定子磁極を備えるとともに固定子磁極を励磁することにより回転子と固定子磁極との間の磁気的な相互作用によって回転子を回転させる複数相の固定子巻線を備えた直流電動機を駆動する方法であって、回転子の回転中における固定子巻線の端子電圧を基準電圧と比較することにより求めた回転子の位置に対して規定の位相差で固定子巻線の通電パターンを切り換えるブラシレス運転を行うにあたり、一部の固定子巻線に通電するとともに通電パターンを切り換える第1の励磁方法での同期運転を、固定子巻線の通電パターンが所定の通電パターンになるまで行い、次に、すべての固定子巻線に通電するとともに通電パターンを切り換える第2の励磁方法での同期運転を、固定子巻線が次に転流するまで行い、その後、回転子の位置に対応したブラシレス運転の通電パターンで固定子巻線を励磁した後に固定子巻線の端子電圧が前記基準電圧に達するまでの位相差を用いてブラシレス運転を行うことを特徴とする直流電動機の駆動方法。
  2. 前記固定子巻線は3相であり、前記第1の励磁方法では2相ずつの固定子巻線に互いに逆向きに通電し、前記第2の励磁方法では1相の固定子巻線と残りの2相の固定子巻線とに互いに逆向きに通電することを特徴とする請求項1記載の直流電動機の駆動方法。
  3. 複数の磁極を有する回転子の回転方向において等間隔に配列された固定子磁極を備えるとともに固定子磁極を励磁することにより回転子と固定子磁極との間の磁気的な相互作用によって回転子を回転させる複数相の固定子巻線を備えた直流電動機を駆動する方法であって、回転子の回転中における固定子巻線の端子電圧を基準電圧と比較することにより求めた回転子の位置に対して規定の位相差で固定子巻線の通電パターンを切り換えるブラシレス運転を行うにあたり、一部の固定子巻線に通電するとともに通電パターンを切り換える励磁方法での同期運転を、固定子巻線の転流の周波数が規定の周波数に達するまで行い、次に、固定子巻線の端子電圧が前記基準電圧に達してから固定子巻線の通電パターンが次に変化するまでの位相差および固定子巻線への印加電圧を求め、その後、同期運転中に求めた前記位相差および前記印加電圧を用いて同期運転からブラシレス運転に滑らかに移行するようにブラシレス運転中の固定子巻線への印加電圧を求め、この印加電圧によりブラシレス運転を開始した後に固定子巻線の端子電圧が前記基準電圧に達してから固定子巻線の通電パターンが変化するまでの位相差を用いてブラシレス運転を行うことを特徴とする直流電動機の駆動方法。
  4. 前記固定子巻線は3相であり、前記励磁方法では2相ずつの固定子巻線に互いに逆向きに通電し、同期運転中の位相差をθs、同期運転中の印加電圧をVs、ブラシレス運転中の位相差をθb、ブラシレス運転中の印加電圧をVbとするときに、Vb=Vs×sin(θs−60°)/sin(θb−60°)となるように、ブラシレス運転中の印加電圧を設定することを特徴とする請求項3記載の直流電動機の駆動方法。
  5. 前記固定子巻線は3相であり、前記励磁方法では2相ずつの固定子巻線に互いに逆向きに通電し、同期運転中の位相差をθs、同期運転中の印加電圧をVs、ブラシレス運転中の位相差をθb、ブラシレス運転中の印加電圧をVb、Kを60度以上の定数とするときに、Vb=Vs×(K−|θs−30°|/(K−|θb−30°|)となるように、ブラシレス運転中の印加電圧を設定することを特徴とする請求項3記載の直流電動機の駆動方法。
  6. 複数の磁極を有する回転子の回転方向において等間隔に配列された固定子磁極を備えるとともに固定子磁極を励磁することにより回転子と固定子磁極との間の磁気的な相互作用によって回転子を回転させる複数相の固定子巻線を備えた直流電動機と、回転子の回転中における固定子巻線の端子電圧を基準電圧と比較することにより求める位置検出回路と、位置検出回路で求めた回転子の位置に対して規定の位相差で固定子巻線の通電パターンを切り換えるブラシレス運転を行う通電制御手段とを備え、通電制御手段は、一部の固定子巻線に通電するとともに通電パターンを切り換える第1の励磁方法での同期運転を、固定子巻線の通電パターンが所定の通電パターンになるまで行い、次に、す べての固定子巻線に通電するとともに通電パターンを切り換える第2の励磁方法での同期運転を、固定子巻線が次に転流するまで行い、その後、回転子の位置に対応したブラシレス運転の通電パターンで固定子巻線を励磁した後に固定子巻線の端子電圧が前記基準電圧に達するまでの位相差を用いてブラシレス運転を行うことを特徴とする直流電動機の駆動装置。
  7. 複数の磁極を有する回転子の回転方向において等間隔に配列された固定子磁極を備えるとともに固定子磁極を励磁することにより回転子と固定子磁極との間の磁気的な相互作用によって回転子を回転させる複数相の固定子巻線を備えた直流電動機と、回転子の回転中における固定子巻線の端子電圧を基準電圧と比較することにより求める位置検出回路と、位置検出回路で求めた回転子の位置に対して規定の位相差で固定子巻線の通電パターンを切り換えるブラシレス運転を行う通電制御手段とを備え、通電制御手段は、一部の固定子巻線に通電するとともに通電パターンを切り換える励磁方法での同期運転を、固定子巻線の転流の周波数が規定の周波数に達するまで行い、次に、固定子巻線の端子電圧が前記基準電圧に達してから固定子巻線の通電パターンが次に変化するまでの位相差および固定子巻線への印加電圧を求め、その後、同期運転中に求めた前記位相差および前記印加電圧を用いて同期運転からブラシレス運転に滑らかに移行するようにブラシレス運転中の固定子巻線への印加電圧を求め、この印加電圧によりブラシレス運転を開始した後に固定子巻線の端子電圧が前記基準電圧に達してから固定子巻線の通電パターンが変化するまでの位相差を用いてブラシレス運転を行うことを特徴とする直流電動機の駆動装置。
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