JP4077760B2 - ホイール修正器具及びホイール修理装置 - Google Patents

ホイール修正器具及びホイール修理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4077760B2
JP4077760B2 JP2003135453A JP2003135453A JP4077760B2 JP 4077760 B2 JP4077760 B2 JP 4077760B2 JP 2003135453 A JP2003135453 A JP 2003135453A JP 2003135453 A JP2003135453 A JP 2003135453A JP 4077760 B2 JP4077760 B2 JP 4077760B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wheel
support
jack
repair device
rim
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003135453A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004338473A5 (ja
JP2004338473A (ja
Inventor
敏男 石栗
Original Assignee
有限会社マルゼンオート
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 有限会社マルゼンオート filed Critical 有限会社マルゼンオート
Priority to JP2003135453A priority Critical patent/JP4077760B2/ja
Publication of JP2004338473A publication Critical patent/JP2004338473A/ja
Publication of JP2004338473A5 publication Critical patent/JP2004338473A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4077760B2 publication Critical patent/JP4077760B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Vehicle Cleaning, Maintenance, Repair, Refitting, And Outriggers (AREA)
  • Straightening Metal Sheet-Like Bodies (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホイール修正器具及びホイール修理装置に係り、特に事故等により生じたホイールのリムの変形を修復するのに好適なホイール修正器具及びホイール修理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車や自動二輪車のタイヤを装着するホイールとして、自動車などの軽量化や美観等の利点から、鋼製よりもアルミニウム合金製やマグネシウム合金製のホイールが好まれて使用されることがある。一方で、アルミニウム合金製等のホイールは、事故等により変形し易いという欠点がある。変形したホイールは美観を損ねるばかりではなく、タイヤの空気漏れの原因にもなるため、その変形の程度が軽微であっても廃棄されることがある。
【0003】
しかし、ホイールの変形の程度が軽微である場合には、廃棄して新しいホイールに交換するよりも、変形を修復して再利用した方が経済的である。そこで、従来からホイールの変形を修復するためのホイール修理装置に関する技術が種々提案されている(例えば、特許文献1,特許文献2,特許文献3)。
【0004】
特許文献1に記載のホイール修理装置は、縦軸姿勢で基台に載せたホイールを縦軸回りに回転可能に支持し、リムの変形部分に対して油圧による力を加えてホイールの修理を行うものである。
【0005】
また、特許文献2に記載のホイール修理装置も、特許文献1のホイール修理装置と同様に、縦軸姿勢で基台に載せたホイールを縦軸回りに回転可能に支持し、リムの変形部分に対して油圧による力を加えてホイールの修理を行うものであるが、特許文献2のホイール修理装置が、特許文献1のホイール修理装置と相違する点の1つとして、特許文献2のホイール修理装置では、ホイールを減速機付駆動モーターによって回転自在としている点がある。このため、特許文献2のホイール修理装置では、ホイールを減速機付駆動モーターによって回転させることで、ホイールを回転させながら行う必要のあるリムの切削作業や研磨作業を、1台のホイール修理装置で行えることから、ホイール修正の作業効率が向上するという効果がある。
【0006】
一方、特許文献3に記載のホイール修理装置は、横軸姿勢で基台に載せたホイールを横軸回りに回転可能に支持し、ホイールの変形部分に対して油圧による力を加えてホイールの修理を行うものである。
【0007】
以上のような、従来のホイール修理装置を用いることにより、ホイールに生じた変形をある程度修復できる。また、特許文献2に記載のホイール修理装置によれば、変形を修理するだけではなく、切削や研磨といった作業も一台のホイール修理装置を用いて行うことができる。
【0008】
【特許文献1】
特許第3362021号公報(第3−5頁、図1)
【特許文献2】
実公平6−21802号公報(第2−3頁、図1)
【特許文献3】
特開昭59−191521号公報(第2−4頁、第1図,第5図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
近年は、ホイール修理について修理を依頼する者の要求も高くなり、従来に増してさらなる修理の精度が求められるようになってきている。上記従来のホイール修理装置は何れも、ある程度は良好な修理を行うことができるが、変形している部分を、ホイールに与える油圧による負荷を利用して元の形状に復元させるものであり、微調整をし難いため、油圧によって大まかに変形部分を修復させた後に、変形部分を木槌等で叩くことにより修復部分の微調整を行うことも行われていた。
【0010】
しかし、従来のホイール修理装置では、油圧ジャッキを設置するためのフレームが基台に対して固定的に設けられていたため、このフレームが木槌を用いた作業の際に作業者にとって邪魔な存在になることがあるという問題があった。このために、木槌を用いた作業を行うためにホイールを別の装置等へ設置し直さなければならないという問題も生じていた。また、フレームが基台に対して固定的に設けられているため、装置が大型化する原因にもなっていた。
【0011】
また、木槌を用いた作業では、ホイールのリムに生じた変形に対しては、ホイールの回転軸と略垂直な方向に木槌等を用いる場合が大半であるが、そのような場合に、特許文献1や特許文献2のホイール修理装置のようにホイールを縦軸姿勢で基台に載置するものでは、作業者の直立姿勢に対して水平に近い方向に木槌を用いる必要がある。作業者の直立姿勢に対して水平に近い方向に木槌を用いる場合には、作業者の直立姿勢に対して鉛直に近い方向に木槌を用いる場合に比べて、精度の良い作業が難しいという問題があった。
【0012】
この点、特許文献3のホイール修理装置によれば、ホイールの回転軸と略垂直な方向に木槌等を用いる必要がある場合でも、載置作業者の直立姿勢に対して鉛直に近い方向に木槌を用いることができるため、精度の良い作業を行うことも可能である。しかし特許文献3のホイール修理装置でも、上述のようにフレームが基台に対して固定的に設けられているため、このフレームが木槌を用いた作業、切削作業、研磨作業の際に作業者にとって邪魔な存在になることがあるという問題があった。
【0013】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、ホイールの修理作業を行い易く、スムーズにホイールの修理作業を行うことができるホイール修正器具及びホイール修理装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載のホイール修正器具は、ホイールの変形を修理するためのホイール修正器具であって、押圧冶具を押し出すジャッキと、該ジャッキを保持するジャッキ保持手段と、該ジャッキ保持手段と一端側が接続されて該ジャッキ保持手段を支持する支持棒と、前記ホイールに固定されて前記支持棒を立設させる支持フランジと、前記支持棒と前記支持フランジを着脱自在に連結する支持棒連結手段と、を備え、前記支持棒連結手段は、前記ジャッキ保持手段が前記ホイールの円周方向で任意の角度を向けて前記ジャッキを保持できるように前記支持棒を前記支持フランジに連結し、前記ジャッキ保持手段は、前記支持棒に対する前記ジャッキの角度を調整可能に前記ジャッキを保持することを特徴とする。
【0015】
請求項1に記載のホイール修正器具によれば、ジャッキ保持手段と、支持棒と、支持フランジを介して、ジャッキをホイールに対して直接的に装着できるとともに、取り外しも容易であるため、ホイールの変形部分をジャッキを用いて一次的に修正した後、次の作業にスムーズに移行できる。また、ホイールの変形部分を修理するのに、従来のような大型の装置が不必要で、ホイールの変形部分の修理を迅速、かつ簡易に行うことができる。さらに、ホイールの変形部分に対して、容易に適切な角度で押圧冶具を当てることが可能となる。
【0016】
上記課題を解決するために、請求項2に記載のホイール修理装置は、請求項1に記載のホイール修正器具を装着してホイールの変形を修理するためのホイール修理装置であって、前記ホイールを支持するためのホイール支持手段と、該ホイール支持手段に支持されるホイールに対して所定方向から負荷を加えるためのリム押圧手段と、該リム押圧手段を前記ホイール支持手段に対する所定位置に設置するための設置手段と、を備え、前記ホイール支持手段が、基台と、該基台に水平方向軸回りに回転可能な状態で保持されるホイール支持軸と、を有して構成され、前記ホイール支持軸には、前記ホイールを前記ホイール修正器具とともに装着するホイール支持板を設けたことを特徴とする。
【0017】
請求項2に記載のホイール修理装置によれば、ホイールの変形の一次的な修正をホイール修正器具で行い、変形部分の最終的な微調整をホイール修理装置で行うことができるため、ホイールの変形の一次的な修正、変形部分の最終的な微調整を、一台のホイール修理装置1にホイールWを装着した状態でスムーズに行うことが可能となる。
【0018】
上記課題を解決するために、請求項3に記載のホイール修理装置は、ホイールの変形を修理するためのホイール修理装置であって、前記ホイールを支持するためのホイール支持手段と、該ホイール支持手段に支持されるホイールに対して所定方向から負荷を加えるためのリム押圧手段と、該リム押圧手段を前記ホイール支持手段に対する所定位置に設置するための設置手段と、を備え、前記ホイール支持手段が、基台と、該基台に水平方向軸回りに回転可能な状態で保持されて前記ホイールが装着されるホイール支持軸と、を有して構成され、前記設置手段が、第1の脚部と、該第1の脚部に対して基端動可能に接続される第2の脚部と、該第2の脚部の自由端側に接続されて前記リム押圧手段と前記第2の脚部を接続する架橋部と、を有して構成され、前記リム押圧手段が、前記ホイールの径方向にスライド可能な径方向スライド部と、前記ホイールに当接する押圧冶具と、前記径方向スライド部を前記ホイールの径方向へスライドさせるためのスライド機構と、を有して構成され、前記径方向スライド部に設けられた冶具装着部に前記押圧冶具が装着されることを特徴とする。
【0019】
請求項3に記載のホイール修理装置によれば、ホイール支持軸が基台に水平方向軸回りに回転可能な状態で保持され、ホイールを横軸姿勢で装着できるため、作業者がホイールの変形を修正する際に、ホイールの回転軸と垂直な方向へ力を加えることができ、作業が楽になる。また、第2の脚部が第1の脚部に対して動可能に接続され、第2の脚部の自由端側に接続された架橋部にリム押圧手段が接続されているため、ホイールの修理作業の段階に応じて第2の脚部を第1の脚部に対して動させることで作業スペースを容易に確保できるようになる。また、スライド機構を備えているため、所望の高さで押圧冶具をホイールに当接させ、ホイールへ負荷を与えることができるため、作業効率がよくなる。そして、これらにより、ホイールの修理作業を精度良く、かつ容易に行うことが可能となる。
【0020】
上記課題を解決するために、請求項4に記載のホイール修理装置は、ホイールの変形を修理するためのホイール修理装置であって、前記ホイールを支持するためのホイール支持手段と、該ホイール支持手段に支持されるホイールに対して所定方向から負荷を加えるためのリム押圧手段と、該リム押圧手段を前記ホイール支持手段に対する所定位置に設置するための設置手段と、を備え、前記ホイール支持手段が、基台と、該基台に水平方向軸回りに回転可能な状態で保持されて前記ホイールが装着されるホイール支持軸と、を有して構成され、前記設置手段が、脚部と、前記基台に対して遠近両方向にスライド可能に前記脚部に接続されて前記リム押圧手段と前記脚部とを接続する架橋部と、を有して構成され、前記リム押圧手段が、前記ホイールの径方向にスライド可能な径方向スライド部と、前記ホイールに当接する押圧冶具と、前記径方向スライド部を前記ホイールの径方向へスライドさせるためのスライド機構と、を有して構成され、前記径方向スライド部に設けられた冶具装着部に前記押圧冶具が装着されることを特徴とする。
【0021】
請求項4に記載のホイール修理装置によれば、ホイール支持軸が基台に水平方向軸回りに回転可能な状態で保持され、ホイールを横軸姿勢で装着できるため、作業者がホイールの変形を修正する際に、ホイールの回転軸と垂直な方向へ力を加えることができ、作業が楽になる。また、基台に対して遠近両方向にスライド可能な架橋部でリム押圧手段と脚部とが接続されているため、ホイールの修理作業の段階に応じて架橋部をスライドさせることで作業スペースを容易に確保できるようになる。また、スライド機構を備えているため、所望の高さで押圧冶具をホイールに当接させ、ホイールへ負荷を与えることができるため、作業効率がよくなる。そして、これらにより、ホイールの修理作業を精度良く、かつ容易に行うことが可能となる。
【0022】
上記課題を解決するために、請求項5に記載のホイール修理装置は、請求項4に記載のホイール修理装置であって、前記脚部が、第1の脚部と、該第1の脚部に対して基端動可能に接続される第2の脚部と、で構成され、前記架橋部が、前記第2の脚部の自由端側に接続されたことを特徴とする。
【0023】
請求項5に記載のホイール修理装置によれば、第2の脚部が第1の脚部に対して動可能に接続され、第2の脚部の自由端側に接続された架橋部にリム押圧手段が接続されているため、ホイールの修理作業の段階に応じて第2の脚部を第1の脚部に対して動させることで作業スペースを容易に確保できるようになる。
【0024】
上記課題を解決するために、請求項6に記載のホイール修理装置は、請求項3乃至請求項5のうちいずれか1つに記載のホイール修理装置であって、所定の回転速度で前記ホイール支持軸を回転させる回転駆動力を前記ホイール支持軸に伝達可能な駆動力伝達機構を備えたことを特徴とする。
【0025】
請求項6に記載のホイール修理装置によれば、モータ等からの回転駆動力によってホイール支持軸を高速で回転させることができるようになり、ホイールの変形の修理、切削、研磨を一台のホイール修理装置を用いて行うことが可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
【0027】
図1は、本発明のホイール修理装置を正面からみた説明図である。図2は、本発明のホイール修理装置を側面からみた説明図である。図3は、ホイール支持軸12aにホイールWを固定する機構を示す説明図である。図4乃至図6は、リム押圧手段を示す説明図である。図7は、架橋部をスライドさせて、リム押圧手段を基台から遠ざけた状態を示す説明図である。図8は、上脚部(第2の脚部)を下脚部(第1の脚部)に対して回動させて、リム押圧手段を基台から遠ざけた状態を示す説明図である。図9乃至図11は、ホイール修正器具201を示す図である。図12は、本発明のホイール修理装置にホイールとともにホイール修正器具を装着した状態を示す説明図である。
【0028】
ホイール修理装置1は、ホイールWを支持するためのホイール支持手段10と、ホイール支持手段10に支持されるホイールWに対して負荷を加えるためのリム押圧手段30及びリム押圧手段130と、リム押圧手段30をホイール支持手段10に対する所定位置に設置するための設置手段50と、を備える。
【0029】
ホイール支持手段10は、床面に載置される基台11と、ホイールが装着されるホイール支持軸12aと、ホイール支持軸12aを回転可能に保持する軸受15,16と、を有して構成される。
【0030】
基台11は、本実施の形態では、作業者の腰の高さ程度の概ね矩形状をした台である。なお、基台11を枠組みだけとしてもよい。基台11の両側面にはフランジ13,14がネジによって装着される。このフランジ13,14に、それぞれ軸受15,16が収容される。軸受15,16によって、ホイール支持軸12aが回転可能に保持される。このとき、ホイール支持軸12aは水平方向軸回りに回転可能な状態で保持され、基台11から一方向(本実施の形態では、図1で右方向)に水平に突出する。基台11に収容された状態で、減速機付駆動モーターMが備えられている。
【0031】
図3の(A)に示すように、ホイールWは、ホイール支持軸12aの先端に設けられたホイール支持板61と、支持フランジ62と、押込み具63、締結具64とによって、ホイール支持軸12aに装着される。ホイール支持軸12aは、筒状をした棒状体である。ホイール支持軸12aには、シャフト12bが挿通される。ホイール支持軸12aとシャフト12bとは、ホイール支持軸12aにシャフト12bを挿通した状態で両者の一端側をネジで連結する等により着脱自在に固定される。シャフト12bの長さは、ホイール支持軸12aの長さよりも長く形成されている。ホイール支持軸12aの自由端側にはホイールWを取り付けるための円盤状のホイール支持板61が設けられている。
【0032】
支持フランジ62は、ホイール支持板61との間でホイールWのハブ孔Wb周辺を挟持するために用いられる部材である。支持フランジ62には、シャフト12bを挿通するために孔が形成されている。支持フランジ62に形成されたシャフト12bを挿通するための孔は、押込み具63に形成されたテーパー面63aを、支持フランジ62の表側でも裏側でも受けることが可能なように、表側に末広がりのテーパー面62aと、裏側に末広がりのテーパー面62bを有して形成されている。
【0033】
押込み具63と締結具64は、支持フランジ62をホイールWの方へ押し付けるための部材である。押込み具63と締結具64には、シャフト12bを挿通するための孔が形成されている。押込み具63の端部側には、先端に向けて縮径するテーパー面63aが形成されている。シャフト12bの自由端側にはネジ山が形成されていて、締結具64がシャフト12bに螺嵌される。
【0034】
シャフト12bを挿通した状態で、ホイール支持板61に並べて、ホイールW,支持フランジ62,押込み具63,締結具64をこの順に配置して、締結具64にシャフト12bを螺嵌する。締結具64にシャフト12bを螺嵌することで、締結具64が押込み具63を支持フランジ62の方へ移動させ、支持フランジ62のテーパー面62aと、押込み具63のテーパー面63aが噛み合う。締結具64で押込み具63を支持フランジ62の方へさらに移動させることで、支持フランジ62がホイール支持板61の方へ押し付けられて、ホイール支持板61と支持フランジ62との間にホイールWが挟持され、ホイール支持軸12aにホイールWが装着される。また、支持フランジ62が、ホイールWとともにホイール支持軸12aに対して固定的に接続される。
【0035】
なお、支持フランジ62とホイールWをボルトで固定するようにしてもよい。また、ホイールWとホイール支持板61との間に支持フランジ62を配置して(図3(A)中で破線で示す。)、支持フランジ62とホイールWをボルトで固定するようにしてもよい。この場合、支持フランジ62のテーパー面62bと、押込み具63のテーパー面63aが噛み合うように配置することができる。
【0036】
また、本実施の形態では、押込み具63と締結具64を用いずに、図3の(B)に示すように、ホイール支持軸12aにホイールWを装着することもできる。支持フランジ62には、シャフト12bを挿通するための孔を取り巻くように、ボルト65を挿通するためのボルト挿通孔62cが複数形成されている。また、ホイール支持板61にも、支持フランジ62のボルト挿通孔62cに対応する位置にボルト孔61aが形成されている。このため、押込み具63と締結具64を用いない場合でも、ボルト65を用いてホイール支持板61と支持フランジ62とを締結して、ホイール支持板61と支持フランジ62との間にホイールWを挟持して固定することができる。また、支持フランジ62が、ホイールWとともにホイール支持軸12aに対して固定的に接続される。因みに、押込み具63と締結具64を用いない場合には、シャフト12bは不要であるため、ホイール支持軸12aから外してもよい。
【0037】
本実施形態では、支持フランジ62が後述のホイール修正器具201を構成する要素にもなるため、支持フランジ62をホイール支持軸12aに対してホイールWとともに接続することで、ホイール修正器具201をホイールWとともに、ホイール支持軸12aに装着することが可能となる(図9,図11,図12参照)。
【0038】
ホイール支持軸12aには、フランジ13とフランジ14との間に位置する部分に、基台11に収容された状態で、減速機付駆動モーターMから発生する回転駆動力をホイール支持軸12aに伝達するための駆動力伝達機構が設けられる。ホイール支持軸12aは、駆動力伝達機構により回転駆動力を受けて、減速機付駆動モーターMの回転速度に応じて回転する。ホイール支持軸12aが回転すると、シャフト12bとホイール支持板61も回転して、ホイール支持板61と支持フランジ62との間に挟持されたホイールWを回転させることができる。
【0039】
本実施の形態では、駆動力伝達機構は、周知の変速機構を備えて構成されている。変速機構の一例としては、複数の調車P1,P2,P3,P4,P5,P6とベルトB1,B2,B3と中間軸SとクラッチC1,C2,C3,C4,C5,C6とを組み合わせた変速機構がある。この例では、減速機付駆動モーターMに調車P1が設けられ、中間軸に調車P2,P3,P4、クラッチC1,C3,C4が設けられ、ホイール支持軸12aに調車P5,P6、クラッチC2,C5,C6が設けられている。調車P1と調車P2にベルトB1が、調車P3と調車P5にベルトB2が、調車P4と調車P6にベルトB3が掛けられている。
【0040】
そして、減速機付駆動モーターMの回転駆動力をベルトB1によって中間軸Sに設けた調車P2に対して伝達し、調車P2の回転駆動力をクラッチC1,C2、調車P3,P4、ベルトB1,B2によってホイール支持軸12aに伝達することで、ホイール支持軸12aを回転させる。このとき、調車P3,P4,P5,P6に設けたクラッチC3,C4,C5,C6をクラッチC1,C2とつなぐことでホイール支持軸12aの回転速度を変速できるように構成する。この構成以外にも、ベルトと調車ではなく、複数の歯車を組み合わせて変速機構を構成してもよい。
【0041】
本実施の形態の駆動力伝達機構は、減速機付駆動モーターMの回転駆動力をホイール支持軸12aに伝達しない所謂ニュートラルの状態になるようにも構成されている。駆動力伝達機構に設けたクラッチC1,C2を外すこと等により、ニュートラルの状態なる。なお、基台11には、駆動力伝達機構におけるクラッチのつなぎかたを変更して、減速機付駆動モーターMの回転に対して所望の速度でホイール支持軸12aを回転させたり、クラッチを外してニュートラル状態したりするための変速レバー17,18が設けられている。また、減速機付駆動モーターMを始動・停止させるためのスイッチ19が、基台11の正面に設けられている。
【0042】
図4乃至図6は、リム押圧手段30を説明するための平面図である。図4から図6にかけて、スライド棒31を上方へスライドさせる様子を示している。リム押圧手段30は、上下方向にスライド可能なスライド棒31と、スライド棒31が下方向へスライドするのを規制しながら当該スライド棒31を上方向へスライドさせるための鉛直スライド機構V1と、を有して構成されている。スライド棒31は本発明の径方向スライド部に相当する。本実施の形態では、ホイールWが、水平方向に保持されたホイール支持軸12aに、横軸姿勢で固定されているため(図1参照)、スライド棒31が上下方向にスライドすると、スライド棒31はホイールWの径方向にスライドすることになる。
【0043】
スライド棒31は角柱状の長尺部材であり、一方の先端に冶具装着部32が形成されている。冶具装着部32は、ホイールWに当接させる押圧冶具J1を装着する部分であり、本実施の形態では筒状である。押圧冶具J1は当接部J1aとアーム部J1bとが一体に形成されたものである(図4参照)。当接部J1aは、ホイールWに当接する部分であり、ホイールのどの位置に当接させるか等によってその形状が異なる。リムWaに当接させるための当接部J1aでは、縁がリムの内側の形状に合わせた形状になっている。
【0044】
アーム部J1bは、冶具装着部32に挿入される部分である。本実施の形態では円柱状である。アーム部J1bは冶具装着部32内部でスライドさせることができ、締付けネジ32aを締めることで、アーム部J1bのスライドが規制される。アーム部J1bが冶具装着部32内でスライド可能なため、スライド棒31からの当接部J1aの突出距離の微調整が可能である。
【0045】
鉛直スライド機構V1は、本発明のスライド機構に相当するものであり、スライド案内部材33と、規制板34と、コイルばね35と、板カム36と、レバー37と、を有して構成される。
【0046】
スライド案内部材33は概ね矩形状であり、その一部に板カム36が収容される。また、スライド案内部材33には、スライド棒31を挿通するための挿通孔33aが形成されている。また、スライド案内部材33には、挿通孔33aの方向と垂直な向きに後述の架橋部54を嵌入するため取付孔33bが形成されている。
【0047】
規制板34は、平板状である。規制板34には、スライド棒31を挿通するための挿通孔34aが形成される。規制板34は、挿通孔34aが鉛直方向を向いてスライド案内部材33の挿通孔33aと連通するように、スライド案内部材33の上に載置される。また、規制板34には、カム受突起34bが下方に突出して設けられる。カム受突起34bの下端が板カム36の上端に当接する。
【0048】
コイルばね35は、内部にスライド棒31を挿通可能な大きさのコイルばねであり、規制板34の上に載置される。板カム36は、スライド案内部材33の上方を臨む状態でスライド案内部材33に回転可能に収容されている。板カム36の上端は、規制板34のカム受突起34bの下端と当接する。板カム36の回転によって、カム受突起34bが上下動し、これに伴って規制板34が動かされる。レバー37は、板カム36を回転させるためのものである。
【0049】
スライド棒31は、挿通孔33a,挿通孔34a,コイルばね35に挿通され、鉛直スライド機構V1に対して取り付けられる。鉛直スライド機構V1は、スライド棒31が挿通孔33a,挿通孔34a,コイルばね35から抜け落ちるのをコイルばね35の上端で支える。本実施の形態では、コイルばね35の上端部を覆う大きさの蓋状の連結キャップ38を、コイルばね35に載置する。スライド棒31を挿通孔33a,挿通孔34a,コイルばね35に挿通し、連結キャップ38とスライド棒31とをネジで連結することで、スライド棒31を支持できる。
【0050】
図4に示すように、板カム36の薄肉部分が上方に向いた状態では、自重により挿通孔33a,挿通孔34a,コイルばね35から抜け落ちようとするスライド棒31が、連結キャップ38を介してコイルばね35の上端で支えられる。このとき、連結キャップ38と規制板34とを離す方向にコイルばね35の付勢力が働く。
【0051】
さらに、板カム36を回転させることで、規制板34によって、スライド棒31が下方へスライドするのを規制することもできる。図5に示すように、作業者がスライド棒31を所定の高さで支えた状態で、レバー37を操作して板カム36を回転させると、カム受突起34bが上昇することで、カム受突起34bの取付け位置で規制板34が上昇する。このとき、連結キャップ38と規制板34とを離す方向にコイルばね35の付勢力が働いているため、カム受突起34bの取付け位置から遠い規制板34の一端側に支点Fが生じ、Fを支点に規制板34が傾く。
【0052】
規制板34が傾くと、挿通孔34aの向きがずれて、挿通孔34aの縁がスライド棒31と接触して、規制板34とスライド棒31との摩擦が強くなる。板カム36の回転に伴ってスライド棒31と規制板34の摩擦力が強くなることで、スライド棒31が下方へスライドすることが、規制板34によって規制される。規制板34とスライド棒31との摩擦力が強くなれば、作業者がスライド棒31から手を離してもスライド棒31は下方へスライドしない。
【0053】
本実施の形態では、スライド棒31と規制板34の摩擦力でスライド棒31が下方へスライドしない状態から、さらに板カム36を回転させることで、スライド棒31を上方へスライドさせることができる。すなわち、規制板34が傾いて、挿通孔34aの縁がスライド棒31と接触してそれ以上傾くことができなくなると、図6に示すように、カム受突起34bがさらに上昇することで、コイルばね35の付勢力に反して、規制板34全体がスライド棒31とともに上方向へスライドする。
【0054】
以上のように、本実施形態の鉛直スライド機構V1によれば、スライド案内部材33の上に載置されていた規制板34が傾き、上昇することで、スライド棒31が下方向へスライドするのを規制しながらスライド棒31を上方向へスライドさせることができるものである。
【0055】
設置手段50は、リム押圧手段30をホイール支持手段10に対する所定位置に設置するためのものである。本実施の形態では、リム押圧手段30は、設置手段50によって、基台11に対する側方、すなわち、ホイール支持軸12aが突出する側(本実施の形態では、図1で基台11の右側)に設置される。本実施の形態の設置手段50は、床面に載置される脚部51と、脚部51に接続されてリム押圧手段30と脚部51とを接続する架橋部54と、を有して構成される。脚部51は、下脚部52と上脚部53から構成される。下脚部52は本発明の第1の脚部に相当する。上脚部53は本発明の第2の脚部に相当する。
【0056】
下脚部52は、床面に横向きに載置された柱状の部材である。下脚部52は、下脚部52の長手方向とホイール支持軸12aの軸方向とが一致するように、一端が基台11の側面にボルトで固定される。下脚部52の基台11に固定される側と反対側の端部近傍には、上脚部53を下脚部52に対して動可能に軸支するための上脚部受52aが形成されている。なお、下脚部52を複数の部材で構成してもよい。
【0057】
上脚部53は、柱状に形成されている。上脚部53は、上脚部53の基端が下脚部52の上脚部受52aで動ピン55によって接続され、下脚部52に対して動ピン55を中心に動可能となっている。本実施の形態では、上脚部53の自由端が、ホイール支持軸12aと平行な直立面内で移動するように、上脚部53は下脚部52に対して動可能に接続される。上脚部53の自由端側には、架橋部54を水平方向にスライド可能に接続するためのスライド孔53a(図2参照)が設けられている。スライド孔53aは、Cの字状の断面を有し、上脚部53が直立したときに、孔が水平方向で、かつホイール支持軸12aの軸方向を向くように設けられる。スライド孔53aの断面は、固定ボルト56を締めることで狭められる。
【0058】
架橋部54は、円筒又は円柱状の長尺部材である。架橋部54は、スライド孔53aに挿通されて、基台11と遠ざかる方向及び近づく方向にスライド可能に上脚部53に接続される。本実施の形態では、上脚部53が直立したときに、架橋部54は、水平方向で、かつホイール支持軸12aの軸方向にスライド可能となる。架橋部54をスライド孔53aに挿通した状態で、固定ボルト56を締めると、架橋部54のスライドが規制される。架橋部54の基台11側に位置する端部、すなわち、架橋部54がスライド孔53aに挿通されて上脚部53が直立したときに基台11側に位置する端部は、リム押圧手段30のスライド案内部材33に形成された取付孔33bに嵌入され、架橋部54とリム押圧手段30とが接続される。このとき、リム押圧手段30の挿通孔33aが上下方向を向くように、架橋部54とリム押圧手段30とが接続される。
【0059】
このように、上脚部53にスライド可能に接続された架橋部54の端部にリム押圧手段30が接続されるため、架橋部54がスライド孔53aに挿通されて上脚部53が直立したときには、架橋部54をスライドさせることで、リム押圧手段30を基台11(或いはホイール支持軸12a)に近づけたり遠ざけたりすることができる。図7は、架橋部54をスライドさせて、リム押圧手段30を基台11から遠ざけた状態を示す図である。
【0060】
また、上脚部53を下脚部52に対して動させることでも、リム押圧手段30を基台11(或いはホイール支持軸12a)に近づけたり遠ざけたりすることができる。図8は、上脚部53を下脚部52に対して動させて、リム押圧手段30を基台11から遠ざけた状態を示す図である。
【0061】
すなわち、図7,図8に示すように、本実施の形態では、架橋部54を基台11から遠ざける方向にスライドさせたり、上脚部53の自由端を基台11から遠ざける方向に動させたりすることで、基台11、下脚部52、上脚部53で囲まれる空間を広げることができ、ホイール支持軸12aに取り付けられるホイールWに対する作業スペースを広く確保できる。
【0062】
リム押圧手段130は、上述のリム押圧手段30と同様の機能・構成を有する。すなわち、リム押圧手段130は、リム押圧手段30のスライド棒31,鉛直スライド機構V1に相当するものとして、スライド棒131,鉛直スライド機構V2を有して構成されている。スライド棒131の先端には冶具装着部32に相当するものとして冶具装着部132が形成されている。
【0063】
鉛直スライド機構V2は、鉛直スライド機構V1と同様の機能・構成を有する。鉛直スライド機構V2は、鉛直スライド機構V1のスライド案内部材33,規制板34,コイルばね35,板カム36,レバー37に相当するものとして、スライド案内部材133と、規制板134と、コイルばね135と、板カム136と、レバー137と、を有して構成される。そして、スライド案内部材133には挿通孔33aに相当する挿通孔133aが設けられ、規制板134には挿通孔34a,カム受突起34bに相当する挿通孔134a,カム受突起134bが設けられている。
【0064】
上述のように、リム押圧手段30は、設置手段50によって、基台11に対してホイール支持軸12aが突出する側に設置されたが、本実施の形態のリム押圧手段130は、基台11の上に設置される。このため、リム押圧手段130は、ホイール支持軸12aに固定されるホイールWに対して、上脚部53が位置する側と反対側の水平位置で基台11上に固定される。言い換えれば、上脚部53に架橋部54を介して接続されるリム押圧手段30に対して、ホイールWを挟んで対向するようにリム押圧手段130が設置される。
【0065】
なお、リム押圧手段130は、ボルト等によって基台11の上部に固定されるスタンド139を介して基台11上に固定される。このとき、基台11又はスタンド139にボルトを挿通するためのボルト孔を横長に形成しておけば、ホイールWの幅に応じてリム押圧手段130の位置を調整することができる。勿論、ホイールWの幅に応じてリム押圧手段130の位置を調整する手段としてはこれに限らず、リム押圧手段130に取り付けられる押圧冶具J1のアーム部J1bのスライドによっても調整できる。また、リム押圧手段130をウォームとウォームギヤを用いて基台11に接続し、リム押圧手段130の位置を調整することもできる。
【0066】
図9乃至図11は、ホイール修正器具201を示す図である。図9はホイール修正器具の側面図、図10はホイール修正器具201の上面図である。また、図11は、ホイール修正器具201の分解図である。ホイール修正器具201は、ホイールWに直接固定して、ホイールWの変形を修理するためのものである。
【0067】
ホイール修正器具201は、押圧冶具J2と、押圧冶具J2を押し出すジャッキ210と、ジャッキ210を保持するジャッキ保持手段220と、ジャッキ保持手段220を支持する支持棒230と、支持棒230を立設させる支持フランジ62と、支持棒230と支持フランジ62を連結する支持棒連結手段と、を備えて構成される。
【0068】
本実施の形態のジャッキ210は油圧ジャッキであり、油圧によって先端に取り付けられる押圧冶具J2を押し出すものである。ジャッキ210には油圧を送るための油圧口211が設けられている。
【0069】
ジャッキ保持手段220は、ジャッキ210の一端側に固定される前蓋222と、ジャッキ210の他端側を収容する後蓋224と、ジャッキ210の中央部近傍で前蓋222と後蓋224の間に位置する中央ケース226と、後蓋224とジャッキ210とを連結するネジ228を有して構成される。
【0070】
前蓋222は、中央に押圧冶具J2のアーム部J2bを通すための孔222aが形成された円盤状をした部材である。前蓋222は、ジャッキ210にネジ(不図示)で固定される。
【0071】
後蓋224は、有底の円筒状の部材であり、ジャッキ210の他端側を収容する。後蓋224の底部にはネジ228を通すためのネジ孔224aが形成されている。ジャッキ210の端部にもネジ孔210aが形成されており、ネジ孔224aとネジ孔210aを介して、後蓋224とジャッキ210がネジ228で連結される。
【0072】
中央ケース226には、ジャッキ210を挿通するジャッキ挿通孔226aが形成されている。本実施の形態では、ジャッキ挿通孔226aの断面は、ジャッキ210が縦方向に遊動できる大きさで形成されている。また、中央ケース226には、支持棒230が螺嵌される支持穴226bが形成されている。
【0073】
支持棒230は、円柱状の部材である。支持棒230の基端側には、ねじが形成され、支持棒230は、基端側がジャッキ保持手段220の中央ケース226の支持穴226bに螺嵌されることで、ジャッキ保持手段220と接続される。支持棒230の基端側と反対の自由端側は、基端側から自由端側に向けて縮径するようにしてテーパー面230aが形成されている。
【0074】
支持フランジ62は、中央に孔を有する円盤の部材である。支持フランジ62に形成されている中央の孔には、支持棒230の自由端側をフランジの表面側から挿入したときにテーパー面230aを受けるように、テーパー面62aが形成されている。さらに、支持フランジ62に形成されている中央の孔には、支持棒230の自由端側をフランジの裏面側から挿入したときにテーパー面230aを受けるように、テーパー面62bが形成されている。すなわち、支持フランジ62の表側からでも、裏側からでも支持棒230を支持フランジ62に挿入することができる。このため、支持フランジ62をホイールWのハブ穴Wbに装着した際に、ホイールWの表側と裏側両方にジャッキ210を配置することができる。
【0075】
本実施の形態では、支持棒230と支持フランジ62を連結する支持棒連結手段が、支持棒230のテーパー面230aと、支持フランジ62のテーパー面62a(又はテーパー面62b)とで構成されている。すなわち、支持棒230のテーパー面230aと支持フランジ62のテーパー面62a(又はテーパー面62b)とを噛み合わせることで、支持フランジ62に対して、支持棒230を立設させた状態で連結することができる。また、フランジ62からの支持棒230の取り外しは、支持棒230の基端側に接続されているジャッキ保持手段220を捻ることで行えばよい。すなわち、本実施の形態では、支持テーパー面230a,62a,62bを用いているため、支持棒230と支持フランジ62との着脱を自在に行うことができる。
【0076】
なお、支持棒230のテーパー面230aとテーパー面62a(又はテーパー面62b)とを噛み合わせることで、支持フランジ62に対して支持棒230を立設させることができるが、より強固に支持棒230を支持フランジ62に立設させたい場合には、支持フランジ62のテーパー面62bに対応するテーパー面240aを備えた締付けキャップ240を用いるとよい。すなわち、支持棒230の自由端にネジ穴230bを形成しておき、テーパー面230aとテーパー面62a、テーパー面240aとテーパー面62bをそれぞれ噛み合わせた状態で、ネジ241を締付ける。ネジ241を締めることにより、支持棒230と締付けキャップ240とを引き寄せて、テーパー面62a,62b,230a,240aを強固に締付けて固定することが可能となる(図9参照)。
【0077】
以上の構成を備えるホイール修正器具201では、ジャッキ210を中央ケース226のジャッキ挿通孔226aに挿通し、前蓋222をジャッキ210に固定した状態で、ネジ228によって前蓋222を後蓋224側へ引き寄せるように後蓋224とジャッキ210とを連結することで、前蓋222と後蓋224とによって中央ケース226を挟持して、ジャッキ210を保持する。そして、前蓋222と後蓋224とによって中央ケース226を挟持する角度を調整することで、中央ケース226に螺嵌された支持棒230に対するジャッキ210の角度を調整することができる。このため、リムWaに対する押圧冶具J2を当てる角度を調整できるようになる。図9の(A)が、支持棒230に対してジャッキ210を垂直に保持した状態を示し、図9の(B)が、支持棒230に対してジャッキ210を斜めに保持した状態を示している。
【0078】
また、本実施の形態では、支持棒230のテーパー面230aと支持フランジ62のテーパー面62a(又はテーパー面62b)とが噛み合うことで、支持棒230が支持フランジ62に対して立設した状態で連結される。このため、支持フランジ62をホイールWに対して固定した場合でも、支持棒230のテーパー面230aと、支持フランジ62のテーパー面62a(又はテーパー面62b)の噛み合わせを変えることで、ホイールWの円周方向(支持フランジ62の円周方向)で任意の角度を向けてジャッキ210を保持することができる。このため、ホイールの変形部分に押圧冶具J2を当てるのが容易になる。
【0079】
さらに、本実施の形態では、上述のように、押込み具63と締結具64を用いずに、ボルト65を用いてホイール支持板61と支持フランジ62とを締結することで、支持フランジ62をホイールWとともにホイール支持軸12aに装着することができる(図3の(B)、図12参照)。このようにホイールWを固定すれば、ホイール支持軸12aに対してホイールWとともにホイール修正器具201を装着できるため、ホイールWをホイール修理装置1に安定させた状態で、ホイール修正器具201を用いたホイールの修正作業を行うことができる。
【0080】
さらに、上述のように、押込み具63と締結具64を用いずに、ホイールWをホイール支持板61と支持フランジ62とで挟持するように固定して、支持フランジ62とホイールWを固定的に接続した状態で、テーパー面230a,62aを利用して、支持フランジ62に支持棒230を連結すれば、ホイール修理装置1に装着されたホイールWに対してホイール修正器具201を容易に着脱できるようになる。このため、ホイール修正器具201を装着してホイールWの変形の一次的な修正を行った後に、ホイール修正器具201を取り外して、ホイール修理装置1で変形部分の最終的な微調整を行うという作業をスムーズに行うことができるようになる。
【0081】
以上説明したホイール修正器具201,ホイール修理装置1を用いて、ホイールの修理を行う場合を以下に説明する。ここでは、リムWaの変形を修正して、研磨による仕上げを行う場合を説明する。
【0082】
まず、図7に示したように、ホイールWをホイール支持軸12aに固定する。この段階では、駆動力伝達機構はニュートラル状態であり、ホイール支持軸12aは減速機付駆動モーターMの回転駆動力を受けないため、作業者はホイールWを手で自由に回転させることができる。作業者は、ダイヤルゲージをリムWaに当てながら、ホイールWを回転させて、変形部分を特定する。なお、図7では、ホイール支持軸12aにシャフト12bを挿通した状態で、押込み具63と締結具64を用いて、ホイールWをホイール修理装置1に装着しているが、上述のように、押込み具63と締結具64を用いずに、ホイール支持板61と支持フランジ62とをボルト65で締結してホイールWを固定してもよい。
【0083】
次に、締結具64,押込み具63,シャフト12bを外して、支持フランジ62のボルト挿通孔62cとホイール支持板61のボルト孔61aにボルトを螺嵌して、ホイール支持板61と支持フランジ62との間にホイールWを挟持して、ホイールWをホイール修理装置1に装着する。なお、既に、押込み具63と締結具64を用いずにホイールWを装着していた場合には、この工程は不要である。
【0084】
次に、ジャッキ210を保持したジャッキ保持手段220に接続された支持棒230のテーパー面230aと支持フランジ62のテーパー面62aとを噛み合わせることで、ホイール修正器具201をホイールWに装着する。このとき、ホイールWの変形部分の方向に押圧冶具J2の先端が向くように、テーパー面230aとテーパー面62aとを噛み合わせる。
【0085】
次に、前蓋222と後蓋224とによって中央ケース226を挟持する角度を調整することで、支持棒230に対するジャッキ210の角度を調整し、押圧冶具J2がリムWaを押圧する角度を決定する。
【0086】
次に、ジャッキ210の先端に取り付けられている押圧冶具J2を押し出して、リムWaの変形部分を油圧で押圧し、リムWaの修正を行う。
【0087】
以上により、油圧を用いてホイールの変形を一次的に修正したら、次に修正部分の微調整を行うために、ホイール修正器具201をホイールWから取り外す。すなわち、支持フランジ62から、支持棒230を抜き取ることで、ホイール修正器具201をホイールWから取り外して、支持フランジ62のボルト挿通孔62cとホイール支持板61のボルト孔61aに螺嵌しているボルト65を外して、代わりにシャフト12b,押込み具63,締結具64を装着して、ホイール修理装置1にホイールWを装着する。上述のように、押込み具63と締結具64を用いずに、ホイール支持板61と支持フランジ62とをボルト65で締結してホイールWを固定する場合には、この作業は不要である。
【0088】
次に、特定した修正部分が上方になるように、ホイールWを回転させる。次に、図1に示したように、上脚部53が直立し、冶具装着部32に押圧冶具J1を装着した状態で、押圧冶具J1がホイールWの側面に当接するように、架橋部54をスライドさせ、固定ボルト56を締めて架橋部54を固定する。さらに、スライド棒31を手で支えながら上方へスライドさせて、押圧冶具J1の当接部J1aの上縁をホイールWのリムWaに当接させる。当接部J1aの上縁をホイールWのリムWaに当接させた状態で、レバー37を回転させ、スライド棒31が下方へスライドしないように規制する(図5参照)。
【0089】
さらに、レバー37を回転させることで、スライド棒31をホイールWの径方向に沿って、上方へスライドさせる(図6参照)。スライド棒31を上方へスライドさせることで、押圧冶具J1を介してリムWaに対して下方から上方へ負荷を与える。所望の負荷をリムWaに対して下方から上方へ与えた状態で、木槌を用いて変形部分を上方から叩く。このように、リム押圧手段30を利用して、リムWaの変形部分に対して下方から負荷を与えながら、リムWaの変形部分を木槌で上方から叩くことで、修正部分の微調整を行い、精度の良い修理を行うことができる。
【0090】
そして、木槌を用いた変形部分の修理が終了した後には、レバー37を逆に回転させて、リムWaに与えていた負荷をとるとともに、スライド棒31を下方へスライドさせる(図4参照)。さらに、固定ボルト56を緩めて、図7に示すように、架橋部54をホイールWから離す方向へスライドさせる。これにより、ホイール支持軸12aに取り付けられるホイールWに対して、次に行う研磨等のための作業スペースを広く確保できる。架橋部54をホイールWから離す方向へスライドさせることと併せて、図8に示すように、上脚部53の自由端を基台11から遠ざける方向に上脚部53を動させれば、更に広いスペースを確保でき、研磨などの作業がし易くなる。
【0091】
架橋部54をホイールWから離す方向へスライドさせ、また、上脚部53の自由端を基台11から遠ざける方向に上脚部53を動させて、作業スペースを確保したら、変速レバー17,18を操作してクラッチをつなぎ、スイッチ19を操作して減速機付駆動モーターMを作動させ、ホイール支持軸12aを所望の回転速度で回転させる。ホイール支持軸12aを回転させることで、ホイール支持軸12aに取り付けられるホイールWが回転を始める。回転しているホイールに対して研磨紙を当てることで研磨の作業を行う。また、作業スペースが広く確保されているため、研磨を行う前に、比較的大きな切削装置をホイール修理装置1に装着されたホイールWに当てて切削作業を行うこともできる。
【0092】
研磨作業等が終了したら、スイッチ19を操作して減速機付駆動モーターMを停止させるとともに、ホイール支持軸12aからホイールWを取り外してホイールの修理を終了する。
【0093】
以上のように、ホイール修正器具201は、ジャッキ保持手段220と、支持棒230と、支持フランジ62を介して、ジャッキ210をホイールWに対して直接的に装着できるとともに、取り外しも容易であるため、ホイールWの変形部分をジャッキ210を用いて一次的に修正した後、次の作業にスムーズに移行できる。すなわち、木槌等を用いて変形部分の最終的な調整,研磨等の作業を行う装置(本実施の形態ではホイール修理装置1)にホイールWを固定した状態で、ホイール修正器具201をホイールWに対して簡単に着脱することができるため、ホイールWの変形部分をジャッキ210を用いて一次的に修正した後に、木槌等を用いて変形部分を最終的に調整する作業や、研磨等の作業にすぐに以降することができ、一連の作業を迅速に行うことが可能となる。
【0094】
また、ホイールWの変形部分を一次的に修理するだけであれば、ホイールWに対して支持フランジ62を直接取付けて、ホイール修正器具201だけ用いて変形部分の補正を行えばよく、大型の装置が不必要で、ホイールWの変形部分の一次的な修理を迅速、かつ簡易に行うことができる。
【0095】
さらに、ホイール修正器具201及びホイール修理装置1を用いてホイールのWの修理を行えば、簡易な構成の装置で、精度の良いホイールの修理を行うことができる。すなわち、ホイールの変形の一次的な修正、変形部分の微調整、切削、研磨を、一台のホイール修理装置1に装着されたホイールWに対してスムーズに行うことができる。
【0096】
さらに、本発明のホイール修理装置1は、リム押圧手段30だけではなく、リム押圧手段130も備えているため、冶具装着部132にも押圧冶具J1を装着し、押圧冶具J1をリムWaに当接させ、レバー137を操作することで、リム押圧手段130も用いて修理を行えば、ホイールWの表裏両面のリムWaに対する修理を効率よく行うことができる。
【0097】
なお、上記の実施の形態を、以下の(a)〜(g)の構成に変更することや、(a)〜(g)の構成を適宜組合わせた構成に変更することもできる。
【0098】
(a) 上記の実施の形態では、研磨を行うための作業スペースを確保するために、架橋部54をホイールWから離す方向へスライドさせ、また、上脚部53の自由端を基台11から遠ざける方向に上脚部53を動させていたが、研磨作業に、架橋部54や上脚部53を利用することもできる。例えば、冶具装着部32に装着していた押圧冶具J1の代わりに、ホイールWの研磨を行うための研磨装置を装着して、上脚部53を直立させ、研磨装置がホイールWの側面に当接するように、架橋部54をスライドさせて研磨を行うこともできる。
【0099】
(b) 上記の実施の形態では、本発明のスライド機構として、低廉かつ簡素な構成のために、上述の鉛直スライド機構V1,V2を採用したが、スライド機構として他の機構を採用してもよい。例えば、ラックとピニオン等の回転運動を直線運動に変換する周知の機構を利用する。この構成では、専用に設けた回転レバーを回転操作することでスライド棒31をスライド可能とすることができる。周知の刻み送り機構を併せて利用すれば、スライド棒31,131が所定の方向へスライドするのを規制しながら、スライド棒31,131を他方向へスライドさせることができる。
【0100】
(c) 上記の実施の形態では、架橋部54は、上脚部53が直立したときに、水平方向で、かつホイール支持軸12aの軸方向にスライド可能となるものであったが、架橋部54は、スライド孔53aに挿通されて、基台11と遠ざかる方向及び近づく方向にスライド可能に上脚部53に接続されれば他の構成でもよい。例えば、上脚部53が直立したときに、水平から所定の角度をもってスライドするようにしてもよい。また、ホイール支持軸12aの軸方向から所定の角度をもってスライドするようにしてもよい。
【0101】
(d) 上記の実施の形態では、スライド孔53aに架橋部54を挿通させることで、架橋部54を水平方向にスライド可能にしていたが、架橋部54をスライドさせるための回転レバーを適宜の場所に設けて、ラックとピニオン等の回転運動を直線運動に変換する周知の機構を利用して、架橋部54をスライド可能にしてもよい。
【0102】
(e) 架橋部54がスライドする方向に、油圧ジャッキによる負荷をかける構成とすることができる。この構成により、ホイールWに対して、架橋部54がスライドする方向に負荷を与えることができ、架橋部54がスライドする方向に負荷を与えた修理作業を行うことができる。
【0103】
(f) 上記の実施形態では、上脚部53の自由端が、ホイール支持軸12aと平行な直立面内で移動するように、上脚部53が下脚部52に対して動可能に接続される例を示したが、作業者の使い勝手、ホイール修理装置1を設置する作業場の状況等に応じて適宜、上脚部53の自由端が動する方向を変更することができる。
【0104】
(g) 上記の実施形態では、下脚部52は、基台11の側面にボルトで固定されるものであったが、これに限定されるものではない。例えば、下脚部52に移動用の車輪と、移動を阻止するストッパーを設け、基台11に対する脚部51の設置位置を自由に変えることができるようにしてもよい。
【0105】
以上に説明した実施の形態から把握できる請求項に記載した以外の技術的思想として、例えば、次の(1),(2)に示すホイール修正器具や、(3)〜(8)に示すホイール修理装置が考えられる。
【0106】
(1) 請求項1に記載のホイール修正器具において、前記ジャッキ保持手段は、前記ジャッキの一端側に固定される第1の枠体(上記の実施形態では「前蓋222」が相当する)と、前記ジャッキの他端側を収容する第2の枠体(上記の実施形態では「後蓋224」が相当する)と、前記ジャッキの中央部近傍で前記第1の枠体と前記第2の枠体の間に位置する中央枠体(上記の実施形態では「中央ケース226」が相当する)と、前記第2の枠体と前記ジャッキとを連結する連結具(上記の実施形態では「ネジ228」が相当する)を有して構成され、前記支持棒が、前記中央枠体に接続され、前記ジャッキを前記中央枠体に挿通し、前記第1の枠体を前記ジャッキに固定した状態で、前記連結具によって前記第1の枠体を前記第2の枠体側へ引き寄せるように前記第2の枠体と前記ジャッキとを連結することで、前記第1の枠体と前記第2の枠体とによって前記中央枠体を挟持して、前記ジャッキを保持するものであり、前記第1の枠体と前記第2の枠体とによって前記中央枠体を挟持する角度を調整することで、前記支持棒に対する前記ジャッキの角度を調整可能にしたことを特徴とするホイール修正器具。
【0107】
このホイール修正器具によれば、簡易な構成で、容易に、ホイールの変形部分に対して適切な角度で押圧冶具を当てることが可能となる。
【0108】
(2) 請求項1に記載のホイール修正器具において、前記支持棒連結手段は、前記支持棒の前記ジャッキ保持手段と接続される基端側と反対の自由端側に、基端側から自由端側に向けて縮径して形成された支持棒側テーパー面(上記の実施形態では「テーパー面230a」が相当する)と、前記支持フランジに形成された前記支持棒側テーパー面を受けるように形成されたフランジ側テーパー面(上記の実施形態では「テーパー面62a」や「テーパー面62b」が相当する)と、を有して構成されたことを特徴とするホイール修正器具。
【0109】
このホイール修正器具によれば、簡易な構成で、容易に、ホイールの円周方向(支持フランジの円周方向)で任意の角度を向けてジャッキを保持することが可能となる。
【0110】
(3) 請求項4又は請求項5に記載のホイール修理装置において、前記脚部と前記基台とが接続されたことを特徴とするホイール修理装置。
【0111】
このホイール修理装置によれば、リム押圧手段をホイール支持手段に対して所定位置で設置するのが容易になる。
【0112】
(4) 請求項3乃至請求項5のうちいずれか1つに記載のホイール修理装置において、前記径方向スライド部は上下方向にスライド可能であり、前記スライド機構は、前記径方向スライド部が下方向へスライドするのを規制しながら当該前記径方向スライド部を上方向へスライドさせることを特徴とするホイール修理装置。
【0113】
このホイール修理装置によれば、押圧冶具をホイールに当接させる所望の高さで位置調整しておきながら、その状態からさらに上方向へ径方向スライド部をスライドさせてホイールへ所望の負荷を与えることができるため、作業効率がよくなる。
【0114】
(5) 前記(4)に記載のホイール修理装置において、前記押圧冶具は、前記ホイールのリムの内側に下方向から当接することを特徴とするホイール修理装置。
【0115】
このホイール修理装置によれば、作業者が木槌等で上方向からホイールのリムを叩く場合に、押圧冶具によってリムを下方向から所望の負荷をかけながら支えるため、より精度の良い修理作業を行うことができる。
【0116】
(6) ホイールの変形を修理するためのホイール修理装置であって、ホイールを支持するためのホイール支持手段と、該ホイール支持手段に支持されるホイールに対して所定方向から負荷を加えるための第1のリム押圧手段及び第2のリム押圧手段と、前記第1のリム押圧手段を前記ホイール支持手段に対する所定位置に設置するための設置手段と、を備え、前記ホイール支持手段が、基台と、該基台に水平方向軸回りに回転可能な状態で保持されてホイールが装着されるホイール支持軸と、を有して構成され、前記設置手段が、第1の脚部と、該第1の脚部に対して基端動可能に接続される第2の脚部と、該第2の脚部の自由端側に接続されて前記第1のリム押圧手段と前記第2の脚部を接続する架橋部と、を有して構成され、前記第2のリム押圧手段が、前記基台上に固定され、前記第1のリム押圧手段及び前記第2のリム押圧手段がそれぞれ、ホイールの径方向にスライド可能な径方向スライド部と、ホイールに当接する押圧冶具と、前記径方向スライド部をホイールの径方向へスライドさせるためのスライド機構と、を有して構成され、前記径方向スライド部に設けられた冶具装着部に前記押圧冶具が装着されることを特徴とするホイール修理装置。
【0117】
このホイール修理装置によれば、請求項3に記載のホイール修理装置と同様に、ホイールの修理作業を精度良く、かつ容易に行うことができるとともに、第2のリム押圧手段が、ホイールに対して設置手段が位置する側と反対側の水平位置で前記基台上に固定されているため、ホイール支持軸に固定されるホイールに対して2方向から修理を行うことができる。
【0118】
(7) ホイールの変形を修理するためのホイール修理装置であって、ホイールを支持するためのホイール支持手段と、該ホイール支持手段に支持されるホイールに対して所定方向から負荷を加えるための第1のリム押圧手段及び第2のリム押圧手段と、前記第1のリム押圧手段を前記ホイール支持手段に対する所定位置に設置するための設置手段と、を備え、前記ホイール支持手段が、基台と、該基台に水平方向軸回りに回転可能な状態で保持されてホイールが装着されるホイール支持軸と、を有して構成され、前記設置手段が、脚部と、前記基台に対して遠近両方向にスライド可能に前記脚部に接続されて前記第1のリム押圧手段と前記脚部とを接続する架橋部と、を有して構成され、前記第2のリム押圧手段が、前記基台上に固定され、前記第1のリム押圧手段及び前記第2のリム押圧手段がそれぞれ、ホイールの径方向にスライド可能な径方向スライド部と、ホイールに当接する押圧冶具と、前記径方向スライド部をホイールの径方向へスライドさせるためのスライド機構と、を有して構成され前記径方向スライド部に設けられた冶具装着部に前記押圧冶具が装着されることを特徴とするホイール修理装置。
【0119】
このホイール修理装置によれば、請求項4に記載のホイール修理装置と同様に、ホイールの修理作業を精度良く、かつ容易に行うことができるとともに、第2のリム押圧手段が、ホイールに対して設置手段が位置する側と反対側の水平位置で前記基台上に固定されているため、ホイール支持軸に固定されるホイールに対して2方向から修理を行うことができる。
【0120】
(8) 請求項3乃至請求項6のうちいずれか1つに記載のホイール修理装置において、前記径方向スライド部が棒状部材であり、前記冶具装着部が前記径方向スライド部の端部近傍に設けられ、前記スライド機構が、前記径方向スライド部を挿通するための挿通孔を有するスライド案内部材と、前記径方向スライド部を挿通するための挿通孔を有して前記スライド案内部材に載置される規制板と、該規制板に載置される付勢部材と、前記規制板を上方へ押し上げるための板カムと、該板カムを回転させるためのレバーと、を有して構成され、前記冶具装着部を下方にして前記径方向スライド部を前記スライド案内部材及び前記規制板に挿通した状態で前記付勢部材の上端と前記径方向スライド部の上端を連結したことを特徴とするホイール修理装置。
【0121】
このホイール修理装置によれば、レバーを操作することで、規制板を傾けて径方向スライド部が下方向へスライドするのを規制するとともに、径方向スライド部上方へスライドさせることができるため、低廉かつ簡素な構成で、径方向スライド部に装着する押圧冶具をホイールに当接させる作業と、ホイールに当接させた押圧冶具によりホイールに負荷を与える作業とを、容易に行うことができ、作業効率が良くなる。
【0122】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、ジャッキをホイールに対して直接的に装着できるとともに、取り外しも容易であるため、ホイールの変形部分をジャッキを用いて一次的に修正した後、次の作業にスムーズに移行できる。また、ホイールの変形部分を修理するのに、従来のような大型の装置が不必要であるとともに、ホイールの変形部分の修理を迅速、かつ簡易に行うことができる。さらに、ホイールの変形部分に対して容易に適切な角度で押圧冶具を当てることが可能となる。
【0123】
請求項2に記載の発明によれば、ホイールの変形の一次的な修正、変形部分の最終的な微調整を、一台のホイール修理装置1にホイールWを装着した状態でスムーズに行うことが可能となる。
【0124】
請求項3や請求項5に記載の発明によれば、ホイールを横軸姿勢で装着できるため、作業者がホイールの変形を修正する際に、ホイールの回転軸と垂直な方向へ力を加えることができ、作業が楽になる。また、ホイールの修理作業の段階に応じて作業スペースを容易に確保できるようになる。また、所望の高さで押圧冶具をホイールに当接させ、ホイールへ負荷を与えることができるため、作業効率がよくなる。そして、これらにより、ホイールの修理作業を精度良く、かつ容易に行うことが可能となる。
【0125】
さらに、請求項6に記載の発明によれば、モーター等からの回転駆動力によってホイール支持軸を高速で回転させることができるようになり、ホイールの変形の修理、切削、研磨を一台のホイール修理装置を用いて行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のホイール修理装置を正面からみた説明図である。
【図2】本発明のホイール修理装置を側面からみた説明図である。
【図3】ホイール支持軸にホイールを固定する機構を示す説明図である。
【図4】リム押圧手段を示す説明図である。
【図5】リム押圧手段を示す説明図である。
【図6】リム押圧手段を示す説明図である。
【図7】架橋部をスライドさせて、リム押圧手段を基台から遠ざけた状態を示す説明図である。
【図8】上脚部(第2の脚部)を下脚部(第1の脚部)に対して回動させて、リム押圧手段を基台から遠ざけた状態を示す説明図である。
【図9】ホイール修正器具の側面図である。
【図10】ホイール修正器具の上面図である。
【図11】ホイール修正器具の分解図である。
【図12】本発明のホイール修理装置にホイールとともにホイール修正器具を装着した状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ホイール修理装置
10 ホイール支持手段
11 基台
12a ホイール支持軸
12b シャフト
13,14 フランジ
15,16 軸受
17,18 変速レバー
19 スイッチ
30,130 リム押圧手段
31,131 スライド棒(径方向スライド部)
32,132 冶具装着部
32a,132a ネジ
33,133 スライド案内部材
33a,133a 挿通孔
33b 取付孔
34,134 規制板
34a,134a 挿通孔
34b,134b カム受突起
35,135 コイルばね
36,136 板カム
37,137 レバー
38,138 連結キャップ
50 設置手段
51 脚部
52 下脚部
52a 上脚部受
53 上脚部
53a スライド孔
54 架橋部
55 動ピン
56 固定ボルト
61 ホイール支持板
61a ボルト孔
62 支持フランジ
62a,62b,63a,230a,240a テーパー面
62c ボルト挿通孔
63 押込み具
64 締結具
65 ボルト
139 スタンド
201 ホイール修正器具
210 ジャッキ
210a ネジ孔
211 油圧口
220 ジャッキ保持手段
222 前蓋
222a 孔
224 後蓋
224a ネジ孔
226 中央ケース
226a ジャッキ挿通孔
226b 支持穴
228 ネジ
230 支持棒
230b ネジ穴
240 キャップ
241 ネジ
B1,B2,B3 ベルト
C1,C2,C3,C4,C5,C6 クラッチ
F 支点
J1 押圧冶具
J1a 当接部
J1b アーム部
M 減速機付駆動モーター
P1,P2,P3,P4,P5,P6 調車
S 中間軸
V1,V2 鉛直スライド機構(スライド機構)
W ホイール
Wa リム
Wb ハブ孔

Claims (6)

  1. ホイールの変形を修理するためのホイール修正器具であって、
    押圧冶具を押し出すジャッキと、該ジャッキを保持するジャッキ保持手段と、該ジャッキ保持手段と一端側が接続されて該ジャッキ保持手段を支持する支持棒と、前記ホイールに固定されて前記支持棒を立設させる支持フランジと、前記支持棒と前記支持フランジを着脱自在に連結する支持棒連結手段と、を備え、
    前記支持棒連結手段は、前記ジャッキ保持手段が前記ホイールの円周方向で任意の角度を向けて前記ジャッキを保持できるように前記支持棒を前記支持フランジに連結し、
    前記ジャッキ保持手段は、前記支持棒に対する前記ジャッキの角度を調整可能に前記ジャッキを保持することを特徴とするホイール修正器具。
  2. 請求項1に記載のホイール修正器具を装着してホイールの変形を修理するためのホイール修理装置であって、
    前記ホイールを支持するためのホイール支持手段と、該ホイール支持手段に支持されるホイールに対して所定方向から負荷を加えるためのリム押圧手段と、該リム押圧手段を前記ホイール支持手段に対する所定位置に設置するための設置手段と、を備え、
    前記ホイール支持手段が、基台と、該基台に水平方向軸回りに回転可能な状態で保持されるホイール支持軸と、を有して構成され、
    前記ホイール支持軸には、前記ホイールを前記ホイール修正器具とともに装着するホイール支持板を設けたことを特徴とするホイール修理装置。
  3. ホイールの変形を修理するためのホイール修理装置であって、
    前記ホイールを支持するためのホイール支持手段と、該ホイール支持手段に支持されるホイールに対して所定方向から負荷を加えるためのリム押圧手段と、該リム押圧手段を前記ホイール支持手段に対する所定位置に設置するための設置手段と、を備え、
    前記ホイール支持手段が、基台と、該基台に水平方向軸回りに回転可能な状態で保持されて前記ホイールが装着されるホイール支持軸と、を有して構成され、
    前記設置手段が、第1の脚部と、該第1の脚部に対して基端動可能に接続される第2の脚部と、該第2の脚部の自由端側に接続されて前記リム押圧手段と前記第2の脚部を接続する架橋部と、を有して構成され、
    前記リム押圧手段が、前記ホイールの径方向にスライド可能な径方向スライド部と、前記ホイールに当接する押圧冶具と、前記径方向スライド部を前記ホイールの径方向へスライドさせるためのスライド機構と、を有して構成され、
    前記径方向スライド部に設けられた冶具装着部に前記押圧冶具が装着されることを特徴とするホイール修理装置。
  4. ホイールの変形を修理するためのホイール修理装置であって、
    前記ホイールを支持するためのホイール支持手段と、該ホイール支持手段に支持されるホイールに対して所定方向から負荷を加えるためのリム押圧手段と、該リム押圧手段を前記ホイール支持手段に対する所定位置に設置するための設置手段と、を備え、
    前記ホイール支持手段が、基台と、該基台に水平方向軸回りに回転可能な状態で保持されて前記ホイールが装着されるホイール支持軸と、を有して構成され、
    前記設置手段が、脚部と、前記基台に対して遠近両方向にスライド可能に前記脚部に接続されて前記リム押圧手段と前記脚部とを接続する架橋部と、を有して構成され、
    前記リム押圧手段が、前記ホイールの径方向にスライド可能な径方向スライド部と、前記ホイールに当接する押圧冶具と、前記径方向スライド部を前記ホイールの径方向へスライドさせるためのスライド機構と、を有して構成され、
    前記径方向スライド部に設けられた冶具装着部に前記押圧冶具が装着されることを特徴とするホイール修理装置。
  5. 前記脚部が、第1の脚部と、該第1の脚部に対して基端動可能に接続される第2の脚部と、で構成され、
    前記架橋部が、前記第2の脚部の自由端側に接続されたことを特徴とする請求項4に記載のホイール修理装置。
  6. 所定の回転速度で前記ホイール支持軸を回転させる回転駆動力を前記ホイール支持軸に伝達可能な駆動力伝達機構を備えたことを特徴とする請求項3乃至請求項5のうちいずれか1つに記載のホイール修理装置。
JP2003135453A 2003-05-14 2003-05-14 ホイール修正器具及びホイール修理装置 Expired - Fee Related JP4077760B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003135453A JP4077760B2 (ja) 2003-05-14 2003-05-14 ホイール修正器具及びホイール修理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003135453A JP4077760B2 (ja) 2003-05-14 2003-05-14 ホイール修正器具及びホイール修理装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2004338473A JP2004338473A (ja) 2004-12-02
JP2004338473A5 JP2004338473A5 (ja) 2006-06-29
JP4077760B2 true JP4077760B2 (ja) 2008-04-23

Family

ID=33525710

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003135453A Expired - Fee Related JP4077760B2 (ja) 2003-05-14 2003-05-14 ホイール修正器具及びホイール修理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4077760B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ITGE20060084A1 (it) * 2006-08-09 2008-02-10 Luca Barisonzo Apparecchiatura atta a ripristinare la centratura dei cerchioni per pneumatici.

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004338473A (ja) 2004-12-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6367303B1 (en) Wheel repairing apparatus
CN108161417B (zh) 一种汽车减震器弹簧拆装方法
CN105307806B (zh) 便携式斜切工具
US7334449B2 (en) Method and device for straightening wheel
US7594420B2 (en) Wheel repair machine and method of use
US20060168789A1 (en) Holder unit and hemming processing device with the same
US7426778B2 (en) Tool for disassembling a shock absorber
JP4077760B2 (ja) ホイール修正器具及びホイール修理装置
JPH0843266A (ja) 車両の自動運転装置
CN110919481B (zh) 一种适用于汽车发动机曲轴再制造的高精度磨削设备
CN209858119U (zh) 摆动力矩检测夹具
CN208373905U (zh) 弯管机新型导向式机头
US20080202292A1 (en) Apparatus for use in and method of setting the tension in a drive belt of a motorcycle
CN212887307U (zh) 一种具有防滑功能的离合器分离轴承固定夹持装置
CN210876874U (zh) 一种新型钣金件弯曲生产装置
JP4223469B2 (ja) タイヤ組付体のフィッティング方法及びフィッティング装置
JPH067886Y2 (ja) 円筒研削盤
CN212458862U (zh) 开关耐久疲劳检测装置
US6607180B1 (en) Multi-purpose vehicle tool
CN108723677B (zh) 一种用于踏板前立柱一次焊接定位的焊接支架
CN214922098U (zh) 一种螺丝批刀杆手柄连接撞柄机器
CN107914241B (zh) 用于单作用气动执行器弹簧装配的工装
CN219582078U (zh) 一种精密钣金件焊接工装
CN220637546U (zh) 一种用于汽车检具上的定位压紧机构
CN212871712U (zh) 测试台轴承座隔振处理支撑结构

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060512

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060512

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080115

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080201

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110208

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees