JP4077723B2 - クライネチンおよびその誘導体、調製方法および使用 - Google Patents

クライネチンおよびその誘導体、調製方法および使用 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、下記式I:
【化5】
Figure 0004077723
および式II:
【化6】
Figure 0004077723
[式中、R1、R2、R3、R4、R5、X1、X2、X3、X4、X5およびYは後に記載するとおり定義される]
の新しい化合物に関する。式Iおよび式IIの化合物はサイクリン依存性キナーゼ(CDK)および他のキナーゼ(例えばKDR)を阻害し、細胞増殖抑制作用を有し、そして、腫瘍の治療に特に適している。式Iおよび式IIの化合物は植物ウバリア・クライネリ(Uvaria klaineri)、PLA100484の抽出により、植物ウバリア・クライネリの細胞培養により、或いは、化学合成により得られる。即ち本発明は式Iおよび式IIの化合物の製造方法、悪性疾患およびCDKおよびKDRの阻害により治療できる疾患を治療するための医薬の製造のための該化合物の使用、並びに、式IまたはIIの化合物少なくとも1つを含有する医薬組成物にも関する。
【0002】
癌は多くの場合致命的であり、内因性の細胞の制御不可能な成育により起こるヒトおよび動物の疾患である。「癌」という用語は悪性成育(悪性状態)および新生物(腫瘍または癌腫)の形成、または、白血球の悪性変性および成熟不全(白血病)を指す。癌または腫瘍の細胞は内因性細胞の変換により形成される。癌細胞の悪性状態は成育の自律性において、即ち、抑制されずに、そして臓器系統に統合されること無く成育し、浸潤し、組織破壊を伴うという能力において、自らを発現する。悪性状態の確かな徴候は、腫瘍細胞の血液原性またはリンパ原性の伝播の後に腫瘍から遠位に転移物が形成されることである。癌はヒトにおける最も頻度の高い死亡原因の1つであり、したがって、悪性変性の治癒または治療のための方法および薬剤が大きく望まれている。
【0003】
可能であれば根本的な外科的腫瘍摘出に加えて、悪性腫瘍の治療法の選択肢にはX線、α、β、γ線による放射線療法、免疫両方および化学療法が含まれる。しかしながら今のところ、免疫療法の使用は制限されている。腫瘍の化学療法は、腫瘍細胞および局所的手術または放射線照射の後に残存する腫瘍細胞の治療のための細胞毒(細胞増殖抑制剤)の投与を意味すると理解されている。これらの物質は、急速に成育している腫瘍組織のような分裂細胞を高比率で有する組織がより高感度に応答するように、細胞分裂の特定の過程を特異的に妨害する。使用される薬剤はアルキル化剤、例えばシクロホスファミド(メルクインデックス、12版、463頁)、抗代謝剤、例えばメトトレキセート(メルクインデックス、12版、1025頁)、アルカロイド、例えばビンクリスチン(メルクインデックス、12版、1704頁)および効性物質、例えばダウノマイシン(メルクインデックス、12版、479頁)およびアドリアマイシン(メルクインデックス、12版、581−582頁)である。しかしながら、多大な副作用のため、これらの薬剤は全て、患者の死亡を遅延させるのみで、これを防ぐものではないという大きな難点を有している。更にまた変性(癌)細胞は使用薬剤に対して耐性となり;このような場合は、従来の医薬はもはや細胞増殖抑制作用を有さず、副作用のために毒性を示すようになる。更にまた、細胞増殖抑制剤を組み合わせて、そして/または逐次的に使用することは個々の細胞増殖抑制剤の活性(一剤療法)を超過し、したがって、多剤化学療法における相当な副作用は相加的ではない可能性がある。このような理由全てのために、新しい化学療法剤が緊急に望まれており、従って全世界で研究されている。
【0004】
意外にも、アフリカの植物ウバリア・クライネリが極めて低濃度でも細胞成育を抑制する高度に有効な新しい細胞増殖抑制剤を形成することができることを発見した。新しい化合物は以下にクライネチンと記載するが、これはクライネチン誘導体と共に、本発明の要件である。クライネチンはサイクリン依存性キナーゼを抑制する置換フェノールであり、したがって、細胞周期調節に影響する。癌においては細胞の増殖は異常に加速され、調節不可能となっているため、CDK阻害剤は悪性変性の治療のための価値ある薬剤である。式Iの化合物は置換2,3−ジヒドロフラボン型に属し、環構造は、H.Achenbach等によりPhytochemistry,Vol.44,p.359−364,1997において最も新しく記載されているイソカマネチンの構造に相当する。本発明の式Iの化合物は新しい置換イソカマネチンである。
【0005】
式IIの化合物はカルコン種の化合物に属し、環構造および炭素骨格はウバレチンのものに相当する。ウバレチンは多くのUvaria種において検出されている(M.H.H.Nkunya et al.Planta Med.57,341−343,1991;I.Muhammad & P.G.Waterman,J.Nat.Prod.48,571−80,1985)。式IIの本発明の化合物は置換と脱水素によりウバレチンとは異なり、文献にはまだ記載されていない。その化学構造が異なることにより、式IIおよびIIの化合物は新規性および物理化学的、生物学的および薬理学的特性を有する。一方、現在まで知られている物質は不十分な作用水準、高い毒性および/または望ましくない副作用として表される不都合な点を有している場合が多い。
【0006】
したがって本発明は全ての立体化学的形体の、式I:
【化7】
Figure 0004077723
および式II:
【化8】
Figure 0004077723
[式中、R1、R2、R3、R4およびR5は相互に独立して各々の場合、H、C1−C6−アルキル、C2−C6−アルケニルまたはC2−C6−アルキニルで、これらは未置換であるかまたはOH1個、またはそれ以上で置換されたものであり;
1、X2、X3、X4およびX5は相互に独立して、O、NH、N−C1−C6−アルキル、N−C2−C6−アルケニル、N−C2−C6−アルキニル、アシル、アリールまたはSであり;
Yは1、またはそれ以上のH、ハロゲン、OH、O−C1−C6−アルキル、O−C2−C6−アルケニル、O−C2−C6−アルキニル、NH2、NH−C1−C6−アルキル、NH−C2−C6−アルケニル、NH−C2−C6−アルキニル、NH−アシル、SH、S−C1−C6−アルキル、S−C2−C6−アルケニル、S−C2−C6−アルキニル、アシルまたはアリールである]
の化合物、何れかの比率における該形態の混合物、およびその生理学的に許容性のある塩に関する。
【0007】
式IおよびIIにおいて、
1−C6−アルキルは炭素原子1〜6個を有する直鎖または分枝鎖のアルキル、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチルおよびヘキシルであり、C2−C6−アルケニルは炭素原子2〜6個を有する直鎖または分枝鎖のアルケニル、例えばアリル、クロチルおよびペンテニルであり、そして、C2−C6−アルキニルは炭素原子2〜6個を有する直鎖または分枝鎖のアルキニル、例えばプロピニル、ブチニルおよびペンチニルである。
【0008】
アリールは例えば、フェニル、ベンジル、1−または2−ナフチルであり、これらは未置換であるか、または、例えば、塩素、臭素およびフッ素のようなハロゲンにより、炭素原子1〜4個のアルキル、好ましくは、メチルにより、ヒドロキシルにより、炭素原子1〜4個のアルコキシ、特にメトキシにより、および/またはトリフルオロメチルにより置換されていてよい。
【0009】
アシルは脂肪族または芳香族のアシル基であることができる。脂肪族アシルは、炭素原子1〜7個、好ましくは1〜4個を有し、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ヘキサノイル、アクリロイル、クロトノイル、プロピオロイルであり、これらは更に、例えば塩素、臭素およびフッ素のようなハロゲンにより、アミノにより、および/または炭素原子1〜4個を有するアルキルアミノ、好ましくはメチル−またはエチルアミノ基により置換されていてよい。芳香族アシルは、例えば、ベンゾイルまたはナフトイルであり、これはまた更に例えば塩素、臭素およびフッ素のようなハロゲンにより、炭素原子1〜4個を有するアルキル、好ましくはメチルにより、ヒドロキシルにより、アミノ基、例えばエチルアミノにより、または、炭素原子1〜7個、好ましくは炭素原子1〜4個を有するアルコキシ基、特にメトキシにより置換されていてよい。
【0010】
式Iにおいて、X11、X22およびX33は好ましくはOHであり、X44は好ましくはO−C1−C4−アルキルであり、そしてYはHであり;式IIにおいて、X11、X22、X33およびX44は好ましくはOHであり、X55は好ましくはO−C1−C4−アルキルであり、そしてYはHである。
【0011】
即ち本発明は全ての立体化学的形体の、式IA:
【化9】
Figure 0004077723
のクライネチンA、および何れかの比率における該形態の混合物、およびその生理学的に認容性のある塩に関する。
【0012】
本発明は更に、式IIA:
【化10】
Figure 0004077723
のクライネチンBに関する。
【0013】
本発明によれば式Iの化合物は植物ウバリア・クライネリまたはその変異体または突然変異体の何れかを適当な条件下に抽出することにより得られる。クライネチンはその後の化合物の単離、および、適宜、その化学的誘導体および生理学的に許容性のある塩に変換することにより製造される。
【0014】
従って本発明は更に式Iおよび/またはIIの化合物の調製方法に関し、これは、植物ウバリア・クライネリまたはその変異体または突然変異体の何れかを適当な条件下、式IAおよび/またはIIAのクライネチン1種、またはそれ以上が植物材料内に蓄積するまで培養すること、その後植物部分から単離し、適宜、その化学的誘導体および/または生理学的に許容性のある塩に変換することを包含する。
【0015】
植物ウバリア・クライネリ、その突然変異体および/または変異体は好ましくは、植物内に新規なクライネチンが蓄積するまで熱帯または亜熱帯の気候における適当な土壌中で成育され;クライネチンがその後植物から単離され、適宜、個々の活性成分に分画される。
【0016】
植物は好ましくは熱帯条件下、特に18〜45℃の温度の高湿度において良好に生産される。
【0017】
別の可能性は細胞培養による作物の生産である。この目的のためには、植物ウバリア・クライネリの生存細胞を適当な培地に移し、本発明の化合物が培地中に蓄積されるまで培養細胞を成育させる。
【0018】
細胞培養は好ましくはカルス培養により行なう。培地は無機質およびビタミンのほかに、炭素源、例えばスクロース、および窒素源、例えば窒素塩を含有する。次にクライネチンを培養細胞から単離し、そして、適宜、個々の活性成分に分画する。
【0019】
フラボン類またはフェノール類の化学修飾のための多くの反応が文献に記載されている。従って本発明の化合物のフェノール性OHは自体公知の化学反応を用いて誘導体化することができる。例えば水素を用いて接触還元により飽和化合物とするか、または、金属水素化物、例えば水素化アルミニウム、またはホウ化水素を用いてカルボニル基を還元することができる。他の好ましい例はカルボニル基のヒドロキシルアミンまたはその誘導体との反応によりオキシムを生じさせ、これを、その部分について、更に化学変換させることができる。
【0020】
本発明は、特にその好ましい実施態様において以下に詳述する。本発明のクライネチンはウバリア・クライネリにより生産される。ウバリア・クライネリはバンレイシ科の広範に生息する常緑のつる植物である。バンレイシ科には多くの熱帯の有用な薬草が含まれる。その地理的範囲は全熱帯であり;クライネチンが単離される試料はガボン、特にラビ/ガンバ周辺の地区で収集されている。
【0021】
クライネチンの単離のためにUvaria属の他の種または異なる地域に生じる同種の別の植物を用いることも可能である。クライネチンの含量および組成は地域の条件、例えば土壌の質、温度、湿度および日照等により異なり得る。
【0022】
本発明の方法は実験室規模(100g〜1kg)の乾燥植物材料および工業的規模(100〜1000kg超)で抽出および単離するために使用してよい。
ウバリア・クライネリは植物材料中のクライネチンの混合物を与える。植物の収穫期およびその部分に応じて、本発明のクライネチンの一種、またはそれ以上の量的比率は変動し得る。更に、クライネチン1種、またはそれ以上が植物から少しも生成されないか、或いは検出限度未満の量で生成されるように、個々のクライネチンの合成を成育条件を介して制御することができる。
【0023】
植物材料は好ましくは、検出可能なクライネチンを含有する。クライネチンAおよびBが形成されることが好ましい。
クライネチンAおよびB(それぞれ式IAおよびIIAの化合物)のほかに、植物ウバリア・クライネリはその上また、ヒドロキシル化またはグリコシル化が異なることにより式IAおよびIIAで表される化合物とは区別される関連化合物を生成する。従って408Daの分子量を有する別のクライネチンが副生成物として検出された。
【0024】
植物は路地栽培してよく、または、好ましくは、温室栽培し、そして、別法として、代謝産物を生成するために植物細胞培養を用いることもできる。通常は、原料はカルス培養物である。植物培養細胞の成育のための適当なバイオリアクターの選択により、植物細胞、細胞成育および代謝産物生産に影響するような大きすぎる剪断力を用いることなく、培養物に対して旨適な混合および通気を行なうことが可能である。培養物は例えばエアリフトリアクターまたはバブルカラムリアクターを用いて混合してよく、そしてまたブレードまたはプロペラ攪拌機も使用される。細胞は個々の細胞として、または、分枝状または未分枝状の細胞凝集塊または細胞連鎖物として成育できる。代謝産物の生産は外因性の因子、例えば重金属塩または植物誘導剤で刺激することにより誘導され得る。
【0025】
植物内の生成物の形成は培養物のpHに基づき、または、クロマトグラフィー法、例えば薄層クロマトグラフィーまたは高速液体クロマトグラフィーにより、または、生物活性の試験によりモニタリングすることができる。本発明のクライネチンは葉および植物の他の部分に含有される。後に記載する単離方法により本発明のクライネチンを精製、好ましくは、クライネチンAおよびBを精製することができる。
【0026】
本発明のクライネチンは天然物質の化学的、物理的および生物学的性質に関する既知の方法に従って植物および培地から単離精製した。原料および個々の単離段階におけるクライネチンの濃度は例えばシリカゲル上で、移動相としてクロロホルム/メタノール/氷酢酸/水の混合物(例えば定量的な8:1:1:0.2の比)を用いて薄層クロマトグラフィーにより、または、HPLCにより測定することができる。薄層クロマトグラフィーの分画のためには、検出は、例えば、発色試薬、例えばヨウ素蒸気、塩化鉄(III)、バニリン−H2SO4またはパウリ試薬(スルファニリン酸、ジアゾ化)を用いて行なうことができ、形成された物質の量を標準溶液と適宜比較する。
【0027】
本発明のクライネチンは植物を収穫し、即ち、先ず葉、茎、木部、樹皮または根を採取し、好ましくは新鮮時または乾燥後に上記植物を定法に従って抽出し、次に場合により含水した有機溶媒を用いて植物材料からクライネチンを抽出することにより、単離する。有機溶媒層は本発明のクライネチンを含み、それらは、適宜、減圧下で濃縮され、下記のように、さらに精製される。
【0028】
抽出液を合わせ、水で希釈し、水非混和性の適当な有機溶媒、例えばn−ブタノールで抽出する。その後、分離した有機層を、適宜、減圧下に濃縮する。脂質は本発明のクライネチンが殆ど溶解しない非極性溶媒、例えばヘキサン、石油エーテルおよびジエチルエーテル等で濃縮物を希釈することにより目的生成物から除去することができる。その際クライネチンが沈殿し、ワックス等の親油性夾雑物は溶液中に残存し、従来の固液分離法により除去される。全てのクライネチンを含有する沈殿を初期容量の1/30の水/メタノールに溶解する。沈殿を徐々に溶解させ、凍結乾燥する。凍結乾燥物は以下に記載する「粗生成物」であり、0.5〜10%のクライネチンを含有し、その後の単離に用いる。
【0029】
1種またはそれ以上の本発明のクライネチンは、適当な物質上、好ましくは、モレキュラーシーブ上、例えばシリカゲルおよび酸化アルミニウムのような正相支持体上、例えばイオン交換剤上、または、吸着樹脂または逆相(RP)物質上のクロマトグラフィーにより更に精製する。クライネチンは上記クロマトグラフィーにより分離される。クライネチンのクロマトグラフィーは緩衝水溶液または水溶液と有機溶液の混合物を用いて行なわれる。
【0030】
「水溶液と有機溶液の混合物」という用語は、水と混和性の全ての有機溶媒、好ましくは、メタノール、2−プロパノールおよびアセトニトリルで、濃度10〜80%溶媒、好ましくは15〜55%溶媒であり、残余が有機溶媒と混和性の全ての緩衝水溶液であるものを意味する。使用される緩衝剤は上記したものと同様である。
【0031】
クライネチンは、その異なる極性により、逆相クロマトグラフィーを用いて、例えばMCI(R)(吸着樹脂、Mitsubishi,Japan)またはアンバーライトXAD(R)(TOSOHAAS)上で、他の疎水性材料、例えばRP−8またはRP−18相上で、または「ポリアミド」上で分離する。さらに、分離は正相クロマトグラフィーを用いて、例えばシリカゲル、酸化アルミニウム等の上で行ってよい。
【0032】
クライネチンのクロマトグラフィーは緩衝された、または酸性化された水溶液、或いは、水溶液とアルコールまたは他の水混和性の有機溶媒との混合物を用いて行なわれる。好ましく使用される有機溶媒はプロパノールおよびアセトニトリルである。
【0033】
「緩衝された、または酸性化された水溶液」という用語は、例えば、水、リン酸塩緩衝液、酢酸アンモニウム、クエン酸塩緩衝液が濃度1mM〜0.5M、および、更に、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸および当業者が知る全ての市販の酸が好ましくは濃度0.01〜3%、特に0.1%であるものを意味する。
【0034】
クロマトグラフィーは100%水性緩衝液から始まり、100%溶媒で終わる勾配を用いて行なわれ;10〜50%2−プロパノールまたはアセトニトリルの連続した直線勾配が好ましい。
【0035】
或いは、ゲルクロマトグラフィーまたは疎水相上のクロマトグラフィーを行なうことも可能である。
ゲルクロマトグラフィーはポリアクリルアミドゲル、または、混合重合体ゲル、例えばバイオゲル−P2(R)(Biorad)、フラクトゲルTSKHW40(R)(Merck,GermanyまたはToso Haas,USA)またはセファデックス(R)(Pharmacia,Uppsala,Sweden)上で行なわれる。
上記したクロマトグラフィーの順序は可逆である。
【0036】
別の極めて有効なクライネチン精製工程は結晶化である。クライネチンは有機溶媒中の溶液から、および、水と有機溶媒の混合物から結晶化する。結晶化は自体公知の方法、例えば飽和クライネチン溶液を濃縮または冷却することにより行われる。
【0037】
本発明のクライネチンは固体状態、および、pH3〜8の範囲、特に4および6の溶液中で安定であり、従って、慣用的な医薬組成物に製剤できる。
式IおよびIIのクライネチンおよび誘導された化学誘導体は当業者の知る方法で相当する生理学的に認容性のある塩に変換することができる。
【0038】
式IおよびIIの化合物の「生理学的に許容性のある塩」という用語は、Remington's Pharmaceutical Sciences(17th edition,page 1418(1985))に記載の有機および無機の塩の双方を意味する。物理学的および化学的安定性および溶解度に鑑みて、酸性の基には、ナトリウム、カリウム、カルシウムおよびアンモニウム塩が殊に好ましく;塩基性の基には、塩酸、硫酸、リン酸またはカルボン酸またはスルホン酸、例えば酢酸、クエン酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸およびp−トルエンスルホン酸の塩が殊に好ましい。
【0039】
本発明は更に、化学的にはわずかに異なっており、即ち、同様の有効性を有するか、または穏やかな条件下で本発明の化合物に変換できる式IおよびIIの化合物の化学的等価物を包含することも当然である。このような等価物には例えば本発明の化合物のエステルおよびエーテルおよび還元生成物が包含される。
【0040】
エステルおよびエーテル誘導体並びに還元生成物は、文献記載の方法、例えばAdvanced Organic Synthesis,4th edition,J.March,John Wiley & Sons.,1992に記載の方法に従って調製することができる。
【0041】
本発明は式IおよびIIの化合物の全ての立体異性型を包含する。式IAおよびIIAの化合物中に含まれる不斉中心はすべて相互に独立してS配置またはR配置の何れかを有する。本発明は全てのあり得るエナンチオマーおよびジアステレオマーおよび同様に立体異性型2種またはそれ以上の混合物、例えばエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーの混合物の如何なる比率のものも包含する。即ち本発明は左旋性および右旋性の双方の対掌体としての、RおよびS配置の鏡像的に純粋なエナンチオマー、全ての比率のラセミ混合物の形態、そして、エナンチオマー2種の混合物の形態に関する。シス/トランス異性がある場合は、本発明はシス型およびトランス型の双方、全ての比率におけるこれらの形態の混合物に関する。
【0042】
生物学的クライネチン活性の測定のための分析:
分析系はCDKファミリーのキナーゼ、CDK4(サイクリン依存性キナーゼ)およびKDR(チロシンキナーゼ受容体)であり、これらは細胞周期の調節および血管形成において重要な役割を有する。CDK4はリン酸化反応を介して反応カスケードを開始し、その終点において、細胞周期はG1期からS期に進行する。即ち、その後の細胞分裂およびその後の非調節の細胞成育はこのキー酵素が阻害されると止められる。KDRは内皮細胞の成育および血管形成において重要な役割を有するチロシンキナーゼ受容体であり、従って同様に腫瘍形成に関与している。即ちCDK4およびKDRは癌および他の増殖性疾患の重要な治療標的分子となる。分析には特異的なペプチド基質のリン酸化に基づくCDK4およびKDRキナーゼ活性の測定が含まれる。上記したキナーゼに対する阻害活性のほかに、癌の形成および炎症カスケードに同様に関与する他のキナーゼもまたクライネチンにより阻害される。
【0043】
価値ある薬理学的特性により、本発明の化合物はヒトにおける医薬および/または家畜用の医薬としての特定の用途に適している。本発明の化合物は癌に対して、特に化学療法剤として使用してよい。細胞増殖抑制特性、特に、その強力な抗腫瘍活性により、そして抗微生物作用により、特に動物およびヒトにおける悪性変性に対する細胞増殖抑制剤として使用してよい。
【0044】
従来の薬剤に対して耐性を獲得した腫瘍細胞において、新しい薬剤のみが治療上十分な作用を有する。即ち、式IおよびIIの本発明のクライネチンおよびその化学誘導体は上記した問題となる細胞型に対しても潜在的に顕著な作用を有する。
【0045】
本発明は本発明のクライネチンおよび/またはその化学誘導体の1種、またはそれ以上を含有する医薬製剤に関する。適当な賦形剤または担体物質との混合物として使用するのが好ましい。ヒトにおいて使用してよい担体物質は全ての薬理学的に許容される担体物質および/または賦形剤である。
【0046】
本発明はまた本発明の化合物の少なくとも1つを製薬上適する、そして、生理学的に認容性のある担体、および、適宜、更に別の適当な活性物質、添加剤または賦形剤と共に、適当な投与形態とすることを包含する本発明の医薬の調製方法に関する。
【0047】
本発明の医薬は一般的に、経口、局所または非経腸投与するが、直腸投与も原則として可能である。適当な固体または液体の医薬製剤の形態は、例えば、顆粒、粉末、錠剤、コーティング錠剤、(マイクロ)カプセル、座剤、シロップ、乳液、懸濁液、エアロゾル、ドロップ剤またはアンプル中の注射用溶液および/または除放性製剤であり、これらの製剤形態の製造には通常、担体および添加剤および/または補助剤、例えば錠剤崩壊剤、バインダー、コーティング剤、膨張剤、滑沢剤または潤滑剤、フレーバー剤、甘味料または可溶化剤の使用が含まれる。頻繁に使用される担体または賦形剤として挙げられるものは、例えば、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、乳糖、マンニトールおよび他の糖類、タルク、ラクトアルブミン、ゼラチン、澱粉、ビタミン、セルロースおよびその誘導体、動物性または植物性の油脂、ポリエチレングリコールおよび溶媒、例えば、滅菌水、アルコール、グリセロールおよび多価アルコール等である。
【0048】
適宜、コーティングにより、または、適当な重合体、ワックス等の中に粒子形態の活性物質を包埋することにより、放出を遅延させるかより長期間に渡り延長するために、経口投与のための単位用量をマイクロカプセル化することも可能である。
【0049】
本発明のクライネチンおよび/またはその化学誘導体1種、またはそれ以上の特定の用量を活性成分として各々の単位が含有する、投与単位中に医薬製剤を製造して投与するのが好ましい。1日につき、錠剤、カプセルおよび座剤のような固体剤単位の場合は、上記用量は約500mgまで、好ましくは約0.1〜200mg、アンプル内の注射溶液の場合は約500mgまで、好ましくは約0.1〜100mgとする。
投与すべき一日当たり用量は患者の体重、年齢、性別および状態により異なる。しかしながら、より高用量または低用量の一日当たり用量も特定の状況下には適する場合がある。一日当たり用量は単回投与単位の形態における、または数回のより低用量の単位における単回投与、および、特定の間隔を置いて細分された用量の複数回の投与の双方により投与され得る。
【0050】
本発明は更に以下の実施例により説明される。パーセンテージは重量によるものである。液体の混合非は特段の記載が無い限り容量によるものである。
【0051】
【実施例】
実施例1 ウバリア・クライネリの一次抽出液の調製
ウバリア・クライネリの葉を新鮮な状態で採取し、次に約40℃で風乾する。乾燥後、乾燥した材料100gを粉砕し、8時間40℃でメタノール1Lで攪拌しながら抽出する。最終抽出の後、植物破砕物を濾去し、メタノール抽出液を減圧下に蒸発させ、概ね乾固させる。残留物を再度少量の水に再懸濁し、次に凍結乾燥する。この様にして製造した一次抽出液を4℃または−20℃で保存するか、実施例3に示すとおり更なる単離に用いる。生物学的活性はタンニンおよび他の強親水性または親油性の妨害物質をポリアミドおよびポリスチレン吸着樹脂上のクロマトグラフィーにより除去することにより分析する。
【0052】
実施例2
植物の生産:種子の収集、播種、生育条件および収穫条件
ウバリア・クライネリの種子を成熟後に採取し、温室中で植物を更に栽培するために播種することができる。旨適温度は湿度70〜90%で約28℃である。植物を数週間〜数箇月、好ましくは約4〜6ヶ月、葉を収穫できるまで栽培する。
【0053】
実施例3
植物ウバリア・クライネリからのクライネチン混合物の単離
ウバリア・クライネリ収穫後、実施例1に従って得られた乾燥葉200gを粉砕機で粉砕し、メタノール2リットル中で16時間攪拌し、その後濾過する。活性物質含有メタノール溶液を減圧下に濃縮し、乾燥塊3.05gとする。濃縮物を(R)MCI GEL,CHP20P412mlの入った調製済みカラムに適用する。溶離は水中90%アセトニトリルの後、水中10%アセトニトリルの勾配を用いて行なう。カラムのフロースルー(50ml/分)を画分(各50ml)として収集し、クライネチン含有画分31および32(クライネチンA)および51〜56(クライネチンB)を合わせる。減圧下に濃縮し、凍結乾燥し、26mg(クライネチンA粗生成物)および70mg(クライネチンB粗生成物)の茶色粉末を得る。
【0054】
実施例4
逆相RP−18上でのクライネチンA成分の精製
(R)スーパースフィア100RP−18e(E.Merck,Darmstadt)を19.7mlのプレパラティブHPLCカラム(1cm(ID)×25cm H)に導入し、実施例3において得られたクライネチンA粗生成物混合物26mgを適用する。適用したカラムを予め水中25%アセトニトリル140ml、ついで水中30%アセトニトリル60mlで洗浄した後に、0.01M酢酸アンモニウム水溶液pH7中30%アセトニトリルで溶離する。カラムのフロースルーを10ml/分とし、各々10mlの画分を採取する。クライネチンAはフラクション25および26に存在する。減圧下に濃縮して凍結乾燥した後、純度>97%のクライネチンA9.8mgが得られる。
Figure 0004077723
【0055】
実施例5
クライネチンAの定性
外観:明黄色の物質、極性有機溶媒には可溶であるが水には僅かに溶解するのみである。化合物は中性および弱酸性の環境で安定であるが、アルカリ性および強酸性の領域では不安定である。
UV極大:207、286、318(Sh)nm、水/アセトニトリル(8:2)、pH2中、および、253、288(Sh)および325nm、水/アセトニトリル(8:2)、pH7中。
【0056】
高分解能質量スペクトル分析によれば、分子質量(M+H)+:393.13394Daであり、クライネチンAの分子式C23206に相当する。
MS/MSフラグメント化を用いた電子スプレーイオン化(ESI、正イオン)におけるイオン:393、289、283、271、131および123Da。MS/MSフラグメント化を用いた電子スプレーイオン化(ESI、負イオン)におけるイオン:391、269および109Da。
NMRシグナル:表1参照。
【0057】
【表1】
Figure 0004077723
【0058】
実施例6
逆相RP−18上でのクライネチンB成分の精製
(R)スーパースフィア100RP−18e(E.Merck,Darmstadt)を19.7mlのプレパラティブHPLCカラム(1cm(ID)×25cm H)に導入し、実施例3において得られたクライネチンB粗生成物混合物70mgを適用する。溶離は酢酸アンモニウム水溶液中50%アセトニトリル、pH7.3の後の0.01M酢酸アンモニウム水溶液中35%アセトニトリル、pH7.3の勾配により行なう。カラムのフロースルーを10ml/分とし、各々10mlの画分を採取する。クライネチンBはフラクション10〜14に存在する。減圧下に濃縮して凍結乾燥した後、クライネチンB38mgが得られる。
Figure 0004077723
【0059】
実施例7
クライネチンBの定性
外観:明黄色の物質、極性有機溶媒には可溶であるが水には僅かに溶解するのみである。化合物は中性および弱酸性の環境で安定であるが、アルカリ性および強酸性の領域では不安定である。
UV極大:215(Sh)、348nm、水/アセトニトリル(8:2)、pH2中、および、219(Sh)、302および385nm、水/アセトニトリル(8:2)、pH7中。
【0060】
高分解能質量スペクトル分析によれば、分子質量(M+H)+:393.13391Daであり、クライネチンBの分子式C23206に相当する。
MS/MSフラグメント化を用いた電子スプレーイオン化(ESI、正イオン)におけるイオン:393、289、283、271および123Da。MS/MSフラグメント化を用いた電子スプレーイオン化(ESI、負イオン)におけるイオン:391、281、269および109Da。
【0061】
クライネチンBは分子式C23206を有しており、分子質量は392,41Daである。
NMRシグナル:表2参照。
【0062】
【表2】
Figure 0004077723
【0063】
実施例8
細胞増殖抑制効率分析(IC50決定)
細胞増殖抑制活性は384ウェルのマイクロプレート(コーティングされたフラッシュプレート、NEN Life Science)中の精製酵素を用いて決定する。酵素活性は各々の特異的ペプチド基質のリン酸化により決定する。予め準備した100、50、25、12.5、6.25、3.125、1.5625、0.7813、0.3906、0.195、0.094、0.047および0μMの濃度のクライネチンの連続希釈物を適切な順序でウェルに分注する。次に反応混合物(放射標識ATP、緩衝溶液、pH7.4および酵素溶液)を添加し、ついで、1時間室温でインキュベートする。
【0064】
CDK4反応混合物の性状:
キナーゼ緩衝液:50mM HEPES、10mM MgCl2、2.5mM EGTA pH8.0、10mM β−グリセロールホスフェート、1mMオルトバナデート、1mMフッ化ナトリウム、および、1mM DTT;
フラッシュプレートコーティング用ビオチニル化ペプチド基質(1mg/ml溶液、PBS緩衝液中)
ATP溶液:100μCi/ml33P−γ−ATPおよび10μM ATPサイクリンD1/CDK4酵素溶液:キナーゼ緩衝液中100mg/ml
洗浄溶液:3%リン酸
最終容量:50μl
希釈クライネチン溶液30μl、ATP/酵素溶液20μl(終濃度、1μCi33P−γ−ATP、2μM ATPおよび酵素1μg)
室温で2時間インキュベーションし、その後洗浄溶液80μlで3回洗浄、そしてマイクロベータカウンター(Wallac)で30秒計測。
【0065】
KDR反応混合物の性状:
キナーゼ緩衝液:50mM MOPS、10mM MgCl2、2mM DTT、2.5mM EGTA 10mM β−グリセロールホスフェート、1mMオルトバナデートおよび1mMフッ化ナトリウム。
ペプチド基質:PLCγ1
ATP溶液:25μCi/ml33P−γ−ATPおよび12.5μM ATP
KDR酵素溶液:キナーゼ緩衝液中3.5μg/ml
洗浄溶液:PBS(Mg2+、Ca2+非含有)
最終容量50μl
10μl希釈クライネチン溶液、酵素溶液20μl(3.5μg/ml;70ng/ウェル)、ATP溶液20μl(終濃度0.5μCiおおび5μM ATP/ウェル)
室温で1時間インキュベーションし、その後、洗浄溶液75μlで3回洗浄、そしてマイクロベータカウンター(Wallac)で30秒計測。
キナーゼ(CDK4またはKDR)の活性はATPから基質への放射性ホスフェートの取り込みにより測定し、それからクライネチンの阻害活性(IC50)を計算する。
【0066】
【表3】
Figure 0004077723

Claims (6)

  1. 式I
    Figure 0004077723
    [式中、X11、X22及びX33はOHであり、
    44はO−C1−C4−アルキルであり、そして
    YはHである]又は
    式II
    Figure 0004077723
    [式中、X11、X22、X33及びX44はOHであり、
    55はO−C1−C4−アルキルであり、そして
    YはHである]
    の化合物、その全ての立体化学的形態、何れかの比率における該形態の混合物、又はその生理学的に許容される塩。
  2. 式IA
    Figure 0004077723
    の化合物である請求項1に記載の式Iの化合物、その全ての立体化学的形態、何れかの比率における該形態の混合物、又はその生理学的に許容される塩。
  3. 式IIA
    Figure 0004077723
    の化合物である請求項1に記載の式IIの化合物、その全ての立体化学的形態、何れかの比率における該形態の混合物、又はその生理学的に許容される塩。
  4. 植物ウバリア・クライネリUvaria klaineri又はその変異体もしくは突然変異体の何れかを培地中で式IA及び/又はIIAの化合物が植物内に蓄積するまで培養すること、式IA又はIIAの化合物を植物から分離すること、そして、適宜、その式IA又はIIAの化合物を式I又はIIの化合物又は生理学的に許容される塩へ変換することを包含する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の式I又はIIの化合物又はその生理学的に許容される塩の製造方法。
  5. 植物を熱帯又は亜熱帯条件化で培養する請求項4に記載の製造方法。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の式I又はIIの化合物又はその生理学的に許容される塩の少なくとも1つを含有する医薬。
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