JP4077633B2 - 発泡樹脂製包装箱 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、冷蔵食品の梱包包装に使用される発泡樹脂製包装箱に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
発泡樹脂製包装箱は、現在は発泡スチロール樹脂製のものが多く、魚箱等に使用されている他、チルド食品や冷凍食品の配送等の包装箱として多用されている。具体的構造は、各々適宜厚さとして、適宜な断熱機能を有するようにした箱型の容器体と、蓋体とからなり、特に蓋体は、上板部と突部を備え、上板部の外周は容器体の外周と一致せしめ、突部は、容器体の開口部に密嵌する形状に形成してなるものである。
【0003】
ところで、生協等での食品等の予約販売において、予め注文していた食品を各戸に配達するものであるが、留守の場合もあって直ぐに冷蔵庫への収納ができないことも予想されるので、配達食品は、断熱構造の発泡樹脂製包装箱に収納すると共に、保冷剤も一緒に収納するようにしている。そして前回配達に使用した発泡樹脂製包装箱と保冷剤を回収し、次の配達に使用するようにしている。
【0004】
しかし保冷剤が収納食品と一緒に収納すると、保冷剤が邪魔になり食品詰め作業が煩雑になる。また複数の食品を一緒に収納する場合には、保冷剤と接触する特定の食品(例えば野菜など)が過冷蔵となり、保冷剤を使用したことが食品の鮮度維持に逆効果となる場合もある。
【0005】
また冷蔵冷凍食品の通信販売に際しても同様に、断熱機能を備えた発泡樹脂製包装箱に、保冷剤を食品と一緒に収納して包装梱包して発送している。しかしよりコンパクトに効率的な包装梱包を考慮した場合に、保冷剤が邪魔になる場合がある。特に当該食品専用箱の場合には、容器体の収納形状を当該食品形状と一致させている場合があり、保冷剤の使用が困難な場合もある。
【0006】
そこで本発明は、食品配達業務や通信販売に使用される発泡樹脂製包装箱に保冷剤収納部を設ける構成を提案したものである。
【0007】
【課題を解決する手段】
本発明に係る発泡樹脂製包装箱は、容器体と、容器体に密嵌される突部を裏面に形成した蓋体とを、適宜厚さの発泡樹脂で形成した包装箱において、底面に多数の透孔を設けた扁平箱形状の保冷剤収納体を、蓋体の裏面側に装着するものであって、前記保冷剤収納体が、薄肉樹脂で一体に型成形で製出すると共に、少なくとも一側を除いて設けた周壁の上部周面に鍔部を設け、且つ前記一側の周壁を下方が低いストッパー壁と、ストッパー壁の上部を保冷剤の出入口とに形成し、蓋体裏面中央部分を厚く形成すると共に、蓋体中央部に、前記保冷剤収納体の周壁及びストッパー壁と一致する透孔を穿設し、ストッパー壁及び保冷剤出入口と対応する蓋体裏面中央突部を除去し、透孔内壁に鍔部の載置部となる段差及び蓋体裏面突部を除去した上方位置に段差を設け、保冷剤収納体を透孔上方より装着し、透孔の段差上方を、蓋体と同質材の発泡体で形成した閉塞板で密閉してなることを特徴とするものである。
【0008】
従って保冷剤を収納体に収納しておくことで、保冷剤が邪魔にならずに食品を収納することができ、また収納体は薄肉樹脂の型成形で製造できるので、簡易な装着構造を採用することで、前記の収納構造が低コストで実現できる。
【0009】
【実施の形態】
実施形態に示した発泡樹脂製包装箱は、保冷剤収納体1と、保冷剤2と、容器体3と、蓋体本体4と、閉塞板5とで構成される。
【0010】
保冷剤収納体1は、薄肉樹脂で一体成形で製出したもので、全体が保冷剤2の形状に対応するように扁平で、底面11には多数の透孔12を設けた格子形状にして、三周部に周壁13を設け、周壁上端外周に鍔部14を設けてなる。更に周壁13の高さは、保冷剤2の厚みより少し高くし、一周面では、上方に保冷剤2の厚み以上の開口部15を形成したストッパー壁16を形成してなる。
【0011】
容器体3,蓋体本体4及び閉塞板5は、従前より断熱包装箱として多用されている発泡スチロール製による一体成形で製造されるもので、容器体3は従前と同様の箱型容器である。
【0012】
蓋体本体4は、外周形状が容器体本体3と一致し、底面側に容器体3の開口部に密嵌する突部41を設け、更に中央部分(中央突部42)を厚く形成すると共に、前記保冷剤収納体1の周壁13及びストッパー壁16と一致する透孔43を設ける。また前記透孔43の内壁には、中央突部42の底面と収納体底面11と一致する高さに、鍔部14と対応する段差(載置部)44を形成し、更にストッパー壁16側の中央突部42は、開口部15の前面(段差44の高さ)まで除去し、上方の内壁に段差45を設ける。
【0013】
閉塞板5は、前記の段差44の上方部分を充填密閉する形状で、特に一側は段差45と対応する形状に形成する。
【0014】
そして保冷剤収納体1を透孔12内に収納し、透孔12の上方部分を閉塞板5で塞ぐことで、保冷剤収納体1は蓋体本体4の裏面に装着されることになる。勿論必要に応じて閉塞板5が容易に透孔43から離脱しないように、閉塞板5の周壁と段差44の上方の周壁を蟻形状としたり、凹凸係止部を設けたり、接着剤で接着する。
【0015】
使用に際しては、冷却した保冷剤2を開口部から差し入れ、保冷剤収納体1に収納して、食品を収納した容器体3に被冠装着するもので、透孔12を通じて冷気が容器体3内に流れ込み、食品の保冷を実現するものである。
【0016】
従って保冷剤2は、蓋体の裏面に装着され、容器体の食品収納との関わりをなくすことができたので、食品詰め作業が容易になり、而も保冷剤2と収納食品の直接の接触がなく、収納食品が傷むような虞もない。
【0017】
而も保冷剤2を収納体1に収納した状態で、配達途中などで、容器全体が揺られたとしても、ストッパー壁16によって保冷剤2が収納体1から飛び出すことが防止される。また保冷剤を取出したい時は、蓋体本体4をひっくり返し、開口部15を下方に傾斜させて、保冷剤2は閉塞体5の裏面に添って開口部15から滑り出させれば良い。
【0018】
更に特に前記実施形態は、保冷剤収納体1の蓋体裏面装着構造を実現する構成を、蓋体本体4と閉塞板5とで実現したため、保冷剤収納体1を離脱しないように蓋体装着することができ、而も蓋体本体4及び閉塞板5は、簡単な構造の製造型で製造できる利点がある。
【0019】
また蓋体本体4と閉塞板5の嵌合組み合わせで蓋体を構成することによって、両者間の嵌合隙間が冷気の漏洩経路となりやすいが、特に段差44,45を設けたことで、冷気の漏洩を抑えることができる。
【0020】
【発明の効果】
以上のように本発明は、容器体と、容器体に密嵌される突部を裏面に形成した蓋体とを、適宜厚さの発泡樹脂で形成した包装箱において、底面に多数の透孔を設けた扁平箱形状の保冷剤収納体を、蓋体の裏面側に装着し、保冷剤を前記収納体に収納しておくことで、保冷剤が邪魔にならずに食品の収納ができ、また収納体は薄肉樹脂の型成形で製造できるので、簡易な装着構造を採用でき、包装箱本体が傷んでも、保冷剤収納体のみを再使用することも可能で、低コストでより使いやすい包装箱を提供できたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の全体の分解斜視図。
【図2】同蓋体本体の斜視図。
【図3】同蓋体の組立前の断面図。
【符号の説明】
1 保冷剤収納体
11 底面
12 透孔
13 周壁
14 鍔部
15 開口部
16 ストッパー壁
2 保冷剤
3 容器体
4 蓋体本体
41 突部
42 中央突部
43 透孔
44 段差(載置部)
45 段差
5 閉塞板
Claims (1)
- 容器体と、容器体に密嵌される突部を裏面に形成した蓋体とを、適宜厚さの発泡樹脂で形成した包装箱において、底面に多数の透孔を設けた扁平箱形状の保冷剤収納体を、蓋体の裏面側に装着するものであって、前記保冷剤収納体が、薄肉樹脂で一体に型成形で製出すると共に、一側を除いて設けた三方の周壁の上部周面に鍔部を設け、且つ前記一側の周壁を下方が低いストッパー壁と、ストッパー壁の上部を保冷剤の出入口とに形成し、蓋体裏面中央部分を、保冷剤収納体の高さに対応して厚く形成すると共に、蓋体中央部に、前記保冷剤収納体の周壁及びストッパー壁と一致する透孔を穿設し、ストッパー壁及び保冷剤出入口と対応する蓋体裏面中央突部を除去し、保冷収納体の鍔部と載置部となる段差を、載置時に蓋体裏面の中央突部の底面と保冷剤収納体の底面と一致する位置の三方に設けると共に、蓋体裏面突部を除去した上方位置に段差を設け、保冷剤収納体を透孔上方より装着し、蓋体と同質材の発泡体で形成した閉塞板で、透孔の三方段差位置の上方空間全体を密閉してなることを特徴とする発泡樹脂製包装箱。
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