JP4073770B2 - 路肩の防草構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、路肩の防草構造に関し、特に、林業振興のためにその有効利用が要請されている間伐材等の木材を利用して、施工が容易で工事費が安く、生態系への影響を小さくし施行後の景観も良好に保持しながら、路肩(本明細書において、路肩及び/又は路肩近傍の法面を含めて「路肩」という。)に生える雑草の生育を防止することができる路肩の防草構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、山間部の道路沿いの路肩に雑草生えていると、タバコの投げ捨てによる火災が発生したり、見通しが悪くなって車両の運転の妨げとなり、思わぬ事故を招いたりする。
そこで、従来、路肩に防草シートを敷き詰めたり、コンクリートを吹き付けたり、あるいは、除草剤を使用することによって、路肩における雑草の繁殖を抑える試みがなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の防草シートによる方法では、防草シートが破損し易く、破損部分から草が生え始めて徐々にその範囲が広まるという問題があり、また、コンクリートの吹き付けによる方法では、自然景観が破壊される上に施工が大がかりとなり費用も嵩むという問題を有し、さらに、除草剤を用いる方法は、除草効果も一時的なものである上、有用な動植物に有害であるなど生態系に影響を与えるという問題を有している。
【0004】
本発明は、上記従来の防草構造が有する問題点に鑑み、森林保全、林業振興のためにその有効利用が要請されている間伐材等の木材を利用して、施工が容易で工事費が安く、生態系への影響を小さくし施行後の景観も良好に保持しながら、路肩に生える雑草の生育を防止することができる路肩の防草構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の路肩の防草構造は、路肩に生える雑草の生育を防止する路肩の防草構造において、直径方向に貫通する貫通孔を長手方向の複数箇所に形成した木材を複数本並列し、隣接する各木材の対向する前記貫通孔に索条又は線材を挿通することにより複数本の木材をすだれ状に連結するとともに、該索条又は線材の端部に固定具を配設し、該固定具を介して、路肩に前記連結した木材を固定したことを特徴とする。
【0006】
この路肩の防草構造は、直径方向に貫通する貫通孔を長手方向の複数箇所に形成した木材を複数本並列し、隣接する各木材の対向する前記貫通孔に索条又は線材を挿通することにより複数本の木材をすだれ状に連結するとともに、該索条又は線材の端部に固定具を配設し、該固定具を介して、路肩に前記連結した木材を固定することから、木材を利用して、施工が容易で工事費が安く、生態系への影響を小さくし施行後の景観も良好に保持しながら、路肩に生える雑草の生育を防止することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の路肩の防草構造の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0008】
図1〜図2に、本発明の路肩の防草構造の一実施例を示す。
この路肩の防草構造は、路肩1及び/又は路肩1の近傍の法面2に生える雑草の生育を所定の幅、特に限定されるものでないが、例えば、1〜数m程度の幅をもって防止するもので、間伐材等の木材3の複数箇所に直径方向の貫通孔4を形成して、該貫通孔4に索条又は線材5を挿通することにより複数の木材3を並列に連結するとともに、該索条又は線材5の端部に固定具6を配設して前記連結した木材3を固定するようにしている。
【0009】
具体的には、例えば、所定径の間伐材3を2m程度の長さに切断し、切断した間伐材3の複数箇所に、ワイヤーロープや鋼線等からなる索条又は線材5を通す直径方向の貫通孔4を穿設する。
そして、共通部分に貫通孔4を穿設した複数の間伐材3に索条又は線材5を挿通した後、該索条又は線材5を適当な寸法で切断し、その端部を環状にして適当な固定具にて固定する。
この場合、間伐材3の数量や長さや索条又は線材5の長さ等は、施工する路肩1及び法面2の形状等に応じて適宜に変更することができ、また、切断した間伐材3は、端面を面取りしたり、不燃処理や防腐処理を施すことが好ましい。
【0010】
このように、すだれ状に連結した間伐材3は、谷側の路肩1では、ガードレール7の脚部に索条又は線材5の上端部を回してワイヤースリーブ61等の固定具6で固定したり、ガードレール7がない場合は、路肩1のコンクリート8にフック等の固定具(図示省略)を埋設したり、アースアンカー等の固定具(図示省略)を配設して索条又は線材5の端部を固定することができる。
この場合、索条又は線材5の下端部は、環状に形成した部分をアースアンカー等の固定具6により法面2に直接固定することができる。
【0011】
また、山側の路肩1では、図1に示すように、連結した間伐材3は、索条又は線材5の上下端部を環状に形成して、該環状部分をアースアンカー等の固定具6により法面2に直接固定することができる。
【0012】
なお、索条又は線材5は、上下端部のほか、適宜中間位置にアースアンカー等の固定具(図示省略)を配設して索条又は線材5を固定したり、ワイヤースリーブ61等の固定具を配設することができ、これにより、索条又は線材5が切断された場合に、木材3が索条又は線材5から離脱して、道路等に散乱することを未然に防止することができる。
【0013】
一方、間伐材等の木材3は、路肩1及び/又は路肩1の近傍の法面2に生える雑草の生育を所定の幅、特に限定されるものでないが、例えば、1〜数mとなる除草区間の幅に合わせて連結長さが決定される。
この場合、間伐材等の木材3は、通常、図2(b)に示すように、間を詰めて連結するが、障害物があったり、花や樹木を植えたりする場合は、図2(c)に示すように、ワイヤースリーブ61を用いて木材3同士の間に隙間をあけて連結したり、図2(d)に示すように、木材3の上方に隙間をあけて連結するようにすることもできる。
【0014】
かくして、本実施例の路肩の防草構造は、間伐材等の木材3の複数箇所に直径方向の貫通孔4を形成して、該貫通孔4に索条又は線材5を挿通することにより複数の木材3を並列に連結するとともに、該索条又は線材5の端部に固定具6を配設して前記連結した木材3を固定することから、有効利用が要請されている間伐材等の木材3を利用して、施工が容易で工事費が安く、生態系への影響を小さくし施行後の景観も良好に保持しながら、路肩1に生える雑草の生育を防止することができる。
【0015】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明の路肩の防草構造は、この実施例の記載に限定されるものではなく、木材として角材を用いたり、固定具等に任意の材質、構造のものを用いる(例えば、索条又は線材5に繊維製のロープを、固定具6に木製の杭を、それぞれ使用することにより、長期間の使用によって、自然に分解するようにする。)ことができる等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜に変更することが可能である。
【0016】
【発明の効果】
本発明の路肩の防草構造によれば、直径方向に貫通する貫通孔を長手方向の複数箇所に形成した木材を複数本並列し、隣接する各木材の対向する前記貫通孔に索条又は線材を挿通することにより複数本の木材をすだれ状に連結するとともに、該索条又は線材の端部に固定具を配設し、該固定具を介して、路肩に前記連結した木材を固定することから、木材を利用して、施工が容易で工事費が安く、生態系への影響を小さくし施行後の景観も良好に保持しながら、路肩に生える雑草の生育を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の路肩の防草構造の一実施例を示す断面図である。
【図2】 同実施例の路肩の防草構造を示し、(a)はその正面図、(b)は同断面図、(c)は木材同士の間に隙間を設けた例を示す断面図、(d)は木材の上方に隙間を設けた例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 路肩
2 法面
3 木材
4 貫通孔
5 索条又は線材
6 固定具
61 ワイヤースリーブ
7 ガードレール
8 コンクリート
Claims (1)
- 路肩に生える雑草の生育を防止する路肩の防草構造において、直径方向に貫通する貫通孔を長手方向の複数箇所に形成した木材を複数本並列し、隣接する各木材の対向する前記貫通孔に索条又は線材を挿通することにより複数本の木材をすだれ状に連結するとともに、該索条又は線材の端部に固定具を配設し、該固定具を介して、路肩に前記連結した木材を固定したことを特徴とする路肩の防草構造。
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