JP4073043B2 - 可視加重を備えた周辺加重ゴルフボール - Google Patents
可視加重を備えた周辺加重ゴルフボール Download PDFInfo
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Description
本出願は、1997年3月28日に出願された米国仮特許出願番号第60/042,428号に基づく優先権を主張するとともに、1997年1月13日に出願された米国特許出願番号第08/782,221号の一部継続出願である。
発明の分野
本発明は、向上した距離と感触特性を有するゴルフボールを含む規定ゴルフボールの構造に関連する。より特定すると、本発明は、金属粒子または他の重量充填剤材料を含んでボールの周辺重量を増大させるための1つ以上の層を有する、改良型多層ゴルフボールに関連する。かかる加重材料は、1つ以上の内側層または外側層に組み入れられ得る。重量充填剤粒子は外側カバー層に存在するのが、好ましい。加重材料は、ボールの外部に沿って目に見えるのが、最も好ましい。より小さいコアの製造に伴う粒子の含有は、より大きな(すなわち、より高い)慣性モーメントを生じる。この結果、スピンが少なくなり、スライスとフックが低減されると共に、距離を伸ばす。さらには、本発明のゴルフボールは、より軟質のバラタでカバーしたボールと本質的に同一の「感触」特性を有する。
発明の背景
今日のトーナメントや競技プレイ中に使用されるゴルフボールは、米国ゴルフ協会(U.S.G.A.)により、一貫性を目的として規則に定められる。この点で、各管理条件下でゴルフボールが満たさなければならない5つのU.S.G.A.仕様細則がある。これらは、サイズ、重量、速度、ドライバ距離、およびシンメトリーである。
U.S.G.A.仕様細則の下では、ゴルフボールは1.62オンス(下限はない)を越えて加重されてはならず、直径が少なくとも1.68インチ(上限はない)でなければならない。しかし、サイズおよび重量の上限または下限パラメータの非制限性の結果、多様なゴルフボールが製造され得る。例えば、わずかにより大きい(すなわち、直径がおよそ1.72インチ)だが、U.S.G.A.により設定された重量、速度、距離、およびシンメトリーの諸仕様細則に適うゴルフボールが今日出願人により製造される。
これに加えて、U.S.G.A.によれば、ボールの初期速度は、U.S.G.A.マシーンで設定されたクラブヘッド速度で打撃された時には、2%の最大許容誤差(すなわち、255フィート/秒)があるとして、250フィート/秒を超過するべきではない。さらに、ボールの全距離は、U.S.G.A.指定のドライバを用いて、U.S.G.A.により試験された通りに、160フィート/秒(クラブヘッド速度)で、10度の打ち上げ角度で打撃された場合は、6%の許容誤差(296.8ヤード)があるとして、280ヤードを越えてはいけない。最後に、どのようにボールがティー上に置かれるかとは無関係に、ボールはU.S.G.A.管理のシンメトリー試験、すなわち、飛行一貫性(飛行距離、飛行軌跡、および飛行時間について)試験に合格しなければならない。
ゴルフボール一貫性を維持する目的でU.S.G.A.は5種の使用細則を規定するが、ボールの代替の特性(すなわち、スピン、感触、耐久性、距離、打撃音、可視性など)は、ゴルフボール製造業者により絶えず改良され続けている。これは、利用される材料のタイプを変えることにより、かつ/または、ボールの構造を改善することにより、達成される。例えば、カバー材料およびコア材料の適切な選択は、或る距離、耐久性、およびプレイ可能性の各特性を達成するにあたり、重要となる。ゴルフボール性能を制御する他の重要な要因としては、カバー厚さとカバー硬度、コアの硬さ(圧縮率として測定されるのが典型的である)、ボールのサイズおよびボールの表面形状が挙げられるが、これらに限定されない。
結果として、個々のプレイヤーのゲームに適するように、広範なゴルフボールが設計され、また、入手可能である。さらに、改良型ゴルフボールは、材料および製造プロセスのテクノロジー的進展をもって、ゴルフボール製造業者により継続的に製造される。
ゴルフボール性能に関与する主要特性のうちの2つは、弾性と圧縮率である。弾性は一般に、高い降伏強度および低い弾性係数のために、ひずんだ本体が変形後にそのサイズと形状を回復させる能力として規定される。簡単に述べると、弾性は、ボールがクラブで衝撃を付与されたときに失われるエネルギーに対する、保有されたエネルギーの測定値である。
ゴルフボール製造の分野では、弾性は反発係数(C.O.R.)すなわち、弾性球の直接衝撃後の相対速度の、衝撃前の相対速度に対する比である、定数eにより、決定される。結果として、反発係数eは、0から1まで変動可能であり、1は完璧弾性のまたは完全弾性の衝突に等しく、0は完璧非弾性のまたは完全非弾性の衝突に等しい。
弾性(C.O.R.)は、クラブヘッド速度、クラブヘッド質量、軌跡の角度、ボールサイズ、密度、組成、および表面形状(すなわち、ディンプル(dimple)形状および被覆の面積は元より、環境条件(すなわち、温度、湿気、大気圧、風など)と共に、一般に、打撃された時にゴルフボールが飛行する距離を決定する。この線に沿って、ゴルフボールが制御環境条件下で移動する距離は、クラブの速度および質量、ならびにボールのサイズ、密度、組成、および弾性(C.O.R.)、ならびに他の要因の関数である。クラブの初期速度、クラブの質量、およびボールの出発角度は、打撃の際に、本質的にゴルファーによって提供される。クラブヘッド、クラブヘッド質量、軌跡の角度、および環境条件はゴルフボール製造業者によって制御可能な決定要因ではなく、また、ボールサイズおよび重量はU.S.G.A.によって設定されるので、これらは、ゴルフボール製造業者間の間で考慮される要因ではない。向上した距離に関する目的の決定要因は一般に、ボールの反発係数(C.O.R.)、スピン、表面形状(ディンプルパターン、着地面積(land area)対ディンプル加工面積の比など)である。
中実コアボールにおける反発係数(C.O.R.)は、成形コアの組成およびカバーの組成の関数である。成形コアおよび/またはカバーは、多層型ボールにおけるような1つ以上の層から構成され得る。巻きつけ式コアを含むボール(すなわち、液状中心または中実中心、弾性巻きつけ体、およびカバーを備えるボール)においては、反発係数は中心およびカバーの組成の関数であるばかりではなく、エラストマー巻きつけ体の組成および張力の関数でもある。中実コアボールにおけるように、巻きつけ式コアボールの中心およびカバーはまた、1つ以上の層から構成され得る。
ゴルフボールの反発係数は、ボールの出て行く速度の入って来る速度に対する比を判定することにより、分析可能となる。本文件の実施例では、ゴルフボールの反発係数は、1秒あたり125±1フィートの速度で、一般に垂直の硬質平坦スチール製プレートに当ててボールを水平方向に発射させ、かつ、ボールの入ってくる速度と出て行く速度を電子式に測定することにより、測定された。速度は1対のOehler Mark 55弾道スクリーン(テキサス州AustinのOehler Researchから入手可能)を用いて測定されたが、同スクリーンは、物体がそれらを貫通する時のタイミングパルスを提供する。スクリーンは36インチだけ分離され、跳ね返り壁から25.25インチおよび61.25インチに配置される。ボール速度は、跳ね返り壁への途中でスクリーン1からスクリーン2までのパルスのタイミングを計測することにより測定され(ボールの平均速度が36"を越えるとして)、次いで、スクリーン2からスクリーン1まで同一距離にわたって、出る速度が測定された。跳ね返り壁は垂直平面から2度傾斜され、ボールを発射した大砲の端縁をはずすために、ボールがわずかに下方向に跳ね返ることができるようにする。
先に示されたように、入ってくる速度は125±1fpsであるべきである。さらに、C.O.R.と前方向速度または入ってくる速度との間の相関関係が研究されており、ボールが厳密に125.0fpsの入ってくる速度を有しているかのようにC.O.R.が報告されるように、±fps範囲にわたり、補正が行われた。
U.S.G.A.により規定される仕様細則の範囲にボールが入るべきであるならば、あらゆる商業用ゴルフボールについて、反発係数が注意深く制御されなければならない。或る程度まで上記で言及したように、U.S.G.A.基準は、「規定」ボールは、U.S.G.A.マシンで試験された時は、75°Fの雰囲気中では、1秒あたり255フィートを越える初期速度を有し得ないことを示す。ボールの反発係数はボールの初期速度と関連付けられるので、初期速度に関するU.S.G.A.制限に緊密に接近するのに十分に高い反発係数(C.O.R.)を有すると同時に、所望の程度のプレイ可能性(すなわち、スピンなど)を生じるのに十分な量の柔軟性(すなわち、硬度)を有するボールを製造することは、大いに望ましい。
さらに、160フィート/秒のクラブヘッド速度でU.S.G.A.ドライビングマシーンにおいて試験された場合は、ゴルフボールが移動し得る(搬送および回転し得る)最大距離は、296.8ヤードである。ゴルフボール製造業者は、このドライバ距離仕様細則に緊密に接近するゴルフボールを設計するが、個々のプレイヤーがどのくらい遠くにボールをドライブし得るかについての上限は存在しない。従って、制御条件下でU.S.G.A.により設定された最大距離パラメータに近づくために、ゴルフボール製造業者は或る弾性特性を有するボールを製造したが、実際のプレイでボールが生じる全距離は、個々のゴルファーの特定の能力に依存して変化する。
ボールの表面形状も、ボールの移動距離に影響を与える際の重要な変数である。ボールのディンプルのサイズおよび形状は元より、全ディンプルパターンおよび着地面積のディンプル加工面積に対する比も、ボールの全搬送距離に関して重要となる。この点で、ディンプルは浮揚を与え、可能な限りボールの初期飛行速度を維持するために、抗力を低減する。これは、均一な態様で、空気を変位させることにより(すなわち、ボールの前面から背面まで、ボールが生じる空気抵抗を転換することにより)行われる。ディンプルの形状、サイズ、深さ、およびパターンは、ボールの初期速度を差別的に維持する能力に影響を与える。
先に示されたように、圧縮率は、ゴルフボールの全性能に関与する別な特性である。ボールの圧縮率は、ボールが適切に打撃された場合に生じる音すなわち「打撃音」に影響を及ぼす。同様に、圧縮率は、チッピングおよびプッティングにおいて特に、ボールの「感触」(すなわち、硬質または軟質の反応感触)に影響を与え得る。
さらに、それ自体の圧縮率はボールの距離性能とはほとんど関係がないが、圧縮率は打撃時のボールのプレイ可能性に影響を与え得る。クラブ面に対するボールの圧縮の程度と、カバーの柔軟性とは、結果として生じるスピンレートに強く影響する。典型例では、より軟質のカバーがより硬質のカバーよりも高いスピンレートを生じる。これに加えて、より硬質のコアは、より軟質のコアよりも高いスピンレートを生じる。これは、衝撃に際して、硬質コアは軟質コアよりも、クラブの面に当てたボールのカバーを遥かに強く圧縮するように作用し、それにより、クラブ面上でのボールのより一層の「掴み(grab)」を生み、その後により高いスピンレートを生じる結果となるからである。実際に、カバーは比較的圧縮不能なコアとクラブヘッドとの間で圧搾される。より軟質のコアが使用される場合、より硬質のコアが使用された場合と比べて、カバーは遥かに少ない圧縮応力下にあり、それゆえ、クラブ面とそれ程には密接に接触しない。この結果、より低いスピンレートを生じる。
ゴルフボール取引で利用される「圧縮率」という用語は一般に、圧縮性荷重を受けた時にゴルフボールが受ける全体的偏向を、定義する。例えば、PCA圧縮率は、打撃時のゴルフボールの形状の変化量を示す。2ピースボールにおける中実コアテクノロジーの開発は、糸巻きつけ式3ピースボールと比較して、圧縮率の遥かにより厳密な制御を可能にしてきた。これは、中実コアボールの製造にあたり、偏向または変形の量が、コアを製造する際に使用される化学式により、厳密に管理されるからである。この点が、圧縮率が弾性糸の巻きつけ処理により部分的に制御される、巻きつけ式3ピースボールとは異なる。従って、2ピースボールおよび多層中実コアボールは、糸巻きつけ式3ピースボールのような巻きつけ式コアを有するボールに比して、遥かに高い粘性圧縮率を呈する。
これに加えて、カバー硬さと厚さは、ゴルフボールの距離、プレイ可能性、および耐久性の各特性を生じる際に重要である。上述のように、カバー硬さはボールの弾性と、従ってその距離特性とに直接影響を及ぼす。全てが均等である状態では、より硬質のカバーがより高い弾性を生じる。これは、材料が打撃時に圧縮されると、いくらかの衝撃エネルギーを吸収することにより、軟質材料が弾性を減じるからである。
さらに、軟質カバーボールは、より熟練したゴルファーに好まれるが、というのも、ゴルファーは、より良好なボールの制御または作動可能性を自分に与える高スピンレートで打撃し得るからである。スピンレートは、習熟したゴルファーと未熟なゴルファーの両者に対して、重要なゴルフボール特性である。ここで述べたように、高スピンレートは、PGAおよびLPGAプロフェッショナルやハンディキャップの少ないプレイヤーのような、より熟練したゴルファーがゴルフボールを最大限に制御できるようにする。このことは、グリーンへのアプローチショットを打つ時に、より熟練したゴルファーにとって特に有益となる。「バックスピン」を意図的に生じて、それによりグリーン上でボールを急に停止させる能力、および/または、ボールをドローまたはフェードさせるために「サイドスピン」をかける能力は、ゴルファーのボールへの制御を実質的に向上させる。従って、より熟練したゴルファーは一般に、高スピンレート特性を呈するゴルフボールをより好む。
しかしながら、高スピンゴルフボールは全てのゴルファーに望まれる訳ではなく、特に、ボールのスピンを意図的に制御できない高いハンディキャップを持つプレイヤーは望まない。これに加えて、低スピンゴルフボールよりも転がり(roll)が実質的に少ないので、高スピンボールは一般に、距離が短い。
この点で、あまり熟練していないゴルファーは、とりわけ、自分たちのゲームを改善するために2つの障害を有する。すなわち、スライスとフックである。クラブヘッドがボールに出会うと、意図しないサイドスピンが付与されることが多く、これはボールをその意図したコースから逸脱させる。サイドスピンはゴルファーのボールへの制御を減じるばかりか、ボールが移動する距離をも減じる。その結果、望ましくないストロークがゲームに増える。
結果的に、より熟練したゴルファーが高スピンゴルフボールを望むことが多いが、それ程熟練していないプレイヤーにとってより効果的なボールは、低スピン特性を呈するゴルフボールを望む。低スピンボールはスライスとフックを減じ、距離を伸ばす。さらに、高スピンボールは一般に距離が短いので、かかるボールは、より熟練したゴルファーによってさえ、一般に所望されない。
高スピンボールに関しては、およそ20年前までは、極めて高スピンのボールは、バラタあるいはバラタとエラストマーまたは可塑性材料とのブレンドから構成されていた。伝統的バラタカバーは、比較的軟質かつ可撓性である。衝撃時には、軟質バラタカバーはクラブの表面にあたって圧縮し、高スピンを生じる。結果的に、軟質の可撓性バラタカバーは、ドローまたはフェードを生じるためにスピンを付与して飛行中のボールを制御する能力や、グリーンと接触したときにボールを「食付かせる」または停止させるバックスピンを付与する能力を、経験豊富なゴルファーに供与する。
さらに、軟質バラタカバーは、ハンディの少ないプレイヤーに柔らかい「感触」を生む。かかるプレイ可能性特性(作動性、感触など)は、低スイング速度でのショートアイアンプレイで特に重要となり、比較的習熟したプレイヤーによってかなり利用される。
しかし、バラタのこういうた利点の全てにもかかわらず、バラタカバーゴルフボールは、打撃ミスの場合に、容易に切断され、かつ/または、損傷される。バラタまたはバラタ含有カバー組成物を用いて製造されたゴルフボールは、それゆえに、比較的短い耐用年数を有する。
これに加えて、軟質バラタカバーボールは距離がより短い。より軟質の材料はさらなるスピンを生むが、これは、ボールの初期速度を犠牲として生じることが多い。さらに、上述のように、より高スピンのボールは、転がる傾向が少ない。
この負の特性の結果として、バラタおよびその合成代用品、トランスポリイソプレンおよびトランスポリブタジエンよりも、新規な合成材料がカバー材料の選択肢として必然的に取って代わっている。この材料の群には、アイオノマー樹脂が含まれる。
アイオノマー樹脂は、分子鎖がイオン結合により架橋されるポリマーである。それらの靭性、耐久性、および飛行特性の結果として、従来の「バラタ」(トランスポリイソプレン(天然または合成))ゴムに優るゴルフボールカバーの構造として、商標Surlyn▲R▼の元でE.I.DuPont de Nemours & Companyから販売され、より最近では、商標Escor▲R▼および商品名Iotekの元でExxon Corporationから販売される多様なアイオノマー樹脂が材料の選択肢となっている。上述のように、より柔軟なバラタカバーは、向上したプレイ可能性特性を示すが、反復プレイに必要とされる耐久性(耐切断性および耐磨耗性、耐疲労性など)特性を欠き、かつ、距離が限られている。
アイオノマー樹脂は一般に、エチレンのようなオレフィン、および、アクリル酸、メタクリル酸、またはマレイン酸のような不飽和カルボン酸の金属塩のイオンコポリマーである。ナトリウムまたは亜鉛のような金属イオンは、バラタに優るゴルフボールカバー構造についての向上した特性、すなわち、耐久性などを呈する熱可塑性エラストマーを結果として生じるコポリマー中の酸基のいくらかの部分を中和するために使用される。
歴史的には、強化した耐久性が得られたアイオノマー樹脂が生じる利点のうちのいくつかは、プレイ可能性について生じた低減分により或る程度まで相殺された。これは、アイオノマー樹脂は極めて耐性に富むが、ゴルフボールカバー構築のために利用された場合は、本来、非常に硬くなる傾向があり、従って、飛行中のボールを制御するのに必要なスピンを付与するのに必要な程度の柔軟性を欠落していたからであった。初期のアイオノマー樹脂はバラタより硬かったので、アイオノマー樹脂カバーは、衝撃時にクラブの面をそれ程には圧縮しなかった。
これに加えて、初期のより硬く、より耐性のあるアイオノマー樹脂は、より軟質のバラタ関連のカバーと関与する「感触」特性を欠いていた。アイオノマー樹脂は、ウッド、アイアン、ウエッジ、またはパターのようなゴルフクラブで打撃された場合、硬い反応「感触」を生じる傾向があった。
上記または他の問題点の結果として、アイオノマー樹脂テクノロジーの分野では、ゴルフボール製造業者によって、多大な研究が遂行され、現在も遂行中である。目下のところ、金属カチオンのタイプおよび量、分子量、ベース樹脂の組成(すなわち、エチレンおよびメタクリル酸および/またはアクリル酸基の相対含量)、ならびに補強剤などの添加剤材料に従って変化する広範な特性を備えて、DuPontおよびExxonの両社から入手可能な50を越える商業用等級のアイオノマーが存在する。しかし、改良された耐衝撃性および「硬質」アイオノマー樹脂により生じる搬送距離特性を呈するのみならず、より熟練したゴルファーにより依然として所望される「軟質」バラタカバー特性と先に関連付けられたプレイ可能性(すなわち、「スピン」、「感触」など)特性をも呈する、ゴルフボールカバー組成物を開発するために、多大な研究が継続中である。
結果的に、多数の2ピース(成形カバーを備えた中実弾性中心またはコア)および3ピース(液状中心または中実中心、中心周囲のエラストマー巻きつけ体、および成形カバー)ゴルフボールは、上記必要性を処理するべく、本願出願人等により製造されてきた。これらボールのコア、カバーなどを調合するために利用される異なるタイプの材料は、ボールの全体的特徴を劇的に変化させる。
これに加えて、1つ以上のアイオノマー樹脂を含有する多層型カバーはまた、所望される全距離プレイ可能性、および耐久性の各特性を有するゴルフボールを製造しようと試みて調合されてきた。例えば、これは、2つのアイオノマー樹脂カバー層を有する多層型ゴルフボールが開示された米国特許第4,431,193号で、本発明の譲受人であるSpalding & Evenflo Companies, Inc.により処理されている。
第193号特許の実施例では、多層ゴルフボールは、中実球状コア上に第1カバー層をまず成形し、次いで、第2層を追加することにより、製造される。この第1層は、タイプ1605 Surlyn▲R▼(現在は、Surlyn▲R▼8940と命名される)のような、硬質の高曲げ率樹脂材料から構成される。タイプ1605 Surlyn▲R▼(Surlyn▲R▼8940)は、約51,000psiの曲げ率を有する、ナトリウムイオンベースの低酸性(15重量%のメタクリル酸より低いか、それに等しい)アイオノマー樹脂である。タイプ1855 Surlyn▲R▼(目下、Surlyn▲R▼9020と命名される)のような、比較的軟質の低曲げ率樹脂材料の外側層は、内側カバー層上に成形される。タイプ1855 Surlyn▲R▼(Surlyn▲R▼9020)は、約14,000psiの曲げ率を有する、亜鉛イオンベースの低酸性(10重量%のメタクリル酸)アイオノマー樹脂である。
193号特許は、第1層を備える硬質の高曲げ率の樹脂は、コアの反発係数に優る反発係数で利得を供与する点を教示している。反発係数の増大は、米国ゴルフ協会(U.S.G.A.)により規定されたとおりに、1秒あたりに255フィートの最大初期速度制限を達成するまたはそれに近いボールを提供する。比較的柔軟かつ低い曲げ率の外側層は、反発係数の利得を本質的に供与しないが、バラタ被覆型ゴルフボールの有利な「感触」特性およびプレイ特性を提供する。
しかし不運なことに、193号特許の実施例のボールは、多数の他の公知の多層型ボールに優る、向上した距離(すなわち、向上したC.O.R.値)を有する、交渉したプレイ可能性特性を呈するが、ボールは、今日市場で入手可能な2ピース単一カバー層ボールと比較した場合、比較的短い距離(すなわち、より低いC.O.R.値)に悩む。これら望ましくない特性は、193号特許の限定された実施例に従って製造されたボールを、今日の基準では一般に容認できないものとしている。
本発明は、先行技術の実施例に見られる多層ボールと比較した場合、向上した反発係数(すなわち、向上した移動距離)および/または耐久性特性を提供する、新規な多層ゴルフボール組成物に関する。本発明のボールの移動距離は、ボールの慣性モーメントを増大させることによりさらに改善され、それにより、それらの全スピンレートを低減する。
さらに、本発明のボールは向上した外側カバー層の柔軟性と感触を有する。距離、感触などの向上は、ボールの強化した慣性モーメントにより生じるスピンの損失の結果として生じる制御可能性を実質的に犠牲にすること無しに、生成される。
先に注目したように、低スピンボールは一般に、特に熟練度の低いプレイヤーにとっては好ましい。そして、上述のように、ボールの慣性モーメントの増大は、ボールのスピンレートを低減する傾向がある。本発明は、ゴルフボールの慣性モーメントを容易に増大させるための、顕著で特有のアプローチを提供する。本発明のアプローチは、経済的であり、大規模商業用ゴルフボール製造処理工程で容易に実施される。
本発明の上記および他の目的および特徴は、下記の本発明の要旨、好ましい実施態様の説明、図面、および請求の範囲から明白となる。
発明の要旨
本発明は、第1の局面では、コアおよび外側層を備えるゴルフボールを提供し、外側層は、ゴルフボールの慣性モーメントを増大させるように働く加重材料の、少なくとも1つの非連続領域を含む。好ましい実施態様においては、加重材料またはその何らかの表示は、ボール外部表面で目に見える。
さらに別の局面では、本発明は、向上した慣性モーメントを有する多層ゴルフボールをさらに提供し、ゴルフボールは、コア、内側層、および外側層を備える。内側層は、少なくとも約15,000psiの曲げ率および少なくとも約60のショアーD硬度を有する、比較低硬質の材料を含む。外側層は、約1,000psiから約10,000psiの曲げ率および約65以下のショアーD硬度を有する、比較的軟質の材料を含む。ゴルフボールは、内側層または外側層のいずれか一方あるいはその両方に配置された、有効量の加重材料をさらに含む。ゴルフボールは、外側層に配置された加重材料の少なくとも1つの非連続領域をさらに含むのが、好ましい。最も好ましい実施態様においては、加重材料またはその何らかの表示は、ボールの外部に沿って目に見える。
本発明の上記および他の目的および特徴は、以下の詳細な説明から明白となる。
【図面の簡単な説明】
図1は、コア10ならびに、金属粒子または他の重量増量材料20を含有する内側層14と、ディンプル18を有する外側層16とから構成される多層カバー12を例示する、本発明を具体化する好ましい実施態様のゴルフボールの、断面図である。
図2は、コア10ならびに、金属粒子または他のフラグメント(fragment)20を含有する内側層14と、ディンプル18を有する外側層16とから形成されるカバー12を有する、本発明の好ましい実施態様のゴルフボールの、直径方向断面図である。
図3は、可視星形状周辺加重システムを利用した本発明に従った好ましい実施態様のゴルフボールの、立面図である。
図4は、可視輪郭形状(contoured-shaped)周辺加重システムを利用した本発明に従った好ましい実施態様のゴルフボールの、立面図である。
図5は、可視五角形状周辺加重システムを利用した本発明に従った好ましい実施態様のゴルフボールの、立面図である。
図6は、可視放射状(radiused)五角形状周辺加重システムを利用した本発明に従った好ましい実施態様のゴルフボールの立面図である。
図7は、可視単一ストライプ状周辺加重システムを利用した本発明に従った好ましい実施態様のゴルフボールの、立面図である。
図8は、可視2重ストライプ状周辺加重システムを利用した本発明に従った好ましい実施態様のゴルフボールの、立面図である。
図9は、可視多数ストライプ状周辺加重システムを利用した本発明に従った好ましい実施態様のゴルフボールの、立面図である。
図10は、可視ストライプおよびディンプル状周辺加重システムを利用した本発明に従った好ましい実施態様のゴルフボールの、立面図である。
図11は、可視リング状周辺加重システムを利用した本発明に従った好ましい実施態様のゴルフボールの、立面図である。
図12は、可視らせん状周辺加重システムを利用した本発明に従った好ましい実施態様のゴルフボールの、立面図である。
好ましい実施態様の説明
本発明は、改良型多層ゴルフボール組成物、および同組成物を利用して製造された結果として生じた規定ボールに関する。この点で、より小さくかつより軽量のコアが生成され、金属粒子または他の重量充填剤材料はカバー組成物に含まれる。この結果、向上した周辺加重を呈する成形ゴルフボールを生じる。粒子は、中実の3ピース多層型ゴルフボールの比較的厚い内側カバー層(またはマントル)に含まれるのが、好ましい。別な好ましい実施態様においては、粒子または他の加重材料は、外側層に配置される。加重材料は、ボールの外部に沿って目視可能であるか、または他の態様で可視的であるのが、最も好ましい。コアのサイズおよび重量は、米国ゴルフ協会により特定された1.62オンスの最大重量制限に適うか、またはそれより軽いゴルフボール全体を製造するために、低減される。
本発明の材料選択と特有のアプローチとの組み合わせは、増大した慣性モーメントおよびより大きな旋回半径を備えるゴルフボールを生成し、従って、より低い初期スピンを発生することが、解っている。この結果、ボールの感触特性および耐久性特性に実質的に影響をおよぼすこと無しに、向上した距離を呈するゴルフボールを生じる。
本発明の多層ゴルフボールカバーは、1つ以上の硬質(高酸性または低酸性)アイオノマー樹脂のブレンドのような、硬質の高弾性率材料(すなわち、約15,000psi以上の曲げ率(ASTM D-790)および少なくとも約60(ショアーDスケールに基づき、より望ましくは65以上の(ASTM D-2240))の硬度の第1層または内側層(皮殻)を含むのが、好ましい。これに加えて、多層ゴルフボールには、比較的より軟質の低弾性率材料(すなわち、約1,000psiから約10,000psi(ASTM D-790)および約65以下の、より望ましくは60以下の曲げ率)から構成される、第2層または外側層(皮殻)が含まれる。かかる材料の実施例は、1つ以上の軟質アイオノマー樹脂、もしくは、ポリウレタンまたはポリエステルエラストマーのような非アイオノマーの熱可塑性または熱硬化性エラストマーのブレンドを含有する。金属粒子および他の重量充填剤材料(樹脂100部あたり約1部から約100部(phr)、好ましくは約4phrから51phr、そして最も好ましくは、約10phrから25phr)は、ゴルフボールの慣性モーメントを向上させるために、第1カバー層すなわち内側カバー層に含まれる。このような重量充填剤材料もまた、これらの割合で外側カバー層に提供され得る。本発明の多層ゴルフボールは、標準サイズまたは拡大されたサイズであり得る。
本発明のゴルフボールの内側層(皮殻)は、高酸性アイオノマー樹脂(16重量%酸性より高い)のブレンドまたは高弾性率低酸性アイオノマーのブレンドを含み、かつ、65またはそれより高いショアーD硬度を有するのが、より好ましい。多様な量の金属粒子または他の重量充填剤材料が内側カバー層に含まれ、コアのサイズおよび重量は、ボールの慣性モーメントの選択的変化を生じるように、低減される。外側カバー層は、低弾性率アイオノマー樹脂のブレンドを含み、あるいは、ポリウレタンから構成されるのが好ましく、かつ、約45から55のショアーD硬度(すなわち、約65から75のショアーC硬度)を有するのが、好ましい。
この点で、単一カバー層から作成されたボールと比較して、多層ゴルフボールは、向上したC.O.R.値を呈示する内側カバー層および外側カバー層を有し、かつ、より長い移動距離を有するように製造され得ることが見出された。これに加えて、より軟質の外側層の使用は所望の「感触」およびより高いスピンレートを追加すると同時に、相当な弾性を維持することが見出された。軟質の外側層は、衝撃期間中にカバーがより変形できるようにし、かつ、クラブ面とカバーとの間の接触面積を増大させ、それにより、ボールに追加のスピンを付与する。その結果、軟質カバーは、多層ボールにバラタのような感触およびスピン特性と共に、向上した距離および耐久性を提供する。
かかる多層ゴルフボールの移動距離は、内側カバー組成物に金属粒子または他の重量金属増量剤材料を包含することにより、ボールの感触特性および耐久性特性を実質的に犠牲にすること無しに、さらに向上され得ると、目下判断されている。金属粒子またはフラグメントは、中心コアと比較して、ゴルフボールの内部周辺の重量を増大させる。さらに、コアはまた、U.S.G.A.の重量要件に一致させるために、より小型で軽量にされる。重量変位のこの組み合わせは、慣性モーメントを増大させ、かつ/または、ボールの外側表面により近いボールの旋回半径を移動させる。
結果的に、重量配置の選択的調節は、異なる慣性モーメントおよび/または旋回半径を生じる。全体的結果として、より遠くへ飛行すると同時に、規定のプレイで利用されるゴルフボールに望ましい、感触特性および耐久性特性を維持した、より低い初期スピンの多層ゴルフボール生成する。
ゴルフボールの慣性モーメント(回転慣性としても公知である)は、或る形状の各要素の質量(またはしばしば面積である)を、ゴルフボールの中心のような特定線からの距離の2乗で乗算した商の和である。この特性は、所与の軸周囲のゴルフボールの慣性モーメントの質量に対する比の平方根である、ゴルフボールの旋回半径に直接関連する。慣性モーメントが大きい程(または、ボールの中心までの旋回半径が遠い程)、ボールのスピンレートが低いことが、解っている。
本発明は、部分的に、カバー、内側層、およびコア組成物のうち1つ以上の重量配置を変化させることにより、多層型ゴルフボールの慣性モーメントを増大させることに関する。ゴルフボールの重量、サイズ、および組成物の密度を変化させることにより、ゴルフボールの慣性モーメントは増大され得る。かかる変化は、多層型ゴルフボール(1つ以上のカバー層を含むボールを含む)で発生し、より少ないサイドスピンと向上した転がりを生成するせいで、距離を伸ばし得る。
従って、本発明は、コア(より小型で軽量の中実コアが好ましい)の周囲に各層を成形して多層カバーを調合する際に生じる改良型多層カバーと、不利に影響されることなく向上した距離(すなわち、向上した弾性、より少ないサイドスピン、改善した転がり)を呈し、かつ、多くの場合、ボールの感触特性(硬度/軟度)および/または耐久性(すなわち、耐切断性、耐疲労性など)特性を向上させたゴルフボールとに関する。
図1および図2を参照すると、本発明に従った好ましい実施態様のゴルフボールが例示される。この好ましい実施態様のゴルフボールは、コア10上に配置された多層型カバー12を備え、同カバーを作成する方法を含む。コア10は中実コアであるのが好ましいが、所望の特性を有する巻きつけ式コアも使用され得る。
多層型カバー12は、2つの層(第1層または内側層(皮殻)14、および、第2層または外側層(皮殻)16)を備える。内側層14は、硬質の高弾性率(15,000から150,000の曲げ率)、低酸性または高酸性(すなわち、16重量%より高い酸性)アイオノマー樹脂またはアイオノマーブレンドから構成される。内側層は、異なる金属カチオンにより多様な程度まで中和された、2つまたはそれを超える高酸性(すなわち、少なくとも16重量%酸性)アイオノマー樹脂のブレンドから構成されるのが、好ましい。内側カバー層は、金属ステアリン酸(たとえば、ステアリン酸亜鉛)または他の金属脂肪酸塩を含んでもよいし、含まなくてもよい。金属ステアリン酸または他の金属脂肪酸塩の目的は、仕上がりゴルフボールの全体的性能に影響を及ぼすこと無しに、製造コストを低減することである。
内側層組成物は、E.I.DuPont de Nemours & Companyにより商標「Surlyn▲R▼」の元で近年開発されたもの、および、Exxon Corporationにより商標「Escor▲R▼」または商品名「Iotek」の元で開発されたもの、あるいはそれらのブレンドのような、高酸性アイオノマーを含む。本明細書中において内側層として使用され得る組成物の実施例は、同時係属中の1991年10月15日に出願された米国特許出願番号第07/776,803号および1992年6月19日に出願された特許出願番号第07/901,660号において詳細に明示されており、両出願は、本明細書中に参考として援用されている。もちろん、内側層の高酸性アイオノマー組成物は、上記各同時係属出願に明示された組成物には、いかなる態様ででも限定されない。例えば、本発明の譲受人であるSpalding & Evenflo Companies, Inc.により近年開発され、1992年6月19日に出願された米国特許出願連続番号第07/901,680号(本明細書中に参考として援用される)に開示される高酸性アイオノマー樹脂はまた、本発明において使用される多層カバーの内側層を生成するために利用され得る。
本件発明の内側層組成物を調合する際に使用するのに好適となり得る高酸性アイオノマーはイオンコポリマーであり、これらは、約2個から8個の炭素原子を有するオレフィンと、約3個から8個の炭素原子を有する不飽和モノカルボン酸との反応生成物の、ナトリウム、亜鉛、マグネシウムなどの、金属塩である。アイオノマー樹脂はエチレンおよびアクリル酸またはメタクリル酸いずれかのコポリマーであるのが、好ましい。或る状況においては、アクリル酸エステルのような追加のコモノマー(すなわち、アクリル酸イソブチルまたはアクリル酸n−ブチルなど)はまた、より柔軟なターポリマーを生成するために含まれ得る。コポリマーのカルボン酸基は、金属イオンにより、部分的に中和される(すなわち、およそ10%から75%、好ましくは、30%から70%)。本発明の内側層カバー組成物に含まれ得る高酸性アイオノマー樹脂の各々は、約16重量%より多くのカルボン酸、好ましくは、約17重量%から約25重量%のカルボン酸、より好ましくは、約18重量%から約21.5重量%のカルボン酸を含有する。
内側層カバー組成物は高酸性アイオノマー樹脂を含むのが好ましいが、本特許の範囲は、先に明示された境界内に入る、全ての公知の高酸性アイオノマー樹脂を包含し、比較的限定された数の上記高酸性アイオノマー樹脂のみが、現在、市販されている。
Exxonから「Escor▲R▼」および「Iotek」という名称の元で入手可能な高酸性アイオノマー樹脂は、「Surlyn▲R▼」商標の元で入手可能な高酸性アイオノマー樹脂に幾分類似する。しかしながら、Escor▲R▼/Iotekアイオノマー樹脂はポリ(エチレンアクリル酸)のナトリウム塩または亜鉛塩であり、「Surlyn▲R▼」樹脂はポリ(エチレンメタクリル酸)の亜鉛塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩などであり、特性に著しい差異が存在する。
本発明に従った用途に適切であることが解っている、高酸性メタクリル酸ベースのアイオノマーの具体例としては、Surlyn▲R▼AD-8422(ナトリウムカチオン)、Surlyn▲R▼8162(亜鉛カチオン)、Surlyn▲R▼SEP-503-1(亜鉛カチオン)、およびSurlyn▲R▼SEP-503-2(マグネシウムカチオン)が挙げられる。DuPontによると、これらアイオノマーの全てが、約18.5重量%から約21.5重量%のメタクリル酸を含有する。
より特定すると、Surlyn▲R▼AD-8422は目下、DuPontからメルトインデックスの差に基づく多数の異なる等級で(すなわち、AD-8422-2、AD-8422-3、AD-8422-5など)、市場で入手可能である。DuPontによれば、Surlyn▲R▼AD-8422は、低酸性等級にある全てのうちで最も剛性が高くて最も硬いSurlyn▲R▼8920(米国特許第4,884,814号においては「硬い」アイオノマーと呼ばれる)と比較した場合に、以下の一般的特性を提示する。
Surlyn▲R▼8920をSurlyn▲R▼8422-2およびSurlyn▲R▼8422-3と比較すると、高酸性Surlyn▲R▼8422-2およびSurlyn▲R▼8422-3アイオノマーはより高い張力降伏、低い伸び、わずかに高いショアーD硬度、および遥かに高い曲げ率を有することが、認識される。Surlyn▲R▼8920は15重量%のメタクリル酸を含有し、かつ、ナトリウムで59%中和される。
これに加えて、Surlyn▲R▼SEP-503-1(亜鉛カチオン)およびSurlyn▲R▼SEP-503-2(マグネシウムカチオン)は、Surlyn▲R▼AD 8422高酸性アイオノマーの高酸性亜鉛およびマグネシウム版である。Surlyn▲R▼AD8422高酸性アイオノマーと比較した場合、Surlyn▲R▼SEP-503-1およびSurlyn▲R▼SEP-503-2アイオノマーは、以下のように規定され得る。
さらに、Surlyn▲R▼8162は、30%から70%中和された、およそ20重量%(すなわち、18.5重量%から21.5重量%)メタクリル酸コポリマーを含有する亜鉛カチオンアイオノマー樹脂である。Surlyn▲R▼8162は、DuPontから目下、市場で入手可能である。
本発明における用途に好適な、高酸性アクリル酸ベースアイオノマーの具体例としては、Exxonにより製造されたEscor▲R▼またはIotek高酸性エチレンアクリル酸アイオノマーもまた挙げられる。この点で、Escor▲R▼またはIotek 959は、ナトリウムイオンで中和されたエチレンアクリル酸中和エチレンアクリル酸コポリマー(sodium ion neutralized ethylene-acrylic neutralized ethylene-acrylic acid copolymer)である。Exxonによると、Ioteks 959および960は、ナトリウムイオンおよび亜鉛イオンでそれぞれ中和されたおよそ30%から約70%の酸基を有する、約19.0重量%から21.0重量%のアクリル酸を含有する。これら高酸性アクリル酸ベースアイオノマーの物理的特性は、以下のとおりである。
追加の高酸性硬質アイオノマー樹脂は、Iotek 1002およびIotek 1003のように、Exxonからも入手可能である。Iotek 1002はナトリウムイオン中和高酸性アイオノマー(すなわち、18重量%酸性)であり、Iotek 1003は亜鉛イオン中和高酸性アイオノマー(すなわち、18重量%酸性)である。これらアイオノマーの特性は、以下に明示される。
さらに、マンガン、リチウム、カリウム、カルシウム、およびニッケルのカチオンのようないくつかの異なるタイプの金属カチオンにより多様な程度に中和された、多数の新たな高酸性アイオノマーを本願発明者が開発した結果、ナトリウム、亜鉛、およびマグネシウムの高酸性アイオノマーまたはアイオノマーブレンドの他に、いくつかの新たな高酸性アイオノマーおよび/または高酸性アイオノマーブレンドが、ゴルフボールカバー製造のために目下入手可能である。これら新規なカチオン中和高酸性アイオノマーブレンドは、処理期間中に起こる相乗効果(synergies)のために、向上した硬度および弾性を呈する内側カバー層組成物を生成することが、解っている。結果として、近年製造されている金属カチオン中和高酸性アイオノマー樹脂は、現在市場で入手可能な低酸性アイオノマー内側カバー組成物により生成されるものよりも高いC.O.R.を有する多層型ゴルフボールのための、実質的により硬質の内側カバー層を製造するようにブレンドされ得る。
より特定すると、いくつかの新規な金属カチオン中和高酸性アイオノマー樹脂は、広範な異なる金属カチオン塩で、α−オレフィンおよびα,β−不飽和カルボン酸の高酸性コポリマーを、多様な程度まで中和することにより、本願発明者により製造されている。この発見は、本明細書中に参考として援用されている、米国特許出願番号第07/901,680号の主題である。多数の新規な金属カチオン中和高酸性アイオノマー樹脂は、高酸性コポリマー(すなわち、16重量%よりも高い酸好ましくは、約17重量%から25重量%までの酸、より好ましくは、約20重量%の酸を含有するコポリマー)を、所望の程度まで(すなわち、約10%から90%まで)コポリマーをイオン化または中和することが可能な金属カチオン塩と反応させることにより、得られ得ることが、解っている。
ベースコポリマーは、16重量%よりも大きいα,β−不飽和カルボン酸およびα−オレフィンから作製される。必要に応じて、軟化コモノマーがコポリマー中に含まれ得る。一般に、α−オレフィンは2個から10個の炭素原子を有し、エチレンであるのが好ましく、不飽和カルボン酸は、約3個から8個の炭素を有するカルボン酸である。かかる酸の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロロアクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、およびイタコン酸が挙げられるが、アクリル酸が好ましい。
本発明に任意で含まれ得る軟化コモノマーは、酸が2個から10個の炭素原子を含む脂肪族カルボン酸のビニルエステル、アルキル基が1個から10個の炭素原子を含有するビニルエーテル、および、アルキル基が1個から10個の炭素原子を含有するアルキルアクリレートまたはメタクリレートからなる群から選択され得る。好適な軟化コモノマーとしては、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチルなどが挙げられる。
結果的に、本発明に含まれる高酸性アイオノマーを製造するための用途に好適な多数のコポリマーの具体例としては、エチレン/アクリル酸コポリマー、エチレン/メタクリル酸コポリマー、エチレン/イタコン酸コポリマー、エチレン/マレイン酸コポリマー、エチレン/メタクリル酸/酢酸ビニルコポリマー、エチレン/アクリル酸/ビニルアルコールコポリマーなどの高酸性実施態様が挙げられるが、これらに限定されない。ベースコポリマーは、16重量%より高い不飽和カルボン酸、約30重量%から約83重量%のエチレン、および、0重量%から約40重量%の軟化コモノマーを広く含有する。コポリマーは、約20重量%の不飽和カルボン酸および約80重量%のエチレンを含有するのが、好ましい。コポリマーは、約20%のアクリル酸を含有し、残余がエチレンであるのが、最も好ましい。
上記方針に沿って、先に明示された基準を満たす好ましい高酸性ベースコポリマーの具体例は、一連のエチレンアクリル酸コポリマーであるが、これらは、Michigan州MidlandのDow Chemical Companyから「Primacor」の名称の元で市場で入手可能である。これら高酸性ベースコポリマーは、表1で以下に明示される典型的特性を提示する。
メルトフローインデックスは、ASTM D-1238によると、190℃で得られる。
Primacor 5981等級のエチレンアクリル酸コポリマーの高い分子量に起因して、このコポリマーは、本発明で利用されるより好ましい等級である。
本発明で利用される金属カチオン塩は、高酸性コポリマーのカルボン酸基を、多様な程度まで中和することが可能な金属カチオンを提供する塩である。これらとしては、リチウム、カルシウム、亜鉛、ナトリウム、カリウム、ニッケル、マグネシウム、およびマンガンの、酢酸、酸化物、または水酸化物の各種塩が挙げられる。
かかるリチウムイオン源の具体例は、水酸化リチウム一水和物、水酸化リチウム、酸化リチウム、および酢酸リチウムである。カルシウムイオンの源としては、水酸化カルシウム、酢酸カルシウム、酸化カルシウムが挙げられる。好適な亜鉛イオン源は、酢酸亜鉛二水和物、酢酸亜鉛、酸化亜鉛と酢酸のブレンドである。ナトリウムイオン源の具体例は、水酸化ナトリウムおよび酢酸ナトリウムである。カリウムイオンの源としては、水酸化カリウムおよび酢酸カリウムが挙げられる。好適なニッケルイオン源は、酢酸ニッケル、酸化ニッケル、および水酸化ニッケルである。マグネシウムの源としては、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酢酸マグネシウムが挙げられる。マンガン源としては、酢酸マンガンおよび酸化マンガンが挙げられる。
新たな金属カチオン中和高酸性アイオノマー樹脂は、コポリマー結晶溶融点を越えて(約200°Fから約500°F、好ましくは、約250°Fから約350°Fの温度など)、高いせん断条件下で、約10psiから10,000psiの圧力で、多様な量の金属カチオン塩と高酸性ベースコポリマーを反応させることにより、製造される。他の周知のブレンド技術もまた使用され得る。新たな金属カチオン中和高酸性ベースのアイオノマー樹脂を製造するために利用される金属カチオン塩の量は、高酸性コポリマー中で所望の百分率のカルボン酸基を中和させるために十分な量の金属カチオンを提供する量である。中和の程度は一般に、約10%から約90%までである。
以下に表2で示されるように、多数の新規なタイプの金属カチオン中和高酸性アイオノマーが、上述の工程から得られ得る。これらは、マンガン、リチウム、カリウム、カルシウム、およびニッケルのカチオンで多様な程度まで中和される、新規な高酸性アイオノマー樹脂を含む。これに加えて、高酸性エチレン/アクリル酸コポリマーが本発明のベースコポリマー成分として利用される場合、また、この成分が、続いて、ナトリウム、カリウム、リチウム、亜鉛、マグネシウム、マンガン、カルシウム、およびニッケルのようなカチオンで中和されるアクリル酸ベースの高酸性アイオノマー樹脂を生成する金属カチオン塩で、多様な程度まで中和される場合は、いくつかの新規なカチオン中和アクリル酸ベースの高酸性アイオノマー樹脂が製造される。
同様のカチオン中和アイオノマー樹脂の低酸性バージョンと比較した場合、新規な金属カチオン中和高酸性アイオノマー樹脂は、向上した硬度、弾性率、および弾性特性を呈する。これらは、ゴルフボール製造の分野を含め、多数の熱可塑材の分野で特に所望される特性である。
多層型ゴルフボールの内側層の構造で利用される場合は、新規なアクリル酸ベ
多層型ゴルフボールの内側層の構造で利用される場合は、新規なアクリル酸ベースの高酸性アイオノマーは、硬度の範囲が以前に得ることができた硬度範囲を越えると同時に、米国特許第4,884,814号および第4,911,451号に開示された低酸性アイオノマーを利用して製造されるボールのような、より柔軟な低酸性アイオノマー被覆型ボールの有利な特性(すなわち、耐久性、打撃音、感触など)を維持することが見出されている。
さらに、マンガン、リチウム、カリウム、カルシウム、およびニッケルのカチオンのようないくつかの異なる種類の金属カチオンにより、多様な程度まで中和される、多数の新規なアクリル酸ベースの高酸性アイオノマー樹脂の開発の結果として、いくつかの新規なアイオノマーまたはアイオノマーブレンドが、多層型ゴルフボールの内側カバー層の製造について、目下入手可能である。上記高酸性アイオノマー樹脂を利用することにより、より硬度のある、より剛性の内側カバー層が、より高いC.O.R.およびそれ故により長い距離をもって、得られ得る。
より好ましいことに、上記高酸性アイオノマーの2種以上(特に、ナトリウムおよび亜鉛の高酸性アイオノマーのブレンド)を加工して、多層型ゴルフボールのカバー(すなわち、本明細書中における内側カバー層)を生成する場合は、得られるゴルフボールは、ボールの向上した反発係数値に起因して、低酸性アイオノマー樹脂カバーで製造される先行技術で公知の多層型ゴルフボールよりもさらに遠く飛行することが見出されている。
本件発明の内側層組成物を調合する際の用途に好適であり得る低酸性アイオノマーは、約2個から8個の炭素原子を有するオレフィンおよび約3個から8個の炭素原子を有する不飽和モノカルボン酸の反応生成物の、ナトリウム、亜鉛、マグネシウムなどの金属塩である、イオンコポリマーである。アイオノマー樹脂は、エチレンと、アクリル酸またはメタクリル酸いずれかとのコポリマーであるのが、好ましい。いくつかの状況では、アクリレートエステルのような追加コモノマー(すなわち、イソブチルアクリレートまたはnブチルアクリレートなど)も、より軟質のターポリマーを生成するために含有され得る。コポリマーのカルボン酸基は、金属イオンにより部分的に(すなわち、およそ10%から75%、好ましくは、30%から70%)中和される。本発明の内側層カバー組成物に含有され得る低酸性アイオノマー樹脂は、それぞれ16重量%以下のカルボン酸を含有する。
本発明の多層型ゴルフボールの追加の実施態様の内側層の構成に利用された場合、低酸性アイオノマーブレンドは、先に得られたものを超過する圧縮率およびスピンレートの範囲を越えることが、解っている。より好ましいことに、2種以上の低酸性アイオノマー、特に、ナトリウムまたは亜鉛の高酸性アイオノマーのブレンドが加工されて多層型ゴルフボールのカバー(すなわち、本明細書中の内側カバー層)を生成する場合は、得られるゴルフボールは、先行技術で公知の多層型ゴルフボールよりも遠くへ、向上したスピンレートで飛行することが、解っている。かかる改良は、拡大または特大ゴルフボールにおいては、特に顕著である。
本発明の好ましい実施態様の多層型カバーの外側層16に関して、外側カバー層は、内側層よりも比較的軟質である。この柔軟性は、代表的にはバラタまたはバラタブレンドボールと関係付けられる、向上した感触特性およびプレイ可能性特性を提供する。外側層または皮殻は、比較的軟質の低弾性率(約1,000psiから約10,000psi)で低酸性(16重量%酸性未満)アイオノマー、アイオノマーブレンド、もしくは、ポリウレタン、DuPontが商標Hytrel▲R▼の元で市場に出しているもののようなポリエステルエラストマー、BASFが名称Baytec▲R▼の元で販売するようなポリウレタン、または、Elf Atochem S.A.が商標Pebax▲R▼の元で市場に出しているもののようなポリエステルアミドなどの、これらに限定はされないが、非アイオノマーエラストマーから構成される。外側層は、かなり薄いが(すなわち、約0.010から約0.110の厚さ、より望ましくは、1.680インチのボールについては0.03インチから0.06インチの厚さ、そして1.72インチのボールについては、0.04インチから0.07インチの厚さ)、所望のプレイ可能性特性を達成すると同時に、経費を最小限にするには、十分に厚い。
外側層は、米国特許第4,884,814号および第5,120,791号に記載されたもののような、硬質および軟質の(低酸性)アイオノマー樹脂のブレンドを含むことが好ましい(両特許は、本明細書中に参考として援用される)。特に、外側層を生成する際に使用するための所望の材料は、高弾性率(硬質)の低酸性アイオノマーの、低弾性率(軟質)の低酸性アイオノマーとのブレンドを含み、ベースアイオノマー混合物を形成する。本明細書中の高弾性率アイオノマーは、ASTM法D-790に従って測定される、測定値が約15,000psiから約70,000psiのものである。硬度は、ASTM法D-2240に従って測定されるように、ショアーDスケールに基づいて、少なくとも50と規定され得る。
外側層ブレンドにおける用途に好適な低弾性率アイオノマーは、ショアーDスケールに基づいて約20から約40の硬度を備えて、約1,000psiから約10,000psiと測定される曲げ率を有する。
外側カバー層組成物の硬質/軟質ブレンドを生成するために利用される硬質アイオノマー樹脂には、2個から8個の炭素原子を有するオレフィンと3個から8個の炭素原子を有する不飽和モノカルボン酸との反応生成物の、ナトリウム、亜鉛、マグネシウム、リチウムなどの塩であるイオンコポリマーを含む。コポリマーのカルボン酸基は、全体的または部分的に(すなわち、およそ15%から75%)中和され得る。
硬質アイオノマー樹脂は、エチレンとアクリル酸および/またはメタクリル酸のいずれかとのコポリマーである可能性が大いにあり、エチレンとアクリル酸とのコポリマーが最も好ましい。2種以上のタイプの硬質アイオノマー樹脂は、結果として生じるゴルフボールの所望の特性を生じるために、外側カバー層組成物へとブレンドされればよい。
本明細書中の先の部分で論じたように、名称Escor▲R▼の元で導入されかつ名称Iotekの元で販売される硬質アイオノマー樹脂は、Surlyn▲R▼商標の元で販売される硬質アイオノマー樹脂に幾分類似する。しかしながら、「Iotek」アイオノマー樹脂は、ポリ(エチレン−アクリル酸)のナトリウム塩または亜鉛塩であり、Surlyn▲R▼樹脂は、特性が幾分顕著に異なるポリ(エチレン−メタクリル酸)の亜鉛塩またはナトリウム塩である。以下に明示されたデータにおいてより特定して示されるように、硬質「Iotek」樹脂(すなわち、アクリル酸ベース硬質アイオノマー樹脂)は、本発明における用途のための外側層ブレンドを調合する際に使用するための、最も好ましい硬質樹脂である。これに加えて、「Iotek」およびSurlyn▲R▼硬質アイオノマー樹脂はもとより、他の入手可能なアイオノマー樹脂の多様なブレンドが、本発明において類似の態様で利用され得る。
内側カバーブレンドおよび外側カバーブレンドを調合する際に本発明において使用され得る、市場で入手可能な硬質アイオノマー樹脂の具体例は、商標Surlyn▲R▼8940の元で販売される硬質ナトリウムイオンコポリマー、および商標Surlyn▲R▼9910の元で販売される硬質亜鉛イオンコポリマーを含む。Surlyn▲R▼8940は、エチレンの、メタクリル酸、およびナトリウムイオンで約29%中和された約15重量%酸とのコポリマーである。この樹脂は、約2.8の平均メルトフローインデックスを有する。Surlyn▲R▼9910は、エチレンおよびメタクリル酸の、亜鉛イオンで約58%中和された約15重量%酸とのコポリマーである。Surlyn▲R▼9910の平均メルトフローインデックスは、約0.7である。Surlyn▲R▼9910および8940の典型的特性は、以下に表3で明示される。
Exxon Corporationにより「Iotek」商標の元で販売されている本発明の内側および外側カバー組成物における用途に好適な、より適切なアクリル酸ベース硬質アイオノマー樹脂の具体例としては、Iotek 4000、Iotek 4010、Iotek 8000、Iotek 8020、およびIotek 8030が挙げられる。内側および外側層カバー組成物を調合する際の用途に好適なこれらIotekおよび他のIotekの硬質アイオノマーの典型的特性は、以下に表4に明示される。
比較上、この内側カバーおよび外側カバー組成物の硬質/軟質ブレンドを調合する際に、軟質アイオノマーを使用する。これらのアイオノマーには、アクリル酸系軟質アイオノマーが挙げられる。それらは、一般に、約2個〜8個の炭素原子を有するオレフィン、アクリル酸、および1個〜21個の炭素原子を有するアクリル酸エステル類の不飽和モノマーのターポリマーのナトリウム塩または亜鉛塩を含有するとして、特徴づけられる。この軟質アイオノマーは、好ましくは、アクリル酸エステル類の不飽和モノマー中のアクリル酸系ポリマーから製造される亜鉛系アイオノマーである。この軟質(低弾性率)アイオノマーは、ショアーDスケールで測定した約20〜約40の硬度、およびASTM方法D-790に従って測定した約1,000〜約10,000の曲げ率を有する。
「Iotek 7520」の名称でthe Exxon Corporationにより開発されたある種のエチレン-アクリル酸系軟質アイオノマー樹脂(これらは、実験的に、中和およびメルトインデックスの相違により、LDX 195、LDX 196、LDX 218およびLDX 219と呼ばれる)は、公知の硬質アイオノマー(例えば、この内側カバー層および外側カバー層を製造するために上で示したもの)と組み合わせてもよい。この組み合わせにより、同等か軟らかい硬度で高いCORを生じ、高いメルトフロー(これは、改良された効率的な成形、すなわち、少ない不合格品に対応している)だけでなく、全体的に低い原料コストおよび改良された収率の結果として、他の公知の硬質-軟質アイオノマーブレンドにより製造した多層ボールの内層および外層に対して、著しい費用削減が得られる。
ExxonによりIotek 7520の名称で販売されている樹脂の正確な化学組成は、Exxonにより、機密の財産的情報と見なされているものの、Exxonの実験製品データシートは、Exxonにより開発されたエチレン-アクリル酸亜鉛アイオノマーの以下の物理的特性を列挙している:
さらに、本発明者が集めた試験データから、Iotek 7520樹脂は、約32〜36のショアーD硬度(ASTM D-2240による)、3±0.5g/10分のメルトフローインデックス(190℃で、ASTM D-1288による)、および約2500〜3500psiの曲げ率(ASTM D-790による)を有することが明らかである。さらに、独立した試験研究所による熱分解質量分析法の試験により、Iotek 7520樹脂は、一般に、エチレン、アクリル酸およびアクリル酸メチルのターポリマーの亜鉛塩であることが明らかである。
さらに、本発明者は、Iotek 7510の名称でthe Exxon Corporationから入手できる新たに開発した等級のアクリル酸系軟質アイオノマーもまた、公知の硬質-軟質アイオノマーブレンドにより製造したものと同等かそれより軟らかい硬度で、より高いCOR値を示すゴルフボールカバーを製造する際に、上で示した硬質アイオノマーと組み合わせるとき、効果的であることを発見した。このことに関して、Iotek 7510は、当該技術分野で公知のメタクリル酸系軟質アイオノマー(例えば、米国特許第4,884,814号で開示されたSurlyn 8625およびSurlyn 8629の組み合わせ)と比較すると、Iotek 7520樹脂により生じる利点(すなわち、改良された流動、同じ硬度で高いCOR値、高い透明度など)を有する。
さらに、Iotek 7510は、Iotek 7520と比較すると、Iotek 7510の高い硬度および中和度のために、同じ軟度/硬度にて、僅かに高いCOR値(valves)を生じる。同様に、Iotek 7510は、Iotek 7520よりも僅かに高い剛性および低い流速のために、(型キャビティからの)良好な離型性を生じる。このことは、この軟質被覆ボールが、型での付着により起こる低い収率および突き出しピンからの引き続いた打ち抜きピンマークを有する傾向がある場合には、生産性の点で重要である。
Exxonによれば、Iotek 7510は、Iotek 7520と類似の化学組成を有するものである(すなわち、エチレン、アクリル酸およびアクリル酸メチルのターポリマーの亜鉛塩)が、より高度に中和されている。FTIR分析に基づくと、Iotek 7520は、約30〜40重量%中和されていると推定され、また、Iotek 7510は、約40〜60重量%中和されていると推定されている。Iotek 7510の典型的な特性は、Iotek 7520のそれと比較して、以下で示す:
この外側カバー層に対して硬質/軟質アイオノマーブレンドを使用するとき、その相対的な組み合わせが、約90〜約10%の硬質アイオノマーおよび約10〜約90%の軟質アイオノマーの範囲であるとき、良好な結果が得られることが決定された。これらの結果は、この範囲を、約75〜25%の硬質アイオノマーおよび25〜75%の軟質アイオノマーに調整することにより、改善される。約60〜90%の硬質アイオノマー樹脂および約40〜60%の軟質アイオノマー樹脂の相対範囲において、さらに良好な結果が認められている。
このカバー組成物で使用できる特定の配合は、米国特許第5,120,791号および第4,884,814号で示されている実施例に含まれている。本発明は、これらの実施例には決して限定されない。
さらに、代替実施態様では、この外側カバー層調合物はまた、軟質で低弾性率の非アイオノマー性熱可塑性エラストマー(B.F. Goodrich CompanyのEstane(登録商標)ポリエステルポリウレタンX-4517のようなポリエステルポリウレタンを含めて)も含有できる。B.F. Goodrichによれば、Estane(登録商標)X-4517は、以下の特性を有する:
他の軟質で比較的に低弾性率の非アイオノマー性熱可塑性エラストマーもまた、この非アイオノマー性熱可塑性エラストマーが、この低酸性性アイオノマー樹脂組成物により生じる高い回転特性に悪影響を与えることなく所望されるプレー可能性および耐久性を与える限り、この外側カバー層を製造するのに使用できる。これらには、熱可塑性ポリウレタン(例えば、Bayer Chemical Co.から得られるTexin熱可塑性ポリウレタンおよびDow Chemical Co.から得られるPellethane熱可塑性ポリウレタン);アイオノマー/ゴムブレンド(例えば、Spaldingの米国特許第4,986,545号;第5,098,105号および第5,187,013号にあるもの);およびDuPontから得られるHytrelポリエステルエラストマーおよびElf Atochem S.A.から得られるPebaxポリエステルアミドが挙げられるが、これらに限定されない。
同様に、Baytec(登録商標)の商品名称でBayerにより製造されるキャスト可能な熱硬化性ポリウレタンもまた、高いカバー調合特性を示した。Bayerによれば、Baytec(登録商標)(例えば、Baytec(登録商標)RE 832)は、顕著な耐摩耗性、高い機械的強度、高い弾性、および風化、水分および化学物質に対する良好な剛性を有する反応性エラストマーの群に関する。Baytec(登録商標)RE-832システムは、以下の典型的な物理的特性を与える。
このカバー層の重量は、本発明では、カバー層を厚くすることにより、そして100部あたり約1〜約100部の金属粒子および他の重量充填剤材料100部を含有させることにより、上げることができる。本明細書中で使用する「重量充填剤材料」との用語は、1.0より高い比重を有する任意の材料として、定義される。この「重量充填剤材料」との用語は、本明細書中でまた使用される「加重材料(weighting material)」との用語と交換可能に使用される。
上で述べたように、このボールの重量をその外周に向かって上げることにより、ボールの慣性モーメントの増加が生じることが発見された。好ましくは、重量充填剤の粒子(または薄片、断片、繊維など)は、このボールの感触特性および耐久性に影響を及ぼすことなく、ボールの慣性モーメントを高めるために、この外側カバーではなく内側カバー層に添加される。しかしながら、下記のように、ある場合には、この外側カバーに、この加重材料または重量充填剤を組み込むことが好ましい場合がある。これは、特に、本明細書中で記述のような可視加重システムを有するゴルフボールを製造する場合である。
この内層には、1つ以上の種々の強化または非強化重量充填剤または繊維(例えば、金属(または金属合金)粉末、炭素含有材料(すなわち、グラファイト、カーボンブラック、コットンフロック、皮革繊維など)、ガラス、Kevlar(登録商標)繊維(鋼鉄よりも高い引張強度および高い伸長抵抗を有する芳香族ポリアミド繊維に対して商標登録されたDu Pontの材料)など)が充填される。これらの重量充填剤材料は、約10メッシュ〜約325メッシュ、好ましくは、約20メッシュ〜約325メッシュ、最も好ましくは、約100メッシュ〜約325メッシュの範囲のサイズである。このような金属(または金属合金)粉末の代表例には、ビスマス粉末、ホウ素粉末、黄銅粉末、青銅粉末、コバルト粉末、銅粉末、インコネル金属粉末、鉄金属粉末、モリブデン粉末、ニッケル粉末、ステンレス鋼粉末、チタン金属粉末、酸化ジルコニウム粉末、アルミニウム薄片およびアルミニウムタドポール(tadpoles)が上げられるが、これらに限定されない。前述の材料は、粉末以外の他の形状であり得ることが分かる。
本発明に包含され得る種々の適切な重量充填剤材料の例は、以下である:
使用される重量充填剤の量および種類は、望ましい低スピン多層ゴルフボールの全体的な特性に依存する。一般に、低い比重の材料と比較して、慣性モーメントの増加を生じるためには、少ない量の高比重材料が必要である。さらに、取扱いおよび処理条件もまた、カバー層に組み込む重量充填剤の種類に影響を与え得る。このことに関して、出願人は、内側カバー層に、およそ10phr黄銅粉末を含有させることにより、実質的に処理を変化させることなく、慣性モーメントの所望の増加を生じることを発見した。それゆえ、10phrの黄銅粉末は、一般に、本明細書を書いている時点では、最も好ましい重量充填剤である。
本発明のカバー組成物(内側カバー層および外側カバー層の両方)には、追加の材料を添加してもよく、これには、染料(例えば、Whitaker, Clark and Daniels of South Plainsfield, N.J.により販売されているUltramarine Blue)(米国特許第4,679,795号(その内容は、本明細書中で参考として援用されている)を参照せよ);顔料(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウムおよび硫酸亜鉛);光学的光沢剤;UV吸収剤;酸化防止剤;帯電防止剤;および安定化剤が含まれる。さらに、本発明のカバー組成物はまた、このゴルフボールカバーにより生じる所望の特性が損なわれない限り、軟化剤(例えば、可塑剤、加工助剤など)を含有できる。
本発明はまた、一般に、ゴルフボールの外周内でそれに近接して配置した特定パターンの加重材料を提供する。加重を付けた外周の使用は、ボールの慣性モーメントを高め、そして全体的なスピンレートを少なくすることが分かっている。最も好ましい実施態様では、加重を付けた外周を有するゴルフボールは、このボールの外周の一部に沿って配置した加重材料の可視パターンを使用する。いずれの特定の理論にも束縛されることは望まないものの、本発明による加重を付けた外周のボールの特徴および特性が、そのボールの外周に沿った加重材料のパターンの形状または配置により影響されるか、または少なくとも影響を受けると考えられている。さらに、加重材料の可視パターンを使用する最も好ましい実施態様のボールについて、このようなパターンの形状はまた、このボールの独特の識別子として、役立つことができる。さらに、ゴルフボールの外周に沿って見えるまたは見ることができる加重システムを提供することにより、消費者は、特定のゴルフボールが加重システムを包含しているかどうかを容易に決定できる。
本発明は、加重材料の多数の特に好ましいパターンを提供する。図3は、可視星形周囲加重システム32を使用する本発明による好ましい実施態様のゴルフボール30を図示している。このシステムは、好ましくは、ディンプル(dimple)の周囲を中心にした第一パターンを包含し、このパターンまたはディンプルの中心から外方へ伸長した複数(すなわち、5個)の放射状伸長アームを有する。各放射状伸長アームの側面は、隣接する放射状伸長アームの側面と交差している。各放射状伸長アームの遠位端は、好ましくは、丸くなっている。ゴルフボール30は、さらに、ボール30の反対側に位置している第二可視星形周囲加重システムパターンを包含する。この第二パターンは、最も好ましくは、この第一パターンとは直接対向しており、第一パターンと同じサイズおよび質量である。これらの要件は、以下でさらに詳細に記述する。
図4は、等高形状周囲加重システム42を使用する本発明による好ましい実施態様のゴルフボール40の正面図である。このシステムは、一般的に連続したアーチ形部分が、隣接する放射状伸長アームの側面間で伸長しそして側面を接続していること以外は、図3で描写した星形形状のパターンと類似したパターンを包含する。ゴルフボール40は、さらに、ボール40の反対側に位置している第二可視等高形状(contoured-shaped)周囲加重システムを包含する。この第二パターンは、最も好ましくは、この第一パターンとは直接対向しており、第一パターンと同じサイズおよび質量である。
図5は、五角形形状周囲加重システム52を使用する本発明による好ましい実施態様のゴルフボール50を図示している。この五角形形状は、中心ディンプルおよび5個の隣接(すなわち、周囲)ディンプルの周りに対称的に配置されていることが分かり得る。さらに、この五角形の各側面は、隣のディンプルの上に伸長しないように、僅かに内側へ曲げられている。ゴルフボール50は、さらに、ボール50の反対側に位置している第二可視五角形形状周囲加重システムを包含する。この第二パターンは、最も好ましくは、この第一パターンとは直接対向しており、第一パターンと同じサイズおよび質量である。
図6は、丸み付け五角形形状周囲加重システム62を使用する本発明による好ましい実施態様のゴルフボール60を図示している。このパターンもまた、図5で描写した五角形パターンと同様に、中心ディンプルおよび5個の隣接(すなわち、周囲)ディンプルの周りに対称的に配置されている。システム62のこのパターンはまた、追加の5個のディンプルの上に伸長している。ゴルフボール60は、さらに、ボール60の反対側に位置している第二可視丸み付け五角形形状周囲加重システムパターンを包含する。この第二パターンは、最も好ましくは、この第一パターンとは直接対向しており、第一パターンと同じサイズおよび質量である。
図7は、単一ストライプ周囲加重システム72を使用する本発明による好ましい実施態様のゴルフボール70の立面図である。図7より、このストライプは、大体、ゴルフボール70上の典型的なディンプルの直径よりも、ほぼ僅かに幅が大きいことが分かり得る。このストライプは、好ましくは、ボール70の外周の周りに伸長している。
図8は、二重ストライプ周囲加重システム82を使用する本発明による好ましい実施態様のゴルフボール80を図示している。これらのストライプは、好ましくは、互いに直角で交差しており、各ストライプの幅は、大体、ボール80上の典型的なディンプルの直径よりも僅かに大きいにすぎないことが分かり得る。各ストライプは、好ましくは、ボール80の外周の周りに伸長している。これらのストライプは、幅が同じかほぼ同じであることが好ましい。
図9は、複数ストライプ周囲加重システム92を使用する本発明による好ましい実施態様のゴルフボール90の立面図である。図9で示すように、複数ストライプ周囲加重システム92は、好ましくは、4個のストライプを包含し、これらは、共通の交差点で、互いに交差している。再度、各ストライプの幅は、好ましくは、大体、ボール90上の典型的なディンプルの直径より僅かに大きい。また、これらのストライプは、幅が同じである。各ストライプは、好ましくは、ボール90の外周の周りに伸長している。
図10は、可視ストライプおよびディンプル周囲加重システムを使用する本発明による好ましい実施態様のゴルフボール100を図示している。このシステムは、複数のストライプ104および複数のディンプル102を包含する。各ストライプは、好ましくは、ボール100の外周の周りに伸長している。最も好ましくは、このシステムは、互いに直角に配置された2個の交差ストライプ104を包含し、図10で示すように、全体で8個のディンプル102を包含する。他の4個の加重ディンプル102は、ボール100の他の側面に位置していることが分かる。これらのストライプは、好ましくは、幅が等しい。
図11は、図11で示すようなリング形周囲加重システムを使用する本発明による好ましい実施態様のゴルフボール110を図示している。このシステムは、複数のリング114および116および中心加重ディンプルまたはスポット118を包含する。好ましくは、リング114および116は、中心スポット118の周りに同心状に配置されている。2個の同じ同心状に配置されたリングは、ボール110の他の側面に位置している。最も好ましくは、これらのリングは、リング114および116と直接対向しており、リング114および116と同じサイズおよび質量である。
図12は、第一螺旋形状周囲加重システム122を使用する好ましい実施態様のゴルフボール120の立面図である。同じ第二螺旋形状パターンは、ボール120の他の側面に位置していることが分かる。最も好ましくは、この第二螺旋パターンは、第一パターンと同じサイズおよび質量であり、第一パターンとは直接対向している。
前述の好ましい実施態様の全てでは、この加重ボールの質量中心は、このボールの幾何学的中心(すなわち、その中心点)と一致していることが、特に好ましいことが分かる。このことは、第一パターンの反対側に、第二の同一パターンの加重材料を設ける主要な理由である。単一パターンの加重材料を、ボールの一側面だけに設ける場合、得られるボールの質量中心は、ボールの中心点からずれる。
本発明に従ってゴルフボールを作製する際に、硬く比較的に重い内側カバー層は、比較的に軽いコア(好ましくは、より軽く小さい中実コア)の周りに、(射出成形または圧縮成形により)、成形される。この内側カバー層の上には、比較的に柔軟な外側カバー層が成形される。
このコア(好ましくは、中実コア)は、直径約1.28インチ〜1.570インチ、好ましくは、約1.37インチ〜約1.54インチ、最も好ましくは、1.42インチである。このコアは、約18〜39グラム、望ましくは、25〜30グラム、最も好ましくは、29.7〜29.8グラムの重さである。
この中実コアは、典型的には、高シス含量ポリブタジエンおよびα,β-エチレン性不飽和カルボン酸の金属塩(例えば、モノまたはジアクリル酸またはメタクリル酸亜鉛)を含有する未硬化または少し硬化したエラストマー組成物のスラグから圧縮成形される。このコアにおいて高い反発係数を達成するためには、製造業者は、少量の金属酸化物(例えば、酸化亜鉛)のような充填剤を含有できる。さらに、仕上げボールが、1.620オンスのU.S.G.A.重量上限に近くなるように、このコア重量を軽くするために、より少ない量の金属酸化物を含有できる。このコア組成物には、他の材料(これには、相溶性のゴムまたはアイオノマー、および低分子量脂肪酸(例えば、ステアリン酸)が含まれる)を使用してもよい。このコア組成物には、遊離ラジカル開始剤(例えば、過酸化物)が混合され、その結果、熱および圧力を付与すると、複雑な架橋反応が起こる。
本発明に関連して、広範な多数の他の配置および材料が使用できることが分かる。例えば、米国特許第5,645,597号;第5,480,155号;第5,387,637号;第5,150,906号;第5,588,924号;第5,507,493号;第5,503,397号;第5,482,286号;第5,018,740号;第4,852,884号;第4,844,471号;第4,838,556号;第4,726,590号;および第4,650,193号(これらの全ての内容は、本明細書中で参考として援用されている)で開示されたコアは、全部または一部、使用できる。
本発明の特別に製造したコア組成物および得られた成形コアは、比較的に従来の技術を用いて、製造される。このことに関して、本発明のコア組成物は、ポリブタジエン、およびポリブタジエンと他のエラストマーとの混合物に基づいていてもよい。このベースエラストマーは、比較的に高い分子量を有するのが好ましい。適切なベースエラストマーの分子量の広い範囲には、約50,000〜約500,000がある。このベースエラストマーの分子量のさらに好ましい範囲には、約100,000〜約500,000がある。このコア組成物のためのベースエラストマーとしては、シス-ポリブタジエンが使用されるのが好ましく、シス-ポリブタジエンと他のエラストマーとのブレンドもまた使用できる。最も好ましくは、約100,000〜約500,000の重量平均分子量を有するシス-ポリブタジエンが使用される。この線に沿って、Cariflex BR-1220の商品名でShell Chemical Co., Houston, Texasから製造販売されている高シス-ポリブタジエン、Taktene 220の名称でBayer Corp.から販売されている高シス-ポリブタジエン、および「SKI 35」の名称でMuehlstein, H & Co., Greenwich, Connecticutから入手できるポリイソプレンが、特によく適合することが分かった。
このコア組成物(共架橋剤(co-crosslinking gagent))の不飽和カルボン酸成分は、選択したカルボン酸および金属(例えば、亜鉛、マグネシウム、バリウム、カルシウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、カドミウム、鉛、スズなど)の酸化物または炭酸塩の反応生成物である。好ましくは、多価金属の酸化物(例えば、亜鉛、マグネシウムおよびカドミウム)が使用され、最も好ましくは、この酸化物は、酸化亜鉛である。
本発明のコア組成物で有用性が見出される不飽和カルボン酸の例には、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、ソルビン酸など、およびそれらの混合物がある。好ましくは、この酸成分は、アクリル酸またはメタクリル酸のいずれかである。通常、このコア組成物には、約15重量%〜約25重量%、好ましくは、約17重量%〜約21重量%のカルボン酸塩(例えば、ジアクリル酸亜鉛)が含まれる。この不飽和カルボン酸およびそれらの金属塩は、一般に、このエラストマー性ベースに溶解性であるか、または容易に分散できる。
このコア組成物に含有される遊離ラジカル開始剤は、この硬化サイクル中に分解する任意の公知の重合開始剤(共架橋剤)である。本明細書中で使用する「遊離ラジカル開始剤」との用語は、このエラストマー性ブレンドと不飽和カルボン酸の金属塩との混合物に添加したとき、この不飽和カルボン酸の金属塩によるこのエラストマーの架橋を促進する化学物質を意味する。存在する選択した開始剤の量は、重合開始剤としての触媒活性の要件によってのみ、支配される。適切な開始剤には、過酸化物、過硫酸塩、アゾ化合物およびヒドラジドが挙げられる。容易に商業的に入手できる過酸化物は、好都合には、本発明において、一般に、エラストマー各100重量部あたり、約0.1重量部〜約10.0重量部の量、好ましくは、約0.3重量部〜約3.0重量部の量で、使用される。
本発明の目的上、適切な過酸化物の代表例には、過酸化ジクミル、4,4'-ビス(ブチルパーオキシ)吉草酸n-ブチル、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、過酸化ジ-t-ブチルおよび2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)-2,5-ジメチルヘキサンなど、ならびにそれらの混合物がある。使用する開始剤の全量は、望ましい特定の最終生成物および使用する特定の開始剤に依存して、変わることが分かる。
このような市販過酸化物の例には、Atochem, Lucidol Division, Buffalo, N.Y.により販売されているLuperco 230または231 XL、およびAkzo Chemie America, Chicago, Illinoisにより販売されているTrigonox 17/40または29/40がある。このことに関して、Luperco 230 XLおよびTrigonox 17/40は、4,4-ビス(ブチルパーオキシ)吉草酸n-ブチルから構成される;およびLuperco 231 XLおよびTrigonox 29/40は、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサンから構成される。Luperco 231 XLの1時間半減期は、約112℃であり、そしてTrigonox 29/40の1時間半減期は、約129℃である。
本発明のコア組成物は、さらに、任意の他の適切な相溶性の改良成分(これには、金属酸化物、脂肪酸、およびジイソシアネート類およびポリプロピレン粉末樹脂が挙げられるが、これらに限定されない)を含有できる。例えば、Papi 94(これは、Dow Chemical Co., Midland, MI.から市販されている高分子ジイソシアネートである)は、このゴム組成物の任意の成分である。それは、100重量部のゴム(phr)成分あたり約0〜5重量部の範囲であり得、そして水分捕捉剤として作用する。さらに、ポリプロピレン粉末樹脂の添加は、硬すぎる(すなわち、低い圧縮率を示す)コアを生じるので、用いられる架橋剤の量を低減させて、コアを通常またはそれより低い圧縮率に軟化することが可能になる。
さらに、ポリプロピレン粉末樹脂は、成形したコアの硬化時の重量を上げることなく、コア組成物に添加できるので、このポリプロピレン粉末の添加により、高比重充填剤(もし、望ましいなら)(例えば、鉱物性充填剤)の添加が可能となることが見いだされている。このポリブタジエンコア組成物で使用される架橋剤は高価であり、および/または高比重充填剤は比較的に安価であるので、このポリプロピレン粉末樹脂の添加は、重量および圧縮率を維持するかまたは低下させながら、このゴルフボールコアの価格を相当に安くする。
本発明で使用するのに適切なポリプロピレン(C3H5)粉末は、約0.90g/cm3の比重、約4〜約12のメルトフロー速度および20メッシュスクリーンを通る99%より大きい粒子サイズ分布を有する。このようなポリプロピレン粉末樹脂の例には、「6400P」、「7000P」および「7200P」の名称でAmoco Chemical Co., Chicago, Illinoisにより販売されているものが挙げられる。一般に、本発明では、各100重量部のエラストマーあたり、0〜約25重量部のポリプロピレン粉末が含有される。
種々の活性化剤もまた、本発明の組成物に含有され得る。例えば、酸化亜鉛および/または酸化マグネシウムは、このポリブタジエンのための活性化剤である。この活性化剤は、100重量部のゴム(phr)成分あたり約2〜約50重量部の範囲であり得る。使用する活性化剤の量は、このコアの重量を軽くするために、低下できる。
さらに、本発明の組成物には、強化剤が添加できる。上で述べたように、ポリプロピレン粉末の比重は非常に低く、配合すると、このポリプロピレン粉末は、より軽い成形コアを生じる。さらに、より少ない量の活性化剤を使用すると、このコアはまた、より軽くなる。結果として、必要なら、特定のコア重量限界が満たされるなら、このコア組成物には、高重量充填剤が添加できる。このコア組成物に含有される追加充填剤の量は、主として、重量制限により支配され、好ましくは、100重量部のゴムあたり、約0〜約100重量部の量で含有される。
代表的な充填剤には、鉱物性充填剤(例えば、石灰石、シリカ、マイカ、バライト、炭酸カルシウムまたは粘土)が挙げられる。石灰石は、粉砕した炭酸カルシウム/マグネシウムであり、安価で重い充填剤であるので、使用される。
上で示したように、粉砕したフラッシュ充填剤を配合してもよく、好ましくは、圧縮成形からの過剰のフラッシュから、20メッシュ粉砕中心ストック(ground up center stock)である。それは、この価格を低下させ、また、このボールの硬度を高め得る。
この組成物には、脂肪酸または脂肪酸の金属塩を含有させることができ、これらは、成形性および加工性を改良するように機能する。一般に、約10個〜約40個の炭素原子、好ましくは、約15個〜約20個の炭素原子を有する遊離の脂肪酸が使用される。適切な脂肪酸の代表例には、ステアリン酸およびリノール酸、ならびにそれらの混合物がある。適切な脂肪酸金属塩の代表例には、ステアリン酸亜鉛が挙げられる。この脂肪酸成分は、このコア組成物中に含有されるとき、100部のゴム(エラストマー)を基準にして、約1〜約25重量部の量、好ましくは、約2〜約15重量部の量で、存在する。
このコア組成物には、使用時に、ジイソシアネートもまた、必要に応じて、含有でき、このジイソシアネートは、ゴム100重量部を基準にして、約0.2重量部〜約5.0重量部の量で、含有される。適切なジイソシアネートの代表例には、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネートおよび当該技術分野で公知の他の多官能性イソシアネートがある。
さらに、本発明のポリブタジエン組成物には、米国特許第4,844,471号で述べられている二価脂肪酸ジアルキルスズ、米国特許第4,838,556号で開示されている分散剤、および米国特許第4,852,884号で述べられているジチオカーバメートもまた、含有できる。このような添加剤の特定の型および量は、上で特定した特許で述べられており、その内容は、本明細書中で参考として援用されている。
本発明のコア組成物は、一般に、ポリブタジエンおよびポリブタジエンと他のエラストマーとの混合物から選択したベースエラストマー(またはゴム)100重量部、不飽和カルボン酸の少なくとも1の金属塩10〜40重量部、および遊離ラジカル開始剤1〜10重量部から構成される。
上で示したように、仕上げ成形ボール(コア、カバーおよび被覆)を1.620オンスのU.S.G.A.重量制限に近づけるのに必要なボールの重量を調節するために、このコア組成物には、追加の適切な相溶性改質剤(例えば、微粒子状ポリプロピレン樹脂、脂肪酸)、および二次添加剤(例えば、ペカン(Pecan)殻粉、粉砕したフラッシュ(すなわち、実質的に同じ構成の予め製造したコアからの粉砕物)、硫酸バリウム、酸化亜鉛など)を添加してもよい。
本発明の組成物を用いてゴルフボールのコアを製造する際には、その成分は、例えば、例えば、2ロールミルまたはBanbury(登録商標)ミキサーを用いて、この組成物が均一になるまで、通常約5〜約20分間の期間にわたって、密に混合できる。成分の添加順序は、重要ではない。好ましい混合順序は、以下のようである。
このエラストマー、ポリプロピレン粉末樹脂(望ましいなら)、充填剤、亜鉛塩、金属酸化物、脂肪酸、および金属ジチオカーバメート(望ましいなら)、界面活性剤(望ましいなら)、および二価脂肪酸スズ(望ましいなら)は、内部混合機(例えば、Banbury(登録商標)ミキサー)中で、約7分間にわたって混合される。混合中のせん断の結果として、その温度は、約200°Fまで上がる。次いで、この開始剤およびジイソシアネートが添加され、この混合は、この温度が約220°Fに達するまで継続され、それから、このバッチが2ロールミルに排出され、約1分間混合され、そしてシート状にされる。
このシートは、「ピグ(pig)」に巻かれ、次いで、バーウェル(Barwell)予備成形機に入れられ、そしてスラグが製造される。このスラグは、次いで、約320°Fで約14分間にわたって、圧縮成形にかけられる。成形後、成形したコアは冷却され、この冷却は、室温で約4時間または冷水中で約1時間、行われる。成形したコアは、心なし研削操作にかけられ、それにより、この成形コアの薄層が除去されて、1.28〜1.570インチ(好ましくは、約1.37〜約1.54インチ、最も好ましくは、1.42インチ)の直径を有する丸いコアが製造される。あるいは、これらのコアは、成形した状態で使用され、丸みを得るための研削は必要ではない。
この混合は、望ましくは、種々の成分をブレンド中に、この組成物が初期重合温度に達しないような様式で、行われる。
通常、この組成物の硬化可能成分は、この組成物を、約275°F〜約350°F、好ましくは、通常、約290°F〜約325°F程度の高温で加熱することにより硬化され、この組成物の成形は、その硬化と同時に行われる。この組成物は、種々の成形技術(例えば、射出成形、圧縮成形またはトランスファー成形)のいずれか1個により、コア構造へと成形できる。この組成物を加熱により硬化させるとき、加熱に要する時間は、通常、短く、使用する特定の硬化剤に依存して、一般に、約10〜約20分間である。ポリマー用の遊離ラジカル硬化剤に関する当業者は、任意の特定の遊離ラジカル剤を用いて最適な結果を生じるのに必要な硬化時間および温度の調節に精通している。
成形後、このコアは、この型およびその表面から除去され、好ましくは、カバー材料へのその付着を容易にするために、処理される。表面処理は、当該技術分野で公知のいくつかの技術(例えば、コロナ放電、オゾン処理、サンドブラストなど)のいずれかにより、行うことができる。好ましくは、表面処理は、砥石車を用いた研磨により、行われる。
このコアの上に成形される比較的に厚い内側カバー層は、約0.200インチ〜約0.055インチの厚さ、好ましくは、約0.075インチの厚さである。この外側カバー層は、約0.010インチ〜約0.110インチの厚さ、好ましくは、約0.055インチの厚さであるこれらの層の全体的な厚さの好ましい範囲は、約0.050インチ〜約0.003インチ、さらに好ましくは、約0.075インチ〜約0.250インチ、最も好ましくは、約0.100インチ〜約0.200インチである。個別的には、各層は、約0.010インチ程度に薄く、そしてある層が加重を付けられているかまたは加重材料を含む場合、約0.200インチ程度に厚い。これらのコア、内側カバー層および外側カバー層は、共に合わされて、1.680インチ以上の直径(これは、米国ゴルフ協会の規則で許容される最小直径である)および1.620オンス以下の重量を有するボールが形成される。
本発明の種々のカバー組成物層は、通常の溶融ブレンド操作に従って、製造できる。この外側カバー層の場合には、硬質および軟質低酸性アイオノマー樹脂のブレンドを使用するとき、この硬質アイオノマー樹脂は、成形前に、Banbury(登録商標)ミキサー、2ロールミルまたは押出機にて、この軟質アイオノマー樹脂、および所望の添加剤を含有するマスターバッチとブレンドされる。ブレンドした組成物は、次いで、スラブに形成され、そして成形が望ましくなるまで、このような状態で維持される。あるいは、ペレット化または顆粒化した樹脂および着色マスターバッチの単一乾燥ブレンドが調製され得、そして射出成形機(ここで、型への射出前に、バレルの混合部分にて均質化が行われる)に直接供給される。必要ならば、さらに他の添加剤を添加し、そしてこの成形工程の開始前に、均一に混合し得る。類似の工程は、この内側カバー層を製造するのに使用するアイオノマー樹脂組成物を調合するのに、使用される。これらの金属粒子は、成形の開始前に添加され、そして混合される。
好ましい実施態様の可視周囲加重システムを包含するゴルフボールは、本明細書中の教示に従って、形成できる。ゴルフボールの外周へまたはそれに沿って、比較的に高密度の加重材料を組み込むために、また、この材料が所望のパターンに堆積または形成されるように、最も好ましくは、この加重材料がボールの外部から見えるように、多数の方法が使用できる。
好ましくは、この内側カバーまたはマントル層の放射状に伸長している部分として、このゴルフボールの外周に沿って、所望パターンの加重材料が成形される。すなわち、このパターンは、このパターンがボールの最終半径へと放射状に外方へ伸長するように、または実質的にそうなるように、このマントル層と共に成形され、加重を付けていない白色カバーは、引き続いて、加重材料のパターンの周りに成形される。
これは、好ましい方法であるものの、プラグ製造法が使用され得ることもまた、考慮される。この技術では、所望パターンの加重材料のプラグは、このボールの外周へと組み込まれて、この可視加重システムが形成される。
ゴルフボールの外周に沿った周囲加重パターンを形成するためのさらに好ましい技術には、この加重材料を、このボールの内層またはマントルに組み込むこと、およびこのボールに配置した加重材料のパターンの上に、透明材料または半透明材料の1個またはそれ以上の層を堆積または配置することがある。
前述の技術の全てにおいて、特定のパターンでの加重材料の組み込みは、このボールの慣性モーメントを高めるために、使用される。この結果、初期スピンレートを低下させるが最終スピンレートを上げることによってボールのプレー可能性を維持することにより、ボールの飛距離が伸びる。すなわち、ゴルフボールに加重材料のパターンを組み込むことは、打撃点からボールが静止する時点まで、ボールのスピン減衰を低下させる。
さらに、異なる材料(すなわち、異なる密度を有する材料)の不連続領域を含む単一層(例えば、カバー層)を使用することにより、ゴルフボールに、周囲加重システムを設けることもまた、本発明の範囲内である。
本発明のゴルフボールは、ゴルフボールの分野で現在周知の成形工程により、製造できる。具体的には、これらのゴルフボールは、より小さく軽い巻き付けコアまたは中実の成形コアの周りに、比較的に厚い内側カバー層を射出成形または圧縮成形して、約1.38〜1.68インチの直径、さらに好ましくは、約1.50〜1.67インチの直径、最も好ましくは、約1.57インチの直径を有する中間ゴルフボールを生じることにより、製造できる。引き続いて、この内層の上に、外層(好ましくは、0.010インチ〜0.110インチの厚さ)が成形されて、1.680インチまたはそれ以上の直径を有するゴルフボールが製造される。本発明では、そのサイズ重量および他の物理的限界が満たされる限り、中実コアまたは巻き付けコアのいずれかが使用できるものの、その低価格および優れた性能の結果として、中実成形コアは、巻き付けコアよりも好ましい。
圧縮成形では、この内側カバー組成物は、約380°F〜約450°Fで、滑らかに表面仕上げした半球殻への注入により形成され、これは、次いで、所望の内側カバー厚さを有する型中のコアの周りに配置され、そして200°F〜300°Fで約2〜10分間にわたり圧縮成形され、続いて、50°F〜70°Fで約2〜7分間冷却され、これらの殻が融着されて、単一の中間ボールが形成される。加えて、この中間ボールは、射出成形により製造してもよく、ここで、この内側カバー層は、中間ボール型の中心に配置したマントルの周りに、一定時間にわたって、50°F〜約100°Fの成形温度で、直接注入される。引き続いて、この外側カバー層は、このコアの周りに成形され、その内層は、類似の圧縮成形法または射出成形法により形成されて、1.680インチまたはそれ以上の直径のディンプルを付けたゴルフボールが形成される。成形後、製造したゴルフボールは、米国特許第4,911,451号(その内容は、本明細書中で参考として援用されている)で開示されるような種々の追加処理工程(例えば、バフ仕上げ、塗装およびマーク付け)に供され得る。
本発明の仕上げゴルフボールは、以下の一般的な特徴を有する:
A) コア(好ましくは、中実コア)
1) 約18〜39グラム、好ましくは、25〜30グラム、最も好ましくは、29.7〜29.8グラムの重量。
2) 約1.28〜1.57インチ、好ましくは、1.37〜1.54インチ、最も好ましくは、1.42インチのサイズ(直径)。
3) 約1.05〜1.30、好ましくは、1.10〜1.25、最も好ましくは、1.2の比重。
4) 約60〜約170、好ましくは、l10〜140、最も好ましくは、117〜124の圧縮(Riehle)。
5) 約0.700〜約0.800、好ましくは、0.740〜0.780、最も好ましくは、0.765〜0.770の反発係数(C.O.R.)。
B) 内側カバー層(マントル)およびコア
1) 約25.9〜43.0グラム、好ましくは、29〜40グラム、最も好ましくは、38.4グラムの重量。
2) 約1.38〜1.68インチ、好ましくは、1.50〜1.67インチ、最も好ましくは、1.57インチのサイズ(直径)。
3) 約0.010〜約0.200インチ、好ましくは、0.055〜0.150インチ、最も好ましくは、0.075インチの内側カバー層の厚さ。
4) 約0.96〜1.80、好ましくは、1.00〜1.30、最も好ましくは、1.05の比重(内側カバー層のみ)。
5) 約59〜約169、好ましくは、80〜96、最も好ましくは、84〜92の圧縮(Riehle)。
6) 約0.701〜約0.820、好ましくは、0.750〜0.810、最も好ましくは、0.790〜0.800の反発係数(C.O.R.)。
7) 約87/60〜約>100/100、好ましくは、92/65〜>100/85、最も好ましくは、97/70のショアーC/D硬度。
C. 外側カバー層、内側カバー層およびコア
1) 約45.0〜45.93グラム、好ましくは、45.3〜45.7グラム、最も好ましくは、45.5グラムの重量。
2) 約1.680〜1.720インチ、好ましくは、1.680〜1.700インチ、最も好ましくは、1.68インチのサイズ(直径)。
3) 約0.010〜約0.175インチ、好ましくは、0.010〜0.110インチ、最も好ましくは、0.055インチのカバー厚さ(外側カバー層)。
4) 約59〜約160、好ましくは、80〜96、最も好ましくは、76〜85の圧縮(Riehle)。
5) 約0.701〜約0.825、好ましくは、0.750〜0.810、最も好ましくは、0.785〜0.790の反発係数(C.O.R.)。
6) 約35/20〜約92/65、好ましくは、40/25〜90/60、最も好ましくは、87/56のショアーC/D硬度。
7) 約0.390〜約0.480、好ましくは、0.430〜0.460、最も好ましくは、0.445の慣性モーメント。
上で述べた最も好ましい特性は、出願人が間もなく商業化する「Strata Advance」ボールに含められる。これらのボール(「Strata Advance 90」および「Strata Advance 100」)は、小さく軽いコアおよび重く厚い熱可塑性内側カバー層を含有する。この内側カバー層の高い重量は、一部には、10phrの粉末化黄銅の含入により、生じる。このコアから内側カバー層への重量の移動により、ボールの感触および耐久性に影響を与えることなく、慣性モーメントがより大きく、スピンが低減され、かつ飛距離がより長いゴルフボールが生じる。これらのボールの成分および物理的特性を、以下で示す。
出願人が現在入手できる多層ゴルフボール(すなわち、「Strata Tour」)に対して、この新しいボールのコアは、実質的により小さく(1.47インチに対して1.42インチ)、より軽く(32.7グラムに対して29.7グラム)、そしてより厚く(すなわち、0.050インチに対して0.075インチ)、より重い(5.7グラムに対して8.7グラム)内側カバー層を有する。本発明のボールは、既存の多層ゴルフボールと比較して、スピンが少なく飛距離が長くなる。物理的特性の相違を、以下の表で示す:
本発明の得られたゴルフボール(すなわち、「Strata Advance」ボール)は、望ましい反発係数、圧縮、および耐久性を備えており、同時に、従来の軟質バラタおよびバラタ様カバーに付随した感触特性を与える。さらに、このボールは、スピンが少なく、より遠くに飛ぶ。
本発明は、さらに、以下の実施例により例示され、これらの実施例では、特定成分の部は、重量部である。本発明は、これらの実施例に限定されず、本発明では、それらの精神および範囲から逸脱することなく、種々の変更および改良を行うことができることが理解されるべきである。
実施例1
上記手順に従って、その内側カバー層に金属粒子および/または重量充填添加剤を含有する多数の多層ゴルフボール(中実コア+内部および外側カバー層)を作製した。これらのボールの慣性モーメント(g/cm2)を、市販の2ピースボール、3ピースボールおよび他の多層ボールと比較した。これらの結果を、以下の表で示す。
本実施例で使用したゴルフボールのコアは、1.42〜1.47インチの直径範囲であり、26.1〜32.5グラムの重さがあり、そして1.073〜1.216の比重を有していた。これらのコアは、高シス-ポリブタジエン、ジアクリル酸亜鉛、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、過酸化物などから構成され、そして上で述べた成形法に従って製造した。成形したコア(1.42インチおよび1.47インチ)の代表的な配合は、1.42インチのコアについては試料番号20〜23および1.47インチのコアについては試料番号23で、以下に示す。
上記コアは、以下の一搬的な特定を示した:
本実施例で使用した内部熱可塑性カバー層(またほマントル層)は、エチレン-アクリル酸アイオノマー樹脂(すなわち、Iotek 1002およびIotek 1003)の50%/50%ブレンドから構成されていた。これらのアイオノマーは、上で一般的に規定した特性を示す。
5phrの種々の金属粒子または重量充填剤および47.5%のIotek 1002および47.5%のIotek 1003を含有する一連の内側カバー層を有するゴルフボールを調合した充填剤を含有しない(すなわち、50% Iotek 1002および50% Iotek 1003)2個の対照ボールもまた、製造した(以下の試料番号第14および15)。これらのボールの一般的に特性を、以下の限界に従って測定した:
Riehle圧縮は、200ポンドの一定静荷重下での数千分の1インチのゴルフボール変形測定値である(47のRiehle圧縮は、荷重下での0.047インチの反りに相当する)。
PGA圧縮は、OK Automation, Sinking Spring, PA 19608により製造したバネに加えた力により測定される(すなわち、80 PGA=80 Riehle;90 PGA=70 Riehle;および100 PGA=60 Riehle)。
反発係数(C.O.R.)は、得られたゴルフボールを、空気砲にて、鋼鉄プレート(これは、この砲の砲口から12フィートに配置されている)に対して、125フィート/秒の速度で発射することにより、測定した。次いで、跳ね返り速度を測定した。この跳ね返り速度を、前方方向速度で割って、この反発係数を得た。
以下の特性を記した:
上で製造した試料に加えて、多数の追加試料を製造し、ここで、そのコアのサイズおよび重量を減らし、そして内側カバー層の厚さおよび重量は増加させた。このことは、以下の配合を使用した場合、試料番号20〜23において分かり得る。
本実施例で使用したボール(すなわち、本発明のボールおよび市販のボール)の慣性モーメント特性を、Inertia Dynamics of Wallingford, CTにより製造されたMoment of Inertia Measuring Instrument Model 5050を用いて、測定した。これは、このボールを保持するために頂部に搭載されたケージを備えた水平振り子からなる。この振り子の前後振動期間は、このケージ内の品目の慣性モーメントの尺度である。この機械を、その慣性モーメントが容易に計算されるかまたは既知である物体(球体、円筒)を用いて、検定する。
この器具の実際の使用は、以下のとおりである。この振り子を、このケージを空にして揺らす。これにより、いかなる物体もない場合のこの機械のモーメントを決定する。次いで、試験するボールをこのケージ内に置き、この振り子を再度揺らす。この装置内のボールの慣性モーメントが大きくなるにつれて、この振動期間はより長くなる。
以下の式を用いて、このボールの慣性モーメントを計算するために、2個の期間を使用する:
I=194.0*(t∧2−T∧2)
ここで、この194.0は、この機械の較正定数であり、Tは、空の器具の振動期間であり、そしてtは、ボールを装填した器具の振動期間である。
以下の結果が得られた:
上記結果は、この内側カバー層での金属粒子または他の重量充填材料の含入が、これらの材料を含まない同じボールよりも高い慣性モーメントを生じることを立証している。このことは、この内側カバー層に金属粒子を含有しない試料番号14および19と、このような重量充填剤を含有する試料番号1〜13および15〜18とを比較すると、分かり得る。
さらに、試料番号20〜23で明らかなように、この内側カバー層中に存在する重量充填剤のレベルは、このボールの慣性モーメントの上昇に関係している。このことに関して、試料番号20は、試料番号21および22でそれぞれ見られる26.2部および51部と比較して、4部のタングステン充填剤を有し、その慣性モーメントは、この充填剤のレベルに従って、上昇する。
実施例2
ゴルフボールの重量を中心コアから内側カバー層へと移すことの効果を評価するために、多数のゴルフボールを製造した。このことに関して、4個の異なるコア調合物(すなわち、コア調合物A〜D)を製造し、ここで、これらのコアのうちの2個(すなわち、コア調合物CおよびD)の重量を低下させた。これらの調合物を、コア調合物E(Spaldingの2ピースTop-Flite Z-Balata 100プロダクションボールで現在使用されているコア)と比較した。
上で示したように、このコアの重量および/または比重は、このコアのC.O.R.値に著しい影響を与えることなく、低減し得る(すなわち、コア配合CおよびDと、コア配合BおよびAとの比較)。次に、この内側カバー層(またはマントル)の重量を増やすことの効果を、この内側カバー(マントル)調合物に、重量充填剤(例えばタングステン粉末)を添加することにより、評価した。このことは、以下に記載するマントルおよびカバー調合物において示される。
コア・マントルおよび外側カバーの調合物の種々の組み合わせの仕上げボールの特性は、以下のとおりである:
これらの結果は、コアからマントルまたは内側カバー層への重量の移動が、これらのボールの慣性モーメントを高めることを示している。このことは、特に、試料番号24〜25と試料番号28〜30とを比較する際に、立証される。従って、より重い内側カバーまたはマントル層を備えたより軽いコアの配合により、慣性モーメントを高めたボールが生じる。
実施例3
約10パーセント(%)の粉末化黄銅(Zinc Corp. of America, Monica, PA)を含む比較的に厚い(約0.075インチ)内側カバー層(またはマントル)を有する2個の多層ゴルフボールを調製し、これらのボールの慣性モーメント特性を評価した。同じサイズ(すなわち、1.42インチ)、重量(29.7g)および比重(すなわち、1.2)の異なる固体ポリブタジエンコアを使用したが、これらのコアは、圧縮(Riehle)およびC.O.R.に関して、異なっていた。製造した2個の多層ゴルフボールは、以下のカバー特性を有していた。
高酸性アイオノマー樹脂および約10%の重量充填材料のブレンドを含む厚い内側カバー層(またはマントル)を、軟質熱可塑性材料のカバー層を備えた軟質架橋ポリブタジエンコアの上に有する本発明の上記多層ボールは、高い慣性モーメントを示した。このことは、実施例1の対照ボール(すなわち、試料番号14、19および23)の慣性モーメント(このボールは、およそ0.441の慣性モーメントを有した)と、上記本発明のボール(すなわち、試料番号32〜33)の慣性モーメント(このボールは、0.445の慣性モーメントを示した)とを比較することにより、分かり得る。
実施例4
多層ゴルフボールの慣性モーメントを高めて内層の厚さを増加することにより生じる効果を、本発明により製造した多層ゴルフボール(すなわち、「Strata Distance 90-EX」)と、Spaldingにより「Strata Tour 90」の名称で販売されている市販の多層ゴルフボールとを比較することにより、観察した。この「Strata Distance 90-EX」ボールは、軟質アイオノマー樹脂の外側カバー層と共に、軟質架橋ポリブタジエンコアの上に厚い高酸性アイオノマー樹脂内側カバー層を含有する。さらに、このマントルまたは内側カバー層は、5phrの粉末化タングステンで満たされている。
さらに、この多層ゴルフボールのスピンおよび距離特性もまた、Spaldingの「Top-Flite Z-Balata 90」ゴルフボール(1.68インチ、軟質アイオノマー樹脂カバーを有する2ピースボール)およびAcushnet Companyの「Titleist Tour Balata 100」ゴルフボール(1.68インチ、軟質合成バラタカバーを有する2ピースボール)と比較した。この距離およびスピン特性を、以下のパラメータに従って測定した:
試験される各タイプの3個のボールを、サイズ、重量、圧縮および係数(coefficient)に対する個々の合理的な限界内にあることを保証するために、静的データについて検査した。それらは、少なくとも合理的に、静的データに関して、互いに類似していなければならない。
このボールの大円周の周りにストライプを入れて、可視赤道を形成し、これを、写真でのスピンレートを測定するために使用する。これらのボールを、各ボールあたり最低3回打ち、その結果、一定のタイプに対して、発射角度、ボール速度およびスピンレートに関する情報を得るために、9回の打撃があるようにする。さらに、これらのボールをランダムな順序で打ち、機械の変化による影響を無作為化する。
Polaroidフィルム上にボールの飛行の10個までの画像を生じるために、ストロボ光を使用する。このストロボは、100,000ヘルツのクロック速度で作動するコンピューターに基づくカウンタータイマーボードにより制御される。このことは、このボールのストロボ画像が、1/100,000秒以内にあわせて(in time to)知られることを意味する。
各画面では、視野内には、等高線参照および長さ参照を示す参照システムがある。各画面は、1インチあたり1000個の線の解像度デジタル化タブレットでデジタル化され、このボールの複数画像上に参照位置およびストライプが得られる。この情報から、このボール速度、発射角度およびスピンレートを得ることができる。
この試験には、以下の仕様を有する9番アイアンを使用する:V溝付きの1984 Tour Edition Custom Crafted 9 Iron、140ピッチ。そのシャフトは、Dynamic Gold R3である。このクラブは、D2.0スイング重量、35 7/8インチの長さ、面角度が0で62度のライ(lie)を有し、そのロフトは、47 1/2度である。このクラブの全重量は、453グラムである。そのグリップは、Eaton Green Victory M60コアグリップである。
このクラブを、the Miya Epoch Robo III Driving Machineの「リスト」機構で保持し、この機械が、このボールを直角で打って、このボールを、このクラブのスウィングの線に沿って、ティーから真っ直ぐにドライブするようにする。この機械は、Miya Epoch of America, Inc., 2468 W. Torrance Blvd., Torrance, CA 90501により製造されている。この機械の基部に沿って線が引かれており、打撃したボールの方向に沿って、伸長している。このボールは、Kevlar 8-10フィートダウンレンジのストッピングカーテンに衝突し、スクエアショットとは、そのティーからのボールの方向が、このドライビング機械の前方基部沿って描いた線に平行なものである。
各タイプのボールの平均ボール速度は、大体、100〜125フィート/秒であるべきであり、また、発射角度は、大体、26〜34度であるべきである。
試験中、以下の特性が認められた:
試験条件:(試験#92461)
クラブ:10度ドライバー ボール速度:227.1fps
クラブヘッド速度:16fps スピンレート:3033rpm
発射角度:9.1 芝状態:堅い
これらの結果は、そのコアの重量およびサイズを小さくしつつ、その内側カバー層の厚さおよび重量を大きくすることにより生じる慣性モーメントの増加により、既存の多層ボール(すなわち、Strata Tour 90)よりも少ないスピンおよび遠い飛距離を有する多層ゴルフボール(すなわち、the Strata Distance 90-EX)が得られることを示しているさらに、これらの結果は、本発明のボールが、他の市販の高スピンゴルフボールよりも遠く飛ぶことを示している。
本発明は、その好ましい実施態様を参照して記述されている。明らかに、前述の詳細な説明を読んで理解すると、他者により、改良および変更が行われる。本発明は、それらが添付の請求の範囲またはそれらの等価物の範囲内に入る限り、これらの改良および変更の全てを含むように解釈されることを意図している。
Claims (9)
- ゴルフボールであって、
コアと、
該コアの周囲に配置された外側カバー層であって、該外側カバー層は複数のディンプルを規定し、かつ、該ゴルフボールの慣性モーメントを増大させるように働く加重材料の少なくとも1つの非連続領域を含み、該少なくとも1つの加重材料領域は、該ゴルフボールの外部に沿って眼に見える、外側カバー層とを備える、ゴルフボール。 - 前記加重材料は、金属粉末、炭素質材料、ガラス、高強度ポリアミド繊維のうちの少なくとも1つ、およびそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載のゴルフボール。
- 前記金属粉末は、ビスマス粉末、ホウ素粉末、黄銅粉末、青銅粉末、コバルト粉末、銅粉末、インコネル金属粉末、鉄金属粉末、モリブデン粉末、ニッケル粉末、ステンレス鋼粉末、チタン金属粉末、酸化ジルコニウム粉末、アルミニウムフレーク、アルミニウムタドポール(tadpole)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項2に記載のゴルフボール。
- 前記加重材料は、サイズが約10メッシュから約325メッシュの範囲内である、請求項1に記載のゴルフボール。
- 前記加重材料は、グラファイト繊維、沈降水和シリカ、クレイ、タルク、アスベスト、ガラス繊維、アラミド繊維、マイカ、メタケイ酸カルシウム、硫酸バリウム、硫化亜鉛、シリケート、ケイソウ土、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された試剤を含む、請求項1に記載のゴルフボール。
- 前記加重材料は、チタン、タングステン、アルミニウム、ビスマス、ニッケル、モリブデン、鉄、銅、黄銅、ホウ素、青銅、コバルト、ベリリウム、亜鉛、スズ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された金属を含む、請求項1に記載のゴルフボール。
- 前記加重材料は、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化アルミニウム、ニ酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された酸化金属を含む、請求項1に記載のゴルフボール。
- 前記加重材料は、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された金属ステアリン酸塩を含む、請求項1に記載のゴルフボール。
- 前記加重材料の少なくとも1つの非連続領域は、2重ストライプ形状周辺加重パターンの形態である、請求項1に記載のゴルフボール。
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