JP4072461B2 - 帯域通過フィルタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、帯域通過フィルタに関し、特に、マイクロ波伝送路に用いられ、誘導性窓により帯域通過特性を得る帯域通過フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のマイクロ波伝送路に用いられる帯域通過フィルタには、誘導性窓により帯域通過特性を得るものがある。この帯域通過フィルタの一例として、例えば、特許文献1に記載の帯域通過フィルタは、図3に示すように、一方のE面18Bで2分割された本体11及びカバー12と、他方のE面18Aで片側が短絡されたアイリス(導体板)13により仕切られた空間(共振器)14とで構成される。
【0003】
このように構成された帯域通過フィルタ15は、アイリス13とカバー12とが完全に非接触構造であるため、安定した電気特性が得られる。さらに、図4に示すように、帯域通過フィルタ15に、周波数調整ビス16や結合度調整ビス17等を設けることにより、所望の特性に調整することができる。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−15209号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の帯域通過フィルタ15においては、カバー12とアイリス13との開口部(隙間)が基本波のすぐ上のモードであるTE20モードが通過可能な程広くなるため、高域でスプリアス特性が劣化するという問題があった。これは、特に、通過帯域幅が広い時により顕著に現れる。ここで、TE20モードが通過し難い程度までこの開口部を狭くすると、通過帯域幅を広く取ることができないという問題があった。一方、、通過帯域幅を広げると、上記開口部がより広くなるため、スプリアスが発生しやすくなるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記従来の帯域通過フィルタにおける問題点に鑑みてなされたものであって、通過帯域幅を広く取ることができるとともに、スプリアス特性を向上させた帯域通過フィルタを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、導波管の管路内に、アイリスによって仕切られた複数の空間を有し、該複数の空間を形成する前記アイリスの複数の仕切部のうち、少なくとも中央部に位置する仕切部が、H面と平行な面で切断した断面において、信号の伝搬方向に直交する長軸を有する帯域通過フィルタであって、前記アイリスが前記管路の両方のE面と非接触であり、該アイリスと前記両方のE面の一方との間、及び該アイリスと前記両方のE面の他方との間の各々に開口部を有することを特徴とする。
【0008】
そして、本発明によれば、従来、導波管内にアイリスを配置することによって形成される導波管端の開口部が片側に片寄っていたが、本発明では、開口部を両側に分割することができるため、各々の開口部を小さくすることができ、同一通過帯域幅で比較した場合に高調波が通過し難くなり、スプリアス特性を向上させることができる。
【0009】
上記帯域通過フィルタにおいて、前記導波管を、前記両方のE面のうちの一方で分割された本体及び第1のカバーと、前記両方のE面のうちの他方で分割された本体及び第2のカバーとで構成することができる。
【0010】
また、前記本体の内部に突出する長さにより導波路の伝送周波数を調整する周波数調整ビスや、前記本体の内部に突出する長さにより導波路の結合度を調整する結合度調整ビスを設けることができる。
【0011】
さらに、前記アイリスは、両E面に接触しない条件下で、前記導波管の中心線に対して対称または非対称に配置することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0013】
図1は、本発明にかかる帯域通過フィルタの一実施の形態を示し、この帯域通過フィルタ5は、導電材からなり、両側面が開口した本体1と、両E面8A、8Bで分割可能に構成されるとともに、本体1の両開口を覆う導電材からなるカバー2A、2Bと、本体1に一体に形成され、両H面9A、9Bに接触し、両E面8A、8Bと非接触の導電材からなるアイリス3とを備え、共振器4が複数個連続して形成される。本発明は、アイリス3を両E面8A、8Bと非接触としたことが特徴である。
【0014】
図3及び図4に示した従来の帯域通過フィルタ15では、アイリス13が片側のE面18Aに接触しているため、開口部は一端に集中して広くなっている。一方、本発明にかかる帯域通過フィルタ5では、上記構成により、導波管の両端に2つに分かれた開口部ができるため、個々の開口部は同一通過帯域幅で比較すると従来のものよりも狭くすることができる。このため、高域のスプリアスがこの開口部を通過し難くなっている。
【0015】
図5は、本発明にかかる帯域通過フィルタの試験例として、18GHz帯の広帯域通過特性を、上記本発明にかかる帯域通過フィルタ5と従来の帯域通過フィルタ15とで比較したグラフである。同図に示すように、本発明にかかる帯域通過フィルタは、従来のものよりも高域のスプリアス特性が改善されていることが判る。
【0016】
図2は、本発明にかかる帯域通過フィルタの他の実施の形態を示し、この帯域通過フィルタ5は、本体1の内部に突出する長さにより導波路の伝送周波数を調整することのできる複数の周波数調整ビス6と、本体1の内部に突出する長さにより導波路の結合度を調整することのできる複数の結合度調整ビス7を備える。これらによって、帯域通過フィルタ5を所望の特性に調整することができる。尚、図示した周波数調整ビス6及び結合度調整ビス7は、すべて必要とは限らず、必要な箇所にのみ配置することができる。
【0017】
また、図1及び図2において、アイリス3を導波管の中心線に対して対称に配置したが、アイリス3は、両E面8A、8Bに接触しない条件下で導波管の中心線に対して非対称であってもよく、対称配置と非対称配置とを組み合わせることもできる。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、通過帯域幅を広く取ることができ、スプリアス特性を向上させた帯域通過フィルタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる帯域通過フィルタの一実施の形態を示す図であって、(a)はカバーを外した状態を示す正面図、(b)は縦断面図である。
【図2】本発明にかかる帯域通過フィルタのもう一つの実施の形態を示す図であって、(a)はカバーを外した状態を示す正面図、(b)は縦断面図である。
【図3】従来の帯域通過フィルタの一例を示す図であって、(a)はカバーを外した状態を示す正面図、(b)は縦断面図である。
【図4】従来の帯域通過フィルタのもう一つの例を示す図であって、(a)はカバーを外した状態を示す正面図、(b)は縦断面図である。
【図5】本発明及び従来の帯域通過フィルタの広帯域通過特性を比較したグラフである。
【符号の説明】
1 本体
2(2A、2B) カバー
3 アイリス
4 共振器
5 帯域通過フィルタ
6 周波数調整ビス
7 結合度調整ビス
8(8A、8B) E面
9(9A、9B) H面
Claims (5)
- 導波管の管路内に、アイリスによって仕切られた複数の空間を有し、該複数の空間を形成する前記アイリスの複数の仕切部のうち、少なくとも中央部に位置する仕切部が、H面と平行な面で切断した断面において、信号の伝搬方向に直交する長軸を有する帯域通過フィルタであって、
前記アイリスが前記管路の両方のE面と非接触であり、該アイリスと前記両方のE面の一方との間、及び該アイリスと前記両方のE面の他方との間の各々に開口部を有することを特徴とする帯域通過フィルタ。 - 前記導波管は、前記両方のE面のうちの一方で分割された本体及び第1のカバーと、前記両方のE面のうちの他方で分割された本体及び第2のカバーとを備えることを特徴とする請求項1記載の帯域通過フィルタ。
- 前記本体の内部に突出する長さにより導波路の伝送周波数を調整する周波数調整ビスを備えることを特徴とする請求項2記載の帯域通過フィルタ。
- 前記本体の内部に突出する長さにより導波路の結合度を調整する結合度調整ビスを備えることを特徴とする請求項2または3記載の帯域通過フィルタ。
- 前記アイリスを、前記導波管の中心線に対して非対称に配置したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の帯域通過フィルタ。
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CN1103868C (zh) * | 1996-07-10 | 2003-03-26 | 轨道工程有限公司 | 气体喷射型燃料喷射系统的增压 |
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- 2003-05-26 JP JP2003147121A patent/JP4072461B2/ja not_active Expired - Fee Related
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