JP4071159B2 - 誘導発熱ローラ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は紙、プラスチック、布などの基材を加熱する誘導発熱ローラ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
誘導発熱ローラ装置は、回転する中空のローラの内部に、鉄心と、この鉄心の外周に巻装された誘導コイルとからなる誘導発熱機構を配置し、これによってローラの周壁を誘導発熱させるものである。誘導コイルは単相電源で励磁するのが好ましいので、手近にある三相電源の各線間に誘導発熱ローラ装置の誘導コイルを接続して励磁することが考えられる。この場合、三台の同容量の誘導発熱ローラ装置を用意し、その各誘導コイルを三相電源線路の各相線間にそれぞれ接続する構成とすれば、三相電源電流は平衡するので、特に問題は生じない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この配線構成では、各相線路間に均等に誘導発熱ローラ装置を接続する必要があり、二台または一台の誘導発熱ローラ装置を限定して使用する場合には、無負荷の相線路が存在することになるので、三相電源電流は不平衡となり、三相電源構成に支障をきたすことになる。
【0004】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたもので、三相電源から単相電圧を取り出して、これを誘導発熱ローラ装置の誘導コイルの励磁電圧とするにあたり、三相電源電流が不平衡になるのを回避することができる誘導発熱ローラ装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明の誘導発熱ローラ装置は、巻数Nのメインコイルと、このメインコイルとは磁気的に分離されるとともに、上記メインコイルの両端に設置されたそれぞれ巻数が2N/√3の二つのサブコイルからなる誘導コイルを備え、三相電源線路のうちの二線路間に並列に二つのサブコイルを接続し、他の一つの線路にメインコイルの一端を接続するとともに、メインコイルの他端と二つのサブコイルの中間タップを接続したことを特徴とする。
【0006】
請求項1に係る発明によれば、三相電源を誘導発熱ローラの誘導コイルの励磁電圧として用いても、三相電源電流が不平衡になることを防止または緩和することができ、三相電源回路の不具合を防止することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の誘導発熱ローラ装置の実施の形態について、図面を用いて説明する。図1は本発明の誘導発熱ローラ装置の構成図であり、図2は図1の誘導発熱ローラ装置の回路図である。
【0008】
図1において、1は誘導発熱ローラ装置であり、11はローラシェル、12はその両側に一体的に取り付けられているジャーナルで、軸受13を介して機台14に回転自在に支持されている。なお、必要に応じてローラシェル11の周壁の内部にジャケット室が設けられ、その内部に気液二相の熱媒体が減圧密封されている。15は誘導発熱機構で、支持ロッド16によって支持されている。支持ロッド16はジャーナル12内に挿通され、軸受17を介してジャーナル12に支持されている。誘導発熱機構15は、磁気的に分離された筒状の鉄心18、19、20と、これらの鉄心18、19、20の外周にそれぞれ巻装されている、メインコイル21とその両端に設置された二つのサブコイル22、23よりなる誘導コイルとによって構成されている。24〜26は誘導コイルのリード線で、支持ロッド16の内部を通って外部に引き出され、それぞれ三相電源Eu、Ev、Ewに接続されている。
【0009】
メインコイル21の巻数はN、サブコイル22、23の巻数はそれぞれ2N/√3に設定されており、図2の回路図に示すように、サブコイル22、23にはその両側のコイルの巻数が同一となる位置に中間タップが設けられている。そして、三相電源線路の線路Euにメインコイル21の一端が接続され、二つのサブコイル22、23の両端に線路Ev、Ewが接続されるとともに、メインコイル21の他方の端子と、サブコイル22、23の中間タップが端子Oで結合されている。
【0010】
図2の回路において、電源電圧をEとすると、サブコイル22、23のそれぞれにかかる電圧Vv-wは、
Vv-w=E・・・(1)
であり、メインコイル21にかかる電圧Vu-oは、
Vu-o/N=Vv-w/(2N/√3)
であるので、
Vu-o=√(3)Vv-w/2=√(3)E/2・・・(2)
となる。
【0011】
一方、メインコイル21に流れる電流をIm(なお、この電流は図2に示すようにベクトルであるが、以下に記載する電流を含め、明細書中では電流の各値の上に表示するベクトルを意味するドットは省略している。)とし、サブコイル22回路V−Wだけを考えた電流をIs1とし、サブコイル23回路V−Wだけを考えた電流をIs2とする。
ここで、サブコイル回路だけを考えるとは、サブコイルによって発熱するロールに流れる負荷電流を打ち消す一次電流Isのみを考えるという意味である。
【0012】
このとき、三相電源に流れる電流Iu、Iv、Iwは、
となる。
ここで、サブコイル22とサブコイル23の皮相容量を、それぞれメインコイル21の1/2に設定した場合、
|Is1|・Vv-w=|Im|・Vu-o/2
であるので、Is1=Is2=Isとすると、(1)式、(2)式から
|Is|・E=|Im|・{√(3)E/2}/2
|Is|=√(3)|Im|/4・・・(6)
となる。
【0013】
そして、電流Imと電流Isは位相差が90度であるので、(4)式、(6)式から、V相電流Ivの絶対値|Iv|は、
となる。
また、(5)式、(6)式から、W相電流Iwの絶対値|Iw|は、
となり、|Iu|=|Iv|=|Iw|となるので、三相電源の電流が平衡となる。
【0014】
一方、図2の回路において、サブコイル22とサブコイル23の皮相容量を、例えば、それぞれメインコイル21の1/4に設定した場合、
|Is1|・Vv-w=|Im|・Vu-o/4・・・(7)
であるので、Is1=Is2=Isとすると、(1)式、(2)式から
|Is|・E=|Im|・{√(3)E/2}/4
|Is|=√(3)|Im|/8・・・(8)
となる。
したがって、(4)式、(8)式から、V相電流Ivの絶対値|Iv|は、
となる。また、(5)式、(8)式からW相電流Iwの絶対値|Iw|は、
となり、|Iu|:|Iv|:|Iw|=1:√(7)/4:√(7)/4となるので、メインコイルをU−V、サブコイルをそれぞれV−W、W−Uに接続したときの電流比|Iu|:|Iv|:|Iw|がほぼ3:3:1であるのに比較して緩和され、運転には大きな支障とはならない。
【0015】
このように、誘導発熱ローラ装置の誘導コイルをメインコイルと二つのサブコイルに分割し、メインコイルの巻数をN、それぞれのサブコイルの巻数を2N/√3にするとともに、三相電源線路のうちの二線路間に並列に二つのサブコイルを、他の一つの線路にメインコイルの一端を接続し、メインコイルの他端と二つのサブコイルの中間タップを接続することにより、三相電源電流の不平衡を防止または緩和することができる。このとき、二つのサブコイルの皮相容量をそれぞれメインコイルの皮相容量の1/2に設定することにより三相電源電流の不平衡を完全になくすことができるが、皮相容量の比を他の値に設定しても不平衡を緩和することができる。
【0016】
なお、図1の実施の形態では、メインコイルとサブコイルを同一円周上に配置したが、図3に示すように、筒状の鉄心18及びこれに巻装されているメインコイル21と、鉄心19、20及びこれらの外周にそれぞれ巻装されているサブコイル22、23とが段差を形成するように両者を配置することも可能である。
【0017】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の誘導発熱ローラ装置は、誘導発熱ローラ装置の誘導コイルをメインコイルと二つのサブコイルに分割し、三相電源線路のうちの二線路間に並列に二つのサブコイルを接続し、他の一つの線路にメインコイルの一端を接続するとともに、メインコイルの他端と二つのサブコイルの中間タップを接続することにより、三相電源から単相電圧を取り出して、これを誘導発熱ローラ装置の誘導コイルの励磁電圧とするにあたり、三相電源電流が不平衡になるのを回避もしくは緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る誘導発熱ローラ装置の断面図である。
【図2】図1の誘導発熱ローラ装置の回路図である。
【図3】本発明の他の実施の形態に係る誘導発熱ローラ装置の断面図である。
【符号の説明】
1 誘導発熱ローラ装置
11 ローラシェル
12 ジャーナル
13 軸受13
14 機台
15 誘導発熱機構
16 支持ロッド
17 軸受
18〜20 鉄心
21 メインコイル
22、23サブコイル
24〜26 リード線
Claims (1)
- 巻数Nのメインコイルと、このメインコイルとは磁気的に分離されるとともに、上記メインコイルの両端に設置されたそれぞれ巻数が2N/√3の二つのサブコイルからなる誘導コイルを備え、三相電源線路のうちの二線路間に並列に二つのサブコイルを接続し、他の一つの線路にメインコイルの一端を接続するとともに、メインコイルの他端と二つのサブコイルの中間タップを接続したことを特徴とする誘導発熱ローラ装置。
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