JP4069299B2 - 高周波プラズマの発生方法 - Google Patents

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本発明は、膜の堆積、エッチング、プラズマ・インプランテーション等のプラズマ応用プロセスや宇宙空間推進用のプラズマ発生装置に用いられる高周波プラズマ装置に関するものである。
高周波を用いたプラズマ生成には、容量性結合型プラズマ、誘導性結合型プラズマ(Inductively Coupled Plasma、以下、ICPと称することもある。)、ヘリコン波プラズマなどがある。
図20は、薄膜の堆積やエッチングに使用されている容量性結合型プラズマ発生装置70を模式的に示す図である。反応性ガスが封入されているチャンバ71に、2枚の平行平板電極である高周波印加電極72と接地電極73が配設されていて、高周波発振器74から高周波電力を印加してプラズマ75を発生させる。高周波発振器74の一端は、整合器76と直流阻止コンデンサ77を介して高周波印加電極72に接続され、他端は接地電極73に接続されるとともに接地されている。プラズマ75を誘電体とみなすと、平行平板電極72,73がコンデンサの形状であることから容量性結合型プラズマと呼ばれる。このプラズマは、平行平板電極に形成される電界による放電によって生じる。典型的な放電状態は、ガス圧力が10〜1000Pa、電極間隔が1〜10cm、高周波電力が100〜1000W程度であり、プラズマ密度は、1×1016-3(1×1010cm-3)程度である(非特許文献1参照)。
プラズマの高密度化のために、近年、半導体の加工装置として誘導性結合型プラズマ(ICP)が利用されている。図21は、プラズマ処理装置に使用されている誘導性結合型プラズマ発生装置80を模式的に示す図である。半球状の石英容器を備えた反応室81の外周に沿って上部から下部に向かって形成される巻線状のヘリカルアンテナコイル82に、高周波発振器83から高周波電力を印加するとプラズマが生成する。高周波発振器83の一端は、整合器84を介してヘリカルアンテナコイル上部82aに接続され、他端は、ヘリカルアンテナコイル下部82bと接続されて、接地されている。反応室81は真空排気口85を介して排気系86により真空排気される。ガスは、ガス導入系87からガス導入口88を介して反応室81上部のシャワーヘッドに導入される。反応室81内の下部には、ウェハ90を載置するためのステージ91が設置されていて、このステージ91は接地されている。
誘導性結合型プラズマ装置においては、アンテナ電流が作る磁界により放電する。つまり、ファラデーの電磁誘導の法則により磁界の時間変化が電界を誘導し、この電界で電子が加速されてプラズマ放電が維持される。ここで、磁界形放電のためのアンテナとしては、円筒形状のヘリカルアンテナ以外には、渦巻形状のスパイラルアンテナも使用されている。
誘導性結合型プラズマ装置で得られるプラズマは、プラズマ密度として1017〜1018-3、電子温度2〜4eV、直径30cm程度であり、広い圧力範囲(1〜40Pa)で容易に、大口径の高密度プラズマが得られる(非特許文献1及び特許文献1参照)。
また、最近、プラズマの高密度化のために、磁場中において電子サイクロトロン周波数より十分低い高周波電流をアンテナに流すと、電子が主役となってプラズマ中を伝わる右回り円偏波などにより低圧力でも高密度のプラズマを生成することができ、ヘリコン波プラズマと呼ばれている。
図22は、ヘリコン波プラズマ装置の一例を模式的に示す図である。ヘリコン波プラズマ装置100は、石英管101を備えた反応室102と、ヘリコン波励起用高周波発振器103と、サドルアンテナ104と、電磁石105と、永久磁石106と、基板107を載置するステージ108と、基板バイアス用高周波発振器109とから構成されている。電磁石105と永久磁石106により形成される磁界をBで示している。石英管101に巻かれたサドルアンテナ104に高周波発振器からの高周波電力を印加させると、磁場が励起されヘリコン波プラズマ110が励起される。ここで、高周波電力は、プラズマ110中の波のエネルギーになり、この波の電界により個々の電子が加速や減衰を受けて、最終的に電子の運動エネルギーが増大してプラズマ110が維持される。
ヘリコン波プラズマ装置100で得られるプラズマは、石英管101の直径が10cm、ヘリコン波励起用電磁石による磁界が0.01T(テスラ)、即ち、100G(ガウス)、ヘリコン波励起用高周波発振器103として13.56MHz、1kWを使用し、1〜5Paの圧力において1018〜1019-3のプラズマ密度が得られる(非特許文献1参照)。
ヘリコン波または磁場存在下でのICPは、容量性結合型プラズマに比較して、高密度のプラズマが得られるが、従来のヘリコン波プラズマは、小半径の石英管などの絶縁容器の外側に巻く形の小口径プラズマが主流であり、大面積、大容量のプラズマが得られないという欠点があった。
最近、本発明者らにより、誘導性結合型プラズマでも一部用いられているスパイラル型のアンテナを容器端に設置するICP及びヘリコン波による高周波プラズマ装置が報告されている。直径が約45cmで、長さが170cmの円筒状反応室において、Ar(アルゴン)ガス(8.5mTorr)のヘリコン波プラズマが得られている。この高周波プラズマの体積は、他所から報告されている高周波プラズマよりも数倍以上大きい約0.27m3 である。このときの高周波発振器の周波数が7MHz、100W〜2kWの出力電力で、プラズマ密度として1×1010〜1×1013cm-3という値が得られている(例えば、非特許文献2,3参照)。
特開平7−302694号(図1、図3) 菅井秀郎編集、大江一幸著、「プラズマエレクトロニクス」、株式会社オーム社、平成12年8月25日(2000年)発行、第6章 S. Shinohara, S. Takechi and Y. Kawai, "Effects of the Axial Magnetic Field and Faraday Shield on the Characteristics of RF Produced Plasma Using a Spiral Antenna", Jpn. J. Appl. Phys., 1996, Vol.35 Pt.1, No.8, pp. 4503-4508 篠原俊二郎、「ヘリコン波による高密度プラズマ生成の最近の話題」、プラズマ・核融合学会誌、2002年1月、Vol.78、No. 1 、pp.5-18
従来のICPやヘリコン波プラズマ装置などの高周波プラズマ装置においては、プラズマを大型化しようとする場合には、例えば、プラズマの軸方向のプラズマ密度分布を平坦・均一にするために、ヘリカルアンテナ部に印加する磁界と、プラズマ容器内の磁界をどのように印加したらよいか、最適な磁場配位が明らかになっていないという課題がある。
また、半導体装置や液晶表示装置の製造にICPやヘリコン波プラズマを応用する場合には、プラズマの高密度化と共に、基板が載置される面内での均一性が要求される。しかしながら、基板が載置されるプラズマ容器内の軸方向に対して垂直な面内(以下、径方向と呼ぶ)である径方向プラズマ密度分布は、その制御方法が明確になっていないという課題がある。
また、高周波プラズマを励起するスパイラルアンテナなどを大型化すると、アンテナインピーダンスの実部が非常に低抵抗であるのに対して、その虚部のインダクタンス分が大きくなるため、給電電圧が上昇することや、特に高い周波数領域でインピーダンス整合が取りにくくなるという課題がある。
このように、ICPやヘリコン波プラズマを用いた高周波プラズマ装置においては、プラズマの大型化や径方向のプラズマ密度分布を考慮した高周波プラズマ装置は知られていない。
本発明は上記課題に鑑み、プラズマの大型化や径方向のプラズマ密度分布を制御でき高周波プラズマの発生方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の高周波プラズマの発生方法は、高周波プラズマとなるガスが導入される反応室と、反応室の外部に設けられ磁場を印加する磁石と、反応室の端部に設けられるプラズマ発生用アンテナと、アンテナへ高周波電力を印加する高周波発振器と、から成る高周波プラズマ装置を用い、磁石を主磁石と副磁石とで構成し、副磁石を反応室の端部側に配置し、反応室内に形成される磁場を、一様磁場、発散磁場、収束磁場、カスプ磁場の何れかまたは磁場の何れか二種以上の組み合わせとし、磁石により反応室の軸方向の磁束密度分布をその中心部において平坦にすると共に、高周波電力の周波数fを、アンテナ近傍の磁場により決まる電子サイクロトロン周波数f1と、反応室の中央部に印加される磁場により決まる電子サイクロトロン周波数f2とに対して、f<f1/10及びf2/10とし、かつ、上記プラズマとなるガス成分によるイオンサイクロトロン周波数よりも10倍以上高い周波数とし、高周波プラズマとなるヘリコン波プラズマを発生させることにより、反応室の軸方向のプラズマ密度分布を、磁束密度分布平坦となっている軸方向の中心部において平坦にすることを特徴とする。
本発明の高周波プラズマの発生方法は、さらに、反応室内に基板が載置されるステージを備えた高周波プラズマ装置を用いることができる。
反応室の軸方向の磁束密度分布において、好ましくは、その両端部の磁場を中心部よりも低くする。
好ましくは、副磁石を電磁石とし、反応室の軸方向のプラズマ密度分布を、電磁石の電流により変化させる。副磁石を電磁石とし、反応室の径方向のプラズマ密度分布を、電磁石の電流により変化させるようにしてもよい。反応室の軸方向のプラズマ密度の最大値は、好ましくは、1×109 cm-3以上である。
反応室内に基板が載置されるステージが設けられている場合には、好ましくは、ステージにバイアス用高周波発振器を接続し、基板のバイアスを制御する。
本発明法によれば、磁場が一様磁場、発散磁場、収束磁場、カスプ磁場の何れかまたは組み合わせにより形成され、アンテナによりプラズマ励起されて、大きな容積をもつヘリコン波からなる高周波プラズマを発生することができると共に、径方向分布のプラズマ密度分布を均一性よく制御できるヘリコン波プラズマを発生することができる。
また、高周波発振器の周波数を上記のように選定すれば、大きな容積をもつヘリコン波プラズマを発生することができると共に、径方向分布のプラズマ密度分布の均一性のよいヘリコン波プラズマを発生することができる。
本発明によれば、高周波プラズマ装置において外部から印加する磁場配位を制御することにより、容積が大きく、径方向のプラズマ密度分布などを制御できる優れ高周波プラズマの発生方法を提供することができる。
以下、この発明の実施の形態を図面により詳細に説明する。
図1は本発明による高周波プラズマ装置20の第1の実施の形態の構成を模式的に示す図である。高周波プラズマ装置20は、所定の圧力の気体が導入されてプラズマを発生させる反応室1と、この反応室1の左端の所定位置に配置された石英などの窓2と、反応室1の外部に配設される磁石3と、窓部に接して反応室1外に配設されたプラズマ発生用のアンテナ4と、このアンテナ4へ高周波電力を供給する高周波発振器5と、から構成される。図中の10は、発生したICP(誘導性結合型プラズマ)やヘリコン波による高周波プラズマを示している。
反応室1の左右端部には、それぞれ、放電用ガス導入装置7と真空排気装置8が設けられている。プラズマの放電用ガス導入装置7は、放電用ガスボンベ、ガス流量を調節するためのマスフローコントーラや圧力測定のための圧力計などから構成されている。真空排気装置8は、開閉用のバルブ、油回転ポンプ、ターボ分子ポンプなどから構成される真空ポンプ、真空計などから構成され、放電用ガスを導入する前に反応室1を真空排気する。放電用ガスを導入した後の放電用ガスの導入圧力制御にも、真空排気装置8を使用してもよい。
磁石3は、例えば電磁石や永久磁石からなっている。磁場を最適化するために、磁石3は、例えば主磁石3aと副磁石3bとの複数の磁石から構成されることが好ましい。磁石が電磁石の場合には、主磁石3aと副磁石3bの巻線を同一方向として、反応室1の周囲を巻回する。電磁石3は直流電源により励磁され、後述する磁場分布(磁場配位)を反応室1に印加する。
アンテナ4は、一例としてスパイラルアンテナなどを用いることができる。以下、アンテナ4にスパイラルアンテナを用いたものとして説明する。スパイラルアンテナ4は、基本的に磁場に沿った端に配設する。即ちアンテナ面に対して法線方向が磁力線(図1のZ方向参照)と平行になるようにすればよい。スパイラルアンテナ4は、図示するように反応室1の外に石英板などの窓2を介して置くか、反応室1内の図1にて左端に置いてもよい。この場合には、スパイラルアンテナの電界成分が生じないようにスパイラルアンテナ4の周囲に絶縁物を設けるか、ファラディーシールドを設置するのが望ましい。このようなスパイラルアンテナ4は、整合器6を介して高周波発振器5と接続されている。ここで、スパイラルアンテナ4は、平面状にスパイラル状に丸型や矩形型に巻けばよい。千鳥型や梯子型でもよい。スパイラルアンテナの外径サイズは、プラズマサイズと印加磁場配位に応じて設計すればよい。スパイラルアンテナ4は、例えば、銅管などで作製される。図示しないがスパイラルアンテナ4が銅管で構成されている場合には、管内部に冷却水を循環させて冷却することが好ましい。スパイラルアンテナ4と兼用の冷却パイプに接続した絶縁体の冷却パイプは長くして、アンテナの高周波による高電圧の影響を給水点に与えないようにする必要がある。スパイラルアンテナ4や整合器6内にこの絶縁体パイプを数周、例えば10m程度巻けばよい。
本発明の高周波プラズマ装置20を構成する磁石3,高周波発振器5,ガス導入装置7,真空排気装置8などは、制御装置9によりそれらの動作が制御されてもよい。制御装置9は、例えばパーソナルコンピュータにより構成され、反応室1に設けられる真空計、プラズマの各パラメータを検出する探針である所謂ラングミュアプローブ、磁界センサなどからの信号が入力されて、上記構成部品を制御することができる。
本発明の特徴は、高周波プラズマ装置において、容積の大きいプラズマを得るために効率のよい磁場配位を提供することにあり、以下詳しく説明する。
従来、効率のよい磁場配位は知られておらず、本発明者らが、高周波プラズマ装置における各種磁場配位とアンテナの検討を行い、プラズマの解析を行うことにより見出したものである。
図2は、本発明の高周波波プラズマ装置に用いる電磁石により反応室に生じる磁束密度分布の一例を示す図である。図2において、横軸が円筒形反応室の中心軸に於けるZ軸方向の距離を示し、縦軸が磁束密度を示している。図1に示すXYZ座標において、横軸のZ=0が図1の反応室の左端のスパイラルアンテナの設置場所であり、Z=Lが反応室の右端部を示している。
本発明の高周波プラズマ装置における磁束密度分布は、Z=0からZ=L1まで、磁束密度がB1からB2まで徐々に増加し、軸方向の中心部(L1〜L2)がほぼ平坦で値がB2の磁束密度を有し、Z=L2からZ=Lまで、磁束密度がB2からB3まで徐々に減少し、Z=LでB3の磁束密度である。
図2に示す磁束密度分布は、反応室1左端のスパイラルアンテナ4から見ると、Z=0〜Z=L1までが発散磁場、Z=L1〜L2が一様磁場、Z=L2〜Lまでが収束磁場の組み合わせともいえる。このような磁場は、一様磁場、発散磁場、収束磁場、カスプ磁場のいずれかにより形成することができる。また、この磁場は、例えば、スパイラルアンテナ4近傍を発散磁場又は収束磁場として、他の部分を一様磁場として形成してもよい。従って、磁場は、一様磁場、発散磁場、収束磁場、カスプ磁場のいずれか二種以上の組み合わせから形成してもよい。
図3はZ方向の磁場を模式的に説明する図であり、それぞれ、(a)一様磁場、(b)発散磁場、(c)収束磁場、(d)カスプ磁場である。
図示するように、(a)の一様磁場はZ方向の磁場が同じである。(b)の発散磁場はZ方向の磁場が増大し、(c)の収束磁場はZ方向の磁場が減少する。また、(d)のカスプ磁場は、発散磁場と収束磁場の組合わせであり、スパラルアンテナ4の近傍に極大値を有している磁場である。
磁石3が電磁石の場合、主電磁石3aと副電磁石3bの巻線数、巻線間隔、通電する直流電流の大きさの変更などにより、所望の磁場配位が得られるようにすることができる。所望の磁場配位を得るには、永久磁石による主磁石3aと副磁石3bの極性を変えた場合、または、主電磁石3aと副電磁石3bの方向が同じ場合で印加する直流電流の向きを互いに反対方向にした場合に生じるカスプ磁界を利用してもよい。
以上、説明したように、図2及び図3で説明した磁場配位などは、これらの一様磁界、収束磁界、発散磁界、カスプ磁界のいずれか又はこれらの磁場の二種以上の組み合わせであればよい。
次に、磁場強度及び高周波発振器の周波数fの選定について説明する。
本発明の高周波プラズマ装置における、磁場の強度は、一例として、イオンサイクロトロン周波数より十分大きく、電子サイクロトロン周波数より十分小さい領域の高周波の周波数となるように選択する。すなわち、図2の磁場分布を例にすると、高周波電力の周波数fは、スパイラルアンテナ近傍の磁場により決まる電子サイクロトロン周波数f1と、反応室1の中央部に印加される磁場B2により決まる電子サイクロトロン周波数f2に対して、fをf1及びf2よりも低くし(f<f1,f2)、かつ、プラズマガス成分によるイオンサイクロトロン周波数よりも高くなるようにする。具体例としては、高周波発振器5の周波数はイオンサイクロトロン周波数の10倍以上で、かつ、電子サイクロトロン周波数f1及びf2よりも1/10以下とすればよい。
一方、印加する磁束密度B(ガウス)と電子サイクロトロン周波数fc (MHz)は、fc =2.80×Bの関係がある。
一例として図2の磁場分布において、高周波発振器5の周波数fは、スパイラルアンテナ近傍の磁場B1及び平坦部分の磁場B2で決まる電子サイクロトロン周波数よりも十分に低い値とすることにより、ICPやヘリコン波プラズマなどの高周波プラズマを効率よく励起することができる。
ここで、例えばB1を30、60ガウスとした場合のfc は、それぞれ、84MHz、168MHzとなるので、効率良くプラズマを励起させるためには、高周波発振器のfはこれらのfc の約1/10の値である10MHz以下とすることが望ましい。
また、高周波発振器の周波数fを例えば10MHzとした場合には、スパイラルアンテナ近傍の磁場B1は、少なくとも電子サイクロトロン周波数が100MHz以上となる磁場を印加することが望ましいことになる。この際、平坦部のB2を100,150,200ガウスとした場合のfc は、それぞれ、280MHz,420MHz,560MHzとなるので、上記の高周波発振器のfが例えば約10MHzでは、f≪fc となり、ヘリコン波プラズマを効率よく励起することができる。
次に、本発明の高周波プラズマ装置において、容積の大きい高周波プラズマを得るためにスパイラルアンテナのインダクタンスを減少させる方法について説明する。図4は、スパイラルアンテナ4の形状を示す平面図である。図示するように、4巻のスパイラルアンテナ4の端部4aと4bに整合回路を介して高周波発振器が接続される。この際、スパイラルアンテナのインピーダンスは、実数部は低抵抗であるのに対して、虚数部はスパイラルアンテナの巻線によるインダクタンス成分となり高周波発振器4の周波数fとしたときに2πfLの大きさを有する。スパイラルアンテナのインピーダンスはできるだけインダクタンス成分が小さいほど、後述する高周波発振器とのインピーダンス整合が容易となるが、反応室の直径を大きくするとスパイラルアンテナのインダクタンスが大きくなり、プラズマへ十分な高周波電力を供給できなくなる。
図1に示すように、本発明の高周波プラズマ装置に用いるスパイラルアンテナは、円筒状の反応室1の左端部の窓2の部分に結合している。高周波プラズマの容積を大きくするには、反応室の軸方向を長くする場合と、円筒の断面を大きくする場合がある。円筒断面を大きくする場合には、ある程度円筒の直径に応じてスパイラルアンテナを大きくしないと、ICPやヘリコン波プラズマを効率よく発生させることができない。
図4(b)及び図4(c)は、スパイラルアンテナ4のインダクタンスを低減させるためのスパイラルアンテナ4の巻線の構成を示す断面図であり、それぞれ(b)は2本の銅管12を1つの巻線とし、(c)は扁平な銅管13を1つの巻線とすることでインダクタンスの低減化を行う例を示している。さらに、スパイラルアンテナ4のインダクタンス成分の影響を低減する方法として、高周波発振器の周波数fを低減化すればよい。
次に、本発明の高周波プラズマ装置における、スパイラルアンテナと高周波発振器の整合について説明する。
市販の高周波発振器5のインピーダンスは通常50Ωや75Ωであるので、スパイラルアンテナ4を高周波発振器に直接接続するとインピーダンス不整合となることから、スパイラルアンテナ4と高周波発振器5との間に整合回路6を挿入して、インピーダンス整合をとる必要がある。ここで、スパイラルアンテナ4のインピーダンスの実部は低いので、基本的には、ローインピーダンスから50Ωのハイインピーダンスへ変換する整合回路を使用し、Lを打ち消してインピーダンス変換できる回路が好ましい。
図5は、本発明の高周波プラズマ装置に用いるスパイラルアンテナ用の整合回路の一例を示し、図5(a)はスプリットタンク回路、図5(b)はπマッチ回路である。図において、高周波発振器の出力インピーダンスをZ0 、スパイラルアンテナ4はRとLの直列回路で示している。図5(a)のスプリットタンク回路は2つの可変容量コンデンサであるC1、C2(14、15)からなり、図5(b)のπマッチ回路は2つの可変容量コンデンサC3、C4(16、17)とインダクタンスLp18と、から構成されている。
ここで、図5(a)のスプリットタンク回路の整合条件は、高周波発振器の角周波数をωとした場合には、C1、C2は、下記の(1)式及び(2)式で与えられる。
C1=1/Z0 *1/ω*((Z0 /R)−1)0.5 (1)
C2=1/ω*1/(−(R*(Z0 −R))0.5 +ωL) (2)
さらに、必要に応じて高圧側と低圧側に直列に高周波発振器5の周波数fにおいて、十分に容量性インピーダンスの低い直流阻止用コンデンサを接続して、直流カットを行ってもよい。
次に、本発明の高周波プラズマ装置20によるプラズマ放電をさせる手順について説明する。
反応室1を真空排気装置8で所定の圧力となるまで真空排気した後に、図2で示したような磁場を印加するために磁石3に所定の電流を印加する。磁石3が永久磁石の場合にはこの操作は不要である。次に、高周波プラズマを発生させるために所定の圧力のガスをガス導入装置7より反応室1へ導入し一定の圧力となるように真空排気装置8と共に制御する。そして、スパイラルアンテナ4に整合器6を介して高周波発振器5から高周波電力を供給することにより、ICPやヘリコン波プラズマによる高周波プラズマ10を発生することができる。
高周波発振器5の出力電力が低い場合にはICPを容易に発生でき、また、高周波発振器5の出力電力が高い場合にはヘリコン波プラズマを発生できる。ここで、ICPからヘリコン波プラズマへは、高周波発振器5の出力電力の増加だけで移行できる場合もある。
この際、導入ガス圧力及びその流量は、必要とする高周波プラズマプロセスに応じて選べばよい。ガス圧力が高くなり、電子衝突周波数(イオンと中性粒子)が高周波発振器5の励起周波数fより大きくなると、ヘリコン波プラズマから磁場存在下の誘導性結合型プラズマに次第に移行する。また、ガス圧力が低い場合には、電子の中性粒子との衝突周波数が小さくなってプラズマの生成が困難となる。アルゴンガスを用いたときは、典型的な圧力として、0.1mTorrから100mTorr程度においてヘリコン波プラズマを発生させることができる。また、高周波発振器5の出力電力は、必要なプラズマ密度に応じて印加すればよく、この出力電力と共に密度は上昇する。
このように、本発明の高周波プラズマ装置では、例えば円筒形の反応室1の長軸方向の磁場配位を、スパイラルアンテナ近傍の磁場をゼロとしないで、高周波発振器の周波数fの10倍程度大きい電子サイクロトロン周波数となる磁場とし、さらに、軸方向中心部の最大磁場における電子サイクロトロン周波数が高周波発振器の周波数fの30倍から数十倍と十分に高くすればよい。
この構成によれば、反応管の外部に設けた磁石3により発生させた磁場配位により、大きな容積の高周波プラズマを効率よく発生させることができる。
次に、本発明の第2の実施の形態の高周波プラズマ装置を説明する。
図6は本発明の高周波プラズマ装置30の第2の実施の形態を模式的に示す図である。高周波プラズマ装置30は、比較的大きな直径を有するSi基板や液晶のガラス基板などの基板21に、プラズマエッチングやプラズマ堆積を行う高周波プラズマ装置である。図示するように、基板21は、ステージ22に載置されるように、図1の高周波プラズマ装置20を90°回転した構成としている。他の構成は図1と同じであるので、説明は省略する。
ステージ22は例えば、円板形状のステンレスを用いることができる。ステージ22のスパッタリングなどによる基板21の汚染防止のためには、ステージ22を石英板などで被覆するとよい。また、必要に応じて、ステージ22は、基板21の過熱防止のために冷却してもよい。ここで、ステージ22は、例えば反応室1の外部で接地しているので、ヘリコン波プラズマ装置30により高周波プラズマを発生させた場合には、基板21は、プラズマ中のイオンによる、所謂浮遊電位効果により直流電圧が発生する。
図7は、本発明による高周波プラズマ装置の第2の実施形態の変形例を模式的に示す図である。高周波プラズマ装置35は、基板21のバイアス電圧を制御できる高周波プラズマ装置である。図示するように、高周波プラズマ装置35のステージ22は高周波バイアス用発振器23を介して接地されている以外は図5と同じ構成である。
ここで、高周波バイアス用発振器23の周波数は、高周波発振器5により発生する高周波プラズマに対して影響がないような周波数に設定し、その出力電力を適宜に調整することで、基板21が載置されているステージ22の電位を浮遊電位ではなく、任意のバイアス電位となるように制御できる。例えば、高周波バイアス用発振器23の周波数は、高周波数の発振器5の周波数の1/10から1/100程度の周波数とすればよい。これにより、高周波プラズマ装置30,35において、基板の電位を浮遊バイアス電位または任意のバイアス電位となるように制御することにより、プラズマプロセスを高精度で処理できる高周波プラズマ装置を実現できる。
次に、本発明の高周波プラズマ装置の第3の実施の形態を説明する。
図8は本発明の第3の実施の形態の高周波プラズマ装置40を模式的に示す図である。この高周波プラズマ装置40は、高周波プラズマ放電が低圧力で電離しにくい場合に、電子発生部25を備えることにより予備電離を行い、高周波プラズマを効率よく生起させることができる。予備電離のための電子発生部25は、反応室1の左端のアンテナに対向しない反応室1の壁寄りに設けられており、W(タングステン)などの電子発生用ヒータ26と、引き出し電極と、ヒータ加熱用電源28と、電子引き出し用電源29から構成されている。電子発生部25は、高周波プラズマの起動時以外は、反応室1の所定の場所に設ける予備室1Aに退避できる構造となっている。プラズマに用いるガスに腐食性ガスが含まれている場合には、このような予備室1Aを設けることが望ましい。他の構成は図1と同じであるので、説明は省略する。
ここで、本発明の第1の実施の形態で説明した高周波プラズマの発生方法において、反応室1の所定のプラズマガスを導入した後で、電子発生部25から電子を発生させ、次に高周波発振器5から高周波出力を印加することにより、低圧力のガスにおいて、容易にICPやヘリコン波プラズマなどの高周波プラズマの発生させることができる。この際、一度高周波プラズマが発生したら、電子発生部分25を停止しても、高周波プラズマの放電は持続する。
この電子発生部25は、本発明の第1の実施の形態で説明したヘリコン波プラズマ装置20だけでなく、本発明の第2の実施の形態で説明したヘリコン波プラズマ装置30及び35にも適用できる。
この構成の電子発生手段を備えることにより、低圧力ガスにおいて高周波プラズマが容易に発生でき、かつ大きな容積を有して径方向分布のプラズマ密度分布が制御できるICPやヘリコン波による高周波プラズマ装置を実現できる。
次に、上述した本発明の高周波プラズマ装置の実施例1を示す。
高周波プラズマ装置は図1に示した構成であり、円筒状の反応室1は、外径が75cmで、軸方向長さが486cm、容積は約2m3 である。磁石3は主磁石と3aと副磁石3bから構成される電磁石を用いた。窓2は石英ガラスである。アンテナ4としては、スパイラルアンテナの外径が23cmで、6巻のものを使用し、整合回路6はスプリットタンク回路を用いた。高周波発振器5は周波数7MHzで最大出力が1kWである。ここで、スパイラルアンテナ4への給電は、その外側端部4bを高電位側、内側端部4aを低電位側とした(図4(a)参照)。
なお、反応室1内に設けた磁場センサ、ラングミュアプローブ、窓部などにより、磁場やプラズマ密度、励起高周波(7MHz)の磁場の空間計測、プラズマ発光などの測定を行った。
図9は実施例1の磁石3により形成される反応室1内の磁束密度分布を示す図である。主磁石3aの電流が50Aのときに、副磁石3bの電流が、それぞれ、(a)は0A、(b)は10A、(c)は20Aの場合を示している。図において、横軸は、反応室の軸方向長さ(m)を示し、スパイラルアンテナの位置が0である。縦軸は磁束密度(ガウス)である。
図9(a)に示すように、主電磁石3aが50A、副電磁石3bが0Aのときに形成される磁束密度分布は、スパイラルアンテナ近傍(Z=0)が10ガウス程度であり、中央付近の平坦部で約140ガウス、反応室1の他端において数ガウスとなっている。
図9(b)に示すように、主電磁石3aが50A、副電磁石3bが10Aのときに形成される磁束密度分布は、スパイラルアンテナ近傍が30ガウス以外は、副磁石3bに電流を流さないときとほぼ同様に、中央付近の平坦部で約140ガウス、反応室の他端において数ガウスとなっている。
図9(c)に示すように、主電磁石3aが50A、副電磁石3bが20Aのときに形成される磁束密度分布は、スパイラルアンテナ近傍が50ガウス以外は、図9(a)や図9(b)と同様な磁束密度分布である。
次に、反応室1にArガスを2mTorrの圧力で満たしたときの高周波プラズマの発生について説明する。
図10〜図13は、実施例1の高周波発振器の出力電力と得られたプラズマ密度の関係を示す図である。図において、横軸は高周波発振器の出力電力である高周波電力(W)を示し、縦軸はプラズマ密度(cm-3)である。主電磁石3aの電流を50Aと一定にし、副電磁石の電流値を変化させている。副磁石3bの電流は、それぞれ、図10が印加しない0A、図11が5A、図12が10A、図13が15Aである。また、図中の●(黒丸)はZ=37cm、▲(三角)はZ=150cm、■(四角)はZ=370cmの位置のプラズマ密度を示している。
いずれの場合も、高周波発振器の出力電力の増加と共にプラズマ密度が向上する、所謂ジャンプ現象が観察されている。
図10に示すように、副磁石3bの電流が0Aの場合には、高周波発振器の出力電力が約70W以上ではプラズマ密度のジャンプが生起し、約600Wでプラズマ密度が1×1012cm-3となっていることが分かる。
図11に示すように、副電流が5Aの場合には、高周波発振器の出力電力が約170W以上ではプラズマ密度が急増し、約220Wで1×1012cm-3を越えるプラズマ密度が得られた。このとき反応室の中央付近のZ=150cmでプラズマ密度が最大となっているが、Z=37cmとZ=370cmでほぼ同程度の値が得られ、プラズマ密度が非常に均一な高周波プラズマが得られた。
また、図12に示すように、副電流10Aの場合には、高周波発振器の出力電力が約220W以上ではプラズマ密度が急増し、約300Wで2×1012cm-3を越えるプラズマ密度が得られた。このときZ方向のプラズマ密度分布は、副電流5Aの場合と同様であった。
さらに、図13に示すように、副電流が15Aの場合には、高周波発振器の出力電力が約300W以上ではプラズマ密度が急増し、約390Wで2×1012cm-3以上のプラズマ密度が得られた。
ここで、プラズマ密度分布と励起高周波(7MHz)の磁場の空間計測などの計測により、ジャンプ現象が観測される出力電力以下のプラズマはICP、ジャンプ現象が観測される出力電力以上のプラズマはヘリコン波による高周波プラズマと推定できた。さらに、ジャンプ現象が生起する前においては、高周波電力に対してプラズマ密度が連続的に変化した。また、ジャンプ現象が生起した後も、高周波電力の増加と共に高いプラズマ密度が得られる。そして、この場合には高周波電力の増加に対するプラズマ密度の変化が大きくなるので、所望のプラズマ密度を得るためには高周波電力の正確な制御が必要であることが分かる。なお、ジャンプの前後の状態は、プラズマ密度分布と、励起高周波の磁場の空間計測、反応室に設けたプラズマ観察用窓からのプラズマ発光強度の観測などの測定により容易に判別することができる。
図14は、図10〜図13に示した副磁石3bの電流に対するプラズマ密度とジャンプ現象が生起するときの高周波電力の関係を示す図である。図において、横軸は副磁石3bの電流(A)を示し、縦軸はプラズマ密度(cm-3)及びジャンプ現象が生起するときのしきい値高周波電力(W)を示している。主電磁石3aの電流は50Aと一定である。また、図中の○(白丸)と●(黒丸)はZ=37cm、△(白三角)と▲(黒三角)はZ=150cm、□(白四角)と■(黒四角)はZ=370cmの位置における、ジャンプ現象の生起前後のプラズマ密度及びジャンプが生起するときの高周波電力を示している。
図から明らかなように、ジャンプ現象が生起するときのしきい値高周波電力は、副磁石電流の増加と共に増加した。また、ジャンプ現象が生起する前と生起した後のプラズマ密度も副磁石電流の増加と共に増加することが分かる。
図15は図13におけるZ軸の中心軸に沿う方向のプラズマ密度分布を示す図である。図において、横軸はZ軸方向距離(cm)を、縦軸はプラズマ密度(1×1012cm-3)を示している。ここで、副磁石電流は15Aであり、高周波発振器5の出力電力は390Wであり、また、Z=0がスパイラルアンテナ4の位置である。図15に示すように、スパイラルアンテナ4から反応室の内部に向かってプラズマ密度が増加し、ほぼZ=50cm以上では一定となっていることが分かる。なお、図示しないが、反応室の他端もほぼ同様の傾向を示している。Z軸方向のプラズマ密度の測定によれば、Z軸方向の中心部のプラズマ密度分布は、反応室1の全長486cmの内、約350cm程度は平坦なプラズマ密度分布となった。
図16は、図10〜図13における径方向のプラズマ密度分布を示す図である。径方向のプラズマ密度分布はZ=150cmでの測定値であり、図において、横軸は0を軸中心とする径方向距離(cm)を、縦軸はプラズマ密度の最大値で規格化した規格化プラズマ密度を示している。また、副磁石3bの電流は、図中の■(黒四角)が0A、○(白丸)が5A、□(四角)が10A、▲(黒三角)が15Aの場合を示している。
副磁石3bに電流を流さない場合は、高周波電力が42Wで4.4×1010cm-3のプラズマ密度が得られ、プラズマ密度分布のプラズマ密度が50%に低下する半値幅としては、約22cmである。一方、副磁石電流が5A〜15Aのときの高周波発振器5の出力電力は、69W〜168Wで、プラズマ密度の最大値が5.9〜9.9×1010cm-3のプラズマ密度が得られ、このときのプラズマ密度分布の半値幅としては、副磁石電流を5A〜15Aと変化させた場合に、約34cm〜29cm程度が得られた。これから、副磁石電流を0から増加させるにしたがい、径方向のプラズマ密度分布とその半値幅が変化することが分かる。
アンテナ4としてスパイラルアンテナの外径が43cmで、4巻を用いた以外は、実施例1と同じ高周波プラズマ装置を用いた。ここで、スパイラルアンテナ4への給電は、その外側端部4bを高電位側、内側端部4aを低電位側とした(図4(a)参照)。
図17は、実施例2における径方向のプラズマ密度分布を示す図である。図において、横軸は0を軸中心とする径方向距離(cm)を示し、縦軸はプラズマ密度(cm-3)を示している。主磁石3aの電流は50Aであり、副磁石3bの電流は、図中の○(白丸)が0A、●(黒丸)が16Aの場合を示している。また、Arガスは0.5mTorrの圧力であり、Z=150cmである。
副磁石3bに電流を流さない場合は、高周波電力が520Wで、1.7×1012cm-3のプラズマ密度が得られ、プラズマ密度分布の半値幅は、約16cmである。一方、副磁石電流が16Aの場合は、高周波電力が561Wで、8.5×1011cm-3のプラズマ密度が得られ、プラズマ密度分布の半値幅は、約38cmである。
副磁石3bに電流を流さない場合は、高周波電力が520Wで、1.7×1012cm-3のプラズマ密度が得られ、プラズマ密度分布の半値幅は、約16cmである。一方、副磁石電流が16Aの場合は、高周波電力が561Wで、8.5×1011cm-3のプラズマ密度が得られ、プラズマ密度分布の半値幅は、約38cmである。
副磁石電流が16Aの場合のように、比較的プラズマ密度分布が平坦となるのは、ヘリコン波プラズマにおいてはArガス圧力が低い程、またICPプラズマの状態において顕著である。これから、副磁石電流を0から増加させ、スパイラルアンテナ4近傍の磁場を増加させることにより、径方向のプラズマ密度分布が変化し、半値幅が変化することが分かる。これは、副磁石3bの電流増加により、スパイラルアンテナ4近傍の磁場が収束分布の収束度が弱くなり、一様分布に近くなることに拠る。
次に、主磁石3aの電流を変えたときの径方向のプラズマ密度分布について説明する。 図18は、実施例2における主磁石3aの電流を変えたときの径方向のプラズマ密度分布を示す図である。図において、横軸は0を軸中心とする径方向距離(cm)を示し、縦軸はプラズマ密度(×1012cm-3)を示している。図中の●(黒丸)及び□(四角)の主磁石3aの電流は、それぞれ、286A、50Aであり、副磁石3bの電流は16Aで同じ値である。主磁石3aの電流が286AのときのZ軸方向の中央付近の平坦部における磁束密度は800ガウスであり、主磁石3aの電流が50Aのそれは140ガウスである。
図から明らかなように、主磁石3aの電流が286A及び副磁石3bの電流が16Aの場合には、高周波電力が549Wで、2.5×1012cm-3のプラズマ密度が得られ、プラズマ密度分布の半値幅は、約13cmである。一方、主磁石3a電流が50A及び副磁石3b電流が16Aの場合は、高周波電力が295Wで、4×1011cm-3のプラズマ密度が得られ、プラズマ密度分布の半値幅は、約30cmである。主磁石3a電流を50Aから286Aに増大させると、プラズマ密度が増加すると共に、半値幅が低減した。
アンテナ4としてスパイラルアンテナの外径が43cmで、4巻として、内側の2巻だけを用いた以外は、実施例1と同じ高周波プラズマ装置を用いた。
スパイラルアンテナ4は、その内側2巻の内、その端部4aを高電位側として高周波電力を給電した(図4(a)参照)。
図19は実施例3における径方向のプラズマ密度分布を示す図である。図において、横軸は0を軸中心とする径方向距離(cm)を示し、縦軸はプラズマ密度(×1012cm-3)を示している。主磁石3aの電流は50Aであり、副磁石3bの電流は、図中の■(黒四角)が0A、□(白四角)が16Aの場合を示している。また、Arガスは0.5mTorrの圧力であり、Z=150cmである。
副磁石3bに電流を流さない場合は、高周波電力が255Wで、約4×1011cm-3のプラズマ密度が得られ、プラズマ密度分布の半値幅は、約23cmである。一方、副磁石3bに16Aの電流を流した場合は、高周波電力が437Wで、約5.5×1011cm-3のプラズマ密度が得られ、プラズマ密度分布の半値幅は、約36cmである。
このように、副磁石3bに電流を流した場合には、実施例2(図17参照)と同様に、電流を流さない場合に比較してプラズマ密度分布の半値幅が広くなった。
上記実施例においては、磁場分布を主電磁石3aと副磁石電流3bにより変化させたが、所望の磁場分布を1つの電磁石により実現してもよい。
実施例1乃至実施例3で説明したように、磁場分布、高周波電力、スパイラルアンテナの形状などを変えることにより、種々のプラズマ密度分布を有する高周波プラズマが得られた。これらの実施例から、プラズマ密度分布は、高周波電力の増加に従い増加することが分かる。また、ICPからヘリコン波プラズマになると推定できる所謂ジヤンプ現象が生起する高周波電力は、副磁石3bの電流を変える、即ち、磁場分布により変化することが分かる。
これから、本発明の高周波プラズマ装置において、例えば図9に示すような磁場配位を使用することにより、2m3 の大きな容積の高周波プラズマ装置において、約300Wという低電力で1×1012cm-3のプラズマ密度が得られた。また、スパイラルアンテナ4近傍の磁場強度を増すにつれて、プラズマ密度が増加し、かつ、径方向のプラズマ密度分布の半値幅などを制御することができることが分かる。
以上説明したように、実施例で得られた高周波プラズマ容積は約2m3 であり、本発明者らによる従来例の約7倍も容積が大きい。また、径方向のプラズマ密度分布の均一性が改善できる。これにより、本発明によれば、容積が大きく径方向のプラズマ密度分布がよく、かつ、制御可能なICPやヘリコン波による高周波プラズマが得られる。
本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれることはいうまでもない。所望の磁場分布を与える磁石、反応室の形状、アンテナなどの形状は、プラズマの目的に応じて、適宜設計できることはいうまでもない。
本発明による高周波プラズマ装置の第1の実施の形態の構成を模式的に示す図である。 本発明の高周波波プラズマ装置に用いる電磁石により反応室に生じる磁束密度分布の一例を示す図である。 Z方向の磁場を模式的に説明する図であり、それぞれ、(a)一様磁場、(b)発散磁場、(c)収束磁場、(d)カスプ磁場を示す。 スパイラルアンテナの形状を示す平面図及び断面図である。 本発明の高周波プラズマ装置に用いるスパイラルアンテナ用の整合回路の一例を示し、(a)はスプリットタンク回路、(b)はπマッチ回路である。 本発明による高周波プラズマ装置の第2の実施の形態の構成を模式的に示す図である。 本発明による第2の実施の形態の変形例の構成を模式的に示す図である。 本発明による高周波プラズマ装置の第3の実施の形態の構成を模式的に示す図である。 実施例1の磁石により形成される反応室内の磁束密度分布を示す図である。 実施例1の高周波発振器の出力電力と副磁石電流が0Aのときに得られたプラズマ密度の関係を示す図である。 実施例1の高周波発振器の出力電力と副磁石電流が5Aのときに得られたプラズマ密度の関係を示す図である。 実施例1の高周波発振器の出力電力と副磁石電流が10Aのときに得られたプラズマ密度の関係を示す図である。 実施例1の高周波発振器の出力電力と副磁石電流が15Aのときに得られたプラズマ密度の関係を示す図である。 図10〜図13に示した副磁石の電流に対するプラズマ密度とジャンプ現象が生起するときの高周波電力の関係を示す図である。 図13におけるZ軸の中心軸に沿う方向のプラズマ密度分布を示す図である。 図10〜図13における径方向のプラズマ密度分布を示す図である。 実施例2における径方向のプラズマ密度分布を示す図である。 実施例2における主磁石の電流を変えたときの径方向のプラズマ密度分布を示す図である。 実施例3における径方向のプラズマ密度分布を示す図である。 薄膜の堆積、エッチング等に使用される一般的な容量性結合型プラズマ発生装置を模式的に示す図である。 プラズマ処理装置に使用される一般的な誘導性結合型プラズマ発生装置を模式的に示す図である。 従来のヘリコン波プラズマ装置の一例を模式的に示す図である。
符号の説明
1 反応室
2 窓
3 磁石
3a 主磁石
3b 副磁石
4 アンテナ(スパイラルアンテナ)
4a,4b スパイラルアンテナ端部
5 高周波発振器
6 整合器
7 ガス導入装置
8 真空排気装置
9 制御装置
10 高周波プラズマ
12,13 銅管
14,15,16,17 可変容量コンデンサ
18 インダクタンス
20,30,35,40 高周波プラズマ装置
21 基板
22 ステージ
23 高周波バイアス用発振器
25 電子発生部
26 電子発生用ヒータ
27 引き出し電極
28 ヒータ加熱用電源
29 電子引き出し用電源

Claims (7)

  1. 高周波プラズマとなるガスが導入される反応室と、該反応室の外部に設けられ磁場を印加する磁石と、上記反応室の端部に設けられるプラズマ発生用アンテナと、該アンテナへ高周波電力を印加する高周波発振器と、から成る高周波プラズマ装置を用いて高周波プラズマを発生させる方法であって、
    上記磁石を主磁石と副磁石とで構成し、該副磁石を上記反応室の端部側に配置し、
    上記反応室内に形成される磁場を、一様磁場、発散磁場、収束磁場、カスプ磁場の何れかまたは該磁場の何れか二種以上の組み合わせとし、
    上記磁石により上記反応室の軸方向の磁束密度分布をその中心部において平坦にすると共に、
    上記高周波電力の周波数fを、上記アンテナ近傍の磁場により決まる電子サイクロトロン周波数f1と、上記反応室の中央部に印加される磁場により決まる電子サイクロトロン周波数f2とに対して、f<f1/10及びf2/10で、かつ、上記プラズマとなるガス成分によるイオンサイクロトロン周波数よりも10倍以上高い周波数として、上記高周波プラズマとなるヘリコン波プラズマを発生させることにより、
    上記反応室の軸方向のプラズマ密度分布を、上記磁束密度分布平坦となっている軸方向の中心部において平坦にすることを特徴とする、高周波プラズマの発生方法。
  2. 高周波プラズマとなるガスが導入される反応室と、該反応室の外部に設けられ磁場を印加する磁石と、上記反応室の端部に設けられるプラズマ発生用アンテナと、該アンテナへ高周波電力を印加する高周波発振器と、さらに、上記反応室内に基板が載置されるステージと、から成るアンテナを有する高周波プラズマ装置を用いて高周波プラズマを発生させる方法であって、
    上記磁石を主磁石と副磁石とで構成し、該副磁石を上記反応室の端部側に配置し、
    上記反応室内に形成される磁場を、一様磁場、発散磁場、収束磁場、カスプ磁場の何れかまたは該磁場の何れか二種以上の組み合わせとし、
    上記磁石により上記反応室の軸方向の磁束密度分布をその中心部において平坦にすると共に、
    上記高周波電力の周波数fを、上記アンテナ近傍の磁場により決まる電子サイクロトロン周波数f1と、上記反応室の中央部に印加される磁場により決まる電子サイクロトロン周波数f2とに対して、f<f1/10及びf2/10で、かつ、上記プラズマとなるガス成分によるイオンサイクロトロン周波数よりも10倍以上高い周波数として、上記高周波プラズマとなるヘリコン波プラズマを発生させることにより、
    上記反応室の軸方向のプラズマ密度分布を、上記磁束密度分布平坦となっている軸方向の中心部において平坦にすることを特徴とする、高周波プラズマの発生方法。
  3. 前記反応室の軸方向の磁束密度分布において、その両端部の磁場を中心部よりも低くすることを特徴とする、請求項1又は2に記載の高周波プラズマの発生方法。
  4. 前記副磁石を電磁石とし、前記反応室の軸方向のプラズマ密度分布を、該電磁石の電流により変化させることを特徴とする、請求項1又は2に記載の高周波プラズマの発生方法。
  5. 前記副磁石を電磁石とし、前記反応室の径方向のプラズマ密度分布を、該電磁石の電流により変化させることを特徴とする、請求項1又は2に記載の高周波プラズマの発生方法。
  6. 前記反応室の軸方向のプラズマ密度の最大値が、1×109 cm-3以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の高周波プラズマの発生方法。
  7. 前記ステージにバイアス用高周波発振器を接続し、前記基板のバイアスを制御することを特徴とする、請求項に記載の高周波プラズマの発生方法。
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