JP4069246B2 - 濾過膜モジュール束用多分岐管 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも一端部が筒状である3本以上の濾過膜モジュール束を主配管に液密に接続し得る濾過膜モジュール束用多分岐管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、浄水処理、下水処理、産業排水処理等における固液分離は、凝集沈殿槽、重力沈殿槽等を用いて行われていた。しかしながら、近年では、膜技術の発達により濾過膜モジュールを用いて被処理水を固液分離する方法が採用されるに至っている。
【0003】
即ち、懸濁物質を含む被処理水を加圧、水頭差或いは吸引圧等の膜間差圧を与えて濾過膜モジュールにより濾過を行い、得られた濾過水が濾過膜モジュールの外部に引き出される。
【0004】
このような方法によれば、被処理水中の懸濁物質は、濾過膜モジュールの供給側に固形分として残り、濾過膜モジュールの透過側において、除濁、除菌された清浄な濾過水が得られる。
【0005】
このような膜分離装置においては、濾過膜モジュールへ被処理水を送水したり、或いは、濾過膜モジュールにより得られた濾過水を集水するために濾過膜モジュールの被処理水入口及び濾過水出口は、被処理水用配管及び濾過水用配管へ各々接続されている。
【0006】
この時、これ等の配管へ接続される濾過膜モジュールにおいて、隣り合う濾過膜モジュールの間隔が広いと膜分離装置の設置床面積あたりの膜面積、即ち、膜充填密度が小さくなる。
【0007】
この結果、処理水量が増加するほど、即ち、必要な濾過膜モジュールの本数が増加するほど、膜分離装置の設置床面積が大きくなり膜分離装置が大型化する。また、各濾過膜モジュールを各々被処理水用配管及び濾過水用配管に接続すると、濾過膜モジュールの本数分の接続個所が必要であり、また、各配管との接続部品点数も増加するため膜分離装置のメンテナンス作業等が煩雑になる。
【0008】
このような問題に鑑み、設置床面積あたりの膜面積、即ち、膜充填密度を高めるため矩形型濾過膜モジュールを縦方向に数段積み重ねた濾過膜ユニットが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0009】
また、4本の濾過膜モジュールを正方形の角部に配置して1組とした濾過膜ユニットを複数個配置した膜分離装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0010】
また、タンク或いはケース内に管板等を用いて正三角形状に濾過膜モジュールを配置した膜分離装置が開示されている(例えば、特許文献3〜6参照。)。
【0011】
【特許文献1】
特開平11−314026号公報
【特許文献2】
国際公開第00/62908号パンフレット
【特許文献3】
特公昭64−5925号公報
【特許文献4】
特開平9−38470号公報
【特許文献5】
特開平7−8763号公報
【特許文献6】
特開2001−137670号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の従来例において、特許文献1、2に開示されている濾過膜モジュールの配置方法では、濾過膜モジュールが最密充填の位置に配置されておらず膜充填密度が十分ではないため処理水量が増加するほど膜分離装置が大型化するという問題を解決するには至っていない。
【0013】
また、特許文献3〜6に開示されているタンクまたはケース内に正三角形状に濾過膜モジュールを配置した膜分離装置では、管板と濾過膜モジュールを液密にするために多数のボルト及び専用治具により濾過膜モジュールを固定しなければならず多数の接続部品が必要である。また、ボルトや専用治具を使用するため濾過膜モジュールの間隔を密にすることが困難である。
【0014】
また、部品点数が多いため膜分離装置の維持管理が煩雑である。また、正三角形状に配置するための管板等に精密な加工をする必要があり装置製作コストが上昇する。また、多数本の濾過膜モジュールを同一の管板で支持する場合、管板に十分な強度を確保する必要があり非常に重厚な膜分離装置となってしまうという問題があった。
【0015】
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、複数の濾過膜モジュールを充填密度の高い位置に容易に配置出来、膜充填密度を最大限まで高めることにより膜分離装置を小型化し、また、濾過膜モジュールと主配管との接続部品点数を少なくすることにより膜分離装置のメンテナンスが容易になり、更には、濾過膜モジュールと主配管との接続部分の損失水頭を小さくすることによりエネルギー損失を小さく出来る濾過膜モジュール束用多分岐管を提供せんとするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明に係る濾過膜モジュール束用多分岐管は、少なくとも一端部が筒状である3本以上の濾過膜モジュール束を主配管に液密に接続し得る濾過膜モジュール束用多分岐管であって、一端が前記主配管に連結される主管部と、前記主管部の他端から分岐した複数の分岐管部とを有し、前記分岐管部の夫々の先端部は同方向で、且つ前記濾過膜モジュールの筒状端部との連結部を構成し、該先端部の中心を通る複数の中心軸と、該中心軸に垂直な平面との交点を結んでなる多角形が、最隣接の中心軸間距離を一辺の長さとする正三角形の組み合わせから構成されることを特徴とする。
【0017】
本発明は、上述の如く構成したので、濾過膜モジュール束用多分岐管の各分岐管部の先端部が隣り合う3本以上の濾過膜モジュールの端部に接続されており、該分岐管部の先端部が正三角形の頂点にある多分岐管を用いることにより濾過膜モジュールを充填密度の高い位置に容易に配置出来、且つ各濾過膜モジュールの間隔を密にすることにより膜充填密度を最大限まで高めることが出来、これにより膜分離装置を小型化出来る。
【0018】
また、前記主管部の中心軸と、前記分岐管部の先端部の中心を通る複数の中心軸に垂直な平面との交点は、前記先端部の中心を通る複数の中心軸と、該中心軸に垂直な平面との交点を結んでなる多角形において該多角形を線対称に区分する線対称軸上にあり、且つ前記多角形の各頂点から前記線対称軸上に引いた垂線で区切られる最長の線分の中点に位置する場合には、配列された複数の膜濾過モジュール束用多分岐管の主管部を直線上に配列することが容易に出来、主配管と膜濾過モジュール束用多分岐管の主管部とを直管で接続することが出来るため損失水頭を低減することが出来る。
【0019】
【発明の実施の形態】
図により本発明に係る膜濾過モジュール束用多分岐管の一実施形態を具体的に説明する。図1及び図2は本発明に係る濾過膜モジュール束用多分岐管を用いて3本、或いは4本の濾過膜モジュールを1組とした濾過膜ユニットの一例を示す平面説明図、図3は図1及び図2に示す濾過膜ユニットの側面説明図、図4は本発明に係る濾過膜モジュール束用多分岐管を用いて3本の濾過膜モジュールを1組とした濾過膜ユニットを多数配列した様子を示す平面模式図、図5は比較例を示す図である。
【0020】
本発明に係る膜濾過モジュール束用多分岐管(以下、単に「多分岐管」という)は、例えば、河川水、湖沼水、地下水、海水、生活排水、工場排水、下水二次処理水等の被処理水を膜分離により除濁、除菌する濾過膜モジュールを用いて、各濾過膜モジュールより得られる濾過水を複数本分一括して集水したり、或いは、被処理水を複数本の濾過膜モジュールへ一括して送水するための濾過膜モジュール束用多分岐管である。
【0021】
図1は、3本の濾過膜モジュール2を多分岐管1Aにより連結した濾過膜ユニットAを上から見た平面図であり、図2は4本の濾過膜モジュール2を多分岐管1Bにより連結した濾過膜ユニットBを上から見た平面図である。
【0022】
また、図3は図1及び図2に示す各多分岐管1A,1Bと連結される側の濾過膜モジュール2の上部ヘッダがキャップ5によるネジ込み式構造を有しており、且つ濾過膜モジュール2において各多分岐管1A,1Bと連結していない側が専用の固定治具6により固定されている濾過膜ユニットA,Bの一例を示す概略図である。
【0023】
ここで、濾過膜ユニットA,Bとは複数本の濾過膜モジュール2を多分岐管1A,1Bを用いて束ねた構成単位のことである。多分岐管1A,1Bは少なくとも一端部が円筒状、角筒状等の筒状である3本、或いは4本(3本以上)の濾過膜モジュール2束を主配管4に液密に接続し得るものであり、一端が主配管4に連結される主管部7と、該主管部7の他端から分岐した複数の分岐管部3とを有している。
【0024】
図1〜図3に示すように、分岐管部3の夫々の先端部は同方向(図3の上下方向)であって濾過膜モジュール2の筒状端部との連結部を構成し、該先端部の中心を通る複数の中心軸3mと、該中心軸3mに垂直な平面との交点を結んでなる多角形が、最隣接する中心軸3m間の距離を一辺の長さとする正三角形の組み合わせから構成されるように設定されている。
【0025】
また、主管部7の中心軸7mと、分岐管部3の先端部の中心を通る複数の中心軸3mに垂直な平面との交点は、中心軸3mと該中心軸3mに垂直な平面との交点を結んでなる多角形において該多角形を線対称に区分する線対称軸s上にあり、且つその多角形の各頂点から線対称軸s上に引いた垂線で区切られる最長の線分の中点に位置するように設定されている。
【0026】
例えば、図1に示す濾過膜ユニットAは、多分岐管1Aを用いて3本の濾過膜モジュール2を1組とし、多分岐管1Aの各分岐管部3a,3b,3cと接続された各濾過膜モジュール2の中心軸と一致する各分岐管部3a,3b,3cの夫々の先端部3a1,3b1,3c1の中心軸3ma,3mb,3mcが正三角形8の頂点に配置された一例である。
【0027】
各分岐管部3a〜3cが接続される主管部7の中心軸7mは、各濾過膜モジュール2と接続された各分岐管部3a〜3cの先端部3a1〜3c1の中心軸3ma,3mb,3mcと、該中心軸3ma,3mb,3mcと垂直な平面との交点を結んでなる正三角形8において、その正三角形8の線対称軸s上にあり、且つその正三角形8の各頂点から線対称軸s上に引いた垂線a,bで区切られる最長の線分8aの中点に位置している。
【0028】
一方、図2に示す濾過膜ユニットBは、多分岐管1Bを用いて4本の濾過膜モジュール2を1組とし、多分岐管1Bの各分岐管部3d,3e,3f,3gと接続された各濾過膜モジュール2の中心軸と一致する各分岐管部3d〜3gの夫々の先端部3d1,3e1,3f1,3g1の中心軸3md,3me,3mf,3mgが正三角形を2つ組み合わせた菱形9の頂点に配置された一例である。
【0029】
各分岐管部3d〜3gが接続される主管部7の中心軸7mは、各濾過膜モジュール2と接続された各分岐管部3d〜3gの先端部3d1〜3g1の中心軸3md,3me,3mf,3mgと、該中心軸3md,3me,3mf,3mgと垂直な平面との交点を結んでなる菱形9において、その菱形9の線対称軸s上にあり、且つその菱形9の各頂点から線対称軸s上に引いた垂線a,bで区切られる最長の線分9aの中点に位置している。
【0030】
ここで、多分岐管に連結する濾過膜モジュール2の本数は任意の数で良いが、5本以上の濾過膜モジュール2を多分岐管を用いて濾過膜ユニットにすると、濾過膜モジュール2を連結するための多分岐管の形状が複雑になり、多分岐管の損失水頭が増加してしまう。
【0031】
また、メンテナンス時には、多数本の濾過膜モジュール2を同時に停止させる必要があり、メンテナンス作業等が煩雑になってしまう。
【0032】
一方、2本の濾過膜モジュール2を1組とした濾過膜ユニットとすると、多分岐管と主配管4の接続点数が増加するため配管製作等が困難となる。また、接続に必要な部品点数が増加してしまう等の問題がある。
【0033】
このため、濾過膜ユニットを構成する濾過膜モジュール2の本数としては、好ましくは3本或いは4本で、より好ましくは3本であることが望ましい。即ち、多分岐管の主管部7から分岐した分岐管部3の数が3或いは4であることが好ましく、より好ましくは3であることが望ましい。
【0034】
図3は、多分岐管1A,1Bと、濾過膜モジュール2及び主配管4との連結方法の一例を示したものである。多分岐管1A,1Bと濾過膜モジュール2との連結方法としては、両者を直接連結する方法、或いは、図3に示すように、キャップ5等を介して連結する方法のいずれでも良いが、濾過膜モジュール2の脱着の容易さからキャップ5等を介して連結する方法が望ましい。
【0035】
濾過膜モジュール2とキャップ5の連結方法としては、隣設される濾過膜モジュール2相互の間隔が密に出来るものであれば特に限定されないが、ネジ込み式の構造が濾過膜モジュール2を密に構成することが出来るため望ましい。
【0036】
更に、濾過膜モジュール2を取り付けたキャップ5と、多分岐管1A,1Bとの接続方法としては、フランジ接続、クランプ接続、ヘルール接続、ヴィクトリックジョイント接続、ネジ接続等があるが、隣設される濾過膜モジュール2相互の間隔が密に出来るものであれば特に限定されない。
【0037】
また、多分岐管1A,1Bと、濾過膜モジュール2とを直接接続する場合においても略同様な接続用治具を用いれば良い。多分岐管1A,1Bと主配管4との接続方法としては、両者を溶接等により直接固定する方法、或いは、フランジ接続、クランプ接続、ヘルール接続、接続長さを変えられる接続(例えば、ヴィクトリックジョイント接続)等による脱着可能な方法のいずれでも良い。
【0038】
更には、隣設される濾過膜モジュール2相互の間隔が密になった濾過膜ユニットA,Bにおいては、濾過膜モジュール2同士が接触することにより破損する恐れがあるため固定治具6等により濾過膜モジュール2下部を固定することが好ましい。
【0039】
図3に示す濾過膜モジュール2は、筒形状の中空糸膜の下端部が接着固定されて閉塞され、上端部が開口されたものであり、接着固定される下端部の断面形状としては、円形の他、三角形、四角形、六角形、楕円形等であっても良いが、特に膜充填密度を高く出来る円形が好ましい。
【0040】
また、濾過膜モジュール2に用いる中空糸膜としては、ナノ濾過膜、限外濾過膜、精密濾過膜のいずれでも良い。
【0041】
図3に示す濾過膜ユニットA,Bは多数組み連結されて槽10、或いはタンク内に収容されており、例えば、主配管4から供給される原液が多分岐管1A,1Bにより各濾過膜モジュール2に分岐されて流通し、中空糸膜を通って濾過された濾過液が槽10或いはタンク内部に貯留され、図示しない排出口から取り出されるか、または、図示しない供給口からタンク内に原液が供給されて各濾過膜モジュール2の中空糸膜を通って濾過された濾過液が多分岐管1A,1Bにより集液されて主配管4から外部に排出される。
【0042】
上記構成の多分岐管1Aを使用して主配管4に接続した場合、図4に示すように、多分岐管1Aの主管部7が接続される主配管4の分岐管部4aの配列位置を一直線上に配列することが可能であり、多分岐管1Aの主管部7と、主配管4の分岐管部4aとを損失水頭が少ない直管により接続することが容易に出来る。
【0043】
また、図示しないが、多分岐管1Bを使用して主配管4に接続した場合も同様に主配管4の分岐管部4aの配列位置を一直線上に配列することが可能であり、多分岐管1Bの主管部7と、主配管4の分岐管部4aとを損失水頭が少ない直管により接続することが容易に出来る。
【0044】
ここで、比較例として、図5に示すように、各濾過膜モジュール2の中心軸と、該中心軸と垂直な平面との交点を結んでなる正三角形8の重心位置に多分岐管1Aの主管部7の中心軸7mを設定した場合には、配列された多分岐管1Aの主配管4の位置が千鳥状に配列されてしまう。
【0045】
このため、多分岐管1Aの主管部7と主配管4の分岐管部4aとをエルボ等の管継手を用いて接続しなければならず直管と比較して損失水頭が大きくなるという問題がある。
【0046】
以下、濾過膜モジュール2を最密充填の位置に容易に配置出来、且つ濾過膜モジュール2の間隔を密にすることにより膜充填密度を最大限まで高めて膜分離装置を小型化出来る濾過膜モジュール束用多分岐管の具体的な実施例を詳細に説明する。
【0047】
<実施例1>
図1に示した多分岐管1Aを用いて該多分岐管1Aの分岐管部3a〜3cと濾過膜モジュール2の濾過水出口を接続し、3本の濾過膜モジュール2を1組とした16個の濾過膜ユニットAを用いて該濾過膜ユニットAを8個ずつ2本の濾過水用配管に接続した。
【0048】
上記膜分離装置を上部端面の形状が長方形である槽10内へ直接設置した。使用した濾過膜モジュール2は、概略寸法で直径6インチ(約15.24cm)、長さ2mであり、ポリフッ化ビニリデン製の公称孔径0.1μmの中空糸型精密濾過膜を膜面積50m2に束ねたものを用いた。
【0049】
また、濾過膜モジュール2のキャップ5はネジ込み式構造を有するものを使用した。膜分離装置が設置された槽10のサイズは2330mm×680mmである。この膜分離装置の全膜面積は2400m2であり、設置床面積は1.58m2となる。
【0050】
従って、設置床面積あたりの膜面積、即ち、膜充填密度は1515m2/m2(設置床面積1m2あたり膜面積が1515m2ある)である。これは、多分岐管1Aを用いることにより、濾過膜モジュール2を最密充填の位置に配置出来、且つ濾過膜モジュール2のキャップ5がネジ込み式構造を有することにより、隣設される濾過膜モジュール2の相互の間隔を密に出来るため膜分離装置を小型化出来た。
【0051】
<比較例1>
前述した特許文献2に開示されたように、多分岐管の分岐管部の先端部が正方形の頂点にある多分岐管を用いて各分岐管部と濾過膜モジュール2の濾過水出口を接続し、4本の濾過膜モジュール2を1組とした12個の濾過膜ユニットを用いて各濾過膜ユニットを6個ずつ2本の濾過水用配管に接続した。
【0052】
上記膜分離装置を上部端面の形状が長方形である槽10内へ直接設置した。使用した濾過膜モジュール2は、中空糸膜、膜面積等は前記実施例1と同じであるが、濾過膜モジュール2の上部ヘッダが前述した特許文献2と同様にネジ込み式構造を持たないものを使用した。
【0053】
この多分岐管を用いた場合、濾過膜モジュール2は最密充填の位置に配置されず、且つ、濾過膜モジュール2の間隔も密にはならない。膜分離装置が設置された槽10のサイズは2800mm×930mmである。この膜分離装置の全膜面積は2400m2であり、設置床面積は2.61m2となる。
【0054】
従って、設置床面積あたりの膜面積、即ち、槽10内の膜充填密度は920m2/m2(設置床面積1m2あたり膜面積が920m2ある)であり、前記実施例1の膜充填密度と比べて約40%小さかった。これは、濾過膜モジュール2が最密充填の位置に配置出来ないこと、及び濾過膜モジュール2の上部ヘッダがネジ込み式構造になっていないことにより隣設される濾過膜モジュール2相互の間隔が広くなったためである。
【0055】
<比較例2>
各濾過膜モジュール2の中心軸と、該中心軸と垂直な平面との交点を結んでなる正三角形8の重心位置に主管部7の中心軸7mを設定した多分岐管を用いて、各分岐管部3a〜3cと濾過膜モジュール2の濾過水出口を接続し、3本の濾過膜モジュール2を1組とした6個の濾過膜ユニットを直線上に配列した例を図5に示す。
【0056】
ここで用いた多分岐管の主管部7に接続される主配管4は呼び径75mmの配管を用いた。また、各多分岐管の分岐管部3a〜3cに接続した濾過膜モジュール2は、中空糸膜、膜面積等は前記実施例1と同じである。
【0057】
この多分岐管を用いた場合、濾過膜モジュール2は最密充填の位置に配置され、且つ、濾過膜モジュール2の間隔も密になるが、図5に示すように、各主管部7の位置が交互にずれるため、主配管4の分岐管部4aとはエルボ等の管継手により接続しなければならず、エルボ等の管継手は直管に比べて損失水頭が大きくなるという問題がある。
【0058】
例えば、呼び径75mmの90゜エルボの場合、相当する直管管長は3.0mであり、呼び径75mmの45゜エルボの場合、相当する直管管長は1.8mになる。即ち、図5に示した装置の場合、6箇所に呼び径75mmの45゜エルボが必要であり、相当管長は10.8mとなるため損失水頭が増加した分だけ余分なポンプ動力が必要となる。
【0059】
【発明の効果】
本発明は、上述の如き構成と作用とを有するので、濾過膜モジュールを最密充填の位置に容易に配置出来、膜充填密度を最大限まで高めることにより膜分離装置を小型化することが出来、また、濾過膜モジュールと主配管との接続部品数を少なくすることにより膜分離装置のメンテナンスが容易になり、更には、濾過膜モジュールと主配管との接続部分の損失水頭を小さくすることによりエネルギー損失を小さく出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る濾過膜モジュール束用多分岐管を用いて3本の濾過膜モジュールを1組とした濾過膜ユニットの一例を示す平面説明図である。
【図2】本発明に係る濾過膜モジュール束用多分岐管を用いて4本の濾過膜モジュールを1組とした濾過膜ユニットの一例を示す平面説明図である。
【図3】図1及び図2に示す濾過膜ユニットの側面説明図である。
【図4】本発明に係る濾過膜モジュール束用多分岐管を用いて3本の濾過膜モジュールを1組とした濾過膜ユニットを多数配列した様子を示す平面模式図である。
【図5】比較例を示す図である。
【符号の説明】
A,B…濾過膜ユニット
1A,1B…多分岐管
2…濾過膜モジュール
3,3a〜3g…分岐管部
3a1〜3g1…先端部
3m,3ma〜3mg…中心軸
4…主配管
4a…分岐管部
5…キャップ
6…固定治具
7…主管部
7m…中心軸
8…正三角形
8a…線分
9…菱形
9a…線分
10…槽
Claims (2)
- 少なくとも一端部が筒状である3本以上の濾過膜モジュール束を主配管に液密に接続し得る濾過膜モジュール束用多分岐管であって、
一端が前記主配管に連結される主管部と、
前記主管部の他端から分岐した複数の分岐管部と、
を有し、
前記分岐管部の夫々の先端部は同方向で、且つ前記濾過膜モジュールの筒状端部との連結部を構成し、該先端部の中心を通る複数の中心軸と、該中心軸に垂直な平面との交点を結んでなる多角形が、最隣接の中心軸間距離を一辺の長さとする正三角形の組み合わせから構成されることを特徴とする濾過膜モジュール束用多分岐管。 - 前記主管部の中心軸と、前記分岐管部の先端部の中心を通る複数の中心軸に垂直な平面との交点は、前記先端部の中心を通る複数の中心軸と、該中心軸に垂直な平面との交点を結んでなる多角形において該多角形を線対称に区分する線対称軸上にあり、且つ前記多角形の各頂点から前記線対称軸上に引いた垂線で区切られる最長の線分の中点に位置することを特徴とする請求項1に記載の濾過膜モジュール束用多分岐管。
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