JP4067145B2 - 塗料用ラテックス - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、揮発性有機化合物を含まないか、または極く僅かしか含まない、ペイントなどの水稀釈可能な塗料組成物の製造に使用されるラテックスの合成に関する。
【0002】
【従来の技術】
大半の常用の塗料樹脂は水に溶けない。それ故、実際には、基材表面に塗布するのに適した塗料組成物を調製するために、樹脂を適当な有機溶剤に溶かすか、乳化剤若しくは界面活性剤の助けで水に分散させる。有機溶剤溶液の重大な欠点は、それらが毒性で、燃えやすく、そして環境汚染物質である可能性があることである。水稀釈可能な塗料(water reducible coatings)はこれらの問題の重大さを大幅に減らす。この理由から、水系ペイントは、現在、多くの用途でオイル系塗料の代わりに用いられている。
【0003】
米国特許第4,474,926号明細書に記載されているような、各種の水稀釈可能な塗料のための樹脂が開発された。そのような樹脂を利用する水稀釈可能な塗料が多様な目的に応じて開発され、ハイウエイ横線ペイント(highway striping paint)のような多くの用途に広く採用されている。
【0004】
米国特許第4,968,741号明細書には、改善された防食性および防錆性を示す金属基材用の塗料が記載されている。このような塗料は水稀釈タイプであって、自動車工業および優れた防錆性が要求される他の用途で便利に使用されている。例えば、このような塗料は橋梁および他の戸外金属構造物用に素晴らしい性能を示す。しかし、米国特許第4,968,741号明細書に記載されている水稀釈可能な塗料組成物は、まだ、エチレングリコール・n‐ブチルエーテルのような凝集溶媒を含んでいる。かくして、この組成物は、塗布される基材の表面に塗装された後この塗料組成物が乾燥される時、大気中に蒸発する揮発性有機化合物を含むことになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
環境上の立場から、凝集溶媒のような揮発性有機溶媒を実質的に含んでいない水稀釈可能な塗料調合物が強く要望されるであろう。しかし、このような水稀釈可能な塗料調合物で作られた塗料は、希望される物理的性質と化学的性質の組合せを提供することも基本的に重要である。例えば、多くの用途でその塗料にとって重要なことは極めて優れた可撓性と紫外線耐久性および良好な耐水性を示すことである。金属基材を含む用途では、普通、顕著な防食性および防錆性も求められる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本出願の目的では、水性塗料系は樹脂が水中にコロイド分散されていると考えられもので、これは水を加えることにより薄めることができ、基材表面に塗布した時耐久性の塗膜を生成する。この水性塗料系という用語は、本明細書では、水稀釈可能な塗料という用語と互換的に用いられる。水稀釈可能塗料にしばしば用いられる他の名前は、水生(water born)、水可溶化(water solubilized)、および水で稀釈できる(water dilutable)と言う用語である。
【0007】
本発明は、揮発性有機化合物を含まないか、または極く僅かしか含まない、ペイントなどの水稀釈可能な塗料組成物の製造に使用されるラテックスの合成に関する。本発明のラテックスで調合されている塗料は、環境的利点に加えて、極めて優れた可撓性と紫外線耐久性および良好な耐水性を提供する。本発明のラテックスにより、顕著な防食性および防錆性を付与する、金属基材用の塗料調合物を作ることもできる。
【0008】
本発明は、更に具体的には、
(1)100重量パーセントの単量体を基に(a)約30から約70重量パーセントの芳香族ビニル単量体、(b)約25から約65重量パーセントのエチルヘキシルアクリレート、(c)約1から約5重量パーセントのアクリル酸および(d)約0.4から約3重量パーセントのメタクリル酸を含んでなる単量体混合物を約3.5以下のpHで重合してラテックスを生成させる水系ラジカル乳化重合工程にして、少なくとも一種のリン酸エステル系界面活性剤約0.5から約4phmの存在下、および約12以下の親水‐親油バランス価を有する非イオン系界面活性剤、脂肪アルコール、およびエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体であるポリオールより成る群から選ばれる少なくとも一種の水不溶性の非イオン系界面活性剤約0.5から約4phmの存在下で行われる該乳化重合工程;および
(2)そのラテックスをアンモニアで約7から約10.5の範囲内のpHまで中和して中和ラテックスを生成させる工程;
を含んでなる、水稀釈可能な塗料の製造に有用である中和ラテックスを製造する方法を開示するものである。
【0009】
本発明では、また、(1)水;(2)100重量パーセントの単量体を基に(a)約30から約70重量パーセントの芳香族ビニル単量体、(b)約25から約65重量パーセントの2−エチルヘキシルアクリレート単量体、(c)約1から約5重量パーセントのアクリル酸および(d)約0.4から約3重量パーセントのメタクリル酸から誘導される繰返単位を有する樹脂;(3)湿潤剤;および(4)消泡剤を含んでなる水稀釈可能な塗料組成物も開示される。
【0010】
本発明の詳しい説明
この発明のラテックスはラジカル乳化重合で合成される。本発明のラテックスの製造に用いられる仕込み組成物は、複数の単量体、少なくとも一種のリン酸エステル系界面活性剤、少なくとも一種の水溶性非イオン系界面活性剤および少なくとも一種のラジカル開始剤を含んでいる。この重合に用いられる仕込み単量体組成物は(a)約30から約70重量パーセントの芳香族ビニル単量体、(b)約25から約65重量パーセントの2‐エチルヘキシルアクリレート、(c)約1から約5重量パーセントのアクリル酸および(d)約0.4から約3重量パーセントのメタクリル酸から成る。合成されるこの重合体では、約40から約60重量パーセントの芳香族ビニル単量体、約35から約55重量パーセントの2‐エチルヘキシルアクリレート、約1から約3重量パーセントのアクリル酸および約0.6から約2重量パーセントのメタクリル酸を含んでなることが望ましい。この重合体では、約47から約57重量パーセントの芳香族ビニル単量体、約40から約50重量パーセントの2‐エチルヘキシルアクリレート、約1.5から約2.5重量パーセントのアクリル酸および約0.8から約1.5重量パーセントのメタクリル酸を含んでなることがより望ましい。
【0011】
使用される芳香族ビニル単量体に含まれるのは、スチレン、α‐メチルスチレンおよびビニルトルエンである。望ましい芳香族ビニル単量体はスチレンとα‐メチルスチレンである。スチレンは価格が比較的安いので、最も推奨される芳香族ビニル単量体である。
【0012】
本発明のラテックスの製造に用いられる仕込み組成物は実質的な量の水を含んでいる。仕込み組成物中に存在する単量体の総量と水の比は約0.2:1と約1.2:1の間の範囲である。一般に、その仕込み組成物中の単量体と水の比は約0.8:1から約1.1:1の範囲であるのが望ましい。例えば、約1:1の比で仕込み組成物中の単量体と水を用いるのが非常に望ましい。
【0013】
この仕込み組成物は約0.5phm(単量体100部当たりの部数)から約4.0phmの少なくとも一種のリン酸エステル系界面活性剤も含んでいる。普通、このリン酸エステル系界面活性剤は約1phmから約3.5phmの範囲の水準で重合媒体中に存在するのが望ましい。一般に、この仕込み組成物で、約2から約3phmのリン酸エステル系界面活性剤を含むことがより望ましい。
【0014】
本発明で用いられるリン酸エステル系界面活性剤は多様な供給源から市場を通して入手できる。例えば、GAF社(GAF Corporation)はガファック(Gafac:登録商標)RE-419、ガファックCD-169およびガファックDP-100という商品名でリン酸エステル系界面活性剤を販売している。市場から入できる他のリン酸エステル系界面活性剤は、インドイル(Indoil:登録商標)[BASF ワイアンドット社(BASF Wyandotte Corporation)]、エムフォス(Emphos:登録商標)[ウィトコ・ケミカル社(Witco Chemical Corporation)]、サイクロフォス(Cyclophos:登録商標)[サイクロケミカル社(Cyclochemical Corporation)]、トライファック(Tryfac:登録商標)[エメリー インダストリーズ社(Emery Industries)]およびアルカメット(Alcamet:登録商標)[ロンザ社(Lonza Inc.)]である。
【0015】
本発明の方法で用いられるリン酸エステル系界面活性剤は次の構造式:
【化1】
Figure 0004067145
【0016】
(式中、Rは、アルキル基、若しくはアリール基である。)
を有する。Rは、一般に、約4から約40個の炭素原子を含んでいる。このリン酸エステル系界面活性剤は部分的に中和された塩の形であるのが望ましい。二塩基性塩と同様に、一塩基性塩と非イオン化合物も使用できる。例えば、望ましいリン酸エステル系界面活性剤であるガファックRE‐410は、(1)次の構造式:
【化2】
Figure 0004067145
【0017】
を有する二塩基性塩、(2)次の構造式:
【化3】
Figure 0004067145
【0018】
を有する一塩基性塩、および(3)次の構造式:
【化4】
Figure 0004067145
【0019】
を有する非イオン化合物の複合混合物である。
【0020】
ガファックRE-410の場合、nは4であり、そしてRはノニルフェノールである。
【0021】
本発明のラテックスの製造に用いられる仕込み組成物は約0.5phmから約4phmの、少なくとも一種の水に不溶な非イオン系界面活性剤も含んでいる。この水不溶性非イオン系界面活性剤は約1phmから約3.5phmの範囲内の水準で重合体媒体中に存在するのが望ましく、そして約2phmから約3phmの範囲の量存在するのがより望ましい。この水不溶性非イオン系界面活性剤は、普通、脂肪アルコール若しくは非イオン性サーファクタントである。
【0022】
水不溶性非イオン系界面活性剤として使用できる脂肪アルコールは、普通、構造式がR‐OH(式中、Rは5から22個の炭素原子を含むアルキル基である)である。殆どの場合、Rは10から18個の炭素原子を含むアルキル基である。普通、推奨されるのは12から14個の炭素原子を含む脂肪アルコールである。例えば、ラウリルアルコールが、特に望ましい脂肪アルコールである。
【0023】
水不溶性の非イオン系界面活性剤は、普通、約12以下の親水‐疎水バランス(HLB)値を有している。一般に望ましいのは、HLB価が約10未満の非イオン系界面活性剤である。HLB価は界面活性剤の乳化挙動の指標になり、その分子の親水性部分と親油性(疎水性)部分とのバランスに関係する。また、HLB価は、グリフィン,W.C.(Griffin,W.C.)のJ.Soc.Cosmet.Chem.、1、311(1949)に説明されており、この文献を本明細書で引用、参照するものとする。所定の界面活性剤のHLB価は、一般に、温度が高くなると小さくなる。ここで引用されるHLB価は使用される反応温度で測定され、計算される。低レベル(1から8単位)のエチレンオキシド繰返単位を含む、水不溶性非イオン系界面活性剤が用いられる。これらの水不溶性非イオン系界面活性剤は、次の構造式:
【化5】
Figure 0004067145
【0024】
(式中、nは、1から約8の整数で、mは、約6から約12の整数である。)
を有する。普通、mは8若しくは9であるのが望ましい。このような化合物のHLB価はエチレンオキシドの導入水準が上がると増大する。このような化合物のHLB値はnの関数として次のように増大する:
【0025】
Figure 0004067145
【0026】
エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体であるポリオールも、水不溶性の非イオン系界面活性剤として用いられる。かかるポリオールは次の構造式:
【化6】
Figure 0004067145
【0027】
(式中、nとmは整数であり、m:nの比は少なくとも約5:1であり、そして式:
【化7】
Figure 0004067145
【0028】
は単量体単位の分布がランダンムであることを示している。)
【0029】
を有する。使用できるこのポリオールは、また、少なくとも約1500の分子量を有している。推奨されるポリオールは約10%以下の結合エチレンオキシド(m:nの比が少なくとも約10:1である)を含んでいる。
【0030】
重合媒体中でより多くの量のリン酸エステル系界面活性剤を使用すると、ラテックスの安定性がより良くなる。しかし、より多量のリン酸エステル系界面活性剤を使用すると、最終塗装でのかぶり(blushing)がより大きくなり、その結果防錆性と防食性がより小さくなる。より多くの量の水不溶性非イオン系界面活性剤を使用すると、ラテックスの安定性がより悪くなる。しかし、かぶりが少なくなり、そして耐水性がより大きくなる(水透過性がよりい小さくなる)。従って、仕込み組成物に用いられるリン酸エステル系界面活性剤と脂肪アルコールの量をバランスさせることが重要である。
【0031】
本発明のラテックスの合成に用いられる水系ラジカル乳化重合は少なくとも一種のラジカル発生剤で開始される。このラジカル発生剤は、通常、約0.01phmから約1phmの範囲の濃度で使用される。普通用いられるラジカル開始剤は、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化ベンゾイル、過酸化水素、ジ‐t‐ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、2,4‐ジクロロベンゾイルペルオキシド、デカノイルペルオキシド、ラウリルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、p‐メンタンヒドロペルオキシド、t‐ブチルヒドロペルオキシド、アセチルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、コハク酸ペルオキシド、ジセチルペルオキシジカーボネート、t‐ブチルペルオキシアセテート、t‐ブチルペルオキシマレイン酸、t‐ブチルペルオキシベンゾエート、アセチルシクロヘキシルスルホニルペルオキシドおよびそれらに類するもののような各種過酸素化合物;2‐t‐ブチルアゾ‐2‐シアノプロパン、ジメチルアゾジイソブチラート、アゾジイソブチロニトリル、2‐t‐ブチルアゾ‐1‐シアノシクロヘキサン、1‐t‐アミルアゾ‐1‐シアノシクロヘキサンおよびそれらに類するもののような各種アゾ化合物、および2,2‐ビス‐(t‐ブチル‐ペルオキシ)ブタンおよびそれらに類するもののような各種アルキルペルケタールである。水溶性の過酸素ラジカル開始剤がこのような水系重合で特に有用である。
【0032】
本発明の乳化重合は、普通、約100oF(38℃)と190oF(88℃)の範囲の温度で行われる。約190oF(88℃)以上の温度では、2‐エチルヘキシルアクリレート単量体は沸騰する傾向がある。かくして、約88℃を超える温度に2‐エチルヘキシルアクリレート単量体を加熱するためには、加圧ジャケットが必要になるであろう。他方、約100oF(38℃)以下の温度では、この重合反応は非常にゆっくりした速度で進む。約100oF(38℃)以下の温度で経験された遅い重合速度では、その骨格中の繰返単位の分布が不均一な重合体になる。そのような低温で経験される遅い重合速度は、重合反応器の処理能力を著しく低下させるの点でも望ましくない。
【0033】
一般に、重合温度を約110oF(43℃)から185oF(85℃)の範囲に維持するのが望ましい。普通、この反応温度を約120oF(49℃)から175oF(79℃)の範囲に調節するのがより望ましい。多くの場合、反応を完了させるためには、反応が進むにつれて重合温度を高くするのが有利であろう。
【0034】
水に敏感な重合体が生成しないように、約3.5以下のpHで重合を行うことが重要である。重合の間中、重合媒体のpHを約3.0以下の水準に保つのが望ましい。重合が進むにつれて、重合媒体のpHは自然に低下するであろう。かくして、最初の仕込み単量体組成物のpHを約3.0から約3.5の範囲に調整し、重合を進めて行けば、良好な結果が得られる。このような場合、重合媒体の最終pHは非常に満足できる約1.5になるであろう。
【0035】
工業的操業では、普通、最初の仕込みでその単量体の約15%から約25%を添入するのが望ましい。次いで、この初期装填物を約30分から約60分の間反応させる。次いで、反応温度を希望の温度範囲に維持するのに十分な速度で、装填すべき残りの単量体が反応ゾーンに連続的に添入される。反応温度を大体一定に維持しながら反応媒体中に単量体を連続的に添入することにより、非常に均一な重合体が合成される。
【0036】
本発明の方法では、この合成されたラテックスは、次いで、アンモニアで約7から約10.5のpHに中和される。普通、このラテックスは8から10の範囲のpHに中和されるのが望ましく、約9.0から9.5の範囲のpHに中和されるのがより望ましい。これは、単に、アンモニアをそのラテックス全体に分散させて中和ラテックスを生成させることにより達成される。このアンモニアは、普通、アンモニウムヒドロキシドの形である。
【0037】
生成したこのラテックスは、水を追加することにより、希望される濃度(固体分含有量)に稀釈することができる。このラテックスは、この技術分野の習熟者に良く知られた方法を用いて水稀釈可能な塗料の調製に使用される。一般に、この水稀釈可能な塗料の製造において、各種の顔料や可塑剤がこのラテックスに添加される。水稀釈可能な樹脂でしばしば遭遇する問題は接着性の不足である。水稀釈可能な樹脂で作られた塗料の基材への接着は、可塑剤を加えることにより非常に改善される。水稀釈可能な塗料組成物には凝集溶媒を含む必要はない。しかし、接着特性のような性質をさらに改善するために少量の凝集溶媒が含まれていてもよい。
【0038】
ペイントのようなフィルム形成性の水稀釈可能な組成物は、このラテックスと一種またはそれ以上の顔料および可塑剤とを混合することにより調製される。このフィルム形成性の水稀釈可能な組成物には、凝集溶媒を含む必要はない。環境的な理由では、この調合物に凝集溶媒が含まれるのは望ましくない。しかし、少量(0から約50グラム/リットル)の凝集溶媒は含まれていてもよい。凝集溶媒が用いられる場合、それは少なくとも水と混和性であるのが望ましく、そして水溶性であることがさらに望ましい。使用される各種の凝集溶媒の中で普通推奨されるのは、エチレングリコール・モノブチルエーテル、エチレングリコール・モノエチルエーテル、ジエチレングリコール・モノメチルエーテル、ジエチレングリコール・モノエチルエーテルおよびジチレングリコール・モノブチルエーテルである。
【0039】
顔料、可塑剤、および場合によって添加される凝集溶媒は、その水系エマルション若しくはラテックス中でその樹脂と直接混合される。これによりその樹脂を乾燥した形で取り出す必要がない。このような操作では、十分なアンモニアが用いられる場合、この複合物は自動的に水稀釈可能型になっている。
【0040】
本発明のラテックスを用いてペイント調合物を作ることができる。このような調合物は一種またはそれ以上の顔料とラテックス(水、乳化剤系および樹脂)を含んでなる。このペイントは、場合によっては、充填材、可塑剤、安定剤、消泡剤、乾燥剤、防カビ剤、殺虫剤、防汚剤および腐食防止剤を含んでいてもよい。
【0041】
顔料は、普通、その塗料に色と遮蔽力を付与するために加えられる。遮蔽力と白色を付与するために広く用いられている顔料の一例は二酸化チタンである。その他の広く用いられている顔料の代表的な例は、鉄およびクロムの酸化物のような鉱物系顔料、フタロシアニンのような有機顔料およびリン酸亜鉛のような防食性顔料である。
【0042】
充填材は、希望の粘性と非沈降特性を得るためにこのペイント調合物に添加される一般に安価な材料である。充填材は亀裂や摩耗に対する抵抗性のような塗料の物理的性質も向上させる。広く用いられている充填材の代表例はチョーク、クレイ、雲母、各種形状のバライトおよびタルクおよびシリカである。
【0043】
乾燥剤は乾燥速度を上げるコバルト、鉛、マンガン、バリウムおよび亜鉛の塩のような化学物質である。安定剤は熱および紫外線の破壊効果を中和する化学試薬である。防カビ剤と殺虫剤は、普通、インテリアおよびエクステリア家庭用ペイントに添加される。汚れ止め化合物は、普通、海洋生成物を禁止するために船舶用ペイントに添加される。可塑剤はフィルムの硬さを調節するため若しくは可撓性を付与する助剤である。
【0044】
様々な可塑剤の中で、25℃の室温で液体であり、且つ基材に塗布した時その塗料組成物から揮発しないような十分に高い沸点、望ましくは少なくとも100℃、より望ましくは少なくとも150℃のような沸点を有する可塑剤を選ぶのが望ましい。実際に、これら可塑剤は凝集した(coalesced)樹脂の乾燥塗膜の水不溶性を高めるべきである。さらに、この可塑剤若しくは可塑剤の混合物は樹脂自身と相溶性であるという特徴がなければならない。この特性化のために、約8から約16の範囲の溶解度パラメータが要求される。この溶解度パラメータは、高分子科学と工学の百科辞典(Encyclopedia of Polymer Science and Technology)、第3巻、854頁、1956、ジョン ワイリー アンド サンズ インク(John Wiley and Sons,Inc.)に説明されているタイプのパラメータであって、次式で簡単に求められる:
【数1】
σ=(ΣF)/V=F/Mw/d
【0045】
σ=溶解度パラメータ
F=各基の関連分子吸引定数の和[スモール,ピー.エー(Small,P.A.により求められた):J.Appl.Chem.、3,71(1953)]
Mw=分子量
d=25℃での密度。
【0046】
本発明の目的に様々な可塑剤が使用される。例えば、融解点、沸点および相溶性の必要条件を満たす限り、1974年4月に出版された“可塑剤”というタイトルの『Federation Series on Coatings Technology,Nnit Twenty‐two』に列挙されたタイプの可塑剤である。
【0047】
各種可塑剤の代表例は、リン酸エステル、フタル酸無水物エステルおよびトリメリット酸エステル、さらにはN‐シクロヘキシル‐p‐トルエンスルホンアミド、セバシン酸ジベンジル、ジエチレングリコールジベンゾエート、ジ‐t‐オクチルフェニルエーテル、ジプロパンジオールジベンゾエート、N‐エチル‐p‐トルエンスルホンアミド、イソプロピリデンジフェノキシプロパノール、アルキル化ナフタレン、ポリエチレングリコールジベンゾエート、o‐p‐トルエンスルホンアミド、トリメチルペンタンジオールジベンゾエートおよびトリメチルペンタンジオール・モノイソブチレート・モノベンゾエートのような環状可塑剤である。
【0048】
各種の非環状可塑剤の代表例は、アジピン酸エステル類、アゼライン酸エステル類、クエン酸エステル類、アセチルクエン酸エステル類、ミリスチン酸エステル類、リン酸エステル類、リシノレイン酸エステル類、アセチルリシノレイン酸エステル類、セバシン酸エステル類、ステアリン酸エステル類、エポキシ化エステル類、さらに、1,4‐ブタンジオール・ジカプリレート、ブトキシエチルペラルゴネート・ジ[(ブトキシエトキシ)エトキシル]メタン、ジブチルタータレート、ジエチレングリコールジペラルゴネート、ジイソオクチルジグリコレート、イソデシルノナノエート、テトラエチレングリコール・ジ(2‐エチル‐ブチレート、トリエチレングリコール・ジ(2‐エチル‐ヘキサノエート)、トリエチレングリコールジペラルゴネートおよび2,2,4‐トリメチル‐1,3‐ペンタンジオールジイソブチレートである。
【0049】
その他の各種可塑剤は、環状、非環状およびその他の形で、塩素化パラフィン、水素化ターフェニル類、置換フェノール類、プロピレングリコール類、ポリプロピレングリコールエステル類、ポリエチレングリコールエステル類、メラミン類、エポキシ化大豆油類、メラミン類、液状水素化アビエチン酸エステル類、エポキシトール酸エステル類、アルキルフタリルアルキルグリコレート類、スルホンアミド類、セバケートエステル類、芳香族エポキシド類、脂肪族エポキシド類、液状ポリ(α‐メチルスチレン)、マレエートエステル類、メリテートエステル類、ベンゾエート類、ベンジルエステル類、タータレート類、スクシネート類、イソフタレート類、オルソフタレート類、ブチレート類、フマレート類、グルタレート類、ジカプリレート類、ジベンゾエート類およびジベンジルエステル類である。4から6個の炭素原子を含むモノオレフィン、ジオレフィンと4から6個の炭素原子を含むモノオレフィンとの混合物、さらにはスチレンおよび/またはα‐メチルスチレンを含む、そのような炭化水素および炭化水素混合物から誘導される比較的低分子量の重合体と共重合体も利用できることも認識すべきである。
【0050】
望ましいエステル類はフタル酸、安息香酸、ジ安息香酸、アジピン酸、セバシン酸、ステアリン酸、マレイン酸、酒石酸、コハク酸、酪酸、フマル酸およびグルタール酸のような、脂肪酸を含めて、カルボン酸およびジカルボン酸と炭化水素ジオール、望ましくは7から13個の炭素原子を含む飽和炭化水素ジオールとの反応で合成される。
【0051】
各種リン酸エステルの代表例はクレジルジフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、ジブチルフェニルホスフェート、ジフェニルオクチルホスフェート、メチルジフェニルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリ(2‐ブトキシエチル)ホスフェート、トリ(2‐クロロエチル)ホスフェート、トリ(2‐クロロプロピル)ホスフェートおよびトリオクチルホスフェートである。
【0052】
各種フタル酸無水物エステルの代表例はつぎのものである:ブチルオクチルフタレート、ブチル2‐エチルヘキシルフタレート、ブチル・n‐オクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジエチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジ(2‐エチルヘキシル)フタレート、ジイソオクチルフタレート、ジ‐トリデシルフタレート、n‐ヘキシル・n‐デシルフタレート、n‐オクチル・n‐デシルフタレート、アルキルベンジルフタレート、ビス(4‐メチル‐1,2‐ペンチル)フタレート、ブチルベンジルフタレート、ブチルシクロヘキシルフタレート、ジ(2‐ブトキシエチル)フタレート、ジシクロヘキシル・イソデシルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジエチルイソフタレート、ジ‐n‐ヘプチルフタレート、ジヘキシルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジ(2‐メトキシエチル)フタレート、ジメチルイソフタレート、ジノニルフタレート、ジオクチルフタレート、ジカプリルフタレート、ジ(2‐エチルヘキシル)イソフタレート、混合ジオクチルフタレート、ジフェニルフタレート、2‐(エチルヘキシル)イソブチルフタレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチル(およびメチル)フタリルエチルグリコレート、ポリプロピレングリコール・ビス(アミル)フタレート、ヘキシルイソデシルフタレート、イソデシルトリデシルフタレートおよびイソオクチルイソデシルフタレート。
【0053】
トリメリット酸エステルの代表例はトリイソオクチルトリメリテート、トリn‐オクチル・n‐デシルトリメリテート、オリオクチルトリメリテート、トリ(2‐エチルヘキシル)トリメリテート、トリ‐n‐ヘキシル・n‐デシルトリメリテート、トリ‐n‐ヘキシルトリメリテート、トリイソデシルトリメリテート、およびトリイソノニルトリメリテートである。
【0054】
各種アジピン酸エステルの代表例はジ[2‐(2‐ブトキシエトキシ)エチル]アジペート、ジ(2‐エチルヘキシル)アジペート、ジイソデシルアジペート、ジオクチルアジペート(ジイソオクチルアジペートを含む)、n‐ヘキシル・n‐デシルアジペート、n‐オクチル・n‐デシルアジペート、ジ‐n‐ヘプチルアジペートである。
【0055】
セバシン酸エステルの代表例はジブチルセバケート、ジ(2‐エチルヘキシル)セバケート、ジブトキシエチルセバケート、ジイソオクチルセバケートおよびジイソプロピルセバケートである。
【0056】
アゼライン酸エステルの代表例はジ(2‐エチルヘキシル)アゼラエート、ジシクロヘキシルアゼラエート、ジイソブチルアゼラエートおよびジイソオクチルアゼラエートである。本発明の実施において、樹脂の水稀釈成分、可塑剤、および若し使用されるなら凝集溶媒は、その樹脂のカルボキシル基をアンモニアで中和し、水と混合することにより水稀釈される。得られる分散液または溶液は、たとえ起きるとしても認められる程の沈殿を起こすことなしに、約25℃で少なくとも30日の間、望ましくは365日以上の期間安定であると言う特徴を一般に有することができる。
【0057】
一般に、本発明の目的では、中和された樹脂100重量部当たり約100から400部の水が用いられる。ただ、普通、高粘度または低粘度のどちらの分散液若しくは溶液が望まれるか、また高い固体含有量と低い固体含有量のどちらが望まれるかにより、多量のまたは少量の水が用いられる。水の量は、また、(若し用いるなら)凝集溶媒および使用される可塑剤のタイプと量に依存する。この水稀釈可能塗料組成物は水系分散液若しくは溶液として木材、石材、各種プラスチックおよび各種金属のような適当な基材の上に塗料として塗布される。水、アンモニアおよび凝集溶媒は、普通、約20℃から約100℃、望ましくは約25℃から約50℃の範囲の温度でその塗料から蒸発され、凝集した樹脂と可塑剤から成る実質的に水に不溶の塗膜が残る。一般に、このような塗料は、感湿性を低下させるために、追加の硬膜剤若しくは硬化剤の必要なしに調製し、塗布できる。
【0058】
それ故に、本発明の重要な特徴は、バランスのとれた親水性成分と疎水性成分を有し、望ましくはさらに硬いセグメントと柔軟なセグメントのバランスを有する特定の樹脂を合成し、そしてそのような樹脂を顔料および相溶性可塑剤と組合せた水稀釈可能な組成物を製造することにより、基材上に耐久性塗膜を形成させることである。
【0059】
【実施例】
本発明は、次の実施例によって例示されるが、それらは単に例示の目的であって、本発明の範囲若しくはそれが実施される様式を制約すると考えるべきではない。特に断らない限り、部およびパーセントは重量で与えられる。
【0060】
実施例1
この実験では、本発明の方法を用いて10ガロン(37.8リットル)の反応器中でラテックスが合成された。この実験で用いられる反応器は軸流タービン型の撹拌装置を備えており、190rpm(回転/分)で運転された。緩衝溶液と単量体溶液をこの重合に使用するために調製した。緩衝溶液は17.0キログラムの水を、水酸化ナトリウムでpH3.0まで中和したリン酸エステル系界面活性剤の10%水溶液340グラム、ドデカノール340グラム、酸性ピロリン酸ソーダ40.8グラム、プライオライト(Pliolite:登録商標)7104(シード重合体ラテックス)680グラムおよび過硫酸アンモニウム27.2グラムと混合して調製した。単量体溶液はスチレン7.07キログラム、ドデシルメルカプタン13.6グラム、2‐ヘキシルアクリレート6.12キログラム、アクリル酸272グラムおよびメタクリル酸136グラムを混合することによって調製した。
【0061】
反応容器を30分脱気した後、それにこの緩衝溶液を装填した。次いで、この反応容器に単量体溶液の20パーセントを装填した。この反応容器を135oF(57℃)に加熱し、60分間重合を進行させた。次いで、単量体溶液の残量を3時間かけて徐々に添加した。単量体溶液を全部添加してから、200mLの水中に28%のンモニアの水溶液25グラムを含む溶液を添加し、温度を165oF(74℃)に上げた。
【0062】
重合が進行するにつれてラテックスの試料を採取し、ラテックスの固体含有量を測定した。このラテックスの固体含有量は、重合の進行中に表1に示したように増加した。重合時間6時間後、固体含有量が43%に達した時、28パーセントのアンモニア水溶液225グラムを添加した。重合時間10時間後、残存スチレンのレベルは0.05パーセント以下に低下した。
【0063】
この方法を用いて作ったラテックスは、最終固体含有量約46%、pH約8.2、ブルックフィールド粘度170センチポイズ(No.2スピンドルを使用し、20rpmで測定)であり、そして残存スチレン含有量は0.043%であった。
【0064】
【表1】
Figure 0004067145
【0065】
このラテックスは、揮発性の有機化合物を含んでいないペイントのような塗料調合物の調製に利用する場合、素晴らしい組合せの性質を発揮する。事実、この塗料調合物で調製された塗料は金属に対して素晴らしい接着性と素晴らしい可撓性を示した。このような塗料調合物は、金属、木材およびコンクリートに適用した場合、特に価値が高い。
【0066】
この実験で合成されたラテックスで水稀釈可能な塗料組成物を調製した。これは、このラテックスに0.1phr(樹脂100部当たりの部数)のサーフィノール(Surfynol:登録商標)104湿潤剤と0.05phrのバイク(Byk)020 消泡剤を混合することにより行われた。この塗料組成物には揮発性有機化合物は含まれていない。この塗料組成物で作られた塗料は際立った可撓性を含めて木材塗装用として素晴らしい特性を有していることが確められた。
【0067】
金属基材を塗装するための水稀釈可能な塗料組成物も調製した。これは、このラテックスに0.1phrのサーフィノール104 湿潤剤、0.05phrのバイク(Byk)020消泡剤、および安息香酸アンモニウムの10%水溶液2.5phrを混合することにより行われた。この場合も、この塗料組成物には揮発性有機化合物は含まれていない。この塗料組成物で作られた塗料は金属に対して素晴らしい接着性と際立った可撓性を示した。
【0068】
一般に、塗料調合物は、このラテックスに約0.01phrから約0.8phrの湿潤剤と約0.01phrから約0.1phrの消泡剤を単に混合することにより調製できる。このような水稀釈可能な塗料調合物は約0.06phrから約0.4phrの湿潤剤と約0.02phrから約0.08phrの消泡剤を含んでいるのが望ましい。この塗料調合物が金属基材を塗装するのに使用される場合には、それは一般に約1phrから約5phrの安息香酸アンモニウムのような防錆剤をも含んでいる。この防錆剤は約2phrから約3phrの範囲の水準で含まれているのが望ましい。
【0069】
実施例2
この実験では、単量体溶液が8.84kgのスチレンと4.35kgの2‐エチルヘキシルアクリレートを含んでいる点を除いて、実施例1で説明した方法が用いられた。調製されたラテックスは、最終固体含有量45.5%、pH約7.9,ブルックフィールド粘度80センチポイズ(No.2スピンドルを使用し、20rpmで測定)であり、そして残存スチレン含有量は0.0%であった。
【0070】
この実験で合成したラテックスを用いて水稀釈可能な塗料組成物を調製した。これらの塗料調合物は揮発性有機化合物を含まずに調製され、木材、金属およびコンクリート用の素晴らしい特性を有していた。得られた塗膜は実施例1で得られた膜より硬く、より高いレベルの光沢を示した。
【0071】
実施例3
この実験では、単量体を全部最初に装填するラジカル乳化重合法を用いてラテックスを合成した。このような方法は小規模ベースではうまく実行できるが、大規模操業では推奨されない。用いられたこの方法で、52部のスチレン、45部の2‐ヘキシルアクリレート、2部のアクリル酸および1部のメタクリル酸を含む単量体混合物が、リン酸エステル系界面活性剤(ガファックRE/400)とドデカノールの存在下、ラジカル発生剤として過硫酸アンモニウムを用いて重合された。リン酸エステルの10%溶液のpHは他の成分と混合する前に水酸化ナトリウムで3.0に調整された。この調整により界面活性剤と単量体成分の溶解度が決まり、さらに生成するラテックスの粒径が規定される。このラジカル重合は最初125oF(52℃)の温度で行われ、数時間の重合後に、この反応の完結を推進するために、温度を上げた。得られたラテックスのpHをアンモニアの添加により8.5から9.0に調整し、高いラテックス安定性を得た。このラテックスから作られたフィルムは柔軟で、可撓性であり、かつ耐水性であった。
【0072】
本明細書に示された説明に徴して、本発明には種々の変更が可能である。本発明を例示する目的で、一定の代表的実施態様とその詳細を示したが、この技術分野の習熟者には、本発明の範囲から逸脱することなしに様々な変更と修正がなされ得ることは明らかであろう。それ故、以下に付記される特許請求の範囲によって規定されるような、十分に意図された本発明の範囲内にあるであろう、説明された特定の実施態様の中で変更がなされ得ることが理解されるべきである。

Claims (3)

  1. 次の、
    (1)100重量パーセントの単量体を基に(a)30から70重量パーセントの芳香族ビニル単量体、(b)25から65重量パーセントの2−エチルヘキシルアクリレート、(c)1から5重量パーセントのアクリル酸および(d)0.4から3重量パーセントのメタクリル酸を含んでなる単量体混合物を3.5以下のpHで重合してラテックスを生成させる水系ラジカル乳化重合工程にして、
    少なくとも一種のリン酸エステル系界面活性剤0.5から4phmの存在下、かつ
    5から22個の炭素原子を含む水不溶性の脂肪アルコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体である水不溶性のポリオール(プロピレンオキシド単位:エチレンオキシド単位の比が少なくとも5:1である)、および12以下の親水‐親油バランス価を有する水不溶性の非イオン系界面活性剤より成る群から選ばれる少なくとも一種0.5から4phmの存在下
    で行われる該乳化重合工程;および
    (2)そのラテックスをアンモニアで7から10.5の範囲内のpHまで中和して中和ラテックスを生成させる工程;を含んでなる、水稀釈可能な塗料の製造に有用な中和ラテックスの製造方法。
  2. 請求項1に記載の方法で製造された中和ラテックス。
  3. (1)水;(2)請求項2に記載の中和ラテックス;(3)湿潤剤;および(4)消泡剤から構成される水稀釈可能な塗料組成物。
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