JP4065619B2 - 真空成膜装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はイオンプレーティング装置のような真空成膜装置に関し、特に被成膜用の基板の保持手段及び基板の冷却/加熱手段の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5〜図7を参照して、従来の真空成膜装置における基板の保持構造を説明する。真空気密の成膜室50の中に、加熱/冷却板51が支持板52により成膜室50の上面より固定されている。加熱/冷却板51の上面には、例えば加熱用に棒状のヒータ53、冷却用に冷却水配管54が張り付けられている。
【0003】
ヒータ53及び冷却水配管54は大気中から成膜室50の上壁面を通して真空導入されている。また、加熱/冷却板51の下方には、被成膜用の基板55のホルダ56が絶縁物57を介して連結板58により、成膜室50に固定されている。基板55は、ホルダ56内に、成膜される面を下方に向けて配置されている。更に、ホルダ56にはバイアス電圧印加用の配線59が接続されており、大気中から成膜室50の側壁面を通して真空導入されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の構成では、基板55の加熱/冷却は輻射であるので効率が悪い。また、ヒータ53、冷却水配管54、バイアス電圧印加用の配線59を大気から真空導入しているため、配線、配管の引き回しが面倒で組立てが困難である。更に、配線、配管部分からのゴミの発生や、配管からの漏れによる成膜室50内の汚染等のトラブルが心配されると共に、それらによる膜質の劣化が問題となっていた。
【0005】
そこで、本発明の課題は、加熱/冷却効率の良い真空成膜装置を提供することにある。
【0006】
本発明の他の課題は、容易に基板の加熱/冷却とバイアス電圧の印加を行うことができる基板の保持構造を備えた真空成膜装置を提供することにある。
【0007】
本発明の更に他の課題は、基板の加熱/冷却、バイアス電圧の印加のための配管、配線に起因する成膜室内の汚染を防ぎ、膜質改善を図ることのできる真空成膜装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、真空成膜室内に、密閉構造でかつ内部が大気雰囲気であり、しかも真空成膜室とは電気的に絶縁された状態で加熱/冷却体を設け、該加熱/冷却体の下方には、被成膜用の基板を保持するためのホルダを真空成膜室とは電気的に絶縁された状態で配置し、前記ホルダを複数の連結部材に連結し、これら複数の連結部材を絶縁体を介して連結棒に連結し、該連結棒は真空成膜室の上壁をシール状態にて貫通して真空成膜室の外に延ばし、該連結棒を上下駆動機構により上下方向に駆動することにより、前記基板を前記加熱/冷却体の下面との間で接触、離反可能にしたことを特徴とする真空成膜装置が提供される。
【0010】
また、前記加熱/冷却体は箱状の容器であり、その上壁に設けた穴の周囲に絶縁体を介して円筒体の一端が連結されており、前記円筒体の他端は真空成膜室の上壁に設けられた穴の周囲に固定されており、前記真空成膜室の穴、前記円筒体、及び前記加熱/冷却体の穴を通して大気中から加熱用のヒータ、冷却用の配管が前記加熱/冷却体の内部底面に配設されていると共に、バイアス電圧印加用の配線が前記加熱/冷却体の内壁面に接続されている。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1〜図4を参照して、本発明による真空成膜装置の実施の形態について説明する。真空気密の成膜室10の中に更に、内部を大気雰囲気で密閉構造にした箱状の加熱/冷却体20が、絶縁物11を介して円筒体12により成膜室10の上部内壁より固定されている。円筒体12の下部は加熱/冷却体20に設けられた穴を通して加熱/冷却体20内に連通し、円筒体12の上部は成膜室10の上壁に設けられた穴を通して大気に開放している。
【0012】
図3に示されるように、加熱/冷却体20の内部底面には、例えば加熱用に棒状のヒータ21、冷却用に冷却水配管22が張り付けられている。ヒータ21及び冷却水配管22は円筒体12内を通して大気に導出されている。更に、加熱/冷却体20の内部上面にはバイアス電圧用の配線23が接続されており、円筒体12内を通して成膜室10外に導出されている。このような構造により、ヒータ21及び冷却水配管22や配線23が成膜室10内に露出することは無い。
【0013】
加熱/冷却体20の下方には、被成膜用の基板13を保持するためのリング状のホルダ14が配置される。ホルダ14の四方は4枚の連結板15に連結され、連結板15は絶縁物16を介して連結棒30に連結されている。連結棒30は、成膜室10の上壁に設けられた穴を通して成膜室10の外に延びており、その端部には連結金具31が取付けられている。連結金具31はリニアガイド32に組み合わされている。更に、連結金具31にはシリンダ33のシリンダロッド34が連結されている。リニアガイド32、シリンダ33は、成膜室10の上部外壁に固定された取付金具36に取付けられている。連結金具31と成膜室10の上部外壁との間には、連結棒30を密封するようにベローズ37が取り付けられ、真空気密を保っている。すなわち、ベローズ37は、連結棒30の上下動に応じて伸縮し、成膜室20内の真空を維持している。
【0014】
次に、上記各部の作用について説明する。まず、図1の状態で基板13を、ホルダ14内に、成膜される面を下方に向けて設置する。設置が完了すると、シリンダロッド34を上昇させることにより、シリンダロッド34に連結された連結棒30、絶縁物16、連結板15、基板13及びホルダ14が、リニアガイド32により上下方向以外の動作を拘束されながら上昇する。そして、図2に示すように、シリンダロッド34は、基板13の上面が加熱/冷却体20の下面に接するところで停止し、その結果、基板13は加熱/冷却体20に押し付けられた状態で停止する。シリンダロッド34の上昇距離は、図1における基板13の上面と加熱/冷却体20の下面との間の距離で決まる。この状態で、成膜を開始する。
【0015】
基板13の加熱はヒータ21に通電することにより行い、冷却は冷却水配管22に冷却水を循環させることにより行う。基板13は、加熱/冷却体20の下面に接しているので直接加熱/冷却であり、効率が高い。また、加熱/冷却体20、基板13、ホルダ14、連結板15は、絶縁物11、16により成膜室10本体とは絶縁されているので、基板13へのバイアス電圧の印加は、配線23によりバイアス電源を通電させることにより行うことができる。
【0016】
成膜が終了すると、シリンダロッド34を下降させることにより、シリンダロッド34に連結された連結棒30、絶縁物16、連結板15、基板13及びホルダ14が、リニアガイド32により上下方向以外の動作を拘束されながら下降して、図1の状態に戻る。
【0017】
なお、上記の形態では、加熱/冷却体を固定とし、ホルダを上下に駆動するようにしているが、ホルダを固定とし、加熱/冷却体を上下に駆動するようにしても良い。また、本発明は、イオンプレーティング装置や半導体ウェハへの銅の薄膜生成装置等のような真空成膜装置全般に適用可能である。特に、上記の形態では、基板13として半導体ウエハを想定しているので、ホルダ14の形状をリング状にしているが、基板13がガラス等の場合には四角形状等の他の形状にされる。この場合、加熱/冷却体20の平面形状も、ホルダ14の形状に合わせて変更される。
【0018】
【発明の効果】
本発明による真空成膜装置は、基板を直接、加熱/冷却体に接触させて加熱/冷却させているため、効率が良く、温度制御性も良い。また、ヒータ、冷却水配管、バイアス用の配線は加熱/冷却体内に収容しているので配線、配管の引き回しが楽で、組立も容易であり、しかも成膜室には露出しないようにしているので、成膜室内での配線、配管部分からのゴミの発生や、配管からの漏れによる成膜室内の汚染等のトラブルの心配が無く、それによって膜質の改善も図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による真空成膜装置の要部を示した断面図である。
【図2】図1における基板及びホルダを上昇させた状態を示した断面図である。
【図3】図1における加熱/冷却体の内部を上方から見た図である。
【図4】図1における真空成膜室の内部を矢印A−A方向から見た図である。
【図5】従来の真空成膜室の要部を示した断面図である。
【図6】図5における加熱/冷却板を上方から見た図である。
【図7】図5における真空成膜室の内部を矢印B−B方向から見た図である。
【符号の説明】
10、50 成膜室
11、16、57 絶縁物
12 円筒体
13、55 基板
14、56 ホルダ
15、58 連結板
20 加熱/冷却体
21、53 ヒータ
22、54 冷却水配管
30 連結棒
31 連結金具
32 リニアガイド
33 シリンダ
34 シリンダロッド
36 取付金具
37 ベローズ

Claims (2)

  1. 真空成膜室内に、密閉構造でかつ内部が大気雰囲気であり、しかも真空成膜室とは電気的に絶縁された状態で加熱/冷却体を設け、該加熱/冷却体の下方には、被成膜用の基板を保持するためのホルダを真空成膜室とは電気的に絶縁された状態で配置し、
    前記ホルダを複数の連結部材に連結し、これら複数の連結部材を絶縁体を介して連結棒に連結し、該連結棒は真空成膜室の上壁をシール状態にて貫通して真空成膜室の外に延ばし、該連結棒を上下駆動機構により上下方向に駆動することにより、前記基板を前記加熱/冷却体の下面との間で接触、離反可能にしたことを特徴とする真空成膜装置。
  2. 請求項1記載の真空成膜装置において、前記加熱/冷却体は箱状の容器であって、その上壁に設けた穴の周囲に絶縁体を介して円筒体の一端が連結されており、前記円筒体の他端は真空成膜室の上壁に設けられた穴の周囲に固定されており、前記真空成膜室の穴、前記円筒体、及び前記加熱/冷却体の穴を通して大気中から加熱用のヒータ、冷却用の配管が前記加熱/冷却体の内部底面に配設されていると共に、バイアス電圧印加用の配線が前記加熱/冷却体の内壁面に接続されていることを特徴とする真空成膜装置。
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