JP4065030B2 - 新規なstat機能抑制タンパク質 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、哺乳類のJAK/STATシグナル伝達系におけるSTATタンパク質の機能を抑制するタンパク質及びそのタンパク質をコードするDNAに関する。このタンパク質はSTAT3又はSTAT6により誘導され、gp130及びSTAT3のチロシンリン酸化を阻害し、SH2領域を有することを特徴とする。本発明のタンパク質を用いることにより、新規なサイトカインレギュレーター作用を有する物質をスクリーニングすることができる。また、本発明は、上記タンパク質の生合成を抑制するアンチセンスDNA及びRNA;上記タンパク質に結合しうるモノクローナル抗体;上記DNAにハイブリダイズしうるプローブDNA及びRNA;上記DNAを複製可能なベクターに組み込んでなる組換え体DNA;及びその形質導入体に関する。更に本発明の形質導入体も、新規なサイトカインレギュレーター作用を有する物質のスクリーニングに用いることができる。
従来技術
細胞間の情報伝達を担う蛋白性の化学物質は総称してサイトカインと呼ばれている。このようなサイトカインとしてインターフェロン、インターロイキン、コロニー刺激因子等多くの物質が見出されている。サイトカインの特徴は糖蛋白であり、標的細胞の表面に特徴的な受容体が発現し、サイトカインの持つ細胞増殖、分化などの生理活性は、この受容体分子とサイトカインが結合することによって初めて発揮されるといわれている。
このような面からサイトカインの細胞内における情報伝達の仕組みを解明し、その制御機構をあきらかにすることは、新たな医薬の開発あるいは治療法の開発につながる可能性があり、きわめて重要な意義を有している。最近サイトカインの情報伝達機構も次第に明らかにされつつある。ほとんどのサイトカイン受容体(Cytokine receptor)は、2個又は3個のポリペプチド鎖、すなわち、リガンド特異的受容体鎖及び種々のサイトカインで共通に使用されるシグナル伝達体より構成されている[FASEB J. 6, 3387-3396(1992);Cell 69, 1121-1132(1992)]。これらの受容体系の性質は、サイトカインの機能的重複性を説明するものである。例えば、竹田氏ら(Molecular Medicine vol.33臨時増刊号、免疫1996〜97、ii)によると、サイトカイン受容体の細胞質内の部分には、チロシンのリン酸化活性を有するJAKキナーゼ(Janus kinase)が結合している。そして、リガンドであるサイトカインの結合によって受容体は複合体を形成し、それに伴ってJAKキナーゼが接近し、JAKキナーゼが活性化される。その結果、接近した2個のJAKキナーゼ自体及びサイトカイン受容体がリン酸化される。
このような状態になると細胞内のSTAT(Signal transducer and activator of transcription)タンパク質が受容体に結合し、細胞膜のサイトカインからの情報を細胞核内の遺伝子に伝達する。gp130は、IL−6(interleukin-6)、IL−11(interleukin-11)、LIF(leukemia inhibitory factor)などの受容体を構成するタンパク質であり、サイトカインが受容体に結合すると、JAKキナーゼが活性化され、gp130がリン酸化されることが知られている。STATはリン酸化されたgp130に結合し、その結果、シグナル伝達が起る。
STATタンパク質は最近見出されたタンパク質で、現在STAT1からSTAT6まで6種類のタンパク質が知られている。STATタンパク質から細胞核内遺伝子への情報伝達は、前記のようなリガンド、即ちサイトカインの受容体への結合によってJAKキナーゼが活性化され、STATタンパク質のチロシン残基のリン酸化が起り、リン酸化されたSTATタンパク質は同一または異なった種類のSTATタンパク質とホモダイマーあるいはヘテロダイマーを形成し、サイトカインの情報を細胞核内の遺伝子に伝達するようになる。このようにしてSTATが活性化され、標的遺伝子まで移動すると遺伝子の特定の場所に結合し、RNAの合成が開始され、それに伴って新たなタンパク質が生合成される。
リガンドを結合した受容体成分のホモ又はヘテロ2量体(リガンド-受容体複合体、即ち、リガンドの結合した受容体によって形成された複合体)の形成は、サイトカインによって開始されるユニークなカスケード[Cell 80, 213-223(1995)]であるJAK/STAT経路の活性化[Science 264, 1415-1421(1994);Nature 377, 591-594(1995);Cell 84, 331-334(1996)]を誘導し、続いて標的遺伝子の活性化を誘導する。しかし、STATファミリーのタンパク質によって直接その発現が誘導されるターゲットについては、ほとんど知られていない。サイトカインの特徴のひとつは、その活性の一時的な短時間の発現であって、このことはサイトカインシグナル伝達にネガティブフィードバック制御(negative feedback regulation)が存在することを示唆している。サイトカインシグナル伝達のネガティブフィードバック制御としては次の数例がいままでに知られているにすぎない:
(i)チロシンリン酸化IL−3受容体β鎖及びエリスロポエチン受容体(EPO−R)と結合するチロシンホスファターゼ(SHP−1)[Cell 85, 15(1996);Mol.Cell. Biol. 13, 7577-7586(1993);Cell 80, 729-738(1995)]及び
(ii)EPO−RのSTAT5結合サイトに結合するCIS[EMBO J. 14, 2816-2826(1995);同誌15, 2425-2433(1996)]。
このようにSTATの標的遺伝子及びサイトカインのシグナルをネガティブに制御するフィードバック機構にはいまだ不明な点が多い。
従って、本発明者らは、このようにSTATのシグナルを制御している新規な遺伝子のタンパク質を単離し、サイトカインシグナルをネガティヴに制御する新規なフィードバック機構を解明しようと試みた。
即ち、本発明の課題は、STATのシグナルを制御している新規なタンパク質を見出し、これを医療の分野で利用する方法を提供することにある。さらに本発明の課題は、STATの標的遺伝子、即ち、STATにより発現が誘導される遺伝子の発現により生合成され、STAT機能を抑制するタンパク質を提供し、これを医療の分野で利用する方法を提供することにある。
発明の概要
本発明者らは、このような課題を解決するために、STATのシグナルを規制している遺伝子の単離及びその機能解析を試みた。すなわち、従来知られている、STAT1〜6間のシグナル伝達に重要な領域であるSH2(src homology-2)領域内で高度に保存されているアミノ酸配列GTFLLRFS(三文字略記ではGly-Thr-Phe-Leu-Leu-Arg-Phe-Ser)(この部位は、SH2領域のリン酸化チロシン認識部位である)に対するモノクローナル抗体を作製し、マウス胸腺(murinethymus)cDNAライブラリーの300万プラークのファージクローンをスクリーニングしたところ、従来知られているSTAT3等の遺伝子を除いて約20種の未知の遺伝子を得た。
このうち5種の遺伝子の全長塩基配列を決定したところ、2種のSH2領域を有する遺伝子を得た。このうち1種の遺伝子の発現するタンパク質は、後に公知のCISタンパク質(Cytokine inducible SH2-containing Protein:サイトカインによって誘導されるSH2含有タンパク質)であることが判明した。他の1種の遺伝子が発現するタンパク質は、212個のアミノ酸よりなり、C末側にSH2領域、N末側にセリンが8個並ぶ領域を持ったタンパク質だった。その後の研究から、このタンパク質は通常、gp130を介する刺激により誘導されるが、特にチロシンリン酸化を受けないドミナントネガティブ型STAT3(アミノ酸配列において705番のチロシンをフェニールアラニンに置換したSTAT3遺伝子)を形質導入した細胞においては、上記の新規遺伝子の発現は誘導されないことがノーザンブロッティング(nothern blotting)で確認された。そして、この遺伝子に基づくアミノ酸配列を解析したところ、配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列を有することが判明した。本発明者らは、この遺伝子のコードするタンパク質をSIIS−1(“STAT-induced inhibitor of STAT-function-1”の略)と命名した。更に、因子依存性の細胞系を用いた解析からSIIS−1はSTAT6でも誘導されることが明らかとなり、抗リン酸化チロシンモノクローナル抗体によるイムノブロットを行った結果、gp130及びSTAT3のチロシンリン酸化を阻害する性質を有することが判明した。
即ち、本発明の主な目的は、以下のタンパク質を提供することにある。哺乳類のJAK/STATシグナル伝達等におけるSTATタンパク質の機能を抑制するタンパク質であって、実質的に純粋であり、且つ次の特徴を有するタンパク質。
(1)STAT3又はSTAT6によって誘導される。
(2)gp130及びSTAT3のチロシンリン酸化を阻害する。
(3)SH2領域を有する。
また、本発明は、このアミノ酸配列をコードするDNA、特に配列表配列番号1で示される塩基配列をもつDNAを提供することにある。
又、本発明の他の1つの目的は、これらのタンパク質にサンプル物質を添加し、SIIS−1タンパク質の活成化又は活成阻害作用によって或る物質の医薬あるいは診断薬としての有用性をスクリーニングする方法を提供することにある。
本発明の更に他の1つの目的は、これらのタンパク質の発現を抑制するアンチセンスDNA及びRNA、タンパク質に対するモノクローナル抗体、あるいは上記のDNAにハイブリダイブしうるDNA及びRNAプローブを提供することにある。
本発明の更に他の1つの目的は、SIIS−1をコードする遺伝子を組み込んだ組み換え体DNA及びそのDNAによる形質導入体を提供することにある。
本発明の更に他の1つの目的は、形質導入体を用いたスクリーニング方法を提供することにある。
本発明の上記及び他の諸目的、諸特徴並びに諸利益は、添付の配列表及び図面を参照しながら述べる次の詳細な説明及び請求の範囲の記載から明らかになる。
配列表の簡単な説明
配列番号1は、本願発明である新規なSTAT機能抑制タンパク質のアミノ酸配列及びDNA塩基配列である。
【図面の簡単な説明】
図面において:
図1は、SIIS−1 cDNAのヌクレオチド及びそれから推定されるアミノ酸配列であり、図中、*は停止コドン、アンダーラインはSH2領域のアミノ酸配列を示し;
図2は、SIIS−1,CIS,STAT3及びSTAT6のSH2領域の配列を示し,図中、*はCISとSIIS−1で同一のアミノ酸配列、アンダーラインはリン酸化チロシン認識部位を示し;
図3は、マウスの種々の組織におけるSIIS−1 mRNAの発現の状態を示し、図中、Hは心臓、Bは脳、Sは脾臓、Luは肺、Lは肝臓、Smは骨格筋、Kは腎臓、Teは精巣を示し;
図4は、因子依存性細胞におけるSIIS−1 mRNAの誘導の状態を示し;
図5は、野生型STAT3又はドミナントネガティブ型STAT3を形質導入したM1細胞中におけるSIIS−1 mRNAの発現の状態を示し;
図6は、野生型及び変異型SIIS−1遺伝子で形質導入したM1形質導入株のLIFによる誘導後の生存率を示し;
図7は、野生型及び変異型SIIS−1遺伝子で形質導入したM1形質導入株のLIFによる誘導後1日目の[3H]チミジン取り込み量を示し;
図8(a)は、母M1細胞のLIFによる誘導後3日のメイ−グルンワルド−ギムサ染色結果を示し、
図8(b)は、M1−NEO細胞のLIFによる誘導後3日のメイン−グルンワルド−ギムサ染色結果を示し;
図8(c)は、変異型SIIS−1(SH−)遺伝子で形質導入したM1形質導入株のLIFによる誘導後3日のメイ−グルンワルド−ギムサ染色結果を示し;
図8(d)は、野生型SIIS−1(SH+)遺伝子で形質導入したM1形質導入株のLIFによる誘導後3日のメイ−グルンワルド−ギムサ染色結果を示し;
図9は、野生型及び変異型SIIS−1遺伝子で形質導入したM1形質導入株のgp130及びSTAT3のIL−6誘導によって起るチロシンリン酸化の状態を示す。
発明の詳細な説明
本発明によれば、STATタンパク質の機能を抑制する新規なタンパク質及びそのアミノ酸をコードする遺伝子DNAが提供される。
次に、本発明の理解を容易にするために、本発明の基本的特徴及び好ましい態様を列挙する。
1.哺乳類のJAK/STATシグナル伝達系におけるSTATタンパク質の機能を抑制するタンパク質であって、実質的に純粋であり且つ次の特徴を有するタンパク質。
(1)STAT3又はSTAT6により誘導される。
(2)gp130及びSTAT3のチロシンリン酸化を阻害する。
(3)SH2領域を有する。
2.該タンパク質が、配列番号1の212個のアミノ酸よりなるアミノ酸配列と少なくとも40%の相同性を有するアミノ酸配列の少なくとも150個の連続したアミノ酸からなる配列を包含することを特徴とする前項1に記載のタンパク質。
3.該タンパク質が、配列番号1のアミノ酸配列を有する前項2に記載のタンパク質。
4.前項1〜3のいずれかに記載のタンパク質をコードするDNA。
5.該DNAが配列番号1の塩基配列を有する前項4に記載のDNA。
6.サイトカインレギュレーター作用を有する物質をスクリーニングする方法にして、サンプル材料を前項1〜3のいずれかに記載のタンパク質に接触させ、サンプル試料中に含まれる物質による該タンパク質の活性化又は活性阻害を指標として、サイトカインレギュレーター作用を有する物質を検出することを特徴とするスクリーニング方法。
7.前項1〜3のいずれかに記載のタンパク質の生合成を抑制するアンチセンスDNA。
8.前項1〜3のいずれかに記載のタンパク質の生合成を抑制するアンチセンスRNA。
9.前項1〜3のいずれかに記載のタンパク質に結合しうるモノクローナル抗体。
10.前項4又は5に記載のDNAにハイブリダイズしうるプローブDNA。
11.前項4又は5に記載のDNAにハイブリダイズしうるプローブRNA。
12.前項4又は5に記載のDNAを複製可能なベクターに組み込んでなる複製可能な組換え体DNA。
13.前項12に記載の複製可能な組換え体DNAで形質導入された微生物又は細胞。
14.サイトカインレギュレーター作用を有する物質をスクリーニングする方法にして、サンプル材料を前項13に記載の形質導入された微生物又は細胞に接触させ、サンプル試料中に含まれる物質による、上記形質導入された微生物又は細胞中の該組み換え体DNAがコードするタンパク質の活性化又は活性阻害を指標として、サイトカインレギュレーター作用を有する物質を検出することを特徴とするスクリーニング方法。
以下、本発明について具体的に説明する。
尚、本発明において、DNA塩基配列中のAはアデニン、Cはシトシン、Gはグアニン、Tはチミンを示す。
また、本発明において、アミノ酸配列中のAはアラニン、Rはアルギニン、Nはアスパラギン、Dはアスパラギン酸、Cはシステイン、Qはグルタミン、Eはグルタミン酸、Gはグリシン、Hはヒスチジン、Iはイソロイシン、Lはロイシン、Kはリジン、Mはメチオニン、Fはフェニルアラニン、Pはプロリン、Sはセリン、Tはスレオニン、Wはトリプトファン、Yはチロシン、Vはバリンである。
本発明者らは、SH2領域を含有し、STAT3によって誘導することができ、STAT3の機能を阻害するタンパク質をコードするcDNAをクローニングした。本発明者らは、STATファミリーの新規メンバーをクローニングする目的でSTAT3の有するリン酸化チロシン認識サイトであるSH2領域の一部アミノ酸配列であるGTFLLRFS[Science 267, 1347-1349(1995)]に対するモノクローナル抗体を調製した。そして、この抗体を用いてマウス胸腺cDNAライブラリーをスクリーニングし、20個の未知の遺伝子を単離した。このうち2個はSH2領域を含んでいた。このうちの1個は公知のCIS[EMBO J. 14, 2816-2826(1995)]と同定され、他の1個が新規な遺伝子であることが判明した。そして、本発明者らは、この遺伝子のコードするタンパク質をSIIS−1と命名した。
SIIS−1のcDNAは、212個のアミノ酸からなるポリペプチドをコードするシングルオープンリーディングフレームを持ち、その配列の中間(コドン79-167番)にSH2領域を含有している。SIIS−1中には、SH3領域のような他のコンセンサスモチーフは見出されなかった(図1参照、図中、*は停止コドン、アンダーラインはSH2領域のアミノ酸配列を示す)。このSIIS−1のSH2領域は、CISのそれとわずかな相同性(アミノ酸の相同性が36%)を示したが、SH2領域内のリン酸化チロシン認識部位[Cell 77, 63-71(1994);Science 264, 95-98(1994);Science 265, 1701-1706(1994)]を除くと、STAT3又はSTAT6のアミノ酸配列との有意な相同性は見出されなかった(図2参照、図中、*はCISとSIIS−1で同一のアミノ酸配列、アンダーラインはリン酸化チロシン認識部位を示す)。
本発明者らはマウスの種々の組織におけるSIIS−1遺伝子の発現を検討した。その結果、図3から明らかなように、SIIS−1のmRNAは、偏在的に発現するが、肺、脾臓及び精巣で強く、他の組織で弱いことが判明した。
又、本発明者らは、いくつかの因子依存性の細胞系においてSIIS−1の誘導の可能性について検討した。
ハイブリドーマMH60細胞(myeloma MH60 cell)及びミエロイド ロイケミアM1細胞(murine myeloid leukemia M1 cells;以下、屡々“M1”と略す)においては、いずれもIL−6と可溶性IL−6受容体(sIL−6R)で処理することによりSIIS−1 mRNAが発現した(図4参照)。又、IL−4依存性細胞(CT4S細胞)[J. Immunol. 142, 800-807(1989)]及びC−CSF(granulocyte colony-stimulating factor)依存性細胞(NFS60細胞)は、それぞれIL−4又はG−CSFに応答してSIIS−1 mRNAを発現した。この結果から、SIIS−1は、STAT3を活性化するIL−6及びG−CSF[Blood 84, 1760-1764(1994)]のみによって誘導されるばかりではなく、STAT6を活性化するサイトカインのIL−4[Science 265, 1701-1706(1994)]によっても誘導されることが判明した。これらの知見と一致して、SIIS−1遺伝子のプロモーター領域は、STAT3及びSTAT6結合部位[Cell 77, 63-71(1994), EMBO J.14, 2527-2535(1995)]を含んでいることが本発明者らによって見出されている。
更に、本発明者らは、野生型STAT3を形質導入したM1細胞(以下、屡々、「M1−STAT3」と略す)及びY705F[JAKキナーゼによってリン酸化されるチロシン残基(705番)がフェニルアラニンで置換されたSTAT3のドミナントネガティブ(dominant negative)型の遺伝子(即ち、野生型に対して優性に存在する不活性型変異)]を形質導入したM1細胞(以下、屡々、「M1−Y705F」と略す)におけるSIIS−1の誘導について検討した。
この試験において、ネオマイシン耐性遺伝子のみを含む誘導M1細胞(以下、屡々、「M1−Neo」と略す)が対照として用いられた。SIIS−1 mRNAは対照のM1−Neo細胞よりもM1−STAT3細胞でLIFによってより強く誘導されたが、M1−Y705F細胞ではSIIS−1の誘導は観察されなかった(図5を参照)。この結果は、SIIS−1の遺伝子は、STAT3の標的遺伝子のひとつであり、JAK/STAT経路によって誘導されることを示している。
次に、本発明者らは、gp130によって伝達されるシグナルの経路に及ぼすSIIS−1の影響を検討した。野生型SIIS−1(SH+),又はSH2領域及びC−末端領域を欠く変異型SIIS−1(SH−)を常に発現するM1形質導入株(クローン)を確立した。図6に示すように、M1−Neo及び変異型SIIS−1(SH−)クローンは、母細胞のM1細胞で実証されているように、LIF処理によって成長の停止及び細胞死に至り、クロマチンの凝縮及びapoptotic bodiesの発現のようなアポトーシスの特徴を示した(図8(a)〜(c)参照)。反対に、野生型SIIS−1(SH+)クローンは、LIFで刺激しても成長の停止を示さなかった(図6、7、8(d)参照)。これらの結果は、SIIS−1がgp130で伝達されるシグナルの経路をブロックすること、及びSIIS−1のSH2領域がこのブロック遮断に必須であることを示すものであった。
更に、本発明者らは、SIIS−1が、gp130で伝達されるシグナルの経路を阻害するメカニズムについて検討した。即ち、IL−6とsIL−6Rで各細胞を刺激後[Science 267, 1349-1353(1995);Blood 86, 1243-1254(1995)],各細胞のgp130及びSTAT3のチロシンリン酸化を調べた。図9に示すようにgp130及びSTAT3のチロシンリン酸化は、コントロールのM1−Neo細胞及び変異型SIIS−1(SH−)クローンと比較して野生型SIIS−1(SH+)クローンでは激減した。
上記実験結果から、本発明において、本発明者らが単離精製及びクローニングに成功したタンパク質は、STAT3又はSTAT6で誘導され、gp130及びSTAT3のチロシンリン酸化を阻害するSH2領域含有タンパク質SIIS−1であることが明らかとなった。
JAK/STATシグナル経路のネガティブフィードバック制御に関与していることが知られているCIS[EMBO J. 14, 2816-2826(1995)、同誌15, 2425-2433(1996)]は、EPO受容体のSTAT5結合領域と直接結合してSTAT5機能を阻害する。しかし、JAK/STAT経路におけるSIIS−1による阻害メカニズムは、CISと全く相違する。SIIS−1は、STAT3及びシグナルを伝達する受容体成分のgp130のチロシンリン酸化を減少させる。
gp130のチロシンリン酸化は、STAT3結合領域でのSIIS−1との結合のために必要であると考えられるので、SIIS−1が、gp130との結合においてSTAT3と拮抗すると考えることは不適切である。SIIS−1は、JAK/STATシグナル経路をCISよりも早い段階、即ち、JAKキナーゼとの結合を経てブロックすると考えられる。
その他の興味ある点は、SIIS−1は、全てのSTATによって誘導されるのではないということであり、JAK/STAT経路の一般的阻害剤とは区別される。
本発明のSIIS−1cDNAは種々の細胞を用いて調整することができるが、市販の動物細胞のcDNAライブラリーを用いることが好ましい。又、DNAの精製方法としては、SH2領域における保存性の高いアミノ酸配列(GTFLLRFS)に対するモノクローナル抗体を従来の方法で作成し、市販の免疫スクリーニングキットに準じて行なうのが好ましい。
本発明のタンパク質は、実質的に純粋であり、且つ上記のSIIS−1としての機能を有するタンパク質であれば特に限定されず、配列番号1に記載のアミノ酸配列のみならず、配列番号1のアミノ酸配列の部分配列又は配列番号1のアミノ酸配列と相同性を有するアミノ酸配列を含有する配列である。本発明における部分配列とは連続した少なくとも150個のアミノ酸からなるものであり、SH2領域を含むことが必須である。更にこの配列は配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも40%の相同性を有するものである。本発明における相同性を有する配列とは、配列番号1のアミノ酸配列と少くとも40%の相同性を有し、且つ、SIIS−1と同様に哺乳類のJAK/STATシグナル伝達系におけるSTAT機能を抑制する活性を有するものである。このような相同性を有する配列は、アミノ酸の置換、削除又は挿入によって得られ、上記の変化は、自然又は人為的な突然変異によって生じることがある。
本発明のタンパク質の特徴の1つは、STAT3又はSTAT6で誘導されることである。この特徴は得られたタンパク質からも確認することが可能である。或るタンパク質のアミノ酸配列が既知なら、その遺伝子配列はデータベースから検索できる。アミノ酸配列が未知ならば、タンパク質からアミノ酸配列を決定し、その配列情報から遺伝子をクローニングしてタンパク質のmRNAを特異的に検出するプローブをデザインすることは可能である。或るタンパク質のmRNAがSTAT3またはSTAT6で誘導されたかどうかは、例えば実施例4のようなノーザンブロッティングによって確認することができる。STAT3を形質導入したM1細胞でそのmRNAが誘導され、STAT3のドミナントネガティブを形質導入したM1細胞で誘導されなければ、そのタンパク質はSTAT3で誘導されたものと結論することができる。
本発明のDNAは、上記のSIIS−1としての機能を有するタンパク質をコードする塩基配列であれば特に限定されず、配列番号1に記載の塩基配列のみならず、配列番号1のアミノ酸配列と少くとも40%の相同性を有する配列番号1のアミノ酸配列の部分配列を包含する配列をコードする塩基配列をも含むものである。SIIS−1としての機能を有するアミノ酸配列をコードする塩基配列であれば、配列番号1の塩基配列の部分配列及び部分配列を含有する塩基配列も本願発明に含まれる。
本発明は、前述したSIIS−1タンパク質を用いた、新規なサイトカインレギュレーター作用を有する物質のスクリーニング方法である。このスクリーニング方法によれば、新規なサイトカインレギュレーター作用、即ち、SIIS−1作用の阻害もしくはSIIS−1様作用又はSIIS−1活性作用を有する新薬のスクリーニングが可能となると考えられる。
本発現のタンパク質を用いたサイトカインレギュレーター作用を有する物質のスクリーニング方法としては、特に限定されないが、例えば、タンパク質を用いて測定のための系を構築し、スクリーニングを行うことができる。具体的には、SIIS−1によって活成が阻害される物質等をスクリーニングすることが可能である。
SIIS−1阻害作用、もしくはSIIS−1様作用又はSIIS−1活性化作用を有する物質のスクリーニングに使うことができるサンプル物質は、細胞毒性を持つ物質以外であれば特に限定されない。例えば、高分子であっても、経口投与可能な低分子化合物であってもスクリーニングに用いることができる。例えば、スクリーニングによって得られた低分子の経口投与可能な化合物は、SIIS−1作用阻害剤もしくはSIIS−1様作用又はSIIS−1活性化作用を有する新規薬剤として用いることができる。
また、本発明はSTAT機能抑制タンパク質の生合成を抑制するアンチセンスDNA及びRNAである。本発明のSIIS−1をコードする遺伝子のアンチセンスDNA又はRNAは、G−CSF(先天性・特発性好中球減少症や骨髄移植時やガン化学療法による好中球減少症の治療に用いられる)やIL−6(血小板減少症やガン化学療法による血小板減少症の治療薬として開発中)と同様に、内因性あるいは投与サイトカインの作用増強薬として使用可能である。
本発明のSIIS−1をコードするDNAの塩基配列をもとに、SIIS−1に特異的なアンチセンスDNA又はRNAを設計することは容易であり、更に、野生型SIIS−1(SH+)を利用すれば、そのアンチセンスの効果を確認することが可能である。具体的には、LIF存在下で培養した野生型SIIS−1(SH+)をトランスフェクトした細胞にアンチセンスを作用させた場合、細胞の増殖阻害、DNA合成阻害、アポトーシスが見られ、且つ、抗SIIS−1抗体を用いた通常のウェスタンブロット法などでSIIS−1タンパク質の発現阻害が観察されれば、アンチセンスの有効性を証明することができる。
更に、本発明はSTAT機能抑制タンパク質に対するモノクローナル抗体である。本発明のモノクローナル抗体は診断目的に使用することができる。
本発明のモノクローナル抗体を取得する方法は特に限定されないが、単離されたSIIS−1タンパク質を用いて、従来から用いられているモノクローナル抗体の製造方法、例えば細胞融合法に基づき取得することができる。抗体の製造に用いられるアミノ酸配列は特に限定されないが、6アミノ酸残基以上のものが用いられる。このような抗体を用いれば、細胞や組織中のSIIS−1タンパク質を検出するELISAやRIA、またはウェスタンブロット系を構築することができる。このような検出系は、診断目的に使用することができる。
本発明はSIIS−1 mRNA特異的なプローブDNA及びRNAに関する。SIIS−1 mRNA特異的なプローブを用いて細胞や組織のSIIS−1発現を検出することが可能なので、本発明のプローブを用いて診断的アッセイを行なうことができる。プローブとして用いられるDNAは本発明のSIIS−1の塩基配列をもとに、周知の塩基対の法則(AとTが対になり、CとGが対になる)によって設計することが容易であり、従って、本発明のプローブは本発明のDNAにハイブリダイズすることが可能な塩基配列であれば特に限定されない。具体的には配列番号1に開示されたSIIS−1をコードする全長cDNA又はその部分配列を用いることができる。プローブを用いた診断的アッセイの方法としては、実施例に記載されているようなハイブリダイゼイション法、例えば、ノーザンハイブリダイゼイションなどの方法が用いられる。
本発明における組換え体DNAを調製するために用いられる発現ベクターは特に限定されないが、通常用いられる発現ベクターを利用することができる。本発明の組換え体DNAの具体的な例としてpEF−BOS/SIIS−1(SH+)が挙げられる。pEF−BOS/SIIS−1(SH+)は、発現ベクターpEF−BOSのクローニング部位にSIIS−1遺伝子を挿入したものである。pEF−BOS/SIIS−1(SH+)は本発明のSIIS−1遺伝子を原料に、実施例1にに示した方法により構築することができる。具体的には、SIIS−1 cDNAを制限酵素XbaIPvuIIで消化後、ブラントエンド化し、ベクターpEF−BOSのブラントエンド化したXbaIサイトに挿入することにより構築することができる。又、本発明の組換え体DNAは公知の宿主に導入することが好ましい。
本発明に用いられる宿主細胞としての微生物又は細胞は特に限定されないが、本発明の組換え体DNAが発現し、SIIS−1の生合成が可能な宿主細胞が用いられる。例えば、上記したpEF−BOS/SIIS−1(SH+)をM1細胞にエレクトロポレーション法で形質導入することができる。本発明の形質導入された細胞は、上記の新規なサイトカインレギュレーター作用を有する物質のスクリーニングに用いることができる。又、形質導入した本発明の組換え体DNAを細胞によって発現させ、生合成されたタンパク質を抽出し、上記の新規なサイトカインレギュレーター作用を有する物質のスクリーニング又は本発明のタンパク質に結合しうるモノクローナル抗体を製造する際に用いることが可能である。
本発明は、SIIS−1をコードするDNAにより形質導入された微生物又は細胞を用いた、新規なサイトカインレギュレーター作用を有する物質のスクリーニング方法である。このスクリーニング方法によっても、上記のタンパク質を用いたスクリーニング方法と同様に新規なサイトカインレギュレーター作用、即ち、SIIS−1作用の阻害もしくはSIIS−1様作用又はSIIS−1活性作用を有する新薬のスクリーニングが可能となると考えられる。
本発明の形質導入体を用いたサイトカインレギュレーター作用を有する物質のスクリーニング方法としては、特に限定されないが、例えば、SIIS−1を形質導入した培養細胞に種々の物質を添加し、細胞死などの変化を観察することによりサイトカインレギュレーター作用を有する物質をスクリーニングする方法が挙げられる。具体的には、野生型SIIS−1(SH+)クローンをLIF存在下で培養し、種々の物質を投与した時、細胞の死滅が観察され、染色後の細胞の顕微鏡下の観察によりクロマチンの凝縮等のアポトーシスが見られた場合は、SIIS−1作用を阻害する化合物の発見を意味する。又、LIF存在下で培養しているM1細胞又はM1−Neo細胞の細胞死滅を延期または阻害する物質は、SIIS−1様作用又はSIIS−1活性化作用を有する物質と考えられるので、上記の培養細胞も新薬のスクリーニングに使用することができる。更に、SIIS−1を形質導入した培養細胞を種々の物質の存在下で培養し、その後、抗gp130又は抗STAT3抗体と共にウェスタンブロット法を用い、サイトカインレギュレーター作用を有する物質をスクリーニングする方法も挙げられる。具体的には、IL−6などで刺激後、SIIS−1をクローニングした培養細胞を種々の物質の存在下で培養し、その細胞の抽出物を抗gp130又は抗STAT3抗体と反応させて免疫沈降物を得、その後、抗リン酸チロシンモノクローナル抗体を用いてウエスタンブロッティングを行なう。gp130及びSTAT3のチロシンリン酸化の促進はSIIS−1の阻害を意味し、このような作用を有する物質のスクリーニングに使用することができる。
発明を実施するための最良の形態
以下、参考例及び実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明は、これらの参考例及び実施例によって何ら限定されるものではない。
参考例1 細胞培養
細胞培養は、以下の方法及びこの方法に準じて行なわれた。
ミエロイドロイケミアM1細胞(Myeloid leukemia M1 cells)はイーグル最小基本培地(Eagle's minimal essential medium)に、通常用いられる濃度の2倍のアミノ酸及びビタミンならびに10%(v/v)子牛血清(FCS)を補給した培地で培養した。
IL−6依存性ミエローマMH60細胞はIL−6(5ng/ml)と10%FCSを補給したRPMI1640培地で維持した。
IL−2/IL−4依存性CT4S細胞はIL−4(10U/ml)と10%FCSを補給したRPMI1640培地で培養した。
IL−3依存性ミエロイドNFS60細胞は10%FCSとIL−3源としてWEHI−3B(マウスのmyelomonocyte)を培養した10%コンディション培地を補給したRPMI1640培地で維持した。
STAT3のドミナントネガティブ型を常に発現するM1セルライン[M1−Y705F;Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93, 3963-3966(1996)]は、250μg/ml Geneticin(米国、GIBCO BRL社製)の存在下で通常のM1細胞と同様に培養した。
実施例1
本発明の新規タンパク質SIIS−1の調製方法
(1)STATのSH2領域に対するモノクローナル抗体の精製
STATのSH2領域に存在するSTATファミリーメンバー間で高度に保存されているアミノ酸配列GTFLLRFS(3文字略記ではGly-Thr-Phe-Leu-Leu-Arg-Phe-Ser)に対するモノクローナル抗体を合成した。即ち、STAT3のSH2領域のアミノ酸600番から617番に相当する合成オリゴペプチドTKPPGTFLLRFSESSKEG(3文字略記ではThr-Lys-Pro-Pro-Gly-Thr-Phe-Leu-Leu-Arg-Phe-Ser-Glu-Ser-Ser-Lys-Glu-Gly)をキーホールリムペット ヘモシアニンに結合し、BALB/cマウスに免疫した。このマウスの脾臓細胞とマウスミエローマ細胞P3-X63-Ag8-653を融合して合成オリゴペプチドGTFLLRFS(FmocでN末端を保護したもの)に反応性のモノクローナル抗体を生産するハイブリドーマFL−238を確立した。ハイブリドーマを用いて得られたモノクローナル抗体をBALB/cマウスの腹水からプロテインAアフィニティークロマトグラフィーによって精製した。
(2)SIIS−1cDNAの単離
上記(1)で精製したGTFLLRFSのモチーフに対するモノクローナル抗体を用い、STATのSH2領域を有するcDNAをPicoBlue免疫スクリーニングキット(米国、Stratagene Cloning Systems社製)を用いてマウス胸腺cDNAライブラリー(LambdaZAP,米国、Stratagene Cloning Systems社製)から単離した。具体的には、マウス胸腺cDNAライブラリーである300万プラークのファージ遺伝子を免疫スクリーニングキットの方法に従ってスクリーニングし、従来より知られているSTAT3等の遺伝子を除いて約20種の未知の遺伝子を得た。
このうち、5種の遺伝子の全長塩基配列の決定を行なった。このうち、2種の遺伝子がSH2領域を有していた。この1種は公知のCISタンパク質をコードする遺伝子であり、他の1種は212個のアミノ酸からなり、C末端側にSH領域、N末端側のセリンが8個並んだ領域をもった新規タンパク質をコードする遺伝子であった。そして、これをSIIS−1(“STAT-induced inhibitor of STAT function-1”の略)と命名した。
(3)SIIS−1発現ベクターの構築
上記(2)で単離したSIIS−1 cDNAを制限酵素XbaIPvuIIで消化し、得られた制限酵素断片をブラントエンド化し、哺乳動物発現ベクターpEF−BOSのブラントエンド化したXbaIサイトに挿入した。以下、構築したSIIS−1発現ベクターをpEF−BOS/SIIS−1(SH+)とする。
SH2領域を欠損した変異型SIIS−1を構築するために、pEF−BOS/SIIS−1(SH+)を制限酵素BssHIIで消化し、生じた360bpの断片を除去した。得られたSH2領域及びC末端の領域を欠損したSIIS−1発現ベクター(即ち、SIIS−1変異ベクター)を、pEF−BOS/SIIS−1(SH−)とした。
上記で構築したPEF−BOS/SIIS−1(SH+)又はpEF−BOS/SIIS−1(SH−)のいずれか一方の発現ベクターとネオマイシン耐性遺伝子をコードするpSV2 Neoとを20:1の比率で混ぜ、M1細胞にエレクトロポレーション法で形質導入した。ネオマイシン耐性を指標とし、形質導入体(クローン)をGeneticin(米国、GIBCO BRL社製)750μg/mlを含む成長培地中で選択した。
実施例2
マウスの種々の組織におけるSIIS−1の発現
放射線標識した全長SIIS−1cDNAをプローブとして用い、マウスNTNブロット膜(米国、CLONTECH社製)とハイブリダイゼイションを行った。尚、対照として市販のβ−アクチンのプローブを用いた。結果を図3に示す。図中、Hは心臓、Bは脳、Sは脾臓、Luは肺、Lは肝臓、Smは骨格筋、Kは腎臓、Teは精巣を示す。
その結果、SIIS−1のmRNAは、偏在的に発現するが、肺、脾臓及び精巣で強く、他の組織で弱いことが判明した。
実施例3
因子依存性の細胞系におけるSIIS−1の誘導の可能性の検討
MH60細胞とM1細胞はそれぞれIL−6(50ng/ml)及びsIL−6R(5ng/ml)で刺激された。IL−4依存性のCT4S細胞はIL−4(10U/ml)及びIL−2(10ng/ml)、G−CSF依存性のNFS60細胞はG−CSF(20ng/ml)及びIL−3(5ng/ml)でそれぞれ刺激された。
M1細胞を除くその他の細胞は、1%BSAを含むRPMI1640培地で4時間培養して培地中の因子を除去し、その後、各サイトカインを加えた培地で図に示された時間(分)培養することにより刺激した。M1細胞は参考例1に記載の方法で培養後、サイトカインを加えた培地で図に示された時間(分)培養することにより刺激した。
サイトカインにより刺激された細胞から、Iso−Gen(日本国、Nippon Gene社製)を用いて細胞質RNAを抽出した。得られた全RNA(5μg/ml)をアガロースゲル電気泳動し、ナイロン膜(Hybond+、英国、Amerasham社製)に移した。この膜を放射性標識したSIIS−1プローブ並びに市販のβ−アクチンプローブ及びc−mycプローブを用いてそれぞれハイブリダイゼイションを行なった。その結果を図4に示した。
図4に示すように、MH60細胞及びM1細胞はいずれも、IL−6及びsIL−6Rによる処理後60〜120分の間にSIIS−1のmRNAの発現がピークに達した。CT4S細胞及びNFS60細胞は、それぞれIL−4及びG−CSFに応答してSIIS−1のmRNAを発現した。この結果から、SIIS−1は、STAT3を活性化するIL−6及びG−CSFのみによって誘導されるばかりではなく、STAT6を活性化するサイトカインのIL−4によっても誘導されることが判明した。
実施例4
野生型STAT3遺伝子又はY705F遺伝子でトランスフェクトしたM1細胞中でのSIIS−1の誘導についての検討
野生型STAT3遺伝子ををトランスフェクトしたM1細胞(以下、屡々、M1−STAT3と呼ぶ)、及びSTAT3の705番目のTyr(Y)(JAKキナーゼによってリン酸化されるチロシン残基)がポイントミューテーションによってPhe(F)に置換されたドミナントネガティブ型遺伝子をトランスフェクトしたM1細胞(以下、屡々、M1−Y705Fと呼ぶ)を用いた。対照としてネオマイシン耐性遺伝子のみをトランスフェクトしたM1細胞(以下、屡々、M1−Neoと呼ぶ)を用いた。それぞれの細胞を、図5に示す種々の期間、実施例3と同様の方法で1000U/mlのLIFで刺激し、全RNAを抽出し、SIIS−1及びβ−アクチンプローブでノーザンブロッティングを行なった。その結果を図5に示した。
SIIS−1のmRNAは、対照のM1−Neo細胞よりもM1−STAT3細胞でLIFによってより強く誘導されたが、M1−Y705F細胞における誘導は観察されなかった。この結果から、SIIS−1遺伝子は、STAT3の標的遺伝子のひとつであり、JAK/STAT経路によって誘導されることを示している。
実施例5
gp130によって伝達されるシグナルの経路におけるSIIS−1の影響についての検討
実施例1に記載した方法により得られた野生型SIIS−1(SH+)発現M1形質導入株,変異型SIIS−1(SH−)発現M1形質導入株、母M1細胞及びM1−Neoを用いて実験を行なった。
各細胞株をLIF(1000U/ml)含有培地に植え付け(0日目)、1日〜4日間培養した。細胞の生存率(viability)を0,1,3及び4日目に「細胞免疫実験操作法」(p.15〜16;Barbara B. Mishell et al.編、理工学社刊、1982)記載の方法に従って測定した結果を図6に示した。
各細胞の1日目の[3H]−チミジン取り込み量を「続生化学実験講座5免疫生化学法」(p.198;日本生化学会編、東京化学同人、1986)に記載の方法に従って測定し、図7に示した。
又、上記の条件で3日間培養した各細胞のメイ−グルンワルド−ギムサ(May-Grunwald-Giemsa)染色を行ない、光学顕微鏡を用いて観察した。その結果を図8に示した。
図6,7,8(a)〜(d)において、M1は母M1細胞、NeoはM1−Neo、SH(−)はSH2領域欠損変異型SIIS−1発現M1細胞、SH(+)は野生型SIIS−1発現M1細胞を示す。
図6に示すように、M1−Neo及びSH−は、母細胞のM1細胞で実証されているように、LIF処理後成長の停止及び細胞死を引き起こした。この死滅細胞は、クロマチンの凝縮及びapoptotic bodiesの発現(図8(a)(b)(c)参照)のようなアポトーシスの特徴を示した。反対に、SH+は、LIFで刺激しても成長の停止を示さなかった(図6、7及び8(d)参照)。これらの結果は、SIIS−1がgp130で伝達されるシグナルの経路をブロックすること、及びSIIS−1のSH2領域がこのブロック遮断に必須であることを示した。
実施例6
SIIS−1によるgp130で伝達されるシグナルの経路の阻害メカニズムについての検討
実施例1に記載した方法により得られた野生型SIIS−1(SH+)発現M1形質導入株,変異型SIIS−1(SH−)発現M1形質導入株及びM1−Neoを用いて実験を行なった。
各細胞(5×107細胞)をIL−6(1μg/ml)とsIL−6R(1μg/ml)で5分間処理した。対照として、処理を行わない細胞(処理時間:0分)を用いた。その後、タンパク質分解酵素阻害剤を含む細胞溶解緩衝液(0.5% Nonidet P-40,10mM Tris・Cl、pH7.4,150mM NaCl、1mM EDTA 1mM Na3VO4)に溶解した。各細胞溶解物を抗gp−130抗体(米国、Upstate Biotechnology社製)または抗STAT3抗体と反応させ、得られた免疫沈降物をSDS−PAGEで分離した。分離した免疫沈降物を抗リン酸化チロシンモノクローナル抗体(4G10,米国、Upstate Biotechnology社製)で免疫ブロットした。結合した抗体はchemiluminescence system(英国、Amersham社製)で視覚化して確認した。その結果を図9に示した。
図9において、抗gp130抗体で得た免疫沈降物、抗STAT3抗体で得た免疫沈澱物をそれぞれ抗リン酸化チロシンモノクロナール抗体でイムノブロットした結果を示す。図9に示すようにgp130及びSTAT3のチロシンリン酸化は、コントロールのM1−Neo及びSH−にくらべてSH+では、激減した。
上記の実施例1〜6により明らかとなった本発明のSIIS−1の性質と公知のCISの性質の対比を表1に示した。
Figure 0004065030
産業上の利用可能性
本発明のSIIS−1タンパク質や形質導入体を用いると、新規なサイトカインレギュレーター作用を有する物質をスクリーニングにすることができる。また、本発明で開示されたSIIS−1の塩基配列情報をもとに、SIIS−1特異的なアンチセンスDNA及びRNAを設計することができる。サイトカインレギュレーター作用を有する物質やSIIS−1のアンチセンスDNA及びRNAは、薬効を持つ内因性あるいは投与サイトカインの作用増強薬として使用可能である。
本発明のSIIS−1特異的なモノクローナル抗体を用いれば、細胞や組織中のSIIS−1蛋白を検出するELISAやRIA、またはウェスタンブロット系を構築することができる。また、SIIS−1 mRNAに特異的なプローブDNAおよびRNAを用いて細胞や組織のSIIS−1発現を検出することが可能である。このような検出系は、診断目的に使用され得る。
配列表
配列表
配列番号:1
配列の長さ:1087
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA
起源:マウス胸腺
配列:
Figure 0004065030
Figure 0004065030
Figure 0004065030

Claims (9)

  1. 哺乳類のJAK/STATシグナル伝達系におけるSTATタンパク質の機能を抑制するタンパク質であって、実質的に純粋であり且つ次の特徴(1)〜(3)の全てを有するタンパク質。
    (1)STAT3又はSTAT6により誘導される。
    (2)gp130及びSTAT3のチロシンリン酸化を阻害する。
    (3)SH2領域を含有する、次の(a)又は(b)のアミノ酸配列を含む。
    (a)配列番号1の212個のアミノ酸からなるアミノ酸配列
    (b)配列番号1の212個のアミノ酸からなるアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列。
  2. 該タンパク質が、配列番号1のアミノ酸配列を含むことを特徴とする請求項1に記載のタンパク質。
  3. 請求項1又は2に記載のタンパク質をコードするDNA。
  4. 該DNAが、配列番号1の塩基配列を含む請求項3に記載のDNA。
  5. サイトカインレギュレーター作用を有する物質をスクリーニングする方法にして、サンプル材料を請求項1又は2に記載のタンパク質に接触させ、サンプル試料中に含まれる物質による該タンパク質の活性化又は活性阻害を指標として、サイトカインレギュレーター作用を有する物質を検出することを特徴とするスクリーニング方法。
  6. 請求項1又は2に記載のタンパク質に結合するモノクローナル抗体。
  7. 請求項3又は4に記載のDNAを複製可能なベクターに組み込んでなる複製可能な組換え体DNA。
  8. 請求項7に記載の複製可能な組換え体DNAで形質導入された微生物又は細胞。
  9. サイトカインレギュレーター作用を有する物質をスクリーニングする方法にして、サンプル材料を請求項8に記載の形質導入された微生物又は細胞に接触させ、サンプル試料中に含まれる物質による、上記形質導入された微生物又は細胞中の該組み換え体DNAがコードするタンパク質の活性化又は活性阻害を指標として、サイトカインレギュレーター作用を有する物質を検出することを特徴とするスクリーニング方法。
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