JP4064185B2 - パイロット油着火方式ガスエンジンの運転方法 - Google Patents

パイロット油着火方式ガスエンジンの運転方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、パイロット油着火方式のガスエンジンの起動時に発生する失火の割合を減少させ、起動の安定性を向上させるためのガスエンジンの構造と、このガスエンジンの運転方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
圧縮着火を行なうパイロット着火方式ガスエンジンは、従来の点火プラグ着火方式ガスエンジンよりもその着火エネルギが高いため、大幅な出力アップが可能である。しかし、パイロット着火油方式ガスエンジンにおいても、燃焼室内の温度が低い起動時には圧縮着火が困難であるため、点火プラグ等により起動している。従って、エンジンの部品点数を減らして経済性を高めるため、あるいは円滑な起動性を得るためには、より早く圧縮着火が可能な条件を整え、クランキング時からパイロット油着火運転を実現する必要がある。
【0003】
図1は、本発明者が提案しているパイロット油着火方式ガスエンジンのシリンダヘッド1付近の断面図である。ピストン3が昇降する主燃焼室2には、起動用の点火プラグ4が設置されている。また、主燃焼室2には、パイロット油着火のための予燃焼室5が、主燃焼室2に連通して設けられている。この予燃焼室5内には、パイロット油燃料弁6が設けられている。このパイロット油燃料弁6は、配管8を介してパイロット油ポンプ7に接続されている。このパイロット油ポンプ7は、ガスエンジンの駆動力によって駆動される。図示しないが、パイロット油ポンプ7は、配管を介してパイロット油タンクに接続されている。また、図示しないが、主燃焼室2には、燃料供給源から燃料供給弁を介してガス燃料が供給される。
【0004】
起動時には、点火プラグ4の電極に適切なタイミングでスパークを発生させ、主燃焼室2内に供給されたガス燃料に点火する。パイロット油は、エンジンが駆動するパイロット油ポンプ7により、パイロット油燃料弁6に圧送される。パイロット油に加えられる圧力はエンジン回転数の上昇に従い上昇し、この圧力がパイロット油燃料弁6の所定の開弁圧力を超えた時点で、予燃焼室5内へのパイロット油の噴射が開始される。そして、パイロット油の噴射時における予燃焼室5内の温度が、パイロット油の自己着火温度以上となった時点でパイロット油着火運転が開始し、点火プラグ4のスパークが停止する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記起動時に失火が発生すると、排気中に未燃焼ガスが放出される。失火が発生する割合が高くなると、排気管内の燃料ガスの濃度が高くなり、このガス濃度が可燃範囲に達すると、排気管内で急速燃焼が起こる原因になりうる。また、失火の割合が高くなると、エンジンの起動の失敗(ストール)に到る。
【0006】
従って、ガスエンジンを用いたシステムにおいては、起動時の失火の発生を抑制することが重要な課題である。本発明は、起動時の失火の発生を抑制できる、信頼性の高いガスエンジンとその運転方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載されたパイロット油着火方式ガスエンジンの運転方法は、複数の燃焼室にそれぞれ設けられた複数のパイロット油燃料弁と、前記パイロット油燃料弁ごとに設けられた複数のパイロット油ポンプと、対応する前記パイロット油燃料弁と前記パイロット油ポンプを接続する複数の第1の配管と、前記各パイロット油燃料弁にパイロット油を供給するために共通に設けられたパイロット油主管と、前記各パイロット油ポンプを前記パイロット油主管にそれぞれ接続する複数の第2の配管と、運転用パイロット油タンクと、前記パイロット油主管の一端と前記運転用パイロット油タンクを接続する第3の配管とを有し、前記パイロット油主管の他端にパイロット油排出バルブを設け、前記第3の配管にパイロット油切替バルブを介して着火促進剤添加済パイロット油タンクを接続したパイロット油着火方式ガスエンジンの運転方法において、
運転状態にあるガスエンジンの停止前に、パイロット油切替バルブを切り替えて着火促進剤添加済パイロット油タンクを第3の配管に連通させるとともに運転用パイロット油タンクを第3の配管から遮断し、パイロット油主管のパイロット油排出バルブを開放し、パイロット油切替バルブからパイロット油主管の他端までの内容量以上のパイロット油を排出することにより、パイロット油切替バルブからパイロット油主管の他端までのパイロット油を着火促進剤添加済パイロット油に置換し、
更にガスエンジンの運転を一定時間継続することにより、パイロット油主管より下流側にある第二の配管、パイロット油ポンプ、第1の配管、パイロット油燃料弁のパイロット油が、着火促進剤添加済パイロット油に置換された後、エンジンを停止させることを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態の第一の例を図1〜図4を参照して説明する。
この例のガスエンジンの主燃焼室周りの構成は、図1に示したものと同一である。すなわち、シリンダヘッド1内には、ピストン3が昇降する主燃焼室2に連通するように、予燃焼室5が設けられ、該予燃焼室5には、パイロット油燃料弁6が設けられている。パイロット油燃料弁6には、エンジンの駆動力によって駆動されるパイロット油ポンプ7が、第一の配管8を介して接続されている。また、図2に示すように、このパイロット油ポンプ7は、第二の配管9を介してパイロット油主管10に接続されている。
【0016】
図1及び図2には、パイロット油燃料弁6及びパイロット油ポンプ7が一組のみ図示されているが、本例のガスエンジンは多気筒であるため、パイロット油燃料弁6、パイロット油ポンプ7、第一及び第二の配管8,9は、各気筒ごとに設けられている。
【0017】
図2に示すように、第二の配管9、は共通のパイロット油主管10に接続されている。図2では詳細を省略しているが、複数のパイロット油燃料弁6に対応する複数の第二の配管9は、所定の間隔をおいてパイロット油主管10に接続されている。また、パイロット油主管10の一端には、第三の配管11を介して運転用パイロット油タンク12が接続されている。運転用パイロット油タンク12には、圧縮着火によるパイロット油着火を行うために燃焼室に噴射されるパイロット油が貯蔵されている。
【0018】
パイロット油としては、引火点が40℃〜70℃、セタン価またはセタン指数が40〜60の油が使用でき、具体的には軽油やA重油が挙げられる。この軽油の性状として、引火点:50℃以上、流動点:−2.5℃以下、JIS K 2270(コンラドソン法)による蒸留10%残油の残留炭素分:0.1wt%以下、セタン価またはセタン指数:50以上、動粘度(30℃):2.7cSt以上、硫黄分:0.5wt%以下のものが好ましく使用でき、上記A重油の性状としては、引火点:60℃以上、流動点:6℃以下、JIS K 2270(コンラドソン法)による蒸留10%残油の残留炭素分:1.3wt%以下、セタン指数:45以上、動粘度(50℃):5.5cSt以下、硫黄分:1.0wt%以下のものが好ましく使用できる。
【0019】
また、第三の配管11の途中には、パイロット油切替バルブ13を介して着火促進剤添加済パイロット油タンク14が接続されている。着火促進剤添加済パイロット油タンク14には、起動時に使用するために着火促進剤が添加されたパイロット油が貯蔵されている。起動時に着火促進剤が添加されたパイロット油を使用すれば、より早くパイロット油着火運転ができるようになる。
【0020】
着火促進剤としては、パイロット油のセタン価を向上させて、ガスエンジンに不具合をもたらすことなく安全に着火を促進できるものであればよく、それらを添加した結果、パイロット油のセタン価を5〜25%向上させることができるものであればよい。着火促進剤として、例えば、アルキルナイトレート、硝酸アルキレン、硝酸アミン等を挙げることができ、具体的には、2−エチルへキシルナイトレートや2,2−ジニトロプロパンが知られている。また少なくともこれら物質のいずれかを含んで、着火を促進するものとしてディーゼルエンジンの燃料であるディーゼル油に添加する各種添加剤が市販されており、これら添加剤も着火促進剤として使用することができる。
【0021】
また、前記パイロット油主管10の他端には、パイロット油排出バルブ15が上方に向けて設けられている。運転終了前に、このバルブを開いて管内のパイロット油を排出するとともに、着火促進剤添加済パイロット油タンク14から管内に着火促進剤添加済パイロット油を導入することにより、パイロット油を着火促進剤添加済パイロット油に置換することができる。なお、図示しないが、パイロット油排出バルブ15の出口を、第四の配管により運転用パイロット油タンク12に接続し、パイロット油主管10から排出されたパイロット油を運転用パイロット油タンク12に戻すようにしてもよい。
【0022】
上記の構成におけるガスエンジンの運転方法について、図3に示すタイムチャートを参照して説明する。
このガスエンジンの定格運転中は、運転用パイロット油タンク12が第三の配管11に連通しており、着火促進剤添加済パイロット油タンク14は、第三の配管11に対して遮断されている。従って、通常のパイロット油のみが配管内に供給されてパイロット油燃料弁6から噴射され、パイロット油着火運転が行われている。
【0023】
運転状態にあるガスエンジンを停止する場合には、次の操作を行う。まず、ガスエンジンの停止前に、図3にて、「エンジン回転数」の「停止」前における「添加剤ライン使用」に示すように、パイロット油切替バルブ13を切り替えて着火促進剤添加済パイロット油タンク14を第三の配管11に連通させ、運転用パイロット油タンク12を第三の配管11から遮断する。そして、パイロット油主管10のパイロット油排出バルブ15を開放し、パイロット油切替バルブ13からパイロット油主管10の他端までの内容量以上のパイロット油を排出する。
【0024】
この場合、排出すべきパイロット油量は次式(1)で示される。
第三の配管11の内容量[L]+パイロット油主管10の内容量[L]<排出パイロット油量[L]…(1)
【0025】
その結果、パイロット油切替バルブ13からパイロット油主管10の他端までのパイロット油が着火促進剤添加済パイロット油に置換される。そして、更にガスエンジンの運転を一定時間継続することにより、パイロット油主管10より下流側にある第二の配管9、パイロット油ポンプ7、第一の配管8、パイロット油燃料弁6のパイロット油が、着火促進剤添加済パイロット油に置換される。その後、エンジンを停止させる。
【0026】
この場合、パイロット油主管10よりも下流側を着火促進剤添加済パイロット油に置換するためにガスエンジンを運転する時間は次式(2)で示される。
{(第二の配管9の内容量+パイロット油ポンプ7の内容量+第一の配管8の内容量+パイロット油燃料弁6の内容量)[L]×シリンダ数}÷パイロット油消費量[L/min]<運転時間[min]…(2)
【0027】
また、着火促進剤添加済パイロット油タンク14の内容量は次式(3)で示される。
第三の配管11の内容量+パイロット油主管10の内容量+(第二の配管9の内容量+パイロット油ポンプ7の内容量+第一の配管8の内容量+パイロット油燃料弁6の内容量)[L]×シリンダ数+起動時必要パイロット油量[L]<着火促進剤添加済パイロット油タンク14の内容量[L]…(3)
【0028】
上記操作の結果、停止しているガスエンジンのパイロット油切替バルブ13からパイロット油燃料弁6までは、着火促進剤添加済パイロット油で満たされた状態にあり、着火促進剤添加済パイロット油タンク14は第三の配管11に連通している。ガスエンジンの起動時には、図3にて、「エンジン回転数」の0から「起動」、「定格運転」までにおける「添加剤ライン使用」に示すように、着火促進剤添加済パイロット油タンク14が第三の配管11に連通した状態を、本ガスエンジンが定格回転に達するまで継続し、定格運転に入ってから、パイロット油切替バルブ13を切り替え、第三の配管11を、運転用パイロット油タンク12に連通させる。
【0029】
ガスエンジンの起動は、点火プラグ4のスパークで行う。図3における「エンジン回転数」の「起動」から「定格運転」までにおける「スパークON」に示すように、点火プラグ4のスパークは、ガスエンジンが定格回転に達するまで継続される。
【0030】
エンジン回転数の上昇に従い、パイロット油ポンプ7により着火促進剤添加済パイロット油に加えられる圧力が上昇する。そして、エンジンの回転が更に上昇し、着火促進剤添加済パイロット油に加えられる圧力がパイロット油燃料弁6の開弁圧力を超えた時点で、着火促進剤添加済パイロット油の噴射が開始される。図3では、「パイロット油噴射」のタイミングに示されるように、ガスエンジンが定格運転に達する前に、着火促進剤添加済パイロット油の噴射が開始される。そして、パイロット油の噴射時における予燃焼室5内の圧縮温度が、パイロット油の自己着火温度以上となった時点で、パイロット油着火運転が開始されるとともに、点火プラグ4のスパークが停止する。例えば、ガスエンジンの回転数が定格回転数に達したとき、パイロット油着火運転が開始され、点火プラグ4のスパークが停止する。このパイロット油着火運転に使用されているパイロット油は着火促進剤添加済であるから失火は発生しにくい。
【0031】
図3にて、「エンジン回転数」の「定格運転」後における「添加剤ライン使用」に示すように、ガスエンジンが定格回転に達すると、パイロット油切替バルブ13が切り替えられ、着火促進剤添加済パイロット油タンク14が第三の配管11に対して遮断され、第三の配管11が、運転用パイロット油タンク12に連通される。従って、定格運転時には、運転用パイロット油タンク12から供給される通常のパイロット油によって着火が行われる。
【0032】
上述のように、このガスエンジンにおいては、エンジンの起動時に、通常のパイロット油が、着火促進剤添加済のものに置換されるため、点火プラグ4による起動からパイロット油着火への移行が、失火を発生させることなく円滑に行われる。しかも、起動に際して失火が発生しなくなるエンジン回転数を従来よりも低くすることができるため、起動の確実性及び円滑性を高めることができ、ガスエンジンの信頼性が向上する。更に、パイロット油排出バルブ15の出口を、第四の配管により運転用パイロット油タンク12に接続する構成とすれば、パイロット油主管10から排出されたパイロット油を運転用パイロット油タンク12に戻すことができ、エネルギ消費の無駄が省ける。この場合、微量の混合油がタンクに戻ってもエンジン運転上の問題はない。
【0033】
上記の構成を有するガスエンジン及びその運転方法による効果の具体的な一例を、図4を参照して説明する。
図4に、ボア220mm、ストローク300mmの6気筒の、本発明者が本発明前に提案したガスエンジン(図中破線で示す)と、ボア220mm、ストローク300mmの6気筒の、本発明のガスエンジン(図中実線で示す)の起動時の失火率を示す。この失火率は、連続した18サイクルのPmi(図示平均有効圧力)が0以下となるサイクルを百分率で示したものである。
【0034】
本発明前のガスエンジン(図中破線)では、起動時における失火率は、エンジンの回転数が上昇するに伴い減少し、概ね950rpmになったところで0になる (失火がなくなる)。
【0035】
これに対し、着火促進剤としてルーブリゾール(Lubrizol Performance Products Company)製LZ8090をA重油に1%混合したものをパイロット油として使用する本願発明のガスエンジン (図中実線)では、起動直後の失火率は本発明前のガスエンジンと同等であるが、失火率はエンジン回転数の上昇に伴い急速に低下し、失火率が0となるエンジンの回転数は450rpmであり、本発明前のガスエンジンよりも低い。
【0036】
このように、パイロット油着火のガスエンジンにおいてパイロット油を着火促進剤添加済パイロット油に置換して起動できる構成と方法を採用したことにより、パイロット油着火方式ガスエンジンの起動時の失火率及び、失火が発生しなくなる回転数が従来よりも低下した。従って、エンジンの起動時における確実性及び円滑性を高めることができた。
【0037】
なお、本発明のガスエンジンにおける上述の効果は、シリンダ径220mm、6シリンダのガスエンジンについて得られたものであるが、本発明のガスエンジンの構成を満たせば、他のシリンダ径及びシリンダ数のパイロット油着火ガスエンジンにも適用でき、相応の効果を得ることができる。
【0038】
本発明の実施態様の第二の例を図5を参照して説明する。
この例のガスエンジンは、図5に示すように、第一の例において着火促進剤添加済パイロット油タンク14をパイロット油切替バルブ13を介して配管に接続したのに代え、着火促進剤タンク(着火促進剤原液保有タンク)16を、流量調整バルブ17を介して第三の配管11に接続したことを特徴とする。
【0039】
着火促進剤タンク16の内容量は次式(4)で示される。
{第三の配管11の内容量[L]+パイロット油主管10の内容量[L]+(第二の配管9の内容量+パイロット油ポンプ7の内容量+第一の配管8の内容量+パイロット油燃料弁6の内容量)[L]×シリンダ数+起動時必要パイロット油量[L]}×混入率[%]/100<着火促進剤タンク16の内容量[L]…(4)
【0040】
また、本例の着火促進剤タンク16から第三の配管11内のパイロット油に着火促進剤を混入するため、着火促進剤タンク16と流量調整バルブ17とを接続する配管には、加圧ポンプ18が設けられている。同様の目的で、加圧ポンプ18に代え、あるいは加圧ポンプ18の設置とともに、着火促進剤タンク16のヘッド高さを運転用パイロット油タンク12のヘッド高さよりも高くしてもよい。
【0041】
その他の構成は第一の例と同一であり、その運転方法も第一の例に準じる。また、本例によっても、第一の例と実質的に同一の良好な効果が得られる。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、パイロット油着火方式ガスエンジンにおいて通常のパイロット油を着火促進剤添加済のものに置換して起動できるので、起動時の失火率及び失火が発生しなくなる回転数が従来よりも低くなり、その起動の確実性、円滑性を高めることができ、信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明者が提案するパイロット油着火方式ガスエンジンの、シリンダヘッド付近の断面図である。
【図2】本発明の第一の例の構成を説明する模式図である。
【図3】本発明の第一の例のガスエンジンの運転方法を示すタイムチャートである。
【図4】図4は、本発明の第一の例のガスエンジン(実線)と、本願発明者が本願発明前に提案したガスエンジン (破線)との効果を比較するための、失火率とエンジン回転数との関係を示す図である。
【図5】図5は、本発明の第二の例の構成を説明する模式図である。
【符号の説明】
2…主燃焼室、5…予燃焼室、6…パイロット油燃料弁、8…第1の配管、9…第2の配管、10…パイロット油主管、11…第3の配管、12…運転用パイロット油タンク、13…パイロット油切替バルブ、14…着火促進剤添加済パイロット油タンク、15…パイロット油排出バルブ、16…着火促進剤タンク、17…流量調整バルブ、18…加圧ポンプ。

Claims (1)

  1. 複数の燃焼室にそれぞれ設けられた複数のパイロット油燃料弁と、前記パイロット油燃料弁ごとに設けられた複数のパイロット油ポンプと、対応する前記パイロット油燃料弁と前記パイロット油ポンプを接続する複数の第1の配管と、前記各パイロット油燃料弁にパイロット油を供給するために共通に設けられたパイロット油主管と、前記各パイロット油ポンプを前記パイロット油主管にそれぞれ接続する複数の第2の配管と、運転用パイロット油タンクと、前記パイロット油主管の一端と前記運転用パイロット油タンクを接続する第3の配管とを有し、前記パイロット油主管の他端にパイロット油排出バルブを設け、前記第3の配管にパイロット油切替バルブを介して着火促進剤添加済パイロット油タンクを接続したパイロット油着火方式ガスエンジンの運転方法において、
    運転状態にあるガスエンジンの停止前に、パイロット油切替バルブを切り替えて着火促進剤添加済パイロット油タンクを第3の配管に連通させるとともに運転用パイロット油タンクを第3の配管から遮断し、パイロット油主管のパイロット油排出バルブを開放し、パイロット油切替バルブからパイロット油主管の他端までの内容量以上のパイロット油を排出することにより、パイロット油切替バルブからパイロット油主管の他端までのパイロット油を着火促進剤添加済パイロット油に置換し、
    更にガスエンジンの運転を一定時間継続することにより、パイロット油主管より下流側にある第二の配管、パイロット油ポンプ、第1の配管、パイロット油燃料弁のパイロット油が、着火促進剤添加済パイロット油に置換された後、エンジンを停止させることを特徴とするパイロット油着火方式ガスエンジンの運転方法。
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