JP4063040B2 - Icモジュール並びにicモジュール用アンテナ - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁波からなる質問信号に対する応答信号に応じて自身のアンテナ間の負荷を変化させることによってリーダ/ライタの受信回路に現れる信号に振幅変調をかけて通信を行なうICカード又はICチップなどのICモジュールに係り、特に、MOSプロセスを利用してリーダ/ライタ機能とカードIC機能が単一の半導体回路チップ上に一体化して構成されるICモジュールに関する。
【0002】
さらに詳しくは、本発明は、携帯機器などの小型化が要求される機器に搭載して用いられる、カードIC機能とリーダ/ライタ機能が一体化されたICモジュール並びにICモジュール用アンテナに係り、特に、リーダ/ライタ用アンテナとカードIC用アンテナを重ねて構成することによって実装面積を小さくしたICモジュール並びにICモジュール用アンテナに関する。
【0003】
【従来の技術】
従来から、本人確認や認証処理のために暗証番号やパスワードを用いたさまざまな装置が考案され、実用に供されている。例えば、銀行やその他の金融機関において、キャッシュ・カードやクレジット・カードを使用する際には、キャッシュ・ディスペンサやその他の金融端末上で、本人認証の手段として、暗証番号やパスワードの入力を使用者に対して促し、使用者から正しい暗証番号やパスワードが入力されたことを確認してから、入出金動作を行なうようになっている。
【0004】
1枚のキャッシュ・カード上に配設されている磁気ストライプなどの記憶媒体の中には、その銀行に対してのみ使用可能な記憶領域しか設けられていない。したがって、上述したような暗証番号あるいはパスワードの入力は、この単一の記憶領域へのアクセスに過ぎないので、偽造や盗用に対する保護は充分とは言い難い。
【0005】
このため、偽造防止などの観点から、キャッシュ・カードやクレジット・カードなどに電気的な接点を持った接触式ICカードや、無線データを介して非接触でデータの読み書きを行なう非接触ICカードが携帯型の認証媒体としてよく使われるようになってきている。非接触方式のICカードの場合、リーダ/ライタからは電磁波からなる質問信号が送出され、ICカード側ではこの搬送波を整流して直流電源を生成して内部回路を駆動させ、質問信号に対する応答信号に応じて自身のアンテナ間の負荷を変化させることによってリーダ/ライタの受信回路に現れる信号に振幅変調をかけて通信を行なう。
【0006】
例えば、キャッシュ・ディスペンサやコンサート会場の出入口、駅の改札口などに設置されたICカード・リーダ/ライタは、利用者がかざしたICカードに非接触でアクセスすることができる。
【0007】
また、大容量メモリ付きのICカードによれば、複数のアプリケーションを同時に格納しておくことができるので、1枚のICカードを複数の用途に利用することができる。例えば、1枚のICカード上に、電子決済を行なうための電子マネーや、特定のコンサート会場に入場するための電子チケットなど、2以上のアプリケーションを格納しておき、1枚のICカードをさまざまな用途に適用させることができる。
【0008】
利用者が暗証番号をICカード・リーダ側に入力して、入力された暗証番号をICカード上に格納された暗証番号と照合することで、ICカードとICカード・リーダ/ライタ間で本人確認又は認証処理が行なわれる。そして、本人確認又は認証処理に成功した場合には、例えば、ICカード内に保存されているアプリケーションの利用が可能となる。ここで、ICカードが保持するアプリケーションとしては、例えば、電子マネーや電子チケットなどの価値情報を挙げることができる。(ICカード・アクセス時に使用する暗証番号のことを、特にPIN(Personal Identification Number)と呼ぶ。)
【0009】
最近では、実装技術の進歩により、ICカード機能とその読み書き装置を一体化して単一の半導体回路チップとして構成することが可能となってきている。このようなICチップは、電磁波検出によりICカードとして起動し、通常のパワーオン操作により読み書き装置として起動することができる。
【0010】
さらに、ICカードがカード用リーダ/ライタ(カード読み書き装置)との非接触インターフェースの他に、外部機器と接続するための有線インターフェースを備えることにより、ICカードを携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)やパーソナル・コンピュータなどの情報処理端末に接続しあるいは内蔵して用いることができる(但し、端末に内蔵される多くの場合、ICカードはワンチップ化して構成される。以下では、ICカード及びICチップを総称して単に「ICカード」と呼ぶことにする)。
【0011】
このような場合、ICカードを利用したさまざまなアプリケーション・サービスを、情報処理端末上で実行することができる。例えば、情報処理端末上のキーボードやディスプレイなどのユーザ・インターフェースを用いてICカードに対するユーザインタラクションを情報処理端末上で行なうことができる。また、ICカードが携帯電話機と接続されていることにより、ICカード内に記憶された内容を電話網経由でやり取りすることもできる。さらに、携帯電話機からインターネット接続して利用したサービスの代金をICカードで支払うことができる。
【0012】
勿論、ICカード上に電子マネーや電子チケットなどの価値情報を格納している場合には、情報処理端末は、電子決済などの価値情報の処理や、その他のさまざまなサービスを実現することができる。さらに、ICカードとカード読み書き装置間のデータ転送のフェーズに応じた処理や、ICカードの内部状態に応じた処理を提供することができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上述したようなICカードに関連するさまざまな機能を複数のLSI(Large Scale Integration)を用いて実現することは比較的容易であるが、コスト面や信頼性の面で問題が多い。また、バイポーラ・プロセスを利用したLSIでは1チップ化は比較的容易に実現することができるが、この場合もコスト面の問題が大きい。
【0014】
従来の非接触ICカード用チップは、MOS(Metal Oxide Semiconductor)プロセスを用いて上述した機能の1チップ化を実現したものである。但し、ICカード機能は、基本的に、外部のリーダ/ライタからの搬送波を整流して直流電源を生成しこれを内部のプロセッサやメモリなどの回路の駆動用電源とするものであり、携帯機器などの電源を持った装置に内蔵してもその装置電源を利用することができない。また、このICカード用チップ自体は電波送出器を備えていないので、自らリーダ/ライタとなって他のICカードに対してアクセスを行なうことはできない。また、チップの駆動電源を搬送波にのみ依存しているので、ICカードとして動作するときにリーダ/ライタとの距離が大きくなると通信が困難になる。
【0015】
一方、リーダ/ライタ機能とカードIC機能が単一の半導体回路チップ上に一体化して構成した場合、実装面積を節減することができるので、携帯電話などの小型機器に搭載するのに有利である。このようなICモジュール・チップの各入出力端子にリーダ/ライタ用のアンテナと、カードIC用のアンテナを接続して、外部のICカード又は外部のリーダ/ライタと非接触通信を行なうことが可能になる。
【0016】
携帯機器などでは小型化が強く要求されている。このため、リーダ/ライタ機能とカードIC機能を一体化した半導体回路チップをこの種の機器に搭載する場合、リーダ/ライタ用及びカードIC用の2つのアンテナを重ねて、あるいは同一のアンテナを共用するように構成することが好ましいと思料される。
【0017】
しかしながら、このような構成では、カードIC機能を使用する際、外部のリーダ/ライタから空中電力が供給されたときに、リーダ/ライタ側の送信回路にもこれが入力されて(図1を参照のこと)、電源電圧が上昇してしまうという現象が生じる。
【0018】
これは、MOSの構造上起こり得る現象である。図2には、一般的なMOS構造の断面を模式的に示している。MOS FETには、キャリアが電子であるnチャネルのもの(n−MOS)と、キャリアが正孔であるpチャネルのもの(p−MOS)とがある。
【0019】
n−MOSでは、ゲートGがソースSに対して高電位(positive)になると、ソースとドレインD間にn型チャネルが形成され、その間の抵抗値が減少する。これがスイッチ・オンに相当する。また、ゲートがソースに対して低電位(negative)になると、チャネルが形成されず、ソースとドレイン間の抵抗は大となり、これがスイッチ・オフに相当する。一方、p−MOSでは、ゲートがソースより低電位になると、ソースとドレイン間にp型チャネルが形成され、トランジスタはオンとなる。また、ゲートがソースより高電位になると、チャネルは形成されず、トランジスタはオフとなる。
【0020】
図2に示すように、p−MOS及びn−MOSそれぞれのソース及びドレイン電極には寄生ダイオードが形成されている。
【0021】
MOSゲートを用いた回路構造は、図3に示す通りとなるが、これにソース及びドレイン電極に形成された寄生ダイオードを書き加えると、図4に示す通りとなる。但し、現実の電流方向から、ソース電極に形成された寄生ダイオードは有効に作用しないことから、図4に示した回路は実際には図5に示したものと等価である。図示の通り、p−MOS及びn−MOSの各ドレイン電極に形成された寄生ダイオードが直列的に接続された構造を含んでいる。
【0022】
ここで、図5に示したMOSゲートを、リーダ/ライタ用送信回路の出力バッファに当てはめると、図6に示す通りとなる。同図に示すように、出力バッファは、2つのMOSゲートが並列して同じ電源電圧に接続される構成となっている。また、各MOSゲートは、2個の直列接続された寄生ダイオードを含んでいるが、出力バッファにおいては、これらがグラウンドを介してさらに直列的に接続され、この結果、図7に示すように、4個の寄生ダイオードからなる全波整流回路が形成されることになる。
【0023】
この全波整流回路は、送受信アンテナと並列接続するとともに、点Aにてリーダ/ライタ用送信回路の電源ラインに結線される。ここで、送受信アンテナに空中電力が供給されると、全波整流回路によって整流されて、リーダ/ライタ送信回路の電源端子に電圧を生じさせ、点Aの電圧が電源電圧よりも上昇することがある。
【0024】
このように上昇した電圧が、ICチップの電源電圧よりも高くなったときには、電流の逆流が起こる。また、ICの動作保証ができず、ICの破壊を招く可能性もある。
【0025】
また、カード互換機能のアナログ・フロントエンドは半端整流器で構成しているため、この寄生ダイオードにより形成される全波整流回路は非常に相性が悪く、カード用アンテナとリーダ/ライタ用アンテナの共用化が困難である。したがって、2つのアンテナを重ねて構成せざるを得ない。
【0026】
本発明は上述したような技術的課題を鑑みたものであり、その主な目的は、MOSプロセスを利用してリーダ/ライタ機能とカードIC機能が単一の半導体回路チップ上に一体化して構成される、優れたICモジュール並びにICモジュール用アンテナを提供することにある。
【0027】
本発明のさらなる目的は、リーダ/ライタ用アンテナとカードIC用アンテナを重ねて構成することによって実装面積を小さくした、優れたICモジュール並びにICモジュール用アンテナを提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、電磁波を搬送波として質問信号を送出するとともにこれに対する応答信号を受信するリーダ/ライタ機能部と、
搬送波を整流して直流電源を生成して内部回路を駆動させ、質問信号に対する応答信号に応じて自身のアンテナ間の負荷を変化させることによってリーダ/ライタの受信回路に現れる信号に振幅変調をかけて通信を行なうカードIC機能部と、
前記カードIC機能部の入出力端子に接続される第1のループ・アンテナと、
前記リーダ/ライタ機能部の入出力端子に接続される第2のループ・アンテナとを具備し、
前記第1のループ・アンテナと前記第2のループ・アンテナは、絶縁層を介してフレキシブル基板上に積層されてなる、
ことを特徴とするICモジュールである。
【0029】
ここで、前記リーダ/ライタ機能と前記カードIC機能は、MOSプロセスを利用して単一の半導体回路チップ上に実装されている。
【0030】
携帯機器などでは小型化が強く要求されているので、ICモジュールをこの種の機器に搭載することを考慮し、リーダ/ライタ用及びカードIC用の2つのアンテナを重ねて構成することによって、実装面積を節約することができる。
【0031】
そして、カードIC用アンテナ及びリーダ/ライタ用アンテナをスパイラル状のパターンに形成することによって、開口面積の大きいアンテナを構成することができる。
【0032】
このとき、カードIC用のループ・アンテナのスパイラル線間にリーダ/ライタ用のループ・アンテナを形設することによって、両ループ・アンテナを電極として構成されるコンデンサの線間容量の増大を押さえることができる。この結果、共振周波数を合わせることを容易にし、カード互換機能のアナログ・フロントエンドでの整流効率を向上させることができる。
【0033】
また、カードIC用アンテナの開口面積の方をリーダ/ライタ用アンテナの開口面積よりも大きくとるようにしてもよい。このような場合、カード互換機能を使用した場合に、カードIC用アンテナの受信感度が増大する分だけ、リーダ/ライタ用アンテナで受信する磁界を減らすことができる。したがって、エネルギー・ロスの減少、寄生ダイオードでの電流の減少、カード互換機能の性能アップという効果がある。
【0034】
また、カードIC用アンテナとリーダ/ライタ用アンテナの2つのアンテナは交流的には結合しており、トランスを構成しているようにも見える。そこで、カードIC用アンテナの巻線の方を大きくすることによって、カードIC用アンテナの方で効率よく磁界を受信させることができ、カード互換機能の性能を向上することができる。
【0035】
また、カードIC用のループ・アンテナ側にのみ、共振周波数を決定する同調用コンデンサを並列接続するようにしてもよい。このような場合、カードIC側で共振器を構成することでカードIC用アンテナの方で効率よく磁界を受信させることができ、上述と同様に、カード互換機能の性能を向上することができる。
【0036】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
【0038】
本発明に係るICモジュールは、電磁波を搬送波として質問信号を送出するとともにこれに対する応答信号を受信するリーダ/ライタ機能と、この搬送波を整流して直流電源を生成して内部回路を駆動させ、質問信号に対する応答信号に応じて自身のアンテナ間の負荷を変化させることによってリーダ/ライタの受信回路に現れる信号に振幅変調をかけて通信を行なうカードIC機能とが、MOSプロセスを利用して、単一の半導体回路チップ上で一体化して構成されている。
【0039】
そして、ICモジュールは、携帯電話やPDAなどの携帯機器に搭載して、携帯機器の情報処理機能とICモジュールによる非接触データ転送機能の連携により付加価値の高いサービスを実現することができる。
【0040】
このようなICモジュールにおいては、各入出力端子にリーダ/ライタ用のアンテナと、カードIC用のアンテナを接続して、外部のICカード又は外部のリーダ/ライタと非接触通信を行なうことが可能になる。
【0041】
一方、携帯機器などでは小型化が強く要求されているので、リーダ/ライタ用及びカードIC用の2つのアンテナを重ねて、あるいは同一のアンテナを共用するように構成することが好ましい。しかしながら、カード互換機能のアナログ・フロントエンドは半端整流器で構成され、リーダ/ライタ送信回路の出力バッファにおいて寄生ダイオードにより形成される全波整流回路は非常に相性が悪いので(前述)、カード用アンテナとリーダ/ライタ用アンテナの共用化が困難である。したがって、2つのアンテナを重ねて構成せざるを得ない。
【0042】
また、携帯機器などは、アンテナから見ると金属の塊のようなものであり、その周辺金属の影響をなるべく抑えるため、携帯機器の筐体表面近く若しくは携帯機器の外周にアンテナを実装することが必要である。
【0043】
そこで、本実施形態では、アンテナは、フレキシブル基板又はその他の薄膜で形成された基板に所定の導電体のパターンを描くことによって構成する。そして、カードIC用アンテナとリーダ/ライタ用アンテナを絶縁層を介して積層することによって、2つのアンテナを重ねて構成して、実装面積を節約する。
【0044】
しかしながら、カードIC用アンテナと、リーダ/ライタ用アンテナを重ねとしまうと、両アンテナが電極として作用するコンデンサが形成される。そして、基板が薄いため、電極の間隙が狭くなり、線間容量が増大してしまう。この結果、共振周波数を合わせることができない、ICモジュールのカード互換機能のアナログ・フロントエンドでの整流効率が落ちてしまうという弊害が生じる。
【0045】
図8には、カードIC用アンテナ及びリーダ/ライタ用アンテナのパターンを示している。
【0046】
同図に示すように、カードIC用アンテナとリーダ/ライタ用アンテナをフレキシブル基板の表裏にそれぞれ実装することによって、2つのアンテナの開口面積を大きくとることができる。また、カードIC用アンテナ及びリーダ/ライタ用アンテナをスパイラル状のパターンに形成することによって、開口面積の大きいアンテナを構成することができる。
【0047】
そして、カードIC用のループ・アンテナのスパイラル線間にリーダ/ライタ用のループ・アンテナを形設することによって、両ループ・アンテナを電極として構成されるコンデンサの線間容量の増大を抑えている。この結果、共振周波数を合わせることを容易にし、カード互換機能のアナログ・フロントエンドでの整流効率を向上させることができる。
【0048】
また、カードIC用アンテナの開口面積の方をリーダ/ライタ用アンテナの開口面積よりも大きくとることができる。これにより、カード互換機能を使用した場合に、カードIC用アンテナの受信感度が増大する分だけ、リーダ/ライタ用アンテナで受信する磁界を減らすことができる。したがって、エネルギー・ロスの減少、寄生ダイオードでの電流の減少、カード互換機能の性能アップという効果が得られる。
【0049】
ここで、カードIC用アンテナとリーダ/ライタ用アンテナの2つのアンテナは交流的には結合しており、トランスを構成しているようにも見える。そこで、カードIC用のループ・アンテナの巻数をリーダ/ライタ用のループ・アンテナの巻数よりも大きくすることによって、カードIC用アンテナの方で効率よく磁界を受信させることができ、上述と同様に、カード互換機能の性能を向上することができる。
【0050】
また、カードIC用のループ・アンテナ側にのみ、共振周波数を決定する同調用コンデンサ(図示しない)を並列接続することによって、カードIC用アンテナの方で効率よく磁界を受信させることができ、上述と同様に、カード互換機能の性能を向上することができる。
【0051】
一方、本実施形態に係るICモジュールのリーダ/ライタ互換機能を使用するときは、リーダ/ライタ用アンテナによって磁界を発生させるのだが、この際、カードIC用アンテナによる2次放射によって効率よく磁界を外部に出すことができる。このとき、カードIC側で同調をとっていると、リーダ/ライタ用アンテナにとってカードIC側のアンテナが強力な共振器として作用するので、さらに効率よく磁界を発生させることができる。
【0052】
[追補]
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0053】
【発明の効果】
以上詳記したように、本発明によれば、MOSプロセスを利用してリーダ/ライタ機能とカードIC機能が単一の半導体回路チップ上に一体化して構成される、優れたICモジュール並びにICモジュール用アンテナを提供することができる。
【0054】
また、本発明によれば、リーダ/ライタ用アンテナとカードIC用アンテナを重ねて構成することによって実装面積を小さくした、優れたICモジュール並びにICモジュール用アンテナを提供することができる。
【0055】
本発明によれば、2つのアンテナ両方ともなるべく大きな開口面積をとることにより、非接触ICカードの通信性能の向上及び周辺金属からの影響の減少といった効果を期待することができる。また、携帯機器の限りある実装面積を有効に使うことが可能になる。
【0056】
また、本発明によれば、カードIC用アンテナのスパイラルの線間にリーダ/ライタ用アンテナを配置することで、カードIC用アンテナの開口面積の方をリーダ/ライタ用アンテナの開口面積より大きくとることができる。これにより、カード互換機能を使用した場合に、リーダ/ライタ用アンテナで受信する磁界を減らすことによって、エネルギー・ロスの減少、寄生ダイオードでの電流の逆流の減少、カード互換機能の性能アップという効果を得ることができる。
【0057】
ここで、カードIC用アンテナとリーダ/ライタ用アンテナの2つのアンテナは交流的には結合しており、トランスを構成しているようにも見える。そこで、カードIC用アンテナの巻線の方を大きくすることによって、カードIC用アンテナの方で効率よく磁界を受信させることができ、カード互換機能の性能を向上させることができる。
【0058】
また、本発明によれば、カードIC用アンテナ側に同調用コンデンサを接続し、カードIC側で共振器を構成することで、カード互換機能の効果をさらに期待することができる。
【0059】
また、本発明に係るICモジュールのリーダ/ライタ互換機能を使用するときは、リーダ/ライタ用アンテナによって磁界を発生させるのだが、この際、カードIC用アンテナによる2次放射によって効率よく磁界を外部に出すことができる。このとき、カードIC側で同調をとっていると、リーダ/ライタ用アンテナにとってカードIC側のアンテナが強力な共振器として作用するので、さらに効率よく磁界を発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】リーダ/ライタ機能とカードIC機能を一体化したICモジュールのカードIC機能を使用する際、外部のリーダ/ライタから空中電力が供給されたときに、リーダ/ライタ側の送信回路にもこれが入力される様子を示した図である。
【図2】一般的なMOS構造の断面を模式的に示した図である。
【図3】MOSゲートの回路構造を示した図である。
【図4】ソース及びドレイン電極に形成された寄生ダイオードを書き加えMOSゲートの回路構造を示した図である。
【図5】図4に示した回路の等価回路を示した図である。
【図6】図5に示した等価回路を当てはめて構成されるリーダ/ライタ用送信回路の出力バッファの回路構成を示した図である。
【図7】各MOSゲートに含まれる寄生ダイオードが直列的に接続されて全波整流回路が構成される様子を示した図である。
【図8】本発明の実施形態に係るカードIC用アンテナ及びリーダ/ライタ用アンテナのパターンを示した図である。

Claims (12)

  1. 電磁波を搬送波として質問信号を送出するとともにこれに対する応答信号を受信するリーダ/ライタ機能部と、
    搬送波を整流して直流電源を生成して内部回路を駆動させ、質問信号に対する応答信号に応じて自身のアンテナ間の負荷を変化させることによってリーダ/ライタの受信回路に現れる信号に振幅変調をかけて通信を行なうカードIC機能部と、
    前記カードIC機能部の入出力端子に接続される第1のループ・アンテナと、
    前記リーダ/ライタ機能部の入出力端子に接続される第2のループ・アンテナとを具備し、
    前記第1のループ・アンテナと前記第2のループ・アンテナは、絶縁層を介してフレキシブル基板上に積層されてなる、
    ことを特徴とするICモジュール。
  2. 前記リーダ/ライタ機能と前記カードIC機能は、MOSプロセスを利用して単一の半導体回路チップ上に実装されてなる、
    ことを特徴とする請求項1に記載のICモジュール。
  3. 前記第1のループ・アンテナのスパイラル線間に前記第2のループ・アンテナを形設する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のICモジュール。
  4. カードIC用アンテナの開口面積の方をリーダ/ライタ用アンテナの開口面積よりも大きくとる、
    ことを特徴とする請求項1に記載のICモジュール。
  5. 前記第1のループ・アンテナの巻数を前記第2のループ・アンテナの巻数以上にする、
    ことを特徴とする請求項1に記載のICモジュール。
  6. 前記第1のループ・アンテナ側にのみ、共振周波数を決定する同調用コンデンサを並列接続する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のICモジュール。
  7. 電磁波を搬送波として質問信号を送出するとともにこれに対する応答信号を受信するリーダ/ライタ機能と、この搬送波を整流して直流電源を生成して内部回路を駆動させ、質問信号に対する応答信号に応じて自身のアンテナ間の負荷を変化させることによってリーダ/ライタの受信回路に現れる信号に振幅変調をかけて通信を行なうカードIC機能とが一体化されたICモジュール用アンテナであって、
    前記カードIC機能部の入出力端子に接続される第1のループ・アンテナと、
    前記リーダ/ライタ機能部の入出力端子に接続される第2のループ・アンテナとを具備し、
    前記第1のループ・アンテナと前記第2のループ・アンテナは、絶縁層を介してフレキシブル基板上に積層されてなる、
    を特徴とするICモジュール用アンテナ。
  8. 前記ICモジュールは、MOSプロセスを利用して前記リーダ/ライタ機能と前記カードIC機能が単一の半導体回路チップ上に実装されてなる、
    ことを特徴とする請求項7に記載のICモジュール用アンテナ。
  9. 前記第1のループ・アンテナのスパイラル線間に前記第2のループ・アンテナを形設する、
    ことを特徴とする請求項7に記載のICモジュール用アンテナ。
  10. カードIC用アンテナの開口面積の方をリーダ/ライタ用アンテナの開口面積よりも大きくとる、
    ことを特徴とする請求項7に記載のICモジュール用アンテナ。
  11. 前記第1のループ・アンテナの巻数を前記第2のループ・アンテナの巻数以上にする、
    ことを特徴とする請求項7に記載のICモジュール用アンテナ。
  12. 前記第1のループ・アンテナ側にのみ、共振周波数を決定する同調用コンデンサを並列接続する、
    ことを特徴とする請求項7に記載のICモジュール用アンテナ。
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