JP4062814B2 - オイルフェンス - Google Patents
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- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A20/00—Water conservation; Efficient water supply; Efficient water use
- Y02A20/20—Controlling water pollution; Waste water treatment
- Y02A20/204—Keeping clear the surface of open water from oil spills
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水上に流出した油の拡散防止あるいは回収等に用いられるオイルフェンスに係り、特に高速潮流の海域や荒天時に用いるのに好適なオイルフェンスに関する。
【０００２】
【従来の技術】
海面などの水面上に流出した油の拡散防止や回収のためにオイルフェンスが広く用いられている。図３は従来のオイルフェンスの構成の一例を示すものである。このオイルフェンス１は、フロート２と、該フロート２から垂設されたスカート３と、該スカート３の下縁に設けられたテンションメンバ（例えばワイヤロープ）又はバラスト４を備えている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
オイルフェンスを曳航して集油する場合や、潮流の速い海域の場合などオイルフェンスと海水等との相対速度差が大きいときには、オイルフェンスの前面側に溜まった油が図４，５の如く漏出し易くなる。
【０００４】
即ち、曳航速度や潮流速度が大きい条件下でオイルフェンスによって油を止める場合、水と油の層境界で生じる剪断力が大きくなり、図４のように先頭波（ｈｅａｄｗａｖｅ）から油滴が漏出したり、図５の如くフェンス前面での水平渦により油滴が漏出する。
【０００５】
また、海上の周期の短い波の波高が大きくなった場合にも油がオイルフェンスを飛び越えたり（ｓｐｌａｓｈｏｖｅｒ）、フェンス前面の海中で油滴が生じ漏出する。なお、短い周期の波は海上での油回収作業にも支障となる。
【０００６】
本発明は、ワイヤロープよりも曳航方向下流側に滞留する油を速やかに回収し、潮流の大きな海域あるは荒天時など波の高いときでも油の漏出を著しく少なくすることができるオイルフェンスを提供することを目的とする。
【０００７】
また、本発明は油の回収作業時間を顕著に短縮することができるオイルフェンスを提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明のオイルフェンスは、水上に流出した油の拡散防止又は回収に用いられるオイルフェンスにおいて、長手方向の一端側が第１の曳航船によって曳航され、他端側又は長手方向の途中が第２の曳航船によって曳航され、これらの間の部分が曳航方向の下流側へ略放物線形状に延在するフロート（２）と、略放物線状に延在したフロート（２）の該一端側と該他端側又は該途中側との間に張り渡されたワイヤロープ（７）と、該ワイヤロープ（７）に連結されており、比重が１よりも小さい材質よりなり、該ワイヤロープ（７）よりも曳航方向下流側の水面上に配置されるシート（８，９）とを有するものである。
【０００９】
かかるオイルフェンスにあっては、ワイヤロープよりも曳航方向下流側の波がシートによって抑制されるので、油滴の漏出やスプラッシュオーバーが防止される。また、回収作業効率も向上する。このシートは一枚物でも良く、複数枚からなるものであっても良い。このシートが吸油性を有しているときには、油の回収が促進される。
【００１０】
【発明の実施の形態】
図１，２を参照して実施の形態に係るオイルフェンスについて説明する。
【００１１】
このオイルフェンス１は、前記図３のものと同様に、フロート２と、スカート３と、テンションメンバ又はバラスト４とを備えている。
【００１２】
オイルフェンス１は、ワイヤロープなどの係留索６を介して２艘のタグボートなどの曳航船５によって曳航され、略放物線形状に延在している。このオイルフェンス１の内側領域にワイヤロープ７が張り渡され、このワイヤロープ７にシート８又は９が連結されている。
【００１３】
このように構成されたオイルフェンスを油の流出海域を曳航した場合、油等はオイルフェンス１の最後尾に向って流れるが、このオイルフェンス１の最後尾近傍では水面上にシート８，９が配置されており波が抑制されているので、油が漏出あるいはスプラッシュオーバーせず、効率良く回収される。また、波も静まるので油回収作業も行い易くなる。
【００１４】
図１のシート８は一枚物であるが、図２のシート９は該シート８にスリット１０を入れて短冊状のものとなっている。
【００１５】
各シート８，９はいずれもワイヤロープ７に連結されている。各シート８，９はオイルフェンス１に対しては連結されていても良く、連結されていなくても良い。
【００１６】
このシート８，９は吸油性を有していても良く、このようにすれば水上に流出した油の回収を促進することができる。
【００１７】
このシート８，９の材質としては、比重が１よりも小さいものが用いられる。吸油性をもたせるには、ポリプロピレン等の不織布をシートの下面に接着等によって取り付けるのが好ましい。
【００１８】
上記実施の形態にあっては、オイルフェンスの長手方向の両端の合計２箇所を曳航しているが、３箇所以上を曳航しても良い。例えば３箇所を曳航したときには、放物線状の膨出領域が２領域生じることになり、各膨出領域内にそれぞれシートを配置する。
【００１９】
【発明の効果】
以上の通り、本発明のオイルフェンスによると、油を殆ど漏出させることなく高回収率にて回収することができる。また、本発明のオイルフェンスによると短時間で油を回収することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 （ａ）図は実施の形態に係るオイルフェンスを示す平面図、（ｂ）図は（ａ）図のＢ−Ｂ線に沿う断面図である。
【図２】 別の実施の形態に係るオイルフェンスの平面図である。
【図３】 従来のオイルフェンスの斜視断面図である。
【図４】 従来のオイルフェンスの使用例を示す断面図である。
【図５】 従来のオイルフェンスの使用例を示す断面図である。
【符号の説明】
１ オイルフェンス
２ フロート
３ スカート
５ 曳航船
７ ワイヤロープ
８，９ シート
１０ スリット
【発明の属する技術分野】
本発明は、水上に流出した油の拡散防止あるいは回収等に用いられるオイルフェンスに係り、特に高速潮流の海域や荒天時に用いるのに好適なオイルフェンスに関する。
【０００２】
【従来の技術】
海面などの水面上に流出した油の拡散防止や回収のためにオイルフェンスが広く用いられている。図３は従来のオイルフェンスの構成の一例を示すものである。このオイルフェンス１は、フロート２と、該フロート２から垂設されたスカート３と、該スカート３の下縁に設けられたテンションメンバ（例えばワイヤロープ）又はバラスト４を備えている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
オイルフェンスを曳航して集油する場合や、潮流の速い海域の場合などオイルフェンスと海水等との相対速度差が大きいときには、オイルフェンスの前面側に溜まった油が図４，５の如く漏出し易くなる。
【０００４】
即ち、曳航速度や潮流速度が大きい条件下でオイルフェンスによって油を止める場合、水と油の層境界で生じる剪断力が大きくなり、図４のように先頭波（ｈｅａｄｗａｖｅ）から油滴が漏出したり、図５の如くフェンス前面での水平渦により油滴が漏出する。
【０００５】
また、海上の周期の短い波の波高が大きくなった場合にも油がオイルフェンスを飛び越えたり（ｓｐｌａｓｈｏｖｅｒ）、フェンス前面の海中で油滴が生じ漏出する。なお、短い周期の波は海上での油回収作業にも支障となる。
【０００６】
本発明は、ワイヤロープよりも曳航方向下流側に滞留する油を速やかに回収し、潮流の大きな海域あるは荒天時など波の高いときでも油の漏出を著しく少なくすることができるオイルフェンスを提供することを目的とする。
【０００７】
また、本発明は油の回収作業時間を顕著に短縮することができるオイルフェンスを提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明のオイルフェンスは、水上に流出した油の拡散防止又は回収に用いられるオイルフェンスにおいて、長手方向の一端側が第１の曳航船によって曳航され、他端側又は長手方向の途中が第２の曳航船によって曳航され、これらの間の部分が曳航方向の下流側へ略放物線形状に延在するフロート（２）と、略放物線状に延在したフロート（２）の該一端側と該他端側又は該途中側との間に張り渡されたワイヤロープ（７）と、該ワイヤロープ（７）に連結されており、比重が１よりも小さい材質よりなり、該ワイヤロープ（７）よりも曳航方向下流側の水面上に配置されるシート（８，９）とを有するものである。
【０００９】
かかるオイルフェンスにあっては、ワイヤロープよりも曳航方向下流側の波がシートによって抑制されるので、油滴の漏出やスプラッシュオーバーが防止される。また、回収作業効率も向上する。このシートは一枚物でも良く、複数枚からなるものであっても良い。このシートが吸油性を有しているときには、油の回収が促進される。
【００１０】
【発明の実施の形態】
図１，２を参照して実施の形態に係るオイルフェンスについて説明する。
【００１１】
このオイルフェンス１は、前記図３のものと同様に、フロート２と、スカート３と、テンションメンバ又はバラスト４とを備えている。
【００１２】
オイルフェンス１は、ワイヤロープなどの係留索６を介して２艘のタグボートなどの曳航船５によって曳航され、略放物線形状に延在している。このオイルフェンス１の内側領域にワイヤロープ７が張り渡され、このワイヤロープ７にシート８又は９が連結されている。
【００１３】
このように構成されたオイルフェンスを油の流出海域を曳航した場合、油等はオイルフェンス１の最後尾に向って流れるが、このオイルフェンス１の最後尾近傍では水面上にシート８，９が配置されており波が抑制されているので、油が漏出あるいはスプラッシュオーバーせず、効率良く回収される。また、波も静まるので油回収作業も行い易くなる。
【００１４】
図１のシート８は一枚物であるが、図２のシート９は該シート８にスリット１０を入れて短冊状のものとなっている。
【００１５】
各シート８，９はいずれもワイヤロープ７に連結されている。各シート８，９はオイルフェンス１に対しては連結されていても良く、連結されていなくても良い。
【００１６】
このシート８，９は吸油性を有していても良く、このようにすれば水上に流出した油の回収を促進することができる。
【００１７】
このシート８，９の材質としては、比重が１よりも小さいものが用いられる。吸油性をもたせるには、ポリプロピレン等の不織布をシートの下面に接着等によって取り付けるのが好ましい。
【００１８】
上記実施の形態にあっては、オイルフェンスの長手方向の両端の合計２箇所を曳航しているが、３箇所以上を曳航しても良い。例えば３箇所を曳航したときには、放物線状の膨出領域が２領域生じることになり、各膨出領域内にそれぞれシートを配置する。
【００１９】
【発明の効果】
以上の通り、本発明のオイルフェンスによると、油を殆ど漏出させることなく高回収率にて回収することができる。また、本発明のオイルフェンスによると短時間で油を回収することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 （ａ）図は実施の形態に係るオイルフェンスを示す平面図、（ｂ）図は（ａ）図のＢ−Ｂ線に沿う断面図である。
【図２】 別の実施の形態に係るオイルフェンスの平面図である。
【図３】 従来のオイルフェンスの斜視断面図である。
【図４】 従来のオイルフェンスの使用例を示す断面図である。
【図５】 従来のオイルフェンスの使用例を示す断面図である。
【符号の説明】
１ オイルフェンス
２ フロート
３ スカート
５ 曳航船
７ ワイヤロープ
８，９ シート
１０ スリット
Claims (3)
- 水上に流出した油の拡散防止又は回収に用いられるオイルフェンスにおいて、
長手方向の一端側が第１の曳航船によって曳航され、他端側又は長手方向の途中が第２の曳航船によって曳航され、これらの間の部分が曳航方向の下流側へ略放物線形状に延在するフロート（２）と、
略放物線状に延在したフロート２の該一端側と該他端側又は該途中側との間に張り渡されたワイヤロープ（７）と、
該ワイヤロープ（７）に連結されており、比重が１よりも小さい材質よりなり、該ワイヤロープ（７）よりも曳航方向下流側の水面上に配置されるシート（８，９）と
を有するオイルフェンス。 - 請求項１において、前記シートを複数枚備えていることを特徴とするオイルフェンス。
- 請求項１又は２において、前記シートは吸油性を有することを特徴とするオイルフェンス。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10033499A JP4062814B2 (ja) | 1999-04-07 | 1999-04-07 | オイルフェンス |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10033499A JP4062814B2 (ja) | 1999-04-07 | 1999-04-07 | オイルフェンス |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000290984A JP2000290984A (ja) | 2000-10-17 |
| JP4062814B2 true JP4062814B2 (ja) | 2008-03-19 |
Family
ID=14271254
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10033499A Expired - Fee Related JP4062814B2 (ja) | 1999-04-07 | 1999-04-07 | オイルフェンス |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP4062814B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1177973A3 (en) * | 2000-08-05 | 2002-09-04 | David William Hoskin | Water vessel arrangement |
| JP6731591B2 (ja) * | 2016-05-13 | 2020-07-29 | 日本ソリッド株式会社 | 漏洩機能を有する多重オイルフェンス |
| JP6839026B2 (ja) * | 2017-04-24 | 2021-03-03 | 谷口商会株式会社 | オイルフェンス、オイルフェンスの施工方法及び浮遊物の流出防止方法 |
-
1999
- 1999-04-07 JP JP10033499A patent/JP4062814B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2000290984A (ja) | 2000-10-17 |
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