JP4062489B2 - 通信方法、基地局および端末 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばマルチメディアデータを基地局から車両に対して伝送すると共に、車両から基地局に対してデータを伝送する路車間通信システムに対して適用可能な通信方法、基地局および端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
路車間通信システムに対する要求としてマルチメディア通信の実現がある。マルチメディア通信では、移動局から情報の要求を行い、画像や音楽データ等のマルチメディアデータをダウンロードする場合が多く、移動局からの送信(上り)データ量に比して受信(下り)データ量が多いという特徴がある。したがって、路車間通信システムによってマルチメディア通信を実現するためには、バースト的に発生する大量のデータを効率良く移動局に伝送するアクセス方式が必要である。また、移動局からの送信データのデータ量も、車両にて撮影した画像データを伝送するような場合には、必ずしも少ないとは言えず、効率良くデータを伝送することが望まれる。なお、本明細書では、端末は、移動局および固定局の両者を含む用語として使用し、実施の形態は、この発明を移動局に適用したものであるが、この発明は、固定局に対しても適用可能なものである。
【0003】
従来から無線LAN(Local Area Network) 等で使用されるアクセス方式として、CSMA(Carrier Sense Multiple Access:搬送波検出多元接続) 方式が知られている。この方式は、ステーションがキャリアセンスによってチャンネルの使用状況を見てからフレームを送信するかどうかを決定する方式である。キャリア検出に加えて何らかの衝突回避機構を備えたCSMA/CA(CSMA with Collision Avoidance)も知られている。
【0004】
無線通信において、ステーション間の距離が長すぎたり、壁などの電波を通過させない障害物があるために、電波が到達しないことがある。互いの送信信号が到達しないステーションが隠れ端末と呼ばれる。隠れ端末に対しては、キャリアセンスが有効に機能しないために、CSMA方式においてフレームの衝突の頻度が増え、特性が劣化する。路車間通信では、車載アンテナが比較的指向性が高く、隠れ端末問題が生じ易い。そのため、CSMAを路車間通信に適用するのが困難であった。
【0005】
さらに、従来の無線通信方式として、プリアサイン方式やポーリング方式が知られている。プリアサイン方式は、周波数や時間によって分割された各帯域を一対のステーション間の通信に専用に固定的に割り当てる方式である。ポーリング方式は、中央のステーションが他のステーションに対して送信フレームの有無を順次問い合わせるポーリングを繰り返す方式である。路車間通信では、高速で車がセルを移動し、端末数が不定であるので、プリアサイン方式やポーリング方式の適用が難しい。
【0006】
本願発明者は、このような問題を解決し、例えば路車間のマルチメディア通信を円滑に行うことを可能とする通信方法について、先に提案している(特願2001−212753参照)。先に提案されている上記発明のフレーム構成について、図22を参照して説明する。フレームについては、TDMAフレームなる用語も適宜使用する。
【0007】
図22において、BSが基地局を表し、T1〜Tnがn個の移動局のそれぞれを表す。図22Aに示すように、下り回線を通じて伝送される1下りフレームが一つの通知スロット(影を付して示すスロット)と1または複数例えば7個のデータスロットとから構成される。連続した時間を一定の間隔に区切ることがスロット化と呼ばれ、区切りの一つ一つがスロットと称される。通知スロットには、通知パケットが挿入され、データスロットには、データパケットが挿入される。基地局BSからの通知パケットおよびデータパケットが移動局T1〜Tnによってそれぞれ受信される。
【0008】
通知パケットには、今から送信しようとしている下りフレーム内の各データスロットの使用状況と次の下りフレーム内の各データスロットの使用予定の情報と、上りフレーム内の各データスロットの使用状況と次の上りフレーム内の各データスロットの使用予定の情報と、一つ前の上りフレームで移動局が送信したアップロードパケットに対する基地局での受信状況の情報が含まれる。
【0009】
図22Bが上りフレームの構成例を示す。上りフレームは、1または複数例えば5個のデータスロットと、ダウンロード要求パケットが配置されるダウンロード要求スロットと、アップロード要求パケットが配置されるアップロード要求スロットと、ACKスロットとから構成されている。ACKスロットは、基地局BSからダウンロードされる7個のデータスロットと1対1に対応している。
【0010】
ダウンロード要求スロットおよびアップロード要求スロットは、最小限それぞれ1個のスロットがあれば良い。しかしながら、要求スロットの数が少ないと、各移動局が要求パケットを基地局BSに送信する場合に、衝突が生じるおそれが高くなる。一方、要求スロットの個数を多くすることは、データスロットの数を少なくする。したがって、図22Bの例では、ダウンロード要求スロットの数を7とし、アップロード要求スロットの数を5としている。
【0011】
下りフレームと上りフレームのタイミングの関係について説明すると、ダウンロード要求パケットおよびアップロード要求パケットを送信する場合、基地局が要求パケットを反映して次のフレームの通知パケットを生成する余裕があることが必要である。また、下りフレームのデータパケットの受信状況の情報を有するACKパケットは、次のフレームのアップロードとの衝突を回避するために、アップロードが始まるまでに、全て基地局BSに送信される必要がある。さらに、基地局からの通知パケットを受けてからアップロードデータパケットおよび要求パケットを送信し始めることが必要とされる。
【0012】
移動局にダウンロードまたはアップロードの要求が発生した場合、移動局は、基地局から通知された内容にしたがって、次フレームの任意のダウンロード要求スロット、またはアップロード要求スロットを使用して要求パケットを上り回線を介して基地局BSに対して送信する。
【0013】
基地局は、移動局からのダウンロード要求パケットが到着した場合に、下りフレームデータスロット割り当て処理を行い、アップロード要求パケットを受け取った場合に、上りフレームデータスロット割り当て処理を行う。そして、このフレームおよび次のフレームのデータスロットの使用状況と一つ前の上りフレームで受信したアップロードパケットの受信状況をもとに、通知パケットが生成される。
【0014】
ダウンロード要求を行なった移動局に対して、下りフレームの各データスロットを使用してデータパケットが移動局に対して送信される。移動局は、基地局から送信された通知パケットおよびデータパケットを受信し、その受信状況をACKスロットを用いて基地局に送信する。
【0015】
アップロード要求を行なった移動局は、基地局から送信された通知パケットを受信し、割り当てられたデータスロットを用いて基地局にデータパケットを送信する。基地局は、ある移動局への送信またはある移動局からの受信が全て終了した場合には、その移動局に割り当てていたデータスロットを解放する。
【0016】
基地局がある移動局にデータパケットを送信している間に、他の移動局からの要求パケットを受信した場合は、その次のフレームより各移動局にデータスロットを一つ割り当て、残りの全ての空きデータスロットを、ある規則にしたがって各移動局に割り当てる。その規則の一例を下記に示す。
【0017】
ダウンロード要求の場合では、各移動局に送信するデータパケットの残り数が最も少ない移動局に全ての空きのデータスロットを割り当てる。アップロード要求の場合では、各移動局から受信するデータパケットの残り数が最も少ない移動局に全ての空きのデータスロットを割り当てる。まだ空きのデータスロットがあれば、その次に残りのデータパケットの数が少ない移動局に空きのデータスロットを割り当てる。この割り当て処理を、空きのデータスロットが無くなるか、割り当てる移動局がなくなるまで行う。
【0018】
このデータスロット割り当ての規則について、ダウンロードを例にしてより詳細に説明する。アップロードの場合も同様の規則が成り立つ。この割り当て規則は、移動局に対してデータパケットを送信中に、他の1以上の移動局からダウンロード要求パケットを受信しない場合には、空きのデータスロットの全てを移動局に割り当てる第1の規則と、移動局に対してデータパケットを送信中に、他の1以上の移動局からダウンロード要求パケットを受信する場合には、ダウンロード要求パケットを受信したフレームの次のフレーム以降の各フレームにおいて、要求パケットを送信した各移動局に対して、1つのデータスロットを割り当て、送信すべきデータパケットの残り数が最も少ない移動局に対して、各フレーム中の残りの空きデータスロットを割り当て、さらに、各フレーム内にまだ空きデータスロットがあれば、送信すべきデータパケットの残り数が少ない移動局の順に残りの空きデータスロットを割り当てる第2の規則とからなり、第2の規則に基づく処理が空きのデータスロットが無くなるか、または割り当てる移動局が無くなるまで行なわれるものである。なお、第2の規則については、いくつかの変形が可能である。上りフレームデータスロット割り当て処理は、下りフレーム割り当て処理と同様になされる。
【0019】
移動局が基地局から次のフレームに空きがある、という通知を受け取った場合、要求パケットを持っている移動局は、次の通知パケットを受け取るまでの任意のダウンロードまたはアップロード要求スロットを使用してダウンロードまたはアップロード要求パケットを送信する。
【0020】
移動局において、基地局から通知パケットを受信すると、ダウンロード要求の場合には、次の下りフレームに空きデータスロットがあるか否かが通知パケットの内容に基づいて決定される。アップロード要求の場合には、次の上りフレームに空きデータスロットがあるか否かが通知パケットの内容に基づいて決定される。空きデータスロットがないと決定されるときには、要求パケットを送信せずに、待機する。
【0021】
空きデータスロットがあると決定されるときには、要求パケットを送信する要求スロットが任意に決定され、要求パケットが送信される。ダウンロード要求パケットがダウンロード要求スロットを使用して伝送され、アップロード要求パケットがアップロード要求スロットを使用して伝送される。
【0022】
次の通知パケットが受信され、受信した通知パケットの情報に基づいて、送信した要求パケットが受信されたか否かが決定される。要求パケットが基地局で受信されたと決定され、ダウンロード要求の場合では、移動局が基地局から送信されたデータパケットを受信し、このフレームでのデータパケットの受信が終了すると、ACKスロットを使用して受信状況を示す情報が含まれるACKパケットを送信する。全てのデータパケットの受信が終了すると、待機状態となる。
【0023】
アップロード要求の場合では、データパケットが上りフレームのデータスロットを使用して送信される。全てのデータパケットの送信が終了すると、待機状態となる。なお、ある移動局からのデータの受信が全て終了した場合には、その移動局に割り当てていたデータスロットが解放される。
【0024】
上述した先に提案されている通信方法によれば、ダウンロード時に1フレーム内の1以上のデータスロットをある移動局に対して割り当てることができるので、1フレーム内で、1つのデータスロットを一つの移動局に対して割り当てる方法と比較して、スループットを高くすることができる。また、アップロード時でも同様に、1つの移動局に対して1以上のデータスロットを割り当てることができ、移動局から基地局へ比較的大量のデータを短時間でアップロードすることができる利点がある。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
上述した先に提案した通信方法では、上り回線(アップリンク)の各フレーム内にACKスロットを配置している。そして、そのフレームのデータパケットの受信が完了すると、ACKパケットを送信するようにされている。この方式は、安定な通信を確保する面では、利点があるが、そのフレームのデータパケットを蓄えておく、移動局側のバッファ容量が増大し、ACKパケットを送信するための処理が複雑となる問題があった。また、ACKを毎フレーム挿入する必要がなく、EOD(End Of Data)のようなデータで識別される一連のデータが受信されれば、ACKを基地局に返すようにすれば良い。
【0026】
したがって、この発明の目的は、先の出願と同様に、比較的短時間で大量のデータを通信できる利点を損なわずに、端末側の回路規模および処理が簡単とできる通信方法、基地局および端末を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、この発明は、基地局と端末との間で、アップリンクとダウンリンクとが同時に利用可能とされ、アップリンクおよびダウンリンクを通じてその内部が複数の時間的に分割された複数のスロットからなるフレーム単位に無線通信を行う通信方法において、
ダウンリンクのフレームにフレームコントロールメッセージスロット(FCMS)およびデータスロット(MDS)が割り当てられ、
フレームコントロールメッセージスロットによって、アップリンクのスロット割当情報、ダウンリンクのスロット割当情報、およびアップリンクを通じて送信されたデータに対する応答情報、ユーザ・データ、端末からのコネクション設定・コネクション解放要求に対する応答情報、および端末からの登録・登録削除要求に対する応答情報が基地局から端末に送信され、
アップリンクの各フレームにアクチベーションスロット(ACTS)およびデータスロット(MDS)が割り当てられ、
アップリンクの各フレームにアクチベーションスロット(ACTS)およびデータスロット(MDS)が割り当てられ、
アクチベーションスロットによって、コネクション設定・コネクション解放要求、および端末からの登録・登録削除要求が端末から基地局に送信され
データスロットによって、ダウンリンクデータに対する応答情報が基地局に送信されることを特徴とする通信方法である。
【0029】
この発明は、基地局と端末との間で、アップリンクとダウンリンクとが同時に利用可能とされ、アップリンクおよびダウンリンクを通じてその内部が複数の時間的に分割された複数のスロットからなるフレーム単位に無線通信を行う通信システムにおける基地局において、
ダウンリンクのフレームにフレームコントロールメッセージスロット(FCMS)およびデータスロット(MDS)が割り当てられ、
フレームコントロールメッセージスロットによって、アップリンクのスロット割当情報、ダウンリンクのスロット割当情報、およびアップリンクを通じて送信されたデータに対する応答情報、ユーザ・データ、端末からのコネクション設定・コネクション解放要求に対する応答情報、および端末からの登録・登録削除要求に対する応答情報が端末に対して送信され、
アップリンクの各フレームにアクチベーションスロット(ACTS)およびデータスロット(MDS)が割り当てられ、
アクチベーションスロットによって、コネクション設定・コネクション解放要求、および端末からの登録・登録削除要求が端末から送信され
データスロットによって、ダウンリンクデータに対する応答情報が上記端末から送信されることを特徴とする基地局である。
【0032】
この発明は、基地局と端末との間で、アップリンクとダウンリンクとが同時に利用可能とされ、アップリンクおよびダウンリンクを通じてその内部が複数の時間的に分割された複数のスロットからなるフレーム単位に無線通信を行う通信システムにおける端末において、
ダウンリンクのフレームにフレームコントロールメッセージスロット(FCMS)およびデータスロット(MDS)が割り当てられ、
フレームコントロールメッセージスロットによって、アップリンクのスロット割当情報、ダウンリンクのスロット割当情報、およびアップリンクを通じて送信されたデータに対する応答情報、ユーザ・データ、端末からのコネクション設定・コネクション解放要求に対する応答情報、および端末からの登録・登録削除要求に対する応答情報が基地局から送信され、
アップリンクの各フレームにアクチベーションスロット(ACTS)およびデータスロット(MDS)が割り当てられ、
アクチベーションスロットによって、コネクション設定・コネクション解放要求、および端末からの登録・登録削除要求が端末から基地局に送信され
データスロットによって、ダウンリンクデータに対する応答情報が基地局に送信されることを特徴とする端末である。
【0035】
この発明では、ひとかたまりのデータを単位として応答信号を返すようにしているので、通常送信と再送処理とが同じものとなり、端末側でのバッファの容量を小さくでき、また、処理を簡単化できる。ひとかたまりのデータとは、インターネット等の有線で伝送されるIPパケットを指している。後述する実施の形態では、このIPパケットを分割し、無線伝送に必要なアドレス等の情報を付加してデータパケットとして伝送している。なお、先に提案し、上述した出願においては、このIPパケットをデータパケットとして伝送している。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施形態について図面を参照して説明する。一実施形態における回線構成は、同時に通信可能な上り回線(以下では、アップリンクと称する)および下り回線(以下では、ダウンリンクと称する)からなる。一例として、ダウンリンク(基地局から移動局へのリンク)とアップリンク(移動局から基地局へのリンク)とで別の周波数を使用するFDD(Frequency division duplexing:周波数分割複信)方式が使用され、ダウンリンクおよびアップリンクともにそれぞれ1波ずつの無線回線が使用される。また、多重アクセス方式は、TDMA(Time Division Multiple Access)方式をベースとした予約Slotted ALOHA 方式であり、基地局BS(Base Station)による集中制御がなされる。
【0037】
図1において、参照符号1は、基地局を示す。基地局1は、ネットワークと接続されたネットワーク制御部2と、MDP(Message Data Packet)生成部3と、FCMP(Frame Control Message Packet)生成部4と、MDPおよびFCMPを選択的に出力するセレクタ5と、セレクタ5の出力が供給され、無線装置6に含まれる送信部7と、送信部7からの無線信号を移動局に向かって放射するアンテナ8と、アンテナ8の移動局からの受信信号が供給される受信部9と、受信パケット判定部10とから構成されている。MDPは、先の出願におけるデータパケットに相当し、FCMPが先の出願における通知パケットに相当するもので、そのフレームの制御用のデータが含まれている。
【0038】
ネットワーク制御部2を介してマルチメディアデータがネットワークからMDP生成部3に供給され、MDP生成部3によって、MDPが生成される。FCMP生成部4によって、FCMPが生成される。受信パケット判定部10によって判定された受信パケットがネットワーク制御部2を介してネットワークに送信される。ネットワークとしては、携帯電話ネットワーク、放送ネットワーク、インターネット等が可能である。
【0039】
基地局1は、ダウンリンクの各フレームの先頭のFCMPによって、ダウンリンクおよびアップリンクのスロット割り当て状況を移動局に対して通知する。各移動局は、FCMPの内容から自分がどのデータスロットのデータを受信すべきかを判断できる。また、FCMPには、上りフレーム内の各データスロットの割り当て状況から各移動局は、FCMPの内容から自分がどのデータスロットを使用してデータを送信すべきかを判断できる。さらに、FCMPには、アップリンクデータに対する基地局での受信状況の情報が含まれる。すなわち、アップロードパケットが基地局に正常に受信されたか否かの情報がFCMPに含まれる。
【0040】
次に、図2を参照して移動局の構成例を説明する。移動局は、先の出願の端末に相当する。図2において、参照符号21が移動局を示す。参照符号22がネットワーク制御部を示し、ネットワーク制御部22に対してデータ機器が接続される。データ機器は、受信データを利用し、または送信データを発生するものである。データ機器としては、携帯電話端末、パーソナルコンピュータ、ディジタル放送受信機、ディジタルカメラ、カーナビゲーション装置、GPS(Global Positioning System) 、ディスプレイ、オーディオシステム等が使用可能である。
【0041】
参照符号23および24がそれぞれネットワーク制御部22に接続されたACTP(ACTivation Packet)生成部およびMDP生成部である。これらの生成部23および24と無線装置27に含まれる送信部28との間には、セレクタ26が設けられている。セレクタ26で選択されたデータが送信部28に供給される。送信部28からの無線信号がアンテナ29から放射され、基地局1へアップロードされる。
【0042】
移動局21に要求が発生した場合、ACTP生成部23によってACTPが生成される。MDPがMDP生成部24で生成される。ACTPには、アップロード要求およびダウンロード要求が含まれる。
【0043】
ダウンロード時では、移動局21は、基地局1が送信したFCMPおよびMDPをアンテナ29を介して受信する。アンテナ29によって受信された受信信号が無線装置27の受信部30に供給される。受信部30からの受信信号が受信パケット判定部31に供給される。受信パケット判定部31は、受信パケットがFCMPかMDPかを判別する。
【0044】
受信パケット判定部31からの受信パケットがネットワーク制御部22を介してデータ機器に供給される。移動局21に要求が発生した場合、移動局21は、基地局1が送信したFCMPを受信し、通知内容に従って、ACTP生成部23にてACTPを生成し、ACTPを基地局に送信する。
【0045】
上述した基地局1(図1)および移動局21(図2)は、路車間通信システムにおける基地局および車両に搭載されている移動局に相当するものである。より具体的には、図3に示すような路車間通信システムに対してこの発明を適用することができる。図3のシステムは、参照符号41で示す統合基地局と、参照符号421,422,・・・で示す光ファイバと、参照符号431,432,・・・で示され、統合基地局41と光ファイバ421,422,・・・で接続された複数の局地基地局とによって構成される。局地基地局431,432,・・・が例えば道路に沿って所定の間隔で設置され、車両44に搭載されている移動局との路車間通信が可能とされている。アンテナ以外の部分は、統合基地局41に設置され、アンテナが局地基地局431,432,・・・にそれぞれ設置される。
【0046】
かかる路車間通信システムにおいて、統合基地局41は、所定の無線変調方式によって変調された、MDP、FCMPを生成し、その無線信号を無線光変換装置によって光信号に変換する。無線光変換装置は、例えばレーザダイオードからの光信号を直接若しくは光変調器によって光信号に変換する構成とされている。この光信号が光ファイバ421,422,・・・を介して1以上の局地基地局431,432,・・・に送信される。局地基地局431,432,・・・においては、ホトダイオードに代表される光無線変換装置によって光信号を無線周波数帯の信号へ変換し、無線信号を路側アンテナから移動局にMDPおよびFCMPを伝送する。
【0047】
車両44に搭載された移動局は、路側アンテナから放射された無線信号を受信するアンテナと、アンテナにて受信された無線信号をそれぞれ対応する携帯電話機や放送受信機に送る接続部とを備えている。また、アップリンクにおいては、移動局からの所定の無線変調方式によって変調されたACTP、MDPを局地基地局431,432,・・・で受信し、上述した無線光変換装置と同様の原理を持つ、無線光変換装置によって光信号へ変換し、光ファイバ421,422,・・・を介して統合基地局41へ伝送する。統合基地局41においては、上述した光無線変換装置と同様の原理を持つ光無線変換装置によって無線周波数帯の信号に変換し、移動局から送信されてきたパケットを受信する。
【0048】
なお、統合基地局41に設けた、周波数変換統合分配装置によって携帯電話や放送等の変調された個別の無線周波数または中間周波数を、ある特定の周波数帯例えばミリ波帯に含まれるように、統合変換し共用周波数帯の無線信号を路側アンテナから放射しても良い。この場合には、車両44に搭載された移動局は、共用周波数帯に感度を有するアンテナと、アンテナにて受信された無線信号を個別の無線周波数や中間周波数の無線信号に変換し、分配する周波数変換分配装置と、周波数変換分配装置からの個別の無線周波数や中間周波数の無線信号をそれぞれ対応する携帯電話機や放送受信機に送る接続部とを備えている。
【0049】
図1に示される基地局1は、図3のシステムにおける統合基地局41および局地基地局431,432,・・・の全体に対応したものである。図2に示される移動局21は、車両44に搭載されている移動局に対応するものである。一実施形態では、基地局1から移動局21に対するダウンリンクと、その逆の移動局21から基地局1に対するアップリンクとが同時に通信可能なように構成されている。
【0050】
さらに、この発明の一実施形態について説明する。一実施形態では、OSI参照モデルの階層構造に対応する無線ネットワーク構成であり、その第2層(データリンク層)に対応する技術である。データリンク層は、さらに、MAC(Media Access Control)層とその上位のLLC(Logical Link Control)層に分けられる。図4Aは、一実施形態のチャンネル構成を示す。ダウンリンクのTDMAの1フレームが1個のFCMS(Frame Control Message Slot)と複数個(n個)のMDS(Message Data Slot)で構成される。アップリンクのTDMAの1フレームが複数個のACTS(ACTivation Slot)と複数個のMDSとで構成される。これらの合計は、n個(MDS個数+ACTS個数=n個)である。ダウンリンクとアップリンクとでは、フレーム周期が等しく、スロット周期が異なる。以下、各スロットについて説明する。
【0051】
スロットFCMSは、1TDMAフレームに必ず1個のスロットがあり、TDMAフレームの先頭に配置される。FCMSは、ダウンリンク専用のスロットであり、基地局情報、ダウンリンク/アップリンクのスロット割り当て情報、アップリンクデータに対するACK(ACKnowledgment:肯定応答)情報などがFCMSに含まれる。ACKを返すことによって次のデータが要求される。一方、誤りが検出されると、NACK(Negative ACKnowledgment:否定応答)が返される。この場合、移動局は、誤りとされたデータを再送信する。
【0052】
1個以上のスロットMDSが1TDMAフレームに対して割り当てられる。ダウンリンクでは、基地局が多重化を行い、アップリンクでは、複数の移動局MS(Mobile Station)が多重化を行う。MDSは、通常のデータ通信に使用される。また、ダウンリンクでは、基地局からの登録/登録削除応答(通知)、コネクション設定/コネクション解放応答(通知)の送信にMDSが使用され、アップリンクでは、ダウンリンクデータに対するACKの送信にMDSが使用される。
【0053】
1TDMAフレームに対して必ず1個以上のスロットACTSが割り当てられる。ACTSは、アップリンク専用のスロットであり、移動局からの登録/登録削除要求、コネクション設定/コネクション解放要求の送信に使用されるランダムアクセス可能なスロットである。
【0054】
ダウンリンクのフレーム構成は、先の出願で提案されたもの(図22参照)と同様に、先頭にスロット割り当て情報を含むFCMSが配置され、その後にデータスロットMDSが続いている。一方、アップリンクのフレーム構成は、先の出願で提案されたものと相違している。すなわち、ACK用のスロットが設けられず、データスロットMDSを使用してダウンリンクデータに対するACKが送信される。また、固定のダウンロード要求スロットおよびアップロード要求スロットが設けられず、フレームの先頭のACTSによって要求を送信するようにしている。
【0055】
図4Bは、一実施形態におけるパケットフォーマットを示す。1スロットは、先頭にプリアンブルPR、その後にユニークワードUWが続き、更に、パケットが続き、最後にガードタイムGTが位置する構成とされている。パケットは、各スロットにおけるプリアンブル、ユニークワード、ガードタイムを除いた部分であり、図4Cに示すように、固定長のヘッダと可変長のペイロードとで構成される。
【0056】
ガードタイムは、端末間の伝搬遅延差に起因するバーストの衝突をさけるために設けられている。アップリンクとダウンリンクとでは、スロット周期が異なるために、ガードタイム長が異なる。但し、アップリンクでの各スロットのガードタイムが同等の長さとされ、同様に、ダウンリンクでの各スロットのガードタイムが同等の長さとされる。TDMAフレーム毎のガードタイムは規定されていない。スロット間のガードタイムがそのままTDMAフレーム間のガードタイムとなる。
【0057】
プリアンブルは、各スロットにおいて共通の長さ、値とされる。プリアンブル長は、例えば32ビットである。ユニークワードは、FCMSとACTSでは、共通の長さ、値とされる。MDSでは、長さは、FCMSおよびACTSと共通であるが、値が異なる。
【0058】
ここで、ダウンリンクにおけるスロットの割り当て方式とACKの送信について説明する。図5は、基地局の送信バッファの内容の一例である。宛先アドレス(移動局のアドレス)として、A,B,C,・・・が示されている。送信バッファの最初の1行に格納されている、データ(1-1,1-2,1-3,・・・,1-6)が宛先アドレスAに対して送信されるひとまとまり(以下、シーケンスと称する)のデータであり、最後のパケット1-6にデータの最後を示すEOD(End Of Data)が含まれている。同様、(2-1,2-2,・・・,2-5)が宛先アドレスBに対して送信されるシーケンス番号2のデータである。以下、同様に、宛先アドレスA、B、Cのそれぞれに対する送信データの例が示されている。なお、1-1等は、MDSに配置されるパケット(MDP)を示している。
【0059】
このように送信バッファに送信すべきデータが格納されている場合、ダウンリンクのスロット割り当ての方法として、3通りの方法が可能である。第1の方法がFIFO(First-In First-Out)方式であり、第2の方法がラウンドロビン方式であり、第3の方法が変形FIFO方式である。これらについて順に説明する。
【0060】
図6がFIFO方式を示す。ダウンリンクでは、TDMAフレームの各スロットに対して、送信バッファに格納された順にパケットが配置される。この例では、ダウンリンクの1TDMAフレームが一つのFCMSと8個のMDSとからなる例である。宛先アドレスAの移動局は、1シーケンスのデータを正常に受信すると、アップリンクのMDSを使用してACKを基地局に返す。例えばシーケンス番号1のデータ(1-1,・・・,1-6)を受信すると、1-ACKを基地局にMDSを利用して返す。以下、同様に、各基地局は、各シーケンスのデータを受信する毎に、ACKを基地局に返す。
【0061】
図7は、ラウンドロビン方式を示す。ラウンドロビン方式は、送信バッファにデータが格納されている宛先アドレス(移動局)に対して順に送信すべきデータの有無を問い合わせ、データがあれば、ダウンリンクのスロットにそのデータを配置する方法である。この例では、宛先アドレスとして、A,B,Cがあるので、(A→B→C)の問い合わせが繰り返してなされる。図5の例では、最初に宛先アドレスCのシーケンス番号5のデータの送信が終了するので、その後は、A→Bの問い合わせがなされ、さらに、宛先アドレスBのシーケンス番号2のデータが終了すると、Aの宛先アドレスのデータのみがスロットに割り当てられる。アップリンクを介して移動局がACKを返す方法は、上述したのと同様に、1シーケンスのデータの受信がされた場合にACKを返すものである。
【0062】
図8は、変形FIFO方式を示す。この方式は、入力した順にデータをダウンリンクの各スロットに配置する点では、FIFO方式と同様である。但し、1シーケンスのデータが所定の個数のパケット(ここでは、6個のパケット)に満たない長さの場合では、残ったスロットを空きスロットのままとし、ACKを1シーケンスのデータを受信する毎に返す。
【0063】
このように、一実施形態では、先の出願においては、1TDMAフレーム毎にデータが受信された場合にACKを送信するのと異なり、1シーケンスのデータ単位で応答信号を返すようにしている。若し、正常に受信できない場合には、NACKが返される。1シーケンスのデータの受信を完了するのは、上述した3つの方法の何れにおいても、固定されず、したがって、アップリンクのMDSを使用してACKを返すようにしている。また、正常にデータが受信できなかった場合には、再送が必要である。再送制御の方法については後述する。
【0064】
図9は、FCMSのパケットフォーマットの一例である。図9中の各行が16ビット(2オクテット)の長さであり、パケットの先頭部分(図の上側)にヘッダが位置し、その後にペイロードが位置し、さらに、ペイロードがダウンリンクに関する情報DLと、アップリンクに関する情報ULとに分割して配されている。FCMSのパケットに配される各データについて以下に順番に説明する。
【0065】
ヘッダの先頭のスロットタイプ(2ビット)は、スロットの種別を示す。(00b)がFCMSであり、(01b)がMDSであり、(10b)がACTSである。図9は、FCMSであるので、(00b)が設定される。bは、ビット表記であることを示す。
【0066】
モード(2ビット)は、通信システムの動作モードを示す。動作モードは、以下のものが可能とされている。
【0067】
(00b):マルチメディアステーション(単数BS単数AP)(点型)
(01b):マルチメディアレーン(単数BS複数AP)(短距離線型)
(10b):アドバンスドマルチメディアレーン(複数BS複数AP)(長距離線型)
(11b):マルチメディアウェイ(複数BS複数AP)(面型)
【0068】
バージョン(2ビット)は、各動作モードに対するバージョンを示し、
(00b):バージョン1、(01b):バージョン2、(10b):バージョン3、(11b):バージョン4とされる。
【0069】
スロットカウント(6ビット)は、ダウンリンクのMDSの個数、およびアップリンクのACTSとMDSの合計個数を示す。(000000b)の1個から(111111b)の64個までの値をとりうる。ダウンリンクのMDSの個数のデフォルト値が8スロットであるので、スロットカウントが7(000111b)に設定される。
【0070】
サブスロットカウント(4ビット)は、アップリンクのACTS内のサブスロットの個数を示す。(0000b)の1個から(1111b)の16個までの値をとりうる。ACTS内のサブスロット個数のデフォルト値が3スロットであるので、サブスロットカウントが2(0010b)に設定される。
【0071】
ソースMAC(Media Access Control)アドレス(8ビット)は、発信元のMACアドレスを示す。FCMSの発信元ノードは、基地局であるので、基地局の論理チャンネルID(00000001b)が設定される。
【0072】
ディスティネーションMACアドレス(8ビット)は、宛先ノードのMACアドレスを示す。FCMSは、全て移動局が宛先ノードとなるため、不定の論理チャンネルID(11111111b)が設定される。
【0073】
チャンネルカウント(8ビット)は、コネクションを設定している論理チャンネル数を示す。優先度が1の場合の論理チャンネル個数を1として、現在コネクションを設定している全論理チャンネル個数を設定する。(00000000b)の0チャンネルから(11111111b)の255チャンネルまでがある。
【0074】
スロットアサインメントターム(8ビット)は、次スロットの割当周期を示す。移動局に対してアップリンク用にスロット(MDS)を割り当てたにもかかわらず、有効データが送信されなかった場合に、その移動局に対して次のスロットを割り当てる周期をTDMAフレーム単位で示す。(00000000b)の1周期から(11111111b)の256周期までがある。割当周期の最大値のデフォルト値を5周期としているので、この8ビットが5(00000100b)に設定される。
【0075】
プロパゲーションディレイ(10ビット)は、光ファイバ部分の伝播遅延を示す。光ファイバ長を50m単位で指定する。(0000000000b)の0mから(1111111111b)の51150mまで50m刻みで指定される。例えば上述した図3に示す路車間通信システムの例では、光ファイバ421,422 ,423 の長さが示される。
【0076】
トランスミッションコントロール(6ビット)は、スロット割当制御方式、再送制御方式に関する制御情報を示す。この6ビットを(b1,b2 ,b3 ,b4 ,b5,b6)と表記するすると、各ビットの意味が以下のように規定されている。なお、ビットb4 ,b5およびb6は、未使用である。なお、種別が3種類以上の場合には、2ビット以上を割り当てるようにしても良い。
【0077】
1:ダウンリンクスロットの割当制御方式の種別を示し、
1=0(0b):FIFO方式
1=1(1b):ラウンドロビン方式
とされる。
【0078】
2:再送制御方式の再送データ単位の種別を示し、
2=0(0b):セグメント単位
2=1(1b):上位層PDU方式
とされる。
【0079】
3:上位層とのデータ受け渡し方式の種別を示し、
3=0(0b):ランダム方式
3=1(1b):シーケンシャル方式
とされる。
【0080】
ベースステーションID(48ビット)は、基地局のIDを示す。基地局を一意に識別するためのユニークなID(Ethernetアドレス等)が設定される。
【0081】
16ビットのヘッダCRC(cyclic redundancy code)が配置される。例えば1+x5+x12+x16が生成多項式として使用される。CRCは、エラー検出符号である。
【0082】
次に、ペイロードに配置されるデータについて説明する。図10Aに示すように、DLで示すダウンリンクのスロット割当情報は、2オクテット(1スロット当り)毎に区切られ、ディスティネーションMACアドレス(8ビット)、割当スロットタイプ(2ビット)およびリザーブドエリア(6ビット)によって構成される。
【0083】
ディスティネーションMACアドレスは、各スロットを利用する移動局のMACアドレス(論理チャンネルID)を示す。スロットタイプが(01b)であって、MDSを指定し、且つパケットタイプが制御パケットの登録応答の時は、不定の論理チャンネルID(11111111b)が設定される。また、送信データが無い場合には、不能の論理チャンネルID(00000000b)が設定される。その他の場合は宛先となる移動局の論理チャンネルIDが設定される。割当スロットタイプ(2ビット)は、各スロットの種別を示し、ダウンリンクで指定するスロットタイプは、(MDS:01b)である。
【0084】
ULで示すアップリンクのスロット割当情報は、2オクテット(1スロット当り)毎に区切られている。図10Bに示すように、アップリンクのスロット割当情報は、ソースMACアドレス(8ビット)、割当スロットタイプ(2ビット)、リザーブドエリア(6ビット)から構成される。
【0085】
ソースMACアドレスは、各スロットを利用する移動局のMACアドレス(論理チャンネルID)を示す。スロットタイプが(10b)でACTSを示す場合では、ソースMACアドレスとして不定の論理チャンネルID(11111111b)が設定される。その他の場合は、発信元となる移動局の論理チャンネルIDが設定される。
【0086】
割当スロットタイプは、各スロットの種別を示す。アップリンクでは、(01b):MDSと、(10b):ACTSが設定される。
【0087】
アップリンクデータに対するACK情報は、図10Cに示すように、4オクテット(1スロット当り)毎に区切られている。ソースMACアドレス(8ビット)、コントロール(2ビット)、リザーブドエリア(6ビット)、ACKシーケンスナンバー、またはコリジョンディテクション(16ビット)から構成される。
【0088】
ソースMACアドレスは、ACK情報に対する移動局のMACアドレス(論理チャンネルID)を示す。アップリンクスロットがMDSではなくACTSとして使用された場合、ソースMACアドレスとして不定の論理チャンネルID(11111111b)が設定される。その他の場合は、ACK情報に対する移動局の論理チャンネルIDが設定される。
【0089】
コントロールは、本割当に対する制御情報を示す。コントロールの2ビットを(b1,b2 )とすると、ビットb1がACKシーケンスナンバーが有効か否かを示す。(b1=0b)が無効を示し、(b1=1b)が有効を示す。ビットb2 は、ACKシーケンスナンバーがACKかNACKかを示す。(b2 =0b)がNACKを示し、(b2 =1b)がACKを示す。
【0090】
ACKシーケンスナンバー(16ビット)は、ACKのシーケンス番号を示す。アップリンクデータに対して正確に受信できたデータのシーケンス番号が設定される。
【0091】
アップリンクスロットがMDSではなくACTSとして使用された場合(ソースMACアドレスとして不定の論理チャンネルIDが設定された場合)、ACKシーケンスナンバーフィールドは、コリジョンディテクションフィールドとして使用される。コリジョンディテクションは、前回のACTSで衝突があったか否かを示す。サブスロットの個数が1〜16個の範囲であるので、各サブスロットに対応するビットにて衝突の有無を設定する。(0b)が衝突なし、(1b)が衝突ありと規定される。
【0092】
ペイロードの最後に、16ビットのペイロードCRCが配されている。例えば1+x5+x12+x16が生成多項式として使用される。以上のデータがペイロードに配置されるものである。
【0093】
図11は、MDP(Message Data Packet) のパケットフォーマットの一例である。図11中の各行が2オクテットの長さであり、パケットの先頭部分(図の上側)にヘッダが位置し、その後にペイロードが位置する。ヘッダの最後にヘッダCRC(16ビット)が付加され、ペイロードの最後にペイロードCRC(16ビット)が付加されている。
【0094】
最初にヘッダに含まれるデータについて説明する。ヘッダの先頭のスロットタイプ(2ビット)は、スロットの種別を示す。(00b)がFCMSであり、(01b)がMDSであり、(10b)がACTSである。図11は、MDSであるので、(01b)が設定される。
【0095】
パケットタイプ(2ビット)がパケットの種別を示す。(00b)がデータパケットを示し、(01b)が制御パケットを示す。使用状況に応じて何れかの値が設定される。
【0096】
コントロール(4ビット)がパケットの制御情報を示す。4ビットを(b1234 )と表記する。ビットb1は、本パケットのペイロード部分およびデータシーケンスナンバーが有効か否かを示す。(b1=0b)は、無効(ペイロードなし、データシーケンス無効)を示し、(b1=1b)は、有効(ペイロードあり、データシーケンス有効)を示す。
【0097】
ビットb2 は、本パケットが上位層PDU(Procotol Data Unit)の最後か否かを示す。(b2 =0b)は、上位層PDUの先頭、または途中を示し、(b2 =1b)は、上位層PDUの最後を示す。ビットb3 は、本パケットのACKシーケンスナンバーが有効か否かを示す。(b3=0b)は、無効を示し、(b3=1b)は、有効を示す。ビットb4 は、ACKシーケンスナンバーがACKかNACKかを示す。(b4 =0b)がNACKを示し、(b4 =1b)がACKを示す。
【0098】
バッファカウント(8ビット)が送信バッファ内のデータ数を示す。MAC層における送信バッファに残っているデータパケットの個数が設定される。256個以上の場合は、(11111111b)が設定される。
【0099】
ソースMACアドレス(8ビット)は、発信元ノードのMACアドレスを示す。ダウンリンクの場合、発信元基地局の論理チャンネルID(00000001b)が設定される。アップリンクの場合、発信元移動局の論理チャンネルIDが設定される。
【0100】
ディスティネーションMACアドレス(8ビット)は、宛先ノードのMACアドレスを示す。ダウンリンクの場合、パケットの種別がデータパケットの時は、宛先移動局の論理チャンネルIDが設定される。パケット種別が制御パケットの場合で、登録応答の時は不定の論理チャンネルID(11111111b)が設定される。その他(登録削除応答、コネクション設定応答、コネクション解放応答)の時は、宛先移動局の論理チャンネルIDが設定される。アップリンクの場合は、宛先基地局の論理チャンネルID(00000001b)が設定される。
【0101】
データ長(16ビット)は、本パケットのペイロード長をオクテット(8ビット)単位で示す。16ビットが全て0の場合が1オクテットのデータ長であり、16ビットが全て1の場合は、65536オクテットである。一実施形態では、例えばペイロード長が256オクテットであるので、(0000000011111111b)がデータ長として設定される。
【0102】
データシーケンスナンバー(16ビット)は、256オクテットのデータのシーケンス番号を示す。再送制御のためのデータのシーケンス番号を示す。データ長は、IPパケットの最大長より短いものであれば良く、256オクテットの値は、一例である。
【0103】
ACKシーケンスナンバー(16ビット)は、ACKのシーケンス番号を示す。正確に受信できたデータのシーケンス番号を指定する。なお、ダウンリンクでは、ACKシーケンスナンバーのフィールドを使用しない。
【0104】
16ビットのヘッダCRCが位置する。生成多項式として、例えば1+x5+x12+x16が使用される。以上のデータがヘッダに配置されるものである。
【0105】
ペイロード本体には、LLCのPDUが設定される。ペイロードの後にペイロードCRC(16ビット)が付加される。生成多項式として、ヘッダCRCと同一のものが使用される。
【0106】
図12は、ACTSに配されるACTP(ACTivation Packet)のパケットフォーマットの一例である。図12中の各行が2オクテットの長さであり、パケットの先頭部分(図の上側)にヘッダが位置し、その後にペイロードが位置する。ヘッダの最後にヘッダCRC(16ビット)が付加され、ペイロードの最後にペイロードCRC(16ビット)が付加されている。
【0107】
ヘッダの先頭のスロットタイプ(2ビット)は、スロットの種別を示す。(00b)がFCMSであり、(01b)がMDSであり、(10b)がACTSである。本スロットは、ACTSであるので、(10b)が設定される。
【0108】
パケットタイプ(2ビット)がパケットの種別を示す。本スロットでは、制御パケットのみが使用されるので、(01b)が設定される。
【0109】
コントロール(4ビット)がパケットの制御情報を示す。4ビットを(b1234 )と表記する。ビットb1〜b4 は、未使用(未定義)である。
【0110】
データ長(8ビット)は、パケットのペイロード長をオクテット(8ビット)単位で示す。8ビットが全て0の場合が1オクテットのデータ長であり、8ビットが全て1の場合は、256オクテットである。
【0111】
ソースMACアドレス(8ビット)は、発信元ノードのMACアドレスを示す。登録要求の場合は、不能の論理チャンネルID(00000000b)が設定される。その他(登録削除要求、コネクション設定要求、コネクション解放要求)の場合は、発信元移動局の論理チャンネルIDが設定される。
【0112】
ディスティネーションMACアドレス(8ビット)は、宛先ノードのMACアドレスを示す。登録要求の場合は、不定の論理チャンネルID(11111111b)が設定される。その他(登録削除要求、コネクション設定要求、コネクション解放要求)の場合は、宛先基地局の論理チャンネルID(00000001b)が設定される。
【0113】
16ビットのヘッダCRCが位置する。生成多項式として、例えば1+x5+x12+x16が使用される。以上のデータがヘッダに配置されるものである。
【0114】
ペイロード本体にLLCのPDUが設定される。ペイロード本体の後にペイロードCRC(16ビット)が付加される。生成多項式として、ヘッダCRCと同一のものが使用される。
【0115】
次に、スロット割当制御方式について説明する。ダウンリンクでは、FCMSの他にMDSのスロットが割り当てられる。ダウンリンクにおけるMDSは、ユーザのデータを送信するために使用されるMDSと、無線ゾーンに入った場合の登録等の呼制御に関するデータ(登録/登録削除応答(通知)、コネクション設定/解放応答(通知))を送信するためのMDSとに分類される。呼制御データは、ユーザデータに比して重要度が高いので、送信すべき呼制御データがある場合は、ユーザデータよりも優先的にスロットを割り当てる。
【0116】
すなわち、
高優先:呼制御データ用MDS(登録/登録削除応答、コネクション設定/解放応答)
低優先:ユーザデータ用MDS(データ/再送データ)
とされる。
【0117】
ユーザデータに関するスロット割当は、呼制御データへの割当で使用した残りのスロットに関して行う。ユーザデータへスロットを割り当てる場合、スロット割当管理テーブルを参照して行う。図13Aは、スロット割当管理テーブルの一例を示す。
【0118】
コネクション設定MACアドレスは、コネクションを確立している移動局のMACアドレス(論理チャンネルID)を示す。コネクション優先度は、ラウンドロビン時に割り当てるスロット数に対応する。なお、コネクション設定MACアップロードは、LLC部が管理するコネクション管理テーブルと同等の設定値を用いる。ダウンリンク送信バッファ状態とは、基地局の送信バッファに存在するデータ(パケット数)を示す。アップリンク送信バッファ状態は、移動局から送信されるMDPに含まれるバッファカウントフィールドの設定値に対応する。基地局は、移動局からのMDPを受信するたびに、アップリンク送信バッファ状態を更新する。
【0119】
コネクションを設定している移動局に対して例えばラウンドロビン方式により均等にスロットを割り当てる。但し、コネクション優先度により、ラウンドロビン時に割り当てるスロット数が異なる。なお、ダウンリンクバッファ状態が0(すなわち、送信すべきデータがない)移動局に対しては、スロットを割り当てない。また、送信バッファに全スロット数分のデータ(パケット)数がないバッファは、残りのスロットについては割り当てない。データ送信を行なわないスロットでは、(1010b)のパケットを送信することも可能とする。
【0120】
スロット割当管理テーブルが図13Aに示す場合において、送信すべき呼制御データがないとき、ダウンリンクの1TDMAフレームにおけるスロット割当は、図13Bに示すものとなる。移動局(A)は、送信すべきデータがないので、1フレームの最初のデータスロットが移動局(B)に割り当てられる。次に、移動局(C)に対してスロットが割り当てられるが、コネクション優先度が「2」であるので、二つのスロットが移動局「C」に対して割り当てられる。次に、移動局「D」に対してスロットが割り当てられる。以下、順にダウンリンク送信バッファに入っているデータがなくなるまで、スロット割当がなされる。図13Aの場合では、データ個数が7個であるので、ダウンリンクの1TDMAフレームの最後のスロットが空きスロットとなる。次回のラウンドロビン割当の始まりは、MACアドレスが「A」の移動局からである。
【0121】
図14および図15のフローチャートは、ダウンリンクのスロット割当処理、すなわち、FCMSの作成処理の流れを示す。割当処理としては、例えばラウンドロビン方式が使用されるが、それ以外のFIFO方式(図6)または変形FIFO方式(図8)を使用しても良い。これらの図は、一連の処理の流れを示すものであるが、作図スペースの制約上、図14および図15に分割して描かれている。
【0122】
ステップS1では、制御データ(呼制御用のデータ)の有無が調べられる。制御データは、呼制御データを意味し、ユーザデータよりも優先的にスロットが割り当てられるデータである。制御データがある場合、ステップS2において、残りスロット数(その1TDMAフレーム内の残りの空きスロット数)と制御データ数の大小関係が判定される。制御データ数が残りスロット数より多い場合では、全スロットを制御データに割り当てる(ステップS3)。そして、処理が終了する。
【0123】
残りスロット数が制御データ数より多いとステップS2において判定されると、制御データが残りスロットに割り当てられる(ステップS4)。したがって、ステップS5で示すように、残りスロット数=残りスロット数−制御データ数となる。残りスロット数が0かどうかがステップS6において決定される。残りスロット数が0ならば、割当処理が終了する。
【0124】
ステップS6において、残りスロットが未だあると決定されると、ステップS7において、前回記憶分(MAC−ID、未割当データ数)が読み出される。ステップS1において、制御データがないと決定された場合には、残りスロット数がそのままとされ(ステップS8)、次に、ステップS7に処理が移る。
【0125】
ステップS9では、未割当データの有無が調べられる。未割当データが無いと決定されると、ステップS10において、フラグが全てOFFとされる。未割当データがあるとステップS9で決定されると、ステップS11において、残りスロット数と未割当データ数の大小関係が判定される。未割当データ数が残りスロット数より多い場合では、割当可能なスロットを未割当データに割り当てる(ステップS12)。割り当てられたデータ数が未割当データ数から減じられる(ステップS13)。ステップS14において、現在のMAC−IDと未割当データ数が記憶され、処理が終了する。
【0126】
ステップS11において、未割当データ数が残りスロット数より少ない場合では、残りスロットを未割当データに割り当てる(ステップS15)。したがって、ステップS16で示すように、残りスロット数=残りスロット数−未割当データ数となる。残りスロット数が0かどうかがステップS17において決定される。残りスロット数が0ならば、割当処理が終了する。残りスロット数が0でない場合には、未割当データが無い場合と同様に、ステップS10において、フラグが全てOFFとされる。
【0127】
ステップS10より後の処理が図15に示されている。図15に示すステップS18において、次のMAC−IDが読み出される。そして、ステップS19において、フラグがONか否かが決定される。フラグがONであれば、処理が終了する。フラグがONでない場合には、ステップS20において、データ個数が0か否かが決定される。データ個数が0であれば、ステップS21において、フラグがONとされ、ステップS18(次のMAC−IDの読み出し)に戻る。
【0128】
データ個数が1以上であれば、ステップS22において、フラグが全てOFFとされ、ステップS23の判定処理がなされる。ステップS23では、(優先度、データ個数の少ない方)(以下、適宜「少ない方」と称する)と(残りスロット数)とが比較される。(残りスロット数>少ない方)の場合、(残りスロット数=少ない方)の場合、並びに(残りスロット数<少ない方)の場合のそれぞれに応じた割り当て処理がなされる。
【0129】
(残りスロット数>少ない方)の場合では、ステップS24において、スロットの割当がなされ、ステップS25において、データ個数がデクリメントさせられる。ステップS26では、データ個数が0か否かが判定される。データ個数が0でないと、ステップS27において、(残りスロット数=残りスロット数−少ない方のデータ個数)の処理がされる。その後、ステップS18(次のMAC−IDが読み出し)に戻る。データ個数が0の場合には、ステップS28において、フラグがONとされてからステップS27に処理が移る。
【0130】
(残りスロット数=少ない方)の場合では、ステップS29において、スロットの割当がなされ、ステップS30において、データ個数がデクリメントさせられる。ステップS31では、現在のMAC−ID、データ個数(0)が記憶される。そして、処理が終了する。
【0131】
(残りスロット数<少ない方)の場合では、ステップS32において、割り当て可能なデータ個数の割当がなされ、ステップS33において、データ個数がデクリメントさせられる。ステップS34では、現在のMAC−ID、未割当データ個数が記憶される。そして、処理が終了する。
【0132】
次に、アップリンクにおけるスロット割り当て処理について説明する。ダウンリンクのスロット割当処理と同様に、割当処理としては、例えばラウンドロビン方式が使用されるが、それ以外のFIFO方式(図6)または変形FIFO方式(図8)を使用しても良い。
【0133】
アップリンクでは、MDSとACTSのスロットを割り当てる。ACTSに関しては、1TDMAフレームの先頭に必ず1スロットが割り当てられるものとする。MDSに関しては、ダウンリンクデータに対するACK用として強制的に割り当てられるものと、通常のアップリンクデータ用として割り当てられるものがある。但し、アップリンクデータ用の場合でも、MDPのACKシーケンスナンバーフィールドを使用してACKを送信することが可能である。また、ダウンリンクデータに対するACK用の場合でも、ペイロードフィールドに通常のアップリンクデータを含めて送信することが可能である。
【0134】
ダウンリンクデータに対するACK用として割当が必要な場合は、通常のアップリンクデータ用よりも優先的にスロットを割り当てる。すなわち、
高優先:ダウンリンクデータに対するACK用MDS
低優先:アップリンクデータ用MDS
とされる。
【0135】
ダウンリンクデータに対するACK用のスロットは、MDPのコントロールフィールドの上位層PDUの最後のフラグメントか否かを示す2ビットが1(有効)の場合、必ず割り当てるようにする。
【0136】
アップリンクデータ用のMDSを割り当てる場合は、ダウンリンクの場合と同様にスロット割当管理テーブル(図13A)を参照し、コネクションを設定している移動局に対して、ラウンドロビン方式により均等にスロットを割り当てる。コネクション優先度の値により、ラウンドロビン時に割り当てるスロット数は異なる。アップリンク送信バッファ状態が0(すなわち、送信バッファにデータがない)の移動局に対してもラウンドロビン割当時に必ず1つのスロットを割り当てるようにする。但し、その場合は、1TDMAフレーム内では1つのみの割当とする。
【0137】
スロット管理テーブルが前述した図13Aに示すものである場合において、送信すべきダウンリンクデータに対するACKがないとき、アップリンクのスロット割当は、図16に示すものとなる。1フレームのACTSを除いた最初のデータスロットが移動局(A)に割り当てられる。次に、移動局(B)に対してスロットが割り当てられる。さらに、移動局(C)に対してスロットが割り当てられるが、コネクション優先度が「2」であるので、二つのスロットが移動局「C」に対して割り当てられる。以下、順にスロット割当がなされる。次回のラウンドロビン割当の始まりは、「C」の移動局からである。なお、スロットを割り当てたにもかかわらず、有効データが送信されない移動局に対しては、設定されたTDMA周期の間スロットを割り当てない。有効データが送信された時点で通常のラウンドロビン方式で割り当てるようになされる。
【0138】
図17および図18のフローチャートは、アップリンクのスロット割当処理、すなわち、FCMSの作成処理の流れを示す。これらの図は、一連の処理の流れを示すものであるが、作図スペースの制約上、図17および図18に分割して描かれている。
【0139】
ステップS41では、1TDMAフレームの先頭の1スロットがACTSに対して割り当てられる。残りスロット数が−1とされる(ステップS42)。ACK用のスロット割当の有無がステップS43において調べられる。ACK用のスロット割当がある場合、優先的にACKに対するスロット割当がなされる。ステップS44において、残りスロット数(その1TDMAフレーム内の残りの空きスロット数)とACK用スロット数の大小関係が判定される。ACK用スロット数が残りスロット数より多い場合では、全スロットをACK用スロットに割り当てる(ステップS45)。そして、処理が終了する。
【0140】
残りスロット数がACK用スロット数より多いとステップS44において判定されると、ACK用データが残りスロットに割り当てられる(ステップS46)。したがって、ステップS47で示すように、残りスロット数=残りスロット数−ACK用データ数となる。求められた残りスロット数が0かどうかがステップS48において決定される。残りスロット数が0ならば、割当処理が終了する。
【0141】
ステップS48において、残りスロットが未だあると決定されると、ステップS49において、前回記憶分(MAC−ID、未割当データ数)が読み出される。ステップS43において、ACK用のスロット割当がないと決定された場合には、残りスロット数がそのままとされ(ステップS50)、次に、ステップS49に処理が移る。
【0142】
ステップS51では、未割当データの有無が調べられる。未割当データが無いと決定されると、ステップS52において、フラグが全てOFFとされる。未割当データがあるとステップS51で決定されると、ステップS53において、残りスロット数と未割当データ数の大小関係が判定される。未割当データ数が残りスロット数より多い場合では、割当可能なスロットを未割当データに割り当てる(ステップS54)。割り当てられたデータ数が未割当データ数から減じられる(ステップS55)。ステップS56において、現在のMAC−IDと未割当データ数が記憶され、処理が終了する。
【0143】
ステップS53において、未割当データ数が残りスロット数より少ない場合では、残りスロットを未割当データに割り当てる(ステップS57)。したがって、ステップS58で示すように、残りスロット数=残りスロット数−未割当データ数となる。残りスロット数が0かどうかがステップS59において決定される。残りスロット数が0ならば、割当処理が終了する。残りスロット数が0でない場合には、未割当データが無い場合と同様に、ステップS52において、フラグが全てOFFとされる。
【0144】
ステップS52より後の処理が図18に示されている。図18に示すステップS60において、次のMAC−IDが読み出される。そして、ステップS61において、フラグがONか否かが決定される。フラグがONであれば、処理が終了する。なお、処理が終了する前にステップS62において、残りのスロットをACTSに割り当てることも可能である。
【0145】
フラグがONでない場合には、ステップS63において、データ個数が0か否かが決定される。データ個数が0であれば、ステップS64において、1順目の割当か否かが決定される。1順目の割当であれば、ステップS65において、スロットが1個割り当てられる。そして、ステップS66において、フラグがONとされ、ステップS60(次のMAC−IDの読み出し)に戻る。ステップS64において、1順目の割当でないと決定された場合では、スロットを1個割り当てる処理(ステップS65)をスキップしてステップS66(フラグをONする)に移る。
【0146】
データ個数が1以上であれば、ステップS67において、フラグが全てOFFとされ、ステップS68の判定処理がなされる。ステップS68では、(優先度、データ個数の少ない方)(以下、適宜「少ない方」と称する)と(残りスロット数)とが比較される。(残りスロット数>少ない方)の場合、(残りスロット数=少ない方)の場合、並びに(残りスロット数<少ない方)の場合のそれぞれに応じた割り当て処理がなされる。
【0147】
(残りスロット数>少ない方)の場合では、ステップS69において、スロットの割当がなされ、ステップS70において、データ個数がデクリメントさせられる。ステップS71では、データ個数が0か否かが判定される。データ個数が0でないと、ステップS72において、(残りスロット数=残りスロット数−少ない方のデータ個数)の処理がされる。その後、ステップS60(次のMAC−IDが読み出し)に戻る。ステップS71において、データ個数が0の場合には、ステップS73において、フラグがONとされてからステップS72に処理が移る。
【0148】
(残りスロット数=少ない方)の場合では、ステップS74において、スロットの割当がなされ、ステップS75において、データ個数がデクリメントさせられる。ステップS76では、現在のMAC−ID、データ個数(0)が記憶される。そして、処理が終了する。
【0149】
(残りスロット数<少ない方)の場合では、ステップS77において、割り当て可能なデータ個数の割当がなされ、ステップS78において、データ個数がデクリメントさせられる。ステップS79では、現在のMAC−ID、未割当データ個数が記憶される。そして、処理が終了する。
【0150】
次に、一実施形態における再送制御方式について説明する。一実施形態では、再送制御方式としてGBN(Go-Back-N)方式を使用している。GBN方式は、ACKまたはNACKの折り返し動作の間にも引き続き次のパケットの送信を行い、ACKまたはNACKが返った時点で、次のパケットを送信すべきか否かを決定する方式である。但し、以下のデータ(パケット)に関しては、再送を行なわない。
【0151】
MDP:ブロードキャストデータ(ディスティネーションMACアドレス:0x11111111)→ユーザデータおよび呼制御データのどちらの場合も再送しない
MDP:アップリンクにおけるACK/NACK情報のみのデータ(コントロール:0x0*1*)→有効データが含まれない場合。
【0152】
データ送信側は、通常のGBN方式の再送制御を行う。送信側は、送信したデータを受信側からのACKが返ってくるまで、送信バッファに残しておく。アップリンクデータに対するACKは、FCMSのACKシーケンスナンバーフィールドを使用し、ダウンリンクデータに対するACKは、MDSのACKシーケンスナンバーフィールドを使用する。ACKを受信すると、そのACKシーケンス番号より以前のデータをバッファから削除し、通常のデータ送信を継続する。NACKを受信すると、そのNACKシーケンス番号より以前のデータをバッファから削除し、次のシーケンス番号のデータ(パケット)から順次再送を行う。再送処理開始のトリガーは、以下の通りである。
【0153】
(1)NACKを受信した場合(データエラー)
NACKシーケンスナンバーより以前のデータを送信バッファから削除し、次のシーケンス番号のデータから順次再送する。
【0154】
(2)重複するACKを受信した場合(データ送信リンクにおける通信品質の劣化)
同じシーケンスナンバーのACKを複数回継続して受信した場合は、バッファに残っているデータから順次再送する。なお、ACKの重複受信回数は、スタティックに(外部から)設定可能とする。
【0155】
(3)ACKが返ってこない場合(ACK送信における通信品質の劣化)
ACKがタイムアウトになった場合には、バッファに残っているデータから順次再送する。なお、タイムアウト値は、スタティックに(外部から)設定可能とする。
【0156】
データ受信側は、通常のGBN方式の再送制御を行う。受信側は、データ(パケット)エラー検出以降に受信したデータを全て破棄する。そして、正常に受信できたデータのシーケンス番号をACKシーケンスナンバーフィールドに設定し、ダウンリンクの場合は、コントロールフィールドの第1ビットを有効(1b)に設定し、その第2ビットをNACK(0b)と設定し、アップリンクの場合は、コントロールフィールドの第3ビットを有効(1b)に設定し、その第4ビットをNACK(0b)と設定して、ACKを返す。ACKは、ダウンリンクでは、FCMP(Frame Control Message Packet)を利用して送信し、アップリンクでは、MDPを利用して送信する。なお、ACK/NACKを返すタイミングは、以下の通りである。
【0157】
(1)ダウンリンクの場合(アップリンクデータに対するACK/NACK)
FCMSを送出する直前に、それまでに正常に受信したMDPに対してFCMPを利用してACKを返す。コントロールフィールドの第1ビットを「1」(有効)とし、その第2ビットを「1」(ACK)とし、現在のデータ番号をACKシーケンスナンバーに設定する。一方、データエラーを検出した場合は、コントロールフィールドの第1ビットを「1」(有効)とし、その第2ビットを「0」(NACK)とし、正常に受信できたデータ番号をACKシーケンスナンバーに設定する。
【0158】
(2)アップリンクの場合(ダウンリンクデータに対するACK/NACK)
FCMSに含まれるアップリンクのMDSのスロット位置情報を参照し、それまでに正常に受信したMDPに対してMDPを利用してACKを返す。コントロールフィールドの第3ビットを「1」(有効)とし、その第4ビットを「1」(ACK)とし、現在のデータ番号をACKシーケンスナンバーに設定する。一方、データエラーを検出した場合は、コントロールフィールドの第3ビットを「1」(有効)とし、その第4ビットを「0」(NACK)とし、正常に受信できたデータ番号をACKシーケンスナンバーに設定する。
【0159】
図19は、一実施形態における再送制御処理の一例を示す。図19は、シーケンス番号=1、シーケンス番号=2のデータが正常に送受信され、シーケンス番号=3のデータがエラーとなった例である。受信側は、処理ST1においては、シーケンス番号「2」のデータの次にシーケンス番号「4」を受信したことによって、「3」のデータエラーを検出し、正常に受信したシーケンス番号「2」を示したNACKを送信する。データエラーは、期待したシーケンス番号とは異なる番号のデータを受信することによって検出する。処理ST2においては、データエラー検出後に受信したシーケンス番号「4」「5」「6」のデータについては破棄する。
【0160】
なお、データエラーの原因としては、データ(パケット)ロス、ベースバンド部におけるエラー、ヘッダCRCエラー、ペイロードCRCエラー等が考えられる。
【0161】
送信側は、NACKを受信することによって、処理ST3において、正常に受信されたシーケンス番号「2」のデータまでを送信バッファから削除し、「3」以降のデータ全てを順次再送する。
【0162】
受信側では、処理ST4において、再送により受信したデータのシーケンス番号「3」を示したACKを送信する。
【0163】
衝突検出時の再送制御について説明する。アップリンクのACTSは、ランダムアクセススロットのために、複数の移動局が同時に送信することによる衝突の可能性がある。ベースバンド処理部において、データ受信状態であるにもかかわらず、フレームとして認識できない場合、並びにフレームとして認識できたが、ペイロード部分で衝突が発生した場合には、ベースバンド処理部からエラーが発生する。
【0164】
このエラーが通知されると、次に送出するFCMSのコリジョンディテクションフィールドの値を1(衝突あり)に設定する。移動局は、FCMSのコリジョンディテクションフィールドを参照し、送信したACTPが衝突した場合は、ランダム関数にて何周期目のACTSのどのサブスロットを送信するかを決定し、それにしたがって再送を行う。
【0165】
移動局側のアップリンク用のチャンネルアクセス処理について説明する。移動局において、呼制御データの送信要求があった場合、FCMPに含まれるACTSの位置情報を参照してそのスロット位置でACTPを送信する。ACTSは、複数のサブスロットに分割されているが、どのサブスロット位置にてACTPを送信するかは、衝突の確率を減らすために、ランダム関数で決定する。他の移動局のACTPと衝突が発生した場合、基地局は、FCMSのコリジョンディテクションフィールドに衝突情報を設定し、移動局は、その情報を参照して再送を行う。また、上位層のLLCからユーザデータの送信要求が発生すると、FCMSに含まれる自分の移動局用のMDSの位置を参照してそのスロット位置でMDPを送信する。
【0166】
移動局がサービスエリアに進入時の処理について説明する。移動局は、FCMPに含まれているベースステーションIDの値を保持しておく。ベースステーションIDのフィールドには、基地局(BS)を一意に識別するユニークな番号(例えばEthernetアドレス)が設定されている。最初にサービスエリアに移動局が進入した時には、ベースステーションIDが保持されていない。また、異なるサービスエリアに進入した時には、保持しているものと異なるベースステーションIDが受信される。これらの場合が発生した場合には、LLCに対して通知がなされる。
【0167】
上述したように、図19に示す再送処理は、1シーケンス単位で応答信号が返されるので、1シーケンスを単位として再送を行う方法(第1の方法)である。第1の方法は、正常に送受信できたシーケンスナンバーのデータパケットは、有効なものとし、正常に送受信できなかった以降のシーケンスナンバーのデータパケットを再送する方法である。再送処理としては、他の方法も可能である。すなわち、正常に送受信できなかった場合では、その途中まで受信できたものを含めて受信パケットを全て破棄し、先頭からデータを再送する方法(第2の方法)が可能である。さらに、先の出願にて提案されている方法(第3の方法)も可能である。第2の方法では、通常送信と再送とを区別する必要がなくなり、再送処理のために、端末側でデータをバッファに蓄えておく必要がなく、端末側のバッファの規模を小さくでき、処理も簡単とできる。
【0168】
図20および図21は、先の出願における再送処理(第3の方法)を説明するものである。これらの図20および図21は、時間軸方向で連続したタイミングチャートを、作図スペースの制約によって、分割して示すものである。また、図20Aおよび図21Aのタイミングチャートは、基地局1から移動局21へのダウンリンクを使用したパケット伝送動作を示す。図20Bおよび図21Bのタイミングチャートは、移動局21から基地局1へのアップリンクを使用したパケット伝送動作を示す。
【0169】
タイミングチャートは、移動局21として、例えば5個の移動局T1〜T5が存在する例である。infoの参照符号は、基地局BSが全ての移動局に対して一斉に送信する通知パケット、並びに移動局T1〜T5の受信する通知パケットを示している。図示の例では、1下りフレームが7個のデータスロットを含み、1上りフレームが5個のデータスロットを含んでいる。また、ダウンロードまたはアップロードされるデータ量は、6個のデータスロットを使用して伝送される量と仮定している。
【0170】
図示しない前のタイミングにおいて、移動局T1およびT3において、ダウンロード要求およびアップロード要求が発生していることを想定する。図20Aに示すように、移動局T1およびT3がダウンロードされたデータを受信する。また、移動局T1およびT3がアップロードするデータをアップリンクを介して送信する。移動局T1がダウンロードされたデータの内で、1-5の参照符号を付したデータパケットが正常に送受信できなかった例と、移動局T2がアップロードするデータの内で、2-5が正常に送受信できなかった例とが示されている。ダウンロードの場合は、ACKスロットを使用して、また、アップロードの場合は通知スロットを使用して、ACKまたはNACKが送受信される。この場合、データパケット単位でACKまたはNACKが送受信される。
【0171】
図21Aに示すように、パケット1-5が移動局T1に対して所定の時間後に再送され、パケット2-5が基地局に対して所定の時間後に再送される。これらの再送されたパケットによって、1シーケンスのデータが完結する。
【0172】
先の出願に示される再送方法は、データパケット単位で応答信号を返すので、安定した通信が可能となる反面、移動局側に再送されたデータを受け取るまで、データを蓄えておく大容量のバッファが必要となる。
【0173】
好ましくは、上述した3通りのデータ再送方法のうち、少なくとも2個の再送方法を基地局が行うことができるようになされる。例えばシーケンスの最初から全て再送する第1の方法と、シーケンスの途中迄のデータを有効とし、残りのデータを再送する第2の方法とが可能とされ、移動局側のバッファの容量に応じてこれらを選択できるようになされる。何れの再送方法であるかは、例えばFCMP内に識別データとして挿入される。さらに、移動局側のバッファが比較的大容量であれば、先願のようなパケット単位で再送する第3の方法も選択するようにしても良い。
【0174】
この発明は、上述したこの発明の一実施形態等に限定されるものでは無く、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。例えば上述したデータフォーマットにおける各種のデータ長、データの値等は、一例であって種々の変更が可能である。また、この発明は、路車間通信に限らず、無線LAN等の他の無線データ通信に対しても適用することができる。
【0175】
【発明の効果】
この発明によれば、1TDMAフレームに、複数のデータスロットをある移動局に対して割り当てることができるので、1フレーム内の一つのデータスロットを一つの移動局に対して割り当てる方法と比較して、上りおよび下りの両方向ともにスループットを高くすることができる。この発明は、マルチメディアデータのように、バースト的に発生するデータを送信(ダウンロードおよびアップロード)するのに好適なものである。また、この発明では、一連のデータが受信されれば、応答信号を返すようにしているので、再送処理を行う場合でも、通常の通信処理と同様の処理が可能となり、また、端末側のバッファを頗る小規模とできる。したがって、端末装置の構成を簡単とすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態における基地局の構成例を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施形態における移動局の構成例を示すブロック図である。
【図3】この発明を適用できる路車間通信システムの説明に用いる略線図である。
【図4】この発明の一実施形態におけるダウンリンクおよびアップロードのそれぞれのデータ構成および1スロットのデータの構成を示す略線図である。
【図5】送信バッファに格納されているデータの一例を示す略線図である。
【図6】スロット割当方式の一例を示す略線図である。
【図7】スロット割当方式の他の例を示す略線図である。
【図8】スロット割当方式のさらに他の例を示す略線図である。
【図9】パケットFCMPのフォーマットを示す略線図である。
【図10】パケットFCMPのフォーマットのペイロードをより詳細に示す略線図である。
【図11】パケットMDPのフォーマットを示す略線図である。
【図12】パケットACTPのフォーマットを示す略線図である。
【図13】スロット割当管理テーブルおよびダウンリンクのスロット割当の一例を示す略線図である。
【図14】ダウンリンクのスロット割当処理動作を説明するためのフローチャートである。
【図15】ダウンリンクのスロット割当処理動作を説明するためのフローチャートである。
【図16】アップリンクのスロット割り当ての一例を示す略線図である。
【図17】アップリンクのスロット割当処理動作を説明するためのフローチャートである。
【図18】アップリンクのスロット割当処理動作を説明するためのフローチャートである。
【図19】再送処理動作の一例を説明するための略線図である。
【図20】先に提案されている出願の通信動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図21】先に提案されている出願の通信動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図22】先に提案されている出願におけるフレーム構成を示す略線図である。
【符号の説明】
1・・・基地局、3・・・MDP生成部、4・・・FCMP生成部、6・・・無線装置、10・・・受信パケット判定部、21・・・移動局、23・・・ACTP生成部、24・・・MDP生成部、27・・・無線装置、31・・・受信パケット判定部、41・・・統合基地局、431,432 ,433 ・・・局地基地局、44・・・車両

Claims (17)

  1. 基地局と端末との間で、アップリンクとダウンリンクとが同時に利用可能とされ、上記アップリンクおよび上記ダウンリンクを通じてその内部が複数の時間的に分割された複数のスロットからなるフレーム単位に無線通信を行う通信方法において、
    上記ダウンリンクのフレームにフレームコントロールメッセージスロット(FCMS)およびデータスロット(MDS)が割り当てられ、
    上記フレームコントロールメッセージスロットによって、上記アップリンクのスロット割当情報、上記ダウンリンクのスロット割当情報、および上記アップリンクを通じて送信されたデータに対する応答情報、ユーザ・データ、端末からのコネクション設定・コネクション解放要求に対する応答情報、および上記端末からの登録・登録削除要求に対する応答情報が上記基地局から上記端末に送信され、
    上記アップリンクの各フレームにアクチベーションスロット(ACTS)およびデータスロット(MDS)が割り当てられ、
    上記アクチベーションスロットによって、コネクション設定・コネクション解放要求、および上記端末からの登録・登録削除要求が上記端末から上記基地局に送信され
    上記データスロットによって、ダウンリンクデータに対する応答情報が上記基地局に送信されることを特徴とする通信方法。
  2. 請求項1において、
    上記基地局が統合基地局と上記統合基地局と光ファイバで接続された複数の局地基地局とで構成され、
    上記フレームコントロールメッセージスロットに、上記光ファイバ部分の長さに応じた伝搬遅延に関する情報が含まれる通信方法。
  3. 請求項において、
    上記ダウンリンクのスロット割り当てにおいて、呼制御データがある場合には、上記呼制御データに対するスロットの割当がユーザデータに比して優先的に行なわれる通信方法。
  4. 請求項において、
    上記応答信号に対して1つのデータスロットの割当がなされ、応答信号に対するデータスロットの割当がユーザデータに比して優先的に行なわれる通信方法。
  5. 請求項において、
    上記アップリンクを介して複数の端末より、情報のダウンロード要求を受けた上記基地局はFIFO方式を用いて、各端末に対してダウンリンクのスロットを割り当てることを特徴とする通信方法。
  6. 請求項において、
    上記アップリンクを介して複数の端末より、情報のダウンロード要求を受けた上記基地局はラウンドロビン方式を用いて、各端末に対してダウンリンクのスロットを割り当てることを特徴とする通信方法。
  7. 請求項において、
    上記アップリンクを介して複数の端末より、情報のダウンロード要求を受けた上記基地局は変形FIFO方式を用いて、各端末に対してダウンリンクのスロットを割り当てることを特徴とする通信方法。
  8. 請求項において、
    上記アップリンクを介して複数の端末より、情報のダウンロード要求を受けた上記基地局はFIFO方式、ラウンドロビン方式および変形FIFO方式の内で選択された方式を用いて、各端末に対してダウンリンクのスロットを割り当てることを特徴とする通信方法。
  9. 基地局と端末との間で、アップリンクとダウンリンクとが同時に利用可能とされ、上記アップリンクおよび上記ダウンリンクを通じてその内部が複数の時間的に分割された複数のスロットからなるフレーム単位に無線通信を行う通信システムにおける基地局において、
    上記ダウンリンクのフレームにフレームコントロールメッセージスロット(FCMS)およびデータスロット(MDS)が割り当てられ、
    上記フレームコントロールメッセージスロットによって、上記アップリンクのスロット割当情報、上記ダウンリンクのスロット割当情報、および上記アップリンクを通じて送信されたデータに対する応答情報、ユーザ・データ、端末からのコネクション設定・コネクション解放要求に対する応答情報、および上記端末からの登録・登録削除要求に対する応答情報が上記端末に対して送信され、
    上記アップリンクの各フレームにアクチベーションスロット(ACTS)およびデータスロット(MDS)が割り当てられ、
    上記アクチベーションスロットによって、コネクション設定・コネクション解放要求、および上記端末からの登録・登録削除要求が上記端末から送信され
    上記データスロットによって、ダウンリンクデータに対する応答情報が上記端末から送信されることを特徴とする基地局。
  10. 請求項9において、
    統合基地局と上記統合基地局と光ファイバで接続された複数の局地基地局とで構成され、
    上記フレームコントロールメッセージスロットに、上記光ファイバ部分の長さに応じた伝搬遅延に関する情報が含まれる基地局。
  11. 請求項において、
    上記ダウンリンクのスロット割り当てにおいて、呼制御データがある場合には、上記呼制御データに対するスロットの割当がユーザデータに比して優先的に行なわれる基地局。
  12. 請求項において、
    上記アップリンクを介して複数の端末より、情報のダウンロード要求を受けた場合に、FIFO方式を用いて、各端末に対してダウンリンクのスロットを割り当てることを特徴とする基地局。
  13. 請求項において、
    上記アップリンクを介して複数の端末より、情報のダウンロード要求を受けた場合に、ラウンドロビン方式を用いて、各端末に対してダウンリンクのスロットを割り当てることを特徴とする基地局。
  14. 請求項において、
    上記アップリンクを介して複数の端末より、情報のダウンロード要求を受けた場合に、変形FIFO方式を用いて、各端末に対してダウンリンクのスロットを割り当てることを特徴とする基地局。
  15. 請求項において、
    上記アップリンクを介して複数の端末より、情報のダウンロード要求を受けた場合に、FIFO方式、ラウンドロビン方式および変形FIFO方式の内で選択された方式を用いて、各端末に対してダウンリンクのスロットを割り当てることを特徴とする基地局。
  16. 基地局と端末との間で、アップリンクとダウンリンクとが同時に利用可能とされ、上記アップリンクおよび上記ダウンリンクを通じてその内部が複数の時間的に分割された複数のスロットからなるフレーム単位に無線通信を行う通信システムにおける端末において、
    上記ダウンリンクのフレームにフレームコントロールメッセージスロット(FCMS)およびデータスロット(MDS)が割り当てられ、
    上記フレームコントロールメッセージスロットによって、上記アップリンクのスロット割当情報、上記ダウンリンクのスロット割当情報、および上記アップリンクを通じて送信されたデータに対する応答情報、ユーザ・データ、端末からのコネクション設定・コネクション解放要求に対する応答情報、および上記端末からの登録・登録削除要求に対する応答情報が上記基地局から送信され、
    上記アップリンクの各フレームにアクチベーションスロット(ACTS)およびデータスロット(MDS)が割り当てられ、
    上記アクチベーションスロットによって、コネクション設定・コネクション解放要求、および上記端末からの登録・登録削除要求が上記端末から上記基地局に送信され
    上記データスロットによって、ダウンリンクデータに対する応答情報が上記基地局に送信されることを特徴とする端末。
  17. 請求項16において、
    上記応答信号に対して1つのデータスロットの割当がなされ、応答信号に対するデータスロットの割当がユーザデータに比して優先的に行なわれる端末。
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