JP4061689B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空調ケース内通路を内気側の第1空気通路と外気側の第2空気通路とに区画形成することにより、フット開口部からは暖められた高温内気を再循環して吹き出し、一方、デフロスタ開口部からは低湿度の外気を吹き出す、いわゆる内外気2層流モードが設定可能な車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の内外気2層流モードが設定可能な車両用空調装置は、特開平5−124426号公報等にて知られており、この従来技術の概要を説明すると、空調ケースの一端側に内気吸入口および外気吸入口が形成され、他端側にはフット開口部、デフロスタ開口部、およびフェイス開口部がそれぞれ形成されている。
【0003】
そして、この空調ケース内に、上記内気吸入口から上記フェイス開口部およびフット開口部にかけての第1空気通路と、上記外気吸入口から上記デフロスタ開口部にかけての第2空気通路とを区画形成する仕切り板が設けられている。
さらに、上記両空気通路内には、冷房用熱交換器(蒸発器)、暖房用熱交換器、この暖房用熱交換器をバイパスするバイパス通路、およびエアミックスドアがそれぞれ設けられた構成となっている。
【0004】
そして、吹出モードとしてフェイスモード、バイレベルモード、およびフットモードのいずれかが選択されたときは、そのときの内外気モードが内気循環モードであれば、上記両空気通路内に内気を導入し、外気導入モードであれば、上記両空気通路内に外気を導入する。また、吹出モードとしてデフロスタモードが選択されたときは、上記両空気通路内に外気を導入する。
【0005】
さらに、吹出モードとしてフットデフロスタモードが選択されたときは、第1空気通路内に内気を導入し、第2空気通路内に外気を導入する2層流モードとする。これによって、既に温められている内気を再循環してフット開口部から吹き出して車室内を暖房できるので、車室内への吹出空気温度が高くなり、暖房性能を向上できる。これと同時に、デフロスタ開口部からは低湿度の外気を窓ガラスへ吹き出すので、窓ガラスの防曇性能を確保できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、本発明者らは上記した内外気2層流モードが設定可能な車両用空調装置を製品化に向けて種々試作検討したところ、冷房用熱交換器の除湿作用により発生する凝縮水に起因して、次のごとき不具合が発生することが分かった。
すなわち、空調ユニットの体格の小型化のために、冷房用熱交換器の直後に小さい間隔(例えば、20〜30mm程度の間隔)で暖房用熱交換器を隣接配置する場合があり、このような配置レイアウトの場合では、冷房用熱交換器で発生した凝縮水が暖房用熱交換器の高温のコア部に付着して、ここで、蒸発することにより車室内湿度の上昇を招き、乗員の快適性が悪化するとともに、デフロスタ開口部からの吹出空気の湿度を高めて窓ガラスの防曇性が悪化する。
【0007】
特に、冷房用熱交換器と暖房用熱交換器との間に位置して、内気側の第1空気通路と外気側の第2空気通路とを区画形成する仕切り板の配置形態によって、上記不具合が一層助長されることが分かった。つまり、車両用空調装置ではフット開口部を車室内下方側に配置し、デフロスタ開口部を車室内上方側に配置するので、通常、内気側の第1空気通路を下方に、外気側の第2空気通路を上方に配置することになる。
【0008】
その場合、冷房用熱交換器と暖房用熱交換器との間に位置する仕切り板が暖房用熱交換器に向かって下方へ傾斜していたり、水平状態であったりすると、冷房用熱交換器で発生した凝縮水が仕切り板の上面に付着した後、仕切り板をガイドとして送風空気の流れとともに暖房用熱交換器に向かって移動し、暖房用熱交換器のコア部に付着するという現象が起こり、上記不具合を助長することが分かった。
【0009】
そこで、本発明は上記点に鑑みて、内外気2層流モードが設定可能な車両用空調装置において、暖房用熱交換器への凝縮水の付着を低減することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
冷房用熱交換器(12)と暖房用熱交換器(13)との間に位置して、内気側の第1空気通路(8、80)と外気側の第2空気通路(9、90)とを区画形成する仕切り板(15b)の配置形態に着目して、本発明では、この仕切り板(15b)に、暖房用熱交換器側への凝縮水の移動を抑制する役目を持たせることにより、上記目的を達成しようとするものである。
【0011】
すなわち、請求項記載の発明では、冷房用熱交換器(12)と暖房用熱交換器(13)との間に位置する仕切り板(15b)を、冷房用熱交換器(12)側が下方で、暖房用熱交換器(13)側が上方となるように傾斜配置し、
両熱交換器(12、13)の間に位置する仕切り板(15b)のうち、冷房用熱交換器(12)側の端部に、下方へ曲がった折り曲げ端部(150)を形成するとともに、この折り曲げ端部(150)に両空気通路(8、80)(9、90)の幅方向の中央部が高く、幅方向の両端部が低くなる山形の傾斜面(151)を形成したことを特徴としている。
これによると、上記仕切り板(15b)の上面に付着した凝縮水が仕切り板をガイドとして送風空気の流れとともに暖房用熱交換器(13)側に向かって移動しようとしても、仕切り板(15b)を暖房用熱交換器(13)側が上方となるように傾斜配置しているので、この仕切り板(15b)自身の傾斜により凝縮水の暖房用熱交換器(13)側への移動を良好に抑制できる。
【0012】
しかも、請求項1記載の発明では、仕切り板(15b)のうち、冷房用熱交換器(12)側に位置する傾斜下方側の端部に下方への折り曲げ端部(150)を形成し、この折り曲げ端部(150)に、第1、第2の両空気通路(8、80)(9、90)の幅方向の中央部が高く、幅方向の両端部が低くなる山形の傾斜面(151)を形成しているので、仕切り板(15b)の傾斜に沿って冷房用熱交換器(12)側に移動した凝縮水が山形の傾斜面(151)に沿って速やかに空気通路の幅方向の両端部に移動し、この幅方向の両端部から凝縮水が下方へスムースに落下する。
このため、仕切り板(15b)上を流れる空気流により再度、凝縮水が吹き上げられるという現象を良好に抑制でき、仕切り板(15b)上の凝縮水をスムースに排水できる。
従って、暖房用熱交換器(13)のコア部に凝縮水が付着することに起因する車室内湿度の上昇による快適性悪化、デフロスタ吹出空気の湿度上昇による窓ガラスの防曇性悪化等の不具合を防止できる。
特に、請求項2記載の発明では、暖房用熱交換器(13)を冷房用熱交換器(12)に対して車両上方側にオフセット配置するとともに、暖房用熱交換器(13)の下方部に冷房用熱交換器(12)により冷却された冷風をバイパスする冷風バイパス路(17)を配置したことを特徴としている。
【0013】
本発明では、冷房用熱交換器(12)と暖房用熱交換器(13)との間の仕切り板(15b)を、冷房用熱交換器(12)側が下方で、暖房用熱交換器(13)側が上方となるように傾斜配置しているので、冷房用熱交換器(12)を通過した送風空気は仕切り板(15b)の傾斜面に沿って上方側へ案内されるが、請求項2のように、暖房用熱交換器(13)を冷房用熱交換器(12)に対して車両上方側にオフセット配置すれば、暖房用熱交換器(13)において、内気側の第1空気通路(8、80)と外気側の第2空気通路(9、90)がそれぞれ仕切り板(15b)の傾斜配置に沿って上方側に移動するので、冷房用熱交換器(12)を通過した送風空気が暖房用熱交換器(13)の両空気通路をバランスよくスムースに流れる。
【0014】
従って、内気側の第1空気通路(8、80)と外気側の第2空気通路(9、90)との風量割合のバランスが仕切り板(15b)の傾斜配置により悪化することはない。
しかも、暖房用熱交換器(13)を車両上方側にオフセット配置することにより、暖房用熱交換器(13)下方部に余剰空間が発生することを利用して、冷風バイパス路(17)を配置できる。
【0015】
請求項3記載の発明のように、暖房用熱交換器(13)の上端部に比して、暖房用熱交換器(13)の下端部が冷房用熱交換器(12)より離れるように、暖房用熱交換器(13)を傾斜配置することができる。
この請求項3記載による暖房用熱交換器(13)の傾斜配置は、特に、請求項4のように、暖房用熱交換器(13)の上端部の直後の部位に、デフロスタ開口部(19)を配置する車両用空調装置において有利である。
【0016】
すなわち、暖房用熱交換器(13)の上端部の直後の部位にデフロスタ開口部(19)を配置する場合には、デフロスタ開口部(19)の位置が車両側の都合から優先的に決定され、この影響を受けて暖房用熱交換器(13)の上端部を冷房用熱交換器(12)の直後に設定しなければならない場合が生じる。このような場合に、暖房用熱交換器(13)を、その下端部が冷房用熱交換器(12)より離れるように、傾斜配置することにより、暖房用熱交換器(13)の下方側では冷房用熱交換器(12)との間の間隔を増大できるので、冷房用熱交換器(12)の凝縮水が送風空気とともに飛散して暖房用熱交換器(13)に直接付着することを抑制できる。
【0017】
また、請求項5記載の発明のように、両熱交換器(12、13)の間に位置する仕切り板(15b)のうち、冷房用熱交換器(12)側の端部を冷房用熱交換器(12)の上下方向の中心部に位置させ、
両熱交換器(12、13)の間に位置する仕切り板(15b)のうち、暖房用熱交換器(13)側の端部を暖房用熱交換器(13)の上下方向の中心部に位置させれば、仕切り板(15b)が傾斜していても、冷房用熱交換器(12)を通過した送風空気が暖房用熱交換器(13)の両空気通路(8、80)、(9、90)をバランスよくスムースに流れる。
【0019】
また、請求項記載の発明では、冷房用熱交換器(12)と暖房用熱交換器(13)との間に位置する仕切り板(15b)を、冷房用熱交換器(12)側が下方で、暖房用熱交換器(13)側が上方となるように傾斜配置し、
両熱交換器(12、13)の間に位置する仕切り板(15b)のうち、冷房用熱交換器(12)側の端部に、凝縮水を下方へ落下させる凹溝(153)を有するガイド部材(152)を配設したことを特徴としている。
これによると、仕切り板(15b)の傾斜に沿って冷房用熱交換器(12)側に移動した凝縮水をガイド部材(152)の凹溝(153)によりスムースに下方へ落下できるので、仕切り板(15b)上を流れる空気流により再度、凝縮水が吹き上げられるという現象を良好に抑制できる。
【0020】
また、請求項記載の発明のように、請求項6において、ガイド部材(152)を弾性体により構成すれば、ガイド部材(152)自身の弾性変形により製造上の公差があっても、仕切り板(15b)の端部と冷房用熱交換器(12)との間の微小間隔にガイド部材(152)を容易に組み込むことができる。
なお、上記各手段に付した括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示す。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図に示す実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態を示すものであり、ディーゼルエンジン車のように、温水(エンジン冷却水)温度が比較的低い温度となる低熱源車に適用したものである。
【0022】
空調装置通風系は、大別して、送風機ユニット1と空調ユニット100の2つの部分に分かれている。空調ユニット100部は、車室内の計器盤下方部のうち、車両左右方向の略中央部に配置されるものであり、一方、送風機ユニット1は図1の図示形態では、空調ユニット100の車両前方側に配置する状態を図示している。すなわち、空調ユニット100を車室内に配置し、送風機ユニット1はエンジンルーム内において空調ユニット100の前方位置に配置するレイアウトとしている。
【0023】
ここで、送風機ユニット1を車室内において空調ユニット100の側方(助手席側)にオフセット配置するレイアウトとすることもできる。
まず、最初に、送風機ユニット1部を具体的に説明すると、送風機ユニット1には内気(車室内空気)を導入する第1、第2の2つの内気導入口2、2aと、外気(車室外空気)を導入する1つの外気導入口3が備えられている。これらの導入口2、2a、3はそれぞれ第1、第2の2つの内外気切替ドア4、5によって開閉可能になっている。
【0024】
この両内外気切替ドア4、5は、それぞれ回転軸4a、5aを中心として回動操作される平板状のものであって、図示しないリンク機構、ケーブル等を介して、空調操作パネル(図示せず)の内外気切替用手動操作機構(レバーやダイヤルを用いた機構)に連結され、連動操作するか、あるいは、両内外気切替ドア4、5をサーボモータを用いた内外気切替用アクチュエータ機構により連動操作する。
【0025】
本例では、内気導入口2、2aと外気導入口3と内外気切替ドア4、5と上記手動操作機構またはアクチュエータ機構とにより内外気切替手段が構成されている。
そして、上記導入口2、2a、3からの導入空気を送風する第1(内気側)ファン6および第2(外気側)ファン7が、送風機ユニット1内に配置されている。この両ファン6、7は周知の遠心多翼ファン(シロッコファン)からなるものであって、1つの共通の電動モータ7bにて同時に回転駆動される。
【0026】
図1は後述する2層流モードの状態を示しており、第1内外気切替ドア4は第1内気導入口2を開放して外気導入口3からの外気通路3aを閉塞しているので、第1(内気側)ファン6の吸入口6aに内気が吸入される。これに対し、第2内外気切替ドア5は第2内気導入口2aを閉塞して外気導入口3からの外気通路3bを開放しているので、第2(外気側)ファン7の吸入口7aに外気が吸入される。
【0027】
従って、この状態では、第1ファン6は、内気導入口2からの内気を第1空気通路(内気側通路)8に送風し、第2ファン7は、外気導入口3からの外気を第2空気通路(外気側通路)9に送風するようになっており、第1、第2空気通路8、9は、第1ファン6と第2ファン7との間に配置された仕切り板10により仕切られている。この仕切り板10は、両ファン6、7を収納する樹脂製のスクロールケーシング10aに一体成形できる。
【0028】
なお、本実施形態では、第1ファン6の外径を小とし、第2ファン7の外径を大にしている。これは、第2ファン7側において、電動モータ7bの存在により吸入口7aの開口面積が減少するのを防止するためである。
次に、空調ユニット100部は空調ケース11内に蒸発器(冷房用熱交換器)12とヒータコア(暖房用熱交換器)13とを両方とも一体的に内蔵するタイプのものである。空調ケース11はポリプロピレンのような、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂の成形品からなり、図1の上下方向(車両上下方向)に分割面を有する複数の分割ケースからなる。この複数の分割ケース内に、上記熱交換器12、13、後述するドア等の機器を収納した後に、この複数の分割ケースを金属バネクリップ、ネジ等の締結手段により一体に結合することにより、空調ユニット100部が組み立てられる。
【0029】
空調ケース11内において、最も車両前方側の部位に蒸発器12が設置され、空調ケース11内の第1、第2空気通路80、90の全域を横切るように蒸発器12が配置されている。この蒸発器12は周知のごとく冷凍サイクルの冷媒の蒸発潜熱を空調空気から吸熱して、空調空気を冷却するものである。ここで、蒸発器12は図1に示すように、車両前後方向には薄型の形態で空調ケース11内に設置されている。
【0030】
また、空調ケース11内部の空気通路は、蒸発器12の上流部からヒータコア13の下流部に至るまで、仕切り板15a、15b、15cにより車両下方側の第1空気通路(内気側通路)80と車両上方側の第2空気通路(外気側通路)90とに仕切られている。この仕切り板15a〜15cは空調ケース11に樹脂にて一体成形され、車両左右方向に略水平に延びる固定仕切り部材であるが、仕切り板15a〜15cを空調ケース11とは別体で形成して、ネジ止め、接着等の手段で仕切り板15a〜15cを空調ケース11に固着してもよい。
【0031】
そして、蒸発器12とヒータコア13との間に位置する仕切り板15bは、蒸発器12側が下方で、ヒータコア13側が上方となるように傾斜配置してある。ここで、仕切り板15bのうち、蒸発器12側の端部は蒸発器12の上下方向の中心部に位置し、仕切り板15bのうち、ヒータコア13側の端部はヒータコア13の上下方向の中心部に位置している。空調ケース11において、蒸発器12下方側の底面部には蒸発器12で発生する凝縮水を排出するための排水口11aが形成されている。
【0032】
なお、蒸発器12は周知の積層型のものであって、アルミニュウム等の金属薄板を最中状に2枚張り合わせて構成した偏平チューブをコルゲートフィンを介在して多数積層配置し、一体ろう付けしたものである。
ヒータコア13は、蒸発器12の空気流れ下流側(車両後方側)に、比較的小さな間隔(例えば、20〜30mm程度)を開けて隣接配置されている。このヒータコア13は、蒸発器12を通過した冷風を再加熱するものであって、その内部に高温のエンジン冷却水(温水)が流れ、この冷却水を熱源として空気を加熱するものである。
【0033】
このヒータコア13も蒸発器12と同様に、車両前後方向には薄型の形態で空調ケース11内に設置されている。より具体的に述べると、ヒータコア13は、仕切り板15bと15cの間において、第1空気通路80と第2空気通路90の両方に跨がって配置されている。しかも、ヒータコア13は、蒸発器12に対して車両上方側にオフセット配置され、ヒータコア13の上方部分は第2空気通路90の全域を横切るように配置されている。
【0034】
そして、ヒータコア13の上方側へのオフセット配置によりヒータコア13の下方部に余剰空間ができることを利用して、ヒータコア13の下方部に冷風バイパス通路17を形成している。つまり、ヒータコア13の下方部分は第1空気通路80の一部を横切るように配置され、第1空気通路80の最下方部に冷風バイパス通路17を形成している。
【0035】
なお、ヒータコア13は周知のものであって、アルミニュウム等の金属薄板を溶接等により断面偏平状に接合してなる偏平チューブをコルゲートフィンを介在して多数積層配置し、一体ろう付けしたものである。
本例のヒータコア13は、温水入口側タンク13aを下方の第1空気通路80側に配置するとともに、温水出口側タンク13bを上方の第2空気通路90側に配置している。そして、この両タンク13a、13bの間に上記偏平チューブおよびコルゲートフィンからなる熱交換コア部13cを構成している。従って、ヒータコア13は温水入口側タンク13aからの温水が熱交換コア部13cの偏平チューブを下方から上方への一方向に流れる一方向流れタイプ(全パスタイプ)として構成されている。
【0036】
そして、ヒータコア13に流入する温水の流量(または温水の温度)を調整する温水弁14を設けて、この温水弁14の温水流量(または温水温度)の調整作用により車室内への吹出空気温度を調整できるようにしてある。つまり、本例では、この温水弁14により車室内への吹出空気温度を調整する温度調整手段を構成している。
【0037】
前述したように、空調ケース11内の第1空気通路80において、ヒータコア13の下方側には、ヒータコア13をバイパスして空気(冷風)が流れる冷風バイパス通路17が形成され、この冷風バイパス通路17は最大冷房時にマックスクールドア18により開放される。
また、空調ケース11の上面部には、ヒータコア13の直後の部位に第2空気通路90に連通するデフロスタ開口部19が開口している。このデフロスタ開口部19は図示しないデフロスタダクトおよびデフロスタ吹出口を介して、車両窓ガラス内面に向けて風を吹き出すためのものである。このデフロスタ開口部19は、回転軸20aにより回動自在なバタフライ状のデフロスタドア20により開閉される。
【0038】
空調ケース11の最も車両後方側(乗員寄り)の部位には、第1空気通路80と直接連通するフェイス開口部21が開口している。このフェイス開口部21は図示しないフェイスダクトを介して計器盤上方部のフェイス吹出口より乗員頭部に向けて風を吹き出すためのものである。このフェイス開口部21は、回転軸22aにより回動自在なバタフライ状のフェイスドア22により開閉される。
【0039】
前述した仕切り板15cの最も空気下流側の端部と、フェイス開口部21の入口部との間に、第1、第2空気通路80、90の間を連通する連通路23が設けてられている。この連通路23は回転軸24aにより回動自在な平板状の連通ドア24により開閉される。
また、空調ケース11の下面のうち、車両後方側の部位にはフット開口部25が開口しており、このフット開口部25は第1空気通路80においてヒータコア13の空気下流側の部位と連通している。このフット開口部25は図示しないフットダクトを介してフット吹出口から車室内の乗員足元に温風を吹き出すためのものである。このフット開口部25は、回転軸26aにより回動自在なバタフライ状のフットドア26により開閉される。
【0040】
なお、デフロスタドア20、フェイスドア22、およびフットドア26は吹出モード切替用のドア手段であって、図示しないリンク機構、ケーブル等を介して空調操作パネルの吹出モード切替用手動操作機構に連結されて、連動操作するか、あるいは、吹出モード切替用のドア手段をサーボモータを用いたモード切替用アクチュエータ機構により連動操作する。
【0041】
また、温水弁14およびマックスクールドア18は温度調整手段であって、図示しないリンク機構、ケーブル等を介して空調操作パネルの温度調整用手動操作機構に連結されて、連動操作するか、あるいは、これら温度調整手段をサーボモータを用いた温度調整用アクチュエータ機構により連動操作する。
次に、上記構成において本実施形態の作動を吹出モード別に説明する。
【0042】
(1)フット吹出モード
冬期の暖房始動時のごとく、最大暖房状態を設定するときは、内外気切替用操作機構が操作されて、2層流モードが設定される。すなわち、送風機ユニット1において、第1内外気切替ドア4が第1内気導入口2を開放し、外気導入口3からの外気通路3aを閉塞する。また、第2内外気切替ドア5が第2内気導入口2aを閉塞し、外気導入口3からの外気通路3bを開放する。
【0043】
これにより、第1送風ファン6は、内気を第1内気導入口2から吸入口6aを経て吸入し、これと同時に、第2送風ファン7は、外気を外気導入口3から外気通路3b、吸入口7aを経て吸入する。そして、第1送風ファン6により送風される内気は、第1空気通路8を通って、空調ユニット100の第1空気通路80を流れる。また、第2送風ファン7により送風される外気は、第2空気通路9を通って、空調ユニット100の第2空気通路90を流れる。
【0044】
一方、吹出モード切替用操作機構が操作されて、フットドア26はフット開口部25を開放し、フェイスドア22はフェイス開口部21を閉塞する。デフロスタドア20はデフロスタ開口部19を少量開放する。なお、2層流モードであっても、後述の理由から、連通ドア24は連通路23を全開または少量開く小開度の位置に操作される。
【0045】
一方、冬期の暖房始動時には温度調整用操作機構により温水弁14を全開させ、最大暖房状態となる。これにより、ヒータコア13に最大流量の温水が流れるとともに、マックスクールドア18は冷風バイパス路17を閉塞する。
そして、第1空気通路80を流れる内気は、蒸発器12を通過した後、ヒータコア13にて加熱されて、温風となり、フット開口部25を経て車室内の乗員足元に吹き出す。これと同時に、第2空気通路90を流れる外気は、蒸発器12を通過した後、ヒータコア13にて加熱されて、温風となり、デフロスタ開口部19を経て車両窓ガラス内面に吹き出す。
【0046】
この場合、第1空気通路8、80側では、外気に比して高温の内気を再循環してヒータコア13で加熱しているので、乗員足元への吹出温風温度が高くなり、暖房効果を向上できる。一方、デフロスタ開口部19からは、内気に比して低湿度の外気を加熱して吹き出しているので、窓ガラスの曇り止めを良好に行うことができる。
【0047】
また、フット吹出モードでは、通常、デフロスタ開口部19からの吹出風量を20%程度、フット開口部25からの吹出風量を80%程度の風量割合に設定するので、第2空気通路90側の外気温風を全開または小開度の連通路23を通して第1空気通路80側の内気温風の中に混入することにより、上記風量割合を達成することができる。
【0048】
次に、車室内温度が上昇して、暖房負荷が減少すると、吹出空気温度制御のため、温水弁14を全開位置(最大暖房状態)から中間開度位置に操作し、ヒータコア13に流入する温水流量を減少させる。このとき、連通ドア24は上記した全開または小開度の位置に維持されたままであり、また、マックスクールドア18も冷風バイパス通路17を閉塞したままである。
【0049】
中間温度制御域では、最大暖房能力を必要としていないため、内外気吸入モードは、通常、第1、第2の内気導入口2、2aをともに閉塞し、外気導入口3を開放する全外気モードに設定するのがよい。しかし、乗員の手動操作よる設定にて、外気導入口3を閉塞して、第1、第2の内気導入口2、2aをともに開放する全内気モードとしたり、前述のように内気と外気とを同時に導入する内外気2層流モードとすることもできる。
【0050】
(2)フットデフロスタ吹出モード
フットデフロスタ吹出モードでは、フット開口部25からの吹出風量と、デフロスタ開口部19からの吹出風量とを略同等(50%づつ)とするため、フットドア26によりフット開口部25を全開するとともに、デフロスタドア20によりデフロスタ開口部19を全開する。そして、連通ドア24を連通路23の全閉位置に操作する。
【0051】
これにより、連通路23からフット開口部25側へ流入する外気温風の流れがなくなるので、フット開口部25には第1空気通路80の内気温風が全量流入し、また、デフロスタ開口部19には第2空気通路90の外気温風が全量流入する。これにより、フット開口部25からの吹出風量と、デフロスタ開口部19からの吹出風量とを略同等にすることが可能となる。
【0052】
温水弁14を全開する最大暖房時には、内外気の2層流モードを設定し、暖房効果の向上と窓ガラスの防曇性の確保との両立を図ることができるという点はフット吹出モードと同じである。また、温水弁14の開度調整により所望の中間温度制御が可能であり、また、中間温度制御域では、通常、全外気モードに設定するが、乗員の手動操作よる設定にて、全内気モードとしたり、内外気2層流モードとすることもできる。
【0053】
なお、上述したフット吹出モードおよびフットデフロスタ吹出モードにおいて、ヒータコア13を、第1空気通路80側から第2空気通路90側に向かって温水が流れる一方向流れタイプとして構成しているから、ヒータコア13の温水出口側では温水温度の低下により吹出空気温度が低下することになる。従って、ヒータコア13の温水出口側に位置する第2空気通路90側のデフロスタ吹出温度が温水入口側に位置する第1空気通路80側のフット吹出温度より低くなることを利用して、全外気モード時におけるデフロスタ吹出温度とフット吹出温度との間に、頭寒足熱の上下温度差を設定することができる。
【0054】
(3)デフロスタ吹出モード
デフロスタ吹出モードにおいては、フェイスドア22がフェイス開口部21を、また、フットドア26がフット開口部25をそれぞれ全閉する。また、デフロスタドア20がデフロスタ開口部19を全開し、連通ドア24が連通路23を全開する。従って、第1、第2空気通路80、90からの空調空気をデフロスタ開口部19を通して窓ガラス内面のみに吹き出して、曇り止めを行う。このときは、窓ガラスの防曇性確保のために、通常、全外気吸入モードとする。
(4)フェイス吹出モード
フェイス吹出モードにおいては、フェイスドア22がフェイス開口部21を全開し、デフロスタドア20がデフロスタ開口部19を、またフットドア26がフット開口部25をそれぞれ全閉する。連通ドア24は連通路23を全開する。従って、第1、第2空気通路80、90の下流部はいずれもフェイス開口部21に連通する。
【0055】
そのため、空調装置の冷凍サイクルを運転すると、蒸発器12により冷却された冷風がヒータコア13により再加熱されて、温度調整された後、すべてフェイス開口部21側へ吹き出す。
このときも、内外気吸入モードは第1、第2内外気切替ドア4、5により、全内気、全外気、内外気2層流のいずれも選択可能となる。
【0056】
なお、最大冷房状態では、全内気吸入モードとし、また、温水弁14が全閉状態となり、ヒータコア13への温水循環が遮断されるとともに、マックスクールドア18が冷風バイパス通路17を開くので、冷風の送風量を増加でき、冷房能力が最大となる。
(5)バイレベル吹出モード
バイレベル吹出モードにおいては、フェイスドア22がフェイス開口部21を全開するとともに、フットドア26がフット開口部25を全開する。デフロスタドア20はデフロスタ開口部19を全閉する。また、連通ドア24が連通路23を全開する。従って、フェイス開口部21とフット開口部25を通して、車室の上下両方から同時に風を吹き出すことができる。
【0057】
ここで、ヒータコア13が一方向流れタイプであるため、ヒータコア13の吹出側において、温水入口側に位置する第1空気通路80側の吹出空気温度を高くし、温水出口側に位置する第2空気通路90側の吹出空気温度を低くすることができる。
従って、全外気モードあるいは全内気モードであっても、第1空気通路80からのフット吹出温度に比して第2空気通路90からのフェイス吹出温度を低くすることができるので、車室内温度分布を頭寒足熱形の快適な状態とすることができる。
【0058】
ところで、車室内の冷房または除湿のために、空調装置の冷凍サイクルを運転すると、蒸発器12による冷却、除湿作用により蒸発器12では空気中の水分が凝縮して凝縮水が発生し、この凝縮水が送風空気とともに蒸発器12下流側に隣接配置されるヒータコア13側へ移動して、ヒータコア13に付着しようとする。しかし、本第1実施形態によると、以下の工夫によりヒータコア13への凝縮水の付着を効果的に抑制できる。
【0059】
すなわち、蒸発器12とヒータコア13との間に位置する仕切り板15bがヒータコア13側が下方となるように傾斜配置されている場合や、この仕切り板15bが水平に配置されている場合には、仕切り板15bの上面に付着した凝縮水が仕切り板をガイドとして送風空気の流れとともにヒータコア13側に移動しやすいが、第1実施形態によると、仕切り板15bを、蒸発器12側が下方で、ヒータコア13側が上方となるように傾斜配置しているため、仕切り板15bの上面に凝縮水が付着した際にも、仕切り板15b自身の傾斜により凝縮水がヒータコア13側へ移動することを良好に抑制できる。
【0060】
従って、ヒータコア13のコア部13cに凝縮水が付着することに起因する車室内湿度の上昇による快適性悪化、デフロスタ吹出空気の湿度上昇による窓ガラスの防曇性悪化等の不具合を回避できる。
(第2実施形態)
図2は第2実施形態を示すもので、図1における蒸発器12下流側の部位を拡大図示するものであり、第1実施形態との相違点はヒータコア13を傾斜配置している点である。
【0061】
すなわち、第1実施形態では、蒸発器12下流側にヒータコア13を蒸発器12と平行に略垂直に配置しているが、第2実施形態では、ヒータコア13の上端部に比して、ヒータコア13の下端部が蒸発器12より離れるように、ヒータコア13を傾斜配置している。他の点は第1実施形態、第2実施形態とも同じである。
【0062】
この第2実施形態は、ヒータコア13の上端部の直後の部位に、デフロスタ開口部19を配置する車両用空調装置において有利である。つまり、デフロスタ開口部19の位置が車両側の都合から優先的に決定されると、ヒータコア13の上端部はこのデフロスタ開口部19の位置の影響を受けて蒸発器12の直後に設定しなければならない場合が生じる。このような場合に、ヒータコア13を、その下端部が蒸発器12より離れるように傾斜配置することにより、ヒータコア13の下方側では蒸発器12との間の間隔を増大できるので、蒸発器12の凝縮水が送風空気とともに飛散してヒータコア13に直接付着することを抑制できる。
【0063】
なお、第2実施形態の具体的設計例としては、蒸発器12とヒータコア13との間の仕切り板15bの傾斜角度θ1 は33.5°であり、ヒータコア13の傾斜角度θ2 は14°である。また、蒸発器12とヒータコア13相互の上端側の間隔Lは16.7mmである。
(第3実施形態)
図3、図4は第3実施形態を示すもので、第1、第2実施形態のものでは、仕切り板15bを、蒸発器12側が下方で、ヒータコア13側が上方となるように傾斜配置しているため、仕切り板15bの上面に付着した凝縮水が仕切り板15b自身の傾斜により蒸発器12側へ移動(落下)していくが、この蒸発器12側へ移動した後に、蒸発器12付近で凝縮水が停滞している間に、凝縮水が再び空気流れにより飛ばされ、ヒータコア13側へ移動するという現象が生じる場合がある。
【0064】
第3実施形態では、上記点に鑑みて、仕切り板15bの傾斜に沿って蒸発器12側へ移動した凝縮水が速やかに仕切り板15bより下方へ落下するようにしたものである。
すなわち、第3実施形態では、仕切り板15bのうち、蒸発器12側の端部に下方へ垂直状に曲がった折り曲げ端部150を形成するとともに、この折り曲げ端部150に図4に示すように第1、第2空気通路80、90の幅方向(車両左右方向)の中央部が高く、幅方向の両端部が低くなる山形の傾斜面151を形成している。
【0065】
これにより、仕切り板15bの傾斜に沿って蒸発器12側へ移動した凝縮水が山形の傾斜面151の部位まで到達すると、山形の傾斜面151により凝縮水が速やかに折り曲げ端部150の幅方向の両端部に移動する。その結果、凝縮水は垂直状の折り曲げ端部150により遮られて、再度、空気流れにより吹き上げられることはない。従って、凝縮水は折り曲げ端部150の幅方向の両端部から下方へ落下して空調ケース11の底面部の排水口11aから外部へ排出される。
【0066】
なお、第3実施形態では、フットドア26を第1、第2実施形態によるバタフライ状のドアとせずに、一端部に回転軸26aを有する通常の板ドアとして、フットドア26に第1、第2空気通路80、90の間の連通路23を開閉する役割を兼務させている。従って、第3実施形態では第1、第2実施形態の連通ドア24を廃止している。
【0067】
(第4実施形態)
図5、図6は第4実施形態を示すもので、上記の第3実施形態と同じ狙いのものであり、仕切り板15bのうち、蒸発器12側の端部に、ゴムのような弾性体からなるガイド部材152を配置している。このガイド部材152は仕切り板15bと略同等の厚さを有し、第1、第2空気通路80、90の幅方向(車両左右方向)の全長にわたって延びるとともに、蒸発器12側の面に凹凸形状を形成して、凝縮水を下方へ落下させる多数の凹溝153を形成している。
【0068】
これによると、仕切り板15bの傾斜に沿って蒸発器12側へ移動した凝縮水がガイド部材152の部位まで到達すると、ガイド部材152の多数の凹溝153により凝縮水が下方へ落下するので、凝縮水が再度、空気流れにより吹き上げられることはない。ガイド部材152は弾性体で構成してあるから、仕切り板15bと蒸発器12との間の微小間隔の寸法が製造上の公差により変動しても、ガイド部材152の弾性変形により上記微小間隔内に容易に組み込むことができる。
【0069】
なお、ガイド部材152は仕切り板15bの端面に接着等の手段で固定しておけばよい。その他の点は第3実施形態と同じである。
(他の実施形態)
なお、上記の実施形態では、バイレベル吹出モードにおいて、デフロスタ開口部19を閉じているが、デフロスタ開口部19を微少開度開くようにしてもよい。例えば、フェイス開口部21、フット開口部25、およびデフロスタ開口部19からの吹出風量の割合が、例えば、45:40:15となるように、各開口部21、25、19の開度を設定して、各開口部21、25、19のすべてから同時に風を吹き出すようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の通風系の全体構成図である。
【図2】本発明の第2実施形態による通風系の要部拡大断面図である。
【図3】本発明の第3実施形態の通風系の全体構成図である。
【図4】図3のA矢視図である。
【図5】本発明の第4実施形態による通風系の要部拡大断面図である。
【図6】図5のB矢視図である。
【符号の説明】
1…送風機ユニット、2、2a…内気導入口、3…外気導入口、4、5…第1、第2内外気切替ドア、6、7…第1、第2ファン、8、80…第1空気通路、9、90…第2空気通路、11…空調ケース、12…蒸発器、13…ヒータコア、14…温水弁、15a、15b、15c…仕切り板、19…デフロスタ開口部、20…デフロスタドア、21…フェイス開口部、22…フェイスドア、25…フット開口部、26…フットドア、100…空調ユニット。

Claims (7)

  1. 空調空気の吸入モードとして、内気と外気の両方を区分して同時に吸入する内外気2層流モードを選択可能な内外気切替手段(2、2a、3、4、5)と、
    この内外気切替手段(2、2a、3、4、5)を通して吸入された空調空気を冷却する冷房用熱交換器(12)と、
    この冷房用熱交換器(12)を通過した空調空気を加熱する暖房用熱交換器(13)と、
    この暖房用熱交換器(13)を通過した空調空気を車室内乗員の足元に向けて吹き出すフット開口部(25)と、
    前記暖房用熱交換器(13)を通過した空調空気を車両窓ガラス内面に向けて吹き出すデフロスタ開口部(19)と、
    前記内外気切替手段(2、2a、3、4、5)から前記フット開口部(25)に向かって前記内気が流れる第1空気通路(8、80)と、
    前記内外気切替手段(2、2a、3、4、5)から前記デフロスタ開口部(19)に向かって前記外気が流れる第2空気通路(9、90)と、
    前記第1空気通路(8、80)が車両下方側に位置し、前記第2空気通路(9、90)が車両上方側に位置するように、この両空気通路(8、80)(9、90)の間を区画形成する仕切り板(15a、15b、15c)とを備え、
    この仕切り板(15a、15b、15c)のうち、前記冷房用熱交換器(12)と前記暖房用熱交換器(13)との間に位置する仕切り板(15b)を、前記冷房用熱交換器(12)側が下方で、前記暖房用熱交換器(13)側が上方となるように傾斜配置し、
    前記両熱交換器(12、13)の間に位置する仕切り板(15b)のうち、前記冷房用熱交換器(12)側の端部に、下方へ曲がった折り曲げ端部(150)を形成するとともに、前記折り曲げ端部(150)に前記両空気通路(8、80)(9、90)の幅方向の中央部が高く、幅方向の両端部が低くなる山形の傾斜面(151)を形成したことを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記暖房用熱交換器(13)を前記冷房用熱交換器(12)に対して車両上方側にオフセット配置するとともに、
    前記暖房用熱交換器(13)の下方部に前記冷房用熱交換器(12)により冷却された冷風をバイパスする冷風バイパス路(17)を配置したことを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記暖房用熱交換器(13)の上端部に比して、前記暖房用熱交換器(13)の下端部が前記冷房用熱交換器(12)より離れるように、前記暖房用熱交換器(13)が傾斜配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記暖房用熱交換器(13)の上端部の直後の部位に、前記デフロスタ開口部(19)が配置されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  5. 前記両熱交換器(12、13)の間に位置する仕切り板(15b)のうち、前記冷房用熱交換器(12)側の端部が前記冷房用熱交換器(12)の上下方向の中心部に位置し、
    前記両熱交換器(12、13)の間に位置する仕切り板(15b)のうち、前記暖房用熱交換器(13)側の端部が前記暖房用熱交換器(13)の上下方向の中心部に位置していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  6. 空調空気の吸入モードとして、内気と外気の両方を区分して同時に吸入する内外気2層流モードを選択可能な内外気切替手段(2、2a、3、4、5)と、
    この内外気切替手段(2、2a、3、4、5)を通して吸入された空調空気を冷却する冷房用熱交換器(12)と、
    この冷房用熱交換器(12)を通過した空調空気を加熱する暖房用熱交換器(13)と、
    この暖房用熱交換器(13)を通過した空調空気を車室内乗員の足元に向けて吹き出すフット開口部(25)と、
    前記暖房用熱交換器(13)を通過した空調空気を車両窓ガラス内面に向けて吹き出すデフロスタ開口部(19)と、
    前記内外気切替手段(2、2a、3、4、5)から前記フット開口部(25)に向かって前記内気が流れる第1空気通路(8、80)と、
    前記内外気切替手段(2、2a、3、4、5)から前記デフロスタ開口部(19)に向かって前記外気が流れる第2空気通路(9、90)と、
    前記第1空気通路(8、80)が車両下方側に位置し、前記第2空気通路(9、90)が車両上方側に位置するように、この両空気通路(8、80)(9、90)の間を区画形成する仕切り板(15a、15b、15c)とを備え、
    この仕切り板(15a、15b、15c)のうち、前記冷房用熱交換器(12)と前記暖房用熱交換器(13)との間に位置する仕切り板(15b)を、前記冷房用熱交換器(12)側が下方で、前記暖房用熱交換器(13)側が上方となるように傾斜配置し、
    前記両熱交換器(12、13)の間に位置する仕切り板(15b)のうち、前記冷房用熱交換器(12)側の端部に、凝縮水を下方へ落下させる凹溝(153)を有するガイド部材(152)を配設したことを特徴とする車両用空調装置。
  7. 前記ガイド部材(152)を弾性体により構成したことを特徴とする請求項に記載の車両用空調装置。
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