JP4061059B2 - N−アルコキシアルキル−n−アルキルアミン誘導体またはその塩 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なN−アルコキシアルキル−N−アルキルアミン誘導体またはその塩に関する。
【0002】
【従来の技術】
痴呆は、脳血管性痴呆および神経変性性痴呆に分けられ、それらの治療には、脳循環改善剤および脳機能改善剤などの各種薬剤が使用されている。
たとえば、特開平3−232830号、同4−95070号公報に記載の1,2−エタンジオール誘導体またはその塩は、脳機能改善剤として有用な化合物であり、特に、(R)−1−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)−2−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エトキシ]エタノール塩酸塩(以下、T−588と称する。)は、好ましい化合物である。
上記、T−588は、Aβによる神経細胞死に対し保護作用を示し[ソサエティー・フォー・ニューロサイエンス・アブストラクト(Society For Neuroscience, Abstracts)、第24巻、第1号、228頁(1998年)]、さらにNGFの作用増強作用(WO96/12717)を有し、中枢および末梢神経の疾病の治療剤として有用であることが知られている。
【0003】
ところで、神経変性性痴呆の中で最も多いアルツハイマー病(以下、ADと称する。)に特徴的な老人斑は、βアミロイド前駆蛋白質(βamyloid precursor protein)に由来するアミロイドβ蛋白(以下、Aβと称する。)を主成分とする[バイオケミカル・アンド・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ(Biochemical and Biophysical Research Communications)、第120巻、第885頁(1984年)]。
Aβは、脳の神経細胞あるいは血管に沈着し痴呆などの症状を引き起こす原因物質とされている[アニュアル・レビュー・オブ・セル・バイオロジー(Annual Review of Cell Biology)、第10巻、第373頁(1994年)]。
また、Aβそのものが培養神経細胞のアポトーシス(細胞体積の収縮、DNAの断片化を特徴とする遺伝子発現を介した細胞死)を引き起こすことが報告されている[ブレイン・リサーチ(Brain Research)、第661巻、第147頁(1994年)、モレキュラー・ニューロバイオロジー(Molecular Neurobiology)、第10巻、第19頁(1995年)]。
【0004】
一方、AD患者脳で4−ヒドロキシ−2−ノネナール(以下、HNEと称する。)の上昇が報告されており[アメリカン・ジャーナル・オブ・パソロジー(American Journal of Pathology)、第150巻、第437頁(1997年)]、Aβによる培養神経細胞死においても、脂質過酸化を介しHNEが関与しているとする報告がある[ザ・ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス(The Journal of Neuroscience)、第17巻、第1046頁(1997年)]。
また、HNEを培養神経細胞に作用させると細胞死が引き起こされ、この細胞死にアポトーシスが関与することも報告されている[ザ・ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス(The Journal of Neuroscience)、第17巻、第5089頁(1997年)]。
さらに、HNEは種々の神経変性疾患において酸化ストレスにより産生され、脳および脊髄で神経細胞に障害を及ぼしている可能性も示唆されている。たとえば、パーキンソン病患者脳[プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステーツ・オブ・アメリカ(Proceedings of The National Academy of Sciences of The United States of America)、第93巻、第2696頁(1996年)]、筋萎縮性側策硬化症患者脊髄[アナルス・オブ・ニューロロジー(Annals of Neurology)、第44巻、第696頁(1998年)]でHNEの上昇が報告されている。
そのため、AβおよびHNEにより誘起される神経細胞毒性抑制剤がアルツハイマー病、パーキンソン病および筋萎縮性側策硬化症などの神経変性疾患の治療剤として研究されている。
【0005】
ところで、生体中には神経の成長、再生に作用する神経成長因子(NGF)などの神経栄養因子(neurotrophic factor)が存在する事が良く知られている。神経栄養因子は、アルツハイマー病などの中枢性疾患のみならず、糖尿病性ニューロパシーや、薬剤性ニューロパシーなどの末梢神経疾患における関与が報告されており、これらの疾患の治療に用いる試みがなされている[脳と神経、第43巻、第12号、第1101頁(1991年)]。
また、坐骨神経圧挫モデル動物における神経伝達障害をNGFが神経の再生を促進する事により改善する事が報告されている[マイクロサージェリー(Microsurgery)、第16巻、第547頁(1995年)]。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、神経栄養因子は高分子の蛋白質であるため、神経疾患への適応にはまだ技術的に解決する問題が多く、神経栄養因子と同様の作用を有する低分子化合物の開発が求められている。また、抗ハイポキシア作用を有し、T−588と比べてさらに強い神経細胞保護作用および神経再生促進作用を有する低分子化合物が求められている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決することを目的として鋭意研究を行った結果、下記の一般式
【化2】
「式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、アリール、アルアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルケニル、アルケニルオキシ、アミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルバモイルおよび複素環式基、保護されていてもよいアミノ、ヒドロキシルおよびカルボキシル基、ニトロ基並びにオキソ基から選ばれる一つ以上の基を;R2は、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、アリール、アルアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルケニル、アルケニルオキシ、アミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルバモイルおよび複素環式基、保護されていてもよいアミノ、ヒドロキシルおよびカルボキシル基並びにニトロ基から選ばれる一つ以上の基を;R3は、低級アルキル、シクロアルキル、低級アルコキシ、アリールオキシ、低級アルキルチオ、アリールチオ、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アシル、アシルオキシ、アルキルアミノおよびカルバモイル基並びに保護されていてもよいアミノ、ヒドロキシル、メルカプトおよびカルボキシル基から選ばれる1つ以上の基で置換されていてもよいアルキルまたはシクロアルキル基を;m個のR4およびR5、n個のR6およびR7は、同一または異なって、水素原子または低級アルキル基を;D環は、5員もしくは6員の複素環または炭化水素環を;mは、2〜6の整数を;nは、1〜6の整数をそれぞれ示す。」
で表されるN−アルコキシアルキル−N−アルキルアミン誘導体またはその塩が、抗ハイポキシア作用、神経保護作用および神経再生促進作用を有し、神経変性疾患の治療剤として有用であることを見出し、本発明を完成した。さらに、これらは、代謝安定性および吸収性が良い。
以下、本発明について詳述する。
【0008】
本明細書において特に断らない限り、各用語は、次の意味を有する。
ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を;アルキル基とは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルおよびオクチル基などの直鎖状または分岐鎖状のC1-12アルキル基を;低級アルキル基とは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチルおよびヘキシル基などの直鎖状または分岐鎖状のC1-6アルキル基を;シクロアルキル基とは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル基を;アリール基とは、フェニル、ナフチル、インダニルおよびインデニル基を;アルアルキル基とは、ベンジル、ジフェニルメチル、トリチルおよびフェネチル基などのアルC1-6アルキル基を;アルコキシ基とは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシおよびオクチルオキシ基などの直鎖状または分岐鎖状のC1-12アルキルオキシ基を;低級アルコキシ基とは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシおよびヘキシルオキシ基などの直鎖状または分岐鎖状のC1-6アルキルオキシ基を;アリールオキシ基とは、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、インダニルオキシおよびインデニルオキシ基を;
【0009】
アルキルチオ基とは、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、tert-ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ、ヘプチルチオおよびオクチルチオなどのC1-12アルキルチオ基を;低級アルキルチオ基とは、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、tert-ブチルチオ、ペンチルチオおよびヘキシルチオなどのC1-6アルキルチオ基を;アリールチオ基とは、フェニルチオ、ナフチルチオ、インダニルチオおよびインデニルチオ基などのアリール−S−基を;アルケニル基とは、ビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニルおよびオクテニルなどのC2-12アルケニル基を;低級アルケニル基とは、ビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニルおよびヘキセニルなどのC2-6アルケニル基を;アルケニルオキシ基とは、ビニルオキシ、プロペニルオキシ、ブテニルオキシ、ペンテニルオキシ、ヘキセニルオキシ、ヘプテニルオキシおよびオクテニルオキシ基などのC2-12アルケニルオキシ基を;低級アルケニルオキシ基とは、ビニルオキシ、プロペニルオキシ、ブテニルオキシ、ペンテニルオキシおよびヘキセニルオキシ基などのC2-6アルケニルオキシ基を;低級アルキニル基とは、エチニル、2-プロピニル、2-ブチニルなどのC2-6アルキニル基を;アシル基とは、ホルミル基、アルキルカルボニル基およびアロイル基を;アルキルカルボニル基とは、アセチルおよびプロピオニルなどのC2-6アルキルカルボニル基を;アロイル基とは、ベンゾイルおよびナフチルカルボニル基などのアリールカルボニル基を;アシルオキシ基とは、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、フェニルアセチルオキシ、2−アミノ−3−メチルブタノイルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、ベンゾイルオキシおよび3−ピリジルカルボニルオキシなどのアシルオキシ基を;アルキルアミノ基とは、メチルアミノ、エチルアミノ、n-プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、n-ブチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジイソプロピルアミノおよびジn-ブチルアミノなどのモノ−またはジ−C1-6アルキルアミノ基を;アルキルスルホニル基とは、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n-プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、n-ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec-ブチルスルホニル、tert-ブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、ヘキシルスルホニル、ヘプチルスルホニルおよびオクチルスルホニルなどのC1-12アルキルスルホニル基を;低級アルキルスルホニル基とは、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n-プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、n-ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec-ブチルスルホニル、tert-ブチルスルホニルまたはペンチルスルホニルなどのC1-6アルキルスルホニル基を;アリールスルホニル基とは、フェニルスルホニル、p-トルエンスルホニルおよびナフチルスルホニル基などを;アルキルスルホニルオキシ基とは、メチルスルホニルオキシ、エチルスルホニルオキシ、n-プロピルスルホニルオキシ、イソプロピルスルホニルオキシ、n-ブチルスルホニルオキシ、イソブチルスルホニルオキシ、sec-ブチルスルホニルオキシ、tert-ブチルスルホニルオキシ、ペンチルスルホニルオキシ、ヘキシルスルホニルオキシ、ヘプチルスルホニルオキシおよびオクチルスルホニルオキシなどのC1-12アルキルスルホニルオキシ基を;低級アルキルスルホニルオキシ基とは、メチルスルホニルオキシ、エチルスルホニルオキシ、n-プロピルスルホニルオキシ、イソプロピルスルホニルオキシ、n-ブチルスルホニルオキシ、イソブチルスルホニルオキシ、sec-ブチルスルホニルオキシ、tert-ブチルスルホニルオキシまたはペンチルスルホニルなどのC1-6アルキルスルホニルオキシ基を;アリールスルホニルオキシ基とは、フェニルスルホニルオキシ、p-トルエンスルホニルオキシおよびナフチルスルホニルオキシ基などを;
【0010】
複素環式基とは、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ホモピペリジニル、モルホリル、チオモルホリル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリル、キヌクリジニル、イミダゾリニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジル、キノリル、キノリジニル、チアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピロリニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、プリニル、フリル、チエニル、ベンゾチエニル、ピラニル、イソベンゾフラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ベンゾフラニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、キノキサリル、ジヒドロキノキサリル、2,3−ジヒドロベンゾチエニル、2,3−ジヒドロベンゾピロリル、2,3−4H−1−チアナフチル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾ[b]ジオキサニル、イミダゾ[2,3−a]ピリジル、ベンゾ[b]ピペラジニル、クロメニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ピリダジニル、イソインドリル、イソキノリル、1,3−ベンゾジオキソニルおよび1,4−ベンゾジオキサニル基などの該環を形成する異項原子として一つ以上の酸素原子もしくは硫黄原子を含んでいてもよい、窒素、酸素もしくは硫黄原子から選ばれる少なくとも一つ以上の異項原子を5員もしくは6員環、縮合環または架橋環の複素環式基をそれぞれ意味する。
【0011】
Dにおける5員または6員環の複素環としては、該環を形成する異項原子として酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選ばれる1つ以上の異項原子を含む複素環、たとえば、トリアジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピリジン、フラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、ピラゾール、ピラン、フラザンなどの5員または6員の芳香族複素環;テトラヒドロ−2H−ピラン、テトラヒドロ−2H−チオピラン、ピペリジン、ジオキサン、オキサチアン、モルホリン、チオモルホリン、ジチアン、ピペラジン、ピロリジン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロフラン、ピラゾリジン、イミダゾリジン、テトラヒドロイソチアゾール、1,3−ジオキソラン、1,3−チアゾラン、テトラヒドロイソオキサゾール、1,3−オキサゾラン、ジチオラン、オキサチオラン、ジオキソランなどの5員もしくは6員環の脂肪族複素環が挙げられる。
Dにおける5員または6員環の炭化水素環としては、ベンゼン、シクロヘキセン、シクロペンテンなどの5員または6員環不飽和炭化水素環;シクロヘキサンおよびシクロペンタンなどの飽和炭化水素環が挙げられる。
環状アミノ基とは、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリル、チオモルホリルなどの該環を形成する異項原子として一つの窒素原子を含み、更に、一つ以上の酸素原子または硫黄原子を含んでもよい5員、6員もしくは7員環の環状アミノ基を意味する。
【0012】
R1およびR2におけるアルキル基、アリール基、アルアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルケニル基、アルケニルオキシ基、アミノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルバモイル基および複素環式基の置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、低級アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルアルキル基、低級アルコキシ基、アリールオキシ基、低級アルキルチオ基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、低級アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシルオキシ基、アルキルアミノ基、カルバモイル基、保護されていてもよいアミノ基、保護されていてもよいヒドロキシル基、保護されていてもよいカルボキシル基、アシル基および複素環式基などから選ばれる基が挙げられる。
【0013】
カルボキシル基の保護基としては、通常のカルボキシル基の保護基として使用し得るすべての基を含み、たとえば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、1,1−ジメチルプロピル、ブチルおよびtert-ブチルなどの低級アルキル基;フェニルおよびナフチルなどのアリール基;ベンジル、ジフェニルメチル、トリチル、p-ニトロベンジル、p-メトキシベンジルおよびビス(p-メトキシフェニル)メチルなどのアル低級アルキル基;アセチルメチル、ベンゾイルメチル、p-ニトロベンゾイルメチル、p-ブロモベンゾイルメチルおよびp-メタンスルホニルベンゾイルメチルなどのアシル−低級アルキル基;2−テトラヒドロピラニルおよび2−テトラヒドロフラニルなどの含酸素複素環式基;2,2,2−トリクロロエチルなどのハロゲノ−低級アルキル基;2−(トリメチルシリル)エチルなどの低級アルキルシリル−低級アルキル基;アセトキシメチル、プロピオニルオキシメチルおよびピバロイルオキシメチルなどのアシルオキシ−低級アルキル基;フタルイミドメチルおよびスクシンイミドメチルなどの含窒素複素環式−低級アルキル基;シクロヘキシルなどのシクロアルキル基;メトキシメチル、メトキシエトキシメチルおよび2−(トリメチルシリル)エトキシメチルなどの低級アルコキシ−低級アルキル基;ベンジルオキシメチルなどのアル−低級アルコキシ−低級アルキル基;メチルチオメチルおよび2−メチルチオエチルなどの低級アルキルチオ−低級アルキル基;フェニルチオメチルなどのアリールチオ−低級アルキル基;1,1−ジメチル−2−プロペニル、3−メチル−3−ブテニルおよびアリルなどの低級アルケニル基;並びにトリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、ジエチルイソプロピルシリル、tert-ブチルジメチルシリル、tert-ブチルジフェニルシリル、ジフェニルメチルシリルおよびtert-ブチルメトキシフェニルシリルなどの置換シリル基などが挙げられる。
【0014】
ヒドロキシル基およびメルカプト基の保護基としては、通常のヒドロキシル基およびメルカプト基の保護基として使用し得るすべての基を含み、たとえば、ベンジルオキシカルボニル、4−ニトロベンジルオキシカルボニル、4−ブロモベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、3,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、1,1−ジメチルプロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、イソブチルオキシカルボニル、ジフェニルメトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、2,2,2−トリブロモエトキシカルボニル、2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル、2−(フェニルスルホニル)エトキシカルボニル、2−(トリフェニルホスホニオ)エトキシカルボニル、2−フルフリルオキシカルボニル、1−アダマンチルオキシカルボニル、ビニルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、S−ベンジルチオカルボニル、4−エトキシ−1−ナフチルオキシカルボニル、8−キノリルオキシカルボニル、アセチル、ホルミル、クロロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、トリフルオロアセチル、メトキシアセチル、フェノキシアセチル、ピバロイルおよびベンゾイルなどのアシル基;メチル、tert-ブチル、2,2,2−トリクロロエチルおよび2−トリメチルシリルエチルなどの低級アルキル基;アリルなどの低級アルケニル基;ベンジル、p-メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、ジフェニルメチルおよびトリチルなどのアル−低級アルキル基;テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニルおよびテトラヒドロチオピラニルなどの含酸素および含硫黄複素環式基;メトキシメチル、メチルチオメチル、ベンジルオキシメチル、2−メトキシエトキシメチル、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル、1−エトキシエチルおよび1−メチル−1−メトキシエチルなどの低級アルコキシ−および低級アルキルチオ−低級アルキル基;メタンスルホニルおよびp-トルエンスルホニルなどの低級アルキル−およびアリール−スルホニル基;並びにトリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、ジエチルイソプロピルシリル、tert-ブチルジメチルシリル、tert-ブチルジフェニルシリル、ジフェニルメチルシリルおよびtert-ブチルメトキシフェニルシリルなどの置換シリル基などが挙げられる。
【0015】
アミノ基の保護基としては、通常のアミノ保護基として使用し得るすべての基を含み、たとえば、トリクロロエトキシカルボニル、トリブロモエトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、p-ニトロベンジルオキシカルボニル、o-ブロモベンジルオキシカルボニル、(モノ−、ジ−、トリ−)クロロアセチル、トリフルオロアセチル、フェニルアセチル、ホルミル、アセチル、ベンゾイル、tert-アミルオキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、p-メトキシベンジルオキシカルボニル、3,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、4−(フェニルアゾ)ベンジルオキシカルボニル、2−フルフリルオキシカルボニル、ジフェニルメトキシカルボニル、1,1−ジメチルプロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、フタロイル、スクシニル、アラニル、ロイシル、1−アダマンチルオキシカルボニルおよび8−キノリルオキシカルボニルなどのアシル基;ベンジル、ジフェニルメチルおよびトリチルなどのアル低級アルキル基;2−ニトロフェニルチオおよび2,4−ジニトロフェニルチオなどのアリールチオ基;メタンスルホニルおよびp-トルエンスルホニルなどのアルキル−もしくはアリール−スルホニル基;N,N−ジメチルアミノメチレンなどのジ−低級アルキルアミノ−低級アルキリデン基;ベンジリデン、2−ヒドロキシベンジリデン、2−ヒドロキシ−5−クロロベンジリデンおよび2−ヒドロキシ−1−ナフチルメチレンなどのアル−低級アルキリデン基;3−ヒドロキシ−4−ピリジルメチレンなどの含窒素複素環式アルキリデン基;シクロヘキシリデン、2−エトキシカルボニルシクロヘキシリデン、2−エトキシカルボニルシクロペンチリデン、2−アセチルシクロヘキシリデンおよび3,3−ジメチル−5−オキシシクロヘキシリデンなどのシクロアルキリデン基;ジフェニルホスホリルおよびジベンジルホスホリルなどのジアリール−もしくはジアル−低級アルキルホスホリル基;5−メチル−2−オキソ−2H−1,3−ジオキソール−4−イル−メチルなどの含酸素複素環式アルキル基;並びにトリメチルシリルなどの置換シリル基などが挙げられる。
【0016】
一般式[1]の化合物の塩としては、通常知られているアミノ基などの塩基性基またはヒドロキシルもしくはカルボキシル基などの酸性基における塩を挙げることができる。塩基性基における塩としては、たとえば、塩酸、臭化水素酸および硫酸などの鉱酸との塩;ギ酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、アスパラギン酸、トリクロロ酢酸およびトリフルオロ酢酸などの有機カルボン酸との塩;並びにメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、メシチレンスルホン酸およびナフタレンスルホン酸などのスルホン酸との塩などを;酸性基における塩としては、たとえば、ナトリウムおよびカリウムなどのアルカリ金属との塩;カルシウムおよびマグネシウムなどのアルカリ土類金属との塩;アンモニウム塩;並びにトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N−ベンジル−β−フェネチルアミン、1−エフェナミンおよびN,N’−ジベンジルエチレンジアミンなどの含窒素有機塩基との塩などを挙げることができる。
上記した塩の中で、好ましい塩としては、薬理学的に許容される塩が挙げられる。
【0017】
一般式[1]のN−アルコキシアルキル−N−アルキルアミン誘導体またはその塩において、異性体(たとえば、光学異性体、幾何異性体および互変異性体など)が存在する場合、本発明は、それらすべての異性体を包含し、また水和物、溶媒和物およびすべての結晶形を包含するものである。
【0018】
本発明化合物のうち、R1が、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、アリール、アルコキシ、アミノおよび複素環式基並びに保護されていてもよいアミノおよびヒドロキシル基;R2が、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、アリール、アルコキシ、アミノおよび複素環式基並びに保護されていてもよいアミノおよびヒドロキシル基;R3が、低級アルキル、シクロアルキル、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルキルスルホニル、アルキルアミノ並びに保護されていてもよいアミノ、ヒドロキシルおよびメルカプト基から選ばれる基で置換されていてもよいアルキルまたはシクロアルキル基;mが、2〜3の整数;nが、2〜3の整数である化合物が好ましく、さらに、R1が、水素原子、ハロゲン原子またはアルコキシ基;R2が、水素原子、ハロゲン原子またはアルコキシ基;R3が、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アミノ、ヒドロキシルまたはメルカプト基で置換されていてもよいアルキルまたはシクロアルキル基である化合物が好ましく、よりさらに、R1が、水素原子、フッ素原子またはメトキシ基;R2が、水素原子、フッ素原子またはメトキシ基;R3が、メトキシ、メチルチオ、メチルスルフィニル、エチニル、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アミノ、ヒドロキシルまたはメルカプト基で置換されていてもよいメチル、エチル、プロピル、シクロプロピルまたはシクロヘキシル基;R4、R5、R6およびR7が、水素原子またはメチル基;D環が、ベンゼン、フランまたはチオフェン環である化合物が好ましい。
【0019】
本発明化合物の代表的化合物としては、たとえば、以下の表1〜表7に例示した化合物が挙げられる。なお、表中における「Me」は、メチル基の意味を示す。
【表1】
【化3】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】
【表4】
【0023】
【表5】
【0024】
【表6】
【0025】
【表7】
【化4】
【0026】
次に、一般式[1]のN−アルコキシアルキル−N−アルキルアミン誘導体またはその塩の製造法について説明する。
一般式[1]のN−アルコキシアルキル−N−アルキルアミン誘導体またはその塩は、自体公知の方法またはそれらを適宜組み合わせることによって、たとえば、以下に示す製造法によって製造できる。
【0027】
【式1】
【0028】
「式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、mおよびnは、前記したと同様の意味を有し;X1は、脱離基をそれぞれ示す。」
式中の脱離基としては、たとえば、ハロゲン原子、低級アルキルスルホニルオキシ基およびアリールスルホニルオキシ基などである置換基が挙げられる。
ついで、各工程について説明する。
【0029】
製造法1
(1)一般式[4]の化合物は、縮合剤の存在下または非存在下、塩基の存在下または非存在下、一般式[2]の化合物またはその反応性誘導体を一般式[3]の化合物と反応させることにより製造することができる。
この反応は、自体公知の方法、たとえば、実験化学講座、第22巻、日本化学会編、第137〜173頁(1992年、丸善)に記載の方法またはそれに準じた方法で実施すればよい。
この反応で使用される反応性誘導体としては、たとえば、一般式[2]の化合物の酸ハロゲン化物、酸無水物、活性化アミドおよび活性化エステルなどが挙げられ、好ましくは酸クロライドまたは酸イミダゾールなどが挙げられる。これらの反応性誘導体は、反応系内で誘導してもよい。
一般式[2]の化合物をその反応性誘導体へ誘導する試薬としては、例えば、塩化チオニル、オキシ塩化リンおよびオキサリルクロリドなどのハロゲン化剤;塩基存在下でのピバロイルクロライドおよびクロロギ酸エチルなどの酸ハロゲン化物;塩化チオニル−イミダゾールおよびカルボニルジイミダゾールなどの活性化アミド化剤;並びにトリフルオロ酢酸p-ニトロフェニルなどの活性化エステル化剤などが挙げられ、これらの試薬の使用量は、一般式[2]の化合物に対して、等モル以上、好ましくは、1〜5倍モルであればよい。
一般式[3]の化合物の使用量は、一般式[2]の化合物またはその反応性誘導体に対して、等モル以上、好ましくは、1〜20倍モルであればよい。
一般式[2]の化合物を直接反応に使用する場合は、縮合剤の存在下に反応を行うことが好ましい。
この反応で必要に応じて用いられる縮合剤としては、たとえば、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミドなどのN,N−ジアルキルカルボジイミド類;塩化チオニルなどのハロゲン化剤;クロロギ酸エチルエステルなどのハロゲン化アルキルエステル類;カルボニルジイミダゾールなどの活性化アミド化剤;並びにジフェニルリン酸アジドなどのアジド化剤などが挙げられ、その使用量は、一般式[2]の化合物に対して、等モル以上用いればよく、好ましくは、1〜5倍モルであればよい。
この反応で必要に応じて利用される塩基としては、たとえば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)、ピリジン、tert-ブトキシカリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムおよび水素化ナトリウムなどの有機塩基または無機塩基が挙げられ、その使用量は、一般式[2]の化合物に対して、等モル以上用いればよく、好ましくは、1〜10倍モルであればよい。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであればよく、たとえば、水;塩化メチレンおよびクロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル類;ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;酢酸エチルなどのエステル類;アセトンおよびメチルエチルケトンなどのケトン類;アセトニトリルなどのニトリル類;並びにピリジンなどのヘテロ芳香族類などが挙げられ、これらの溶媒は、混合して使用してもよい。
この反応は、通常、−50〜200℃、好ましくは、−30〜100℃で、10分〜20時間実施すればよい。
【0030】
(2)一般式[1]の化合物は、一般式[4]の化合物を通常の還元反応に付すことにより製造することができる。
この還元反応は、自体公知の方法、たとえば、新実験化学講座、第15巻、[II]、日本化学会編、第29〜244頁(1977年、丸善)に記載されている方法またはそれに準じた方法で実施すればよい。
この反応で使用される還元剤としては、たとえば、水素化アルミニウムリチウムなどの水素化アルミニウム類;並びに水素化ホウ素ナトリウム、ジボラン、更にその溶媒付加体であるボラン−テトラヒドロフラン錯体およびボラン−ジメチルスルフィド錯体などの水素化ホウ素類が挙げられ、その使用量は、一般式[4]の化合物に対して、0.5倍モル以上用いればよく、好ましくは、1〜10倍モルであればよい。
また、還元剤として水素化ホウ素ナトリウムを使用する場合は、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体などのルイス酸の存在下に反応を行うのが好ましい。ルイス酸を使用する場合、その使用量は、還元剤に対して、等モル以上用いればよく、好ましくは、1〜20倍モルであればよい。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであればよく、たとえば、塩化メチレンおよびクロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル類;ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;並びにメタノール、エタノールおよびイソプロパノールなどのアルコール類などが挙げられ、これらの溶媒は、混合して使用してもよい。
この反応は、通常−50〜200℃、好ましくは、0〜110℃で、10分〜20時間実施すればよい。
【0031】
製造法2
一般式[1]の化合物は、塩基の存在下または非存在下、触媒の存在下または非存在下、一般式[5]の化合物を一般式[3]の化合物と反応させることにより製造することができる。
一般式[3]の化合物の使用量は、一般式[5]の化合物に対して、等モル以上であればよく、好ましくは、1〜20倍モルであればよい。
必要に応じて用いられる塩基としては、たとえば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)、ピリジン、tert-ブトキシカリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムおよび水素化ナトリウムなどの有機塩基または無機塩基が挙げられ、その使用量は、一般式[5]の化合物に対して、等モル以上、好ましくは、1〜20倍モルであればよい。
必要に応じて用いられる触媒としては、たとえば、ヨウ化カリウムおよびヨウ化ナトリウムなどが挙げられ、その使用量は、一般式[5]の化合物に対して、0.01〜10倍モルであればよく、好ましくは、0.1〜1倍モルであればよい。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであればよく、たとえば、塩化メチレンおよびクロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル類;メタノールおよびエタノールなどのアルコール類;アセトニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;並びにジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類などが挙げられ、これらの溶媒は、混合して使用してもよい。
この反応は、通常、0〜200℃、好ましくは、20〜150℃で、10分〜20時間実施すればよい。
【0032】
上記の各製造法において用いられる反応試薬または塩基は、それらの性質に応じ、それらを溶媒として用いてもよい。上記の一般式[1]、[2]、[3]、[4]および[5]の化合物は、塩として用いることもでき、それらの塩としては、一般式[1]の化合物の塩と同様の塩が挙げられる。また、得られた一般式[2]、[3]、[4]および[5]の化合物は、単離せずにそのまま次の反応に用いてもよい。さらに、一般式[2]、[3]、[4]および[5]の化合物において、異性体(たとえば、光学異性体、幾何異性体および互変異性体など)が存在する場合、これらすべての異性体を使用することができ、また水和物、溶媒和物およびすべての結晶形を使用することができる。
【0033】
一般式[1]、[2]、[3]、[4]および[5]の化合物において、ヒドロキシル基、アミノ基またはカルボキシル基を有する化合物は、予めこれらのヒドロキシル基、アミノ基またはカルボキシル基を通常の保護基で保護しておき、反応後、必要に応じて自体公知の方法でこれらの保護基を脱離することができる。
【0034】
一般式[1]の化合物またはその塩は、たとえば、酸化反応、還元反応、アルキル化反応、ハロゲン化反応、スルホニル化反応、置換反応、脱水反応および加水分解反応など自体公知の方法を適宜組み合わせることによって、他の一般式[1]のN−アルコキシアルキル−N−アルキルアミン誘導体またはその塩に誘導することができる。
【0035】
このようにして得られた一般式[1]のN−アルコキシアルキル−N−アルキルアミン誘導体またはその塩は、抽出、晶出、蒸留およびカラムクロマトグラフィーなどの通常の方法によって単離精製することができる。
【0036】
つぎに、本発明化合物を製造するための原料である一般式[2]および[5]の化合物の製造法について説明する。
一般式[2]の化合物は、自体公知の方法またはそれらを適宜組み合わせることによって、たとえば、以下に示す製造法Aによって製造できる。
【0037】
製造法A
【式2】
【0038】
「式中、R1、R2、R4、R5、R6、R7、X1、mおよびnは、前記したと同様の意味を有し;R8は、塩基性で反応しないヒドロキシル保護基を;R9は、低級アルコキシ基、ジアルキルアミノもしくは環状アミノ基を;R10は、水素原子、低級アルキル基または低級アルコキシカルボニル基を;R11は、シアノ基または低級アルコキシカルボニル基を;R12は、水素原子、シアノ基、カルボキシル基または低級アルコキシカルボニル基を;X2、X3およびX4は、脱離基をそれぞれ示す。」
【0039】
式中、塩基性で反応しないヒドロキシル保護基としては、たとえば、tert-ブチルなどの低級アルキル基;アリルなどの低級アルケニル基;ベンジル、p-メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、ジフェニルメチルおよびトリチルなどのアル−低級アルキル基;テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニルおよびテトラヒドロチオピラニルなどの含酸素および含硫黄複素環式基;メトキシメチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル、および1−メチル−1−メトキシエチルなどの低級アルコキシ−低級アルキル基;並びにtert-ブチルジメチルシリルおよびジフェニルメチルシリルなどの置換シリル基などが挙げられ、脱離基としては、たとえば、ハロゲン原子、低級アルキルスルホニルオキシ基およびアリールスルホニルオキシ基などである置換基が挙げられる。
【0040】
(A−1)
一般式[5]の化合物は、一般式[6]の化合物を一般式[7]の化合物と反応させることによって製造することができる。
この反応は、自体公知の方法、たとえば、テトラへドロン・レターズ(Tetrahedron Letters)、第38巻、第3251〜3254頁(1975年)もしくは新実験化学講座、第14巻、[I]、日本化学会編、第567〜611頁(1977年、丸善)に記載の方法またはそれらに準じた方法で実施すればよい。
【0041】
(A−2)
一般式[11]の化合物は、一般式[6]の化合物を一般式[8]の化合物と反応させ、保護基を脱離することにより製造することができる。
この反応は、自体公知の方法、たとえば、製造法(A−1)と同様の方法で実施し、ついで、常法により保護基を脱離すればよい。
【0042】
(A−3)
一般式[10]の化合物は、一般式[6]の化合物を一般式[9]の化合物と塩基の存在下に反応させることにより製造することができる。
この反応は、自体公知の方法、たとえば、新実験化学講座、第14巻、[I]、日本化学会編、第567〜611頁(1977年、丸善)に記載の方法またはそれに準じた方法で実施すればよい。
【0043】
(A−4)
一般式[2]の化合物は、一般式[10]の化合物を通常のエステルまたはアミドの加水分解反応に付すことにより製造することができる。
この反応は、自体公知の方法、たとえば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)、第152〜192頁[セオドラ・ダブリュー・グリーン(Theodra W.Green)(1981年)、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ・インコーポレテッド(John Wiley & Sons. Inc.)]に記載されている方法またはそれに準じた方法で実施すればよい。
【0044】
(A−5)
一般式[11]の化合物は、一般式[2]の化合物または一般式[10]の化合物を、通常の還元反応または有機金属化合物によるアルキル化反応に付すことにより、製造することができる。
この還元反応または有機金属化合物によるアルキル化反応は、自体公知の方法、例えば、新実験化学講座、第14巻、[I]、日本化学会編、第474〜477頁および第512〜520頁(1977年、丸善)に記載の方法またはそれに準じた方法で実施すればよい。
【0045】
(A−6)
一般式[12]の化合物は、一般式[2]の化合物または一般式[10]の化合物を、通常の還元反応または有機金属化合物によるアルキル化反応に付すことにより、製造することができる。
この還元反応または有機金属化合物によるアルキル化反応は、自体公知の方法、例えば、新実験化学講座、第14巻、[II]、日本化学会編、第645〜662頁、第719〜723頁、第758〜759頁、第767〜780頁および第788〜794頁(1977年、丸善)に記載の方法またはそれに準じた方法で実施すればよい。
【0046】
(A−7)
一般式[14]の化合物は、一般式[2]の化合物を反応性誘導体に誘導した後、塩基の存在下、触媒の存在下または非存在下、一般式[13]の化合物と縮合反応させることにより製造することができる。
この反応は、自体公知の方法、たとえば、新実験化学講座、第15巻、[II]、日本化学会編、第767〜775頁もしくは第794〜796頁(1977年、丸善)に記載の方法またはそれらに準じた方法で実施すればよい。
一般式[2]の化合物の反応性誘導体としては、例えば、酸ハロゲン化物、酸無水物、活性化アミドおよび活性化エステルなどが挙げられ、好ましくは、酸クロライドおよび酸イミダゾールなどが挙げられる。これらの反応性誘導体は、反応系内で誘導することもできる。
一般式[13]の化合物の使用量は、一般式[2]の化合物に対して、等モル以上用いればよく、好ましくは、1〜10倍モルであればよい。
この反応で使用される塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)、ピリジン、tert-ブトキシカリウム、マグネシウムエトキシド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムおよび水素化ナトリウムなどの有機塩基または無機塩基が挙げられ、その使用量は、一般式[13]の化合物に対して、等モル以上であればよく、好ましくは、1〜10倍モルである。
この反応で必要に応じて使用される触媒としては、通常知られているマグネシウム塩であればよく、たとえば、塩化マグネシウムなどが挙げられ、その使用量は、一般式[13]の化合物に対して、等モル以上であればよく、好ましくは、1〜10倍モルであればよい。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであればよく、例えば、塩化メチレンおよびクロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル類;ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;酢酸エチルなどのエステル類;アセトニトリルなどのニトリル類;並びにピリジンなどのヘテロ芳香族類などが挙げられ、これらの溶媒は、混合して使用してもよい。
この反応は、通常、−50〜200℃、好ましくは、−50〜50℃で、10分〜20時間実施すればよい。
【0047】
(A−8)
一般式[12]の化合物は、一般式[14]の化合物を通常の加水分解した後、脱炭酸反応に付すことにより、製造することができる。
この反応は、自体公知の方法、たとえば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)、第152〜192頁[セオドラ・ダブリュー・グリーン(Theodra W.Green)(1981年)、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ・インコーポレテッド(John Wiley & Sons. Inc.)]、および新実験化学講座、第15巻、[II]、日本化学会編、第930〜950頁(1977年、丸善)に記載の方法またはそれに準じた方法で加水分解し、ついで加熱による脱炭酸反応を実施すればよい。
【0048】
(A−9)
一般式[11]の化合物は、一般式[12]の化合物を通常の還元反応または有機金属化合物の付加反応に付すことにより製造することができる。
この反応は、自体公知の方法、たとえば、(A−5)と同様の方法で実施すればよい。
【0049】
(A−10)
一般式[5]の化合物は、塩基の存在下または非存在下、一般式[11]の化合物をハロゲン化剤またはスルホニル化剤を反応させることにより製造することができる。
この反応に必要に応じて用いられる塩基としては、たとえば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)、ピリジン、tert-ブトキシカリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムおよび水素化ナトリウムなどの有機または無機塩基が挙げられる。
ハロゲン化剤としては、たとえば、オキシ塩化リン、オキシ臭化リン、三塩化リン、五塩化リンおよび塩化チオニルなどが挙げられる。
スルホニル化剤としては、たとえば、メタンスルホニルクロリドおよびp-トルエンスルホニルクロリドなどが挙げられる。
ハロゲン化剤またはスルホニル化剤および塩基の使用量は、一般式[11]の化合物に対して、それぞれ、等モル以上であればよく、好ましくは、1〜2倍モルであればよい。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであればよく、たとえば、塩化メチレンおよびクロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル類;ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;酢酸エチルなどのエステル類;並びにアセトニトリルなどのニトリル類などが挙げられ、これらの溶媒は、混合して使用してもよい。
この反応は、通常、−50〜200℃、好ましくは、0〜50℃で、10分〜30時間実施すればよい。
【0050】
一般式[2]、[5]、[6]、[8]、[9]、[10]、[11]、[12]、[13]および[14]の化合物において、ヒドロキシル基、アミノ基またはカルボキシル基を有する化合物は、あらかじめこれらのヒドロキシル基、アミノ基またはカルボキシル基を通常の保護基で保護しておき、反応後、必要に応じて自体公知の方法でこれらの保護基を脱離することができる。
【0051】
一般式[2]、[5]、[6]、[7]、[8]、[9]、[10]、[11]、[12]、[13]および[14]の化合物において、異性体(たとえば、光学異性体、幾何異性体および互変異性体など)が存在する場合、これらすべての異性体を使用することができ、また水和物、溶媒和物およびすべての結晶形を使用することができる。また、一般式[2]、[5]、[6]、[7]、[8]、[9]、[10]、[11]、[12]、[13]および[14]の化合物は、単離せずにそのまま次の反応に用いてもよい。
【0052】
本発明化合物は、賦形剤、結合剤、崩壊剤、崩壊抑制剤、固結・付着防止剤、滑沢剤、吸収・吸着担体、溶剤、増量剤、等張化剤、溶解補助剤、乳化剤、懸濁化剤、増粘剤、被覆剤、吸収促進剤、ゲル化・凝固促進剤、光安定化剤、保存剤、防湿剤、乳化・懸濁・分散安定化剤、着色防止剤、脱酸素・酸化防止剤、矯味・矯臭剤、着色剤、起泡剤、消泡剤、無痛化剤、帯電防止剤、緩衝・pH調節剤などの各種医薬品添加物を配合して、経口剤(錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、細粒剤、丸剤、懸濁剤、乳剤、液剤、シロップ剤など)、注射剤、坐剤、外用剤(軟膏剤、貼付剤など)、エアゾール剤などの医薬品製剤とすることができる。
【0053】
上記製剤の投与方法は、特に限定されないが、製剤の形態、患者の年齢、性別その他の条件、患者の症状の程度に応じて適宜決定される。
本発明製剤の有効成分の投与量は、用法、患者の年齢、性別、疾患の形態、その他の条件などに応じて適宜選択されるが、通常成人に対して、1日0.1〜500mgを1回から数回に分割して投与すればよい。
【0054】
次に、本発明の代表的化合物の薬理作用について述べる。
試験例1 抗ハイポキシア作用
一群6〜10匹のddY系雄マウス(5〜6週齢)に生理食塩水に溶解させた試験化合物100mg/kgを経口投与する。投与30分後に、マウスを300mLのガラス容器に入れ、このガラス容器に4%酸素および96%窒素からなる混合気体を5L/分で通気し、通気開始からマウスが死亡するまでの時間を測定した。対照群には、生理食塩水のみを経口投与した。
試験化合物の抗ハイポキシア作用は、次式より求めた。
抗ハイポキシア作用(%)=(投与群マウスの生存時間)/(対照群マウスの生存時間)×100
結果を表8に示す。
【0055】
【表8】
【0056】
試験例2 神経再生促進作用
試験は、ジャーナル・オブ・ファーマコロジー・アンド・エクスペリメンタル・セラピューティクス(Journal of pharmacology and experimental therapeutics)、第290巻、第348頁(1999)およびニューロサイエンス(Neuroscience)、第88巻、第257頁(1999)に記載の方法に準じて行った。
SD系ラット(雄6〜7週齢、体重170〜280g)をペントバルビタール麻酔し、左側の坐骨神経を大腿部で露出し、神経を周囲の結合組織より分離し、臀部筋肉より約1cm末梢側を切断した。切断した神経の両端部は、長さ8mm(内径1.3mm、外径1.8mm)の滅菌シリコンチューブに中央に1mmの隙間ができるように3.5mm挿入して固定し、神経はチューブと共に再度、筋肉組織内に戻し、切開部を縫合した。7日後より蒸留水で溶解した試験化合物を1mg/kgの容量で経口投与し、以後、13日間1日1回同様に投与した。
神経切断21日後、ペントバルビタール麻酔下で再度坐骨神経を露出し、大腿部、下腿部の神経を周囲の結合組織より分離し、切断部のシリコンチューブを取り外した。刺激電極を切断部位より中枢側に、記録電極を下腿部の最も末梢側に設置し、電気刺激を与え(voltage 2V, delay 1msec, duration 100μsec)刺激による活動電位を記録した。記録電極を徐々に中枢側に移動させ、活動電位が得られた最も末梢側の地点より切断部位までの距離を測定し、再生距離とした。対照群は、蒸留水を経口投与した。
試験化合物の坐骨神経再生率は、次式より算出した。
坐骨神経再生率(%)=(投与群の再生距離)/(対照群の再生距離)×100
結果を表9に示す。
【0057】
【表9】
【0058】
試験例3 Aβによって誘起される神経細胞死を抑制する作用
試験は、ブレイン・リサーチ(Brain Research)、第639巻、第240頁(1994年)に記載の方法に改変を加えて行なった。
ウィスター(Wistar)系ラットの胎仔の脳(胎齢17〜19日)より摘出した大脳皮質を細切後、トリプシン処理により神経細胞を解離した。細胞を48穴組織培養プレートの1ウエル当たり1×105個づつ播種し、B27添加物(ジブコ(GIBCO BRL)社製)および3.6mg/mLグルコースを補足したダルベッコ改変イーグル培地下において、5%炭酸ガス、37℃の条件下で培養を行った。
培養12〜13日目に終濃度25mmol/Lとなるように塩化カリウム溶液を添加後、直ちに試験化合物を0.1μMの濃度になるように添加した。試験化合物添加24時間後に蒸留水に溶解したAβ(25〜35残基ペプチド)を終濃度20μmol/Lとなるように添加した。Aβ添加24時間後にB27添加物および3.6mg/mLグルコースを補足したダルベッコ改変イーグル培地に試験化合物を添加した培地で培地交換した。
培養神経細胞死に対する試験化合物の抑制作用は、MTT還元能の低下抑制作用を指標とした。すなわち、培地交換の48時間後にモスマンにより開発されたMTTassay[ジャーナル・オブ・イムノロジカル・メソッズ(Journal of Immunological Methods)、第65巻、第55頁(1983)]を行い、Aβによって誘起されたMTTassay値の減少に対する試験化合物の抑制率(%)を以下の式により計算した。
抑制率(%)=[(Aβおよび試験化合物添加群のMTT assay値)−(Aβ添加群のMTT assay値)]/(無添加群のMTT assay値−Aβ添加群のMTT assay値)×100
結果を表10に示す。
【0059】
【表10】
【0060】
試験例4 HNEによって誘起される神経細胞死を抑制する作用
試験は、ザ・ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス(The Journal of Neuroscience)、第17巻、第5089頁(1997年)]に記載の方法に改変を加えて行なった。
ウイスター(Wistar)系ラットの胎仔の脳(胎齢17〜19日)より摘出した大脳皮質を細切後、トリプシン処理により神経細胞を解離した。細胞を48穴組織培養プレートの1ウエル当たり5×105個づつ播種し、10%牛胎仔血清および3.6mg/mLグルコースを補足したダルベッコ改変イーグル培地下において、5%炭酸ガス、37℃の条件下で培養を行った。
グリア細胞の増殖を抑えるため培養1日後から終濃度10μmol/Lとなるようシトシンアラビノシドを添加した。培養2日目に10%牛胎仔血清および3.6mg/mLグルコースを補足したダルベッコ改変イーグル培地で培地交換した。培養7〜8日後、試験化合物を0.1μMの濃度になるように添加し、直ちにHNEを終濃度25μmol/Lとなるように添加した。
培養神経細胞死に対する試験化合物の抑制作用は、試験例3と同様にして、下記の式により計算した。
抑制率(%)=[(HNEおよび試験化合物添加群のMTT assay値)−(HNE添加群のMTT assay値)]/(無添加群のMTT assay値−HNE添加群のMTT assay値)×100
結果を表11に示す。
【0061】
【表11】
【0062】
【発明の実施の形態】
【実施例】
次に本発明を実施例および参考例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、溶離液における混合比は、すべて容量比であり、また、カラムクロマトグラフィーにおける担体は、B.W.シリカゲル、BW−127ZHおよびFL−100DX(富士シリシア化学社製)を用いた。
【0063】
実施例1
2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]−N−メチルアセトアミド2.0gをテトラヒドロフラン20mLに溶解させ、氷冷下、ボラン−テトラヒドロフラン錯体の1mol/Lテトラヒドロフラン溶液20mLを滴下し、室温で13時間攪拌した。反応混合物に6mol/L塩酸6.7mLを加え、1時間還流した。冷却後、水および酢酸エチルを加え、水層を分取した。水層に酢酸エチルを加え、50%水酸化ナトリウム水溶液でpH9.5に調整し、有機層を分取した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去した。得られた油状物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:メタノール=30:1〜10:1]で精製し、淡黄色油状のN−{2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}−N−メチルアミン1.35gを得た。
IR(neat)cm-1:3328, 2864, 1438, 1099, 732
NMR(CDCl3)δ値:2.41(3H,s), 2.74(2H,t,J=5Hz), 3.01(2H,t,J=7Hz), 3.59(2H,t,J=5Hz), 3.72(2H,t,J=7Hz), 7.21(1H,d,J=8Hz), 7.28(1H,d,J=6Hz), 7.42(1H,d,J=6Hz), 7.66(1H,s), 7.79(1H,d,J=8Hz)
【0064】
実施例2〜8
実施例1と同様にして以下の実施例2〜8の化合物を得た。
実施例2:N−{2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}−N−プロピルアミン
IR(neat)cm-1:3422, 2870, 1458, 1107, 755, 701
NMR(CDCl3)δ値:0.87(3H,t,J=7Hz), 1.45(2H,sext,J=7Hz), 2.53(2H,t,J=7Hz), 2.77(2H,t,J=6Hz), 3.01(2H,t,J=7Hz), 3.58(2H,t,J=6Hz), 3.73(2H,t,J=7Hz), 7.21(1H,d,J=8Hz), 7.28(1H,d,J=5Hz), 7.42(1H,d,J=5Hz), 7.67(1H,s), 7.79(1H,d,J=8Hz)
実施例3:N−{2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}−N−ブチルアミン
IR(neat)cm-1:2928, 1458, 1108, 755, 701
NMR(CDCl3)δ値:0.8-1.0(3H,m), 1.0-1.6(4H,m), 2.55(2H,t,J=7Hz), 2.74(2H,t,J=5Hz), 3.00(2H,t,J=7Hz), 3.57(2H,t,J=5Hz), 3.71(2H,t,J=7Hz), 7.19(1H,d,J=8Hz), 7.27(1H,d,J=5Hz), 7.41(1H,d,J=5Hz), 7.66(1H,s), 7.78(1H,d,J=8Hz)
実施例4:2−({2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}アミノ)−1−エタノール
IR(neat)cm-1:3313, 2926, 2864, 1102, 703
NMR(CDCl3)δ値:2.69(2H,t,J=5Hz), 2.76(2H,t,J=5Hz), 2.99(2H,t,J=7Hz), 3.56(4H,t,J=5Hz), 3.71(2H,t,J=7Hz), 7.19(1H,d,J=8Hz), 7.27(1H,d,J=5Hz), 7.34(1H,d,J=5Hz), 7.65(1H,s), 7.78(1H,d,J=8Hz)
実施例5:2−({2−[2−(1−ベンゾフラン−5−イル)エトキシ]エチル}アミノ)−1−エタノール
IR(neat)cm-1:3368, 2923, 2864, 1110, 739
NMR(CDCl3)δ値:2.5-3.0(4H,m), 2.92(2H,t,J=7Hz), 3.4-3.9(6H,m), 6.6-6.7(1H,m), 7.08(1H,dd,J=1,9Hz), 7.3-7.4(2H,m), 7.54(1H,d,J=2Hz)実施例6:N−{2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}−N−(2−メトキシエチル)アミン
IR(neat)cm-1:2924, 2864, 1111, 704
NMR(CDCl3)δ値:1.9(1H,brs), 2.6-2.9(4H,m), 3.00(2H,t,J=7Hz), 3.33(3H,s), 3.44(2H,t,J=5Hz), 3.58(2H,t,J=5Hz), 3.70(2H,t,J=7Hz), 7.20(1H,d,J=8Hz), 7.27(1H,d,J=5Hz), 7.41(1H,d,J=5Hz), 7.65(1H,s), 7.78(1H,d,J=8Hz)
実施例7:N−{2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}−N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミン
IR(neat)cm-1:2940, 2858, 2818, 1112, 755
NMR(CDCl3)δ値:2.19(6H,s), 2.35(2H,t,J=6Hz), 2.67(2H,t,J=6Hz), 2.78(2H,t,J=5Hz), 3.00(2H,t,J=7Hz), 3.58(2H,t,J=5Hz), 3.71(2H,t,J=7Hz), 7.21(1H,d,J=8Hz), 7.27(1H,d,J=5Hz), 7.42(1H,d,J=5Hz), 7.66(1H,s), 7.79(1H,d,J=8Hz)
実施例8:2−({2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}アミノ)−1−プロパノール
IR(neat)cm-1:3301, 2864, 1438, 1113, 702
NMR(CDCl3)δ値:0.98(3H,d,J=6Hz), 2.2(2H,brs), 2.5-3.4(5H,m), 3.50(2H,t,J=5Hz), 3.59(2H,d,J=5Hz), 3.71(2H,t,J=7Hz), 7.20(1H,d,J=8Hz), 7.27(1H,d,J=5Hz), 7.42(1H,d,J=5Hz), 7.66(1H,s), 7.79(1H,d,J=8Hz)
【0065】
実施例9
2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]−N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)アセトアミド1.35gをテトラヒドロフラン14mLに溶解させ、氷冷下、ボラン−テトラヒドロフラン錯体の1mol/Lテトラヒドロフラン溶液17.5mLを滴下し、室温で17時間攪拌した。反応混合物に6mol/L塩酸9.0mLを加え、30分間還流した。冷却後、水および酢酸エチルを加え、水層を分取した。水層に酢酸エチルを加え、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液でpH10に調整し、有機層を分取した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた油状物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:メタノール=10:1〜5:1]で精製し、淡黄色油状の3−({2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}アミノ)−1,2−プロパンジオール0.55gを得た。
NMR(CDCl3)δ値:2.5-2.8(4H,m), 3.00(2H,t,J=7Hz), 3.5-3.6(5H,m), 3.71(2H,t,J=7Hz), 7.2-7.3(2H,m), 7.35(1H,d,J=8Hz), 7.66(1H,s), 7.80(1H,d,J=8Hz)
【0066】
実施例10〜14
実施例9と同様にして以下の実施例10〜14の化合物を得た。
実施例10:2−({2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}アミノ)シクロヘキサノール
IR(KBr)cm-1:3015, 2929, 2864, 1458, 1101, 700
NMR(CDCl3)δ値:1.1-2.2(8H,m), 2.5-2.8(2H,m), 2.9-3.1(4H,m), 3.56(2H,t,J=5Hz), 3.71(2H,t,J=6Hz), 7.1-7.3(2H,m), 7.42(1H,d,J=5Hz), 7.67(s,1H), 7.80(1H,d,J=8Hz)
実施例11:2−({2−[2−(1−ナフチル)エトキシ]エチル}アミノ)−1−エタノール
IR(neat)cm-1:3386, 2868, 1102, 778
NMR(CDCl3)δ値:2.31(2H,s), 2.71(2H,t,J=5Hz), 2.77(2H,t,J=5Hz), 3.37(2H,t,J=7Hz), 3.58(4H,t,J=5Hz), 3.80(2H,t,J=7Hz), 7.3-7.6(4H,m), 7.6-8.0(2H,m), 8.0-8.2(1H,m)
実施例12:2−({2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}アミノ)−1−エタンチオール
IR(neat)cm-1:3313, 2921, 2862, 1112, 755, 702
NMR(CDCl3)δ値:2.6-2.9(6H,m), 3.00(2H,t,J=7Hz), 3.57(2H,t,J=5Hz), 3.71(2H,t,J=7Hz), 7.2-7.3(2H,m), 7.42(1H,d,J=5Hz), 7.66(1H,s), 7.79(1H,d,J=8Hz)
実施例13:2−({2−[2−(6−フルオロ−1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}アミノ)−1−エタノール
IR(neat)cm-1:3386, 2926, 1459, 1257, 1105, 748
NMR(CDCl3)δ値:2.73(2H,t,J=5Hz), 2.79(2H,t,J=5Hz), 3.02(2H,t,J=7Hz), 3.52(2H,t,J=5Hz), 3.58(2H,t,J=5Hz), 3.73(2H,t,J=7Hz), 7.15(1H,d,J=5Hz), 7.37(1H,d,J=5Hz), 7.51(1H,d,J=10Hz), 7.66(1H,d,J=7Hz)
実施例14:2−({2−[3−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)プロポキシ]エチル}アミノ)−1−エタノール
IR(neat)cm-1:3386, 2860, 1458, 1104, 701
NMR(CDCl3)δ値:1.9-2.1(2H,m), 2.40(2H,s), 2.82(4H,t,J=5Hz), 3.48(4H,t,J=6Hz), 3.66(2H,t,J=5Hz), 7.1-7.3(2H,m), 7.42(1H,d,J=5Hz), 7.62(s,1H), 7.78(1H,d,J=7Hz)
【0067】
実施例15
2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]−N−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)アセトアミド2.00gをテトラヒドロフラン20mLに溶解させ、氷冷下、ボラン−テトラヒドロフラン錯体の1mol/Lテトラヒドロフラン溶液20mLを滴下し、室温で18時間攪拌した。反応混合物に6mol/L塩酸10.0mLを加え、4時間還流した。冷却後、水および酢酸エチルを加え、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液でpH10に調整し、有機層を分取した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた油状物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:メタノール=10:1〜5:1]で精製し、淡黄色油状の2−({2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}アミノ)−2−メチル−1−プロパノール1.45gを得た。
NMR(CDCl3)δ値:1.00(6H,s), 2.65(2H,t,J=5Hz), 3.00(2H,t,J=7Hz), 3.54(2H,t,J=5Hz), 3.60(2H,t,J=7Hz), 3.71(2H,t,J=7Hz), 7.2-7.3(2H,m), 7.42(1H,d,J=5Hz), 7.61(1H,s), 7.79(1H,d,J=8Hz)
【0068】
実施例16
2−[2−(5−メトキシ−1−ベンゾフラン−6−イル)エトキシ]酢酸0.71gをN,N−ジメチルホルムアミド7.1mLに溶解させ、この溶液に、エタノールアミン0.21mL、ジフェニルリン酸アジド0.73gおよびトリエチルアミン1.19mLを加え、室温で3時間攪拌した。反応混合物に、酢酸エチルおよび水を加え、有機層を分取した。得られた有機層を希塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をテトラヒドロフラン3mLに溶解させ、氷冷下、ボラン−テトラヒドロフラン錯体の1mol/Lテトラヒドロフラン溶液8.51mLを滴下し、室温で2時間攪拌した。反応混合物に6mol/L塩酸2.84mLを加え、1時間還流した。冷却後、水および酢酸エチルを加え、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液でpH10に調整し、有機層を分取した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた油状物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:メタノール=40:1〜30:1]で精製し、無色油状の2−({2−[2−(5−メトキシ−1−ベンゾフラン−6−イル)エトキシ]エチル}アミノ)−1−エタノール0.25gを得た。
IR(neat)cm-1:3314, 2933, 2862, 1131, 762
NMR(CDCl3)δ値:2.6-2.8(4H,m), 2.98(2H,t,J=7Hz), 3.5-3.7(6H,m), 3.83(3H,s), 6.70(1H,dd,J=2,7Hz), 6.99(1H,s), 7.31(1H,s), 7.57(1H,dd,J=2,7Hz)
【0069】
実施例17
2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル メタンスルホネート3.00gをN,N−ジメチルホルムアミド15mLに溶解させ、ついで、プロパルギルアミン1.40mLおよび炭酸カリウム2.76gを加え、80℃で3時間攪拌した。反応混合物を水および酢酸エチルの混合液中に導入し、有機層を分取した。得られた有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:メタノール=30:1〜20:1]で精製し、油状のN−{2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}−N−(2−プロピニル)アミン1.63gを得た。
IR(neat)cm-1:3292, 2863, 1112, 756, 703
NMR(CDCl3)δ値:2.20(1H,t,J=2Hz), 2.85(2H,t,J=5Hz), 3.00(2H,t,J=7Hz), 3.40(2H,d,J=2Hz), 3.59(2H,t,J=5Hz), 3.72(2H,t,J=7Hz), 7.20(1H,d,J=9Hz), 7.29(1H,d,J=5Hz), 7.42(1H,d,J=5Hz), 7.67(1H,s), 7.79(1H,d,J=9Hz)
【0070】
実施例18〜24
実施例17と同様にして以下の実施例18〜24の化合物を得た。
実施例18:N−{2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}−N−シクロプロピルアミン
IR(neat)cm-1:2938, 2861, 1438, 1115, 755, 701
NMR(CDCl3)δ値:0.3-0.4(4H,m), 1.9-2.2(1H,m), 2.83(2H,t,J=5Hz), 3.00(2H,t,J=7Hz), 3.56(2H,t,J=5Hz), 3.71(2H,t,J=7Hz), 7.21(1H,d,J=8Hz), 7.28(1H,d,J=5Hz), 7.42(1H,d,J=5Hz), 7.67(1H,s), 7.79(1H,d,J=8Hz)
実施例19:1−({2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}アミノ)−2−プロパノール
IR(neat)cm-1:3314, 2864, 1109, 755
NMR(CDCl3)δ値:1.10(3H,d,J=6Hz), 2.28(1H,d,J=3Hz), 2.32(1H,s), 2.43(1H,s), 2.57(1H,d,J=3Hz), 2.74(2H,t,J=5Hz), 3.00(2H,t,J=7Hz), 3.5〜3.8(1H,m), 3.55(2H,t,J=5Hz), 3.72(2H,t,J=7Hz), 7.21(1H,d,J=8Hz), 7.28(1H,d,J=5Hz), 7.42(1H,d,J=5Hz), 7.66(1H,s), 7.80(1H,d,J=8Hz)
実施例20:2−({2−[2−(2−ナフチル)エトキシ]エチル}アミノ)−1−エタノール
IR(neat)cm-1:3314, 2864, 1103, 1062, 750
NMR(CDCl3)δ値:2.04(2H,s), 2.70(2H,t,J=6Hz), 2.76(2H,t,J=5Hz), 3.05(2H,t,J=7Hz), 3.4-3.8(6H,m), 7.2-7.6(3H,m), 7.6-8.0(4H,m)
実施例21:2−({2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]−1−メチルエチル}アミノ)−1−エタノール
IR(neat)cm-1:3386, 2926, 1106, 704
NMR(CDCl3)δ値:1.01(3H,d,J=6Hz), 2.0(2H,brs), 2.6-2.8(2H,m), 2.8-3.1(2H,m), 3.2-3.4(2H,m), 3.53(2H,d,J=5Hz)3.76(2H,t,J=7Hz), 7.20(1H,d,J=8Hz), 7.27(1H,d,J=5Hz), 7.42(1H,d,J=5Hz), 7.66(1H,s), 7.79(1H,d,J=8Hz)
実施例22:N−(2−アミノエチル)−N−{2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}アミン
IR(neat)cm-1:2861, 1109, 755, 702
NMR(CDCl3)δ値:2.66(2H,t,J=3Hz), 2.69(2H,t,J=3Hz), 2.77(2H,t,J=5Hz), 3.01(2H,t,J=7Hz), 3.58(2H,t,J=5Hz), 3.73(2H,t,J=7Hz), 7.21(1H,d,J=8Hz), 7.28(1H,d,J=5Hz), 7.43(1H,d,J=5Hz), 7.67(1H,s), 7.80(1H,d,J=8Hz)
実施例23:2−({2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}アミノ)−1,3−プロパンジオール
NMR(CDCl3)δ値:2.4-2.9(3H,m), 3.00(2H,t,J=7Hz), 3.44(2H,t,J=5Hz), 3.56(2H,t,J=5Hz), 3.73(2H,t,J=7Hz), 7.20(1H,d,J=8Hz), 7.28(1H,d,J=5Hz), 7.43(1H,d,J=5Hz), 7.66(1H,s), 7.80(1H,d,J=8Hz)
実施例24:3−({2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}アミノ)−1−プロパノール
IR(neat)cm-1:3302, 2932, 2861, 1437, 1099, 703
NMR(CDCl3)δ値:1.60(2H,qn,J=5Hz), 2.74(2H,t,J=5Hz), 2.80(2H,t,J=5Hz), 2.99(2H,t,J=5Hz), 3.55(2H,t,J=5Hz), 3.71(2H,t,J=5Hz), 3.77(2H,t,J=5Hz), 7.21(1H,d,J=8Hz), 7.29(1H,d,J=5Hz), 7.42(1H,d,J=5Hz), 7.66(1H,s), 7.80(1H,d,J=8Hz),
【0071】
実施例25
5−[2−(3−クロロプロピルオキシ)エチル]−1−ベンゾチオフェン1.20gをN,N−ジメチルホルムアミド12mLに溶解させ、この溶液に、エタノールアミン0.85mLおよび炭酸カリウム1.30gを加え、85℃で5時間攪拌した。反応混合物に酢酸エチルおよび水を加え、有機層を分取した。得られた有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:メタノール=10:1]で精製し、無色油状の2−({3−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]プロピル}アミノ)−1−エタノール0.56gを得た。
IR(neat)cm-1:3310, 2860, 1108, 755, 702
NMR(CDCl3)δ値:1.74(2H,qn,J=6Hz), 2.5-2.8(4H,m), 2.98(2H,t,J=7Hz), 3.4-3.6(4H,m), 3.68(2H,t,J=7Hz), 7.19(1H,d,J=8Hz), 7.27(1H,d,J=5Hz), 7.41(1H,d,J=5Hz), 7.65(1H,s), 7.78(1H,d,J=8Hz)
【0072】
実施例26
実施例25と同様にして以下の化合物を得た。
2−({3−[2−(1−ベンゾフラン−5−イル)エトキシ]プロピル}アミノ)−1−エタノール
IR(neat)cm-1:3310, 2938, 2863, 1110, 739
NMR(CDCl3)δ値:1.6-1.9(2H,m), 2.68(2H,t,J=7Hz), 2.6-2.9(2H,m), 2.95(2H,t,J=7Hz), 3.4-3.5(4H,m), 3.62(2H,t,J=7Hz), 6.70(1H,dd,J=1,2Hz), 7.12(1H,dd,J=1,9Hz), 7.2-7.4(2H,m), 7.58(1H,d,J=2Hz)
【0073】
実施例27
2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]−N−[2−(メチルスルファニル)エチル]アセトアミド0.22gをテトラヒドロフラン3mLに溶解させ、氷冷下、ボラン−テトラヒドロフラン錯体の1mol/Lテトラヒドロフラン溶液1.8mLを滴下し、室温で13時間攪拌した。反応混合物に6mol/L塩酸2.0mLを加え、1時間還流した。冷却後、水および酢酸エチルを加え、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液でpH13に調整し、有機層を分取した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた油状物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:メタノール=10:1]で精製し、淡黄色油状物の2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]−N−[2−(メチルスルファニル)エチル]−1−エタナミン0.16gを得た。
IR(neat)cm-1:3386, 2918, 1112, 756, 701
NMR(CDCl3)δ値:2.07(3H,s), 2.64(2H,t,J=5Hz), 2.79(4H,t,J=5Hz), 3.01(2H,t,J=7Hz), 3.58(2H,t,J=5Hz), 3.72(2H,t,J=7Hz), 7.2-7.3(2H,m), 7.42(1H,d,J=5Hz), 7.67(1H,s), 7.80(1H,d,J=8Hz)
【0074】
実施例28
N−{2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}−N−メチルアミン1.35gを酢酸エチル6.0mLに溶解させ、この溶液に3.6mol/L乾燥塩化水素−酢酸エチル溶液1.73mLを加え、室温で1時間、さらに5℃で1時間攪拌した。析出晶を濾取し、酢酸エチルで洗浄した後、乾燥させ、N−{2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}−N−メチルアミン・塩酸塩1.15gを得た。
融点:133〜134.5℃
IR(KBr)cm-1:2963, 2869, 2744, 1121
NMR(CDCl3)δ値:2.62(3H,s), 3.03(2H,t,J=7Hz), 3.10(2H,t,J=5Hz), 3.76(2H,t,J=7Hz), 3.83(2H,t,J=5Hz), 7.21(1H,d,J=8Hz), 7.29(1H,d,J=5Hz), 7.41(1H,d,J=5Hz), 7.67(1H,s), 7.78(1H,d,J=8Hz), 9.3(1H,brs)
【0075】
実施例29〜43
実施例28と同様にして以下の実施例29〜43の化合物を得た。
実施例29:N−{2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}−N−プロピルアミン・塩酸塩
融点:125〜125.5℃
IR(KBr)cm-1:2962, 2868, 2784, 1121, 704
NMR(CDCl3)δ値:0.82(3H,t,J=7Hz), 1.74(2H,sext,J=7Hz), 2.6-3.2(4H,m), 3.01(2H,t,J=7Hz), 3.76(2H,t,J=7Hz), 3.84(2H,t,J=5Hz), 7.21(1H,d,J=8Hz), 7.28(1H,d,J=5Hz), 7.41(1H,d,J=5Hz), 7.68(1H,s), 7.78(1H,d,J=8Hz), 9.4(1H,brs)
実施例30:N−{2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}−N−ブチルアミン・塩酸塩
融点:133.5〜134℃
IR(KBr)cm-1:2961, 2868, 2744, 1121, 706
NMR(CDCl3)δ値:0.83(3H,t,J=6Hz), 1.0-1.4(2H,m), 1.5-1.9(2H,m), 2.7-3.2(6H,m), 3.77(2H,t,J=7Hz), 3.85(2H,t,J=5Hz), 7.21(1H,d,J=8Hz), 7.29(1H,d,J=5Hz), 7.42(1H,d,J=5Hz), 7.68(1H,s), 7.79(1H,d,J=8Hz), 9.3(1H,brs)
実施例31:N−{2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}−N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミン・二塩酸塩
融点:166〜168℃
IR(KBr)cm-1:3358, 2672, 2472, 1121
NMR(DMSO-d6)δ値:2.81(6H,s), 2.6-3.5(8H,m), 3.5-3.9(4H,m), 7.29(1H,d,J=8Hz), 7.41(1H,d,J=5Hz), 7.73(1H,d,J=5Hz), 7.77(1H,s), 7.91(1H,d,J=8Hz), 9.8(2H,brs)
実施例32:3−({2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}アミノ)−1,2−プロパンジオール・塩酸塩
融点:80〜82℃
NMR(DMSO-d6)δ値:2.7-3.2(6H,m), 3.5-3.8(7H,m), 5.46(1H,d,J=5Hz), 7.29(1H,d,J=8Hz), 7.40(1H,d,J=5Hz), 7.73(2H,d,J=5Hz), 7.91(1H,d,J=8Hz), 8.8(1H,m)
実施例33:2−({2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}アミノ)シクロヘキサノール・塩酸塩
融点:119〜120.5℃
IR(KBr)cm-1:3250, 2937, 1114, 696
NMR(CDCl3)δ値:1.0-2.2(8H,m), 2.6-3.4(5H,m), 3.7-3.9(5H,m), 7.22(1H,d,J=8Hz), 7.29(1H,d,J=5Hz), 7.42(1H,d,J=5Hz), 7.69(s,1H), 7.79(1H,d,J=8Hz)実施例34:2−({2−[2−(1−ナフチル)エトキシ]エチル}アミノ)−1−エタノール・塩酸塩
融点:111〜112℃
IR(KBr)cm-1:3336, 2959, 1122, 776
NMR(CDCl3)δ値:2.9-3.3(4H,m), 3.36(2H,t,J=6Hz), 3.6-4.1(6H,m), 7.2-7.6(4H,m), 7.6-7.9(2H,m), 8.0-8.2(1H,m), 9.0(1H,brs)
実施例35:2−({2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}アミノ)−1−エタンチオール・塩酸塩
融点:207.0〜208.5℃
IR(KBr)cm-1:3433, 2949, 2745, 1125, 704
NMR(DMSO-d6)δ値:2.8-3.3(8H,m), 3.6-3.8(4H,m), 7.28(1H,d,J=8Hz), 7.40(1H,d,J=5Hz), 7.73(1H,d,J=5Hz), 7.76(1H,s), 7.90(1H,d,J=8Hz), 9.13(1H,brs)実施例36:2−({2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}アミノ)−2−メチル−1−プロパノール・塩酸塩
融点:108.5〜110℃
IR(KBr)cm-1:3379, 2868, 1118, 705
NMR(CDCl3)δ値:1.26(6H,s), 2.9-3.2(4H,m), 3.7-3.9(6H,m), 7.2-7.3(2H,m), 7.42(1H,d,J=5Hz), 7.68(1H,s), 7.79(1H,d,J=8Hz)
実施例37:N−{2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}−N−シクロプロピルアミン・塩酸塩
融点:122.5〜124.5℃
IR(KBr)cm-1:2959, 2867, 2753, 1125
NMR(CDCl3)δ値:0.5-0.7(2H,m), 1.0-1.2(2H,m), 2.3-2.6(1H,m), 3.03(2H,t,J=7Hz), 3.18(2H,t,J=5Hz), 3.77(2H,t,J=7Hz), 3.85(2H,t,J=5Hz), 7.21(1H,d,J=8Hz), 7.28(1H,d,J=5Hz), 7.41(1H,d,J=5Hz), 7.68(1H,s), 7.78(1H,d,J=8Hz), 9.5(1H,brs)
実施例38:1−({2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}アミノ)−2−プロパノール・塩酸塩
融点:104.5〜105.5℃
IR(KBr)cm-1:3396, 2963, 2869, 1125, 704
NMR(CDCl3)δ値:1.06(3H,d,J=6Hz), 3.01(4H,t,J=7Hz), 3.1-3.3(2H,m), 3.76(4H,t,J=7Hz), 4.0-4.4(1H,m), 4.8(1H,brs), 7.21(1H,d,J=8Hz), 7.29(1H,d,J=5Hz), 7.41(1H,d,J=5Hz), 7.67(1H,s), 7.78(1H,d,J=8Hz), 8.6(1H,brs), 9.4(1H,brs)
実施例39:2−({2−[2−(2−ナフチル)エトキシ]エチル}アミノ)−1−エタノール・塩酸塩
融点:98.5〜99.5℃
IR(KBr)cm-1:3367, 1124, 823, 745
NMR(CDCl3)δ値:2.8-3.3(6H,m), 3.5-3.9(6H,m), 7.1-7.5(3H,m), 7.5-7.9(4H,m)
実施例40:2−({2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]−1−メチルエチル}アミノ)−1−エタノール・塩酸塩
融点:78.0〜79.5℃
IR(KBr)cm-1:3422, 2946, 1119, 704
NMR(CDCl3)δ値:1.41(3H,d,J=6Hz), 3.0-3.1(4H,m), 3.3-3.5(1H,m), 3.7-3.8(4H,m), 6.2(1H,brs), 7.19(1H,d,J=8Hz), 7.29(1H,d,J=5Hz), 7.42(1H,d,J=5Hz), 7.66(1H,s), 7.79(1H,d,J=8Hz)
実施例41:N−(2−アミノエチル)−N−{2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}アミン・二塩酸塩
融点:183〜185.5℃
IR(KBr)cm-1:2963, 2868, 2733, 1122
NMR(DMSO-d6)δ値:2.99(2H,t,J=7Hz), 3.13(2H,t,J=6Hz), 3.21(4H,s), 3.5-3.8(4H,m), 7.30(1H,d,J=8Hz), 7.41(1H,d,J=5Hz), 7.74(1H,d,J=5Hz), 7.77(1H,s), 7.91(1H,d,J=8Hz)
実施例42:2−({3−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]プロピル}アミノ)−1−エタノール・塩酸塩
融点:66〜67℃
IR(KBr)cm-1:3384, 2950, 1101, 704
NMR(CDCl3)δ値:2.07(2H,qn,J=6Hz), 2.97(6H,t,J=7Hz), 3.54(2H,t,J=6Hz), 3.69(2H,t,J=7Hz), 3.6-4.0(2H,m), 7.20(1H,d,J=8Hz), 7.28(1H,d,J=5Hz), 7.41(1H,d,J=5Hz), 7.66(1H,s), 7.78(1H,d,J=8Hz), 8.8(1H,brs)
実施例43:2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]−N−[2−(メチルスルファニル)エチル]−1−エタナミン・塩酸塩
融点:125〜126℃
IR(KBr)cm-1:3453, 2959, 2867, 2746, 1126, 705
NMR(CDCl3)δ値:2.00(3H,s), 2.88(2H,t,J=5Hz), 3.0-3.3(6H,m), 3.7-3.9(4H,m), 7.1-7.2(2H,m), 7.42(1H,d,J=5Hz), 7.67(1H,s), 7.79(1H,d,J=8Hz), 9.4(1H,brs)
【0076】
実施例44
2−({2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}アミノ)−1−エタノール0.25gを酢酸エチル1.5mLに溶解させ、シュウ酸0.085gを1.5mL酢酸エチルに溶解させた溶液を加え、室温で2時間攪拌した。析出晶を濾取し、酢酸エチルで洗浄した後、乾燥させ、2−({2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}アミノ)−1−エタノール・シュウ酸塩0.23gを得た。
融点:134〜136℃
IR(KBr)cm-1:3371, 2959, 2866, 1126, 720
NMR(DMSO-d6)δ値:2.96(4H,t,J=7Hz), 3.11(2H,t,J=5Hz), 3.5-3.9(6H,m), 7.26(1H,d,J=8Hz), 7.40(1H,d,J=5Hz), 7.73(1H,d,J=5Hz), 7.76(1H,s), 7.91(1H,d,J=8Hz)
【0077】
実施例45〜52
実施例44と同様にして以下の実施例45〜52の化合物を得た。
実施例45:2−({2−[2−(1−ベンゾフラン−5−イル)エトキシ]エチル}アミノ)−1−エタノール・シュウ酸塩
融点:124〜126℃
IR(KBr)cm-1:3448, 2956, 1110, 720
NMR(DMSO-d6)δ値:2.8-3.2(6H,m), 3.5-3.8(6H,m), 6.89(1H,m), 7.1-7.5(3H,m), 7.95(1H,d,J=2Hz)
実施例46:N−{2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}−N−(2−メトキシエチル)アミン・シュウ酸塩
融点:160〜162℃
IR(KBr)cm-1:2887, 2867, 1122, 698
NMR(DMSO-d6)δ値:2.96(2H,t,J=7Hz), 3.09(2H,t,J=5Hz), 3.26(3H,s), 3.51(2H,t,J=5Hz), 3.62(2H,t,J=5Hz), 3.70(2H,t,J=7Hz), 7.26(1H,d,J=8Hz), 7.40(1H,d,J=5Hz), 7.73(1H,d,J=5Hz), 7.76(1H,s), 7.91(1H,d,J=8Hz)
実施例47:2−({2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}アミノ)−1−プロパノール・シュウ酸塩
融点:131.5〜133.5℃
IR(KBr)cm-1:3384, 2943, 1404, 1113, 721
NMR(DMSO-d6)δ値:1.13(3H,d,J=7Hz), 2.9〜3.4(5H,m), 3.52(2H,t,J=5Hz), 3.70(4H,t,J=7Hz), 7.26(1H,d,J=8Hz), 7.39(1H,d,J=5Hz), 7.73(1H,d,J=5Hz), 7.76(1H,s), 7.91(1H,d,J=8Hz)
【0078】
実施例48:2−({2−[2−(6−フルオロ−1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}アミノ)−1−エタノール・シュウ酸塩
融点:103.5〜105℃
IR(KBr)cm-1:3421, 1458, 1167, 719
NMR(DMSO-d6)δ値:2.9-3.2(6H,m), 3.5-3.8(6H,m), 5.17(1H,m), 7.40(1H,d,J=5Hz), 7.71(2H,d,J=5Hz), 7.8-7.9(2H,m)
実施例49:2−({2−[3−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)プロポキシ]エチル}アミノ)−1−エタノール・シュウ酸塩
融点:125〜126.5℃
IR(KBr)cm-1:3420, 2941, 1120, 720
NMR(DMSO-d6)δ値:1.8-2.0(2H,m), 2.77(2H,t,J=6Hz), 3.00(2H,t,J=5Hz), 3.11(2H,t,J=5Hz), 3.45(2H,t,J=6Hz), 3.7-3.8(4H,m), 7.22(1H,d,J=8Hz), 7.39(1H,d,J=5Hz), 7.7-7.8(2H,m), 7.90(1H,d,J=8Hz)
実施例50:2−({2−[2−(5−メトキシ−1−ベンゾフラン−6−イル)エトキシ]エチル}アミノ)−1−エタノール・シュウ酸塩
融点:113〜115℃
IR(KBr)cm-1:3392, 2956, 1129, 720
NMR(DMSO-d6)δ値:2.8-3.3(6H,m), 3.5-3.7(6H,m), 3.82(3H,s), 6.8-7.0(1H,m), 7.21(1H,d,J=7Hz), 7.44(1H,s), 8.00(1H,dd,J=2,7Hz)
実施例51:2−({2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}アミノ)−1,3−プロパンジオール・シュウ酸塩
融点:134〜136℃
IR(KBr)cm-1:3382, 1107, 720
NMR(DMSO-d6)δ値:2.96(2H,t,J=7Hz), 3.1-3.2(1H,m), 3.17(2H,t,J=5Hz), 3.5-3.8(8H,m), 7.27(1H,d,J=8Hz), 7.40(1H,d,J=5Hz), 7.7-7.8(2H,m), 7.91(1H,d,J=8Hz)
実施例52:2−({3−[2−(1−ベンゾフラン−5−イル)エトキシ]プロピル}アミノ)−1−エタノール・シュウ酸塩
融点:114〜115℃
IR(KBr)cm-1:3384, 2952, 1108, 720
NMR(DMSO-d6)δ値:1.7-2.0(2H,m), 2.8-3.0(6H,m), 3.2-3.8(6H,m), 6.90(1H,dd,J=1,2Hz), 7.18(1H,dd,J=1,9Hz), 7.4-7.6(2H,m), 7.94(1H,d,J=2Hz)
【0079】
実施例53
2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]−N−[2−(メチルスルファニル)エチル]−1−エタナミン0.34gを塩化メチレン6.8mLに溶解させ、−50℃に冷却後、m-クロロ過安息香酸0.21gを加え同温で1時間攪拌した。反応混合物に、飽和重曹水および酢酸エチルを加え、有機層を分取した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた油状物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:メタノール=8:1〜5:1]で精製し、淡黄色油状物の2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]−N−[2−(メチルスルフィニル)エチル]−1−エタナミン0.22gを得た。
IR(neat)cm-1:3423, 2924, 1115, 1039, 758, 703
NMR(CDCl3)δ値:2.55(3H,s), 2.6-2.9(4H,m), 2.9-3.2(4H,m), 3.56(2H,t,J=5Hz), 3.72(2H,t,J=7Hz), 7.2-7.4(2H,m), 7.43(1H,d,J=5Hz), 7.67(1H,s), 7.80(1H,d,J=8Hz)
【0080】
実施例54
3−[2−(1−ベンゾフラン−5−イル)エトキシ]−2−メチルプロピルメタンスルホネート0.85gをN,N−ジメチルホルムアミド5.1mLに溶解させ、この溶液に、エタノールアミン0.36mLおよび炭酸カリウム0.89gを加え、90℃で2時間攪拌した。反応混合物に酢酸エチルおよび水を加え、有機層を分取した。得られた有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:メタノール=10:1〜5:1]で精製し、無色油状の2−({3−[2−(1−ベンゾフラン−5−イル)エトキシ]−2−メチルプロピル}アミノ)−1−エタノール0.41gを得た。
IR(neat)cm-1:3386, 2932, 1108, 1049, 701
NMR(CDCl3)δ値:0.90(3H,d,J=7Hz), 1.7-2.1(1H,m), 2.4-2.7(4H,m), 2.98(2H,t,J=7Hz), 3.3-3.6(4H,m), 3.68(2H,t,J=7Hz), 7.1-7.4(2H,m), 7.42(1H,d,J=5Hz), 7.66(1H,s), 7.79(1H,d,J=8Hz)
【0081】
実施例55
2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル メタンスルホネート1.00gをジメチルスルフォキシド5mLに溶解させ、ついで、N−メチルエチレンジアミン0.65mLを加え、60℃で2時間攪拌した。冷却後、反応混合物に水および酢酸エチルを加え、6mol/L塩酸でpH1に調整し、水層を分取した。水層に塩化メチレンを加え、5mol/L水酸化ナトリウム水溶液でpH10に調整し、有機層を分取した。得られた有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:メタノール=20:1〜10:1]で精製し、油状のN−{2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}−N−[2−(メチルアミノ)エチル]アミン0.19gを得た。
IR(neat)cm-1:3303, 2932, 1113, 755, 695
NMR(CDCl3)δ値:2.44(3H,s), 2.78(2H,t,J=5Hz), 2.99(2H,t,J=7Hz), 3.17(4H,s), 3.57(2H,t,J=5Hz), 3.72(2H,t,J=7Hz), 7.2-7.3(2H,m), 7.42(1H,d,J=5Hz), 7.66(1H,s), 7.79(1H,d,J=8Hz)
【0082】
実施例56
実施例55と同様にして、N−{2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}−N−[3−(メチルアミノ)プロピル]アミンを得た。
IR(neat)cm-1:3314, 2927, 2867, 1111, 1050, 755, 701
NMR(CDCl3)δ値:1.69(2H,qn,J=7Hz), 1.63(2H,s), 2.41(3H,s), 2.5-2.8(6H,m), 3.00(2H,t,J=7Hz), 3.57(2H,t,J=5Hz), 3.71(2H,t,J=7Hz), 7.21(1H,d,J=8Hz), 7.27(1H,d,J=5Hz), 7.42(1H,d,J=5Hz), 7.65(1H,s), 7.79(1H,d,J=8Hz)
【0083】
実施例57
実施例55と同様にして、:N−(3−アミノプロピル)−N−{2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}アミンを得た。
IR(neat)cm-1:3366, 2921, 2861, 1106, 1052, 755, 703
NMR(CDCl3)δ値:1.32(3H,s), 1.53(2H,qn,J=7Hz), 2.61(4H,t,J=7Hz), 2.75(2H,t,J=5Hz), 3.00(2H,t,J=7Hz), 3.57(2H,t,J=5Hz), 3.72(2H,t,J=7Hz), 7.21(1H,d,J=8Hz), 7.28(1H,d,J=5Hz), 7.42(1H,d,J=5Hz), 7.66(1H,s), 7.79(1H,d,J=8Hz)
【0084】
実施例58
3−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]−N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)プロパンアミド1.40gをテトラヒドロフラン10mLに溶解させ、氷冷下、ボラン−テトラヒドロフラン錯体の1mol/Lテトラヒドロフラン溶液12mLを滴下し、室温で18時間攪拌した。反応混合物にアセトン5mLおよび水2mLを加え同温で10分攪拌した後、6mol/L塩酸10.0mLを加え、1時間還流した。冷却後、水および酢酸エチルを加え、水層を分取した。水層に酢酸エチルを加え、5mol/L水酸化ナトリウム水溶液でpH9に調整し、有機層を分取した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:メタノール=20:1〜5:1]で精製し、淡黄色油状の3−({3−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]プロピル}アミノ)−1,2−プロパンジオール0.58gを得た。
IR(neat)cm-1:3312, 2921, 2863, 1108, 1051, 755, 702
NMR(CDCl3)δ値:1.75(2H,qn,J=6Hz), 2.5-2.8(7H,m), 2.99(2H,t,J=7Hz), 3.52(2H,t,J=6Hz), 3.5-3.6(1H,m), 3.6-3.7(2H,m), 3.68(2H,t,J=7Hz), 7.22(1H,d,J=8Hz), 7.29(1H,d,J=5Hz), 7.42(1H,d,J=5Hz), 7.67(1H,s), 7.79(1H,d,J=8Hz)
【0085】
実施例59
2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]−N−[2−(メチルスルフィニル)エチル]−1−エタナミン0.22gを酢酸エチル1.0mLに溶解させ、この溶液に4.76mol/L乾燥塩化水素−酢酸エチル溶液0.16mLを加え、室温で1時間攪拌した。析出晶を濾取し、酢酸エチルで洗浄した後、乾燥させ、2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]−N−[2−(メチルスルフィニル)エチル]−1−エタナミン・塩酸塩0.16gを得た。
融点:114〜115℃
IR(KBr)cm-1:3396, 2959, 2745, 1588, 1420, 1126, 1028, 1000, 767, 714
NMR(CDCl3)δ値:2.60(3H,s), 3.0-3.2(6H,m), 3.3-3.5(2H,m), 3.77(4H,t,J=6Hz), 7.22(1H,d,J=8Hz), 7.36(1H,d,J=5Hz), 7.42(1H,d,J=5Hz), 7.69(1H,s), 7.79(1H,d,J=8Hz)
【0086】
実施例60
実施例59と同様にして2−({3−[2−(1−ベンゾフラン−5−イル)エトキシ]−2−メチルプロピル}アミノ)−1−エタノール・塩酸塩を得た。
融点:104〜106℃
IR(KBr)cm-1:3314, 2957, 2876, 1576, 1450, 1117, 1047, 806, 699
NMR(CDCl3)δ値:0.98(3H,d,J=7Hz), 2.2-2.6(1H,m), 2.7-3.2(4H,m), 3.03(1H,t,J=7Hz), 3.2-3.8(2H,m), 3.6-3.9(4H,m), 7.21(1H,d,J=8Hz), 7.36(1H,d,J=5Hz), 7.42(1H,d,J=5Hz), 7.69(1H,s), 7.80(1H,d,J=8Hz)
【0087】
実施例61
実施例59と同様にして3−({3−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]プロピル}アミノ)−1,2−プロパンジオール・塩酸塩を得た。
融点:65〜68℃
IR(KBr)cm-1:3375, 2939, 1436, 1103, 1050, 704
NMR(CDCl3)δ値:1.9-2.1(2H,m), 2.8-3.2(6H,m), 3.5-3.8(6H,m), 4.0-4.2(1H,m), 7.19(1H,d,J=8Hz), 7.28(1H,d,J=5Hz), 7.40(1H,d,J=5Hz), 7.65(1H,s), 7.78(1H,d,J=8Hz)
【0088】
実施例62
N−{2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}−N−[2−(メチルアミノ)エチル]アミン0.19gを酢酸エチル2.0mLに溶解させ、この溶液に4.76mol/L乾燥塩化水素−酢酸エチル溶液0.38mLを加え、室温で1時間攪拌した。析出晶を濾取し、酢酸エチルで洗浄した後、乾燥させ、N−{2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}−N−[2−(メチルアミノ)エチル]アミン・二塩酸塩0.16gを得た。
融点:215〜216.5℃
IR(KBr)cm-1:2985, 2727, 1590, 1127, 1107, 705
NMR(DMSO-d6)δ値:2.57(3H,s), 2.99(2H,t,J=7Hz), 3.0-3.6(6H,m), 3.6-3.9(4H,m), 7.30(1H,d,J=8Hz), 7.41(1H,d,J=5Hz), 7.74(1H,d,J=5Hz), 7.77(1H,s), 7.79(1H,d,J=8Hz), 9.6(2H,brs)
【0089】
実施例63
実施例62と同様にして、N−{2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}−N−[3−(メチルアミノ)プロピル]アミン・二塩酸塩を得た。
融点:218〜221℃
IR(neat)cm-1:2961, 2788, 1472, 1126, 1053, 770, 716
NMR(DMSO-d6)δ値:1.8-2.2(2H,m), 2.49(3H,s), 2.7-3.2(8H,m), 3.6-3.9(4H,m), 7.28(1H,d,J=8Hz), 7.41(1H,d,J=5Hz), 7.74(1H,d,J=5Hz), 7.77(1H,s), 7.92(1H,d,J=8Hz)
【0090】
実施例64
実施例62と同様にして、N−(3−アミノプロピル)−N−{2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]エチル}アミン・二塩酸塩を得た。
融点:215.5〜218℃
IR(neat)cm-1:2961, 2742, 1535, 1129, 1054, 755, 704
NMR(DMSO-d6)δ値:1.7-2.2(2H,m), 2.7-3.2(8H,m), 3.6-3.9(4H,m), 7.29(1H,d,J=8Hz), 7.41(1H,d,J=5Hz), 7.74(1H,d,J=5Hz), 7.77(1H,s), 7.92(1H,d,J=8Hz)
【0091】
参考例1
2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]酢酸5.0gを塩化メチレン50mLに溶解させ、この溶液に、氷冷下、オキサリルクロリド2.0mLおよびN,N−ジメチルホルムアミド0.1mLを加え、室温で1.5時間攪拌した。−50℃に冷却後、メチルアミン・塩酸塩1.71gを加え、ついでトリエチルアミン8.85mLを滴下し、室温で30分攪拌した。反応混合物に氷水を加え、6mol/L塩酸でpH1に調整し、有機層を分取した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;トルエン:酢酸エチル=5:1〜2:1]で精製し、油状の2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]−N−メチルアセトアミド4.94gを得た。
NMR(CDCl3)δ値:2.54(3/2H,s), 2.60(3/2H,s), 3.01(2H,t,J=6Hz), 3.76(2H,t,J=6Hz), 3.92(2H,s), 7.21(1H,d,J=8Hz), 7.29(1H,d,J=5Hz), 7.45(1H,d,J=5Hz), 7.68(1H,s), 7.83(1H,d,J=8Hz)
【0092】
参考例2〜8
参考例1と同様にして以下の参考例2〜8化合物を得た。
参考例2:2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]−N−プロピルアセトアミド
NMR(CDCl3)δ値:0.74(3H,t,J=7Hz), 1.24(2H,sext,J=7Hz), 2.95(2H,t,J=7Hz), 3.02(2H,t,J=6Hz), 3.77(2H,t,J=6Hz), 3.92(2H,s), 6.1(1H,brs), 7.21(1H,d,J=8Hz), 7.29(1H,d,J=5Hz), 7.45(1H,d,J=5Hz), 7.68(1H,s), 7.83(1H,d,J=8Hz)参考例3:2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]−N−ブチルアセトアミド
NMR(CDCl3)δ値:0.7-1.0(3H,m),1.0-1.3(4H,m), 2.9-3.2(4H,m), 3.77(2H,t,J=6Hz), 3.92(2H,s), 6.1(1H,brs), 7.22(1H,d,J=8Hz), 7.29(1H,d,J=6Hz), 7.46(1H,d,J=6Hz), 7.69(1H,s), 7.83(1H,d,J=8Hz)
参考例4:2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]−N−(2−ヒドロキシエチル)アセトアミド
NMR(CDCl3)δ値:2.99(2H,t,J=7Hz), 3.23(2H,t,J=5Hz), 3.51(2H,t,J=5Hz), 3.75(2H,t,J=6Hz), 3.93(2H,s), 6.6(1H,brs), 7.19(1H,d,J=8Hz), 7.27(1H,d,J=5Hz), 7.43(1H,d,J=5Hz), 7.66(1H,s), 7.80(1H,d,J=8Hz)
参考例5:2−[2−(1−ベンゾフラン−5−イル)エトキシ]−N−(2−ヒドロキシエチル)アセトアミド
NMR(CDCl3)δ値:2.96(2H,t,J=7Hz), 3.26(2H,t,J=5Hz), 3.55(2H,t,J=5Hz), 3.72(2H,t,J=7Hz), 3.92(2H,s), 6.71(1H,dd,J=1,2Hz), 7.12(1H,dd,J=1,9Hz), 7.4-7.5(2H,m), 7.59(1H,d,J=2Hz)
参考例6:2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]−N−(2−メトキシエチル)アセトアミド
IR(neat)cm-1:3414, 2926, 1679, 1530, 1120, 704
参考例7:2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]−N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]アセトアミド
IR(neat)cm-1:3394, 2943, 1676, 1114, 703
NMR(CDCl3)δ値:2.18(6H,s), 2.25(2H,t,J=6Hz), 3.03(2H,t,J=7Hz), 3.21(2H,t,J=6Hz), 3.78(2H,t,J=7Hz), 3.95(2H,s), 7.22(1H,d,J=8Hz), 7.29(1H,d,J=5H
z), 7.45(1H,d,J=5Hz), 7.67(1H,s), 7.82(1H,d,J=8Hz)参考例8:2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]−N−(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)アセトアミド
【0093】
参考例9
2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]酢酸1.5gを塩化メチレン15mLに溶解させ、この溶液にトリエチルアミン2.9mLおよびイミダゾール0.48gを加えた。5℃に冷却後、塩化チオニル0.51mLを滴下し、同温で1時間攪拌した。反応混合物を−60℃に冷却後、トリエチルアミン0.97mLと3−アミノ−1,2−プロパンジオール0.69mLを加え、同温で1時間、室温で1.5時間攪拌した。反応混合物に水を加え、6mol/L塩酸でpH1.0に調整した後、有機層を分取した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた油状物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:メタノール=30:1〜10:1]で精製し、油状の2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]−N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)アセトアミド1.45gを得た。
IR(neat)cm-1:3388, 2926, 1659, 1118, 755
NMR(CDCl3)δ値:2.9-3.6(8H,m), 3.7-3.8(1H,m), 3.76(2H,t,J=6Hz), 3.94(2H,s), 6.8(1H,brs), 7.1-7.3(2H,m), 7.45(1H,d,J=5Hz), 7.67(1H,s), 7.82(1H,d,J=8Hz)
【0094】
参考例9と同様にして以下の参考例10〜14の化合物を得た。
参考例10:2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]−N−[2−ヒドロキシシクロへキシル]アセトアミド
IR(KBr)cm-1:3361, 2925, 1634, 1115, 706
NMR(CDCl3)δ値:1.0-2.0(8H,m), 3.02(2H,t,J=6Hz), 3.2-3.5(1H,m), 3.7-3.8(1H,m), 3.79(2H,t,J=6Hz), 3.95(2H,s), 5.9(1H,brs), 7.2-7.3(2H,m), 7.47(1H,d,J=5Hz), 7.70(1H,s), 7.84(1H,d,J=8Hz)
参考例11:N−(2−ヒドロキシエチル)−2−[2−(1−ナフチル)エトキシ]アセトアミド
NMR(CDCl3)δ値:3.16(2H,t,J=6Hz), 3.3-3.7(4H,m), 3,87(2H,t,J=6Hz), 3.94(
2H,s), 7.3-7.6(4H,m), 7.6-7.9(2H,m), 7.9-8.2(1H,m)
参考例12:2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]−N−(2−スルファニルエチル)アセトアミド
IR(neat)cm-1:3386, 2930, 2363, 1654, 1116, 704
NMR(CDCl3)δ値:2.2-2.4(2H,m), 2.6-3.4(4H,m), 3.79(2H,t,J=6Hz), 3.93(2H,s), 6.4(1H,brs), 7.2-7.4(2H,m), 7.47(1H,d,J=5Hz), 7.69(1H,s), 7.83(1H,d,J=8Hz)
参考例13:2−[2−(6−フルオロ−1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]−N−(2−ヒドロキシエチル)アセトアミド
参考例14:2−[3−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)プロポキシ]−N−(2−ヒドロキシエチル)アセトアミド
【0095】
参考例15
2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]酢酸3.0gをテトラヒドロフラン30mLに溶解させ、この溶液にN,N’−カルボニルジイミダゾール3.2gを加え、室温で3時間攪拌した。ついで、トリエチルアミン7.4mLおよび2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール1.68gを加え、室温で2時間攪拌した。反応混合物に水および酢酸エチルを加え、6mol/L塩酸でpH1に調整し、有機層を分取した。得られた有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム〜クロロホルム:メタノール=10:1]で精製し、油状の2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]−N−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)アセトアミド2.00gを得た。
IR(neat)cm-1:3385, 2927, 1661, 1533, 1119, 704
NMR(CDCl3)δ値:1.03(6H,s), 3.02(2H,t,J=6Hz), 3.4-3.6(2H,m), 3.78(2H,t,J=6Hz), 3.88(2H,s), 6.2(1H,brs), 7.2-7.3(2H,m), 7.46(1H,d,J=5Hz), 7.61(1H,s), 7.82(1H,d,J=8Hz)
【0096】
参考例16
2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]−N−(2−スルファニルエチル)アセトアミド0.77gを塩化メチレン7.7mLに溶解させ、ついでよう化メチル0.18mLおよびトリエチルアミン0.55mLを加え、室温で13時間攪拌した。反応混合物に水および酢酸エチルを加え、有機層を分取した。得られた有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;トルエン:酢酸エチル=3:1〜2:1]で精製し、淡黄色油状の2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]−N−[2−(メチルスルファニル)エチル]アセトアミド0.29gを得た。
IR(neat)cm-1:3387, 2917, 1673, 1115, 704
NMR(CDCl3)δ値:2.02(3H,s), 2.38(2H,t,J=6Hz), 3.03(2H,t,J=6Hz), 3.27(2H,q,J=6Hz), 3.79(2H,t,J=6Hz), 3.94(2H,s), 6.4(1H,brs), 7.27(1H,d,J=8Hz), 7.36(1H,d,J=5Hz), 7.47(1H,d,J=5Hz), 7.69(1H,s), 7.83(1H,d,J=8Hz)
【0097】
参考例17
(1)2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]酢酸5.00gを塩化メチレン50mLに溶解させ、氷冷下、オキサリルクロリド2.2mLおよびN,N-ジメチルホルムアミド0.1mLを加え、室温で30分攪拌した。ついで、減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をテトラヒドロフラン5mLに溶解させ、氷冷下、水素化ナトリウム1.01gおよびマロン酸ジ-tert-ブチル5.70mLから調整したマロン酸ジ-tert-ブチルのナトリウム塩のテトラヒドロフラン懸濁液に滴下し、同温で30分攪拌した。反応混合物を氷水および酢酸エチルの混合液中に導入し、2mol/L塩酸でpH1.0に調整後、有機層を分取した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物を塩化メチレン20mLおよびトリフルオロ酢酸10mLに加え、1時間還流した。さらに減圧下に溶媒を留去し、残留物を加熱し、脱炭酸させた。反応混合物に水および酢酸エチルを加え、有機層を分取した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=7:1〜5:1]で精製し、淡黄色油状の1−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]アセトン3.67gを得た。
NMR(CDCl3)δ値:2.11(3H,s), 3.06(2H,t,J=7Hz), 3.76(2H,t,J=7Hz), 4.03(2H,s), 7.22(1H,d,J=8Hz), 7.28(1H,d,J=5Hz), 7.43(1H,d,J=5Hz), 7.68(1H,s), 7.80(1H,d,J=8Hz)
(2)1−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]アセトン2.60gをエタノール13mLに溶解させ、氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム0.13gを加え、室温で1時間攪拌した。ついで、氷冷下2mol/L塩酸1.7mLを加え、室温で20分間攪拌した後、水および酢酸エチルを加え、有機層を分取した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物を塩化メチレン26mLに溶解させ、氷冷下、メタンスルホニルクロリド1.0mLおよびトリエチルアミン1.8mLを加え、室温で30分間攪拌し、水を加え、有機層を分取した。得られた有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=10:1〜3:1]で精製し、無色結晶の2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]−1−メチルエチルメタンスルフォネート2.75gを得た。
IR(KBr)cm-1:1332, 1175, 923, 904
NMR(CDCl3)δ値:1.36(3H,d,J=7Hz), 2.80(3H,s), 3.00(2H,t,J=7Hz), 3.56(2H,d,J=2Hz), 3.76(2H,t,J=7Hz), 4.83(1H,dq,J=2,7Hz), 7.20(1H,d,J=8Hz), 7.28(1H,d,J=5Hz), 7.43(1H,d,J=5Hz), 7.65(1H,s), 7.79(1H,d,J=8Hz)
【0098】
参考例18
2−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]プロピオン酸1.0gを塩化メチレン10mLに溶解させ、この溶液にトリエチルアミン1.84mLおよびイミダゾール0.38gを加えた。6℃に冷却後、塩化チオニル0.41mLを滴下し、同温で1時間攪拌した。反応混合物を−60℃に冷却後、トリエチルアミン0.61mLと3−アミノ−1,2−プロパンジオール0.60mLを加え、同温で1時間、室温で1時間攪拌した。反応混合物に水を加え、6mol/L塩酸でpH1.0に調整した後、有機層を分取した。有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。減圧下に溶媒を留去し、黄色油状の3−[2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ]−N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)プロパンアミド1.40gを得た。
NMR(CDCl3)δ値:2.45(2H,t,J=6Hz), 2.8-3.0(2H,m), 3.01(2H,t,J=7Hz), 3.2-3.4(3H,m), 3.66(2H,t,J=6Hz), 3.77(2H,t,J=7Hz), 7.1-7.3(2H,m), 7.30(1H,d,J=5Hz), 7.46(1H,d,J=5Hz), 7.68(1H,s), 7.83(1H,d,J=8Hz)
【0099】
【発明の効果】
本発明のN−アルコキシアルキル−N−アルキルアミン誘導体またはその塩は、優れた抗ハイポキシア作用、神経保護作用および神経再生促進作用を発揮することから、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン舞踏病、糖尿病性ニューロパシー、薬剤性ニューロパシー、外傷性神経障害などの神経変性疾患の治療剤として有用である。
Claims (1)
- 一般式
で表されるN−アルコキシアルキル−N−アルキルアミン誘導体またはその塩。
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