JP4060146B2 - 負の剛性を持つ磁気スプリング・デバイス - Google Patents

負の剛性を持つ磁気スプリング・デバイス Download PDF

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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、請求項1記載の特徴による負の剛性を持つ磁気スプリング・デバイス、および請求項33記載の特徴による振動絶縁デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
負の剛性を持つ磁気スプリングは周知である。
この点について説明すると、負の剛性という用語は、静止位置からスタートする、ベクトルによるスプリング本体上にスプリングが及ぼす力が、スプリング本体の移動方向に増大することを意味する。すなわち、スプリング本体の速度ベクトルは、スプリングの力のベクトルに平行していて、一方、反対に、正の剛性の場合には、速度ベクトルは、スプリングの力のベクトルに平行しているが、向きは反対であることを意味する。
【0003】
例えば、EP 0 127 741 B2号は、負の剛性を持つ磁気スプリングを開示している。この文献は、負の剛性を持つ磁気スプリングと正の剛性を持つ従来のスプリングとの組合わせを使用している自動車用のスプリング・システムを開示している。上記スプリング・システムは、自動車のばね仕掛けでない質量部品とばね仕掛けの質量部品との間に設置または接続するためのものである。
【0004】
(修正スプリングと呼ばれる)磁気スプリングは、一方が他方の後ろに接続され、互いに軟鉄により分離された永久磁石の2つの積み重ねから成るシステムにより区別される。この磁石の積み重ねの一方は、それがスプリング方向に移動できるように配列されており、2つの磁石の積み重ねは、同一の極が互いの近傍で停止するようにスプリングの零点で互いに対向している。
【0005】
上記比較的複雑な設計の修正スプリングの原理は、自動車のスプリング・システムのスプリングの特定の使用を基準にした場合、移動方向の集中斥力は、スプリング・システムの動作点に発生しようとし、修正スプリングのゼロ・クロシングに対応していて、それにより、高い負の剛性を持つ修正スプリングができ、この修正スプリングは、それに相当する対応する短い距離しか移動しない剛性の正のスプリングと一緒に、軟質で外側にスプリングで押すという事実に基づいている。
【0006】
このスプリングの機能は、同じ極の斥力効果に基づいているので、磁石とその位置との間の距離がほんの僅か変化しても、スプリングの安定性および特性の点で、大きな変化が起こる場合がある。しかし、この事実は、EP 0 127 741 B2号が開示しているスプリングは、ある種の目的にしか使用できないという欠点、より正確にいうと、スプリングの厚さまたはスプリングのパラメータの非常に正確な規制が必要でない場合にしか使用できないという欠点がある。それ故、このようなスプリングは、使用できないか、または特に、例えば、振動の敏感な顕微鏡のような器具の振動を絶縁するための、いわゆる振動絶縁システムのような非常に限られた用途にしか使用することができない。
【0007】
DD−A−28186号は、同様に、自動車のスプリング・システムに設置することができる負の剛性を持つ磁気スプリングを開示している。EP 0 127 741 B2号とは対照的に、従来技術のスプリングの負の剛性は、実際、磁極の斥力の効果ではなく、磁極の引力の効果に基づいている。
【0008】
この目的のために、DD−A−28186号の場合、軟鉄からできていて、相互の間隔が等しい4つの突起を含む磁気アーマチュアが、その内側に極性が交互に異なる4つの磁極が配置されていて、そのサイズおよび位置が突起に対応しているが鏡像の形をしているリング内を移動する。この配置は、意図する効果、すなわち、その進行的効果が、スプリング・プロセス中に、実際のところ、最初にスプリングの剛性が低減するが、ヌル位置から特定の距離以上湾曲すると、スプリング・システムの剛性、すなわち正の剛性が実際にはさらに増大するスプリング・システムを提供する効果との関連においてだけ理解すべきである。
【0009】
これを達成するために、システムが最初の位置に位置している場合には、アーマチュア上の突起は、2つの極の間に正確に位置していて、そのため磁石に対して不安定な位置をとることになる。スプリング・プロセス中、アーマチュアはこの位置から回転し、その結果、突起は磁極の方向に移動して、磁極により引き付けられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この場合に発生する負の剛性は、突起が磁極の位置に達する瞬間に反転する。何故なら、この点を越えると、磁石により引き付けられている突起を磁極の力の場から元の位置に反対方向に回転するために、追加の力が必要になる。このようにして、磁気スプリングに平行に接続している螺旋スプリングの(元来直線的プロファイルを持っていた)特性は、スプリング・システムの動作点を中心にして、進行的に走るスプリング特性に変換される。
【0011】
しかし、正の剛性と負の剛性との間の遷移から見ても、またアーマチュアの突起に働く磁力が直線的でなく、磁極とアーマチュアの突起との間の重なりの度合いが増大するにつれて、回転により比例より大きい比率で増大するという事実から見ても、スプリングの特性が、排他的に非直線的であることは明白である。
より詳細に説明すると、スプリングの全体的に非直線的な行動により、スプリングの使用範囲が厳しく制限され、他の振動絶縁システムでの使用に特に適さないものとしている。
【0012】
それ故、本発明の目的は、特に、柔軟な方法で使用することができ、簡単な設計で明確に調整することができ、プロセス中、直線的な特性を設定することができる負の特性を持つスプリング・デバイスおよび/またはスプリングを提供することである。
【0013】
上記目的は、請求項1記載の特徴によるスプリング・デバイスにより達成することができる。さらに、請求項31は、本発明のスプリング・デバイスが使用されている振動絶縁デバイスを定義している。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも1つの第1の磁極本体と、少なくとも1つの第2の磁極本体と、少なくとも1つの第3の磁極本体とを含む少なくとも1つの第1の磁極本体の組合わせを備える負の剛性を持つ磁気スプリング・デバイスを提供する。この場合、各磁極本体は、反対の極性を持ち、組合わせの磁極本体は、対向する磁極が相互に反対になっていて、第1および第3の磁極本体は相互に指定の距離だけ離れているように整合され、第2の磁極本体は、磁極本体が相互に運動できるように磁極本体が位置するように配置されている。
【0015】
スプリング・デバイスに、本発明により磁極本体を配置した場合、まず第一に、磁極本体間の、特に磁極本体または磁極の縁部のところの漂流磁界または磁界の勾配を選択的に制御することができる。上記選択的な制御は、マックスウェル方程式により、磁極本体上に磁気力の効果をおこす。これは、本発明者が、本発明の磁極本体の組合わせに基づいて、磁界の勾配を選択的に調整することができ、この場合、磁界の勾配を直線的にすることができ、それにより、第1の磁極本体と第3の磁極本体との間に上記距離をおいて、または磁極を特定の値に保持して、本質的に一定の負の剛性を持つ磁気スプリング・デバイスを達成することができる。
【0016】
有利な発展については、従属請求項を参照されたい。
この場合、本発明は、磁極間に少なくとも2つの重なりの度合いを形成する。
その場合、磁極本体が相互に移動すると、一方の重なりの度合いが増大し、他方の重なりの度合いが低減する。一方の重なりの度合いと他方の重なりの度合いとの間の関数的な関係により、周知の負の剛性を持つ磁気スプリングと比較した場合、本発明のスプリング・デバイスの直線性をかなり有利に改善することができる。その理由は、このような正の構成を持つシステムの場合には、指定の方法で、第2の装置の他の磁極からの引力により、第2の磁極本体または第1の磁極本体上の磁極および第3の磁極本体の力の影響の少なくとも一部を補償することができるからであり、上記影響を残りの漂流磁界まで低減することができるからである。
【0017】
このことは、重なり量の合計をほぼ一定にする場合に特に有利である。この場合、第1の装置に対して第2の装置が移動した場合でも、全重なり量は変化しない。このことは、スプリング・デバイスまたはスプリング本体の磁気抵抗は、ほぼ一定であり、その結果、磁気誘導および磁界強度は、本質的に変化しないで、その結果、第2の装置に対する力の影響は、本質的には、重なり量の縁部のところの変化量だけで決まり、全体として、本発明のスプリング本体の直線的応答が改善されることになる。これに関連して、本発明は、好適には、磁極本体を相互に有利に移動させ、その結果、磁極本体の磁極が、本質的に磁極からの磁力線に沿って移動することを指摘しておかなければならない。
【0018】
磁力線のプロファイル、すなわち、漂流磁界のプロファイルは、磁極の幾何学的形状により最も強く影響を受ける。本発明の場合には、磁極本体は、漂流磁界を形成するために、種々様々な幾何学的形状を持つ。例としては、円形および/または環状および/または長方形および/または正方形および/または対応する断面等がある。そうできる場合には、断面は同じタイプのものであっても、異なる大きさの磁極本体を使用すれば特に有利である。その理由は、本発明の目的のためには、第1および第3の各磁極本体の断面の大きさを第2の磁極本体に対して変化させる場合、磁界の勾配を調整または操作できると、特に有利であることが分かっているからである。この場合、上記磁極本体間の断面比の場合、すなわち、第1および第3の各磁極本体および第2の各磁極本体の間の断面比の場合、100%および300%の範囲内、すなわち、1:1と3:1との間に設定すると特に有利であることが分かっている。130%と200%との間の範囲が特に好適であることを強調しておかなければならない。ちなみに、1つの好適な実施形態の場合の比率は140%である。
【0019】
本発明の場合には、特に指定のスプリングの剛性を柔軟に調整するために、本発明のスプリング・デバイスは、磁束を磁極本体の組合わせを貫通して、相互に平行に、および/または相互に平行に、しかし反対方向に向けて、第1の磁極本体の組合わせばかりでなく、第2またはもう1つの磁極本体の組合わせを備えると有利である。この場合、好適な実施形態の場合には、磁束の方向は、磁極本体の組合わせを貫通して相互に平行になっていて、本発明のもう1つの特に好適な実施形態の場合には、隣接する磁極本体の組合わせの磁束の方向は、平行であるが相互に反対である。この場合、最初の実施形態は、特定のスプリングの剛性を特に慎重に設定できるというもう1つの利点を持ち、上記第2の実施形態は、比較的高い剛性を持つスプリング・デバイスを作ることができ、および/または非常に簡単な方法で組み合わせることができるという利点を持つ。
【0020】
驚くべきことに、本発明のスプリング・デバイスまたはベース・セルの磁極本体または磁極の場合には、上記スプリング・デバイスまたはベース・セルは、少なくとも2つの磁極が1つまたはそれ以上の磁石により形成されている、磁石および/または磁気本体の組合わせにより十分形成することができる。それ故、本発明は、さらに、永久磁極を持つ最小の数の磁石を使用するだけですむという利点も持ち、そのため、本発明のスプリング・デバイスの製造コストは安くなる。さらに、本発明は、このような磁極本体の組合わせは、水平方向の運動、すなわち、磁極間の磁極本体の移動方向に直角な運動による影響が少ないか、全く影響を受けないという利点もある。
【0021】
本発明の「空隙」のもう1つの有利な実施形態の場合には、本発明のスプリング・デバイスは、磁極本体間に焦点を結んでいる磁気回路を形成するための、少なくとも1つのヨークを備える。この場合、磁極本体、すなわち、特に外側の磁極本体は、磁界の磁束が閉じるようにヨークが接続されているか、またはヨークが取り付けられている第1の磁極本体および第3の磁極本体の形をしている。
【0022】
本発明のスプリング・デバイスは、磁極本体で使用することができる磁石に対して非常に有利に柔軟である。このことは、永久磁石ばかりではなく、電磁石またはこれらの組合わせも使用することができることを意味する。
【0023】
用途、すなわち、スプリングの硬度により、強誘電性で磁性を持つ軟質材料および常磁性材料の両方を磁極本体および/または1つのヨークまたは複数のヨークとして使用することができる、すなわち、その比透磁率μが、少なくとも1である材料を使用することができる。このような材料としては、特定の鉄および/または鉄の合金および/またはセラミックスおよび/または非鉄金属および/または対応する合金等がある。
【0024】
本発明のスプリング・デバイスをさらに有利なものにするために、第1の磁極本体と第3の磁極本体との間の距離、すなわち、外側の磁極本体間の距離は調整できるようになっている。本発明の場合には、非常に有利なことに、これによりスプリングの剛性を柔軟に設定することができる。この場合、スプリング・デバイスを、同時に、スプリング・デバイスが一定の剛性または直線的力プロファイルを持つ1つの距離または複数の距離に整合することができる。この目的のために、本発明のスプリング・デバイスは、ミリメートルまたはそれ以下の範囲で、上記磁極本体の間の距離を正確に設定することができる設定手段を備える。本発明の目的のためには、23〜33mmの間の値が、磁極本体間の好適な距離であることが分かっている。一定の剛性にするために、上記距離を28mmに設定することが特に好ましいことが分かっている。
【0025】
本発明のスプリング・デバイスの一部が、それにより、第2の磁極本体、すなわち、外側の磁極本体間、または第1の磁極本体と第3の磁極本体との間のある距離のところで移動することができるように、中央の磁極本体を保持することができる適当な保持手段であることも有利である。保持手段は、好適には、非磁気材料または磁化することができない材料から作ることが好ましい。
【0026】
中央磁極本体(第2の磁極本体)を、ある距離のところで、ほぼ直線的に案内することができるようにするために、直線運動から外れるのをほぼ防止する案内手段が、本発明のスプリング・デバイス内に設置されている。この目的のために、案内手段は、正の剛性を持つスプリング手段を備える。このスプリング手段は、外側の磁極本体間、または第1の磁極本体と第3の磁極本体との間のある距離のところに第2の磁極本体を保持し、スプリング平行四辺形の形に配置されている。平行四辺形を形成するリーフ・スプリングを、例えば、適当なスプリング手段として使用することができる。
【0027】
本発明のもう1つの有利な実施形態の場合には、スプリング・デバイスは結合手段を備える。結合手段は、好適には、負荷または絶縁本体へスプリング・デバイスを結合するために、また負荷または絶縁本体からスプリング・デバイスを切り離すために使用することが好ましく、振動絶縁方向に剛性または剛さを持つ一方で、この方向に直角な方向に柔軟性を持つものであることが好ましい。結合手段は、この目的のために、2つに分割されていて、好適には、結合手段内で振動絶縁方向に平行に配置されていて、結合手段の2つの部分を接続しているスプリング・ワイヤにより切り離しを行うことが好ましい。
【0028】
さらに、スプリング・デバイスは、都合のよいことに、結合手段に取り付けられていて、それによりスプリング・デバイスを負荷等に取り付けることができる、ブラケット・デバイスを備える。
【0029】
本発明のスプリング・デバイスは、都合のよいことに、スプリング・デバイス内で発生した磁界が外部に絶対漏れないように、可能な追加の遮蔽手段を備える。
【0030】
本発明のもう1つの利点は、本発明のスプリング・デバイスの磁極の組合わせを、使用に際して、空間内でどの方向を向けてもよいということである。このことは、磁極方向の移動方向をすべての空間内の方向に整合することができることを意味する。何故なら、すべての空間内の方向に一定のスプリング効果を達成するために、引力に対して補償を行いたい場合には、磁極間の距離を指定に従って調整することにより補償を行うことができる。原則としては、上記補償は、本発明により、手動でも、開ループ制御および/または閉ループ制御によってでも行うことができる。
【0031】
もちろん、本発明のスプリング・デバイスが、1つの磁極本体の組合わせだけではなく、並列および/または直列に接続しているある範囲の組合わせを含むことは有利なことであり可能である。上記のある範囲の組合わせは、要件プロファイルにより、異なるスプリング硬度の設定ができるようにするために、種々の本体で接続したり、組み合わせたりできるように相互に接続される。
【0032】
本発明の主題のもう1つの非常に有利な実施形態と一緒に、本発明のスプリング・デバイスは、また、適当な開ループ制御デバイスおよび閉ループ制御デバイスを備える。開ループ制御デバイスにより、スプリング・デバイスまたはスプリング本体のすべての操作変数に影響を与えることができる。影響を与える変数としては、例えば、磁極間の距離、例えば、コイルの接続による、またはコイル電流の増大による、または、とりわけ、全磁極の相対的位置および/または相対的速度および/またはスプリング・プロセス中の磁極間の相対加速度の制御を可能にする、もう1つの磁極本体の組合わせの接続による磁界強度等がある。
【0033】
スプリング・デバイスを完成するために、本発明のスプリング・デバイスは、振動絶縁のために正の剛性を含むスプリング本体を備えることができる。この場合、そうしたい場合には、機械的スプリングおよび/または空気スプリングおよび/または油圧スプリングおよび/または電気機械的スプリングを使用することができる。
【0034】
しかし、本発明は、スプリング・デバイスばかりではなく、同様に、特に振動絶縁のための、特に、上記の本発明のスプリング・デバイスが使用されている、例えば、顕微鏡および対応する装置のような振動絶縁のための絶縁本体または負荷の受動的および/または動的振動絶縁用の振動絶縁デバイスにも関する。これに関して、スプリング・デバイスは、好適には、負荷とスタンド面の間に自然の位置を持つことが好ましい。もちろん、他の整合も考慮の対象になる。
多数の図面を参照しながら、以下に本発明について詳細に説明する。この場合、同じ参照記号は、個々の図面の同じまたは対応するものを示す。
【0035】
【発明の実施の形態】
図1は、磁石間の距離の関数としての、2つの相互に引き合う磁石の間の引力の増大を示す特性である。原則としては、磁石が幾何学的形状および材料の点で指定の構造を持っている場合には、磁極の間の距離は、唯一の支配的なパラメータである。当業者であれば、異なる極性の磁極は相互に引き合うこと、および図1を見ればよく分かるように、引力は磁極間の距離が狭くなっても直線的に増大しないことを理解することができるだろう。
【0036】
移動方向の力の増大により、磁石はその相対的な移動中に負の剛性を持つ。図1に示す2つの磁石の間の非直線的な力の上昇は、例えば、磁石間の引力を打ち消す磁石の一方に掛かる力を補償することができる。これについては、以下にさらに詳細に説明する。
【0037】
図2は、磁極本体2a、2b、3および/または、磁化することができ、また磁石本体2a、2b、3の磁極の間で、本発明の意味で、引力を直線的にすることができる磁極本体2a、2b、3との組合わせである。磁気回路は、4つの基本的素子を含む。最初に、回路は、通常は空気で満たされていて、場合によっては、空気のように、通常、μ≒1の透磁率を持つ液体を含むことができるギャップ25を持つ。さらに、磁気回路は、軟鉄のヨーク8を持つ。ヨークは、磁気回路で磁力線の焦点を合わせるためのものであり、好適には、透磁率の高い(μ≒1000)強磁性体またはフェリ磁性体からできていて、磁力線の焦点を最適に合わせることができるものであることが好ましい。さらに、磁気回路は、高い保磁力を持つ3つの永久磁石2a、2b、3、または本発明の必要な磁界を発生するのに上記永久磁石の中の少なくとも2つを必要とする、磁界を発生するための2つの磁気コイルを含む。
【0038】
図3は、図2の配置の磁力線のプロファイルである。この図は、ギャップ25aおよび25bの縁部I、IIのところに漂流磁束を含むギャップ25a(上部ギャップ)およびギャップ25b(下部ギャップ)内の磁力線のプロファイルを示す。この図は、また、他の磁極本体に対して磁石または磁極本体3が移動した場合に、量または重なり量25a−IIIが、重なり量25b−IIIの減少と同じだけ増大し、その結果、2つの重なり量を含む全重なり量が一定になる様子を示す。これとは対照的に、量IおよびIIは、中央磁極本体3の位置について直線的に変化しない。そのため、この場合には、中央の磁気誘導は、もはや一定のままではない。全体として、このことは、特にこの非直線性のために、磁気エネルギーは、磁極本体2a、2bに対する磁極本体2の相対的位置により変化し、その結果、磁極本体上の引力が発生することを意味する。このことは、ギャップ25aおよび25b内の磁界勾配の変化が有意の原因であること、または本発明のスプリング・デバイス装置の負の剛性の有意な原因であることを意味する。この点に関して、本発明の磁気回路の非直線性は、上記の現象だけでは説明できないことを言っておかなければならない。何故なら、特に、ヨーク8を貫通する寄生磁束も原因の一部であるからである。
【0039】
磁界勾配または漂流磁束は、第一に、磁極2aおよび2b間の距離h、および幾何学的形状および/または断面により影響を受ける場合がある。上記のこのパラメータが十分に一致している場合には、本発明の磁気回路内の磁界強度を直線的にすることができ、この場合、磁極本体の断面は、通常異なる大きさを持つ。
【0040】
図4および図5は、本発明のスプリング・デバイスの直線性に対する、上部磁極本体2aと下部磁極本体2bとの間の距離hの変化の影響を示す。図4は、引力が相互に打ち消し合う、外部磁極本体2aと2bとの間の中心(z=h/2)内の休止位置からスタートする、外部磁極本体2aと2bに対する図2または図3の中央磁極本体の剛性と位置zとの間の関係を示す。この図は、スプリング・デバイスの剛性が、h=28mmの距離の値に対して約±2.5mmの範囲内でほぼ一定のプロファイル持つことをはっきりと示している。このことは、距離の値がh=33mmまたは23mmの場合には、上記範囲に対して当てはまらない。何故なら、これらの距離の場合、曲線の形になり、かなりの非直線性を観察することができるからである。
【0041】
図5は、各磁極本体間距離に対する、図4に対応するスプリング力のプロファイルである。従って、図5は、本体の磁極2aと2bへの距離zの関数としての、図2に示すような、本体3に対するスプリング力の影響を示す。図5の曲線から分かるように、特に上記距離がh=28mmである場合には、本発明のスプリング・デバイスは、比較的広い範囲内で、磁気本体2に対してほぼ直線的な力の影響を与えることができる。
【0042】
全体的にいって、図6は、外部磁極本体2aおよび2bに対する、休止位置すなわち、動作位置(平衡位置)からの第2の磁極本体3(図3、図4、図9)の剛性と湾曲との間の関係を示す4つのグラフである。個々のグラフは、中央磁極本体3と外部磁極本体2aおよび2b(図9)の間の異なる幅、および/または断面比に関する。実線(比:100%)は、磁極本体2a、2bおよび3(図9)の幅B−2a、B−2bおよびB−3(図9)が同じである場合の幅の比率に対応する。比率150%は、外部磁極本体2a、2bが、それぞれ中央磁極本体3の幅の1.5倍の幅を持つ場合に関連する。対応する状況は、比率170%(1.7倍)および200%(2倍)にも当てはまる。図6のグラフは、磁極本体間の比率が大きければ大きいほど、湾曲の全範囲における負の剛性がますます一定になり、負の剛性の絶対値がますます小さくなることを示す。さらに、図6に示すように、曲線のプロファイルも、外側の磁石2a、2bの間の距離h(図2)に依存することにも言及しておく必要がある。全体的に、このことは、剛性を最適化する場合には、外側の磁石間の距離および磁極本体の幅の両方を考慮に入れなければならないことを意味する。図6の曲線のプロファイルは、図9の実施形態に基づいて、モデル(下記参照)により入手したものである。この場合、第2の磁石、すなわち、中央の磁石3の大きさは、10×10×30mmである。すなわち、中央の磁石の幅B−3は10mmであり、長さ1magn3は10mmであり、奥行きは35mmであり、また外側の各磁石の大きさは、幅B−2a/bは10〜17mmであり、長さ1magn2a/bは7mmであり、奥行きは35mmである。外側の磁石2aおよび2bの間の公称距離hは、24mmに固定されていて、3つの磁石の各組合わせの間の距離は6mmに固定されている。
【0043】
本発明と一緒に得られた上記知識は、特に、外側の磁極本体2a、2bが最大内側の磁極本体3の3倍である、小さな磁極本体の場合には、同じ磁束密度の大きな磁極本体の場合よりも、直線特性および剛性特性が改善され、その結果、特に、磁極本体の組合わせは、本発明の目的に対して主要な働きをすることも意味する。
【0044】
本発明のスプリング・デバイスと一緒に、特に、図2の実施形態と一緒に、永久磁石および/または電磁石ばかりでなく、組合わせのオプションを使用することができ、また、磁化することができ、例えば、軟鉄、常磁性材料までのすべての材料からできているものを使用することもできる。下記のテーブルは、最大4つの磁極を使用する状況に対する種々の組合わせのオプションを示す。例えば、図2の直列に接続しているシステムの形をしている、4つ以上の磁極を持つスプリング・デバイスも、もちろん、本発明の範囲内に含まれる。
【0045】
【表1】
Figure 0004060146
【0046】
図7および図8は、それにより、本発明のスプリング・デバイスの性能を個々の基準に基づいて設定することができる2つのタイプの磁極本体の組合わせを示す。
【0047】
図7は、全部で、それぞれの場合、各基本セルが3つの磁極本体2a、2b、3を含む、相互に平行に配列されている3つの磁気基本セル1を含む、一組の磁極本体を示す。平行な基本セルの磁化は、それぞれの場合、同じ方向を向いている。すなわち、磁化方向4は相互に平行である。ヨークを貫通する磁束5は、3つのすべての基本セルが発生する。基本セル1は比較的小さいので、磁極本体のセットのこの実施形態を使用して、本発明のスプリング・デバイスに必要な剛性を与えるために、他の基本セルを追加することにより特定の基準に基づいて容易に拡張することができる。
【0048】
図8の変形実施形態の場合には、1つの基本セル1は、全部で6つの磁極本体を含み、その場合、上記基本セル1は、その磁極本体の組合わせが図7の基本セルと同じであるサブセル1aおよび1bを含む。磁気サブセルは、各サブセルの磁化方向4が相互の平行に、しかし反対方向になるように相互に配列される。ヨークを貫通する磁束5は、この実施形態の場合には、1つのサブセルの外側の各磁極本体または磁石2a、2bからのものであり、基本セル1の隣接するサブセル内に開いている磁力線により供給され、その結果、各サブセル1aおよび1bの外側の各磁極本体2a、2bは、ヨークを通して相互に接続している。サブセル1a、1bの間の磁束の経路が比較的短い、本発明のこの例示としての実施形態の場合には、このことは特に有利である。さらに、この構成により、高い剛性を容易に達成することができる。
【0049】
図7および図8の変形実施形態は、もちろん、任意の必要な負のスプリング剛性を達成するために、相互に組み合わせることができる。
図9は、図8の1つの基本セルの使用に基づく、本発明のスプリング・デバイスの一例である。6つの永久磁石2a、2b、3、2a’、2b’3’全部は、この目的のために使用され、スタック状に配置されていて、各永久磁石は、相互に沿って各サブセル1aおよび1b用の3つの永久磁石を持つ。各組合わせ1aおよび1bは、それぞれ、積み重ねられた3つの永久磁石を含み、反対の極性が相互に向き合っていて、磁化方向が反対になっている。磁石2a、2b、3、2a’、2b’3’は、シリンダー状をしていて、磁石3および3’の断面は、外側の磁石2a、2b、2a’、2b’の断面より小さい。
【0050】
図9のこの例示としての実施形態の場合には、本発明のスプリング・デバイスは、負荷19が任意のスプリングの剛性を認識しないように、またはかなり低減したスプリング剛性を認識するように、スプリング20を修正するためのものである。
【0051】
下部磁石2b、2b’は、下部磁気ヨーク8bに取り付けられる。ヨーク8bはサブセル1aからの磁力線5をサブセル1bに運び、装着用壁部22cにしっかりと接続している。両方の上部磁石2a、2a’は、ヨーク8aに取り付けられている。ヨーク8aは、同様に、サブセル1bからの磁力線5をサブセル1aに運ぶ。しかし、ヨーク8aは、装着用壁部22cに直接取り付けられないで、設定装置18を通して装着用壁部22cに接続される。設定装置により、ヨーク8aとヨーク8bとの間の距離を変更することができる。それ故、この方法により磁気剛性を調整するために、磁石2a、2a’および2b、2b’の間の距離も調整することができる。
【0052】
外側の磁石2a、2a’および2b、2b’の間の中心内の磁石3、3’は、移動非磁気ホルダー6にしっかりと接続している。この磁石マウントは、案内手段21により上下に移動することができる。この実施形態の場合には、案内手段21は、直線的に移動し、平行四辺形の形をしている弾性案内装置21を備える。この案内装置は、2つのリーフ・スプリング7および14を備える。上部リーフ・スプリング7および下部リーフ・スプリング14は、一方の側面で装着用壁部22bに、他方の側面で硬質の本体26に接続している。案内装置21は、磁石の移動方向に直角なすべての水平方向の運動を実質的に防止し、すべての傾斜運動を実質的に防止する。実質的に行うことができる唯一の運動は、図の矢印の方向への並進運動だけである。
【0053】
それ故、案内される磁石3、3’は、並進方向に直角な方向に高い剛性を持つ。負荷19の上に働く水平方向の力および運動から、図8に示すスプリング・デバイス上に働く水平方向の力および運動を切り離すために、図8のスプリング・デバイスは、切離し手段または切離し素子9を備える。切離し素子は、負の剛性が負荷の上に働くように、スプリング・デバイスにより形成されていて、磁石3、3’、非磁気ホルダー6および案内装置21を含む移動ユニットを負荷19に接続する。
【0054】
基本セル1(図8)の負の剛性は、案内装置の剛性より大きく、そのため、スプリング20の剛性を補償する。
図10、図11、図12および図13は、図9に示す本発明のスプリング・デバイスの技術的実施を示す。
【0055】
図9は、図8に示すものに対応する技術的実施形態の断面図である。切離し素子9および接続ブラケット12とは異なり、本発明のこの実施形態は、その大きさが107×79×75mm(幅×長さ×奥行き)のボックス内に設置される。外側の磁石2a、2b、2a’、2b’の大きさは、7×14×35mm(幅(B)×長さ(l)×奥行き)であり、中央磁石3、3’の大きさは、10×10×30mm(幅×奥行き×高さ)である。このことは、幅の比率が143%であることを意味する。磁石は、GSN−40、モリブデン磁石である。
【0056】
図9のスプリング・デバイスの剛性は、−16N/mmから−38N/mmの範囲内で調整することができる。
磁石2a、2a’および2b、2b’の間の距離を調整するための設定装置は、サイド・プレート10aおよび10bの間の上部ヨークのスライド案内を含む。サイド・プレートは、この目的のためのスロット開口部を備える。下部ヨーク8bは、ヨークおよび/またはスプリング・デバイスを取り付けるための、多数の孔部を有する。この実施形態の磁石マウント6は、磁石ホルダー6bおよび閉鎖部材6aを含む。これらの部材は、磁石3を完全に囲んでいる。磁石マウントは、非磁気材料から作られる。
【0057】
図10は、弾性平行案内21の断面の一部だけを示す。この場合、上部リーフ・スプリング7だけを見ることができる。図11は、下部リーフ・スプリング14を示す。この下部リーフ・スプリングはスプライスされ、スプリング・デバイスの外側に位置する。図10の参照番号15aおよび15bは、リーフ・スプリング14の2つのスプライスされた部分を示す。図12および図13は、この実施形態のスプライスされたリーフ・スプリング14の外観をもっとはっきり示す。
【0058】
図10または図11の変形実施形態の場合には、硬質の本体26(図9)は、参照番号13、16a、16b、6a、6b、17aおよび17bで示すスプリング・デバイスの部材により形成されている。この場合、下部リーフ・スプリング14は、点14a、14bに取り付けられている。このリーフ・スプリングの他方の端部は、対照的に、カバー11に接続されている。この接続は、図9の装着用壁部22bへの取付けに対応する。何故なら、カバー11は、サイド・プレートまたは装着用壁部10bに接続しているその部分用のものであるからである。カバーは、このようにして、スプリングの平行四辺形を調整することができるように、プレート10b上を少し移動することができる。
【0059】
接続手段9は、3つの部分から成る。ワイヤ・スプリング9bは、重要な部材の中の1つである。ワイヤ・スプリング9bは、スリープ9aおよびプラグ9cに接続している。この場合、磁極本体の移動方向から直角方向への切離しは、ワイヤ・スプリング9bの曲げ機能により確実に行われる。接続ブラケット12に対する切離しユニット9のレベルは、スリープ9a内のネジ山により調整することができる。
【0060】
本発明のスプリング・デバイスが発生した磁界が、決して外部に漏れないようにするために、スプリング・デバイスは、追加の遮蔽ストリップ15a、15b,15cおよび15dを備える。
【0061】
図9、図10および図11の実施形態の図13の三次元の図面は、また、スプリング・デバイスの下部を示す。この図は、また、それにより、スプリング・デバイスを簡単に取り付けることができる、下部ヨーク8b内のネジ山付きの孔部を示すが、これは単に例示としてのものにすぎない。
【0062】
図14および図15は、本発明のもう1つの可能な実施形態を示す。
この場合、図14は、上記可能な実施形態の略図である。図14に示す例示としての実施形態の場合には、図9の実施形態と比較した場合、2つの磁石3および3’および非磁気マウント6の代わりに軟鉄部材2が使用されている。図14を見れば分かるように、そのため、磁石2a、2bおよび2a’、2b’と軟鉄部材23との間の磁力線のプロファイルが変化している。磁力線は、もはやほぼ垂直方向を向いていない。すなわち、磁極本体の組合わせの移動方向に沿っていないが、移動方向にほぼ直角になっていて、そのため、磁気基本セル1の磁気サブセル1cおよび1dは、もはや垂直方向をではなく、水平方向を向いている。
【0063】
図9の場合には、磁力線4は、下部ヨーク8bの磁束経路5を通って、上部磁石2aから中央磁石3、下部磁石2bに延びていて、その後で、上部ヨーク8b内の磁束経路5を通って、サブセル1bの磁石を通って上に延び、再び上部磁石2aに戻る。図14に示す配置の場合、主要な経路は2つある。
【0064】
第1の磁束経路4aは、磁極本体装置の中央部分内の軟鉄部材を通って、上部磁石2aから、直接、下部磁石2bへ延びていて、その後で、引き続き下部ヨーク8b内の磁束経路5を通って磁石2b’に延び、そこから軟鉄部材23を通って上部磁石2a’に延び、上部ヨーク8aを通って上部磁石2aに戻る。
【0065】
第2の磁束経路は、2つの上部磁石2aおよび2a’と2つの下部磁石2bおよび2b’との間の経路に対応する。第2の磁束経路は、磁極本体の組合わせの寸法によっては、第1の磁束経路より重要である。それ故、サブセルは、例示としての実施形態の「空隙」の場合には、もっと大きく水平方向を向いている。図14のスプリング・デバイスの利点は、特に、永久磁石の数が少なくてすむこと、およびスプリング・デバイスの製造コストが安いことである。さらに、図14のシステムは、磁極本体の組合わせの中央の軟鉄部材23の水平方向の移動により影響を受けない。その理由は、特に軟鉄部材が磁石と比較して比較的大きい場合には、磁石と軟鉄部材との間の磁界が変化しないで、そのため、軟鉄部材が水平方向に移動しても、水平方向の力が発生しない。そのため、図14および図15の実施形態は、軟鉄部材23用の垂直方向の案内の剛性24は低くてもよく、それにより、例えば、それ自身絶縁される負荷が案内としてうまく働き、水平方向の力および移動の影響を受けないし、移動する軟鉄部材を負荷に直接接続することができ、その場合、水平方向の切離しは必要ない。
【0066】
図15は、軟鉄部材を含む、本発明による、また図14に示すスプリング・デバイスのある実際の実施形態を示す。
図15の断面は、図10の断面に非常によく似ている。違いは、磁石3および3’およびその部材6aおよび6bを含む磁石マウント6の代わりに、軟鉄部材23が使用されていることである。
【0067】
軟鉄部材は、垂直方向に移動することができるように、4つの磁石2a、2bおよび2a’、2b’の間に位置する。上部磁気サブセル1dは磁石2aおよび2aを備え、この場合、磁石2aは下向きに磁化され、磁石2a’は上向きに磁化され、下部磁気サブセル2cは磁石1bおよび1b’を備える。この程度まで、図9を参照する。
【0068】
図15に示す構成は、水平方向の軟鉄部材の上記の許容誤差を使用しない。実際には、部材23は、2つのリーフ・スプリング7および14、または14aおよび14bを含み、さらに、部材13、16a、16b、17aおよび17bからなる硬質部材を備える、弾性平行四辺形の案内により水平方向に移動できない。この場合には、スプリング・デバイスの強い水平方向の剛性により、切離し素子9も必要になる。
【0069】
弾性平行四辺形の案内および切離し素子9を備えるスプリング・デバイスの構成の利点は、負荷の垂直方向の案内に追加の要件が掛からないことである。
負の剛性を持つ本発明のスプリング・デバイスは、例えば、振動により影響を受ける顕微鏡または任意の他の装置の振動絶縁用に、空気スプリングと一緒に使用され、その結果、絶縁システムの固有周波数を低減することができ、それにより振動絶縁を効果的に改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】2つの相互に引き合う磁極の力/運動関係を示す。
【図2】本発明のスプリング・デバイスの略図である。
【図3】図2のスプリング・デバイスの磁力線のプロファイルである。
【図4】図2および図3に示す中央磁極本体と外側の磁極本体の磁極との間の相対距離の関数としての負の剛性を示す。
【図5】図4から各磁極本体間距離hに対するスプリング力のプロファイルである。
【図6】外側の磁極本体と内側の磁極本体との間の種々の断面比の剛性間の関係を示す、全部で4つのグラフである。
【図7】本発明のスプリング・デバイスのある可能な実施形態による磁極本体の組合わせである。
【図8】本発明のスプリング・デバイスのためのもう1つの磁極本体の組合わせである。
【図9】図8に示す方向とは反対方向の磁束を含むある実施形態の略図である。
【図10】図9の実施形態の技術的実施の断面図である。
【図11】図9の実施形態の技術的実施のもう1つの断面図である。
【図12】図9、図10および図11の実施形態の三次元図である。
【図13】図9、図10および図11の実施形態のもう1つの三次元図である。
【図14】1つの磁極本体が軟鉄の部品を含む、本発明の第2の実施形態の略図である。
【図15】図14の実施形態の技術的実施の断面図である。

Claims (34)

  1. 負の剛性を持つ磁気スプリング・デバイスであって、少なくとも1つの第1の磁極本体(2a)と、少なくとも1つの第2の磁極本体(3)と、少なくとも1つの第3の磁極本体(2b)とを含む少なくとも1つの第1磁極本体組合わせを備え、各磁極本体が反対の極性を持ち、前記組合わせの前記磁極本体が、対向する磁極が相互に反対になっていて、前記第1の磁極本体(2a)および前記第3の磁極本体(2b)が、相互に指定の距離(h)だけ離れていて、前記第2の磁極本体(3)が、相互に運動できるように前記磁極本体(2a、2b、3)が位置するように配置されている磁気スプリング・デバイス。
  2. 請求項1記載のスプリング・デバイスにおいて、一方の重なり量を増大させ、他方の重なり量を減少させるような、相互間の前記磁極本体(2a、2b、3)の運動により、少なくとも2つの重なり量(25a−III、25b−III)が、前記磁極本体(2a、2b、3)の磁極間に形成されるスプリング・デバイス。
  3. 請求項1または請求項2記載のスプリング・デバイスにおいて、前記磁極本体(2a、2b、3)および/または前記磁極が、円形および/または環状および/または長方形および/または正方形および/または対応する断面を持つスプリング・デバイス。
  4. 請求項1または請求項3記載のスプリング・デバイスにおいて、前記磁極本体(2a、2b、3)および/または前記磁極が、異なる大きさの断面または幅を持つスプリング・デバイス。
  5. 請求項4記載のスプリング・デバイスにおいて、前記第1の磁極本体(2a)および前記第3の磁極本体(2b)の断面または幅が、前記第2の磁極本体(3)の断面または幅に対して、ほぼ100%〜300%の比率を有するスプリング・デバイス。
  6. 請求項5記載のスプリング・デバイスにおいて、前記比率が140%に対応するスプリング・デバイス。
  7. 前記請求項の何れか1項記載のスプリング・デバイスにおいて、前記スプリング・デバイスの前記磁極本体(2a、2b、3)が、前記磁極からの磁力線(4)にほぼ沿って移動することができるスプリング・デバイス。
  8. 前記請求項の何れか1項記載のスプリング・デバイスにおいて、前記第1の磁極本体の組合わせ(1)の他に、前記スプリング・デバイスが、第2またはもう1つの磁極本体の組合わせを含み、前記磁極本体の組合わせを通る磁束の方向が、ほぼ平行を向いているか、および/またはほぼ平行であるが、相互に反対方向を向いているスプリング・デバイス。
  9. 請求項8記載のスプリング・デバイスにおいて、前記磁極本体の組合わせ(1)を通る前記磁束の方向が、相互にほぼ平行であることを特徴とするスプリング・デバイス。
  10. 請求項8記載のスプリング・デバイスにおいて、隣接する磁極本体の組合わせ(1a、1b)の磁束の方向がほぼ平行であるが、相互に反対の方向を向いているスプリング・デバイス。
  11. 前記請求項の何れか1項記載のスプリング・デバイスにおいて、前記スプリング・デバイスが、前記磁極本体が磁石および/または磁気本体を含み、少なくとも2つの磁極本体が1つまたはそれ以上の磁石を含むことができることを特徴とするスプリング・デバイス。
  12. 前記請求項の何れか1項記載のスプリング・デバイスにおいて、前記スプリング・デバイスが、前記磁極本体の間に焦点を合わせた磁気回路を形成するために、1つのヨークまたは多数のヨーク(8a、8b)を備えるスプリング・デバイス。
  13. 前記請求項の何れか1項記載のスプリング・デバイスにおいて、前記磁極本体(2a、2b、3)が、永久磁石および/または電磁石を備えるスプリング・デバイス。
  14. 前記請求項の何れか1項記載のスプリング・デバイスにおいて、前記磁極本体(2a、2b、3)および/または前記ヨークが、少なくとも1の比透磁率μを有する磁気材料を含むスプリング・デバイス。
  15. 前記請求項の何れか1項記載のスプリング・デバイスにおいて、前記磁極本体(2a、2b、3)および/または前記ヨーク(8a、8b)が、鉄および/または鉄の合金および/またはセラミックスおよび/または非鉄金属および/または対応する合金を含むスプリング・デバイス。
  16. 前記請求項の何れか1項記載のスプリング・デバイスにおいて、前記第1の磁極本体(2a)と前記第3の磁極本体(2b)との間の距離を調整することができるスプリング・デバイス。
  17. 前記請求項の何れか1項記載のスプリング・デバイスにおいて、前記スプリング・デバイスが、前記第1の磁極本体(2a)と前記第3の磁極本体(2b)との間の距離(h)を設定するための設定手段(18)を備えるスプリング・デバイス。
  18. 請求項1、請求項16または請求項17記載のスプリング・デバイスにおいて、前記距離(h)が、23mm〜33mmの範囲内の値を持つスプリング・デバイス。
  19. 請求項18記載のスプリング・デバイスにおいて、前記距離(h)が、28mmの値を持つスプリング・デバイス。
  20. 前記請求項の何れか1項記載のスプリング・デバイスにおいて、前記スプリング・デバイスが、前記第1の磁極本体と前記第3の磁極本体との間の距離(h)のところに、前記第2の磁極本体(3)を保持するための保持手段(6)を備えることを特徴とするスプリング・デバイス。
  21. 前記請求項の何れか1項記載のスプリング・デバイスにおいて、前記スプリング・デバイスが、前記第1の磁極本体(2a)と前記第3の磁極本体(2b)との間の距離(h)のところに、前記第2の磁極本体(3)を案内するための案内持手段(21)を備えるスプリング・デバイス。
  22. 請求項21記載のスプリング・デバイスにおいて、前記案内手段(21)が、スプリング平行四辺形を備えるスプリング・デバイス。
  23. 請求項22記載のスプリング・デバイスにおいて、前記スプリング平行四辺形が、正の剛性を持つリーフ・スプリング(14、7)を備えるスプリング・デバイス。
  24. 請求項23記載のスプリング・デバイスにおいて、前記リーフ・スプリング(14)がスプライスされているスプリング・デバイス。
  25. 前記請求項の何れか1項記載のスプリング・デバイスにおいて、前記スプリング・デバイスが、負荷へ前記スプリング・デバイスを接続し、負荷から前記スプリング・デバイスを切り離すための接続手段(9)を備えるスプリング・デバイス。
  26. 請求項25記載のスプリング・デバイスにおいて、前記接続手段(9)が、スプリング・ワイヤを備えるスプリング・デバイス。
  27. 前記請求項の何れか1項記載のスプリング・デバイスにおいて、前記スプリング・デバイスが、前記スプリング・デバイスを取り付けるためのブラケット・デバイス(12)を備えるスプリング・デバイス。
  28. 前記請求項の何れか1項記載のスプリング・デバイスにおいて、前記スプリング・デバイスが、前記内部磁界を遮蔽するための遮蔽手段(15a、15B)を備えるスプリング・デバイス。
  29. 前記請求項の何れか1項記載のスプリング・デバイスにおいて、前記スプリング・デバイスが、すべての空間方向で整合することができるスプリング・デバイス。
  30. 前記請求項の何れか1項記載のスプリング・デバイスにおいて、前記スプリング・デバイスが、並列および/または直列に接続している磁極本体の組合わせ(2a、2b、3)を備えるスプリング・デバイス。
  31. 前記請求項の何れか1項記載のスプリング・デバイスにおいて、前記スプリング・デバイスが、開ループ制御デバイスおよび/または閉ループ制御デバイスを備えるスプリング・デバイス。
  32. 前記請求項の何れか1項記載のスプリング・デバイスにおいて、前記スプリング・デバイスが、機械的スプリングおよび/または空気スプリングおよび/または油圧スプリングおよび/または電気機械的スプリングを含む、少なくとも1つの第2のスプリング本体を備えるスプリング・デバイス。
  33. 前記請求項の何れか1項記載の少なくとも1つのスプリング・デバイスにより区別される、特に振動絶縁のための、また特に振動に敏感な装置の振動絶縁のための、絶縁本体または負荷の受動的および/または動的振動絶縁用の振動絶縁デバイス。
  34. 請求項31記載の振動絶縁デバイスにおいて、前記スプリング・デバイスが、相互に並列および/または直列に接続している振動絶縁デバイス。
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