JP4059086B2 - Photoelectron emission plate and negative particle generator using the same - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気にマイナス粒子を付加する装置に関するものであり、特に光電効果により発生する光電子を利用したマイナス粒子発生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のマイナス粒子発生装置としては、光電子放出材に紫外線を照射することにより光電子を発生し、ファンと集塵フィルタ等によって微粒子を除去された高清浄度の空気が装置に入り、集塵フィルタ等によって除去されなかった微粒子が光電子を捕獲することによりマイナス粒子となり、装置から出て空気中に放出されるというものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特公平8−10616号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の構成では、光電子放出材への紫外線照射より始まるマイナス粒子の発が、時間が経過するにつれて減少するという課題があった。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、時間が経過してもマイナス粒子の発生量が減少しないマイナス粒子発生装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために、本発明のマイナス粒子発生装置は、基板上にバリア性を有するバリア膜を設け、前記バリア膜の上に光照射により光電子を放出する放出膜を設けた光電子放出板を用いて、マイナス粒子を発生させるようにした。
【0007】
本発明者らは、マイナス粒子の数が減少する原因が、光照射により光電子放出材のピンホールを通して拡散した光電子放出材以外の化合物が光電子放出材の表面を被覆することを見いだした。この結果、光電子放出材の下にバリア性の高い膜を設けることで、時間が経過してもマイナス粒子の発生量が減少しなくなるものである。
【0008】
【発明実施の形態】
請求項1に記載の発明は、基板上にバリア性と導電性を有するバリア膜を設け、前記バリア膜の上に光照射により光電子を放出する放出膜を設けた光電子放出板であって、前記バリア膜が電気的に接地されており、前記放出膜の膜厚が前記バリア膜の表面の最大表面粗さよりも厚いことを特徴とする光電子放出板とした。これにより、バリア膜は、光照射により光電子を放出する放出膜内を下地材が拡散することを防止し、下地材がこの放出膜表面を被覆することを防ぐことで、マイナス粒子発生時間の経過により、マイナスイオン数が大きく減少することのない、すなわち長期にわたり耐久性に優れた光電子放出板となる。
【0009】
また、放出膜の膜厚が、バリア膜の表面の最大表面粗さよりも厚いことにより、光電子放出板の最表面のすべてから光電子を放出するので、長期にわたり、耐久性に優れかつ多くのマイナス粒子を放出する光電子放出板となる。
【0010】
また、マイナス粒子の発生により不足した光電子放出板の電子を、導電性を有するバリア膜が電気的に接地されることで補うことができ、そのため、長期にわたり、耐久性に優れかつ多くのマイナス粒子を放出する光電子放出板となる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、特に、請求項1に記載のバリア膜が、Ti、Zrの各々の窒化物若しくは炭化物若しくはITO若しくは酸化錫又はこれらの複合物であることを特徴とする。これにより、バリア膜のバリア性が格段に向上するので、そのため、さらに長期にわたり、耐久性に優れかつ多くのマイナス粒子を放出する光電子放出板となる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、特に、請求項1または2に記載の基板が導電性を有することを特徴とする。そして、導電性基板上に、バリア性かつ導電性を有する膜とその直上に光照射することにより光電子を放出する膜を有する光電子放出板により、不足した光電子放出板の電子を、バリア性かつ導電性を有したバリア膜を経由して導電性基板が電気的に接地されることで補うことができ、そのため、長期にわたり、耐久性に優れかつ多くのマイナス粒子を放出する光電子放出板となる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、特に、請求項3に記載の基板がステンレスであることを特徴とする。これにより、ステンレスの緻密な表面酸化被膜により、光照射によるステンレス金属成分の表面拡散をブロックするので、長期にわたり、より耐久性に優れかつ多くのマイナス粒子を放出する光電子放出板となる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光電子放出板と、前記光電子放出板の放出膜に光照射するための光源とを備え、光電子放出板の表面に酸素を流すことによりマイナス粒子を発生させることを特徴とするマイナス粒子発生装置とした。これにより、より多くの酸素マイナス粒子を供給することができると共に、マイナスイオン数が大きく減少することのない、すなわち長期にわたり耐久性に優れたマイナス粒子発生装置となる。
【0015】
また例えば、酸素マイナス粒子を空気清浄機に用いた場合、その空間においてリラックス効果を、また冷蔵庫に用いた場合、食品の酸化防止、保湿効果を、さらに半導体製造設備においては除電を、長期にわたり維持できるようにもなる。
【0016】
なお、バリア膜としては、上記の他にセラミック膜がおよびそれらの複合化合物が有効である。
【0017】
また、基板としては上記の他に、導電性を有するものとしてはアルミニウム等の金属もしくは合金が有効である。また導電性を有しなくてもよく、ガラス、プラスチック等が有効であり、バリア性を有しかつ導電性を有する膜を設け、それを電気的に接地することでることで、マイナス粒子を多くすることができる。
【0018】
また、バリア性を有しかつ導電性膜としては、上記の他導電性セラミックまたはそれらの複合化合物が有効である。
【0019】
また、光照射することにより光電子を放出する膜としては、金属もしくは導電性セラミックが有効である。
【0020】
【実施例】
(参考例1)
以下、参考例1のマイナスイオン発生装置について、図1を用いて説明する。1は光電子放出板、2は1に光照射するためのランプ(光源)であり、光電子放出板1はランプ2を挟み込むように通風口の上下壁に接地されている。通風口の背後にはファンが設置され、通風口に空気を送るようになっている。また特に明記のない場合には光電子放出板1の基板側に電気的に接地するアース線3が設置されている。
【0021】
なお、ランプ2は6Wの冷陰極管を使用し、空気の送風量を200L/minとした。また、特に明記しない場合、すべてのスイッチをonにした。
【0022】
参考例1の光電子放出板として、アクリル基板上にスパッタ法でシリカ1μmを設け、その上に金1μmを蒸着し、光電子放出板1Aを作製し、図1のマイナスイオン発生装置に搭載し、動作時間に対するマイナス粒子の数を測定した。なお、電気的接地は金膜で行った。
【0023】
また、参考例1の光電子放出板1Aと比較するための比較用光電子放出板として、アクリル基板上に金1μmを蒸着し、光電子放出板1Bを作製し、図1のマイナスイオン発生装置に搭載し、動作時間に対するマイナス粒子の数を測定した。なお、電気的接地は金膜で行った。
【0024】
図2は、前記光電子放出板1Aと1Bの、動作時間に対するマイナス粒子の数である。バリア性を有する光電子放出板1Aのほうが、長期にわたりマイナス粒子の数を維持していることがわかる。
【0025】
(実施例1)
次に、実施例1の光電子放出板として、アクリル基板上に窒化チタン1μmを蒸着し、その上に金1μmを蒸着し、光電子放出板2Aを作製し、図1のマイナスイオン発生装置に搭載し、動作時間に対するマイナス粒子の数を測定した。なお、電気的接地は窒化チタンで行った。
【0026】
また、本実施例の光電子放出板2Aと比較するための比較用光電子放出板として、アクリル基板上にスパッタ法でシリカ1μmを設け、その上に金1μmを蒸着し、光電子放出板2Bを作製し、図1のマイナスイオン発生装置に搭載し、動作時間に対するマイナス粒子の数を測定した。なお、電気的接地はシリカで行った。
【0027】
図3は、前記光電子放出板2Aと2Bの、動作時間に対するマイナス粒子の数である。下地に導電膜を有する光電子放出板2Aのほうが、長期にわたり多くのマイナス粒子の数を放出し維持していることがわかり、光電子放出板2Aが本発明の効果を発揮していることがわかる。
【0028】
(実施例2)
次に、実施例2の光電子放出板として、真鍮基板上に窒化チタン1μmを蒸着し、さらにその上に金1μmを蒸着し、光電子放出板3Aをステンレス基板上に窒化チタン1μmを蒸着し、さらにその上に金1μmを蒸着し、光電子放出板3Bを作製し、図1のマイナスイオン発生装置に搭載し、動作時間に対するマイナス粒子の数を測定した。
【0029】
また、本実施例の光電子放出板3Aと比較するための比較用光電子放出板として、アクリル上に窒化チタン1μmを蒸着し、さらにその上に金1μmを蒸着し、光電子放出板3Cを作製し、図1のマイナスイオン発生装置に搭載し、動作時間に対するマイナス粒子の数を測定した。
【0030】
図3は、光電子放出板3Aと3Bと3Cの、動作時間に対するマイナス粒子の数である。基板が導電性である場合の光電子放出板3Aと3Bのほうが、多くのマイナス粒子の数を放出し、さらに3Bのほうが長期にわたり維持していることがわかり、光電子放出板3A、3Bが本発明の効果を発揮していることがわかる。
【0031】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、時間が経過してもマイナス粒子の発生量が減少しない光電子放出板およびこれを用いたマイナス粒子発生装置を提供できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例1におけるマイナスイオン発生装置の外観構成図
【図2】 同参考例の光電子放出板における動作時間に対するマイナス粒子発生数を示す図
【図3】 本発明の実施例1における光電子放出板の動作時間に対するマイナス粒子発生数を示す図
【図4】 本発明の実施例2における光電子放出板の動作時間に対するマイナス粒子発生数を示す図
【符号の説明】
1 光電子放出板
2 ランプ(光源)
3 アース線[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a device for adding negative particles to air, and more particularly to a negative particle generator using photoelectrons generated by the photoelectric effect.
[0002]
[Prior art]
As a conventional negative particle generator, photoelectrons are generated by irradiating ultraviolet rays onto a photoelectron emitting material, and high-clean air from which fine particles are removed by a fan and a dust collecting filter enters the device, and a dust collecting filter, etc. In some cases, the fine particles that are not removed by the trapping process become negative particles by capturing photoelectrons, and are emitted from the apparatus and released into the air (see, for example, Patent Document 1).
[0003]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Publication No. 8-10616
[Problems to be solved by the invention]
However, the conventional configuration has a problem in that the generation of minus particles starting from the irradiation of ultraviolet rays onto the photoelectron emitting material decreases with time.
[0005]
The present invention solves the above-described conventional problems, and an object of the present invention is to provide a minus particle generator that does not reduce the amount of minus particles generated even if time passes.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-described conventional problems, the negative particle generator of the present invention is a photoelectron in which a barrier film having a barrier property is provided on a substrate, and an emission film that emits photoelectrons by light irradiation is provided on the barrier film. Negative particles were generated using a discharge plate.
[0007]
The present inventors have found that the cause of the decrease in the number of negative particles is that a compound other than the photoelectron emitting material diffused through the pinhole of the photoelectron emitting material by light irradiation covers the surface of the photoelectron emitting material. As a result, by providing a film having a high barrier property under the photoelectron emitting material, the amount of minus particles generated does not decrease over time.
[0008]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The invention according to
[0009]
In addition, since the film thickness of the emission film is thicker than the maximum surface roughness of the surface of the barrier film, photoelectrons are emitted from all of the outermost surface of the photoelectron emission plate. It becomes a photoelectron emission plate that emits.
[0010]
In addition, the electrons on the photoelectron emission plate that are insufficient due to the generation of negative particles can be compensated for by electrically grounding the conductive barrier film. It becomes a photoelectron emission plate that emits.
[0011]
The invention described in
[0012]
The invention described in
[0013]
The invention described in claim 4 is particularly characterized in that the substrate described in
[0014]
The invention according to claim 5 comprises the photoelectron emission plate according to any one of
[0015]
In addition, for example, when oxygen minus particles are used in an air purifier, a relaxing effect is maintained in the space, and when used in a refrigerator, food oxidation and moisture retention effects are maintained. You can also do it.
[0016]
In addition to the above, ceramic films and their composite compounds are effective as the barrier film.
[0017]
In addition to the above, as a substrate, a metal or an alloy such as aluminum is effective as a substrate having conductivity. Also, it does not have to be conductive, and glass, plastic, etc. are effective. By providing a film having barrier properties and conductivity and electrically grounding it, many negative particles are generated. can do.
[0018]
As the conductive film having a barrier property, the above-mentioned other conductive ceramics or their composite compounds are effective.
[0019]
In addition, a metal or a conductive ceramic is effective as a film that emits photoelectrons when irradiated with light.
[0020]
【Example】
(Reference Example 1)
Hereinafter, the negative ion generator of Reference Example 1 will be described with reference to FIG. 1 is a photoelectron emission plate, 2 is a lamp (light source) for irradiating light to 1, and the
[0021]
The
[0022]
As a photoelectron emission plate of Reference Example 1 , 1 μm of silica is provided on an acrylic substrate by sputtering, and 1 μm of gold is vapor-deposited thereon to produce a photoelectron emission plate 1A, which is mounted on the negative ion generator of FIG. The number of negative particles with respect to time was measured. Electrical grounding was performed with a gold film.
[0023]
Further, as a comparative photoelectron emission plate for comparison with the photoelectron emission plate 1A of Reference Example 1 , 1 μm of gold is vapor-deposited on an acrylic substrate to produce the photoelectron emission plate 1B, which is mounted on the negative ion generator of FIG. The number of negative particles with respect to the operating time was measured. Electrical grounding was performed with a gold film.
[0024]
FIG. 2 shows the number of negative particles with respect to the operating time of the photoelectron emission plates 1A and 1B. Towards the light emission plate 1A having barrier property, mow Kotogawa that maintain the number of negative particles over time.
[0025]
Example 1
Next, as the photoelectron emission plate of Example 1 , 1 μm of titanium nitride was vapor-deposited on an acrylic substrate, and 1 μm of gold was vapor-deposited thereon to produce a
[0026]
Further, as a comparative photoelectron emission plate for comparison with the
[0027]
FIG. 3 shows the number of negative particles with respect to the operation time of the
[0028]
(Example 2)
Next, as a photoelectron emission plate of Example 2 , 1 μm of titanium nitride was vapor-deposited on a brass substrate, further 1 μm of gold was vapor-deposited thereon, and photoelectron emission plate 3A was vapor-deposited with 1 μm of titanium nitride on a stainless steel substrate. 1 μm of gold was vapor-deposited thereon to produce a
[0029]
Further, as a comparative photoelectron emission plate for comparison with the photoelectron emission plate 3A of the present embodiment, 1 μm of titanium nitride is vapor-deposited on acrylic, and further 1 μm of gold is vapor-deposited thereon to produce a photoelectron emission plate 3C. The negative ion generator of FIG. 1 was mounted and the number of negative particles with respect to the operating time was measured.
[0030]
FIG. 3 shows the number of negative particles with respect to the operating time of the
[0031]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, it is possible to provide a photoelectron emission plate in which the amount of minus particles generated does not decrease over time and a minus particle generator using the same.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an external configuration diagram of a negative ion generator in Reference Example 1. FIG. 2 is a diagram showing the number of negative particles generated with respect to operating time in the photoelectron emission plate of the reference example. FIG. 3 is a photoelectron in Example 1 of the present invention. FIG. 4 is a diagram showing the number of negative particles generated with respect to the operating time of the emission plate. FIG. 4 is a diagram showing the number of negative particles generated with respect to the operating time of the photoelectron emitting plate in Example 2 of the present invention.
1
3 Ground wire
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