JP4057242B2 - 反応染料化合物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反応染料化合物に関する。特に、本発明は、染浴染着(E)および染料−繊維の共有結合による固着(F)が改善された反応染料化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
反応染料化合物は種々の基材を染めるものとして当業界では知られている。このような基材には、例えば毛髪、皮膚及び爪及び角、蹄及び羽毛のような動物体の種々の部分に見られるケラチンのようなタンパク質性物質、絹のような天然に生じるタンパク質を含有する物質、例えば綿のような天然産物であってセルロース又はセルロース誘導体に由来するような糖誘導体物質およびポリアミドのような合成繊維があげられる。
【0003】
当業界で公知であるこのような反応染料の部類の例には、モノ−又はジクロロ−又はフルオロ−1,3,5−トリアジニル基、モノ−又はジクロロ−又はフルオロ−ピリミジル基、ベータ−ハロゲン−プロピニル基、ベータ−ハロゲノエチル−スルフォニル基、ベータ−ハロゲノエチルスルファミル基、クロロアセチルアミノ、ベータ−(クロロ−メチル)−ベータ−スルファトエチルスルファミル基、又はビニルスルフォニル基を含有する染料が挙げられる。
【0004】
上記染料がトリアジニル基又はピリミジル基を含有する場合、反応性ハロゲン原子の代わりに、アルカリの存在下で解離する他の基を使用することができる。例えば、カナダ特許第771632号はそのような他の基の例を開示しており、たとえば、スルホン酸、チオシアネート、スルホフェノキシ、スルホフェニルチオ、ニトロスルホフェノキシ基、及び第四級アンモニウム基が含まれている。
染料及び顔料の14号(1990年、239〜263ページ)における”複素環式反応系による反応染料の合成と応用”では、第四級アンモニウム置換基を伴うモノクロロ−又はジクロロ−ピリミジン複素環を含有する繊維反応染料を開示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
セルロース系基材及びポリアミド型基材を染めるための市販の反応染料には多くの異なったタイプがある。しかしながら、今日の織物染料業界が未だに直面している重大な問題は、浸染工程が終了した後の廃液に相当なレベルの染料物質が残っているということである。この問題に対する工業的な尺度は染浴染着(E)として知られている。特定の染料化合物の染着値が高いということは、浸染工程が完了した後の廃液に使用済み染料が低レベルで残っていることを意味し、一方、染着値が低いということは、使用済み染料が高レベルで廃液に残っていることを意味する。従って、市販の染料化合物に比べて高い染着値を有し、そして廃液中において使用済み染料のレベルを低下させるという点で利点のある新しい染料化合物に対するニーズがあることは明らかである。
【0006】
高い染着値を有することと同様に、染料化合物は高い染料−繊維の共有結合固着値(F)を有することも重要である。反応染料化合物の固着値(F)は、浸染工程中に最初に吸収された染料に基いて基材と共有結合する程度の尺度を示すものである。従って100%の固着は、染料の100%が基材と共有結合することを意味する。従って、高い固着値を有する染料化合物に対して明らかなニーズが存在する。高い固着値によって、伝統的に繊維反応染料化合物と結びついている浸染後の”ソーピング洗浄工程”を簡略化することができる。特に、高い固着値によって、コストの削減と共に”ソーピング洗浄工程”に費やされる時間を結果的に削減することができる。
【0007】
驚くべきことに、ニコチン酸のような少なくとも1つの四級化した窒素誘導体及びチオグリコレートのような少なくとも1つのチオ誘導体で置換した窒素含有複素環を含む新しい部類の繊維反応染料化合物は、非常に高い染着値(E)及び固着値(F)を示すことがわかった。このような染料は多種多様な基材に使用することができる。それらは綿のようなセルロース系基材に特に有用であり、廃液中の使用済み染料を減らし、基材に対する染料の親和性を高め、染料−基材の共有結合の効率を上昇させ、そして伝統的に反応染料と関連する浸染後の”ソーピング洗浄工程”を簡略化するという点で大幅な改善を提供する。また、本発明の化合物は、かなり強力な染色力を有し、高温浸染にも低温浸染にも使用可能であり、それ故、浸染工程のコストを削減することができる。さらに、本発明の化合物は、セルロース基材の浸染について特定の発色団と共に使用でき、浸染に必要な塩のレベルを大幅に低減できる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、
(a)少なくとも1つの発色団部分;
(b)少なくとも1つの窒素含有複素環;及び
(c)各窒素含有複素環に各発色団部分を連結する連結基;を含み、
窒素含有複素環が、少なくとも1つのチオ誘導体及び少なくとも1つの四級化窒素誘導体で置換されていることを特徴とする反応染料化合物が提供される。
【0009】
本発明の組成物は、高い染着値(E)及び固着値(F)を示し、廃液中の使用済み染料を減らし、基材への染料の親和性を高め、染料−基材の共有結合反応、室温並びに高温で染色工程を実行する能力の効率を増加させ、伝統的に繊維反応染料と関連する浸染後の「ソーピング洗浄工程」を簡略化するという点で改善を提供する。さらに本発明の化合物は、有意にさらに濃い染色、すなわち、染められた基材においてより強い色強度を提供する。
【0010】
発明の詳細
本明細書で使用される用語「反応染料」とは、染められるべき基材と共有結合形成をすることができる1以上の反応基を含有する染料、又はその場で(in situ)そのような反応基を形成する染料を意味する。
【0011】
本明細書で反応染料に関して使用される用語「染着」とは、水洗浄及びソーピング洗浄の前に、最終的に浸染工程で、染料溶液から非染色基材に移行した染料のパーセンテージを意味する。従って、染着100%は、100%の染料が染料溶液から基材に移行したことを意味する。
【0012】
本明細書で反応染料に関して使用される用語「固着」とは、浸染工程の間に最初に吸収された染料に基づいて基材と共有結合する染料のパーセンテージを意味する。従って100%の固着は、吸収された染料の100%が基材と共有結合することを意味する。
【0013】
本発明の化合物は、発色団部分及び連結基を介して連結した窒素含有複素環を含む。窒素含有複素環は、少なくとも1つのチオ置換基及び少なくとも1つの四級窒素誘導体を有する。
【0014】
発色団部分
本明細書における反応染料化合物は、1以上の発色団部分を含むことができる。2以上の発色団部分を含む反応染料化合物では、これらは同一でも異なっていてもよい。好ましくは、本明細書の反応染料化合物は1個〜3個の発色団部分を含む。
【0015】
染色する基材への使用に適した発色団部分は任意のものを本発明に使用することができる。ここで、発色団という用語は、光活性のある化合物のいかなるものも意味し、例えば、蛍光増白剤、UV吸収剤、IR吸収染料のような、着色した、又は非着色の光を吸収するいかなる種類のものも包含する。
【0016】
本明細書の染料化合物で使用するのに適したな発色団部分には、モノアゾ、ジアゾ又はポリアゾ染料又はそれらに由来する重金属複合体アゾ染料、又はアントラキノン、フタロシアニン、ホルマザン、アゾメチン、ジオキサジン、フェナジン、スチルベン、トリフェニルメタン、キサンテン、チオキサンテン、ニトロアリール、ナフトキノン、ピレンキノン又はペリレンテトラカルビミド染料のラジカルが挙げられる。
【0017】
本明細書の染料化合物で使用するのに適した発色団部分には、ヨーロッパ公開特許0,735,107(チバガイギー)で開示されたものが挙げられ、本明細書には参考として組み入れられるが、そこに記載されており、有機染料に通例の置換基を含有するラジカルが包含され、その例としては、染料化合物の水溶性を高めるスルホネート置換基があげられる。
【0018】
本明細書で用いるのに最も好ましい発色団D基はポリスルホン化アゾ発色団である、例えば、BASFから市販されているプロシオン(Procion)(登録商標)染料、クラリアント(Clariant)から市販されているドリマラン(Drimalan)(登録商標)染料、クラリアント(Clariant)から市販されているドリマレン(Drimarene)(登録商標)染料およびデアイスター(Dystar)から市販されているレバフィックス(Levafix)(登録商標)等の中に存在している。
【0019】
窒素含有複素環
本発明の反応染料は、少なくとも1つの窒素含有複素環部分を含む。2つ以上の窒素含有複素環を含有する反応染料化合物において、これらは同一であっても、異なっていてもよい。好ましくは、本明細書の反応染料化合物は、1個〜3個の窒素含有複素環を含む。本明細書の窒素含有複素環部分の少なくとも1つは、少なくとも1つのチオ誘導体及び少なくとも1つの四級化窒素誘導体で置換される。
【0020】
本明細書において、好適に使用される窒素含有複素環には、少なくとも1つの窒素へテロ原子を含有する単環式、二環式または多環式、不飽和複素環が挙げられる。単環式の環を使用する場合、それらは好ましくは、約3個〜約7個の環原子、特に5個又は6個の環原子を有し、約1個〜約3個の窒素へテロ原子、好ましくは2個又は3個の窒素へテロ原子を含む不飽和環から選択される。二環式複素環を使用する場合、それらは好ましくは、3個〜7個の環原子を有する不飽和窒素含有複素環、好ましくは1個又は2個の窒素原子を含む5個又は6個の環原子を有する不飽和窒素含有複素環で、5から7員炭素環好ましくは6員不飽和炭素環に接合したものから構成される。二環式複素環を使用する場合、好ましくはチオ−及び四級化窒素置換基を窒素含有複素環に付加する。
【0021】
本発明において、好ましくは、2個又は3個の窒素ヘテロ原子を含み、5又は6員不飽和窒素を有する単環式複素環式環、または、2個の窒素へテロ原子を含む5または6員不飽和複素環式環が6員不飽和炭素環に接合したニ環式環である。
【0022】
本明細書で使用するのに好適な複素環の例には、トリアジン、ピリミジン、キノキサリン、ピリミジノン、フタラジン、ピリダゾン、及びピラジンが挙げられるが、必ずしもこれに限定されるわけではない。
本明細書の化合物で使用するのに好ましいのは、トリアジン、ピリミジン及びキノキサリンである。
【0023】
連結部分
本発明の化合物はさらに、各窒素含有複素環を各発色団部分に連結する連結部分を含む。染色基材で使用するのに好適ないかなる連結部分も本発明で使用することができる。好ましくは連結部分は、NR,NRC=O,C(O)NR,NRSO2及び−SO2NRから選択され、式中、RはH、又はハロゲン好ましくはフッ素又は塩素で置換されていてもよいC1〜C4のアルキル基、ヒドロキシル基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、C2〜C5のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、スルファモイル基、スルホ基又はスルファト基である。複素環がトリアジン又はピリミジンである場合、好ましい連結部分はNRであり、好ましくはRは、H又はC1〜C4のアルキル基であり、より好ましくはRは、H又はCH3、特にHである。複素環がキノキサリン又はフタラジンである場合、好ましい連結部分は、NRC=Oで、RがH又はC1〜C4のアルキル基であり、より好ましくはRはH又はCH3、特にHである。
【0024】
本発明において好ましく使用されるチオ誘導体は、式SR′を有する基が挙げられ、式中R′は、H又はアルキル、又は好ましくは短鎖アルキル基(好ましくは約6個未満の炭素原子)、アルカノール、アルキルカルボキシレート、アルキルアミド、アルキルスルホネート、アルキルホスホネート、アルキルチオスルホネート、アルキルアミン、アルキルチオスルフェート、アリールスルホネート、アリールカルボキシレート、アリールホスフェート、アリールアミン、シアネート、スルホネート、分枝状アルキルチオカルボキシレート、分枝状アルカノールチオール、グアニド、アルキル− −アミノ− −カルボキシレート、グリセロールの(ジ)チオアルキルエステル、グリセロールのアルキルチオールアルキルエステル、アルキルエステル、モノチオジエステル、エチレングリコールのチオールアルキルエステル、エチレングリコールのアルキルチオールアルキルエステル及びアルキルチオリポエートから選択されるが、必ずしもこれに限定されるわけではない。好ましくはR′はアルキルカルボン酸及びアルカノールから選択される。
【0025】
好適なチオ誘導体の例には、SR′基が挙げられ、ここでR′はC1〜C4のアルキル基、(CH2nCOOH、(CH2nCONH2、(CH2nSO3H、(CH2nCOOM、(CH2nPO3H、(CH2nOH、(CH2nSSO3 -、(CH2nNR″2、(CH2)nN+R″3、PhSSO3 -、PhSO3H、PhPO3H、PhNR″2、PhN+R″3、−CN、SO3 -、(CH22CH(SH)R″(CH23COOH、−CH2CHOHCH2SH、及び
【0026】
【化20】
Figure 0004057242
【0027】
【化21】
Figure 0004057242
【0028】
【化22】
Figure 0004057242
【0029】
【化23】
Figure 0004057242
【0030】
nは1〜4の範囲の整数であり、式中、同一分子内のnは必ずしも同一の整数である必要はなく;及びMはアルカリ土類金属若しくはアルカリ金属の陽イオン、NH4 +又はNR″3 +であり;及びR″はC1〜C4のアルキル基である。
本明細書の使用で好ましいチオ誘導体は、式SR′を有し、式中R′は、(CH2nCOOH、(CH2nOH、及び(COOH)CH2CH2(COOH)、であり、ここでnは1〜4の整数である。
【0031】
本発明で使用するのに特に好ましいのは、チオグリコール酸(R′=CH2COOH)、チオエタノール(R′=(CH22OH)及びコハク酸(R′=(COOH)CH2CH2(COOH))、特にチオグリコール酸である。
【0032】
本発明において好適に使用される四級化窒素誘導体は、Q+で表すことができ、ここではQは約3個〜約8個の環員を有し、少なくとも1つの窒素へテロ原子を含むアミン、飽和又は不飽和、置換型又は非置換型窒素含有複素環から選択される。好ましい置換基は、カルボン酸、アミド、C1〜C4アルキル基、及びアルキルカルボン酸である。
【0033】
本発明での使用に特に好ましいのは、以下から選択されるQ基である:
【化24】
Figure 0004057242
【0034】
【化25】
Figure 0004057242
【0035】
【化26】
Figure 0004057242
【0036】
【化27】
Figure 0004057242
【0037】
【化28】
Figure 0004057242
【0038】
【化29】
Figure 0004057242
【0039】
【化30】
Figure 0004057242
【0040】
【化31】
Figure 0004057242
【0041】
式中、R″は、C1〜C4のアルキル基及びnは1〜4の整数である。
本発明で使用するのに特に好ましい四級化窒素誘導体は、ニコチン酸、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジメチルアミノベタイン及びイソニコチン酸、特にニコチン酸である。
四級化窒素誘導体は、その第三級窒素原子を介して窒素含有複素環に結合している。
【0042】
本発明で好ましい反応染料化合物は、以下の式(I)で表すことができる:
【化32】
Figure 0004057242
【0043】
式中、
Dは上文に記載されるような発色団基であり;
Lは本明細書に定義される連結部分であり、好ましくはNR、NRC=O、NRSO2から選択され、式中Rは上文で定義されたとおりであり;
Zは上文で定義されたような窒素含有複素環であり;
SR′は上文で定義されたようなチオ誘導体であり、
+は、上文で定義されたような四級化窒素誘導体であり、
Aはハロゲン、好ましくは塩素又はフッ素;およびその塩及びエステルである。
【0044】
本発明で好ましいその他の反応染料化合物は、式(II)で表すことができる:
【化33】
Figure 0004057242
式中、
Bは上で定義されたような発色団D、二官能価発色団、又は、反応染料化合物は少なくとも1つの発色団基を含有するという条件で当該技術分野で教示されるような(例えばヨーロッパ公開特許0,735,107参照)発色団の代わりに使用するのに好適なその他の有機ラジカルである。好適なB基には、β−スルファトエチルスルホニルベンゼン、ビニルスルホニルベンゼン、クロロエチルスルホニルベンゼン、β−s−チオスルファトエチルスルホニルベンゼン、ジ(エチルスルホニル)発色団が挙げられる。
【0045】
L、Z、Q、Aは上文で定義したとおりであり;
JはS、O、NHから選択し
KはQ、ハロゲンから選択する。
L′は連結基であり、それは、染料化合物に用いるのに好適ないかなる好適なビラジカル連結基も可能であり、好ましくは、Bが上で定義した通りであるようなB、C1〜C4のアルキル基、式(A1)を有するエステル、式(A1)を有するジエステル、式(A1)を有するアミド、式(A1)を有するジアミドから選択され、ここでのA1は(CH0−2−(C(O)−J)0,1−(CH1−4−(J−C(O))0,1−(CH0−2−(J−C(O))−(C−C)−(C(O)−J)−であり、式中JはO、NH又はS;
C1〜C4のジアルキル硫化物、C1〜C4のジアルキルスルホキシド、C1〜C4のジアルキルスルホン、C1〜C4のジアルキルカルボキシレート、または下記式を有する基である:
【化34】
Figure 0004057242
L′の好適な例には、スクシネート、ジエチル硫化物、β−スルファトエチルスルホニルベンゼン、ビニルスルホニルベンゼン、クロロエチルスルホニルベンゼン、β−s−チオスルファトエチルスルホニルベンゼン、ジ(エチルスルホニル)発色団、エチル、ジエチルスルホン、イソプロパノールが挙げられる。
【0046】
本発明に基づいた好ましいその他の反応染料は式(III)の化合物によって表すことができる:
【化35】
Figure 0004057242
式中、
B、L、Z、Q、J、K、及びAは上で定義したとおりであり、L″は、染料化合物での使用に好適ないかなる好適な連結基であってもよいトリラジカル連結基であり、好ましくは、反応染料化合物が少なくとも1つの発色団基を含むという条件で、グリセロール、ジエチレントリアミンおよびN,N′,N″トリプロパノイルアミノヘキサヒドロトリアジンから選択する。
【0047】
本発明に基づいた好ましいその他の反応染料化合物は式(IV)の化合物によって表すことができる:
【化36】
Figure 0004057242
式中、D、L、Z、R′、Qはそれぞれ上で定義したとおりであり;
V及びWは、独立にNR、またはSR′(式中RおよびR′は、上文で定義されている)、Q、ハロゲンから選択される。
【0048】
本発明に基づいた好ましいその他の反応染料化合物は式(V)の化合物によって表すことができる:
【化37】
Figure 0004057242
式中、反応染料化合物が少なくとも1つの発色団基を含有するという条件で、B、Z、Q、A、R′、L、V、及びWはそれぞれ上で定義したとおりである。
上記式中で、各化合物の範囲内で、定義された各基は同一でもあっても異なっていてもよい。例えば、式IVにおいてZ基の1つがピリミジンであり、他のZ基がトリアジンであってもよい。
【0049】
本発明はさらに本発明の染料の製造方法に関する。一般に式(I)を有する染料は、式(I)の染料の好適な前駆体と相互に反応させることによって製造することができ、そのうちの少なくとも1つはD、L及びZが上で定義したようなD−L−Zを含有し、そのうちの少なくとも1つは、R′基(ここではR′は上で定義した通りである)を含有し、及びそのうちの1つは少なくともQ基(Qは上で定義した通りである)を含有する。
【0050】
例えば、Zがトリアジン複素環である式(I)を有する本発明の染料化合物は、例えば商品名プロシオン(Procion)(登録商標)としてBASFから市販されているような1モルのジクロロトリアジン染料を、SR′基を含有する1モルの好適な反応物質と反応させ、次いで得られた中間体染料化合物を、Q基を含有する1モルの好適な反応物質と反応させることによって製造することができる。
【0051】
Zがピリミジン複素環である式(I)を有する本発明の染料化合物は、例えば商品名ドリマランF(Drimalan F)(登録商標)及びドリマレンR又はK(Drimarene R, Drimarene K)(登録商標)としてクラリアント(Clariant)から市販されているようなジフルオロモノクロロピリミジン染料、又は商品名ドリマレンX(Drimarene X)としてクラリアントから市販されているようなトリクロロピリミジン染料を、SR′基を含有する好適な反応物質と反応させ、次いで得られた中間体染料を、Q基を含有する好適な反応物質と反応させることによって製造することができる。
【0052】
ピリミジン複素環は非対称なため、Zがピリミジン複素環である式(I)を有する本発明の染料化合物もまた、例えば商品名ドリマランF(登録商標)及びドリマレンR又はK(登録商標)としてクラリアントから市販されているようなジフロロモノクロロピリミジン染料、又は商品名ドリマレンXとしてクラリアントから市販されているようなトリクロロピリミジン染料を、Q基を含有する好適な反応物質と反応させ、次いで得られた中間体染料化合物を、SR′基を含有する好適な反応物質と反応させることによって製造することができる。
【0053】
Zがキノキサリン複素環である式(I)を有する本発明の染料化合物は、例えば商品名レボフィックスE(Levofix E)(登録商標)としてダイスター(Dystar)から市販されているようなジクロロキノキサリン染料を、SR′基を含有する好適な反応物質と反応させ、次いで得られた中間体染料を、Q基を含有する好適な反応物質と反応させることによって製造できる。
出発体染料化合物とSR′基を含有する反応物質との反応は、一般に約7〜約10のpH及び約0〜5℃の温度で行われる。中間体染料化合物とQ基を含有する反応物質との反応は、一般に約5〜約6のpH及び約50〜85℃の温度で行われる。特に、中間体染料化合物とQ基を含有する反応物質との反応は、一般にZがトリアジンの場合約50〜55℃、Zがピリミジンの場合75〜85℃で行われる。
【0054】
Zがピリミジンである場合、上記に詳述したように式(I)の染料化合物は、出発染料を最初にQ基を含有する好適な反応物質と反応させ、次いで得られた中間体染料とSR′基を含有する好適な反応物質を反応させることによって製造することができる。この場合、出発染料化合物とQ基を含有する反応物質との反応は、一般に約5〜約6のpH及び約40〜約50℃の温度で行われる。中間体染料化合物とSR’基を含有する反応物質との反応は、一般に約5〜約6のpH及び約50〜約60℃の温度で行われる。
【0055】
一般に式(II)〜(V)を有する染料は、式(I)の染料の場合と同じ一般化学反応を用い、好適な出発物質とともに反応させることによって、以下の実施例10〜14に例示するように製造できる。
【0056】
本明細書の染料化合物は、絹、皮革、羊毛、ポリアミド、ポリエステル繊維、及びポリウレタン、毛髪のようなケラチン繊維、及び特に、天然セルロース繊維、綿、亜麻布、麻布などのようなセルロース系物質、紙、及びセルロース自体及び再生セルロース、及び例えば綿とポリエステル又はポリアミド繊維の混紡のような混紡織物に含有されるヒドロキシル基含有繊維のような多種多様な基材を浸染すること及び捺染することに好適である。
【0057】
本発明の染料化合物は、様々な方法、特に固形混合物、染料水溶液及び捺染ペーストという形態で基材に適用及び固着することができる。従って、本発明に基づいて、染料組成物での使用に好適なキャリア物質と共に、本明細書に記載した1つ以上の染料化合物を含む染料組成物が提供される。
好ましくは染料組成物は酸性緩衝物質を含む。染料組成物での使用に適する酸性緩衝液はいかなるものも本明細書で使用することができる。好適な緩衝液の例は混合リン酸緩衝液である。
【0058】
本明細書における染料組成物がペーストの形状である場合、好ましい成分は増粘剤成分である。染料組成物での使用に適する増粘剤は、いかなるものも本発明で使用することができる。
【0059】
染料組成物が水溶液又は水性ジェル/ペーストの形状である場合、染料組成物は、好ましくは約5以下のpH、好ましくは約2〜約3のpHを有する。
染料組成物が毛髪を染めるために使用されている場合、当該組成物は、本明細書に記載した1以上の化合物単独、又は酸化染料、直接染料などのような他に周知の毛髪染料化合物との混合物のどちらかとされる。
【0060】
本発明の染料が使用可能な浸染工程及び捺染工程は、周知の、及び技術文献及び特許文献に広く記載されている従来の工程である。本発明の化合物は、染着法(long liquor、大液染浴浸染)及びパッド染色法による浸染の両方に好適であり、それによって、水性、塩含有又は塩を含まない染料溶液を品物に染み込ませ、アルカリ処理後又はアルカリの存在下、適当であれば熱の適用によって染料を固着する。本明細書の染料化合物は、冷却パッド−バッチ法にも好適であり、それを行った後、アルカリと共に染料をパッド圧搾ローラーに適用し、次いで室温で数時間保管することにより固着する。固着した後、浸染したもの又捺染したものを充分に水洗及び湯洗する。もし要すれば、分散剤として作用する薬剤を加え、固着しなかった部分の拡散を促進する。
【0061】
従って、本発明の他の態様によれば、綿、羊毛、ナイロン、絹、ケラチン、皮革、紙などのような基材を浸染及び捺染するために本発明の反応染料の使用が提供される。本発明化合物は、pH及び温度の好適な条件下で、本発明の1以上の反応染料の水溶液を染められるべき基材に適用することにより上に示した基材のすべてを染める方法に使用することができる。
【0062】
以下の実施例により、本発明の化合物及び組成物を詳細に説明する。
以下の実施例にある出発化合物および成分は遊離の酸の形又はその塩の形で使用することができる。
【0063】
【実施例】
実施例1
プロシオン( Procion )(登録商標)染料を出発物質として用いるモノチオグリコレートモノニコチニル・トリアジン染料の合成
モノチオグリコレートモノニコチニルトリアジン染料は、ダイアグラム1に示す合成経路を用いて調製する。
合成は2つの部分から成り、以下の反応メカニズムに示すように、第1の部分は、モノクロロ−モノチオグリコレートトリアジンの調製であり、第2の部分は、モノチオグリコレートモノニコチニルトリアジンの調製である。
【0064】
【化38】
Figure 0004057242
【0065】
反応図式においてDは発色団であり、使用する出発染料によって変化する。本実施例では、BASFから市販されている種々のプロシオン(登録商標)染料、特にプロシオン赤MX−8B、プロシオン黄MX−8G及びプロシオン青MX−2Gを出発物質として使用した。
【0066】
モノクロロモノチオグリコレートトリアジン染料の合成
合成の第1の部分は、モノクロロ−モノチオグリコレートトリアジンを得るためのものである。精製プロシオン(登録商標)ジクロロトリアジンの染料水溶液(0.1モル/100ml、pH7.5))を調製する。この溶液に0〜5°Cの温度にて、緩慢な滴下により0.1molのメルカプト酢酸溶液を加える。メルカプト酢酸を加えた後、炭酸ナトリウム及びHClにて系のpHを8に調整する。次いで0〜5℃及びpH8にて5〜8時間反応を進行させる。個々の染料について必要な反応時間は異なる(プロシオン赤MX−8Bでは7〜8時間、プロシオン黄MX−8Gでは〜6時間及びプロシオン青MX−2Gでは〜5時間)。合成の間に急速なpHの低下が認められる。合成のこの部分に関して反応の終了点は、反応系のpHが5分以上一定に保たれることによって示される。この時点で、染料モノクロロ−モノチオグリコレートトリアジンが得られる。合成終了時点では、系のpHはpH2未満に低下する。次いで固形のモノクロロモノチオグリコレートトリアジン染料化合物を沈殿と濾過によって得る。
【0067】
モノチオグリコレートモノニコチニルトリアジン染料の合成
合成の第2の部分は、合成の第1の部分で得たモノクロロ−モノチオグリコレートトリアジンをニコチン酸と反応させる。化学量論的に過剰のニコチン酸(pH5〜5.5)水溶液をモノクロロ−モノチオグリコレートトリアジン染料溶液の水性液に加える。反応系の温度を50〜55℃に上昇させ、pHを5〜5.5に調整する。一定時間このような条件下で反応を進行させる。再度、合成系のpHの急激な低下が認められる。反応の終了時点は、再度5分以上のpHの安定化によって示される。個々の染料について必要な反応時間は異なる(プロシオン赤MX−8Bでは4〜5時間、プロシオン黄MX−8Gでは〜3時間及びプロシオン青MX−2Gでは2〜2.5時間)。この時点でモノチオグリコレートモノニコチニルトリアジン染料が得られる。
【0068】
合成終了時に、モノチオグリコレートモノニコチニルトリアジン染料の加水分解を防ぐために、反応系を直ちに5℃未満に冷却し、pHを2未満に落す。次いで、沈殿及び濾過によって固形モノチオグリコレートモノニコチニルトリアジン染料を得る。
得られた固形モノチオグリコレートモノニコチニルトリアジン染料を4〜5回アセトンにてすすぎ、水を含まないことを確認して、0〜5℃に保管する。
【0069】
実施例2
モノチオグリコレートモノイソニコチニルトリアジン染料の合成
モノチオグリコレートモノイソニコチニルトリアジン染料は、ダイアグラム2に示す合成経路を用いて調製する。
【0070】
【化39】
Figure 0004057242
【0071】
反応図式においてDは発色団であり、使用する出発染料によって変化する。本実施例ではプロシオン(登録商標)赤MX−8Bを出発物質として使用する。この実施例におけるプロシオン赤MX−8Bは、プロシオン(登録商標)黄MX−8Gまたはプロシオン青MX−2Gのようなその他のジクロロトリアジン染料で置き換えることができる。
【0072】
合成は2つの部分から成り、第1の部分はモノクロロモノチオグリコレートトリアジン染料の調製であり、第2の部分はモノチオグリコレートモノイソニコチニルトリアジン染料の調製である。
【0073】
モノクロロモノチオグリコレートトリアジン染料の合成
モノクロロモノチオグリコレートトリアジン染料の調製は、上の実施例1に記載したように同じプロシオン出発染料を用いて同じ方法にて行う。
【0074】
モノチオグリコレートモノイソニコチニルトリアジン染料の合成
合成の第2の部分は、合成の第1の部分で得たモノクロロモノチオグリコレートトリアジンをイソ−ニコチン酸と反応させる。合成の第1の部分で得たモノクロロモノチオグリコレートトリアジン染料0.01モルを、0.04モルのイソニコチン酸と共に蒸留水の入ったフラスコに入れる。反応系の温度を55℃に上昇させ、pHを5.5に調整する。30分間このような条件下で反応を進行させる。再度、合成系のpHは急激な低下が認められるが、緩衝剤を用いてpHを5.5に戻すよう調整する。反応の終了時点は、5分以上のpHの安定化によって示される。沈殿、濾過およびアセトン洗浄の条件は、実施例1で製造されたの場合と同じである。収率は85%を越える。
【0075】
実施例3
モノチオグリコレートモノジアザビシクロオクタントリアジン染料の合成
モノチオグリコレートモノジアザビシクロオクタントリアジン染料は、ダイアグラム3に示す合成経路を用いて調製する。
【0076】
【化40】
Figure 0004057242
【0077】
上記反応式においてDは発色団であり、使用する出発染料によって変化する。本実施例ではプロシオン(登録商標)赤MX−8Bを出発物質として使用する。
合成は2つの部分から成り、第1の部分はモノクロロモノチオグリコレートトリアジン染料の調製であり、第2の部分はモノチオグリコレートモノDABCOトリアジン染料の調製である。モノクロロチオグリコレートトリアジンの調製は上の実施例1に記載したものと同じ方法にて行う。
【0078】
合成の第2の部分は、合成の第1の部分で得たモノクロロモノチオグリコレートトリアジンをジアザビシクロオクタン(DABCO)と反応させる。モノクロロモノチオグリコレートトリアジン染料0.01モルを、蒸留水中の0.03モルのDABCOと共にフラスコに入れる。出来上がった溶液の温度を55°Cに上昇し、pHを5.5に調整する。15分間このような条件下で反応を進める。再度、合成系のpHの急速な低下が認められるが、緩衝剤を用いて調整することができる。反応の終了時点は、再度、5分以上のpHの安定化によって示される。沈殿、濾過及びアセトン洗浄の条件は、上の実施例1と同じである。収率は85%を越える。
【0079】
実施例4
モノチオグリコレートモノジメチルアミノベタイントリアジン染料の合成
モノチオグリコレートモノジメチルアミノベタイントリアジン染料は、ダイアグラム4に示す合成経路を用いて調製する。
【0080】
【化41】
Figure 0004057242
【0081】
反応図式においてDは発色団であり、使用する出発染料によって変化する。本実施例ではプロシオン(登録商標)赤MX−8Bを出発物質として使用したが、プロシオン(登録商標)黄MX−8Gまたはプロシオン青MX−2Gのような好適なその他のジクロロトリアジン染料化合物も出発物質として使用することができる。
【0082】
合成は2つの部分から成り、第1の部分はモノクロロモノチオグリコレートトリアジン染料の調製であり、第2の部分はモノチオグリコレートモノジメチルアミノベタイントリアジン染料の調製である。モノクロロチオグリコレートトリアジンの調製は上の実施例1に記載したものと同じ方法にて行う。
【0083】
合成の第2の部分は、合成の第1の部分で得たモノクロロモノチオグリコレートトリアジン染料をジメチルアミノベタインの水溶液と反応させた。モノクロロモノチオグリコレートトリアジン染料0.01モルを、0.03モルのジメチルアミノベタイン及び蒸留水と共にフラスコに入れる。反応系の温度を55℃に上昇させ、pHを5.5に調整する。10〜15分間このような条件下で反応を進行させる。合成系のpHの急激な低下が認められるが、緩衝剤を用いてpH5.5まで戻すことができる。反応の終了時点は、5分以上のpHの安定化によって示される。沈殿、濾過及びアセトン洗浄の条件は、上の実施例1と同じである。収率は85%を越える。
【0084】
実施例5
モノチオエタノールモノニコチニルトリアジン染料の合成
モノチオエタノールモノニコチニルトリアジン染料は、ダイアグラム5に示す合成経路を用いて調製する。
【0085】
【化42】
Figure 0004057242
【0086】
反応図式においてDは発色団であり、使用する出発染料によって変化する。本実施例ではプロシオン(登録商標)赤MX−8Gを出発物質として使用したが、プロシオン黄MX−8Gまたはプロシオン青MX−2Gのような好適なその他のジクロロトリアジン染料化合物も、出発物質として使用することができる。
合成は2つの部分から成り、第1の部分はモノクロロモノチオエタノールトリアジン染料の調製であり、第2の部分はモノチオグリコレートモノジメチルアミノベタイントリアジン染料の調製である。
【0087】
モノクロロモノチオエタノールトリアジン染料の合成
蒸留水中の0.1モルのプロシオン赤MX−8G染料を蒸留水に溶解しフラスコに加える。フラスコを氷水浴に入れる。次いで撹拌しながら、0.1モルのチオエタノールを一滴ずつ反応混合物に加える。加える時間は合計1時間である。チオエタノールを加えている間、上記反応スキームのpHはpH7〜7.5に維持し、反応系の温度を0〜5℃に保つ。次いで、0〜5℃及びpH7.5〜8(炭酸ナトリウム及びHClを用いて補正する)にて5時間、反応を進行させる。反応の終了時点は、5分以上pHが一定に保たれることによって示される。この時点で、染料モノクロロ−モノチオエタノールトリアジンが得られる。次いで、6NのHClを用いて系のpHをpH2未満に低下させ、反応を終了させる。染料を沈殿させるために、次にKCl(全溶液の35%)を反応混合物に加える。次にワットマンろ紙を用いた濾過を行う。次いでアセトンにて4〜5回沈殿(≒各回50mlのアセトンを用いて)を洗浄し、最終染料産物を得る。
【0088】
モノチオエタノールモノニコチニルトリアジン染料の合成
上記の反応で得たモノクロロモノチオエタノールトリアジン染料0.1モルを0.3モルのニコチン酸と水中で反応させる。反応系の温度を50〜55°Cに上昇させ、pHを5〜5.5に調整する。このような条件下で30分間反応を進行させる。再度、急速なpHの低下が認められるが、緩衝剤を用いて調整することができる。反応の終了時点は、再度、5分以上のpHの安定化によって示される。沈殿、濾過およびアセトン洗浄の条件は、合成の第1部分における上述と同様である。収率は85%を越える。
【0089】
実施例6
モノチオスクシネートモノニコチニルトリアジン染料の合成
モノチオスクシネートモノニコチニルトリアジン染料は、ダイアグラム6に示す合成経路を用いて調製する。
【0090】
【化43】
Figure 0004057242
【0091】
上記反応式においてDは発色団であり、使用する出発染料によって変化する。この実施例ではプロシオン(登録商標)赤MX−8Gを出発物質として使用するが、プロシオン(登録商標)黄MX−8Gまたはプロシオン青MX−2Gのような好適なその他のジクロロトリアジン染料化合物も出発物質として使用することができる。上記反応式においてTSAはその硫黄原子を介して環に加えられたチオスクシネートを表す。
【0092】
合成は2つの部分から成り、第1の部分はモノクロロモノスクシネートトリアジン染料の調製であり、第2の部分はモノスクシネートモノニコチニルトリアジン染料の調製である。
【0093】
モノクロロモノチオスクシネートトリアジン染料の合成
蒸留水中の0.1モルの精製プロシオン赤MX−8G染料をフラスコに加える。フラスコを氷水浴に入れる。撹拌しながら、0.1モルのチオ琥珀酸を一滴ずつ加える。加える時間は、1〜1.5時間である。チオ琥珀酸を加えている間、反応系のpHをpH7.5に維持し、反応系の温度を0〜5℃に保つ。
次いで、0〜5°C及びpH7.5〜8(炭酸ナトリウム及びHClを用いて補正した)にて6時間、反応を進行させる。合成のこの部分に関して、反応の終了点は、反応系のpHが5分以上一定に保たれることによって示される。この時点で、染料モノクロロ−モノチオスクシネートトリアジンが得られる。次いで、6NのHClを用いて系のpHをpH2未満に低下させ、反応を終了させる。染料を沈殿させるために、次にKCl(全溶液の35%)を反応混合物に加える。次にワットマンろ紙を用いて濾過を行う。次いでアセトンで4〜5回沈殿(1回あたり50mlのアセトンを用いる)を洗浄し、最終染料生成物を得る。
【0094】
モノチオスクシネートモノニコチニルトリアジン染料の合成
合成の第1の部分で得たモノクロロモノチオスクシネートトリアジン染料0.01モルを、0.03モルのニコチン酸及び蒸留水と共にフラスコに入れる。反応系の温度を50°Cに上昇させ、pHを5〜5.5に調整する。15〜20分間このような条件下で反応を進行させる。再度、合成系のpHの急激な変化が認められる。反応の終了時点は、5分以上のpHの安定化によって示される。沈殿、濾過およびアセトン洗浄の条件は、実施例1の場合と同じである。収率は85%を越える。
【0095】
実施例7
モノ−5−クロロ−2−ニコチニル−4−チオグリコレートピリミジン染料の合成
モノ−5−クロロ−モノ−4−チオグリコレート−モノ−2−ニコチニル−ピリミジン染料は、ダイアグラム7に示す合成経路を用いて調製する。
【0096】
【化44】
Figure 0004057242
【0097】
上記反応式においてDは発色団であり、使用する出発染料によって変化する。本実施例ではクラリアントから市販されているドリマラン(Drimalan)(登録商標)赤FB染料を出発物質として使用する。しかしながら、ドリマランFBは、商品名ドリマラン及びドリマレン(Drimarene)染料、特に、ドリマラン赤FB、ドリマラン黄F−R、ドリマラン青F−G、ドリマラン青F−B、ドリマラン黄F−3GL、ドリマラン黒F−B、ドリマレンゴールデンイエローR−G2R、ドリマレン青R−GL、ドリマレンブリル赤R−8B、およびドリマレンブリル赤K−4BLのような市販されているジフルオロモノクロロピリミジンのいかなる好適なものによっても置き換えることができる。チオグリコレート部分は、その硫黄原子を介して環に結合される。
【0098】
合成は2つの部分から成り、第1の部分は、モノ−5−クロロ−モノ−2−フルオロ−モノ−4−チオグリコレートピリミジン染料の調製であり、第2の部分は、モノ−5−クロロ−2−ニコチニル−4−チオグリコレートピリミジン染料の調製である。
【0099】
モノ−5−クロロ−モノ−2−フルオロモノ−4−チオグリコレートピリミジン染料の合成
0.1モルのドリマラン赤F−B染料及び蒸留水をフラスコに入れる。次いで、フラスコを氷水浴に入れる。次いで撹拌しながら、0.1モルのメルカプト酢酸を一滴ずつ反応混合物に加える。加える時間は合計で、1〜1.5時間である。メルカプト酢酸を加えている間中、反応混合物のpHを、pH9.8〜10に保ち、温度は0〜5℃に保つ。
【0100】
5℃及びpH9.8〜10(炭酸ナトリウム及びHClを用いて補正する)にて15時間、反応を進行させる。合成のこの部分に関して、反応の終了点は、反応系のpHが5分以上一定に保たれることによって示される。この時点で、モノ−5−クロロ−2−フルオロ−モノ−4−チオグリコレートピリミジン染料は得られる。次いで、6NのHClを用いて系のpHをpH2未満に低下させ、反応を終了させる。染料を沈殿させるために、次にKCl(≒全溶液の約35%)を反応混合物に加える。次にワットマンろ紙を用いて濾過を行う。次いで沈殿をアセトン(≒各回50mlのアセトンを使用)にて4〜5回洗浄し、モノ−5−クロロモノ−2−フルオロモノ−4−チオグリコレートピリミジン染料を得る。
【0101】
モノ−5−クロロ−2−ニコチニル−4−チオグリコレートピリミジン染料の合成
合成の第1部分で製造した、モノ−5−クロロ−モノ−2−フルオロ−4−チオグリコレートピリミジン染料0.1モルを、フラスコ中で0.3モルのニコチン酸と共に蒸留水に溶解する。反応系の温度を80±1°Cまで上昇させ、pHを5.5に調整する。このような条件下で3〜4時間反応を進行させる。再度、合成系のpHの急激な変化が認められる。反応の終了時点は、再度、5分以上のpHの安定化によって示される。沈殿、濾過およびアセトン洗浄の条件は、合成の第1部分における上述と同様である。収率は85%を越える。
【0102】
実施例8
5−クロロ−4−ニコチニル−2−チオグリコレートピリミジン染料の合成
5−クロロ−4−ニコチニル−2−チオグリコレートピリミジン染料は、ダイアグラム8に示す合成経路を用いて調製する。
【0103】
【化45】
Figure 0004057242
【0104】
上記反応式においてDは発色団であり、使用する出発染料によって変化する。本実施例ではドリマレンブリル赤4−KBLを出発物質として使用する。ドリマレン赤FBは、ドリマラン赤F−B、ドリマラン黄F−R、ドリマラン青F−G、ドリマラン青F−B、ドリマラン黄F−3GL、ドリマラン黒F−B、ドリマレンゴールデンイエローGR−G2R、ドリマレン青R−GL、およびドリマレンブリル赤R−8Bを包含して商品名ドリマラン及びドリマレンとしてクラリアントから市販されている種々のジフルオロモノクロロピリミジン染料又はトリクロロピリミジン染料のいかなる好適なものとも置き換えることができる。上記反応スキームにおいてチオグリコレート部分はその硫黄原子を介して環に結合される。
【0105】
合成は2つの部分から成り、第1の部分は、5−クロロ−4−ニコチニル−2−フルオロピリミジン染料の調製であり、第2の部分は、5−クロロ−4−ニコチニル−2−チオグリコレートピリミジン染料の調製である。
【0106】
5−クロロ−4−ニコチニル−2−フルオロピリミジン染料の合成
0.1モルの精製ドリマレンブリル赤K−4BL染料及び蒸留水をフラスコに入れる。0.1モルのニコチン酸を滴下漏斗から反応混合物へ撹拌しながら、一滴ずつ加える。加える時間は合計で、1〜1.5時間である。ニコチン酸を加えている間中、反応系のpHをpH5〜5.5に保ち、反応系の温度を、40〜45℃に保つ。
【0107】
次いで、40〜45℃及びpH5〜5.5(炭酸ナトリウム及びHClを用いて補正する)にて3〜4時間、反応を進行させる。合成のこの部分に関して、反応の終了点は、反応系のpHが5分以上一定に保たれることによって示される。この時点で、5−クロロ−4ニコチニル−2−フルオロピリミジン染料が得られる。次いで、6NのHClを用いて系のpHをpH2未満に低下させ、反応を終了させる。染料を沈殿させるために、KCl(≒全溶液の35%)を反応混合物に加え、その後ワットマンろ紙を用いた濾過を行う。次いで沈殿をアセトン(≒各回50mlのアセトンを使用)にて4〜5回洗浄し、5−クロロ−4−ニコチニル−2−フルオロピリミジン染料を得る。
【0108】
5−クロロ−4−ニコチニル−2−チオグリコレートピリミジン染料の合成
合成の第1部分で得た5−クロロ−4−ニコチニル−2−フルオロピリミジン染料0.1モル及び150mlの蒸留水をフラスコに入れる。次いで撹拌しながら、0.1モルのメルカプト酢酸を一滴ずつ反応混合物に加えた。加える時間は合計で、1〜1.5時間であった。メルカプト酢酸を加えている間中、反応スキームをpH5〜5.5に保ち、反応系の温度を、50〜55℃に保つ。
次いで、50〜55℃及びpH5〜5.5(炭酸ナトリウム及びHClを用いて補正する)にて32〜35時間、反応を進行させる。合成のこの部分に関して、反応の終了点は、反応系のpHが5分以上一定に保たれることによって示される。この時点で5−クロロ−4−ニコチニル−2−チオグリコレートピリミジン染料が得られる。次いで、6NのHClを用いて系のpHをpH2未満に低下させ、反応を終了させる。染料を沈殿させるために、次にKCl(≒全溶液の35%)を反応混合物に加える。次にワットマンろ紙を用いた濾過を行う。次いで沈殿をアセトンにて4〜5回(≒各回50mlのアセトンを用いた)洗浄し、最終染料製品を得る。
【0109】
実施例9
ニコチニルチオグリコレートキノキサリン染料の合成
ニコチニルチオグリコレートキノキサリン染料は、ダイアグラム9に示す合成経路を用いて調製する。
合成は2つの部分から成り、以下の反応メカニズムに示すように、第1の部分は、モノチオグリコレートキノキサリン染料の調製であり、第2の部分は、モノチオグリコレートモノニコチニルキノキサリン染料の調製である。
【0110】
【化46】
Figure 0004057242
【0111】
上記反応スキームにおいてDは発色団であり、使用する出発染料によって変化する。本実施例では、ダイスターから市販されているレバフィックスゴールドゲルブ(Levafix Goldgelb)E−Gを出発物質として使用するが、これは、レバフィックスブリリアント青E−B、レバフィックスブリリアント赤E−RNおよびレバフィックスブラウンE−2Rのような任意の好適なキノキサリン染料とも置き換えることができる。
【0112】
モノチオグリコレートキノキサリン染料の合成
0.1モルの精製レバフィックスゴールドゲルブE−G染料及び蒸留水をフラスコに入れる。次いで撹拌しながら、0.1モルのメルカプト酢酸を一滴ずつ反応混合物に加える。加える時間は合計1時間である。メルカプト酢酸を加えている間中、反応系のpHを、pH9に保ち、反応系の温度を30〜35°Cに保つ。
【0113】
次いで、30〜35°C及びpH9(炭酸ナトリウム及びHClを用いて補正する)にて4〜5時間反応を進行させる。合成のこの部分に関して、反応の終了点は、反応系のpHが5分以上一定に保たれることによって示される。この時点でチオグリコレートキノキサリン染料が得られる。次いで、6NのHClを用いて系のpHをpH2未満に低下させ、反応を終了させる。染料を沈殿させるために、次にKCl(≒全溶液の35%)を反応混合物に加える。次にワットマンろ紙を用いた濾過を行う。次いで沈殿をアセトンにて4〜5回(≒各回50mlのアセトンを用いた)洗浄し、染料製品を得る。
【0114】
ニコチニルチオグリコレートキノキサリン染料の合成
合成の第1部分で得た0.1モルの染料及び0.3モルのニコチン酸を水に溶解し、フラスコに入れる。反応系の温度を50〜65℃に上昇させ、pHを4〜4.5に調整する。このような条件下で5〜6時間反応を進行させる。再度、合成系のpHの急激な変化が認められる。反応の終了時点は、再度、5分以上のpHの安定化によって示される。沈殿、濾過及びアセトン洗浄の条件は、上と同じである。収率は85%を越える。
【0115】
実施例10
化合物10Cの合成
10Cで示される染料は、ダイアグラム10に示す合成経路を用いて調製する。
【0116】
【化47】
Figure 0004057242
【0117】
上記反応スキームにおいてDは発色団であり、使用する出発染料によって変化する。本実施例ではBASFから市販されているプロシオン赤MX−8Bを出発物質として使用したが、これは、プロシオン黄MX−8Gまたはプロシオン青MX−2Gのような任意の好適なトリアジンによっても置き換えることができる。
【0118】
10Bの合成
0.2モルのプロシオン赤MX−8B染料を水に溶解し、0.1モルのエチレングリコール−ビス−チオグリコレートと、0〜5℃にて撹拌しながら、pHを7.0に保って(必要に応じてNaHCO3を添加)6時間(又はpHが一定になるまで)反応させる。この反応の生成物が化合物10Bである。
【0119】
10Cの合成
次いで、化合物10Bを、0.3モルのニコチン酸とpH5〜5.5、50〜55℃にて4時間(またはpHが一定になるまで)反応させる。
この時点で、水性染料溶液のpHは2.0まで低下し、溶液を5℃未満に冷却する。必要な染料10Cを濾過し、乾燥させる。
【0120】
実施例11
染料化合物11Dの合成
【0121】
【化48】
Figure 0004057242
【0122】
【化49】
Figure 0004057242
【0123】
上記反応スキームにおいてDは発色団であり、使用する出発染料によって変化する。本実施例ではBASFから市販されているプロシオン赤MX−8Bを出発物質として使用したが、これは、プロシオン黄MX−8Gまたはプロシオン青MX−2Gのような任意の好適なトリアジンによっても置き換えることができる。
【0124】
0.1モルのプロシオン赤MX−5Bを水に溶解し、冷却し、撹拌した0.1モルのエチレングリコール−ビス−チオグリコレートの水溶液にゆっくり加える。溶液の温度は0〜5℃であり、この温度を維持する。反応の間中、重炭酸ナトリウムを加えることによって溶液をpH7で維持する。pHが安定すると、中間体染料11Aが形成される。
【0125】
p−アミノベンゼンスルファトエチルスルホンの水溶液を調製し、pH6〜7及び0〜5℃に保つ。次いで、この溶液に塩化シアヌルを加えて、式(11B)を有する化合物を得る:
【0126】
次いで、0.1モルの化合物11Bを中間体染料11Aの水溶液にゆっくり加え、pH7及び温度0〜5℃に保つ。pHが安定すると(5〜6時間)反応は完了する。この反応(11C)の生成物を次いで、0.3モルのニコチン酸とpH5〜5.5、50〜55℃にて5時間、又はpHが一定になるまで反応させ、最終染料化合物11Dを生成する。
【0127】
実施例12
12Cの合成
以下の反応メカニズムに従って合成される:
【0128】
【化50】
Figure 0004057242
【0129】
【化51】
Figure 0004057242
【0130】
上記反応式においてDは発色団であり、使用する出発染料によって変化する。本実施例ではBASFから市販されているプロシオン黄MX−8Gを出発物質として使用したが、これは、プロシオン赤MX−8Bまたはプロシオン青MX−2Gのような任意の好適なトリアジン染料によっても置き換えることができる。
pH6及び0〜5℃にてプロシオン黄MX−8G(0.1モル)の水溶液を0.1のシスタミン水溶液にゆっくり加える。NaHCO3を添加することによりpH6を維持する。4時間後、pHは安定し、反応は完了する。染料中間体12Aが得られる。
【0131】
次いで、実施例11で調製した0.1モルの化合物11Bを、30°C及びpH7にて染料12Aの0.1モル水溶液にゆっくり加える。2時間後、pHは安定する。50℃及びpH5にて、0.3モルのニコチン酸との反応によって、得られた生成物を12Bの四級化を行う。pHが安定すると反応は完了する。5℃に冷却することによって最終染料12Cを単離し、濾過する。
【0132】
実施例13
化合物13Bの合成
以下の反応メカニズムに従って染料化合物13Bを合成する。
【0133】
【化52】
Figure 0004057242
【0134】
【化53】
Figure 0004057242
【0135】
【化54】
Figure 0004057242
【0136】
上記反応スキームにおいてDは発色団であり、使用する出発染料によって変化する。本実施例ではBASFから市販されている黄MX−8Gを出発物質として使用したが、これは、プロシオン赤MX−8Bまたはプロシオン青MX−2Gのような任意の好適なトリアジンによっても置き換えることができる。
アセトン中の0.1モルの塩化シアヌルを0〜5°C、pH7にて0.1モルの化合物12Bの水溶液に30分かけてゆっくり加えた。pHが安定すると、反応は完了し、化合物13Aが得られた。
【0137】
0.1モルの化合物13Aを水に溶解し、pHを6、温度を30℃に保ちながら、p−フェニレンジアミン(0.05モル)の水溶液に加えた。30分後、pHが安定し、化合物13Bが得られる。
次いで0.5モルのニコチン酸を化合物13Bの水溶液に加える。pHを5、温度を50℃に維持した。4時間後、pHが安定したと判断され、化合物13Cが得られた。
【0138】
実施例14
以下の反応メカニズムによって化合物14Bを調製する。
【0139】
【化55】
Figure 0004057242
【0140】
上記反応スキームにおいてDは発色団であり、使用する出発染料によって変化する。本実施例ではBASFから市販されているプロシオン黄MX−8Gを出発物質として使用したが、これは、プロシオン赤MX−8Bまたはプロシオン青MX−2Gのような任意の好適なトリアジンによっても置き換えることができる。上記反応スキームにおいてD’は発色団であり、使用する出発染料によって変化する。本実施例ではプロシオン赤MX−8Bを使用したが、これはいかなる好適なトリアジン染料でも置き換えることができる。
pH7および30°Cにて、0.1モルの化合物12Aを0.1モルのプロシオン赤MX−8Bと2時間反応させる。NaHCO3を添加することによりpHを7に保つ。化合物14Aが得られる。
次いで、50℃およびpH5にて、0.1モルの化合物14Aを0.2モルのニコチン酸と2時間反応させる。pHが安定すると、化合物14Bが生成される。
【0141】
実施例1〜14に従って製造された化合物は全て、特に綿のようなセルロース系基材において高い染着値、高い固着値を有し、廃液中の使用済み染料を減らす、基材に対する染料の親和性を高める、染料−基材の共有結合を増加させ、室温での染料基材の能力を上昇させ、浸染後の”ソーピング洗浄工程”にて除かれる染料の量を低減し、それにより繊維反応染料で綿を染色する及び隣り合った白色織物の着色を低減することと伝統的に関連する浸染後の”ソーピング洗浄工程”を簡略化するという点で有意な改善を示す。さらに上で製造した化合物はさらに濃い染色を提供し、綿基材を染色するために必要な塩を低減する。このような利点は以下の実施例15及び16で明らかにすることができる。
【0142】
実施例15
実施例1〜14に従って製造された染料化合物は全て、以下に詳細に示した浸染手順を用いて綿の染色に使用することができる。綿の浸染手順を実行した後、ソーピング洗浄工程も綿織物について行うことができる。
【0143】
綿の浸染手順
実施例1〜14のいずれかに従った染料化合物を含有する染料水溶液を製造する。染料溶液は繊維質量の1.2%の染料、80g/LのNa2SO4及び繊維質量の5%の酢酸ナトリウムを含有する。綿織物を水に浸し、次いで、綿織物を上の染浴中でpH7、25℃にて30分染色する。染色された綿織物は、それから30g/Lのギ酸ナトリウム及び5g/LのNa2CO3を加えることにより、pH11.5にて染浴中で固着され、さらに25℃にて30分間染色を継続する。
染色した織物を水洗する。
上の浸染手順では、各染料化合物に対する染浴はほとんど完全に使い果たされ、実施例1〜14に基づいて製造された化合物はそれぞれ高い染着値を有することを示している。
【0144】
ソーピング洗浄工程
次いで、染色した織物をサンドジン(Sandozine)NIE(2g/L)の水溶液で100℃にて30分間洗浄することにより、ソーピング洗浄工程を実行することができる。
上のソーピング洗浄工程で、どの色も織物からほとんど除かれなかったということは、実施例1〜14に従って製造した化合物は、高いレベルで染料−繊維共有結合を有し、高い固着値を有することを示している。
【0145】
Co3(国際標準機構)洗濯堅牢度試験
ECE参照洗剤(5g/ml)及び炭酸ナトリウム(2g/ml)を含有する水溶液で60℃にて30分間、染色した織物を洗浄する。
上の洗濯堅牢度試験では、綿繊維から顕著な色落ちはなく、隣り合った白い繊維への着色は起きなかった(SDCブランドフォードから供給された多重繊維隣接小片を用いて)。
【0146】
実施例16
実施例1〜14に従って製造された染料化合物はすべて、以下に詳細な浸染手順を用いてナイロン又は羊毛を染色するのに使用することができる。ナイロン/羊毛の浸染手順を実行した後、染色した繊維で洗濯試験を行い、染料化合物の洗濯堅牢度を調べることができる。
【0147】
羊毛/ナイロンの浸染手順
羊毛/ナイロン繊維を2%アルコポール(Alcopol)−O(40%w/w d−イソオクチル硫酸琥珀酸ナトリウム−アライド・コロイド(Allied Colloids)から市販)溶液に浸す。次いで、以下の組成物を含有する染浴で、100°C及びpH3.5にて1時間繊維を染色する:繊維重量の1.2%の実施例1〜14に従って製造した染料、繊維質量の5%の酢酸中ナトリウム、1%アルベガルB(チバガイギーから市販)。次いで、染色した羊毛/ナイロン繊維を水洗する。
上の手順において、実施例1〜14に従って製造した各化合物について濃い染色が提供される。
【0148】
o 2(ISO)羊毛/ナイロン繊維に関する洗濯堅牢度試験法
染色した羊毛/ナイロン繊維を、5g/LのECE参照洗剤(染物師及びカラーリスト協会、ブラッドフォード、英国から市販)を含有する水溶液で50℃にて45分間洗浄する。
上の洗濯堅牢度試験では、羊毛繊維からの顕著な色落ちはなく、隣り合った白い繊維への着色は起きなかった(SDCブランドフォードから供給された多重繊維隣接小片を用いて)。

Claims (27)

  1. 下記の式(I):
    Figure 0004057242
    (式中、
    Dは発色団基であり;
    LはNR及びNRC=O(Rは、H又はC〜Cのアルキル基である)から選択される連結部分であり
    Zはピリミジン及びキノキサリンから選択される窒素含有複素環であり;
    R′は、H、C〜Cのアルキル基、(CHCOOH、(CHCOOM、(CHOH、(CHNR″
    Figure 0004057242
    Figure 0004057242
    及び−CHCHNH(nは1〜4の範囲の整数であり、式中、同一分子のnは必ずしも同一の整数である必要はなく;Mは、アルカリ土類金属の陽イオン、アルカリ金属の陽イオン、NH またはNR″ である)から選択され;
    Qは、
    Figure 0004057242
    Figure 0004057242
    Figure 0004057242
    Figure 0004057242
    Figure 0004057242
    Figure 0004057242
    (ここで、R″はC〜Cのアルキル基であり、nは1〜4の整数である)
    から選択される)から選択され
    Aはハロゲンであり;
    及び、その塩及びエステル;)
    を有する反応染料。
  2. LがNRである(ここで、Rは、H又はC〜Cのアルキル基である)請求項1に記載の反応染料。
  3. R′が(CHCOOH、(CHOH、及びCH(COOH)CHCOOHから選択される請求項1又は2に記載の反応染料。
  4. R′がCHCOOHである請求項1〜3のいずれか1項に記載の反応染料。
  5. Qがニコチン酸、DABCO、ジメチルアミノベタイン及びイソニコチン酸から選択される請求項1〜4のいずれか1項に記載の反応染料化合物。
  6. Qがニコチン酸である請求項1〜5のいずれか1項に記載の反応染料。
  7. 式(II):
    Figure 0004057242
    (式中、
    は発色団基、又はもし反応染料化合物が少なくとも1つの発色団基を含有するならば、発色団の代わりに使用するのに好適な、β−スルファトエチルスルホニルベンゼン、ビニルスルホニルベンゼン、クロロエチルスルホニルベンゼン及びβ−s−チオスルファトエチルスルホニルベンゼンから選択される有機ラジカルであり;
    はNR及びNRC=O(Rは、H又はC 〜C のアルキル基である)から選択される連結部分であり;
    はトリアジン、ピリミジン及びキノキサリンから選択される窒素含有複素環であり;
    は、
    Figure 0004057242
    Figure 0004057242
    Figure 0004057242
    Figure 0004057242
    Figure 0004057242
    Figure 0004057242
    (ここで、R″はC 〜C のアルキル基であり、nは1〜4の整数である)
    から選択される)から選択され;
    Aはハロゲンであり;
    JはS及びNHから選択され
    KはQ及びハロゲンから選択され
    L′はC〜Cのアルキル基及び式(A1)を有するジエステル
    (ここで、A1は(CH0−2−(C(=O)−O)−(CH1−4−(O−C(=O))−(CH0−2である)から選択される連結基である)
    を有する反応染料化合物。
  8. 下記式:
    Figure 0004057242
    (式中
    は発色団基、又はもし反応染料化合物が少なくとも1つの発色団基を含有するならば、発色団基の代わりに使用するのに好適な、β−スルファトエチルスルホニルベンゼン、ビ ニルスルホニルベンゼン、クロロエチルスルホニルベンゼン及びβ−s−チオスルファトエチルスルホニルベンゼンから選択される有機ラジカルであり;
    はトリアジン、ピリミジン及びキノキサリンから選択される窒素含有複素環であり;
    はS及びNHから選択され;
    はNR及びNRC=O(Rは、H又はC 〜C のアルキル基である)から選択される連結部分であり;
    L′はC 〜C のアルキル基及び式(A1)を有するジエステル
    (ここで、A1は(CH 0−2 −(C(=O)−O)−(CH 1−4 −(O−C(=O))−(CH 0−2 である)から選択される連結基であり;
    各Kは、同一又は異なり、ハロゲンから選ばれる)
    を有する反応染料化合物。
  9. 式:
    Figure 0004057242
    (式中、D及びD′は、同一又は異なる発色団であり;KはQ 及びハロゲンから選択される)
    を有する反応染料化合物。
  10. 式:
    Figure 0004057242
    (式中、D及びD′は、同一又は異なる発色団である)
    を有する反応染料化合物。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物をセルロース系基材の浸染又は捺染に使用する方法。
  12. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物を羊毛の浸染又は捺染に使用する方法。
  13. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物をポリアミド基材の浸染又は捺染に使用する方法。
  14. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物を絹の浸染又は捺染に使用する方法。
  15. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物をケラチン浸染又は捺染に使用する方法。
  16. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物を皮革の浸染又は捺染に使用する方法。
  17. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物を1以上含む染料組成物。
  18. 組成物が固形混合物の形状をなし、そして更に酸性緩衝液を含む請求項17に記載の染料組成物。
  19. 組成物が液体の形状をなし、そして更に水及び酸性緩衝液を含む請求項17に記載の染料組成物。
  20. 組成物がペーストの形状をなし、そして更に水、増粘剤及び酸性緩衝液を含む請求項17記載の染料組成物。
  21. pHが5下である請求項17、19又は20記載の染料組成物。
  22. Aが塩素又はフッ素である請求項1に記載の反応染料。
  23. RがHである請求項2に記載の反応染料。
  24. セルロース系基材が綿である請求項11に記載の方法。
  25. ポリアミド基材がナイロンである請求項13に記載の方法。
  26. ケラチンが毛髪である請求項15に記載の方法。
  27. pHが2〜3である請求項21に記載の染料組成物。
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