JP4056848B2 - 湯水混合栓 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、開弁時に弁部材の位置保持ができ、合成樹脂等により比較的容易に成形できるようにした湯水混合栓に関するものであり、更に具体的には、上記湯水混合栓において、ハンドル操作により設定する弁部材の位置を安定的に保持する開度保持機能、単一のハンドルの操作により、湯水の混合比を変える温度調整と流路の開口量を変える流量調整とを個々に独立に行えるようにした湯水調整機能、並びに、摺動部間の安定的なシール機能等を簡単な構成で達成できるようにした湯水混合栓に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ハンドルの操作によって湯水の混合比による温度調整を行い、また、流量調整をも行えるようにした湯水混合栓は、従来から各種のものが知られている。
本発明者も同様な湯水混合栓を提案しているが、現実的な部品の成形、組み立ての簡単化、低廉化においてさらなる改善が求められている。
特に、開弁時における弁部材の位置保持については、ねじ等により外部から弁部材に強力な駆動力を与えると共にその弁部材の位置保持を安定化するのが一般的であり、本発明者の既提案の発明(特許文献1参照)を含めて、ハンドル操作による弁開閉機構を備えたものも知られているが、開弁時における弁部材の位置保持を安定化しようとすると、付属品の増加による複雑化、摩擦の増加、即応性の減退等があり、その解決は容易ではない。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−271948
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の技術的課題は、開弁時における弁部材の位置保持を安定化させ、しかも合成樹脂等による成形が容易な5部品を主体とし、簡単に成形、組立できるようにした湯水混合栓を提供することにある。
本発明の他の技術的課題は、上記湯水混合栓において、単一のハンドルの操作により、湯水の混合比を変える温度調整と流路の開口量を変える流量調整とを個々に独立に、しかもハンドル操作量に比例的に行えるようにした湯水調整機能を具備させることにある。
本発明の他の技術的課題は、上記湯水混合栓において、ハンドル操作により設定する弁部材の位置を安定的に保持する開度保持機能を具備させることにある。
本発明の更に他の技術的課題は、上記湯水混合栓において、摺動部間に安定的なシール機能を具備させることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の湯水混合栓は、基本的には、ボディに開設した回転子孔の内底面における流路開口の周囲に弁座を形成し、該流路開口を上記ボディ内の流路空間を経て湯水の流出口に連通させ、且つ上記回転子孔の内周における互いに近接する位置に一対の湯水導入孔を開口させた弁外殻体と、上記弁外殻体内の回転子孔内に回転自在に嵌入される円筒状ボディを備え、該円筒状ボディに、上記回転子孔における一対の湯水導入孔の開口と対向させて、回転により一対の開口を任意比率で跨いで連通するように開設し、その回転位置により湯水の混合量を設定する調節孔を設けた回転子と、弁外殻体における回転子孔の内底面を覆う形で形成され、周囲の弁座に接離して流路開口をシール部材により開閉する弁板部を備え、当該弁板部は、上面側が該弁板部の動作位置の如何に拘わらず上記調節孔を通して湯水導入孔と連通せしめられる状態で回転子内に配設し、上記弁板部上に、連結子に遊動自在に係合する係合部を設けると共に、該弁板部の下面側に、流路開口の内周面に近接して該弁板部から下方に延びる延出材を備え、開弁時に弁板部の周辺部と該弁板部の周辺部が対向する回転子孔内底面との間に形成される流通間隙において、上記調節孔により形成される該流通間隙への入口の巾と上記延出材間に形成される該流通間隙からの出口の巾の合計をほぼ等しく形成すると共に、該入口及び出口はその高さもほぼ等しくなるようにして、該入口から出口に至る間に定速流路が形成できるようにした弁部材と、上記回転子内にシール部材を介して気密に且つ軸方向に摺動自在に嵌挿され、ハンドルと弁部材の係合部との間を連結する連結子と、レバーの上下動により上記連結子を介して前記調節孔からの湯水を流出させるための上記弁部材を昇降させ、該レバーの左右への回動により上記回転子を回転させ、それによって温度と流量調整を行うハンドルとを備えたことを特徴とするものである。
【0006】
これにより、上記湯水混合栓は、合成樹脂等による成形が容易な弁外殻体、回転子、弁部材、連結子及びハンドルの5部品を主体とし、簡単に成形、組立できるようになる。但し、上記5部品とは、主要な部品の数を示すもののであって、シール部材やピンその他の付属的な部品、成形を容易にするために分割成形する部品等があっても差し支えない。
【0007】
上記湯水混合栓においては、開弁時に弁板部下面周辺の定速流路への対面部とそれに対応する弁板部の上面に作用する流体圧が均等になり、それにより流体圧による弁部材の移動をなくすことができる。
上記湯水混合栓の好ましい実施形態においては、弁部材の弁板部上に設けた連結子と遊動自在に係合する係合部が、該弁板部と一体に成形され、連結子の下端に設けたところの係合頭部を先端に有する細径部に側方から係合し、該細径部に沿って遊動可能な二股状部分によって形成される。
また、上記湯水混合栓においては、回転子孔の内周面の互いに近接する位置に連通する一対の湯水導入孔を、弁外殻体における上記回転子孔と反対の側から穿設した上記回転子孔と軸線が平行で部分的にそれに接する孔によって形成し、それによって、回転子孔の内周面と各湯水導入孔との間に形成される連通開口を矩形状にするのが、ハンドル操作量に比例的に行える湯水調整機能を構成するために有効である。
【0008】
上記本発明の湯水混合栓においては、基本的には、弁部材の弁板部を、その動作位置の如何に拘わらず上面側が常に回転子を通して湯水導入孔と連通せしめられる状態で回転子内に配設した構成を備えているため、弁板部は、閉弁時には弁板部上に湯水の圧力が閉弁力として作用し、開弁時には弁板部等に作用する湯水の圧力が、弁板部自体に作用する力をバランスさせる。
【0009】
一方、弁外殻体における流路開口の径と回転子内に摺動自在に嵌挿した弁軸部に相当する連結子の外形を略同径として、弁板部が流路開口の周囲の弁座に接してシール部材により閉弁した状態においては、上記連結子の受圧面積よりも大きい上記シール部材のシール径内の増分受圧面積に作用する湯水の圧力により閉弁力を発生させ、流路開口を開いた開弁状態においては、弁部材に作用する湯水の圧力による弁開閉方向の力が拮抗するように形成することができる。
【0010】
上記流路開口における湯水の流出速度の変化による圧力変化、上記流出口付近における湯水のたまりによる圧力等により、開弁位置ではわずかに開弁方向の力が残るが、前記延出材に駆動調整板を設けるなどの手段によりそれを減少させることができる。また、上記弁軸部に相当する連結子を小径化したり、流路開口を大径にするなど、各種の方法も併用することにより、この残存する開弁力を実用上差し支えない程度に小さくすることができる。これにより、ハンドル操作により設定する弁部材の開弁位置及び閉弁位置を安定的に保持する開度保持機能を構成させることができる。
【0011】
また、上記湯水混合栓においては、回転子及び弁部材を操作するハンドルを、操作用レバーの先端に板状頭部を連結することにより構成し、その板状頭部を弁部材に係合する連結子に対してピンにより回動自在に連結すると共に、回転子に対して径方向には摺動するが該回転子の軸線方向には移動不能に係合させることにより構成し、これにより、単一のハンドルの操作により、湯水の混合比を変える温度調整と流路の開口量を変える流量調整とを、個々に独立に行うことができる。
【0012】
更に、上記湯水混合栓においては、弁外殻体内の回転子孔内面と回転子との間及び回転子と連結子との間に介在させるシール部材の一方または双方を、相互に摺動する一方の部材に固定的に保持される環状保持部と、他方の部材に摺動自在に当接してその当接面との間をシールする環状シール部と、上記環状保持部と環状シール部との間にあって湯水に接触する面側に弧状に突出し、そこに作用する湯水の圧力により伸展して環状シール部をその当接面に圧接する連接部とを備え、それらを弾性体により一体に成形したものとすることができ、これにより、摺動部間に安定的なシール機能を具備させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1乃至図5は本発明に係る湯水混合栓の実施例を示すものである。
この湯水混合栓は、基本的には、外殻を構成する弁外殻体1と、該弁外殻体1内における回転により湯水の混合量を設定する回転子2と、該弁外殻体1内の弁座を開閉すると同時に流量を設定する弁部材3と、上記回転子2の回転及び弁部材3の昇降により温度と流量調整を行うハンドル4と、該ハンドル4の駆動を弁部材3に伝達する連結子5とを備えている。
【0014】
上記弁外殻体1は、ボディ10の偏心位置に上面から回転子2を嵌入するための回転子孔11を開設して、その底面中央に設けた流路開口12の周囲上面に弁座13を形成し、その流路開口12を、後述する弁部材3の駆動力調整板34等が昇降できる流路空間14を経て、ボディ10における回転子孔11を偏寄させた側の側面に設けている湯水の流出口15に連通させ、一方、上記ボディ10には、その下面における上記流出口15と反対の側に、互いに近接する一対の湯水導入孔16a,16bを開設し、これらの湯水導入孔16a,16bを、上記回転子孔11に対して部分的に接するように配設することにより、該回転子孔11に対して互いに近接した矩形状開口17a,17bによって連通させている。
【0015】
さらに具体的に説明すると、上記一対の矩形状開口17a,17bを形成するに当たっては、回転子孔11の周面に近接し且つ互いに近接する位置に、一対の湯水導入孔16a,16bを、弁外殻体1における上記回転子孔11と反対の側から、該回転子孔11と軸線が平行で部分的にそれに接するように穿設し、それによって、回転子孔11の内周面と各湯水導入孔16a,16bとの間に形成される連通開口17a,17bを矩形状に形成している。このような構成は、ハンドル操作量に比例的に温度及び流量の調整を行う湯水調整機能を得るために有効なものである。上記湯水導入孔16a,16bは、そのいずれの側を湯または水の供給源に接続しても差し支えない。
【0016】
上記弁外殻体1内の回転子孔11内に回転自在に嵌入される回転子2は、円筒状ボディ20の周囲を、ボールを用いたガイド機構21により上記回転子孔11内において回転はするが軸方向移動は制限した状態で、且つシール部材22により回転子孔11内面との間をシールして嵌入している。
また、上記円筒状ボディ20は、その内側に前記連結子5が摺動する第1の孔23と、弁部材3が摺動する上記第1の孔23より大径の第2の孔24とを上下に同心状に設け、円筒状ボディ20における第2の孔24を設けた部分には、その円筒状ボディ壁に、弁外殻体1のボディ10における回転子孔11と湯水導入孔16a,16bとの間の前記矩形状開口17a,17bに対向する矩形状の調節孔25を設けている。この調節孔25は、図3から分かるように、ハンドル4による回転子2の回転により、近接して開口する上記矩形状開口17a,17bのそれぞれに単独で連通し、あるいは双方の開口17a,17bを任意比率で跨いでそれらに連通するように開設したものであり、その回転位置によって湯水の混合量を設定できるようにしている。
【0017】
更に、上記回転子2の円筒状ボディ20における上記調節孔25側の上部には、後述するハンドル4の板状頭部41が嵌入する径方向溝26を設け、この溝26内に、ハンドル4の板状頭部41の両面側に設けた突子43を嵌入させるための溝巾方向に拡大した拡大部27を連設している。
【0018】
上記回転子2の円筒状ボディ20における第2の孔24内には、前記弁部材3を上下に摺動自在に嵌入している。この弁部材3は、弁外殻体1における回転子孔11の内底面に接離する弁板部31を備え、この弁板部31には、上記回転子孔11の内底面における流路開口12の周囲の弁座13に対向する位置に、Oリングからなるシール部材32を設けている。このシール部材は、弁座側に設けることもでき、また、適宜シール押さえを用いてシール部材の取付けの安定化を図ることもできる。上記弁板部31は、回転子2の円筒状ボディ20内において、その動作位置の如何に拘わらず上面側が常に該円筒状ボディ20における調節孔25等を通して湯水導入孔16a,16bと連通せしめられる状態として配設されるものである。しかし、弁部材31の上面側に連通させて該調節孔25の一部を形成する他の孔を設けて、弁板部31の上面側に湯水を導入可能にすることもできる。
【0019】
また、上記弁板部31上には、それと一体に、連結子5の下端に係合する二股状部分により形成される係合部33を設けている(図1及び図3参照)。この係合部33は、弁部材3を連結子5に対して遊動自在に係合するものであればよく、弁部材3がその遊動範囲内では連結子5の位置に拘わらず閉弁位置を保持できるように構成すればよい。
【0020】
更に、上記弁板部31の下方には、上記流路開口12から流出口15に至る間の流路空間14内に位置し、しかも、流路開口12の内周面に近接して該弁板部31から下方に延びる格子状延出材35を設け、この通水間隙を形成する格子状延出材35を介してその先端に駆動力調整板34を連結している。
上記延出材35は、図1、図4及び図5に示すような複数本の格子状の部材等により形成され、この各延出材35間に形成される開口の巾の合計は、回転子2の調節孔25の巾にほぼ等しくなるようにしている。
【0021】
そのため、開弁時に、弁板部31の周辺部と該周辺部が対向する回転子孔11の内底面との間に形成される流通間隙36において、上記調節孔25により形成される該流通間隙36への入口36aの巾と上記延出材35間に形成される該流通間隙36からの出口36bの巾の合計とがほぼ等しく形成され、該入口36a及び出口36bはその高さもほぼ等しくなるようにしているので、該入口36aから出口36bに至る間に定速流路が形成される。そして、開弁時には、弁板部31下面周辺の定速流路への対面部とそれに対応する弁板部31の上面に作用する流体圧が均等になる。
【0022】
また、上記駆動力調整板34は、流路開口12から流出口15に至る間の流路空間14内に配設され、その上面を流れる湯水の圧力により上下方向へ働く力の変化はなく、下面側は実質的に大気圧を受けるように形成されているものである。即ち、この駆動力調整板34は、流路開口12を開いた開弁状態において、連結子5にかかる大気の圧力による閉弁方向の力が、駆動力調整板34の受圧面積に作用する大気の圧力、湯水の流路開口12及び流水口15における圧力の変化分の加わった微小圧力等による開弁方向の力に拮抗するように形成したものであり、これにより、ハンドル操作で設定する弁部材の開弁位置及び閉弁位置を安定的に保持する開度保持機能を構成させることができる。なお、この駆動力調整板34の機能は、連結子5を小径化したり、流路開口12を大径にするなど、各種の方法も併用することにより代替させることもできる。
【0023】
上記回転子2における第1の孔23内に挿入した連結子5は、シール部材53により該孔23の内面との間がシールされて、該孔23内を回転自在で軸方向にも摺動自在に嵌挿された円柱部50を備え、その円柱部50の下端に、弁部材3を遊動自在に連結するための係合頭部52を先端に有する細径部51が設けられている。この係合頭部を52を有する細径部51は、前記弁部材3の弁板部31上に設けた二股状の係合部33をその細径部51に側方から係合させ、該細径部51に沿って遊動可能にするものであるが、弁部材3との連結が遊動自在であればかかる構造に限るものではない。
【0024】
また、上記円柱部50の上部には、ハンドル4の板状頭部41を嵌入させる溝54を設けると共に、該円柱部50及びその溝54に嵌入したハンドル4の板状頭部41を貫通して連結用のピン56を挿入するためのピン孔55を開設している。このピン56により、上記連結子5はハンドル4の板状頭部41と回転自在に連結され、ハンドル4の先端の上下方向の操作によりこの連結子5が昇降駆動され、それが弁部材3に伝達される。
【0025】
ハンドル4は、レバー40と板状頭部41とを備え、上述したピン56を板状頭部41に設けたピン孔55に挿入することにより連結子5に連結されるものであるが、該板状頭部41には、その先端側の両面に突子43を突設し、該板状頭部41を、前記回転子2の円筒状ボディ20の上部に設けた径方向溝26に嵌入させると共に、上記突子43を該溝26内の拡大部27に嵌入係合させている。該突子43は、上記径方向溝26内の拡大部27内に係合し、そこを支点としてハンドル4を上下に回動可能に支持するものであるが、ハンドル4と連結子5とはそれらを貫通するピン56によって連結され、該ピン56が連結子5の軸線方向にしか移動できないため、ハンドル4の回動に伴って上記突子43は溝26の拡大部27中を円筒状ボディ20の径方向に若干移動することになる。
【0026】
また、レバー40の先端を左右に移動させ、それによってハンドル4を水平面内で回動させると、回転子2の円筒状ボディ20が弁外殻体1の回転子孔11内にガイド機構21により回転自在に嵌入されているので、ハンドル4の板状頭部41が溝26に嵌入している回転子2は、該ハンドルの操作により連結子5と共にそれらの中心軸線の周りで回転することになる。
このハンドル4による回転子2の回転は、その円筒状ボディ20の調節孔25の回転移動により、該調節孔が前記矩形状開口17a,17bのそれぞれと連通する面積を変え、湯水の混合比、即ち流出する温度調整可能にするものである。
【0027】
上記回転子2における第1の孔23の内径、あるいはその孔23内に挿入された連結子5における円柱部50の外径は、弁外殻体1における流路開口12の径と略同径であり、そのため、弁板部31のシール部材32が流路開口12の周囲の弁座13に接近し、あるいは弁座13に接して閉弁した状態においては、上記弁板部31の下面及び駆動力調整板34には殆ど湯水の圧力が作用せず、弁板部31の上面側に流入した湯水の圧力が、弁板部31の上面における該連結子の内径をこえたシール部材32の径の内側部(増分受圧面積)に作用するので、それが連結子5の円柱部50の外面に作用する空気圧による力と共に、弁板部31を弁座13に圧接する方向の力として作用し、つまり弁座13を閉鎖する自緊作用により、流路開口12が閉鎖される。この閉弁力は、連結子5に対して遊動できる弁部材3のシール部材32が弁座13に対して接触できる遊動範囲内にあれば、連結子5の位置に拘わらず弁部材3を閉弁位置に保持できるものである。
【0028】
一方、ハンドル操作による上記弁板部31の昇降により弁座13内の流路開口12の開放量を調整して流量制御する際には、矩形状開口17a,17bを通して弁板部31の上下の室に流入した湯水の圧力が、該弁板部31の上下面に略同程度の力を作用させ、また連結子5の上面と駆動力調整板34の下面は共に大気に曝されており、大気圧による同程度の力が作用するので、それらの力がバランスし、湯水の圧力が弁部材3を昇降させる力として作用することは殆どない。
格子状延出材35を介して弁板部31に連結された駆動力調整板34を設ける場合は、流水口15の付近にたまる湯水の圧力のみが残るが、弁板部31に作用する湯水の圧力に較べてそこに作用する力は極めて小さく、無視することができる。
【0029】
結果的に、上記構成を有する弁部材3は、ハンドル4の操作による連結子5の昇降に伴って、該連結子5の細径部51の先端の係合頭部52に係合する弁部材3の係合部33を介して、弁板部31が昇降せしめられ、その弁板部31に設けたシール部材32が弁座13に接離して流路開口12を開閉するものであり、その開放量に応じて流路開口12から格子状延出材35の間を通して流出する流量が制御される。
また、前述したように、ハンドル4による回転子2の回転により、円筒状ボディ20の調節孔25が回転移動し、それにより、調節孔25が前記弁外殻体1における矩形状開口17a,17bのそれぞれと連通する面積を変えるので、その開口面積に応じて湯水の混合比、即ち流出する温度が調整される。
そのため、単一のハンドルの操作により、湯水の混合比を変える温度調整と流路の開口量を変える流量調整とを、個々に独立に行うことができる。
【0030】
上記調節孔25は、常に矩形状開口17a,17bのいずれかと相互に繋がり、開弁時には弁板部31の上方空間aが湯水の液溜まりとなり、また、弁板部31の下部空間bの周辺では、各延出材35間に形成される開口の巾の合計を調節孔25の下縁の長さにほぼ等しく形成しているので、ハンドルの上下動即ち弁板部31の位置に拘わらず湯水が一定の速度で流れる前述の定速流路となる。この結果、レバー40の上下動により流量調節が行われるが、更に注目すべきは、常に弁板部31の上面及び下面に等圧力の湯水が上記空間a及びbに充満する状態で弁板部31を圧迫し、この状態が弁板部31の位置如何に拘わらず変わらないことである。従って、弁板部31の位置保持、即ち制動力を高める機能を果たすことになる。
【0031】
図6は、回転子2の円筒状ボディ20における第1の孔23と連結子5の円柱部50との間に介在させるのに適したシール部材53の具体的構成を例示している。このシール部材53は、相互に摺動する連結子5の円柱部50における環状凹部50aに固定的に保持される環状保持部53aと、円筒状ボディ20に摺動自在に当接してその当接面との間をシールする環状シール部53bと、上記環状保持部53aと環状シール部53bとの間にあって湯水に接触する面側に弧状に突出する連接部53cとを備え、それらを弾性体により一体に成形したものである。この連接部53cは、そこに作用する湯水の圧力により伸展して環状シール部53bをその当接面に圧接し、摺動部間における安定的なシール機能を発揮するものであり、そのため、該連接部53cの背面側を小孔50bによって大気に開放しておくのが望ましい。
【0032】
なお、上記シール構造は、弁外殻体1内の回転子孔11の内面と回転子2の円筒状ボディ20との間のシール部材22についても適用することができる。
【0033】
【発明の効果】
以上に詳述した本発明の湯水混合栓によれば、上記湯水混合栓は、合成樹脂等による成形が容易な弁外殻体、回転子、弁部材、連結子及びハンドルの5部品を主体とし、簡単に成形し、組立てることができ、しかも各部に優れた機能を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る湯水混合栓の実施例を示す縦断面図である。
【図2】同じく平面図である。
【図3】図1におけるA−A線での横断面図である。
【図4】図1におけるB−B線での横断面図である。
【図5】弁板部の作用を説明するための説明図である。
【図6】上記実施例において用いているシール部材の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 弁外殻体
2 回転子
3 弁部材
4 ハンドル
5 連結子
10 ボディ
11 回転子孔
12 流路開口
13 弁座
14 流路空間
15 流出口
16a,16b 湯水導入孔
17a,17b 矩形状開口
20 円筒状ボディ
22 シール部材
25 調節孔
31 弁板部
32 シール部材
35 延出材
36 流通間隙
40 レバー
41 板状頭部
51 細径部
52 係合頭部
53 シール部材

Claims (7)

  1. ボディに開設した回転子孔の内底面における流路開口の周囲に弁座を形成し、該流路開口を上記ボディ内の流路空間を経て湯水の流出口に連通させ、且つ上記回転子孔の内周における互いに近接する位置に一対の湯水導入孔を開口させた弁外殻体と、
    上記弁外殻体内の回転子孔内に回転自在に嵌入される円筒状ボディを備え、該円筒状ボディに、上記回転子孔における一対の湯水導入孔の開口と対向させて、回転により一対の開口を任意比率で跨いで連通するように開設し、その回転位置により湯水の混合量を設定する調節孔を設けた回転子と、
    弁外殻体における回転子孔の内底面を覆う形で形成され、周囲の弁座に接離して流路開口をシール部材により開閉する弁板部を備え、当該弁板部は、上面側が該弁板部の動作位置の如何に拘わらず上記調節孔を通して湯水導入孔と連通せしめられる状態で回転子内に配設し、上記弁板部上に、連結子に遊動自在に係合する係合部を設けると共に、該弁板部の下面側に、流路開口の内周面に近接して該弁板部から下方に延びる延出材を備え、開弁時に弁板部の周辺部と該弁板部の周辺部が対向する回転子孔内底面との間に形成される流通間隙において、上記調節孔により形成される該流通間隙への入口の巾と上記延出材間に形成される該流通間隙からの出口の巾の合計をほぼ等しく形成すると共に、該入口及び出口はその高さもほぼ等しくなるようにして、該入口から出口に至る間に定速流路が形成できるようにした弁部材と、
    上記回転子内にシール部材を介して気密に且つ軸方向に摺動自在に嵌挿され、ハンドルと弁部材の係合部との間を連結する連結子と、
    レバーの上下動により上記連結子を介して前記調節孔からの湯水を流出させるための上記弁部材を昇降させ、該レバーの左右への回動により上記回転子を回転させ、それによって温度と流量調整を行うハンドルと、
    を備えたことを特徴とする湯水混合栓。
  2. 開弁時に弁板部下面周辺の定速流路への対面部とそれに対応する弁板部の上面に作用する流体圧が均等になり、それにより流体圧による弁部材の移動をなくした、
    ことを特徴とする請求項1に記載の湯水混合栓。
  3. 弁部材の弁板部上に設けた連結子と遊動自在に係合する係合部が、該弁板部と一体に成形され、連結子の下端に設けたところの係合頭部を先端に有する細径部に側方から係合し、該細径部に沿って遊動可能な二股状部分である、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の湯水混合栓。
  4. 回転子孔の内周面の互いに近接する位置に連通する一対の湯水導入孔を、弁外殻体における上記回転子孔と反対の側から穿設した上記回転子孔と軸線が平行で部分的にそれに接する孔によって形成し、それによって、回転子孔の内周面と各湯水導入孔との間に形成される連通開口を矩形状にした、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の湯水混合栓。
  5. 弁外殻体における流路開口の径と回転子内に摺動自在に嵌挿した連結子の外形を略同径として、弁板部が流路開口の周囲の弁座に接してシール部材により閉弁した状態においては、上記連結子の受圧面積よりも大きい上記シール部材のシール径内の増分受圧面積に作用する湯水の圧力により閉弁力を発生させ、
    流路開口を開いた開弁状態においては、弁部材に作用する湯水の圧力による弁開閉方向の力が拮抗するように形成した、
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の湯水混合栓。
  6. 回転子及び弁部材を操作するハンドルは、操作用レバーの先端に板状頭部を連結することにより構成し、
    その板状頭部を弁部材に係合する連結子に対してピンにより回動自在に連結すると共に、回転子に対して径方向には摺動するが該回転子の軸線方向には移動不能に係合させた、
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の湯水混合栓。
  7. 弁外殻体内の回転子孔内面と回転子との間及び回転子と連結子との間に介在させるシール部材の一方または双方が、
    相互に摺動する一方の部材に固定的に保持される環状保持部と、他方の部材に摺動自在に当接してその当接面との間をシールする環状シール部と、上記環状保持部と環状シール部との間にあって湯水に接触する面側に弧状に突出し、そこに作用する湯水の圧力により伸展して環状シール部をその当接面に圧接する連接部とを備え、それらを弾性体により一体に成形したものである、
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の湯水混合栓。
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