JP4056501B2 - 遊技機の異常リセット判定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ機、アレンジボール機、雀球遊技機、回胴式遊技機などの遊技機に関し、特に、大当たり状態の発生タイミングを予測不能にした遊技機に関するものである。
パチンコ機などの弾球遊技機は、遊技盤に設けた図柄始動口と、複数個の図柄を所定時間変動させた後に停止させる図柄表示手段と、開閉板を開閉駆動する大入賞手段などを備えて構成されている。そして、図柄始動口に設けられた検出スイッチが遊技球の通過を検出すると、図柄表示手段が表示図柄を所定時間変動させ、その後、特別図柄が整列して停止すると、大入賞手段が機能して遊技者に有利な利益状態を発生させるようにしている。
この種の遊技機では、大当り用カウンタCTをソフトウェア的に実現すると共に、大当り確率が1/Nの場合、大当り用カウンタCTを0〜N−1の数値範囲内で循環動作させる一方、その数値範囲内の一つを大当り当選値Hitに設定するようにしている。そして、図柄始動口に設けられた検出スイッチが遊技球の通過を検出した場合には、その時の大当り用カウンタCTの値を取得して大当り当選値Hitと比較し、一致する場合にはその後の利益状態へと移行させている。なお、この大当り用カウンタCTは、電源投入後の初期処理によってゼロクリアされた後、所定周期ごとに発せられる割込み信号に応答してインクリメント(+1)処理などによって更新されている。
ところで、大当り当選値Hitは、遊技機を入手してプログラムを解析するだけで把握できる。したがって、仮に、上記のような構成の遊技機に違法回路を取付けて電源投入後の割込み信号をカウントすれば、大当り用カウンタCTの値が大当り当選値Hitに一致する大当りタイミングが分ることになる。しかも、この大当りタイミングは、その後もN個目の割込み信号に対応して規則的に到来するので、この大当りタイミングに合わせて図柄始動口の検出スイッチのON信号を違法回路で発生させれば、任意に大当り状態を実現できることになる。
そこで、このような違法行為に対処するために、大当り用カウンタCTの他にサブカウンタBGNを用いることで、大当り用カウンタCTの値を不規則なものにすることが試みられている。この場合、サブカウンタBGNは、0〜N−1の数値範囲を0から始めて循環動作する。また、大当り用カウンタCTは、0〜N−1の数値範囲を、サブカウンタBGNで決まる初期値STARTから始めて循環動作する。
そして、大当り用カウンタCTが数値範囲Nを一周すると、その時のサブカウンタBGNの値を取得して、それを新たな初期値STARTとして再び循環動作を繰り返すのである。このようにして大当り用カウンタCTの初期値STARTをランダムに変更すれば、大当りタイミングがN個目の割込み信号に対応して規則的に到来することがなくなり、不正行為の排除に大きな効果がある。
しかしながら、上記の対策においても、電源投入後のようにCPUがリセットされた後の最初の初期値だけは、ソフトウェア的に画一的に(通常ゼロに)決定せざるを得ないので、例えば、不正回路を取り付けて適宜なタイミングでCPUを強制的にリセット状態にすれば、リセット後の一巡目だけは大当りタイミングを把握できることになる。
つまり、初期値をランダムに変更しても、適当な時間間隔で、CPUを繰り返しリセット状態にする一方、その後、大当りカウンタCTが大当り当選値Hitに一致するタイミングで図柄始動口の検出スイッチのON信号を発生させるとそのたびに大当り状態が発生してしまうという問題点がある。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、大当り当選値を知られた場合でも不正遊技行為を未然に排除できる遊技機の異常リセット判定方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、請求項1に係る異常リセットの判定方法は、遊技動作用のプログラムを記憶する記憶部と、前記プログラムを読み出して動作するCPUとを含み、遊技状態に関連して所定の検出を行うセンサからの検出信号に基づく乱数抽選により、遊技者に有利な利益状態を発生させるか否かの抽選処理を行う遊技機において、電源電圧の降下時に実行されるデータバックアップ処理時に第1の値に設定され、前記データバックアップ処理でバックアップされたデータを復帰させるデータ復帰処理時に第2の値に設定されるフラグを設け、必要に応じて電源投入時に人為的にON状態とされるRAMクリア信号のON/OFF状態を判定する第1処理と、前記フラグの値を判定する第2処理とを、CPUがリセットされた後に実行し、前記RAMクリア信号がOFF状態であり、且つ前記フラグが第2の値であることを検出すると、前記データ復帰処理を経た後、前記データバックアップ処理時を経ることなくCPUがリセットされた判定するようにしている。
本発明によれば、違法にCPUをリセットしても、それが確実に検出されるので、その後、大当り状態を作為的に発生させることができない。本発明は、特に、抽選用乱数値が所定の数値範囲内を循環動作しているメインカウンタの値によって決定され、メインカウンタが数値範囲内を一回以上循環する毎に、サブカウンタの値に基づいてメインカウンタの初期値が変更されるようになっている場合に有効である。
検出された異常リセットが検出されると、それを報知するか、或いは、所定時間は前記検出信号に係わらず前記抽選処理を無効にするのが効果的である。ここで「無効にする」とは、抽選処理を実質的に無効化することを意味し、検出信号を無視することを含め、抽選処理に至らないあらゆる処理を含む概念である。
以上説明したように、本発明によれば、大当り当選値を知られた場合でも不正遊技行為を未然に排除できる遊技機を実現できる。
以下、本発明の遊技機を実施例に基づいて更に詳細に説明する。図1は、実施例に係るパチンコ機の全体構成を図示したブロック図である。
図示のパチンコ機は、遊技動作を中心的に制御する主制御基板1と、液晶ディスプレイ8の動作を制御する図柄制御基板2と、音声的に遊技動作を盛上げる音声制御基板3と、ランプ類を点滅動作させて遊技動作を盛上げるランプ制御基板4と、遊技球を払出す払出制御基板5と、払出制御基板5に制御されて遊技球を発射する発射制御基板7と、AC24Vを受けて装置各部に直流電圧を供給する電源基板6とを中心に構成されている。
主制御基板1、図柄制御基板2、音声制御基板3、ランプ制御基板4、払出制御基板5は、Z80CPU相当品を内蔵したワンチップマイコンを備えるコンピュータ回路で構成されており、サブ制御基板2〜5は、主制御基板1からの制御コマンドに基づいて個別的な制御動作を実現している。また、主制御基板1は、外部接続端子基板9を通してホールコンピュータにも接続されている。このホールコンピュータは、遊技ホール内の全ての遊技機と接続されており、各遊技機における大当り状態の発生回数や、遊技球の図柄始動口の通過回数や、各遊技機から払出した賞球数などを集中的に管理している。
図2は、主制御基板1の回路構成を示すブロック図である。図示の通り、主制御基板1は、ワンチップマイコンからなるCPU回路1aと、CPU動作クロックCLKの整数倍の周波数であるクロック信号Φ0を発生するシステムクロック発生部1bと、CPUからのアドレス信号に基づき各部のチップセレクト信号を生成するデコード回路1cと、CPUからのデータを出力するための出力ポート回路1dと、外部データをCPUが取り込むための入力ポート回路1eと、各サブ制御基板2〜5に制御コマンドを出力する出力駆動回路1fと、遊技盤各部のスイッチ類のON/OFF状態を入力するスイッチ入力回路1gとを中心に構成されている。
図3〜図5は、主制御基板1の制御プログラムを示すフローチャートである。主制御基板1の制御プログラムは、電源投入後に実行され通常は無限ループ処理(ST8)で終わるシステムリセット処理プログラム(図3)と、所定時間毎に起動されるタイマ割込み処理(Maskable Interrupt禁止可能割込み)プログラム(図4)と、電源電圧が所定値を下回るとNMI(Non Maskable interrupt)信号によって駆動されてCPUのレジスタ値をバックアップするNMI処理プログラム(図6)とで構成されている。
以下、図3を参照しつつシステムリセット処理プログラム(メインルーチン)について説明する。このメインルーチンが開始されるのは、電源がON状態になる場合の他に、プログラムの暴走によってウォッチドッグタイマの計数値が所定値に達してCPUがリセットされた場合もある。また、不正回路の搭載によってCPUが違法にリセットされる可能性も考えられる。電源がON状態になる場合にも2つのパターンがあり、停電状態からの復旧時のように初期化スイッチ85がOFF状態で電源がON状態になる場合と、パチンコホールの開店時のように、初期化スイッチ85がON状態で電源がON状態になる場合とがある。
図3に示すメインルーチンでは、最初に、Z80CPUは、自らを割込み禁止状態に設定し、Z80CPUコアを含むワンチップマイコンの各部を初期設定する(ST1)。また、CPUは自らを割込みモード2に設定した後(ST2)、不正行為排除用のタイマTIMEに初期値1を設定する(ST3)。
次にCPUは、RAMクリア信号の値を判定する(ST4)。RAMクリア信号とは、RAM領域を初期設定するか否かを示す信号であって、初期化スイッチ85のON/OFF状態に対応した値を有している。今、パチンコホールの開店時であって、初期化スイッチ85がON状態で電源投入されたと仮定すると、ステップST4の判定がYesとなり、RAMのワークエリアが初期化され、その他のRAM領域がゼロクリアされると共に、CPUが割込み許可状態(EI)に設定される(ST7)。そして、その後は無限ループ状に乱数発生処理が行われる(ST8)。
ステップST8の乱数発生処理は、インクリメント処理によって数値範囲MAXを循環しているサブカウンタBGNの更新処理と、外れ図柄用カウンタの更新処理とを含んでいる。後述するように、サブカウンタBGNの値は、図4の乱数作成処理(ST30)によって数値範囲MAXを循環している大当り用カウンタCTの初期値を変更するために使用される。また、外れ図柄用カウンタは、図4の特別図柄処理(ST38)における大当り判定処理の判定によって外れ状態となった場合に、どのような態様の外れゲームを演出するかを決定するための処理である。
停電状態からの復旧時のように、初期化スイッチ85がOFF状態であった場合には、ステップST4の判定に続いて、バックアップフラグBFLの内容が判定される(ST5)。バックアップフラグBFLとは、NMI処理において退避されていたバックアップデータが、元の状態に復帰されているか否かを示すデータであり、この実施例では、図6のステップST74の処理でバックアップフラグBFLが5AHとされ、図3のステップST14の処理においてゼロクリアされるようになっている。
今、停電状態からの復旧時であれば、ステップST9に移行するが、CPUが強制的にリセットされたような場合には、不正行為排除用のタイマTIMEに改めて初期値nnが設定された後(ST6’)、ステップST7の処理に移行する。但し、CPUを強制的にリセットした際、不正遊技者は、合わせてRAMクリア信号をON状態にする可能性もあるので、RAMクリア信号のON/OFF状態に係わらず、タイマTIMEに改めて初期値nnを設定し(ST6)、ステップST7の処理に移行させるのが好ましい。この場合には、パチンコホールの開店直後は、不正リセットされた場合と同様、抽選処理が無効にされるが(異常報知が追加されることもあるが(図7))、その継続時間が短いので実質的に弊害はない。
初期値nnに設定されたタイマTIMEは、図4のステップST31の処理においてデクリメント(−1)され、タイマTIMEの値がゼロになるまではスイッチ入力の無効化処理が施される(ST34)。この初期値nnは、大当りカウンタCTの数値範囲MAXを越える値に設定されているので、スイッチ入力管理処理(ST33)が実行されるようになった時には、必ず大当りカウンタCTが一周以上循環して初期値が変更されており、不正遊技を確実に排除できる(なお、この点は更に後述する)。
一方、図3のステップST5の判定において、バックアップフラグBFLの内容が5AHであった場合は、RAMのSP記憶エリアから読み出された16ビットデータがCPUのスタックポインタSPに書き込まれる(ST9)。次に、停電時のNMI処理においてバックアップされていたRAMエリアのデータを読み出して、バックアップ復帰コマンドを作成する(ST10〜ST12)。
ここで払出制御基板用のバックアップ復帰コマンド作成処理(ST10)とは、エラー信号を再チェックして、遊技機の現状に合わせた制御コマンドを払出制御基板5に出力するための準備動作を意味する。例えば、停電前に下皿が満杯であるエラー状態であった場合、バックアップデータによってエラー状態が保存されているが、停電によって遊技者が遊技球を回収する可能性も高いので、改めてエラー信号の現状を確認しているのである。
また、図柄制御基板用やランプ制御基板用のバックアップ復帰コマンド作成処理(ST11、ST12)とは、停電前の遊技機が、大当り状態であった場合や、当選確率が増加しているいわゆる確変状態であった場合もあるので、そのような場合には、動作状態に合わせた液晶ディスプレイ8の背景色を設定したり、効果音を発生できるようにするための処理である。
ステップST10〜ST12の処理が終われば、CPUはPOP命令を実行して、スタックエリアからAFレジスタを除く各レジスタ(BC,DE,HL)の値を復帰させる(ST13)。この処理によって、停電時からの復帰処理は一応完了するので、そのことを示すべくバックアップフラグBFLをゼロクリアする(ST14)。最後に、停電前が割込み禁止状態であったか否かをチェックして(ST15,ST16)、AFレジスタをスタックエリアから復帰させた後(ST17,ST19)、割込み禁止状態のままで処理を終えるか(ST18)、或いは、割込み許可状態に戻して処理を終える(ST20,ST21)。なお、ステップST18,ST21のRET命令が実行されることによって、スタック領域にPUSH処理されていた中断時のPC(プログラムカウンタ)の値が復元され、停電等により中断されていた処理が再開されることになる。
図4は、図3に示すメインルーチンの無限ループ処理(ST8)の間に2msec毎に生じるタイマ割込みINT(Maskable Interrupt禁止可能割込み)の割込み処理プログラムの内容を示すフローチャートである。タイマ割込みが生じると、各レジスタの内容はスタック領域に退避され、乱数作成処理、エラー管理処理などが行われる(ST30)。エラー管理処理は、機器内部に異常が生じていないかの判定である。また、乱数作成処理とは、普通図柄処理ST37や特別図柄処理ST38での抽選動作で使用される当り用カウンタRGや大当たり用カウンタCTの更新処理を意味する。
図5は、大当たり用カウンタCTや当り用カウンタRGの更新処理(乱数作成処理)について、その具体的内容を例示したものである。図5(a)に示すように、先ず、大当り用カウンタCTがインクリメントされた後(ST50)、数値範囲MAXを越えたか否かが判定され(ST51)、大当り用カウンタCTの値が数値範囲MAXを越えていたら(CT=MAX)、その値がゼロに戻される(ST52)。
次に、大当り用カウンタCTの値が初期値STARTに達したか否かが判定され(ST53)、数値範囲を一周して初期値STARTに達していたら、(ステップST8の処理で更新されている)サブカウンタBGNの値を大当り用カウンタCTに書き込む(ST54)。また、サブカウンタBGNの値を新たな初期値としてSTART番地に書き込んで処理を終える(ST55)。なお、当り用カウンタRGの更新は図5(b)に示す通りであり(ST60〜ST62)、この当り用カウンタRGの値は、遊技球がゲートを通過した場合に、普通図柄処理(ST37)における抽選動作に使用される。
以上のようにして乱数作成処理が終われば、次にCPUは、タイマTIMEの値をデクリメントし(図4のST31)、タイマTIMEの値がゼロか否かを判定する(ST32)。先に説明したように、停電からの復帰時などならタイマTIMEの初期値が1に設定されるが(ST3)、電源投入時や不正リセット時にはタイマTIMEの初期値がnnに設定されている(ST6,ST6’)。
電源投入直後を除く正常な営業中は、デクリメントされた後のタイマTIMEがゼロであるから、タイマTIMEの値が改めて初期値1に戻された後、スイッチ入力管理処理が行われる(ST33)。ここでスイッチ入力管理処理とは、ゲートや電動チューリップなどを遊技球が通過したか否かの判定であり、遊技球が通過していれば、スイッチ入力がON状態であるとして普通図柄処理ST37や特別図柄処理ST38において、カウンタRG,CTを用いて当り抽選や大当り抽選が行われることになる。なお、スイッチ入力処理は、具体的にはCPUによるポートスキャン動作によって実現されるが、該当する各入力ポートはスイッチ入力をラッチしないので、このポートスキャン動作がないとスイッチ入力が無視されることになる。
一方、異常リセット時や電源投入時には、nn回の割込み処理が終わるまではTIME≠0であるから、スイッチ入力を無効にする無効化処理が行われることになる(ST34)。無効化処理とは、簡易的には、上記したポートスキャンを行わないことで足りるので、図示に係わらず、ステップST33の処理をスキップするのでも良い。また、適宜なフラグ値に基づいて、抽選用乱数値の取得処理をスキップするのでもよい。このような無効化処理の結果、仮に違法回路によってスイッチ入力をON状態にしても、そのON信号が無視されることになり、普通図柄処理ST37や特別図柄処理ST38において当り抽選や大当り抽選が行われることはない。
なお、無効化処理(ST34)は、大当り用カウンタCTが一周する程度の時間しか継続されない。具体的には、大当り用カウンタの数値範囲MAXは通常300程度であるので、スイッチ入力が無視されるのは2×300=600mS程度の時間にしか過ぎない。したがって、電源投入直後であるとか、或いは、通常の遊技者の遊技中に、仮に遊技機が暴走してウォッチドッグタイマの動作によって遊技機がリセットされたとしても、遊技者に迷惑をかける可能性は実質的にゼロである。
ステップST33かST34の処理の後、処理分けカウンタの値が判定されて、ST36〜ST40のうちの該当する処理が行われる。上記したエラー管理やスイッチ管理は、短い時間間隔で繰り返し行うべきであるが、一方、パチンコゲームの演出に係わる処理は遊技者のニーズに応じて複雑高度化するため、ある程度以上の処理時間を要することになる。そこで、この実施例では、全ての遊技制御動作を1回の割込み処理で完了させのではなく、5種類の処理に区分し、区分された各処理を割込み毎に分担して実行するようにしている。そのため、0〜4の範囲で循環動作する処理分けカウンタを設けて、処理分けカウンタの値に応じた処理を行うようにしている。
具体的に説明すると、処理分けカウンタが0の場合には大入賞口の開放などに関する処理を行い(ST36)、処理分けカウンタが1の場合には普通図柄の表示に関する普通図柄処理を行い(ST37)、処理分けカウンタが2の場合には大当り図柄の表示に関する処理を行っている(ST38)。ゲート通過スイッチがON状態であれば、普通図柄処理ST37において、当りカウンタRGを用いた普通当りか否かの当否判定が行われ、図柄始動口の通過スイッチがON状態であれば、特別図柄処理38において、大当りカウンタCTを用いた大当り判定が行われる。
また、処理分けカウンタが3の場合には、電動チューリップや大入賞口の開閉タイミングに関係するタイマ管理処理や、主制御基板から各制御基板に伝送されるコマンド作成処理が行われる(ST39)。処理分けカウンタが4の場合には、情報出力やエラー表示コマンドの作成処理が行われる(ST40)。
ステップST36〜ST40の何れかの処理が終わると、処理分けカウンタの値が更新された後(ST41)、生成されているコマンドが各サブ制御基板に出力される(ST42)。また、各レジスタの値が復帰されると共に割込み許可状態に変更されて、割込み処理ルーチンからメインルーチンに戻る(ST43)。
図6は、停電などによって電源電圧が降下した際に生じるNMIの割込み処理プログラムの内容を示すフローチャートである。この割込み処理では、先ず、各レジスタ(AF,I,BC,DE,HL)の内容がスタックエリアにPUSHされる(ST70)。次に、ステップST70におけるPUSH命令実行後のスタックポインタSPの値が、RAMのSP記憶エリアに保存される(ST71)。図6(b)(c)は、各レジスタ(AF,I,BC,DE,HL)やスタックポインタSP、プログラムカウンタPCの退避状態を図示している。
続いて、現在、賞球を払出し中の場合もあるので、賞球計数スイッチの状態を検出して記憶する(ST72)。なお、所定時間待機するのは(ST73)、払出し中の賞球が移動する時間を考慮したものである。その他、図示していないが、必要な処理をした後、バックアップフラグBFLのRAMエリアにフラグ値5AHを記憶し(ST74)、以降、RAMのアクセスを禁止して電源電圧が降下してCPUが非動作状態になるのを待つ(ST75)。その後、CPUは非動作状態となるが、RAMにはバックアップ電源が供給されているので、バックアップされたデータがそのまま保存され続ける。すなわち、電源が完全に遮断された後もRAMエリアは、図6(b)(c)の状態のまま維持される。
図7は、CPUを違法にリセットされた場合の対策を施した参考例であるシステムリセット処理を説明するフローチャートである。ステップS1〜S4の処理は、図3のST1,ST2,ST4,ST5と同様である。但し、この参考例では、電源投入時であるか、CPUリセット状態であるかに係わらず、内蔵RAMのクリア処理(S5)の後、音声制御基板3とランプ制御基板4に対してRAMクリア報知コマンドを送信している(S6)。また、これに合わせて、外部接続端子基板9を通してホールコンピュータにもRAMクリアの事実が送信される(S6)。
一方、この動作に対応して、RAMクリア報知コマンドを受信した音声制御基板3では、「只今RAMがクリアされました」と大きな声で異常事態の発生を報知し、且つ、ランプ制御基板4では、これに合わせて各ランプを激しく点滅させる。そのため、遊技ホールの開店後にCPUが違法にリセットされたような場合には、遊技ホールの店員は直ちにその事実を把握できることになり、違法遊技者を発見することができる。また、ホールコンピュータでも異常事態の発生が把握できるので、遊技ホールの適切な対処が可能となる。なお、上記した音声制御基板3とランプ制御基板4での報知動作は、30秒から2分程度は持続させるのが好ましいので、その持続時間に合わせて主制御基板1では時間消費処理を行い(S7)、遊技動作に移行しないで待っている。
但し、図7の制御に加えて、図3の場合と同様の制御を行う場合には、時間消費処理(S7)は特に不要である。すなわち、ステップS6の処理に前後して、不正行為排除用のタイマTIMEを初期値設定する一方、タイマ割込みにおいてステップST31〜ST34の処理を設ければ、音声制御基板3やランプ制御基板4での異常報知処理が行われる場合には、所定時間はスイッチ入力処理がスキップされる。
ところで、上記した異常事態の報知動作は、RAMクリア処理の前に行っても良い。図8は、本発明の第3実施例を例示したものであり、ステップS1〜S4の処理は図7の場合と同様である。但し、第3実施例では、RAMクリア信号がOFFでありながら(S3がNO)、バックアップフラグBFLがゼロであるようなCPU異常リセット時にだけ、音声制御基板3とランプ制御基板4に対してRAMクリア報知コマンドを送信している(S50)。そのため、この実施例3では電源が正常に投入された開店時には、異常事態発生の音声アナウンスがされたりランプが点滅することがなく、開店後のCPU異常リセット時にだけ報知動作が行われる。この実施例の場合にもホールコンピュータにも通報があるので遊技ホールでは適切な措置をとることができる。
続いて、上記の弾球遊技機について更に追加的に説明する。図9は、本実施例のパチンコ機22を示す斜視図であり、図10は、同パチンコ機22の側面図である。
図9に示すパチンコ機22は、島構造体に着脱可能に装着される矩形枠状の木製の外枠23と、外枠23に固着されたヒンジHを介して開閉可能に枢着される前枠24とで構成されている。なお、このパチンコ機22は、カード式球貸し機21に電気的に接続された状態で、パチンコホールの島構造体の長さ方向に複数個が配設されている。
ヒンジHを介して外枠23に枢着される前枠24には、遊技盤25が裏側から着脱自在に装着され、この遊技盤25の前側に対応して、窓部を有するガラス扉26と前面板27とが夫々開閉自在に枢着されている。前面板27には発射用の遊技球を貯留する上皿28が装着され、前枠24の下部には、上皿28から溢れ出し又は抜き取った遊技球を貯留する下皿29と、発射手段30の発射ハンドル31とが設けられている。
発射手段30は、回動操作可能な発射ハンドル31と、この発射ハンドル31の回動角度に応じた打撃力で打撃槌32(図12)により遊技球を発射させる発射モータなどを備えている。上皿28の右部には、カード式球貸し機21に対する球貸し操作用の操作パネル33が設けられ、この操作パネル33には、カード残額を3桁の数字で表示するカード残額表示部33aと、所定金額分の遊技球の球貸しを指示する球貸しスイッチ33bと、ゲーム終了時にカードの返却を指令する返却スイッチ33cとが設けられている。
図11に示すように、遊技盤25には、金属製の外レールと内レールとからなるガイドレール35がほぼ環状に設けられ、このガイドレール35の内側の遊技領域25aには、カラーの液晶ディスプレイ(LCDモニタ)8、検出スイッチを備える図柄始動口(図柄始動手段兼入賞手段)37、開閉式入賞手段(大入賞手段)38、複数の普通入賞手段39(上段の普通入賞手段39以外に、開閉式入賞手段38の左右両側部に6つの普通入賞手段39)、2つのゲート40(通過口)が夫々所定の位置に配設されている。
液晶ディスプレイ8は、変動図柄を表示するとともに背景画像や各種のキャラクタの動画などを表示する第1図柄表示手段42(可変表示装置)として機能する。第1図柄表示手段42は、背景画やキャラクタをアニメーション的に表示するとともに、左右方向に並ぶ3個(左、中、右)の図柄表示部42a〜42cを有し、図柄始動口37に遊技球が入賞することを条件に、各図柄表示部42a〜42cの表示図柄が所定時間だけ変動表示(スクロール表示)され、図柄始動口37への遊技球の入賞タイミングに応じた抽選結果に基づいて決定される停止図柄パターンで停止する。
液晶ディスプレイ8の直ぐ上側に、普通入賞手段39と第2図柄表示手段43とが設けられている。第2図柄表示手段43は1個の普通図柄を表示する普通図柄表示部を有し、ゲート40を通過した遊技球が検出されたとき、普通図柄表示部(可変表示装置)の表示図柄が所定時間だけ変動し、遊技球のゲート40通過時点において抽選された抽選用乱数値により決定される停止図柄を表示して停止するようになっている。図柄始動口37は、開閉自在な左右1対の開閉爪37aを備えた電動式チューリップであり、第2図柄表示手段43の変動後の停止図柄が当り図柄を表示した場合に、開閉爪37aが所定時間だけ開放されて入賞し易くなっている。
開閉式入賞手段38は前方に開放可能な開閉板38aを備え、第1図柄表示手段42の変動後の停止図柄が「777」などの当り図柄のとき、「大当り」と称する特別遊技が開始され、開閉板38aが前側に開放される。この開閉式入賞手段38の内部に特定領域38bがあり、この特定領域38bを入賞球が通過すると、特別遊技が継続される。ここで、特別遊技状態が遊技者に有利な第1状態に相当する。
開閉式入賞手段38の開閉板38aが開放された後、所定時間が経過し、又は所定数(例えば10個)の遊技球が入賞して開閉板38aが閉じるときに、遊技球が特定領域38bを通過していない場合には特別遊技が終了するが、特定領域38bを通過していれば最大で例えば16回まで特別遊技が継続され、遊技者に有利な状態に制御される。
前枠24の裏側には、図12に示すように、遊技盤25を裏側から押さえる裏機構板50が着脱自在に装着され、この裏機構板50には開口部50aが形成され、その上側に賞球タンク53と、これから延びるタンクレール54とが設けられ、このタンクレール54に接続された払出手段55が裏機構板50の側部に設けられ、裏機構板50の下側には払出手段(払出モータ)55に接続された通路ユニット56が設けられている。払出手段55から払出された遊技球は通路ユニット56を経由して上皿排出口28a(図9)から上皿8に払出される。
裏機構板50の開口部50aには、遊技盤25の裏側に装着された裏カバー57と、入賞手段37〜39に入賞した遊技球を排出する入賞球排出樋(不図示)とが夫々嵌合されている。この裏カバー57に装着されたケース58の内部に主制御基板1が配設され、その前側に図柄制御基板2が配設されている(図10)。主制御基板1の下側で、裏カバー57に装着されたケース61aの内部にランプ制御基板4が設けられ、このケース61aに隣接するケース61bの内部に音声制御基板3が設けられている。
これらケース61a,61bの下側で裏機構板50に装着されたケース64の内部には、電源基板6と払出制御基板5が夫々設けられている。この電源基板6には、図12に示すように、電源スイッチ80と初期化スイッチ85とが配置されている。これら両スイッチ80,85に対応する部位はケース64が切欠かれ、両スイッチ80,85の各々を指で同時に操作可能になっている。
また、発射手段30の後側に装着されたケース67の内部には、発射制御基板7が設けられている。これら制御基板1〜7は夫々独立の基板であり、電源基板6と発射制御基板7を除く制御基板1〜5には、ワンチップマイコンを備えるコンピュータ回路が搭載されており、主制御基板1と他の制御基板2〜5とは、複数本の信号線でコネクタを介して電気的に接続されている。
以上、本発明について具体的に説明したが、具体的な記載内容は特に本発明を限定するものではない。例えば、図4では、無効化処理としてスイッチ入力をスキップする処理(ST34)を例示したが、極めて短時間とはいえ他のスイッチ入力を無視することを避ける趣旨から、特別図柄処理(ST38)において無効化処理を実行しても良い。具体的には、図柄始動口の検出スイッチがONであっても、タイマ変数TIMEがTIME≠0の場合に乱数抽選処理をスキップすれば、有効な不正遊技の対策となる。この場合には、図柄始動口の検出スイッチがONであって、且つ、タイマ変数TIME=0の場合だけ大当りか否かの乱数抽選処理が行われる。
また、信号始動口スイッチON所定の図7における報知コマンドの送信処理(S6)は、ステップS10の直前にも設けても良い。この場合、2種類の報知コマンドを用意し、ステップS6の報知コマンドでは「CPUがリセットされたこと」を報知し、ステップS10の直前の報知コマンドでは「停電からの復旧中であること」を報知するのが好ましい。
この実施態様の場合、停電からの復旧時は全遊技機から一斉に報知があるが、一方、違法回路による電源断からの復旧時には特定の遊技機のみから報知が発せられるので不正遊技者を直ちに特定することができる。この場合もホールコンピュータへの報知情報を送信するのが好適である。
なお、本発明は、回胴式遊技機にも適用できる。この場合、抽選処理のスイッチ入力は、回胴表示部(回転リールの表示部)の回転操作用レベーの操作を検出するスイッチ入力となる。
実施例に係るパチンコ機の全体構成を示すブロック図である。 主制御基板の構成を示すブロック図である。 主制御基板におけるシステムリセット処理を示すフローチャートである。 主制御基板におけるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 大当り用カウンタや当り用カウンタの更新処理を示すフローチャートである。 主制御基板におけるMNI割込み処理を示すフローチャートである。 参考例に係るシステムリセット処理を示すフローチャートである。 第2実施例に係るシステムリセット処理を示すフローチャートである。 実施例に係るパチンコ機の斜視図である。 図7のパチンコ機の側面図である。 図7のパチンコ機の遊技盤の正面図である。 図7のパチンコ機の背面図である。

Claims (1)

  1. 遊技動作用のプログラムを記憶する記憶部と、前記プログラムを読み出して動作するCPUとを含み、遊技状態に関連して所定の検出を行うセンサからの検出信号に基づく乱数抽選により、遊技者に有利な利益状態を発生させるか否かの抽選処理を行う遊技機において、
    電源電圧の降下時に実行されるデータバックアップ処理時に第1の値に設定され、前記データバックアップ処理でバックアップされたデータを復帰させるデータ復帰処理時に第2の値に設定されるフラグを設け、
    必要に応じて電源投入時に人為的にON状態とされるRAMクリア信号のON/OFF状態を判定する第1処理と、前記フラグの値を判定する第2処理とを、
    CPUがリセットされた後に実行し、前記RAMクリア信号がOFF状態であり、且つ前記フラグが第2の値であることを検出すると、前記データ復帰処理を経た後、前記データバックアップ処理時を経ることなくCPUがリセットされた判定するようにしている異常リセットの判定方法。
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