JP4056186B2 - 予混合バーナ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼板の連続焼鈍設備や連続亜鉛メッキ設備等の加熱帯で使用される予混合バーナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図8は、従来における燃料と空気とを予め混合して供給し燃焼させる予混合バーナ50を示すものである。この予混合バーナ50は、バーナ本体51の先端に燃焼筒52と燃焼ノズル53とを有し、バーナ本体51内に供給した予混合ガス54を燃焼ノズル53から燃焼筒52内に吹き出し、火炎Fを形成させるように構成されている。また、図8において、符号55はバーナ本体51の軸心部を通し先端を燃焼ノズル53吹出し部に位置させた点火プラグ管、56は予混合ガス54の混合を助ける多孔板、57は取付用フランジ、60は炉壁、61は炉壁の耐熱材、62は被加熱材である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
予混合ガス54がプロパンガスと空気との混合ガスである場合、予混合ガス54中を火炎が伝播する速度である燃焼速度Sは、
Figure 0004056186
となる。
上述の予混合バーナ50では、燃焼ノズル53から流出する予混合ガス54の流速を、燃焼速度S以上となるように設定し、火炎Fがバーナ部に逆火することを防止している。
【0004】
しかし、このような予混合バーナ50においては、以下のような問題が発生していた。
(1) 予混合バーナ50の燃焼負荷(熱カロリー量%)を調節するために、予混合ガス54の流量を減少させて、燃焼ノズル53での予混合ガス54の流速が燃焼速度S以下になった場合、火炎Fが予混合バーナ50内部に逆火してバーナ本体51を焼損させるということがあった。また、逆火が予混合バーナ50に接続された配管中に及んだ場合、配管内で予混合ガス54が爆発するという問題があった。
【0005】
(2) 上記の現象は、予混合バーナ50が接続される炉内の圧力の僅かな変動や、予混含ガス54の僅かな脈動によっても発生するため、予混合バーナ50の燃焼負荷(熱カロリー量%)を調節する場合に、燃焼ノズル53における予混合ガス54の流速を燃焼速度Sの3倍以下に下げることが出来なかった。
ここで、予混合バーナ50を、最低燃焼負荷5%で燃焼可能なプロパン焚きバーナに使用する場合、最低燃焼負荷5%時の燃焼ノズル53における予混合ガス54の流速VBminは、
Figure 0004056186
であるため、この予混合バーナ50における、最大燃焼負荷100%時の燃焼ノズル流速VBmaxは、
Figure 0004056186
のように、最低燃焼負荷5%時の燃焼ノズル流速VBminに比べて過大な流速が必要になり、予混含ガス54が燃焼ノズル53を通過する際の圧力損失が大きくなるという問題があった。
さらに、この場合予混合バーナ50に供給する予混合ガス54には、過大な流速が必要なため、予混含ガス54を燃焼ノズル53に送り込むための送風機の能力増大が必要であり、これらのため、設備コスト、運転コストが嵩んでいた。
【0006】
(3) 炉内および火炎Fの熱が、燃焼ノズル53からバーナ本体51に伝わることで、燃焼ノズル53近傍のバーナ本体51温度が高温となり、バーナ本体51内で予混合ガス54が自然着火し、バーナ本体51を焼損させるということがあった。また、逆火が予混合バーナ50に接続された配管中に及んだ場含、配管内で混合ガスが爆発する可能性があった。
【0007】
(4) 供給する予混合ガス54の温度が上がるにつれて、燃焼速度Sが上がること、また、バーナ本体51が高温になり自然着火の危険があることから、この予混合バーナ51では、予熱空気を使用することが難しく、予熱空気を使用する場合でも、250℃程度が予熱の限界とされていた。
【0008】
(5) 上述の理由から、予混合バーナ50からの逆火によって配管中で生じる爆発を防止するため、配管中に高価なフレームアレスタや破裂孔装置を設けることが必要であり、これらのコストがかかるという問題があった。
【0009】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、コストの上昇を招くことなく逆火と自然着火の防止を図るとともに、高温予熱空気の使用を可能とすることを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
請求項1に記載の予混合燃焼バーナは、燃料と空気とを予め混合した予混合ガスを燃焼させる予混合バーナであって、前記予混合ガスを燃焼する燃焼ノズルと、該燃焼ノズルに接続され、前記予混合ガスの流速を燃焼速度以上に設定する狭流路を中実円筒金属に穿設してなり、予混合ガス入口部の温度が自然発火温度以下となるように前記燃焼ノズル側から温度勾配を形成する長さの狭流路部とを有することを特徴とするものである。
【0011】
このような予混合燃焼バーナによれば、伝熱特性に優れた中実円筒金属に狭流路部を形成し、狭流路部の長さは、予混合ガス入口部の温度が自然発火温度以下となるように燃焼ノズル側から温度勾配を形成するようにしたので、予熱空気による対流冷却性能が向上するとともに、高温となる燃焼ノズル側から大きな温度勾配が形成されて、予混合ガス入口部におけるノズル壁面温度(狭流路部上流側端面の温度)を下げることができる。
【0012】
請求項2に記載の予混合燃焼バーナは、請求項1に記載の予混合バーナにおいて、前記燃焼ノズルと前記狭流路部との間に形成された断熱層を有することが好ましい。
【0013】
このような予混合燃焼バーナによれば、輻射熱で高温となる燃焼ノズルの上流側が断熱層によって断熱されるため、狭流路部側へ伝達される熱量を抑制し、狭流路部自体の温度を下げることができる。このため、予混合ガス入口部におけるノズル壁面温度も下げることができる。
【0014】
請求項3に記載の予混合燃焼バーナは、請求項1または2に記載の予混合バーナにおいて、前記燃焼ノズルをセラミックス製とし、該セラミックス製の燃焼ノズルを軸方向に弾性支持したものが好ましい。
この場合、セラミックス製の燃焼ノズルを中央部と外周部とに分割した構成とするのが好ましい。
【0015】
このような予混合燃焼バーナによれば、セラミックス製の燃焼ノズルを採用したので耐熱性能が向上し、炉内温度や予混合ガス温度の設定を高くすることが可能となる。
また、軸方向に弾性支持することで応力を吸収することができるので、比較的脆いセラミックス製の燃焼ノズルは割れにくくなる。さらに、セラミックス製の燃焼ノズルを中央部と外周部とに2分割すれば、内外の温度差による応力割れをも防止できる。
【0016】
そして、上記の予混合燃焼バーナにおいては、前記狭流路部から前記燃焼ノズルへ連なるノズル流路内をリセス構造にするのが好ましく、これによって、火炎が上流側へ伝播するのを抑制できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る予混合バーナの一実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は本発明による予混合バーナの実施例を示す縦断面図、図2は図1の要部分解組立図、図3は図1の燃焼ノズル周辺を拡大した図、図4は狭流路部を示す図3のA−A断面図、図5は燃焼ノズルの形状を示す図、図6は燃焼ノズルの弾性支持構造を示す要部断面図、図7はリセス構造を示す要部断面図である。
【0018】
図1において、予混合バーナ10は、バーナ本体11と、バーナ本体11の先端に設けられたセラミックス製の燃焼筒12と、燃焼筒12内に格納された燃焼ノズル13とを有する。ここで、符号14は燃焼ノズル13に設けられた複数個の燃焼ノズル孔であり、また、符号のFは予混合ノズル10から噴出される火炎、61は予混合バーナ10が取り付けられる炉壁60の耐火材、62は火炎Fで加熱処理される被加熱材である。
【0019】
バーナ本体11は、軸心部に配設されて燃焼ノズル13に達する点火プラグ管15と、点火プラグ管15のまわりに配設されて燃焼ノズル13の燃焼ノズル孔14と通じる複数個の狭流路16とを有する。この狭流路16は、たとえばSUS310などの中実円筒金属を素材とし、ドリルなどを用いた機械加工により軸方向に穿設されたものであり、流路面積を絞ることで予混合ガスの流速を燃焼速度以上に加速する機能を有している。以後、このような狭流路16が穿設された中実円筒金属部を狭流路部17と呼ぶことにする。
また、狭流路部17は、炉内及び火炎Fの熱が、バーナ本体11側へ伝わるのを抑えるために、炉壁60の耐火材61の厚さの1/5以上の長さ、より好ましくは1/3以上の長さに設定されている。
【0020】
この狭流路部17は、図4に示すように、点火プラグ管15を通すプラグ管穴18が断面中央に穿設され、その外周部に等ピッチで多数の狭流路16が穿設された多孔円筒金属である。図示の例では、合計12本の狭流路16を30度ピッチで配列してあるが、適宜設計変更可能なことは言うまでもない。なお、狭流路部17の外周は、図3に示すように、セラミックペーパ36を巻き付けてステンレス製の針金で被覆するのが好ましい。
この狭流路部17の下流側には、断熱層19を介して、燃焼ノズル13が配設されている。断熱層19としては、セラミックファイバ充填材などの不定形耐火材が用いられる。そして、断熱層19における狭流路16及びプラグ管穴18との連結部には、アルミナやムライトなどで成形されたスリーブ20,21が断熱材サポートリングとして用いられ、断熱層19内の孔または通路を確実に確保できるようになっている。
【0021】
燃焼ノズル13としては、耐熱性に優れたセラミックスで製造されたものが好ましい。具体的な耐熱性のセラミックスとしては、炭化ケイ素や窒化ケイ素などが好適である。
この燃焼ノズル13は、適当な厚みを有する略円板状の部材であるが、本実施例では、図5に示すように、中央部13aと外周部13bとに2分割した構造を採用している。一方の中央部13aは、図5(a)に示すように、全体がほぼ凸形状断面をした部材であり、中央に点火プラグ用のプラグ穴22が貫通して設けられている。もう一方の外周部13bは、図5(b)に示すように、中心部に上述した中央部13aが嵌合するドーナツ状に成形された部材であり、プラグ穴22の外周に位置するように、多数のノズル孔14が狭流路16と同数(図示の例では12個)貫通して設けられている。
なお、各ノズル孔14は、図5(c)に示すように、入口14aと出口14bとが円周方向へ偏心して傾斜した状態に貫通しており、予混合ガスを旋回させて流出させるようになっている。
【0022】
中央のプラグ穴22は、組立状態において上述したスリーブ21を介して狭流路部17のプラグ管穴18と連通する。
また、各ノズル穴14は、それぞれがスリーブ20を介して狭流路部17の狭流路16と連通しており、バーナ本体11に供給された予混合ガスのノズル流路を形成している。このノズル流路は、狭流路部17から燃焼ノズル13へ連なる部分、具体的には狭流路16と同径にしたスリーブ20とノズル孔14との接続部をリセス構造としてある。すなわち、スリーブ20及び狭流路16の内径D2をノズル孔14の内径D1より小径にして段差部23を設け、同段差部23においてノズル流路内を流れる予混合ガスに渦流が生じるようにしてある。
【0023】
上述した燃焼ノズル13は、燃焼筒12内に格納されて軸方向に弾性支持されている。この弾性支持構造を説明すると、燃焼ノズル13は、バーナ本体11に固定された狭流路部17の先端面と、先端部がテーパ状に絞られた燃焼筒12との間に断熱層19を介して挟持されている。燃焼筒12の内面には、テーパ開始部近傍の上流側に段差面24(図3参照)を設けてあり、該段差面24により燃焼ノズル13の下流側先端面外周部をバーナ本体11側へ押圧するように構成されている。
【0024】
燃焼筒12の後端部側には、外周方向へ突出する鍔部12aが設けられ、該鍔部12aはセラミックウールブレイド25を介してクランプ26の固定リング27に係止されている。クランプ26は、固定リング27に組立状態で軸方向に延びる3本のロッド28を固着したもので、各ロッド28の端部にはネジ部28aが形成されている。
一方、バーナ本体11側のフランジ部29には、クランプ26のネジ部28aと対応する位置に内ネジを切ったボス穴30が設けられている。このボス穴30には、ロッド28より大径の貫通孔31aを形成したボス31が螺合されて固定されている。このボス31に対してロッド28を挿入し、ボス31の内部に配設したバネ32及び座金33を貫通したロッド28の先端ネジ部28aにナット34を螺合させて締め付ける。この結果、バネ32はボス31で圧縮された状態となり、一方がボス31により移動を規制されるため、座金33及びナット34を介してロッド28をフランジ部29から離間する方向へ付勢する。なお、図中の符号35はボス31と螺合してボス内部を塞ぐプラグである。
【0025】
上述した付勢力は、クランプ26が燃焼筒12をバーナ本体11側へ引きつける方向の力として作用するので、この力を受ける燃焼筒12はバネ32の弾性により燃焼ノズル13を軸方向に押圧して支持するのである。換言すれば、熱変形などにより燃焼ノズル13に対して軸方向に作用する力を、バネ32の弾性により吸収することが可能な構造となっている。
【0026】
さて、図示省略の管路からバーナ本体11内のガス流通室37に供給された予混合ガス38は、狭流路部17において各狭流路16に分散される。予混合ガス38は燃料と空気とを予め混合したものであり、ここで使用する燃料は、プロパン、LNG、COG(Coke Over Gas)、LPGなどである。
各狭流路16の断面積を合計した総断面積は、ガス流通室37の断面積より小さく設定されているので、予混合ガス38の流速は狭流路16を通過する際に加速される。この場合、予混合バーナ10が最低燃焼負荷で燃焼される時、狭流路16内における予混合ガス38のガス流速Vcが予混合ガス38の燃焼速度Sより大きくなるように設定されている。
【0027】
このような予混合バーナ10においては、予混合ガス38がバーナ本体11の共通の流通室37から各狭流路16を通って燃焼ノズル13の燃焼ノズル孔14から燃焼筒12内に噴出するので、点火プラグ管15により予混合ガス38に点火して火炎Fを形成し、この火炎Fにより燃焼筒12の前方にある被加熱材62を直接加熱する。この時、ガス流速Vcが予混合ガス38の燃焼速度Sより大きくなるように保たれているので、逆火が生じるようなことはない。
【0028】
このようにして予混合ガス38の燃焼及び直接加熱を継続すると、燃焼ノズル13の先端は炉内及び火炎Fからの輻射熱を受けて温度上昇する。そこで、燃焼ノズル13自体を高温に耐えるセラミックス製としている。このため、炉内温度を高く設定したり、あるいは、高温予熱空気の使用により予混合ガス温度を高く設定することが可能になっている。炉内温度や予混合ガス温度を高く設定することは、いずれも炉効率の改善に有効である。また、燃焼ノズル13を高温にすることができるので、火炎Fの保炎性を向上させることもできる。
【0029】
さらに、高温になる燃焼ノズル13は、燃焼ノズル孔14が外周側に設けられかつプラグ管穴18が設けられているため、内外で大きな温度差が生じて熱応力による割れを生じる恐れがある。特に、セラミックスは金属に比べて脆いため、割れを生じやすい。
そこで、セラミックス製の燃焼ノズル13を、相対的に温度の低い中心部13aを高温となる外周部13bから分離させ、中心部13aと外周部13bとに2分割した構造としてある。このため、中心部13aと外周部13bとの間に生じる熱応力を吸収できるようになり、燃焼ノズル13の熱応力割れを防止することが可能になる。この場合、特に半径方向の熱応力吸収に対して有効であるが、段差面があるため軸方向の熱応力を吸収することもできる。
【0030】
さらに、セラミックス製の燃焼ノズル13は、軸方向に弾性支持されているため、応力割れを生じにくい支持構造となっている。
また、予混合バーナ10の温度上昇により各部材が熱変形すると、燃焼ノズル13の軸方向に作用する力も変化する。しかし、上述したバネ32による弾性支持構造を採用しているので、軸方向に作用する応力変化をバネ32の弾性により吸収して応力割れを防止することができる。
このように、熱応力や周辺部材の熱変形により生じる応力変化に対する対策を施したので、金属に比べて高温に耐えうるという特徴を有する反面脆いという特性のセラミックス製燃焼ノズル13を使用しても、高い耐久性や信頼性を得ることができる。また、熱応力に対する対策がとられたことで、セラミックス製の燃焼ノズル13をより高温で使用することが可能になる。
【0031】
このようにして高温となった燃焼ノズル13は、熱伝導によりバーナ本体11の内壁面を温度上昇させることになる。しかし、燃焼ノズル13と狭流路部17との間には断熱層19が設けられているので、燃焼ノズル13と狭流路部17との間の熱伝導が抑制されて大きな温度差を付けることができる。
また、狭流路部17を中実円筒金属製としたので、上流側端面における予混合ガス38との接触面積及び熱伝達に寄与する断面積が大きくなって伝熱性に優れたものとなり、従ってガス流通室37側に供給される予混合ガス38により効率よく対流冷却される。これにより、狭流路部17には燃焼ノズル13からガス流通室37へ大きな温度勾配を付けることができるので、結果的には上流側(ガス流通室37側)の温度を高温の燃焼ノズル13に比べてかなり低く設定することができる。
この温度は、狭流路部17の長さや空気予熱温度などによって変化するので、燃料に応じて異なる予混合ガス38の着火温度以下となるよう適宜調整すればよく、これにより、予混合ガス38がバーナ本体11内で自然着火するのを防止できる。
【0032】
ところで、セラミックス製の燃焼ノズル13は、上流側が断熱層19によって断熱されているため温度が上昇し、常温空気の場合でもこの部分で自着火が発生していると考えられる。しかし、自着火点が上流側へ移動せず金属製の狭流路部17で温度が上昇しなければバーナの耐熱上の問題はない。そこで、火炎Fがセラミックス製の燃焼ノズル13から上流側へ伝播するのを抑制するため、ノズル流路内には図7に示すリセス構造が採用されている。
【0033】
ここで、燃料によって異なる好適な燃焼ノズル孔14の内径D1及び上流側のスリーブ20及び狭流路16の内径D2を示す。たとえば、バーナ容量が140Kwで、予混合ガス温度を350℃とした場合、以下のようになる。
プロパンを燃料とする場合には、D1を8.1〜12.3mmとし、かつ、D2を6.5〜9.8mmとすればよく、特に、D1=10mm,D2=8mmとするのが好ましい。
製鉄所の副生ガスであるCOGを燃料とする場合には、D1を8.6〜12.9mmとし、かつ、D2を6.9〜10.3mmとすればよく、特に、D1=10.5mm,D2=8.4mmとするのが好ましい。
LNG及びLPGを燃料とする場合には、概略プロパンと同等の径とするのが好ましい。
【0034】
このように、予混合バーナ10においては、燃焼負荷を調節する場合でも、燃焼負荷が設定された最低燃焼負荷以下にならない限り、狭流路16内の混含ガス流速Vcが燃焼速度S以上に保持されているため、火炎Fが予混合バーナ10内部に逆火することがなくなる。このため、バーナ本体11の焼損と、配管中での混合ガス38の爆発の危険を解消することができる。
【0035】
また、狭流路16において生じる圧損により、バーナ本体11に予混合ガス38を供給する図示しない配管内部は静圧を増す。そのため、炉内圧力の僅かな変動や、予混合ガス38の僅かな脈動下にあっても、狭流路16においては所定の流速を保持することができる。このため、火炎Fが予混合バーナ10内部に逆火することがなくなる。
また、狭流路16の長さを、たとえば炉壁60の耐火材61厚さの1/5以上に設定して、予混含ガス38が流速Vcで流れる部分を延長すれば、狭流路16内の対流冷却性能が向上し、火炎Fが逆火することを防ぐ効果を飛躍的に向上させることができる。このため、予混合バーナ10の燃焼負荷の可燃範囲を拡大することができる。その結果、予混合バーナ10の燃焼負荷を最大1/20まで絞ることが可能になる。
【0036】
狭流路部16での予混合ガス流速Vcを燃焼速度S以上に保つことにより、狭流路16の内壁温度が予混合ガス38の自然着火温度に達した場合でも、狭流路16内においては火炎が形成されず、狭流路16中において逆火が発生することを防止できる。従って、燃焼ノズル13を高温の炉内に近づけて配置することが可能になる。また、狭流路16により、バーナ11本体の共通の流通室37を炉壁60の耐火材61の裏側に配置することが可能なため、流通室37が高温となって混合ガスを自然着火させる危険を回避することができる。
【0037】
その結果、予混合バーナ10からの逆火、および、配管中での爆発防止のために、配管中に高価なフレームアレスタ及び破裂孔装置を設ける必要を解消した。
【0038】
前述のような、逆火防止効果の向上により、予熱によって予混合ガス38の温度を自然着火温度近くまで上げることが可能になる。例えばプロパンガスを使用する予混合バーナ10において、1400℃以上の高い炉温で使用する場合であっても、プロパンガスの着火温度520℃に対し、燃焼空気の予熱温度を約470〜500℃程度にまで高めることが可能となる。
【0039】
さらに、高温の予混合ガス38を使用できるため、排ガスを利用して予混合ガス38を予熱して熱回収率を向上させることができ、運転コストの削減が可能になる。
また、高温の予混合ガス38を使用できるため、予混合燃焼で燃焼温度が2200℃以上の火炎を得ることができる。この結果、被加熱材62を急速昇温する能カを飛躍的に向上することができる。
このような、予混合の高温火炎によって、燃焼ガスの分子が電離し、多くの活性基を存在させるようになるため、空気比0.9以下の広い範囲で被加熱材62の還元加熱を可能になる。
【0040】
【発明の効果】
本発明の予混合バーナによれば、以下の効果を奏する。
(1) 中実金属に機械加工して狭流路を形成した狭流路部を採用したので、予混合ガスによる対流冷却性能を増すことができる。このため、炉温を高い温度に設定しても、熱勾配を大きくとって予混合ガス入口部の温度を自然着火温度以下まで下げることができるようになり、予混合ガスが自然着火することによる逆火を防止できる。
(2) 燃焼ノズルと狭流路部との間に断熱層を設けたので、高温となる燃焼ノズルから狭流路部への熱伝導が抑制され、大きな温度差を付けることができる。従って、金属製の狭流路部が焼損するのを防止でき、また、燃焼ノズル内で着火した火炎が上流へ移動するのを防止できる。
(3) 燃焼ノズルをセラミックス製としたので高温に耐えることができ、炉内温度及び予混合ガス温度を従来より高く設定することが可能になって炉効率の向上に大きな効果を奏する。また、燃焼ノズルが高温に耐えられるので、火炎の保炎性を向上させることもできる。
(4) 金属と比較して高温に耐える反面脆いセラミックス製燃焼ノズルを2分割構造とし、また、軸方向に弾性支持した支持構成としたので、熱応力や支持応力により割れが生じるのを防止できる。従って、セラミックス製燃焼ノズルのより高温での使用が可能になり、しかも、耐久性や信頼性を向上させることができる。
(5) リセス構造の採用により、火炎が燃焼ノズルから上流側へ伝播するのを抑制できるので、金属製狭流路部の焼損を防止できる。従って、水冷をしなくても金属の使用が可能となるため、コスト面で有利になる。
【0041】
このように、狭流路内の予混含ガス流速が燃焼速度以上に保持され、しかも、予混合ガス入口部の温度を自然着火温度以下に設定できるので、火炎が予混合バーナ内部に逆火することがなくなり、バーナ本体の焼損と、配管中での混合ガスの爆発の危険を解消することができる。
従って、配管中に高価なフレームアレスタ及び破裂孔装置を設けること、および、予混含ガスを燃焼ノズルに送り込むための送風機の能力を増大することが必要なくなるため、上記の効果を、設備コスト,運転コストの上昇を招くことなく奏することができる。
【0042】
そして、燃焼ノズルから上流側へ大きな温度勾配がとれるので、セラミックス製ノズルを採用し炉温を高く設定しても予混合ガスの予熱を自然着火温度近くまで上げることができるようになり、炉効率の向上により省エネルギや二酸化炭素排出量の低減に大きな効果を奏する。なお、燃料がプロパンの場合、従来の250℃程度から少なくとも自然着火温度(520℃程度)より約50℃低い470℃程度まで上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の予混合バーナの一実施形態を示す縦断面図である。
【図2】 図1の要部分解組立図である。
【図3】 図1の燃焼ノズル周辺を拡大して示した図である。
【図4】 狭流路部の断面形状を示す図3のA−A断面図である。
【図5】 2分割された燃焼ノズルの形状例を示す図で、(a)は中央部の縦断面図、(b)は外周部の縦断面図、(c)は(b)の右側面図である。
【図6】 燃焼ノズルの弾性支持構造を示す要部断面図である。
【図7】 ノズル流路のリセス構造を示す要部断面図である。
【図8】 従来の予混合バーナを示す断面図である。
【符号の説明】
10 予混合バーナ
11 バーナ本体
12 燃焼筒
13 燃焼ノズル
13a 中央部
13b 外周部
14 燃焼ノズル孔
14a 入口
14b 出口
15 点火プラグ管
16 狭流路
17 狭流路部
18 プラグ管穴
19 断熱層
20,21 スリーブ
22 プラグ穴
23 段差部
24 段差面
25 セラミックウールブレイド
26 クランプ
27 固定リング
28 ロッド
28a ネジ部
29 フランジ部
30 ボス穴
31 ボス
31a 貫通孔
32 バネ
33 座金
34 ナット
35 プラグ
36 セラミックペーパ
37 ガス流通室
38 予混合ガス
60 炉壁
61 耐火材
62 被加熱材
F 火炎

Claims (5)

  1. 燃料と空気とを予め混合した予混合ガスを燃焼させる予混合バーナであって、
    前記予混合ガスを燃焼する燃焼ノズルと、
    該燃焼ノズルに接続され、前記予混合ガスの流速を燃焼速度以上に設定する狭流路を中実円筒金属に穿設してなり、予混合ガス入口部の温度が自然発火温度以下となるように前記燃焼ノズル側から温度勾配を形成する長さの狭流路部とを有することを特徴とする予混合バーナ。
  2. 前記燃焼ノズルと前記狭流路部との間に形成された断熱層を有することを特徴とする請求項1に記載の予混合バーナ。
  3. 前記燃焼ノズルをセラミックス製とし、該セラミックス製の燃焼ノズルを軸方向に弾性支持したことを特徴とする請求項1または2に記載の予混合バーナ。
  4. 前記燃焼ノズルを中央部と外周部とに分割したことを特徴とする請求項3に記載の予混合バーナ。
  5. 前記狭流路部から前記燃焼ノズルへ連なるノズル流路内をリセス構造にしたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の予混合バーナ。
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