JP4056043B2 - シールド機相対位置検出方法 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は2台のシールド機の相対位置を求めるためのシールド機相対位置検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
2台のシールド機により、例えば海底トンネルを両側から掘削する場合、掘削した削孔を所定位置で相互に一致させる必要があり、そのためには、相互の相対位置を正確に計測しなくてはならない。
このような計測方法に関して、例えば特開昭61‐254793号公報及び特開昭62‐288297号公報には、一方のシールド機または立坑からボーリングパイプを伸張し、そのパイプの先端に設けた磁気センサで他方のシールド機のカッタディスクを検知し、検知した波形を予め採取した検知波形と比較して磁気センサの位置を検出することにより両シールド機の相対位置を求める技術が示されている。
【0003】
その他の従来技術を図17〜図19に示す。
図17において、先着のシールド機Aは、内管22a、外管22bで構成された2重管22の内管先端の削孔ビット27で後着のシールド機B近傍まで削孔する。削孔した後、外管22bから内管22a及び削孔ビット27を引き抜き、図17の下部に示すようにビット27の代わりにセンサヘッド23をつけた内管22aを外管22b内に挿入する。
外管22b内に挿入されたセンサヘッド23を外管22bの先端から伸張させ、図18に詳細を示す後着側シールド機Bのカッタヘッド3Bの挿通孔3aを挿通し、更にバルクヘッド7を介して、前記センサヘッド23が後着側のシールド機Bのシンチレーションカウンタ6で検知され、公知の手段によって該センサヘッド23の、即ち、先着シールド機Aの位置のずれ(誤差)を測定する。
尚、図18において符号26は位置検出のための被検出手段である磁石を示す。
【0004】
従来の技術によれば、シールド機同士が対面した位置から先着側のシールド機のボーリングパイプ(2重管22)の内管先端の削孔ビット27を、後着側のシールド機Bに向かってボーリングを行っており、この時のシールド機A、B間の距離は最長でも50m以下であり、この場合、後着側シールド機B近傍に伸長された磁気センサ(センサヘッド)位置の許容誤差は200〜300mm程度とされている。
【0005】
ここで、近年の社会的要請により、このようなシールド工法による掘削距離は延長の傾向にある。
しかし、掘削距離の延長は、基線測量誤差(シールド機の蛇行による相対ずれ量)を増大させ、その結果、姿勢制御誤差を含めた総合誤差が増大し、前述の200〜300mmの許容誤差範囲内に収めることが出来なくなる(図19のような状態)ことが想定される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、シールド機同士の相対距離が増大してシールド機同士の相対誤差(相対位置のずれ)が増大しても、かかる誤差を正確に把握することが出来、以って、シールド機同士の相対位置を補正可能とならしめるシールド機相対位置検出方法の提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、相対する2台のシールド機の相対位置を検出するために、一方のシールド機(A)から先端にセンサヘッド(21)を有するボーリングパイプ(20)を他方のシールド機(B)に向って伸張させ、その他方のシールド機(B)のカッタヘッド(3B)の前面に信号を発振する発振手段を設けたシールド機相対位置検出方法において、前記他方のシールド機(B)の発振手段である側面側磁力発信機(25s)が他方のシールド機(B)のカッタヘッド(3B)の外周に設けられ、また他方のシールド機(B)の発振手段である前面側磁力発信機(25f)が前記他方のシールド機(B)のカッタヘッド(3B)の前面において前記側面側磁力発信機(25s)と他方のシールド機(B)のカッタヘッド(3B)の中心とを結ぶ線(H)上に設けられ、前面側磁力発信機(25f)がセンサヘッド(21)に対して最短距離になるように他方のシールド機(B)のカッタヘッド(3B)を回転させ、前面側磁力発信機(25f)を発信させてそのときのセンサヘッド(21)の出力を基準出力値(T1)として記憶させ、そして前面側磁力発信機(25f)を不作動とし、次いで側面側磁力発信機(25s)を発信させて他方のシールド機(B)のカッタヘッド(3B)を回転させて回転角によって変動する側面側磁力発信機(25s)に対するセンサ出力(Tb)を読み込み、前記基準出力(T1)と前記センサ出力(Tb)とが同じになる回転角(θc)を求め、前記回転角(θc)を含む幾何学的関係から他方のシールド機(B)とセンサヘッド(21)との相対位置を求めるようになっている。
【0008】
また本発明によれば、相対する2台のシールド機の相対位置を検出するために、一方のシールド機(A)から先端にセンサヘッド(21)を有するボーリングパイプ(20)を他方のシールド機(B)に向って伸張させ、その他方のシールド機(B)のカッタヘッド(3B)の前面に信号を発振する発振手段を設けたシールド機相対位置検出方法において、前記他方のシールド機(B)の発振手段である側面側磁力発信機(25s)が他方のシールド機(B)のカッタヘッド(3B)の外周に設けられ、前記センサヘッド(21)は回転可能でありその外周に側方用磁気センサ(21b)が設けられ、前記側面側磁力発信機(25s)と前記側方用磁気センサ(21b)とが最短距離で正対するように他方のシールド機(B)のカッタヘッド(3B)とセンサヘッド(21)とを回転させ、センサヘッド(21)をその正対した位置から180度回転させて側面側磁力発信機(25s)の出力を計測してその計測値を基準出力値(T2)として読み込み、側方用磁気センサ(21b)が側面側磁力発信機(25s)と再び正対する位置までセンサヘッド(21)を回転させ、次いで他方のシールド機(B)のカッタヘッド(3B)を回転させながら側方用磁気センサ(21b)の出力値(Tb)を読み込み、その出力値(Tb)が前記基準出力値(T2)と等しくなる他方のシールド機(B)のカッタヘッド(3B)の回転角(θc)を求め、前記回転角(θc)を含む幾何学的関係から他方のシールド機(B)とセンサヘッド(21)との相対位置を求めるようになっている。
【0010】
係る構成を具備する本発明のシールド機相対位置検出方法によれば、発信手段は後着側シールド機(B)のカッタヘッド(3B)の正面及び外周部に装備され、進行方向と進行方向に直角な2方向に信号が発信される。
一方信号検出手段(21)も前方及び側方からの発信信号に対応しており、発信信号(例えば、磁力の強さ)からシールド機(A、B)同士の相対距離を正確に計測することが出来る。
【0011】
また、当該シールド機(A、B)同士が、水平方向或いは垂直方向について、信号検出手段(21)或いはシールド機の外径以上はなれていても、シールド機(A、B)間の相対位置の計測を行うことが出来る。
【0012】
従来技術における検出方法と比較して、広範囲の計測が出来るため、測定誤差が大きくなる長距離シールドにおいても相対位置検知を可能にすることが出来る。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0014】
先ず、図1〜図3を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。
先ず、図1において、先に所定の場所に到達した一方のシールド機(先着シールド機)Aのバルクヘッド7に設けられた図示しない貫通孔を開いてボーリングパイプ20を貫通し、更にカッタヘッド3Aの図示しないスリット部からボーリングパイプ20を突出させ、後着の他のシールド機Bに向かって伸張してボーリングする。
【0015】
前記ボーリングパイプ20の先端には、図2及び図3に詳細を示すセンサヘッド21が装着されている。
図2及び図3において、センサヘッド21には前方からの発信信号に正対した前方用磁気センサ21aと、側方からの発信信号に正対した側方用磁気センサ1bとが装備されており、該前方用及び側方用磁気センサ21a、21bで受信した信号を信号ラインLによって後述のコントロールユニット10(図4参照)に送信する。
【0016】
図1に戻って、他のシールド機(後着シールド機)Bのカッタヘッド3Bの前面には進行方向に向かって信号(磁力)を発信する発信手段、すなわち前面側磁力発信機25fと、カッタヘッド3Bの外周に装着されシールド機Bの側方に向かって磁力を発信する側面側磁力発信機25sが装備されている。
ここで、発信手段としては、ON、OFFが可能な電磁石を用いることが望ましい。また、前面側磁力発信機25fと側面側磁力発信機25sとは同じ特性(同一距離に対する発信した磁界強度が等しい)を用いることが好ましい。
また、該カッタヘッド3の中心近傍には回転角検出手段であるロータリエンコーダ9が設けられており、ロータリエンコーダ9で検出した回転角情報が例えば無線によって後述のコントロールユニット10に送信される(図4参照)。
【0017】
係る構成を具備するため、図1〜図3で示す第1実施形態によれば、相対するシールド機A、B同士が、水平方向或いは垂直方向について、シールド機の外径寸法以上の誤差が存在しても(信号検出手段21の外径以上は離隔しても)、シールド機A、B間の相対位置の計測を行うことが出来る。前方用磁気センサ21aのみならず側方用磁気センサ21bを設け、しかも、検出信号も前面側磁力発信機25fのみならず側面側磁力発信機25sも備えているため、シールド機の外径寸法以上の誤差が存在しても、側面側磁力発信機25sから発進された磁力線を側方用磁気センサ21bにより検出できるからである。
【0018】
次に、図4〜図11を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。
係る第2実施形態は、相対するシールド同士の相対位置の計測に関わるものであり、図4は、第2実施形態に係る装置の構成を示したブロック図である。
図4において、制御(計測)手段であるコントロールユニット10は、センサ出力読込手段10aと、発信制御手段10bと、記憶手段10cと、比較及びθc(位置計算のベースとなる所定の角度)決定手段10dと、位置(相対距離)演算手段10eと、から構成されている。
【0019】
前記発信制御手段10bは、始動に当たって、前記前面側磁力発信機25f及び前記側面側磁力発信機25sに対して、例えば無線によって磁力を発生させる。
或いは、不要の場合には磁力の発生を停止させる。但し、有線のタイプがトンネル間では好ましい。
【0020】
前記センサ出力読込手段10aは先着側シールド機Aの図示しないボーリングパイプの先端に装着したセンサヘッド21によって前記前面側磁力発信機25f及び側面側磁力発信機25sが発信した磁力を信号ラインLを介して受信し、読込むとともに、前記後着側カッタヘッド3に装着した回転角センサ9の発信する信号を、例えば無線で受けて角度情報として読込む。
尚、センサヘッド21によって発信磁力を受信するに際しては、センサヘッド21が後着側シールド機のカッタヘッド3B側方の近傍に位置していれば、前記前方用磁気センサ21aと側方用磁気センサ21bの内、側方用磁気センサ21bによって受信することが好ましい。
【0021】
前記記憶手段10cは、例えば、磁界強度と相対距離の関係のマップを記憶しているとともに、読込んだセンサ出力の値、又は位置(相対距離)演算手段10eで決定した距離情報を、例えば磁界強度の関数として記憶するように構成されている。
【0022】
前記比較及びθc(位置計算のベースとなる所定の角度)決定手段10dは、読込んだ側面側磁力発信機25sからのセンサ出力値(磁力値)と基準出力値を比較し、センサ出力値(磁力値)と基準出力値が等しい場合のロータリエンコーダ9で検出した側面側磁力発信機25sの角度θcを計算ベースとしての角度として決定する。
【0023】
前記位置演算手段10eは、前述の計算ベースとしての角度θcから、以下に示す原理によって、先着側シールド機Aのセンサヘッド21中心と後着側シールド機Bとの距離(相対位置)を演算し、要すればモニタ11に表示出来るように構成されている。
【0024】
次に図5〜図9を参照して、第2実施形態における先着側シールド機Aと後着側シールド機Bとの距離(相対位置)の演算の原理(演算方法)を説明する。
【0025】
図5において、後着側のシールド機Bのカッタヘッド3Bの外周部(図示では右端)に磁力発信機25sを配置し、該カッタヘッド3の前面で、カッタヘッド3Bの中心点Oと前記外周部の磁力発信機25sを結ぶ直線(図では水平線H)の延長上で中心点Oからの距離がLaなる位置にヘッド前面側磁力発信機25fが配置されている。
したがって、カッタヘッド3Bを回転した場合の側面側磁力発信機25s、及び前面側磁力発信機25fはそれぞれ半径rと、半径Laの円の軌跡を描く。
【0026】
次に図5において矢印方向にカッタヘッド3Bを180°回転させ、図6のように配置する。センサヘッド21の中心と後着側のカッタヘッド3Bの外周との距離を求める距離をLxとする。この状態(前面側磁力発信機25fの水平線Hに対する回転角θは0°)でのセンサヘッドの出力を基準出力値「T1」とする。
なお、前面磁力側発信機25fからセンサヘッド21の中心までの距離は「Lx+r−La」である。
【0027】
次に図7では、更にカッタヘッド3Bを180°回転させる。この時のセンサヘッド21の中心と前面側磁力発信機25sとの距離は「Lx」である。
又、回転角によって変動する側面側磁力発信機25sに対するセンサ出力を「Tb」とする。
【0028】
図8では、後着側カッタヘッド3Bを回転させ、前記側面側磁力発信機25sに対するセンサ出力「Tb」が前述の基準出力値「T1」と同じになる回転角θcを求める。このとき、センサヘッド21と側面側磁力発信機25sの距離は「Lx+r−La」となる。
【0029】
θcが求まると、図9に示す幾何学的関係から、距離「Lx」は図10に示す式から求まる。
【0030】
次に、図11のフローチャートを参照して、第2実施形態の位置(相対距離)計測制御方法を説明する。
【0031】
ステップS1において、コントロールユニット10の発信制御手段10bは、前述の図6の配置において前面側磁力発信機25fに磁力を発信するように制御信号を送る。
【0032】
次のステップS2において、コントロールユニット10の発信制御手段10bは、上述の状態、即ち前面側磁力発信機25fが回転角θ=0度の時のセンサヘッド21の基準出力値「T1」をセンサ出力読込手段10aで読込み、記憶手段10cで記憶した後、ステップS3で前面側磁力発信機25fを不作動(OFF)とする。
【0033】
ステップS4では、コントロールユニット10の発信制御手段10bは、側面側磁力発信機25sに磁力を発信するように制御信号を送るとともに、ステップS5でカッタヘッド3Bを回転させる(図7から図8の状態)。
【0034】
次のステップS6において、前記センサ出力読込手段10aによって側面側磁力発信機25sに対するセンサヘッド21のセンサ出力「Tb」を前記センサ出力読込手段10aで読込み、次のステップS7に進む。
【0035】
ステップS7ではコントロールユニット10の前記比較及びθc決定手段10dは、前記センサ出力「Tb」と前記基準出力値「T1」とが等しいか否かを判断する。等しければ(ステップS7のYES)、ステップS8に進み、等しくなければ(ステップS7のNO)、ステップS5以降を繰り返す。
【0036】
ステップS8では、前記比較及びθc決定手段10dによって計算基準となるθcを決定し、次のステップS9において前述したような計算原理(図9及び図11の式を参照)に基づいてカッタヘッド3Bの外周から前記センサヘッド21の中心までの距離「Lx」を求める。
【0037】
距離「Lx」を求めた後、ステップS10において、前記側面側磁力発信機25sを不作動(OFF)として制御を終了する。
【0038】
係る構成及び検出方法を具備する第2実施形態のシールド機相対位置検出方法及びその装置によれば、発信手段は後着側シールド機Bのカッタヘッド3Bの正面側磁力発信機25f及び側面側磁力発信機25sが装備され、進行方向と進行方向に直角な2方向に信号が発信される。
一方信号検出手段21も前方用磁気センサ21aと側方用磁気センサ21bが用いられ、発信信号(例えば、磁力)の強さを正確に捉え、シールド機同士の相対距離を正確に計測することが出来る。
【0039】
従来技術における検出方法と比較して、広範囲の計測が出来るため、測定誤差が大きくなる長距離シールドにおいても相対位置検知を可能にすることが出来る。
【0040】
次に図12〜図16を参照して、第3実施形態を説明する。
図12〜図16の第3実施形態は、その構成が第2実施形態(図1〜図4)と基本的に同様であり、位置(相対距離)の計測方法が異なる。
【0041】
図12〜図14を参照して、第3実施形態における先着側シールド機A(のセンサヘッド21)と後着側シールド機Bとの距離(相対位置)の演算の原理(演算方法)を説明する。
【0042】
図12において、後着側のシールド機Bのカッタヘッド3Bの外周部(図示では左端)に側面側磁力発信機25sを配置する。先着側のシールド機Aのセンサヘッド21は回転可能であり、センサヘッド21の側方用磁気センサ21bの向きを側面側磁力発信機25sに正対させる。この時の側面側磁力発信機25sと側方用磁気センサ21bとの距離Lxが求める相対距離である。
【0043】
次に図13において前記側方用磁気センサ21bが前記側面側磁力発信機25sに最も距離を隔てるように180°センサヘッド21を回転させる。回転させた位置で側方用磁気センサ21bの出力を計測して、該計測値を基準出力値「T2」として読込む。又、この時の側方用磁気センサ21bの回転軌跡の直径をDとする。
また、そのような状態での側面側磁力発信機25sから側方用磁気センサ21bまでの距離は「Lx+D」である。
【0044】
尚、側方用磁気センサ21bは無指向性のセンサ、或いは、指向性のある場合は図示しない手段によって常に発信源の方を向くように制御されるセンサであることが好ましい。
【0045】
次に図14では、側方用磁気センサ21bを再び側面側発信機25sと正対させた上で、更にカッタヘッド3Bを任意にθ°回転させる。そして側方用磁気センサ21bの出力値Tbが前述の基準出力値T2に等しくなるθの値「θc」を求める。この時の側方用磁気センサ21bと前面側磁力発信機25sとの距離は(図13と図14とでは側方用磁気センサ21bの出力値が同じであることから)「Lx+D」である。
【0046】
そして、図14から幾何学的に図15で示す関係式が容易に導かれる。したがって、図15の関係式から、後着側のシールド機B(のカッタヘッド3B)とセンサヘッド21の距離「Lx」が求まる。
【0047】
次に図16及び、図12〜図15をも参照して第3実施形態の位置(相対距離)計測制御方法を説明する。
【0048】
ステップS11において、カッタヘッド3Bを回転させて図12で示したように側面側磁力発信機25sとセンサヘッド21の側方用磁気センサ21bを最短距離で正対させる。
【0049】
ステップS12では、図13に示すようにセンサヘッド21を180°回転させる。ステップS13に進み、コントロールユニット10の発信制御手段10bは、図13の配置において側面側磁力発信機25sに磁力を発信するように制御信号を送る。
【0050】
ステップS14では、コントロールユニット10は、図13の状態、即ち側面側磁力発信機25sが回転角θ=0°で、且、側方用磁気センサ21bが180°の回転で側面側磁力発信機25sと最も離れた位置で側方用磁気センサ21bの基準出力値を計測する。計測した基準出力値「T2」をセンサ出力読込手段10aで読込み、記憶手段10cで記憶する。
【0051】
次のステップS15では、側面側磁力発信機25sを不作動(OFF)とする。
【0052】
ステップS16では、側方用磁気センサ21bを側面側磁力発信機25sと再び正対させる。次のステップS17では、コントロールユニット10の発信制御手段10bは、側面側磁力発信機25sに磁力を発信するように制御するように制御信号を送るとともに、ステップS18でカッタヘッド3Bを回転させる(図14の状態)。
【0053】
次のステップS19において、前記センサ出力読込手段10aによって側面側磁力発信機25sに対する側方用磁気センサ21bのセンサ出力「Tb」を前記センサ出力読込手段10aで読込み、次のステップS20に進む。
【0054】
ステップS20ではコントロールユニット10の前記比較及びθc決定手段10dは、前記センサ出力「Tb」と前記基準出力値「T2」とが等しいか否かを判断する。等しければ(ステップS20のYES)、ステップS21に進み、等しくなければ(ステップS20のNO)、ステップS18以降を繰り返す。
【0055】
ステップS21では、前記比較及びθc決定手段10dによって計算基準となるθcを決定し、次のステップS22において前述したような計算原理(図14及び図15を参照)に基づいてカッタヘッド3Bの外周から前記センサヘッド21までの距離「Lx」を求める。
【0056】
距離「Lx」を求めた後、ステップS23において、前記側面側磁力発信機25sを不作動(OFF)として制御を終了する。
【0057】
係る構成及び検出方法を具備する第3実施形態のシールド機相対位置検出方法及びその装置によれば、当該シールド機A、B同士が、水平、垂直方向に信号検出手段21の外径以上はなれていても、シールド機A、B間の相対位置の計測を行うことが出来る。
以下の、作用効果については、図1〜図15の第2実施形態と基本的に同様である。
【0058】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではない。例えば、図示の実施形態では先着側のシールド機に受信用センサを、後着側のシールド機に発信機を装着しているが、後着側のシールド機に受信用センサを、先着側のシールド機に発信機を装着してもよい。
また、センサの数も最低1個あれば良く、数を増加すれば精度を上げることができる。
【0059】
【発明の効果】
本発明の効果を以下に列挙する。
(1) 発信手段は後着側シールド機のカッタヘッドの正面及び外周部に装備され、進行方向と進行方向に直角な2方向に信号が発信される。他方、信号検出手段も前方及び側方からの発信信号に対応しており、発信信号(例えば磁力)の強さからシールド機同士の相対距離を正確に計測することが出来る。
(2) シールド機同士が、水平、垂直方向に信号検出手段の外径以上はなれていても、シールド機間の相対位置の計測を行うことが出来る。
(3) 従来技術における検出方法と比較して、広範囲の計測が出来るため、測定誤差が大きくなる長距離シールドにおいても相対位置検知を可能にすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における位置検出の態様を示す平面図。
【図2】本発明の第1実施形態におけるセンサヘッドの正面断面図。
【図3】本発明の第1実施形態におけるセンサヘッドの側断面図。
【図4】本発明の第1実施形態の構成を示すブロック図。
【図5】本発明の第2実施形態における相対距離算定の原理を示す為の発信手段を装備した側のカッタヘッドの正面図。
【図6】本発明の第2実施形態における相対距離算定の原理における第1過程を示す図。
【図7】本発明の第2実施形態における相対距離算定の原理における第2過程を示す図。
【図8】本発明の第2実施形態における相対距離算定の原理における第3過程を示す図。
【図9】本発明の第2実施形態における相対距離算定の原理における最終過程を示す図。
【図10】本発明の第2実施形態における相対距離算定式を表した図。
【図11】本発明の第2実施形態における計測制御方法を示したフローチャート。
【図12】本発明の第3実施形態における相対距離算定の原理における第1過程を示す図。
【図13】本発明の第3実施形態における相対距離算定の原理における第2過程を示す図。
【図14】本発明の第3実施形態における相対距離算定の原理における最終過程を示す図。
【図15】本発明の第3実施形態における相対距離算定式を表した図。
【図16】本発明の第3実施形態における計測制御方法を示したフローチャート。
【図17】従来技術における位置検出の態様と構成を示した模式図。
【図18】図17の矢視図。
【図19】従来技術における位置検出の1態様を示す平面図。
【符号の説明】
A・・・先着側シールド機
B・・・後着側シールド機
3B・・・後着側シールド機のカッタヘッド
10・・・コントロールユニット
10a・・・センサ出力読込手段
10b・・・発信制御手段
10c・・・記憶手段
10d・・・比較及びθc決定手段
10e・・・位置演算手段
20・・・ボーリングパイプ
21・・・センサヘッド
21a・・・前方用磁気センサ
21b・・・側方用磁気センサ
25f・・・前面側磁力発信機
25s・・・側面側磁力発信機
Claims (2)
- 相対する2台のシールド機の相対位置を検出するために、一方のシールド機(A)から先端にセンサヘッド(21)を有するボーリングパイプ(20)を他方のシールド機(B)に向って伸張させ、その他方のシールド機(B)のカッタヘッド(3B)の前面に信号を発振する発振手段を設けたシールド機相対位置検出方法において、前記他方のシールド機(B)の発振手段である側面側磁力発信機(25s)が他方のシールド機(B)のカッタヘッド(3B)の外周に設けられ、また他方のシールド機(B)の発振手段である前面側磁力発信機(25f)が前記他方のシールド機(B)のカッタヘッド(3B)の前面において前記側面側磁力発信機(25s)と他方のシールド機(B)のカッタヘッド(3B)の中心とを結ぶ線(H)上に設けられ、前面側磁力発信機(25f)がセンサヘッド(21)に対して最短距離になるように他方のシールド機(B)のカッタヘッド(3B)を回転させ、前面側磁力発信機(25f)を発信させてそのときのセンサヘッド(21)の出力を基準出力値(T1)として記憶させ、そして前面側磁力発信機(25f)を不作動とし、次いで側面側磁力発信機(25s)を発信させて他方のシールド機(B)のカッタヘッド(3B)を回転させて回転角によって変動する側面側磁力発信機(25s)に対するセンサ出力(Tb)を読み込み、前記基準出力(T1)と前記センサ出力(Tb)とが同じになる回転角(θc)を求め、前記回転角(θc)を含む幾何学的関係から他方のシールド機(B)とセンサヘッド(21)との相対位置を求めることを特徴とするシールド機相対位置検出方法。
- 相対する2台のシールド機の相対位置を検出するために、一方のシールド機(A)から先端にセンサヘッド(21)を有するボーリングパイプ(20)を他方のシールド機(B)に向って伸張させ、その他方のシールド機(B)のカッタヘッド(3B)の前面に信号を発振する発振手段を設けたシールド機相対位置検出方法において、前記他方のシールド機(B)の発振手段である側面側磁力発信機(25s)が他方のシールド機(B)のカッタヘッド(3B)の外周に設けられ、前記センサヘッド(21)は回転可能でありその外周に側方用磁気センサ(21b)が設けられ、前記側面側磁力発信機(25s)と前記側方用磁気センサ(21b)とが最短距離で正対するように他方のシールド機(B)のカッタヘッド(3B)とセンサヘッド(21)とを回転させ、センサヘッド(21)をその正対した位置から180度回転させて側面側磁力発信機(25s)の出力を計測してその計測値を基準出力値(T2)として読み込み、側方用磁気センサ(21b)が側面側磁力発信機(25s)と再び正対する位置までセンサヘッド(21)を回転させ、次いで他方のシールド機(B)のカッタヘッド(3B)を回転させながら側方用磁気センサ(21b)の出力値(Tb)を読み込み、その出力値(Tb)が前記基準出力値(T2)と等しくなる他方のシールド機(B)のカッタヘッド(3B)の回転角(θc)を求め、前記回転角(θc)を含む幾何学的関係から他方のシールド機(B)とセンサヘッド(21)との相対位置を求めることを特徴とするシールド機相対位置検出方法。
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