JP4056009B2 - インライン型ポンプ - Google Patents

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本発明は、ステータとロータとを主要な構成とするモータの内部に流路を形成してなるインライン型ポンプに関する。
この種のインライン型ポンプとしては、例えば特許文献1、或いは特許文献2に記載されているように、ステータの内側に設けられたロータは、外周に突部と凹部とを形成することにより軸流羽根の機能を備え、このロータを回転させることにより、ロータの一端側の吸入口から吸入される流体をロータの他端側の排出口から排出する構造となっている。
特開平10−246193号公報 特開平1−230088号公報
上記のようなインライン型ポンプは、軸流羽根により流体に回転運動エネルギーを付与され、その運動エネルギーが静圧エネルギーに変換されない状態のまま内周の壁や排出口での摩擦損失や乱流による渦損失となって失われた後に送られるため、ポンプとしての効率が悪い。
また、流体が常にロータの軸方向の一方にのみ流れるため、ロータには流体の反作用圧力がスラスト荷重として作用し、軸受の寿命が短くなる問題がある。
本発明の目的は、構造の小型化を満足させた上で流体の供給効率を高め得るインライン型ポンプを提供することである。
請求項1記載の発明は、筒状のステータの内側に、吸入口から吸入される流体を排出口に向けて軸方向に送り出す軸流羽根を有するロータを回転自在に設けたインライン型ポンプにおいて、前記ロータの前記軸流羽根により前記排出口に向けて送られる前記流体の回転運動エネルギーを静圧エネルギーに変換する圧力室と、前記圧力室と前記排出口との間に配置され前記圧力室とは仕切壁により区画された第二の圧力室と、前記仕切壁の外周部に配置されて前記圧力室と前記第二の圧力室との間を接続する案内孔と、前記仕切壁の中心に設けられて、前記ロータの回転軸を所定のクリアランスをもって回転自在に支承する滑り軸受と、前記仕切壁に形成されて、前記第二の圧力室と前記滑り軸受の内周面とを連通するリーク流路と、備える。
したがって、ロータを回転させると、吸入口から吸入された流体は軸流羽根により圧力室に送られてこの圧力室で回転運動エネルギーが静圧エネルギーに変換され、さらに案内孔から第二の圧力室を経由して排出口から排出される。
また、ロータの回転軸と滑り軸受との間には第二の圧力室内の流体が均一な圧力分布をもって介在するため、回転軸の潤滑を長期にわたり良好に維持できる。
請求項記載の発明は、筒状のステータの内側に、吸入口から吸入される流体を排出口に向けて軸方向に送り出す軸流羽根を有するロータを回転自在に設けたインライン型ポンプにおいて、前記ロータの前記軸流羽根により前記排出口に向けて送られる前記流体の回転運動エネルギーを静圧エネルギーに変換する圧力室と、前記圧力室に配置され前記ロータと一体に回転する遠心羽根と、前記吸入口から吸入される前記流体を前記ステータの外周部を経由して前記圧力室に導き前記遠心羽根の前記軸流羽根とは反対側の面に向けて送り込むように経路が定められた吸入流路と、前記遠心羽根の回転により前記圧力室内の流体を前記圧力室の外周部から排出口に導く案内流路と、を備える。
したがって、ロータを回転させると、吸入口から吸入された流体は、軸流羽根により圧力室に送られてこの圧力室で回転運動エネルギーが静圧エネルギーに変換されるとともに、別系統の吸入流路を経由して圧力室に導かれる。この二系統の経路を経由して圧力室に導かれた流体は遠心羽根の回転により案内流路を経由して排出口から排出される。これにより、流体を効率よく送ることができる。この場合、軸流羽根と一体に回転する遠心羽根は、軸流羽根により送られる流体の圧力と吸入流路から吸入される流体の圧力とを受けるが、双方向の圧力が互いに相殺する方向に作用するため、流体がロータに与えるスラスト荷重を軽減し、その損失を少なくすることができる。
請求項記載の発明は、請求項記載の発明において、前記案内流路における前記圧力室との接続部は、流す流体のエネルギーが前記ロータの軸線を中心とする対称位置で略等しくなるように定められている。
したがって、ロータにかかるラジアル方向の負荷を軽減することができる。なお、流体エネルギーとは、流体の流速と圧力との積により表わすことができるエネルギーである。
請求項1記載の発明によれば、軸流羽根により排出口に向けて送られる流体の回転運動エネルギーを圧力室により静圧エネルギーに変換した後に第二の圧力室を経由して排出口から排出するように構成したので、流体を効率よく送ることができ、したがって、ポンプ効率の向上を図ることができる。
そして、第一、第二の圧力室を区画する仕切壁の中心にはロータの回転軸を所定のクリアランスをもって回転自在に支承する滑り軸受が設けられ、また、仕切壁には第二の圧力室と回転軸を支承するための滑り軸受の内周面とを連通するリーク流路が形成されているので、ロータの回転軸と滑り軸受との間に第二の圧力室内の流体を均一な圧力分布をもって介在させることができ、したがって、回転軸の潤滑を長期にわたり良好に維持できる。
請求項記載の発明によれば、軸流羽根により排出口に向けて送られる流体の回転運動エネルギーを圧力室に導いて静圧エネルギーに変換するとともに、別系統の吸入流路を経由して圧力室に導き、この二系統の経路を経由して圧力室に導いた流体を遠心羽根の回転により案内流路を経由して排出口から排出するように構成したので、流体を効率よく送ることができ、したがって、ポンプ効率の向上を図ることができる。さらに、軸流羽根により送られる流体から遠心羽根に作用する圧力と、吸入流路を経由する流体から遠心羽根に作用する圧力とが相殺するように構成したので、流体がロータに与えるスラスト荷重を軽減することができる。
請求項記載の発明によれば、請求項記載のインライン型ポンプにおいて、案内流路における圧力室との接続部は、流す流体のエネルギーがロータの軸線を中心とする対称位置で略等しくなるように定められているので、ロータにかかるラジアル方向の負荷を軽減することができる。
(第1の参考例)
まず、第1の参考例について説明する。
図1から図5に示すように、インライン型ポンプ1は、モータ2の主要部を構成するステータ3とこのステータ3の内径にロータ4を回転可能にし支持するフレーム5、6と圧力室7とから構成されている。
ステータ3は、内周に6極の同形状の磁極8を60°のピッチで配置するステータコア9、およびこのステータコア9の各磁極8にコイル10等から構成されている。ステータコア9は、円筒状で、軸方向に複数の珪素鋼板を積層して形成されている。コイル10は、ステータコア9の各磁極8に順に、A相、B相、C相、A相、B相、C相として反時計回り方向に巻装されている。そして、各相をY結線またはΔ結線にて配線処理し、外部に3本のリード線を引き出し、その各リード線に位相が120°の異なる3相交流を印加し、その周波数を変えることによって回転速度を可変できるようになっている。
ステータ3のステータコア9の内周面全体とコイル10を含む内部をポリエステル等の絶縁性樹脂11でモールドにより防水処理をしている。
図3に示すように、ロータ4は、ロータコア12、およびこのロータコア12を保持する回転軸13等から構成されている。回転軸13は、ベアリング14,14を介してフレーム5,6のベアリング支持体15,15に回転可能に支持されている。
ロータコア12は、円周方向に交互に異極になるように磁化された4極の突極16をモールドにより円筒状とし、その外周部に、螺旋状の凹部17を形成している。ステータ3の内径とこの凹部17とで軸方向の流体の流路を形成している。この螺旋状の凹部17が軸流羽根の機能を果たすものである。この凹部17の幅・深さ・傾斜角・螺旋ピッチ等はポンプの所望する性能によって選択される。すなわち、性能によっては、螺旋ピッチは1条からN条の間で選択できる。なお、凹部の形状は、V溝、U溝等あらゆる形状に対応できる。
一方フレーム5には、ロータ4の一端部18の間に流体を吸入する吸入口19を形成するとともに、他方フレーム6はロータ4の他端部20の間に圧力室7を介して流体を吐出する排出口21を形成する。吸入口19はフレーム5とベアリング支持体15とを架橋する固定案内羽根22によって4分割している。圧力室7は、回転流体の流速を滑らかにし減速する働きを有する。この圧力室7は、ロータ4の他端側に配置されている。そして、ベアリング支持体15,15はロータ4の凹部17の底部直径より内周になるように設けている。
次に、このインライン型ポンプの動作原理について図4および図5を用いて説明する。まず、ステータコア9のA相コイルを励磁すると、このA相の磁極8がS極となり、図4の(a)に示すように、ロータコア12のN極の突極がA磁極の位置にきて安定する。次に、B相コイルを励磁すると、このB相の磁極8がS極となり、図4の(b)に示すように、ロータコア12はN極の突極がB相の磁極8の位置にきて安定する。次にC相コイルを励磁すると、このC相の磁極8がS極となり、図4の(c)に示すように、ロータコア12のN極の突極がC相の磁極8の位置にきて安定する。
次に、再びA相コイルを励磁すると、このA相の磁極8がS極となり、図5の(a)に示すように、ロータコア12はN極の突極がA相の磁極8の位置にきて安定する。次に、B相コイルを励磁すると、このB相の磁極8がS極となり、図5の(b)に示すように、ロータコア12はN極の突極がB相の磁極8の位置にきて安定する。次に、C相コイルを励磁すると、このC相の磁極8がS極となり、図5の(c)に示すように、ロータコア12はN極の突極がC相の磁極8の位置にきて安定する。そして再度A相コイルを励磁すると、このA相の磁極8がS極となり、図4の(a)の状態に戻りロータはちょうど1回転することになる。このようにして励磁相を順次切り替えていることによりロータコア12は回転し、その切替速度を可変することでモータの速度が変化する。
図1の構成において、ロータ4が回転すると、このロータ4の外周部の螺旋状の凹部からなる軸流羽根が回転し、流体が図中矢印で示すように、吸込部から流体が流入し、ステータ3とロータ4の螺旋状の凹部17を通り、さらに、圧力室7を通って流体が排出口21から流出することになる。
このように、ロータ4の外周部に回転軸13の軸方向に連通した螺旋状の凹部17を形成し、軸流羽根を形成するようにしているので、ロータ4の螺旋状の凹部17による軸流羽根で加速される流体は旋回される。この運動エネルギーを圧力に変換するための圧力室7をロータ4の吐出側に設けてある。ロータ4の軸流羽根から吐出された流体は圧力室7内で旋回し、外周に拡散される。その吐出流は外周ほど流速が減少し、圧力は増える。この圧力室7を設けたことによる軸流羽根の負荷はほとんど無視できるが、羽根の軸方向に対する傾斜角を45〜70°とした。その結果、いずれの軸流羽根においても圧力室7の無いものに比べ50%ほどの吐出圧および流量の向上が図れた。
さらに、ステータ3を絶縁性樹脂11でモールドして防水処理をしているので、このインライン型ポンプを水中で使用することもできる。これによって冷却効果を高めることができるので、小形化しても十分な放熱ができる。
(第2の参考例)
次に第2の参考例について説明する。なお、前述した第1の参考例と同一の部分には同一の符号をつけて、異なる部分について説明する。
図6に示すように、ロータ4の他端部20を圧力室7内部まで延長して配置している。そして、ロータ4の螺旋状の凹部17の底を次第に浅くすることで、軸流成分を外周方向に向けるようにしている。さらにロータ4に対向する圧力室7に整流部としての傾斜部23を設けることで、軸流羽根からの吐出流が圧力室7底面との直角方向の衝突による乱流の発生を防止し、外周方向への圧力を高めることができる。
(第3の参考例)
次に第3の参考例について説明する。なお、前述した各参考例と同一の部分には同一の符号をつけて、異なる部分について説明する。
図7〜8図に示すように、遠心羽根24は、回転方向に傾斜したブレード25を有する。この遠心羽根24のブレード25側とロータ4の他端部20に対向して回転軸13に取付け、圧力室7内に配置している。同一サイズのポンプにあって流体の旋回速度が向上するため、ポンプ出力の増大および最大吐出圧力の向上に有効なものとなる。
なお、各参考例では4極突極構造のロータを用いたものについて述べたが、必ずしもこれに限定するものではないのは勿論である。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態を図9ないし図11に基いて説明する。図9はインライン型ポンプP1の縦断側面図、図10は図9における矢視A−A線部の断面図、図11はロータの一部を示す縦断側面図である。
図9において、101はモータである。モータ101は筒状のステータ102とロータ103とにより構成されている。ステータ102は、環状の鉄心を積層することにより形成されたステータコア104と、このステータコア104に巻回されたコイル105と、このコイル105をステータコア104の端面とともに覆う樹脂層106とを有する。
ロータ103は、中心に回転軸107を固定的に備えた軸流羽根108と、この軸流羽根108の外周の一部に設けられた磁極109とを有する。本実施の形態における軸流羽根108は、円柱体110の外周に螺旋溝111を形成してなり、図11に示すように、螺旋溝111の幅wと深さhとは略等しい値に定められている。
ステータ102の一端にはフランジ112が固定されている。このフランジ112は、ベアリング113を支持するドーム状の支持部114とこの支持部114の周囲を開口する開口部115とを有し、この開口部115には複数の整流板116が放射状に形成されている。
また、フランジ112の表面には流体を吸入する吸入口117を有する吸入口体118が固定されている。ステータ102の他端の周縁には、排出口119を有するカップ状の排出口体120の周縁が固定的に接合され、この排出口体120の内方には仕切壁121が設けられている。この仕切壁121は排出口体120と一体に形成されているが、別部材により形成して排出口体120に固定してもよい。この仕切壁121とステータ102及びロータ103の端部との間には圧力室122が形成され、仕切壁121と排出口119との間には第二の圧力室123が形成され、これらの圧力室122,123は仕切壁121の外周部に形成された複数の案内孔124により接続されている。これらの案内孔124の中心には、図10に示すように、排出口体120の内周面と仕切壁121の外周縁とを結ぶリブ125が設けられている。これらのリブ125は、流体の旋回方向の流れを軸流方向に修正し得るように軸流羽根108の回転軸107に対する傾斜角が定められている。
さらに、図9に示すように、仕切壁121の中央部には滑り軸受126の外周を支持する支持部127と、第二の圧力室123と滑り軸受126の内周面とを連通するリーク流路128とが形成されている。
そして、ロータ103の回転軸107はベアリング113と滑り軸受126とにより回転自在に支承されている。さらに、ロータ103の軸線(回転中心)を中心とする半径が最小となる軸流羽根108の凹部(この例では螺旋溝111の底部)の径は支持部127の径より大きな径に定められている。
このような構成において、吸入口117を流体供給元に接続し、排出口119を流体供給先に接続し、コイル105に電流を流すとモータ101が駆動される。すなわち軸流羽根108を有するロータ103が回転する。これにより、流体は吸入口117から吸入され、フランジ112の開口部115に形成された整流板116により整流され、軸流羽根108によって圧力室122に圧送され、さらに案内孔124から第二の圧力室123を経由して排出口119から排出される。この場合、軸流羽根108の回転により流体は旋回しながら送られるが、圧力室122で回転運動エネルギーが静圧エネルギーに変換されるため、流体を効率よく排出口119から送り出すことができる。
すなわち、螺旋溝111から吐出される流体の回転速度は、その回転の半径が外周方向になるにつれて低速度となり、その運動エネルギーの速度の差分が圧力に変換されるこことなる。
また、本実施の形態では、仕切壁121の中心にはロータ103の回転軸107を所定のクリアランスをもって回転自在に支承する滑り軸受126が設けられ、仕切壁121には第二の圧力室123と滑り軸受126の内周面とを連通するリーク流路128が形成されているため、ロータ103の回転軸107と滑り軸受126との間には第二の圧力室123内の流体が均一な圧力分布をもって介在する。したがって、回転軸107の潤滑を長期にわたり良好に維持できる。
さらに、本実施の形態では、ロータ103の軸線を中心とする半径が最小となる軸流羽根108の凹部(この例では螺旋溝111の底部)の径は支持部127の径より大きな径に定められているので、流体を案内孔124が形成されている圧力室122の外側に向けて導き易くすることができ、軸流羽根108により送られた流体と滑り軸受126を支持する支持部127との衝突による損失を低減できる。
なお、支持部127の径より大きくする軸流羽根の凹部とは上記の例に限定されるものではない。例えば、特許文献1に記載されているように、多数のコア片を積層することにより、突極と凹部とを有する軸流羽根における凹部も含む。また、傾斜した複数枚の羽根を有するスクリュウ或いはインペラと称する軸流羽根を用いた場合には、回転軸に対する羽根の付け根を凹部とする。
すなわち、支持部127の径より軸流羽根の凹部の径を大きくすることとは、換言すれば、支持部127の半径方向外側に向けて流体を流し易くするように軸流羽根の寸法形状を定めるということである。この条件を満たしているのが上記の軸流羽根108で、この軸流羽根108を用いることにより、送られた流体と滑り軸受126を支持する支持部127との衝突による損失を低減できる。
図10に示すように、軸流羽根108は円柱体110の外周に螺旋溝111を形成してなる。この場合、wとhとは可能な限り大きくすればする程、流路抵抗が減少し効率は向上する。しかし、hを一定にしたとき、w>hとなるようにwを大きくすればする程、層流常態がくずれて螺旋溝111の回転方向後方部の吸入側に戻される乱流が発生し、効率が低下する。また、w<hでは、上記の乱流の発生はないが流路抵抗が増加して効率を低下させてしまう。しかし、本実施の形態では、螺旋溝111の幅wと深さhとは略等しい値に定められているので、流体をさらに効率よく送ることができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を図12に基いて説明する。第1の実施の形態と同一部分は同一符号を用い説明も省略する。図12はインライン型ポンプP2の縦断側面図である。
本実施の形態におけるインライン型ポンプP2は、ロータ103の回転軸107が第二の圧力室123まで延出され、その延出部分に第二の軸流羽根129が固定的に設けられている。この第二の軸流羽根129は複数の羽根を有する軸流インペラを用いている。
このような構成において、ステータ102の内側に設けられた軸流羽根108と、第二の圧力室123に設けられた第二の軸流羽根129とにより圧力を分散して流体を送ることができる。また、モータ101の動力も分散できる。このようにすることで、ロータ103を小型化したときに、軸流羽根108の流体送り性能の低下分を第二の軸流羽根129により補うことができる。これにより、モータ101の小型化を図ることを満足しつつ、流体を効率よく送ることができる。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態を図13ないし図15に基いて説明する。第1の実施の形態と同一部分は同一符号を用い説明も省略する。図13はインライン型ポンプP3の縦断側面図、図14は図13に示すインライン型ポンプP3を90度異なる方向から見た縦断側面図である。
本実施の形態におけるモータ101はステータ102の外周を覆う円筒130を備えている。このモータ101の一端(図13及び図14において下端)には接続口体131が固定されている。この接続口体131は、ロータ103が有する軸流羽根108により吸入される流体の回転運動エネルギーを静圧エネルギーに変換する圧力室132と、この圧力室132の外周部において180度の間隔を隔てた位置から下方に突出するパイプ状の二本の案内流路133とを有する。これらの案内流路133はロータ103の中心の延長線上において合流され、この合流点の先には排出口134が形成されている。そして、圧力室132にはロータ103の回転軸107の下端に固定された遠心羽根135が設けられている。遠心羽根135を貫通する回転軸107の一端は接続口体131の中心に設けた支持部136によって支持された軸受137により回転自在に支承されている。
138は容器状に形成された吸入ケースである。この吸入ケース138の開口面は、中央部に吸入口139が形成された吸込口体140により覆われている。モータ101と接続口体131の一部は吸入ケース138に収納されている。
図15は図13における矢視B方向から見たインライン型ポンプP3の底面図である。図中、132aは圧力室132の底面で、この底面132aは円筒形状のモータ101の底面に合わせて円板形状に定められているが、案内流路133のみは吸入ケース138の下方において露出するような寸法形状に形成されている。
そして、モータ101の外周及び接続口体131の外周と吸入ケース138の内面との間に流体を吸い込む吸入流路141が形成されている。この吸入流路141は、図13及び図14に矢印をもって示すように、吸入口139から吸入される流体をステータ102の外周部を経由して圧力室132に導き、遠心羽根135の軸流羽根108とは反対側の面に向けて送り込むように経路が定められている。すなわち、この吸入流路141は、図13に示すように、回転軸107の中心を間にして接続口体131の圧力室132の底部の対称位置に形成された二つの接続孔142に接続された接続部141aを備えている。この接続部141aは、図13で明らかなように、接続口体131の圧力室132の底面132aと案内流路133との間を潜り抜けるように配置されている。
このような構成において、ロータ103を回転させると、吸入口139から吸入された流体は、フランジ112の開口部115に形成された整流板116により整流され、軸流羽根108によって圧力室132に圧送されてこの圧力室132で回転運動エネルギーが静圧エネルギーに変換されるとともに、別系統の吸入流路141を経由して圧力室132に導かれる。この二系統の経路を経由して圧力室132に導かれた流体は遠心羽根135の回転により案内流路133を経由して排出口134から排出される。これにより、流体を効率よく送ることができる。
この場合、軸流羽根108と一体に回転する遠心羽根135は、軸流羽根108により送られる流体の圧力を図13及び図14において上面で受け、吸入流路141の接続部141aを通して送られる流体の圧力を下面で受ける。すなわち、双方向の圧力が互いに相殺する方向に作用するため、流体がロータ103に与えるスラスト荷重を軽減することができる。
さらに、モータ101及び圧力室132の外周との間で形成される吸入流路141の大部分は円環状の形状をもって均等の流路断面積をもち、さらに、吸入流路141の一部をなす接続部141a及び接続口体131の案内流路133はロータ103の回転軸107の軸線を中心として対称位置に対称的な形状寸法をもって形成されている。すなわち、吸入流路141と案内流路133とは、流す流体のエネルギーがロータ103の軸線を中心とする対称位置で略等しくなるように定められていることになる。したがって、ロータ103にかかるラジアル方向の負荷を軽減することができる。これにより、ベアリング113及び軸受137並びに回転軸107の寿命を増し、長期にわたりモータ101を円滑に回転させることができる。
本発明は、各実施の形態に限定されるものでなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変形が可能であることは明らかである。
第1の参考例を示すインライン型ポンプ全体の断面図である。 同参考例の上面図である。 同参考例のロータの正面図である。 同参考例のロータの回転動作を説明するための模式図である。 同参考例のロータの回転動作を説明するための模式図である。 第2の参考例を示すインライン型ポンプの全体の断面図である 第3の参考例を示すインライン型ポンプの全体の正面図である。 同参考例の遠心羽根の一部断面図である。 本発明の第1の実施の形態におけるインライン型ポンプの縦断側面図である。 図9における矢視A−A線部の断面図である。 ロータの一部を示す縦断側面図である。 本発明の第2の実施の形態におけるインライン型ポンプの縦断側面図である。 本発明の第3の実施の形態におけるインライン型ポンプの縦断側面図である。 図13に示すインライン型ポンプを90度異なる方向から見た縦断側面図である。 図13における矢視B方向から見たインライン型ポンプの底面図である。
符号の説明
102 ステータ
103 ロータ
122、132 圧力室
117、139 吸入口
119、134 排出口
135 遠心羽根
108 軸流羽根
110 円柱体
111 螺旋溝
121 仕切壁
123 第二の圧力室
124 案内孔
126 滑り軸受
127 支持部
128 リーク流路
129 第二の軸流羽根
133 案内流路
141 吸入流路

Claims (3)

  1. 筒状のステータの内側に、吸入口から吸入される流体を排出口に向けて軸方向に送り出す軸流羽根を有するロータを回転自在に設けたインライン型ポンプにおいて、
    前記ロータの前記軸流羽根により前記排出口に向けて送られる前記流体の回転運動エネルギーを静圧エネルギーに変換する圧力室と、
    前記圧力室と前記排出口との間に配置され前記圧力室とは仕切壁により区画された第二の圧力室と、
    前記仕切壁の外周部に配置されて前記圧力室と前記第二の圧力室との間を接続する案内孔と、
    前記仕切壁の中心に設けられて、前記ロータの回転軸を所定のクリアランスをもって回転自在に支承する滑り軸受と、
    前記仕切壁に形成されて、前記第二の圧力室と前記滑り軸受の内周面とを連通するリーク流路と、
    を備えることを特徴とするインライン型ポンプ。
  2. 筒状のステータの内側に、吸入口から吸入される流体を排出口に向けて軸方向に送り出す軸流羽根を有するロータを回転自在に設けたインライン型ポンプにおいて、
    前記ロータの前記軸流羽根により前記排出口に向けて送られる前記流体の回転運動エネルギーを静圧エネルギーに変換する圧力室と、
    前記圧力室に配置され前記ロータと一体に回転する遠心羽根と、
    前記吸入口から吸入される前記流体を前記ステータの外周部を経由して前記圧力室に導き前記遠心羽根の前記軸流羽根とは反対側の面に向けて送り込むように経路が定められた吸入流路と、
    前記遠心羽根の回転により前記圧力室内の流体を前記圧力室の外周部から排出口に導く案内流路と、
    を備えることを特徴とするインライン型ポンプ。
  3. 前記案内流路における前記圧力室との接続部は、流す流体のエネルギーが前記ロータの軸線を中心とする対称位置で略等しくなるように定められていることを特徴とする請求項記載のインライン型ポンプ。
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