JP4055219B2 - 非水電解液二次電池 - Google Patents
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- Secondary Cells (AREA)
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は渦巻状に巻回した発電部を用いた非水電解液二次電池に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
渦巻状に巻回した発電部を有する非水二次電池では、外部に電気を取り出す為のリ−ドを有する正極板および負極板の間にセパレ−タを介在させ、これらを順次重ね合わせた３層の積層シ−ト物を、巻芯を中心として渦巻状に巻回して発電部を形成し、次いでこの発電部を底部に絶縁板を配して電池ケ−スに収納し、巻芯を抜き、負極リ−ド３と電池ケ−ス４を電気的に接続する構成とする。従来電池においては、図４（Ａ），（Ｂ）に示したような中央に穴部を有する合成樹脂製の絶縁板を用い、負極リ−ド板をこの絶縁板の周縁を通って電池ケ−ス内底面に導出し、負極リ−ド板の絶縁中央孔から露出した部分に一方の抵抗溶接用の電極を当て、他方の電極棒は電池ケ−ス底外面に当て、スポット溶接によって負極リ−ド板を電池ケ−スに電気的に接続している。しかし、上述の絶縁板はその厚さが０．２〜０．６ｍｍ程度とかなり薄く表面が平滑であるため、これを発電部の底部に配し電池ケ−ス内に挿入する際に位置ズレが起きスポット不良となる。そこで、この課題を解消するために従来の技術として、図５（Ａ），（Ｂ）に示すように極板群２の巻芯にある中央孔に挿着される筒部を極板群側に有する絶縁板が考案されている。（実公平−４−１１３３５号公報）。しかし、この絶縁板を配した電池は中央筒部の高さが低いと電池を落下したとき落下の衝撃により絶縁板は発電部の中央孔からはずれてしまい、さらに衝撃が強い場合負極リ−ドと電池ケ−スのスポット溶接もはずれてしまう。また、中央筒部を高くし、落下時に発電部の中央孔からはずれない高さにすると、中央筒部が発電部の中央孔の内面に衝突し極板群にダメ−ジを与えるといった課題を有している。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
電池ケ−ス内に、絶縁板が所定の位置に配置され、負極リ−ドと電池ケ−スが電気的に接続され電池として組み立てられた後も、電池の落下等の衝撃により絶縁板が位置ズレを起こし、負極リ−ドと電池ケ−スがはずれ電気的な導通がとれなくなる。これは、電池の充放電が不可能となり大きな問題となる。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
この発明の電池は、負極板と正極板とをセパレ−タを介して構成した極板群を備えた非水電解液二次電池において、電池ケ−スの内面底部にオレフィン系樹脂からなる厚み０．２〜０．６ｍｍの絶縁板を配し前記絶縁板の少なくとも極板群側に絶縁板全面にわたって複数個の半円弧状の突起部、あるいは複数本の突状溝部を設けたものである。
【０００５】
このように電池ケ−スの内底部に配したオレフィン系樹脂からなる厚み０．２〜０．６ｍｍの絶縁板はその表面に半円弧状の突起部または突状溝部を設けており、これらの突部が極板群と噛み合うため、電池落下時等の衝撃による底部絶縁板の位置ズレは起こらない。
【０００６】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明の実施の形態を説明する。
図３に本実施例で用いた円筒形電池について電池ケースに極板群を挿入する際の縦断面図を示す。リチウムを吸蔵、放出可能な炭素材料を主成分とする負極板５とコバルト酸リチウム（ＬｉＣｏＯ2）を活物質とする正極板７とをセパレ−タ６を介して交互に重ね合わせた後に渦巻状に巻回して構成される極板群２の底面に、ポリプロピレン樹脂などのオレフィン系樹脂で作った厚み０．２〜０．６ｍｍ程度の絶縁板１を配した。次いで、この絶縁板１を極板群２に密着した状態で、負極５から導出した負極リ−ド板３を、折り曲げた。その後これらを一体とした状態で電池ケ−ス４に挿入し収納した。そして収納後は、極板群２の中央孔２ａ、絶縁板１の穴部１ｂを介して、この中央孔内に位置したリ−ド板３に抵抗溶接電極棒を当て、電池ケ−ス４の底部外面に他方の電極棒を当て、負極リ−ド板３を電池ケ−ス４にスポット溶接した。その後炭酸エチレンと炭酸ジエチルの溶媒に、六フッ化燐酸リチウムを１モル／ｌの割合で溶解したものを用いた電解液を注入し、電池を密閉封口し電池を作成した。この電池を実施例１とする。
【０００７】
同様にして、図４を絶縁板として用いた場合を従来例１とし、図５を絶縁板として用いた場合を従来例２として電池を作成した。
本発明の絶縁板を用いた実施例１の電池、および従来例１、従来例２の電池をそれぞれ１０００個づつ作成し、その電池組み立て工程において、絶縁板を配した極板群を電池ケ−スに挿入する際に発生する絶縁板の位置ズレによる負極リ−ドのスポット不良率を調べた。その結果を（表１）にまとめた。
【０００８】
【表１】
【０００９】
次に、上記で作製した実施例１、従来例１および従来例２の電池を、それぞれ１００個用いて落下試験を行った。落下試験は、高さ１ｍのところから任意の方向で５回落下させた。このとき、負極リ−ド板と電池ケ−スとのスポット溶接がはずれていないかを調べ、スポット溶接はずれの率を（表２）にまとめた。
【００１０】
【表２】
【００１１】
以上の結果より、本発明の絶縁板により構成された電池は、極板群を電池ケ−スに挿入する電池組み立て工程において絶縁板１の位置ズレを起こすことはなく、また、組み立てられた後も落下衝撃による絶縁板１の位置ズレは起こらなかった。
【００１２】
尚、この発明に係る絶縁板としては以上説明したもの以外に、図２に示す形状の絶縁板でも同様の効果が得られた。
【００１３】
【発明の効果】
本発明の非水電解液二次電池では、電池缶底部の絶縁板の少なくとも極板群側に突起部あるいは突状溝部を備えているので、リードの絶縁板の位置ズレはなくなり、スポット溶接不良等はなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図１】（Ａ）本発明の絶縁板を示す斜視図
（Ｂ）同絶縁板の断面図
【図２】（Ａ）本発明の絶縁板の他の形状を示す斜視図
（Ｂ）同絶縁板の断面図
【図３】本発明電池の電池ケースに極板群を挿入する際の断面図
【図４】（Ａ）従来例の絶縁板を示す斜視図
（Ｂ）同絶縁板の断面図
【図５】（Ａ）従来の他の形状の絶縁板を示す斜視図
（Ｂ）同絶縁板の断面図
【符号の説明】
１ 絶縁板
１ａ 突起部
１ｂ 穴部
２ 極板群
２ａ 中央孔
３ 負極リ−ド
４ 電池ケ−ス
５ 負極板
６ セパレ−タ
７ 正極板
【発明の属する技術分野】
本発明は渦巻状に巻回した発電部を用いた非水電解液二次電池に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
渦巻状に巻回した発電部を有する非水二次電池では、外部に電気を取り出す為のリ−ドを有する正極板および負極板の間にセパレ−タを介在させ、これらを順次重ね合わせた３層の積層シ−ト物を、巻芯を中心として渦巻状に巻回して発電部を形成し、次いでこの発電部を底部に絶縁板を配して電池ケ−スに収納し、巻芯を抜き、負極リ−ド３と電池ケ−ス４を電気的に接続する構成とする。従来電池においては、図４（Ａ），（Ｂ）に示したような中央に穴部を有する合成樹脂製の絶縁板を用い、負極リ−ド板をこの絶縁板の周縁を通って電池ケ−ス内底面に導出し、負極リ−ド板の絶縁中央孔から露出した部分に一方の抵抗溶接用の電極を当て、他方の電極棒は電池ケ−ス底外面に当て、スポット溶接によって負極リ−ド板を電池ケ−スに電気的に接続している。しかし、上述の絶縁板はその厚さが０．２〜０．６ｍｍ程度とかなり薄く表面が平滑であるため、これを発電部の底部に配し電池ケ−ス内に挿入する際に位置ズレが起きスポット不良となる。そこで、この課題を解消するために従来の技術として、図５（Ａ），（Ｂ）に示すように極板群２の巻芯にある中央孔に挿着される筒部を極板群側に有する絶縁板が考案されている。（実公平−４−１１３３５号公報）。しかし、この絶縁板を配した電池は中央筒部の高さが低いと電池を落下したとき落下の衝撃により絶縁板は発電部の中央孔からはずれてしまい、さらに衝撃が強い場合負極リ−ドと電池ケ−スのスポット溶接もはずれてしまう。また、中央筒部を高くし、落下時に発電部の中央孔からはずれない高さにすると、中央筒部が発電部の中央孔の内面に衝突し極板群にダメ−ジを与えるといった課題を有している。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
電池ケ−ス内に、絶縁板が所定の位置に配置され、負極リ−ドと電池ケ−スが電気的に接続され電池として組み立てられた後も、電池の落下等の衝撃により絶縁板が位置ズレを起こし、負極リ−ドと電池ケ−スがはずれ電気的な導通がとれなくなる。これは、電池の充放電が不可能となり大きな問題となる。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
この発明の電池は、負極板と正極板とをセパレ−タを介して構成した極板群を備えた非水電解液二次電池において、電池ケ−スの内面底部にオレフィン系樹脂からなる厚み０．２〜０．６ｍｍの絶縁板を配し前記絶縁板の少なくとも極板群側に絶縁板全面にわたって複数個の半円弧状の突起部、あるいは複数本の突状溝部を設けたものである。
【０００５】
このように電池ケ−スの内底部に配したオレフィン系樹脂からなる厚み０．２〜０．６ｍｍの絶縁板はその表面に半円弧状の突起部または突状溝部を設けており、これらの突部が極板群と噛み合うため、電池落下時等の衝撃による底部絶縁板の位置ズレは起こらない。
【０００６】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明の実施の形態を説明する。
図３に本実施例で用いた円筒形電池について電池ケースに極板群を挿入する際の縦断面図を示す。リチウムを吸蔵、放出可能な炭素材料を主成分とする負極板５とコバルト酸リチウム（ＬｉＣｏＯ2）を活物質とする正極板７とをセパレ−タ６を介して交互に重ね合わせた後に渦巻状に巻回して構成される極板群２の底面に、ポリプロピレン樹脂などのオレフィン系樹脂で作った厚み０．２〜０．６ｍｍ程度の絶縁板１を配した。次いで、この絶縁板１を極板群２に密着した状態で、負極５から導出した負極リ−ド板３を、折り曲げた。その後これらを一体とした状態で電池ケ−ス４に挿入し収納した。そして収納後は、極板群２の中央孔２ａ、絶縁板１の穴部１ｂを介して、この中央孔内に位置したリ−ド板３に抵抗溶接電極棒を当て、電池ケ−ス４の底部外面に他方の電極棒を当て、負極リ−ド板３を電池ケ−ス４にスポット溶接した。その後炭酸エチレンと炭酸ジエチルの溶媒に、六フッ化燐酸リチウムを１モル／ｌの割合で溶解したものを用いた電解液を注入し、電池を密閉封口し電池を作成した。この電池を実施例１とする。
【０００７】
同様にして、図４を絶縁板として用いた場合を従来例１とし、図５を絶縁板として用いた場合を従来例２として電池を作成した。
本発明の絶縁板を用いた実施例１の電池、および従来例１、従来例２の電池をそれぞれ１０００個づつ作成し、その電池組み立て工程において、絶縁板を配した極板群を電池ケ−スに挿入する際に発生する絶縁板の位置ズレによる負極リ−ドのスポット不良率を調べた。その結果を（表１）にまとめた。
【０００８】
【表１】
次に、上記で作製した実施例１、従来例１および従来例２の電池を、それぞれ１００個用いて落下試験を行った。落下試験は、高さ１ｍのところから任意の方向で５回落下させた。このとき、負極リ−ド板と電池ケ−スとのスポット溶接がはずれていないかを調べ、スポット溶接はずれの率を（表２）にまとめた。
【００１０】
【表２】
以上の結果より、本発明の絶縁板により構成された電池は、極板群を電池ケ−スに挿入する電池組み立て工程において絶縁板１の位置ズレを起こすことはなく、また、組み立てられた後も落下衝撃による絶縁板１の位置ズレは起こらなかった。
【００１２】
尚、この発明に係る絶縁板としては以上説明したもの以外に、図２に示す形状の絶縁板でも同様の効果が得られた。
【００１３】
【発明の効果】
本発明の非水電解液二次電池では、電池缶底部の絶縁板の少なくとも極板群側に突起部あるいは突状溝部を備えているので、リードの絶縁板の位置ズレはなくなり、スポット溶接不良等はなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図１】（Ａ）本発明の絶縁板を示す斜視図
（Ｂ）同絶縁板の断面図
【図２】（Ａ）本発明の絶縁板の他の形状を示す斜視図
（Ｂ）同絶縁板の断面図
【図３】本発明電池の電池ケースに極板群を挿入する際の断面図
【図４】（Ａ）従来例の絶縁板を示す斜視図
（Ｂ）同絶縁板の断面図
【図５】（Ａ）従来の他の形状の絶縁板を示す斜視図
（Ｂ）同絶縁板の断面図
【符号の説明】
１ 絶縁板
１ａ 突起部
１ｂ 穴部
２ 極板群
２ａ 中央孔
３ 負極リ−ド
４ 電池ケ−ス
５ 負極板
６ セパレ−タ
７ 正極板
Claims (2)
- 正極板と負極板をセパレータを介して渦巻状に巻回して構成した極板群と、極板群の底面に配されるオレフィン系樹脂からなる厚み０．２〜０．６ｍｍの絶縁板を電池ケース内に収納した電池であって、前記絶縁板の少なくとも極板群側に絶縁板全面にわたって複数個の半円弧状の突起部、あるいは複数本の突状溝部を設けた非水電解液二次電池。
- 極板群の巻芯にある中央孔に対応する穴部が絶縁板に設けられた請求項１記載の非水電解液二次電池。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP08915297A JP4055219B2 (ja) | 1997-04-08 | 1997-04-08 | 非水電解液二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP08915297A JP4055219B2 (ja) | 1997-04-08 | 1997-04-08 | 非水電解液二次電池 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10284046A JPH10284046A (ja) | 1998-10-23 |
| JP4055219B2 true JP4055219B2 (ja) | 2008-03-05 |
Family
ID=13962886
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP08915297A Expired - Fee Related JP4055219B2 (ja) | 1997-04-08 | 1997-04-08 | 非水電解液二次電池 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP4055219B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| KR100670441B1 (ko) | 2005-11-29 | 2007-01-16 | 삼성에스디아이 주식회사 | 이차전지 |
| KR100778999B1 (ko) | 2005-12-23 | 2007-11-22 | 삼성에스디아이 주식회사 | 리튬 이차전지 및 그 제조방법 |
| JP4795177B2 (ja) * | 2005-12-29 | 2011-10-19 | 三星エスディアイ株式会社 | リチウムイオン二次電池 |
| KR100779001B1 (ko) | 2005-12-29 | 2007-11-22 | 삼성에스디아이 주식회사 | 리튬 이차전지 |
| KR100719729B1 (ko) | 2005-12-29 | 2007-05-17 | 삼성에스디아이 주식회사 | 리튬 이차전지 |
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| KR20120066916A (ko) * | 2010-12-15 | 2012-06-25 | 주식회사 엘지화학 | 우수한 제조 공정성과 안전성의 이차전지 |
| WO2013002497A2 (ko) * | 2011-06-30 | 2013-01-03 | 주식회사 엘지화학 | 우수한 제조 공정성과 안전성의 이차전지 |
| CN103782436B (zh) * | 2011-06-30 | 2016-08-17 | 株式会社Lg化学 | 包括绝缘体的二次电池 |
| CN106207034A (zh) * | 2016-08-15 | 2016-12-07 | 张琬彬 | 一种无人机电池安装减震结构 |
-
1997
- 1997-04-08 JP JP08915297A patent/JP4055219B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2020190092A1 (ko) * | 2019-03-20 | 2020-09-24 | 주식회사 엘지화학 | 이차전지용 절연판 및 그 절연판을 포함하는 이차전지 |
| KR20200111926A (ko) * | 2019-03-20 | 2020-10-05 | 주식회사 엘지화학 | 이차전지용 절연판 및 그 절연판을 포함하는 이차전지 |
| EP3913704A4 (en) * | 2019-03-20 | 2022-03-16 | Lg Energy Solution, Ltd. | INSULATING PLATE FOR ACCUMULATOR AND ACCUMULATOR MODULE INCLUDING THEREOF |
| KR102595153B1 (ko) * | 2019-03-20 | 2023-10-27 | 주식회사 엘지에너지솔루션 | 이차전지용 절연판 및 그 절연판을 포함하는 이차전지 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH10284046A (ja) | 1998-10-23 |
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