JP4054119B2 - ウェーハの貼付装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はシリコンウェーハ等の薄板材であるウェーハの貼付装置に関し、さらに詳細には、鏡面研磨(ポリシング)などの表面精密研磨加工をするための前工程として、ウェーハを剛性の高いプレートに接着或いは水貼り等する際のウェーハの貼付装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ウェーハの鏡面研磨加工等においては、一般的に、ウェーハを、ハンドリング用の剛性のあるプレート(以下、「キャリヤプレート」という)に接着し、そのキャリヤプレートを介して研磨装置等でウェーハの表面加工がなされる。ウェーハは、薄いため反り易く、平坦にした状態を維持させることが難しいが、剛性のあるキャリヤプレートによって保持されれば、平坦な状態を維持でき、その加工を好適に行うことができる。
ウェーハの表面を研磨加工で高精度(高い平坦度)に仕上げるためには、ウェーハをキャリヤプレートに対して高精度に平坦に接着させることが必要であると共に、キャリヤプレート自体の平坦度が高いことが要求される。特にシリコンウェーハのポリシング加工では、一般的に、キャリヤプレートに接着された複数のシリコンウェーハを、そのキャリヤプレートを介して研磨用定盤の研磨面へ押圧して、両者を相対的に運動させることで複数のシリコンウェーハの片面を研磨するが、サブミクロン単位の高い平坦精度が要求される。
【0003】
また、所定の加工の終わったウェーハは、キャリヤプレートから剥離されて次の加工工程に進み、キャリヤプレートは、洗浄等されて何回も繰り返し使用される。
このため、キャリヤプレートは耐久性の高いものが要求され、その材質としては、高い剛性を備え、且つ耐久性に富むセラミックス等が利用されている。なお、キャリヤプレート上にウェーハを接着剤(ワックス)で貼付するには、通常、ウェーハ上にワックスを滴下し、ウェーハ全面でワックス層の厚さが均一になるようにウェーハをスピンさせ、次いで、そのウェーハを反転させてキャリヤプレート上に貼っている。
【0004】
また、従来、円板状のキャリヤプレート上に複数のウェーハを貼り付ける際に、その貼り付け位置については、円周方向に等間隔等に所定の角度割がなされていれば、貼付開始位置を特別管理しないか、その貼付開始位置の管理をする場合では、剥離工程の際の位置決めを簡単にできるようにするため、毎回、ウェーハをキャリヤプレートの同一位置に貼り付けている。
複数のウェーハをキャリヤプレートの同一貼付位置へ同一の貼付開始位置から貼り付ければ、その貼り付け順序も同一になる。このような同一貼付位置への同一順序の貼り付けによれば、各貼付位置での貼付条件が統一されることになる。このため、各貼付位置では同一貼付条件によるウェーハの加工が期待でき、各貼付位置での精度の傾向がわかり、管理し易い利点がある。
【0005】
ところで、キャリヤプレートの平面の同一位置のみに、ウェーハを貼り付けた場合、そのウェーハが貼り付けられた部分の面と、そうでない部分の面との間では、接触物質の相違に起因して生じる差異が大きくなる。すなわち、キャリヤプレートの平面の使用条件が、ウェーハが貼り付けられて接着剤と接する部分と、液状の研磨剤に浸漬される部分とに完全に分かれてしまうため、液状の研磨剤に浸漬される部分では浸蝕されるなど、両部分の間の均質性が大きく損なわれてしまう。
このようにキャリヤプレートの均質性が損なわれることで、短い周期でのキャリヤプレートの修正が必要になると共に、ウェーハのわずかなずれによって、ウェーハの研磨精度に悪影響を及ぼすことになる。
さらに、複数のウェーハをキャリヤプレートの同一貼付位置へ同一の貼付開始位置から貼り付けることで、各貼付位置での精度の傾向がわかり、管理し易い利点がある反面、所定の貼付位置に貼付されたウェーハは常に精度の悪い加工がなされる場合があり、加工精度の平均化がなされない。これにより、最終製品の歩留りに悪影響を及ぼす場合があった。
【0006】
これに対しては、円板状のキャリヤプレートに設けたマークの位置を基準位置とし、そのキャリヤプレート上のウェーハの貼付位置を、回転テーブルで定期的に順次変位させ、ウェーハを貼付すればよい。
これによれば、キャリヤプレートの全面を均等に活用でき、キャリヤプレートのウェーハが貼着される面の均質性を好適に維持できる。従って、安定してウェーハを貼付けることができ、ウェーハの研磨精度を向上できる共に、キャリヤプレートの寿命を延ばすことができる。また、ウェーハの貼付位置を定期的に所定のパターンで変位させれば、各ウェーハを識別することが容易であり、好適に管理することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のウェーハの貼付装置では、キャリヤプレート上の同一位置にウェーハを貼付する場合も、貼付位置を順次変位させてウェーハをキャリヤプレート上に貼付する場合も、キャリヤプレートに設けたマークを検出するマーク検出手段は一つであり、基準位置を割り出す効率が悪かった。
ひいては、タクトタイムのバランスが悪化して加工効率が低下するという課題があった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、キャリヤプレートに設けたマークを素早く検出してウェーハを貼付するためのキャリヤプレートにかかる基準位置を割り出し、加工効率を向上させることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は次の構成を備える。
すなわち、本発明は、ウェーハの片面を研磨する前工程として、複数のウェーハを、円板状のキャリヤプレート上に、円周方向に所定の間隔をおいて貼付するウェーハの貼付装置であって、前記ウェーハを保持し、該ウェーハを前記キャリヤプレート上に位置させて貼付させる貼付ヘッドと、前記キャリヤプレートを支持すると共に保持して回転する回転台を有し、前記貼付ヘッドと前記キャリヤプレートとの位置関係を該キャリヤプレートの円周方向について割出調整可能な回転テーブル機構と、前記キャリヤプレートに設けたマークと、該マークを検出すべく基体に設けられた複数のマーク検出手段と、該複数のマーク検出手段のいずれか一つによって検出された前記マークの位置を基準位置とし、前記キャリヤプレート上のウェーハの貼付位置を割り出すべく、前記回転テーブル機構を制御する位置制御装置とを具備し、各々のキャリアプレートに、貼付位置を定期的に変位させてウェーハを貼付するウェーハの貼付装置において、前記マークが、前記キャリアプレートを個々に識別することが可能なコード標識を含み、前記マーク検出手段によって前記コード標識が検出されることによって識別されたキャリアプレートの、過去の使用回数のデータに基づいて、当該貼付工程における角度変位量を決定し、前記位置制御装置によってキャリアプレートを所定の角度回転させてウェーハをキャリアプレートに貼付するコンピュータ装置を具備することを特徴とする。
【0010】
また、偶数の前記マーク検出手段が、前記キャリヤプレートの中心に対して、対称位置に配設されたことで、さらに効率よく、ウェーハの貼付位置を割り出すことが可能になる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態例を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明にかかるウェーハの貼付装置による貼付方法の一実施例を概念的に説明する平面図である。なお、以下の実施例は、半導体チップの原料となるシリコンウェーハ(以下、単に「ウェーハ」という)の研磨加工にかかるものである。
10はキャリヤプレートであり、このキャリヤプレート10の表面上に、複数のウェーハ20が接着剤等によって貼付される。また、12はマークであり、これがキャリヤプレート10上の基準位置になっている。本実施例では、キャリヤプレート10の外周面から表面にかけてレーザー加工によって溝状に形成されている。
図1の実線で示したウェーハ20は、そのウェーハ20が最初の貼付工程において貼付された位置を示している。そして、図1の2点鎖線(想像線)で示したウェーハ20aは、前記ウェーハ20が次回の貼付工程において貼付された位置を示している。このように、本実施例では、少しずつ角度をずらし、順次ウェーハ20の貼付位置を変位させる。
【0012】
なお、キャリヤプレート10上には、最低3枚以上、好ましくは5枚以上のウェーハ20が貼付されることで、次の工程である研磨工程がバランスよくなされ、研磨精度を向上できる。
また、キャリヤプレート10としては、背景技術の欄で説明したように、剛性と耐久性に優れたものであることが要求され、一般的には、アルミナ( Al2O3)等のセラミックス材で形成されたものが利用されている。
【0013】
また、このキャリヤプレート10は、後述する回転テーブル機構と位置制御装置によって、回転台に支持されると共に保持され、そのキャリヤプレートの円周方向についてウェーハの貼付位置が割り出されるように回転される。
36a、36bはマーク検出手段であり、マーク12を検出すべく基体に、センサー等で構成されて設けられている。このマーク検出手段は、2個(36a、36b)設けられ、キャリヤプレート10について、対称位置に配設されている。
この2個のマーク検出手段36a、36bのいずれか一つによって検出されたマーク12の位置を基準位置とし、前記回転テーブル機構を位置制御装置で制御して、キャリヤプレート10上のウェーハの貼付位置を割り出す。
このように、マーク検出手段が2個設けられていることで、1個の場合と比較して回転テーブル機構による回転角度が半分で、マーク12を検出できる。従って、マーク位置による基準位置を効率よく検出することができる。
また、偶数のマーク検出手段36a、36bが、対称位置に配設されたことで、極めて効率よく、ウェーハの貼付位置を割り出すことが可能になる。
さらに、複数のマーク検出手段を用いる場合は、マーク検出手段を増設すること、及び位置制御装置のプログラムを変更することが必要だが、他の特別な構成を追加することを要せず、比較的簡単に構成できる利点もある。
【0014】
本発明にかかるウェーハの貼付方法は、ウェーハ20の片面を研磨する前工程として、複数のウェーハ20を、平板状のキャリヤプレート10上に、所定の間隔をおいて貼付する場合において、以上のように、キャリヤプレート10に設けたマーク12を基準とし、ウェーハ20の貼付位置を、定期的に順次変位させ、ウェーハを貼付する。
このウェーハの貼付方法によれば、ウェーハの貼付け位置を好適に管理しながら好適に変位させることができるため、キャリヤプレートの全面を均等に活用でき、キャリヤプレートのウェーハ貼着面の均質性を好適に維持できる。また、貼付位置を基準位置から割り出しているから、各ウェーハを識別することが容易であり、各ウェーハを好適に管理することができる。
【0015】
ここで、以下に本発明の前提条件となる「ウェーハのポリシングにかかる全体工程」の典型例について説明しておく。
ウェーハのポリシング方法では、先ず、複数のウェーハを接着剤(ワックス)でキャリヤプレートに接着し、そのキャリヤプレートを反転し、ポリシング装置の研磨クロスが貼られた定盤(研磨用定盤)の研磨面上に供給する。そして、加圧ヘッドによってキャリヤプレートを介してウェーハを押圧すると共に、スラリーと呼ばれる液状の研磨剤を供給し、ウェーハと研磨用定盤とを相対的に運動させることでウェーハの鏡面研磨がなされる。そのとき、研磨用定盤が自転運動すると共に、その研磨用定盤の研磨面上にあるキャリヤプレートも自転運動する。キャリヤプレートは、例えば、研磨用定盤の中央に設けたセンターローラと周辺に配設されたガイドローラとによって所定の位置に保持され、研磨用定盤の半径部内で自転運動する。この研磨用定盤とキャリヤプレートの両者の自転運動によって、非常に複雑な相対運動がなされ、各ウェーハの表面が均一に研磨される。研磨が終了した後は、剥離装置によってウェーハをキャリヤプレートから剥離してカセットに収納する。また、キャリヤプレートは、ブラシ又は超音波等を用いて洗浄され、乾燥された後、ウェーハを接着する部位へ搬送される。これにより、一連のウェーハのポリシング工程にかかる1サイクルが終了する。
【0016】
以上のようにポリシング装置においてキャリヤプレート10が自転運動をする場合は、そのキャリヤプレート10の形状は、必然的に円板状に設けられる。そして、本実施例のように、キャリヤプレート10の円周等分位置にウェーハ20が貼付されるように設定されることで、バランスのよい研磨が可能になる。
また、そのようにウェーハ20の貼付位置が設定された場合は、ウェーハ20の貼付位置が、隣合うウェーハ20の間隔の角度分まで変位されたところで、元の位置に戻ることを繰り返せばよい。これにより、角度変位を好適に行うことができると共に、変位させる回転角度を総計で最小限にできるため加工効率を向上できる。すなわち、変位させる回転角度が累積されて最大に変位する場合でも、隣合って貼付されるウェーハ間隔の角度にすぎず、単純に常に一方向へ変位させる場合と比較して、効率的に変位させることが可能であり、ウェーハ20を変位させてキャリヤプレートの全面を利用することについては実質的に同等の効果を得ることができる。なお、一回当たりの変位量は、例えば、1度或いは数度程度とすればよく、特に限定されない。
【0017】
ウェーハ20をキャリヤプレートに角度変位させて貼付する方法において、各キャリヤプレート10に、キャリヤプレート10を個々に識別することが可能なコード標識を設け、各キャリヤプレート10毎のウェーハ20が貼付された履歴に応じて、ウェーハ20の貼付位置を変位させる。例えば、キャリヤプレート10を識別し、コンピュータ装置によって、過去の使用回数等のデータに基づいて当該貼付工程における角度変位量を決定し、位置制御装置によってキャリヤプレート10を所定の角度回転させてウェーハ20を貼付する。
これにより、各キャリヤプレートについて確実にウェーハの貼付位置を順序良くずらすことができる。
【0018】
次に、図2図3に基づいて、本発明にかかるウェーハの貼付装置について、詳細に説明する。図2は本発明にかかるウェーハの貼付装置の一実施例を示すダイアグラム図であり、図3は本発明にかかるウェーハの貼付装置の一実施例の動作の流れを示すフローチャート図である。
本実施例は、ウェーハ20(本実施例ではシリコンウェーハ)の片面を研磨する前工程として、複数のウェーハを、平板状のキャリヤプレート10上に、所定の間隔をおいて貼付するウェーハの貼付装置である。
【0019】
30は貼付ヘッドであり、ウェーハ20を保持し、ウェーハ20をキャリヤプレート10上に位置させて貼付させる。
この貼付ヘッド30は、本実施例では、所定の位置で、ウェーハ20をキャリヤプレート10上に貼付するように、定位置で作動するように設けられている。なお、ウェーハ20をキャリヤプレート10上に確実に密着させるため、通常は、貼付ヘッド30とは別に、キャリヤプレート10上に位置されたウェーハ20を押圧するスタンピング手段が設けられている。
【0020】
32は回転テーブル機構であである。この回転テーブル装置は、キャリヤプレート10を支持すると共に吸着等によって保持し、貼付ヘッド30とキャリヤプレート10との相対的な位置関係を調整可能に設けられている。
33はインデックスモータであり、パルスモータ又はサーボモータ等を用いることができる。また、34は回転台であり、インデックスモータ33によって作動される。このように回転テーブル装置32は、キャリヤプレート10を支持して回転する回転台34と、その回転台34を駆動するインデックスモータ33を構成要素とする。簡単な構成ではあるが、キャリヤプレート10の回転方向(円周方向)の位置決めを好適に行うことができ、ウェーハ20を所望の位置に好適に貼付することができる。
【0021】
12はマークであり、キャリヤプレート10に設けられている。このマーク12は、印刷、切欠、標識部材を埋設、或いは標識部材の装着によって、キャリヤプレート10の上面、下面又は側面等の適当な位置に、統一的に設けておけばよい。
また、このマーク12は、キャリヤプレート10を個々に識別することが可能なコード標識を含むことで、各キャリヤプレート10毎の管理を好適に行うことができる。また、一つのマーク12に、位置決め機能と個々の識別機能の両方を備えさせれば、製作コストを低減できる。なお、コード標識としては、バーコード、数字、アルファベット等を印刷等によってキャリヤプレート10上に設ければよい。
【0022】
36a、36bはマーク検出手段であり、キャリヤプレート10に設けられたマーク12を検出するようにセンサーによって構成されている。このマーク検出手段が、前述したように、180度対向位置に2個(36a、36b)配設されている。
センサーとしては、マーク12に対応して適宜選択可能であるが、例えば光センサーを用いれば良く、キャリヤプレート10の回転角度位置を認識する機能を有するものとして、画像認識によってその位置を認識するものも含まれる。
【0023】
38は位置制御装置であり、マーク検出手段36によって検出されたマーク12を基準位置とし、ウェーハの貼付位置を割り出すべく、回転テーブル装置32を制御するコントローラである。ウェーハの貼付位置を、キャリヤプレート10上において、同一位置とする場合も、定期的に少しづつ変位させる場合も、容易に制御できる。
40は位置決めユニットであり、2個のマーク検出手段36a、36bのいずれか一方から入力された信号に基づいて、制御信号を出力するユニットである。また、42はサーボドライバーであり、位置決めユニット40による制御信号を受けて、インデックスモータ33を作動させる。
【0024】
以上の構成によれば、2個のマーク検出手段36a、36bによってマーク12を検出させ、そのマーク12の位置を基準位置とし、キャリヤプレート10に貼付する複数のウェーハ20のうち、1枚目のウェーハの貼付位置を一定周期(キャリヤプレート毎、毎時、毎日等の所定時間毎)でずらすことも、毎回キャリヤプレート10の同一位置にウェーハ20を貼付することも、好適且つ確実に行うことができる。
【0025】
次に、ウェーハの貼付装置の動作について、位置制御装置38による制御の一実施例を、図3に基づいて詳細に説明する。
図3のフローチャートは、回転テーブル装置32のインデックスによって、マーク12を検出し、各貼付工程の1枚目のウェーハ20を貼付する位置にキャリヤプレートをシフト(変位)させる動作を示している。従って、このフローチャートの動作がなされる前提として、先ず、キャリヤプレート10を、インデックスステージである回転台34上に持ち込み、そのキャリヤプレート10のセンタリング(芯出し)を行う。次いで、回転台34でキャリヤプレート10を真空吸着する。
【0026】
そして、図3のフローチャートに示すように、Aではインデックスの要求の有無を判定し、要求があれば、Bにおいて、回転台34によってキャリヤプレート10を、マーク12を探すため一方向へ正回転させる。このとき、その回転速度は、工程効率を向上させるため、高速でなされる。
次に、Cでは2個のマーク検出手段36a、36bによるマーク12の検出を判定し、2個のマーク検出手段36a、36bのいずれか一方でマーク12が検出されれば、Dではマークが検出されたことを確認してブレーキをかける。このとき、キャリヤプレート10は高速で回転されているため、マーク12はマーク検出手段36のセンター位置をオーバーランし、次のEではマーク12が検出されなくなったことを判定する。
次に、マーク12が検出された後にマーク12が検出されなくなったことを条件に、Fで回転台34によるキャリヤプレート10の正回転を完全に停止させる。
【0027】
次いで、Gで回転台を低速で逆回転させ、Hでは前記一方のマーク検出手段で再度マーク12の検出を判定し、マークが検出されれば、Iでその逆回転を止める。このとき、キャリヤプレート10の逆回転の速度を、低速にすればするほど慣性力による影響を受けなくなるため、マーク12の位置で正確に停止できる。
以上の動作によって、キャリヤプレート10を、回転方向の角度の割り出しをする基準位置に、効率よく短時間で停止させることができる。また、2個のマーク検出手段36a、36bでマーク12を検出するから、回転角度を半分にすることができ、検出効率を向上できる。
【0028】
次に、Jでは、2個のマーク検出手段36a、36bのうち、どちらでマークを検出したか判定する。そして、一方のマーク検出手段36aでマークを検出した場合は、Kで、マーク検出手段36a自体にかかる位置の補正データと、1枚目のウェーハ20が貼付される位置の管理データを取り出す。また、他方のマーク検出手段36bでマークを検出した場合は、Lで、マーク検出手段36b自体にかかる位置の補正データと、1枚目のウェーハ20が貼付される位置の管理データを取り出す。
【0029】
そして、Mで、キャリヤプレート10を、上記のK又はLのデータに基づいて、そのままの状態に停まるか、所定の角度を回転(シフト)させて、所定のウェーハ20の貼付位置に停止する。さらに、Nでは、キャリヤプレート10が、第1回目の貼付工程にかかる複数ウェーハ20のうちの1枚目のウェーハ20が最初に貼付される位置(1枚目のウェーハ20が貼付される位置)にあるか否かを判定し、所定の貼付位置にあれば、第1回目の一連のインデックス工程が終了する。
このようにキャリヤプレート10を所定の位置に停止させて、貼付ヘッド30によって1枚目のウェーハ20を貼付する。2枚目以降のウェーハ20については、1枚目のウェーハ20の貼付位置から回転テーブル装置によって順次角度割り出しを行い、キャリヤプレート10が所定の位置に停止され、定位置の貼付ヘッド30によって順次貼付される。
【0030】
次に、第2回目以降のインデックス工程では、キャリヤプレート10を基準位置に停止させるまでは、第1回目の動作を同様に行い、キャリヤプレート10上の同一貼付位置にウェーハ20を貼付する場合は、次の動作でもさらに第1回目と同様の動作を続ける。
そして、ウェーハ20の貼付位置を順次変位させる場合は、次の動作で、第1回目のウェーハ20の貼付位置から所定の角度ずれるように、キャリヤプレート10を回転させて変位させる。すなわち、第1回目よりもキャリヤプレート10を所定の角度ずれるところまで回転させて、その停止位置を複数のウェーハ20aのうちの1枚目のウェーハ20aの貼着位置とする。そして、2枚目以降のウェーハ20aについては、第1回目と同様、1枚目のウェーハ20aの貼付位置から回転テーブル装置によって順次角度割り出しを行い、定位置の貼付ヘッド30によって順次貼付される。
以上のインデックス工程を3回目以降の貼付工程でも繰り返し、ウェーハ20の貼着位置を割り出し、ウェーハ20を貼付する。
そして、ウェーハ20の貼付位置を順次変位させる場合は、ウェーハ20の貼着位置を順次ずらしていって、隣合って接着されるウェーハ20同士の間隔に相当する角度(一回の割り出し角度分)までずれたところで、最初の貼付位置に戻るようにすれば、前述したように効率的にウェーハ20を貼付できる。
【0031】
なお、ウェーハ20の貼付位置を順次変位させる場合は、ウェーハ20の貼付け位置を管理しながら変位させることで、キャリヤプレート10の全面を活用でき、キャリヤプレート10のウェーハ20が貼着される面の均質性を維持できる。従って、キャリヤプレート10のライフタイム(寿命)を長くできると共に、安定してウェーハ20を貼付けることができる。また、自動化への対応も可能である。
【0032】
以上の実施例ではポリシング装置について説明したが、本発明はラッピング装置にも好適に適用できるのは勿論である。
また、以上の実施例では円板状のシリコンウェーハを貼付することについて主に説明したが、本発明はこれに限らず、他の形状のものや、ガラス材等の薄板材を貼付する分野でも好適に応用できるのは勿論である。
また、以上の実施例では、2個のマーク検出手段36a、36bを用いた場合について説明したが、さらに多くのマーク検出手段を設ければ、さらに効率を向上することが可能である。
以上、本発明につき好適な実施例を挙げて種々説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、複数のマーク検出手段のいずれか一つによって、マークの位置を基準位置として素早く検出でき、その基準位置に基づいてキャリヤプレート上のウェーハの貼付位置を割り出すことができる。
従って、キャリヤプレート上のウェーハの貼付位置にかかる割出を効率よく行うことができ、ひいてはウェーハの加工効率を向上させることができるという著効を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のウェーハの貼付装置にかかるウェーハの貼付方法の一実施例を説明する平面図である。
【図2】 本発明にかかるウェーハの貼付装置の一実施例を示すダイアグラム図である。
【図3】 本発明にかかるウェーハの貼付装置の一実施例の動作の流れを示すフローチャート図である。
【符号の説明】
10 キャリヤプレート
12 マーク
20 ウェーハ
30 貼付ヘッド
32 回転テーブル装置
33 インデックスモータ
34 回転台
36a マーク検出装置
36b マーク検出装置
38 位置制御装置
40 位置決めユニット
42 サーボドライバー

Claims (2)

  1. ウェーハの片面を研磨する前工程として、複数のウェーハを、円板状のキャリヤプレート上に、円周方向に所定の間隔をおいて貼付するウェーハの貼付装置であって、
    前記ウェーハを保持し、該ウェーハを前記キャリヤプレート上に位置させて貼付させる貼付ヘッドと、
    前記キャリヤプレートを支持すると共に保持して回転する回転台を有し、前記貼付ヘッドと前記キャリヤプレートとの位置関係を該キャリヤプレートの円周方向について割出調整可能な回転テーブル機構と、
    前記キャリヤプレートに設けたマークと、
    該マークを検出すべく基体に設けられた複数のマーク検出手段と、
    該複数のマーク検出手段のいずれか一つによって検出された前記マークの位置を基準位置とし、前記キャリヤプレート上のウェーハの貼付位置を割り出すべく、前記回転テーブル機構を制御する位置制御装置とを具備し、各々のキャリアプレートに、貼付位置を定期的に変位させてウェーハを貼付するウェーハの貼付装置において、
    前記マークが、前記キャリアプレートを個々に識別することが可能なコード標識を含み、
    前記マーク検出手段によって前記コード標識が検出されることによって識別されたキャリアプレートの、過去の使用回数のデータに基づいて、当該貼付工程における角度変位量を決定し、前記位置制御装置によってキャリアプレートを所定の角度回転させてウェーハをキャリアプレートに貼付するコンピュータ装置を具備することを特徴とするウェーハの貼付装置。
  2. 偶数の前記マーク検出手段が、前記キャリヤプレートの中心に対して、対称位置に配設されたことを特徴とする請求項1記載のウェーハの貼付装置。
JP25861298A 1998-05-01 1998-09-11 ウェーハの貼付装置 Expired - Lifetime JP4054119B2 (ja)

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