JP4052100B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
筒内温度が目標となるような時期に副噴射を実施する技術(例えば、特許文献1参照)、排気温度の上昇に伴って副噴射の時期を遅角する技術(例えば、特許文献2参照)、酸化触媒が活性化温度を超えている場合に副噴射の時期を遅角する技術(例えば、特許文献3参照)が知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−45828号公報(第3−6頁、図2)
【特許文献2】
特開2002−235589号公報(第3−7頁、図2)
【特許文献3】
特開2002−242732号公報(第4−6頁、図8)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、副噴射を行った場合の内燃機関からの排気の状態は、気温、機関温度、気圧等により影響を受ける。例えば、気温が低いと副噴射による燃料が燃焼されないまま排出されることがある一方で、気温が高いと燃料が筒内で燃えることがある。排気浄化触媒の温度によっては副噴射された燃料が燃焼したほうが良い場合や、逆に燃焼しないほうが良い場合がある。
【0005】
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、内燃機関の排気浄化装置において、副噴射された燃料を燃焼させ、若しくは、燃焼させないようにすることができる技術を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために本発明の内燃機関の排気浄化装置は、以下の手段を採用した。即ち、
内燃機関の排気浄化触媒と、
前記排気浄化触媒の温度を検出する排気浄化触媒温度検出手段と、
前記内燃機関の気筒内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、
前記燃料噴射弁からの主噴射後の膨張行程若しくは排気行程に前記燃料噴射弁から燃料を噴射させる副噴射手段と、
前記排気浄化触媒の温度が活性温度以下の場合には、前記副噴射手段による燃料の噴射時期を進角させ、前記排気浄化触媒の温度が活性温度よりも高い場合には、前記副噴射手段による燃料の噴射時期を遅角させる燃料噴射時期変更手段と、
を具備することを特徴とする。
【0007】
本発明の最大の特徴は、排気浄化触媒が活性状態にあるか否かにより副噴射時期を変更し、排気浄化触媒の状態を考慮した副噴射が可能となる点にある。
【0008】
このように構成された内燃機関の排気浄化装置では、燃料噴射時期変更手段により燃料噴射時期が進角されると、主噴射による燃焼で発生した熱により副噴射された燃料が燃焼して排気の温度が上昇し、また、排気中の未燃燃料である炭化水素(HC)の量が減少する。一方、燃料噴射時期変更手段により燃料噴射時期が遅角されると、主噴射による燃焼で発生した熱による副噴射された燃料の燃焼が減少するので排気の温度が低下し、また、排気中の未燃燃料である炭化水素(HC)の量が増加する。従って、排気浄化触媒の温度が低い場合には副噴射の時期を進角して排気の温度を上昇させ、排気浄化触媒に炭化水素(HC)を供給する必要が生じた場合には副噴射の時期を遅角して炭化水素(HC)の排出量を増加させることが可能となる。
【0009】
本発明においては、前記副噴射手段により副噴射された燃料が燃焼したか否かを判定する燃焼判定手段をさらに備え、
燃料噴射時期変更手段は、前記排気浄化触媒温度検出手段により検出された温度が前記排気浄化触媒の活性温度以下であり且つ副噴射された燃料が燃焼していないと前記燃焼判定手段により判定された場合には前記副噴射手段による燃料の噴射時期を進角させ、前記排気浄化触媒温度検出手段により検出された温度が前記排気浄化触媒の活性温度よりも高く且つ副噴射された燃料が燃焼していると前記燃焼判定手段により判定された場合には前記副噴射手段による燃料の噴射時期を遅角させても良い。
【0010】
このように構成された内燃機関の排気浄化装置では、燃焼判定手段の判定結果により副噴射時期を変更することができる。即ち、排気浄化触媒が活性温度以下の場合であって副噴射された燃料が燃焼していないと判定された場合には、副噴射の時期を進角させることにより、その後に副噴射された燃料を燃焼し易くすることが可能となる。一方、排気浄化触媒が活性温度よりも高い場合であって副噴射された燃料が燃焼していると判定された場合には、副噴射の時期を遅角させることにより、その後に副噴射された燃料が燃焼しないようにすることが可能となる。
【0011】
本発明においては、前記内燃機関からの排気の温度を検出する排気温度検出手段をさらに備え、前記燃焼判定手段は、前記排気温度検出手段により検出された実際の温度が副噴射された燃料が燃焼した場合に検出されると予測される温度以下の場合に、副噴射された燃料が燃焼していないと判定することができる。
【0012】
このように構成された内燃機関の排気浄化装置では、副噴射された燃料が燃焼したか否かにより排気の温度が異なる。従って、副噴射された燃料が燃焼した場合の排気の温度を求めておき、この温度と検出された温度とを比較することにより副噴射された燃料が燃焼したか否か判定することが可能となる。尚、温度上昇率により燃焼したか否か判定しても良い。
【0013】
本発明においては、前記排気浄化触媒温度検出手段により検出された温度が触媒の活性温度以下であるか否かにより、基準となる副噴射時期が異なっていても良い。
【0014】
このように構成された内燃機関の排気浄化装置では、副噴射の時期を進角させる場合と遅角させる場合とで基準となる噴射時期が異なる。これにより、排気浄化触媒の温度に応じた燃料噴射時期を基準とすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
<第1の実施の形態>
以下、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置の具体的な実施態様について図面に基づいて説明する。ここでは、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置を車両駆動用のディーゼル機関に適用した場合を例に挙げて説明する。
【0016】
図1は、本実施の形態に係る排気浄化装置を適用するエンジン1とその吸排気系の概略構成を示す図である。
【0017】
図1に示すエンジン1は、4つの気筒2を有する水冷式の4サイクル・ディーゼル機関である。
【0018】
エンジン1は、各気筒2の燃焼室に直接燃料を噴射する燃料噴射弁3を備えている。各燃料噴射弁3は、燃料を所定圧まで蓄圧する蓄圧室(コモンレール)4と接続されている。
【0019】
前記コモンレール4は、燃料供給管5を介して燃料ポンプ6と連通している。この燃料ポンプ6は、エンジン1の出力軸(クランクシャフト)の回転トルクを駆動源として作動するポンプであり、該燃料ポンプ6の入力軸に取り付けられたポンププーリ6aがエンジン1の出力軸(クランクシャフト)に取り付けられたクランクプーリ1aとベルト7を介して連結されている。
【0020】
このように構成された燃料噴射系では、クランクシャフトの回転トルクが燃料ポンプ6の入力軸へ伝達されると、燃料ポンプ6は、クランクシャフトから該燃料ポンプ6の入力軸へ伝達された回転トルクに応じた圧力で燃料を吐出する。
【0021】
前記燃料ポンプ6から吐出された燃料は、燃料供給管5を介してコモンレール4へ供給され、コモンレール4にて所定圧まで蓄圧されて各気筒2の燃料噴射弁3へ分配される。そして、燃料噴射弁3に駆動電流が印加されると、燃料噴射弁3が開弁し、その結果、燃料噴射弁3から気筒2内へ燃料が噴射される。
【0022】
次に、エンジン1には、吸気枝管8が接続されており、吸気枝管8の各枝管は、各気筒2の燃焼室と吸気ポート(図示省略)を介して連通している。
【0023】
前記吸気枝管8は吸気管9に接続されている。吸気管9には、該吸気管9内を流通する吸気の質量に対応した電気信号を出力するエアフローメータ11が取り付けられている。
【0024】
前記吸気管9における吸気枝管8の直上流に位置する部位には、該吸気管9内を流通する吸気の流量を調節する吸気絞り弁13が設けられている。この吸気絞り弁13には、ステップモータ等で構成されて該吸気絞り弁13を開閉駆動する吸気絞り用アクチュエータ14が取り付けられている。
【0025】
前記エアフローメータ11と前記吸気絞り弁13との間に位置する吸気管9には、排気のエネルギを駆動源として作動する遠心過給機(ターボチャージャ)15のコンプレッサハウジング15aが設けられている。
【0026】
このように構成された吸気系では、吸気は、吸気管9を介してコンプレッサハウジング15aに流入する。
【0027】
コンプレッサハウジング15aに流入した吸気は、該コンプレッサハウジング15aに内装されたコンプレッサホイールの回転によって圧縮される。前記コンプレッサハウジング15a内で圧縮された吸気は、必要に応じて吸気絞り弁13によって流量を調節されて吸気枝管8に流入する。吸気枝管8に流入した吸気は、各枝管を介して各気筒2の燃焼室へ分配され、各気筒2の燃料噴射弁3から噴射された燃料を着火源として燃焼される。
【0028】
一方、エンジン1には、排気枝管18が接続され、排気枝管18の各枝管が排気ポート1bを介して各気筒2の燃焼室と連通している。
【0029】
前記排気枝管18は、前記遠心過給機15のタービンハウジング15bと接続されている。前記タービンハウジング15bは、排気管19と接続され、この排気管19は、下流にてマフラー(図示省略)に接続されている。
【0030】
前記排気管19の途中には、吸蔵還元型NOx触媒を担持したパティキュレートフィルタ(以下、単にフィルタという。)20が設けられている。フィルタ20は、例えばコージェライトのような多孔質材料から形成され、例えば、アルミナを担体とし、その担体上に、カリウム(K)、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)、もしくはセシウム(Cs)等のアルカリ金属と、バリウム(Ba)もしくはカルシウム(Ca)等のアルカリ土類と、ランタン(La)もしくはイットリウム(Y)等の希土類とから選択された少なくとも1つと、白金(Pt)等の貴金属とを担持して構成されている。尚、本実施の形態では、アルミナからなる担体上にバリウム(Ba)と白金(Pt)とを担持し、更に酸素貯蔵(Oストレージ)能のある例えばセリア(CeO)等の遷移金属を添加して構成される吸蔵還元型NOx触媒(以下、単に「NOx触媒」という。)を担持させている。
【0031】
このNOx触媒は、該NOx触媒に流入する排気の酸素濃度が高いときは排気中の窒素酸化物(NOx)を吸蔵し、一方、該NOx触媒に流入する排気の酸素濃度が低下したときは吸蔵していたNOxを放出する。その際、排気中に炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)等の還元成分が存在していれば、該NOx触媒から放出されたNOxが還元される。また、セリア(CeO)等の遷移金属は、排気の特性に応じて酸素を一時的に保持し、活性化酸素として放出する能力を有する。
【0032】
一方、フィルタ20により、排気中に含まれる浮遊粒子状物質である煤に代表されるパティキュレートマター(Particulate Matter:以下、「PM」という。)が一旦捕集され、大気中へ放出されることを防止することができる。しかし、フィルタ20に捕集されたPMが該フィルタ20に堆積するとフィルタ20の目詰まりを発生させることがある。この目詰まりが発生すると、フィルタ20上流の排気の圧力が上昇しエンジン1の出力低下やフィルタ20の毀損を誘発する虞がある。このようなときには、フィルタ20上に堆積したPMを着火燃焼せしめることにより該PMを除去することができる。このようにフィルタに堆積したPMを除去することをフィルタの再生という。フィルタ20の再生は、排気中に存在する炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)等の還元成分がNOx触媒にて反応したときに発生する熱によりPMを燃焼除去させることにより可能となる。また、前記活性酸素によりフィルタ20に捕集されたPMを酸化させることによっても行うことができる。
【0033】
尚、本実施の形態においては、吸蔵還元型NOx触媒を担持したパティキュレートフィルタを例示して説明するが、これに代えて、NOx触媒を担持せずに単にPMを捕集する機能を有するだけのパティキュレートフィルタ、若しくは、酸化触媒を担持したパティキュレートフィルタであっても良く、これらのパティキュレートフィルタにおいても同様の効果を得ることができる。
【0034】
フィルタ20より上流の排気管19には、該排気管19内を流通する排気の温度に対応した電気信号を出力する排気温度センサ24が取り付けられている。
【0035】
このように構成された排気系では、エンジン1の各気筒2で燃焼された混合気(既燃ガス)が排気ポート1bを介して排気枝管18へ排出され、次いで排気枝管18から遠心過給機15のタービンハウジング15bへ流入する。タービンハウジング15bに流入した排気は、該排気が持つエネルギを利用してタービンハウジング15b内に回転自在に支持されたタービンホイールを回転させる。その際、タービンホイールの回転トルクは、前述したコンプレッサハウジング15aのコンプレッサホイールへ伝達される。
【0036】
前記タービンハウジング15bから排出された排気は、排気管19を介してフィルタ20へ流入し、排気中のパティキュレートマター(以下、単にPMという。)が捕集され且つ有害ガス成分が除去又は浄化される。
【0037】
ところで、エンジン1が希薄燃焼運転されている場合は、エンジン1から排出される排気の空燃比がリーン雰囲気となり排気の酸素濃度が高くなるため、排気中に含まれるNOxがNOx触媒に吸蔵されることになるが、エンジン1の希薄燃焼運転が長期間継続されると、NOx触媒のNOx吸蔵能力が飽和し、排気中のNOxがNOx触媒にて除去されずに大気中へ放出されてしまう。
【0038】
特に、エンジン1のようなディーゼル機関では、大部分の運転領域においてリーン空燃比の混合気が燃焼され、それに応じて大部分の運転領域において排気の空燃比がリーン空燃比となるため、NOx触媒のNOx吸蔵能力が飽和し易い。尚、ここでリーン空燃比とは、ディーゼル機関にあっては例えば20乃至50で、三元触媒ではNOxを浄化できない領域を意味する。
【0039】
従って、エンジン1が希薄燃焼運転されている場合は、NOx触媒のNOx吸蔵能力が飽和する前にNOx触媒に流入する排気中の酸素濃度を低下させるとともに還元剤の濃度を高め、NOx触媒に吸蔵されたNOxを還元させる必要がある。
【0040】
このように酸素濃度を低下させる方法としては、排気中の燃料添加や、再循環するEGRガス量を増大させて煤の発生量が増加して最大となった後に、更にEGRガス量を増大させる低温燃焼(特許第3116876号)、機関出力のための燃料を噴射させる主噴射の後の膨張行程中に再度燃料を噴射させる副噴射等の方法が考えられる。例えば、排気中の燃料添加では、フィルタ20より上流の排気管19を流通する排気中に還元剤たる燃料(軽油)を添加する還元剤供給機構を備え、この還元剤供給機構から排気中へ燃料を添加することにより、フィルタ20に流入する排気の酸素濃度を低下させるとともに還元剤の濃度を高めることができる。
【0041】
還元剤供給機構は、図1に示されるように、その噴孔が排気枝管18内に臨むように取り付けられ、後述するECU35からの信号により開弁して燃料を噴射する還元剤噴射弁28と、前述した燃料ポンプ6から吐出された燃料を前記還元剤噴射弁28へ導く還元剤供給路29と、を備えている。
【0042】
このような還元剤供給機構では、燃料ポンプ6から吐出された高圧の燃料が還元剤供給路29を介して還元剤噴射弁28へ印加される。そして、ECU35からの信号により該還元剤噴射弁28が開弁して排気枝管18内へ還元剤としての燃料が噴射される。
【0043】
還元剤噴射弁28から排気枝管18内へ噴射された還元剤は、排気枝管18の上流から流れてきた排気の酸素濃度を低下させる。
【0044】
このようにして形成された酸素濃度の低い排気はフィルタ20に流入し、フィルタ20に吸蔵されていたNOxを還元することになる。
【0045】
その後、ECU35からの信号により還元剤噴射弁28が閉弁し、排気枝管18内への還元剤の添加が停止されることになる。
【0046】
また、エンジン1には、クランクシャフトの回転位置に対応した電気信号を出力するクランクポジションセンサ33が設けられている。
【0047】
以上述べたように構成されたエンジン1には、該エンジン1を制御するための電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)35が併設されている。このECU35は、エンジン1の運転条件や運転者の要求に応じてエンジン1の運転状態を制御するユニットである。
【0048】
ECU35には、各種センサが電気配線を介して接続され、上記した各種センサの出力信号の他、運転者がアクセルを踏み込んだ量に応じた電気信号を出力するアクセル開度センサ36の出力信号が入力されるようになっている。
【0049】
一方、ECU35には、燃料噴射弁3、吸気絞り用アクチュエータ14、還元剤噴射弁28等が電気配線を介して接続され、上記した各部をECU35が制御することが可能になっている。
【0050】
例えば、NOx浄化制御では、ECU35は、フィルタ20に流入する排気中の酸素濃度を比較的に短い周期でスパイク的(短時間)に低くする、所謂リッチスパイク制御を実行する。
【0051】
リッチスパイク制御では、ECU35は、所定の周期毎にリッチスパイク制御実行条件が成立しているか否かを判別する。このリッチスパイク制御実行条件としては、例えば、フィルタ20が活性状態にある、排気温度センサ24の出力信号値(排気温度)が所定の上限値以下である、被毒解消制御が実行されていない、等の条件を例示することができる。
【0052】
上記したようなリッチスパイク制御実行条件が成立していると判定された場合は、ECU35は、還元剤噴射弁28からスパイク的に還元剤たる燃料を噴射させるべく当該還元剤噴射弁28を制御することにより、フィルタ20に流入する排気の空燃比を一時的に所定の目標リッチ空燃比とする。
【0053】
具体的には、ECU35は、記憶されている機関回転数、アクセル開度センサ36の出力信号(アクセル開度)、エアフローメータ11の出力信号値(吸入空気量)、空燃比センサ(図示省略)の出力信号、燃料噴射量等を読み出す。
【0054】
ECU35は、前記した機関回転数とアクセル開度と吸入空気量と燃料噴射量とをパラメータとして還元剤添加量制御マップへアクセスし、排気の空燃比を予め設定された目標空燃比とする上で必要となる還元剤の添加量(目標添加量)を算出する。
【0055】
続いて、ECU35は、前記目標添加量をパラメータとして還元剤噴射弁制御マップへアクセスし、還元剤噴射弁28から目標添加量の還元剤を噴射させる上で必要となる還元剤噴射弁28の開弁時間(目標開弁時間)を算出する。
【0056】
還元剤噴射弁28の目標開弁時間が算出されると、ECU35は、還元剤噴射弁28を開弁させる。
【0057】
ECU35は、還元剤噴射弁28を開弁させた時点から前記目標開弁時間が経過すると、還元剤噴射弁28を閉弁させる。
【0058】
このように還元剤噴射弁28が目標開弁時間だけ開弁されると、目標添加量の燃料が還元剤噴射弁28から排気枝管18内へ噴射されることになる。そして、還元剤噴射弁28から噴射された還元剤は、排気枝管18の上流から流れてきた排気と混ざり合って目標空燃比の混合気を形成してフィルタ20に流入する。
【0059】
この結果、フィルタ20に流入する排気の空燃比は、比較的に短い周期で酸素濃度が変化することになり、以て、フィルタ20がNOxの吸蔵と還元とを交互に短周期的に繰り返すことになる。
【0060】
このように、フィルタ20に流入する排気の空燃比をスパイク的に目標リッチ空燃比とし、吸蔵還元型NOx触媒に吸収されたNOxを還元することが可能となる。
【0061】
一方、フィルタの再生制御では、前記エンジン1の気筒2内へ機関出力のための燃料が主噴射された後の膨張行程又は排気行程中に再度燃料を噴射させ副噴射により、フィルタ20の昇温及びPMの燃焼除去が行われる。
【0062】
このようにエンジン1の気筒2内へ機関出力のための燃料が主噴射された後に再度燃料を噴射させるのは、主噴射のみにより排気中の酸素濃度を低下させようとするとスモーク等の問題が発生する虞があるからである。また、主噴射を増量すると燃料の燃焼が機関出力になるのでトルクの変動が発生し運転状態が悪化する。そこで、主噴射の後の機関出力に影響しにくい膨張行程又は排気行程で副噴射を行っている。
【0063】
副噴射を行う場合の基準となる噴射量及び噴射時期は、アクセル開度と機関回転数と副噴射量又は副噴射時期との関係を予めマップ化しておきECU35に記憶させておき、そのマップとアクセル開度と機関回転数とから算出することができる。
【0064】
フィルタの再生制御では、フィルタ20の温度を活性温度まで上昇させるための昇温段階と、活性温度以上に昇温した後にフィルタ20に炭化水素(HC)を供給してさらに昇温させつつPMを除去する再生段階と、が順に実行される。
【0065】
昇温段階では、エンジン1から排出される排気の温度を上昇させてフィルタ20の昇温が図られる。このために、副噴射は主噴射後の早い時期に行い、主噴射された燃料の燃焼に伴う熱により副噴射された燃料が確実に燃焼するようにする。ここで、副噴射を行う時期が遅いために、主噴射による燃焼ガスの温度が低下して副噴射された燃料が燃焼しなくなり、未燃燃料である炭化水素(HC)が排出されてしまう。このときには、NOx触媒は、活性温度に達していないので炭化水素(HC)を浄化することができず大気中へ放出される虞がある。従って、昇温段階では副噴射された燃料が確実に燃焼するように副噴射を行う時期を早くする。
【0066】
一方、再生段階では、エンジン1から未燃燃料である炭化水素(HC)を排出されるようにする。このために、副噴射は主噴射後の遅い時期に行い、主噴射された燃料の燃焼に伴う熱により副噴射された燃料が燃焼しないようにする。このようにして、エンジン1から排出された炭化水素(HC)は、フィルタ20に担持されたNOx触媒にて反応し、フィルタ20の温度を上昇させる。これにより、フィルタ20に捕集されたPMは、酸化され除去される。ここで、副噴射を行う時期が早いために、主噴射による燃焼ガスの温度により副噴射された燃料が燃焼すると、未燃燃料である炭化水素(HC)をフィルタ20に供給できなくなる。この燃焼ガスによってもフィルタ20の温度を上昇させ、PMの除去を行うことが可能であるが、エンジン1内での熱損失やエンジン1からフィルタ20の間の排気管での排気温度の低下により、PM除去に多くの燃料を必要とし燃費が悪化してしまう。従って、再生段階では副噴射された燃料が確実に燃焼しないように副噴射を行う時期を遅くする。
【0067】
このように、副噴射を行う時期によりその効果が異なる。従来では、アクセル開度、機関回転数、エンジン1の冷却水温度等をパラメータとした実験値をマップ化し、それに基づいて副噴射の時期を定めていた。しかし、気温が低い場合では、早い時期に副噴射を行っても、気筒内の温度が低いために副噴射された燃料が燃焼しないことがあり、一方で、気温が高い場合や気圧が低い場合には、遅い時期に副噴射を行っても、気筒内の温度が高いために副噴射された燃料が燃焼してしまうことがあった。
【0068】
そこで、本実施の形態では、排気温度センサ24の出力信号から得られる排気温度により副噴射時期の補正を行う。
【0069】
昇温段階は、副噴射による燃料を燃焼させて排気の温度を上昇させることを目的としている。しかし、何らかの原因により、副噴射された燃料が燃焼しなかった場合には、排気の温度が低くなる。このような場合には、副噴射の時期を進角させ、主噴射の時期に近づける。
【0070】
一方、再生段階は、副噴射による燃料を燃焼させないで炭化水素(HC)を排出させることを目的としている。しかし、何らかの原因により、副噴射された燃料が燃焼した場合には、排気の温度が高くなる。このような場合には、副噴射の時期を遅角させ、主噴射の時期から遠ざける。
【0071】
ここで、副噴射された燃料が燃焼したか否かの判定は、副噴射された燃料が燃焼したときの排気温度若しくは燃焼しなかったときの排気温度を予め実験等により求めておき、この値と排気温度センサ24の出力信号とを比較して行われる。
【0072】
次に、本実施の形態によるフィルタの再生制御について説明する。
【0073】
図2は、本実施の形態によるフィルタの再生制御のフローを示したフローチャート図である。
【0074】
フィルタの再生制御は、フィルタ20に捕集されたPMの量が規定の量以上となった場合に行われる。ここで、規定の量とは、機関出力の低下や、フィルタ20の毀損を回避できるPM捕集量であり予め実験等により求めておく。また、フィルタ20に捕集されたPMの量は、例えば、フィルタ20前後の差圧を検出する差圧センサ(図示省略)を排気管に取り付けて、該差圧センサの検出値に応じたPM量を予め実験等により求めておくことにより求めることができる。また、運転状態に応じたPM排出量を予め実験等により求めてマップ化しておき、このマップにより求まるPM排出量を積算してPMの堆積量とすることもできる。更に、車両走行距離若しくは走行時間に応じてPMの堆積量を推定しても良い。
【0075】
ステップS101では、前回の制御にて算出された副噴射時期の補正量αがクリアされる。ここで、補正量αは、その値が大きくなるほど噴射時期は遅くなるものとする。
【0076】
ステップS102では、基準となる副噴射時期が算出される。基準となる副噴射時期は、アクセル開度若しくは燃料噴射量と、機関回転数と、副噴射時期との関係を予め実験等により求めてマップ化したものに、アクセル開度若しくは燃料噴射量と、機関回転数とを代入して求める。アクセル開度はアクセル開度センサ36からの出力信号により求めることができ、燃料噴射量はECU35に記憶させておくことにより求めることができる。また、機関回転数は、クランクポジションセンサ33の出力信号により求まる。
【0077】
ステップS103では、副噴射時期の補正を行う。副噴射時期に補正量αを加算する。
【0078】
ステップS104では、副噴射が開始される。副噴射される燃料量は、アクセル開度若しくは燃料噴射量と、機関回転数と、副噴射量との関係を予め実験等により求めてマップ化したものに、アクセル開度若しくは燃料噴射量と、機関回転数とを代入して求める。
【0079】
ステップS105では、回転数と負荷(アクセル開度若しくは燃料噴射量)とから基準となる排気温度を算出する。この基準となる排気温度は、副噴射された燃料が燃焼したか否かの境界となる温度であり、回転数と負荷とをパラメータとして予め実験等により求めてマップ化しておく。算出された温度は、基準排気温度T1としてECU35に記憶される。
【0080】
ステップS106では、実際の排気温度を検出する。排気温度は、排気温度センサ24の出力信号により求める。検出された温度は、実測排気温度T2としてECU35に記憶される。
【0081】
ステップS107では、フィルタの再生制御を継続させるか否か判定される。PMの除去が終了した場合にフィルタの再生は終了される。例えば、フィルタの再生制御を行った時間を積算して、この時間が規定の時間となった場合にPMが除去されたとすることができる。また、例えば、フィルタ20前後の差圧を検出する差圧センサを排気管に取り付けて、該差圧センサの検出値が規定の値以下となった場合にPMが除去されたとすることができる。
【0082】
ステップS107で肯定判定がなされた場合にはステップS108へ進み、一方、否定判定がなされた場合には本ルーチンを終了させる。
【0083】
ステップS108では、昇温段階か否か判定される。フィルタ20の温度が例えば200℃となるまでは、昇温段階であると判定される。フィルタ20の温度は、例えばフィルタ20に温度センサを設けることにより検出が可能となる。
【0084】
ステップS108で肯定判定がなされた場合にはステップS109へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS111へ進む。
【0085】
ステップS109では、基準排気温度T1が実測排気温度T2よりも高いか否か判定される。
【0086】
ステップS109で肯定判定がなされた場合にはステップS110へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS102へ戻る。
【0087】
ステップS110では、補正量αを減少させて副噴射の時期が進角されるようにする。補正量αは、次式により求める。
【0088】
α=α−1
ステップS111では、基準排気温度T1が実測排気温度T2よりも低いか否か判定される。
【0089】
ステップS111で肯定判定がなされた場合にはステップS112へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS102へ戻る。
【0090】
ステップS112では、補正量αを増加させて副噴射の時期が遅角されるようにする。補正量αは、次式により求める。
【0091】
α=α+1
このようにして、副噴射が行われる時期を補正しつつフィルタの再生制御を行うことが可能となる。
【0092】
尚、本実施の形態では、副噴射時期を排気温度によるフィードバック制御により補正したが、これに代えて、単に昇温段階では規定時期まで副噴射時期を進角させ、再生段階では規定時期まで副噴射時期を遅角させても良い。ここで、規定時期は例えば外気温度による変数としても良い。このようにすると、フィルタの再生制御に係る副噴射を開始する前に予め補正時期を決定することが可能となる。
【0093】
以上説明したように、本実施の形態によれば、フィルタの再生時の副噴射による燃料を昇温段階では燃焼するようにし、再生段階では燃焼しないようにすることができる。
<第2の実施の形態>
本実施の形態では、昇温段階と再生段階とで基準となる副噴射時期を異ならせる。
【0094】
尚、本実施の形態においては、第1の実施の形態と比較して、フィルタの再生制御方法が異なるものの、適用対象となるエンジンやその他ハードウェアの基本構成については、第1の実施の形態と共通なので説明を割愛する。
【0095】
ここで、第1の実施の形態では、昇温段階と再生段階とで基準となる副噴射時期が等しかった。従って、等しい噴射時期から昇温段階では進角させ、再生段階では遅角させていた。一方、本実施の形態では、昇温段階及び再生段階で基準となる副噴射時期が異ならせる。即ち、昇温段階のほうが再生段階よりも早い時期を基準として副噴射の時期を決定する。つまり、第1の実施の形態に係る図2中ステップS102で説明したマップを本実施の形態では昇温段階と再生段階とで夫々備えている。これらのマップは、ステップS102と同様に実験等により求めておく。このようにして、副噴射時期を速やかに適正な値とすることが可能となる。
【0096】
また、本実施の形態では、目標となる排気温度を昇温段階と再生段階とで異ならせても良い。つまり、第1の実施の形態に係る図2中ステップS105で説明したマップを本実施の形態では昇温段階と再生段階とで夫々異なるものを備えていても良い。これらのマップは、ステップS105と同様に実験等により求めることができる。このようにして、昇温段階では温度の高い排気をフィルタ20に供給し、再生段階では温度が低く炭化水素(HC)を多く含んだ排気をフィルタ20に供給することが可能となる。
【0097】
図3は、昇温段階の副噴射時期制御のフローを示したフローチャート図である。
【0098】
また、図4は、再生段階の副噴射時期制御のフロー示したフローチャート図である。
【0099】
本実施の形態では、フィルタの再生制御を行う場合、予め昇温段階又は再生段階の何れかの段階であるか判定される。そして、昇温段階であると判定された場合には図3に示す昇温段階の副噴射時期制御が行われ、再生段階であると判定された場合には図4に示す再生段階の副噴射時期制御が行われる。昇温段階又は再生段階の判定は、第1の実施の形態に係る図2中ステップS108と同様にして行われる。
【0100】
次に、昇温段階の副噴射時期制御のフローについて説明する。
【0101】
ステップS201からステップS207までは、図2中のステップS101からステップS107に対応している。ここで、ステップS202及びステップS205では、昇温段階用のマップを選択して用いる。
【0102】
また、ステップS208とステップS209は、夫々図2中のステップS109とステップS110に対応している。
【0103】
次に、再生段階の副噴射時期制御のフローについて説明する。
【0104】
ステップS301からステップS307までは、図2中のステップS101からステップS107に対応している。ここで、ステップS202及びステップS205では、再生段階用のマップを選択して用いる。
【0105】
また、ステップS308とステップS309は、夫々図2中のステップS109とステップS110に対応している。
【0106】
このようにして、昇温段階と再生段階とで異なる制御マップを使用してPMの除去を行うことが可能となる。
【0107】
以上説明したように、本実施の形態によれば、昇温段階と再生段階とで異なる制御マップを用いることができ、迅速にフィルタの再生を行うことができる。
<第3の実施の形態>
本実施の形態では、吸蔵還元型NOx触媒のSOx被毒解消制御において副噴射時期の補正を行う。
【0108】
尚、本実施の形態においては、第1の実施の形態と比較して、フィルタの再生制御とSOx被毒解消制御とで副噴射を行うという点が異なるものの、適用対象となるエンジンやその他ハードウェアの基本構成については、第1の実施の形態と共通なので説明を割愛する。
【0109】
SOx被毒解消制御では、ECU35は、フィルタ20のSOxによる被毒を解消すべくSOx被毒解消処理を行う。
【0110】
ここで、エンジン1の燃料には硫黄(S)が含まれている場合があり、そのような燃料がエンジン1で燃焼されると、二酸化硫黄(SO)や三酸化硫黄(SO)などの硫黄酸化物(SOx)が生成される。
【0111】
硫黄酸化物(SOx)は、排気とともにフィルタ20に流入し、窒素酸化物(NOx)と同様のメカニズムによって吸蔵還元型NOx触媒に吸収される。
【0112】
具体的には、フィルタ20に流入する排気の酸素濃度が高いときには、流入排気ガス中の二酸化硫黄(SO)や三酸化硫黄(SO)等の硫黄酸化物(SOx)が白金(Pt)の表面上で酸化され、硫酸イオン(SO 2−)の形でフィルタ20に吸収される。更に、フィルタ20に吸収された硫酸イオン(SO 2−)は、酸化バリウム(BaO)と結合して硫酸塩(BaSO)を形成する。
【0113】
ところで、硫酸塩(BaSO)は、硝酸バリウム(Ba(NO)に比して安定していて分解し難く、フィルタ20に流入する排気の酸素濃度が低くなっても分解されずにフィルタ20内に残留してしまう。
【0114】
フィルタ20における硫酸塩(BaSO)の量が増加すると、それに応じてNOxの吸収に関与することができる酸化バリウム(BaO)の量が減少するため、フィルタ20のNOx吸収能力が低下する、いわゆるSOx被毒が発生する。
【0115】
フィルタ20のSOx被毒を解消する方法としては、フィルタ20の雰囲気温度をおよそ600乃至650℃の高温域まで昇温させるとともに、フィルタ20に流入する排気の酸素濃度を低くすることにより、フィルタ20に吸収されている硫酸バリウム(BaSO)をSO やSO に熱分解し、次いでSO やSO を排気中の炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)と反応させて気体状のSO に還元する方法を例示することができる。
【0116】
そこで、本実施の形態に係るSOx被毒解消処理では、ECU35は、先ずフィルタ20の床温を高める昇温制御(昇温段階)を実行した上で、フィルタ20に流入する排気の酸素濃度を低くすること(解消段階)により被毒解消を行うようにした。
【0117】
昇温段階は、吸蔵還元型NOx触媒の活性温度(例えば200℃)まで昇温させる第1昇温段階と、SOx被毒解消に必要となる温度(例えば550℃)まで昇温させる第2昇温段階とに分かれる。第1昇温段階では、第1の実施の形態による昇温段階と同様にして、副噴射された燃料が確実に燃焼するように、副噴射時期を進角させる。一方、第2昇温段階では、第1の実施の形態による再生段階と同様にして、副噴射された燃料が燃焼しないように、副噴射時期を遅角させる。これにより、未燃燃料成分をフィルタ20において酸化させ、酸化の際に発生する熱によってフィルタ20の床温を高めることが可能となる。
【0118】
上記したような触媒昇温処理によりフィルタ20の床温が例えば550℃程度の高温域まで上昇すると、ECU35は、フィルタ20に流入する排気の酸素濃度を低下させる解消段階に移行する。この解消段階では、副噴射時期を遅角させて副噴射された燃料が燃焼しないようにする。さらに、還元剤噴射弁28から燃料を噴射させても良い。
【0119】
このように被毒解消処理が実行されると、フィルタ20の床温が高い状況下で、フィルタ20に流入する排気の酸素濃度が低くなるため、吸蔵還元型NOx触媒に吸収されている硫酸バリウム(BaSO)がSO やSO に熱分解され、それらSO やSO が排気中の炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)と反応して還元され、以てフィルタ20のSOx被毒が解消されることになる。
【0120】
以上説明したように、本実施の形態によれば、SOx被毒解消時においてNOx触媒の温度が活性温度まで上昇するまでは、副噴射された燃料を燃焼させることができ、一方、活性温度まで上昇した後は副噴射された燃料を燃焼させないようにして排気中の酸素濃度を低下させることが可能となる。
【0121】
【発明の効果】
本発明に係る内燃機関の排気浄化装置では、触媒が活性化するまでは副噴射時期を進角させて排気の温度を上昇させ、触媒の温度を上昇させることができる。一方、触媒が活性化した後は、副噴射の時期を遅角させて触媒に未燃燃料を供給することができる。
【0122】
これにより、副噴射による未燃燃料の大気中への放出を抑制し、また、燃費の悪化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る内燃機関の排気浄化装置を適用するエンジンとその吸排気系とを併せ示す概略構成図である。
【図2】 第1の実施の形態によるフィルタの再生制御のフローを示したフローチャート図である。
【図3】 昇温段階の副噴射時期制御のフローを示したフローチャート図である。
【図4】 再生段階の副噴射時期制御のフロー示したフローチャート図である。
【符号の説明】
1・・・・エンジン
1a・・・クランクプーリ
2・・・・気筒
3・・・・燃料噴射弁
4・・・・コモンレール
5・・・・燃料供給管
6・・・・燃料ポンプ
6a・・・ポンププーリ
7・・・・ベルト
8・・・・吸気枝管
9・・・・吸気管
11・・・エアフローメータ
13・・・吸気絞り弁
14・・・吸気絞り用アクチュエータ
15・・・遠心過給機
15a・・コンプレッサハウジング
15b・・タービンハウジング
18・・・排気枝管
19・・・排気管
20・・・フィルタ
24・・・排気温度センサ
28・・・還元剤噴射弁
29・・・還元剤供給路
33・・・クランクポジションセンサ
35・・・ECU
36・・・アクセル開度センサ

Claims (5)

  1. 排気浄化触媒を担持したパティキュレートフィルタと、
    前記排気浄化触媒の温度を検出する排気浄化触媒温度検出手段と、
    燃機関の気筒内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、
    前記燃料噴射弁からの主噴射後の膨張行程若しくは排気行程に前記燃料噴射弁から燃料を噴射させる副噴射手段と、
    を備え、
    前記パティキュレートフィルタの再生を行なうときに前記排気浄化触媒の温度を活性温度まで上昇させる昇温段階と該活性温度まで昇温した後にさらに昇温しつつ粒子状物質を除去する再生段階とを実行し、
    前記昇温段階においては前記副噴射手段による燃料の噴射時期を進角させ、前記再生段階においては前記副噴射手段による燃料の噴射時期を遅角させる燃料噴射時期変更手段を具備することを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記副噴射手段により副噴射された燃料が燃焼したか否かを判定する燃焼判定手段をさらに備え、
    燃料噴射時期変更手段は、前記排気浄化触媒温度検出手段により検出された温度が前記排気浄化触媒の活性温度以下であり且つ副噴射された燃料が燃焼していないと前記燃焼判定手段により判定された場合には前記副噴射手段による燃料の噴射時期を進角させ、前記排気浄化触媒温度検出手段により検出された温度が前記排気浄化触媒の活性温度よりも高く且つ副噴射された燃料が燃焼していると前記燃焼判定手段により判定された場合には前記副噴射手段による燃料の噴射時期を遅角させることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 前記内燃機関からの排気の温度を検出する排気温度検出手段をさらに備え、前記燃焼判定手段は、前記排気温度検出手段により検出された実際の温度が副噴射された燃料が燃焼した場合に検出されると予測される温度以下の場合に、副噴射された燃料が燃焼していないと判定することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 前記排気浄化触媒温度検出手段により検出された温度が触媒の活性温度以下であるか否かにより、基準となる副噴射時期が異なることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 前記排気浄化触媒は、流入する排気の酸素濃度が高いときは排気中のNO x を吸蔵し、流入する排気の酸素濃度が低下したときは吸蔵していたNO x を放出する吸蔵還元型NO x 触媒を含んで構成され、
    前記吸蔵還元型NO x 触媒のSO x 被毒を解消するときに該吸蔵還元型NO x 触媒の活性温度まで昇温させる第1昇温段階と、SO x 被毒の解消に必要となる温度まで昇温させる第2昇温段階と、前記パティキュレートフィルタに流入する排気の酸素濃度を低下させる解消段階とを実行し、
    第1昇温段階では前記副噴射手段による燃料の噴射時期を進角させ、前記第2昇温段階では前記副噴射手段による燃料の噴射時期を遅角させ、前記解消段階では前記副噴射手段による燃料の噴射時期を遅角させることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の内燃機関の排気浄化装置。
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