JP4050989B2 - コークス炉ガスの発生量および熱量の予測方法ならびに情報処理方法および情報処理装置 - Google Patents
コークス炉ガスの発生量および熱量の予測方法ならびに情報処理方法および情報処理装置 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、石炭のコークス化時における発生ガスの発生量および熱量を精度よく予測する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在の高炉による製鉄プロセスにおいては、原料である鉄鉱石を効率よく還元するために、石炭(通常は、複数銘柄の石炭を配合して利用)を乾留し、強固化したコークスが利用されている。製造されたコークスは、高炉内において、ガス流れを確保するための隙間を作るとともに、自身が鉄鉱石の還元材として働く。
【0003】
石炭のコークス化は、コークス炉と呼ばれる1000℃程度に温度管理された炉内において、石炭を乾留(蒸し焼き)して行われる。このコークス化工程では、コークスが製造されることに加え、石炭の一部が熱分解されてコークス炉ガス(COG)やタールが発生する。COGは、製鉄所内あるいは所外において燃料ガスとして利用されている。なお、同時に産出するタールは、化学製品などに利用されている。
【0004】
従って、製鉄所における石炭のコークス化工程においては、主製品であるコークスの品質維持に加え、副製品であるCOGの発生量や熱量が一定水準以上になるように管理することが重要である。COGのエネルギーが不足する場合は、一般燃料ガスや重油、電力などを別に購入することが必要となり、製鉄コストを高くする原因となる。そこで、製鉄コスト低減の面から、使用する石炭から発生するCOGの発生量および熱量を予測し、これらが不足することのないようにコークス製造の操業条件を制御する必要がある。
【0005】
COGの発生量を予測する手法としては、従来から、石炭を乾留する時の揮発分(VM)を基本としたCOG予測式を用いた操業管理が行われている。VMとは、通常、他の石炭管理指標と同様に、JIS−M8812(石炭類およびコークス類−工業分析法)に準拠した工業分析法によって石炭銘柄ごとに測定されるものであり、石炭試料1gをふた付のるつぼに入れ、空気との接触を避けるようにして900℃で7分間加熱したときの加熱減量に対する質量百分率を求め、この値からさらに、同時に定量した水分を差し引いたものをVMとしている。
【0006】
COGの発生量の予測は、特許文献1、特許文献2等で開示されているように、VMに、炉温や石炭成分中の酸素量などの情報を各現場で経験的に係数化し数式としたものを用いて行っている。
【0007】
上記特許文献1には、各炭化室に装入された石炭量と、石炭装入からコークス排出までの間のガス発生量の経時的変化に基づいて求められるコークス炉団からのガス発生総量を、過去の実績値と予測値の誤差を推定する式により予測し、その都度新たな装入石炭量とガス発生総量測定値を加えて順次修正する方法が開示されている。また、特許文献2には、これにVMの情報、置時間ならびに乾留時間などの条件を加えて演算推定し、この推定した各炭化室のガス発生量の経時的変動を用いて窯出ブロックごとの平均ガス発生量の経時的変動を演算し、コークス炉団のガス発生量を予測する方法が開示されている。
【0008】
これらは、いずれも前述のVMを基本として、操業条件や過去実績を加えた演算手法での予測であり、使用する石炭の構造やこれに起因するCOGの発生挙動については考慮されていない。すなわち、従来のCOG発生総量は、使用する石炭の加熱前後の質量差により求められることを前提としている。
【0009】
従って、前述したVMを基本としたCOG予測方法は、限られた石炭群の中ではある程度の精度で可能であるものの、最近では、安価コークス原料の使用技術の向上もあって、これまで使用されていなかった石炭種が多く使用されるようになり、実操業においては十分な予測精度が確保できなくなってきているという問題が生じている。
【0010】
これは、従来のCOG予測方法で基本とする情報であるVMが、石炭の加熱乾留時の揮発分(質量)のみの情報であるのに対し、実操業においては、COGに関してガス発生量(体積)のみならず、熱量(成分)までを含めて評価する必要があるためである。
【0011】
【特許文献1】
特開平1−98693号公報
【特許文献2】
特開平6−1980号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を解決して、コークス炉ガス(COG)の発生量ならびに熱量を精度よく推定できる方法ならびに装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために、本発明者らは、石炭から発生するコークス炉ガス(COG)の発生量および熱量の予測方法について種々の検討を行った。
【0014】
石炭から発生するCOGの一般的な構成ガス成分の種類は、CH4、C2H6、C2H4、CO、CO2、H2、N2、O2であるが、構成成分の種類および量は、石炭の銘柄により異なることが従来より知られていた。本発明者らは、これが石炭銘柄ごとに異なる石炭の構造に起因するものであるとの知見を新たに得た。すなわち、COGの発生量は、VMという石炭の加熱前後の質量差分だけではなく、石炭の持つ化学構造に由来しているとの知見を新たに得た。
【0015】
特に、COGの中で発生量の多いメタンや水素については、核磁気共鳴(NMR)法による石炭の化学構造解析と、石炭試料を連続的に2〜10℃/minの昇温速度で、900〜1200℃に昇温したときに発生するガスを成分別に連続的に測定し、加熱温度別に発生ガスの発生パターンを求めるガスモニタリング法によって、これらの発生量が石炭の持つ化学構造に由来していることをより明確に見ることができる。図1には、NMR法から求めた石炭中全炭素に対する−CH3割合と、ガスモニタリング法から求めた石炭単位量当たりのCH4発生量との関係を示すが、両者は相関関係にあり、メタンガス発生量は石炭の持つ化学構造に由来していることが明確である。
【0016】
なお、上記ガス成分以外も、石炭の化学構造に由来して発生するものと考えられるが、熱分解反応のうち酸素の関与する部分や、一次分解的に発生したガスやタールが乾留時にさらに熱分解を受けて生成するガス(二次分解ガス)についても考慮する必要があるため、石炭の化学構造から全てのガスの発生量を予測することは困難である。
【0017】
そこで、本発明者らは、上記知見に基づき鋭意検討した結果、石炭を銘柄別に乾留して、乾留時に発生するガスを簡便なガスモニタリング装置を用いて、ガス成分別に定量的な経時変化をモニタリングし、発生ガス量に関しては、その定量値を装入石炭量に換算して推定し、発生熱量に関しては、各発生ガスの単位体積あたりの熱量から総熱量を求め、装入石炭量に換算することにより推定できることを新たに見出した。
【0018】
すなわち、本発明は、上記知見に基づくものであり、その要旨は以下のとおりである。
(1) 石炭のコークス化工程において得られるコークス炉ガスの発生量と熱量の一方または双方を予測する方法であって、実際のコークス炉内における石炭の最高加熱温度および昇温速度に基づいて、原料の石炭を銘柄別に加熱炉心内で乾燥した不活性ガス気流中で加熱し、発生するガスを成分別に定量するステップと、前記銘柄別石炭の成分別発生ガス量に基づいて、原料の石炭の銘柄別の構成比に応じて、原料の石炭からの発生ガス量を成分別に算出するステップと、前記原料の石炭からの成分別発生ガス量に基づいて、コークス炉ガスの発生量を予測するステップと、前記銘柄別石炭の成分別発生ガス量に、各成分の単位量当たりのガス燃焼熱量を乗じることにより、銘柄別石炭の熱量を求め、原料の石炭の銘柄別の構成比に応じて、原料の石炭の熱量を算出するステップと、前記原料の石炭の熱量に基づいて、コークス炉ガスの熱量を予測するステップ、を含むことを特徴とするコークス炉ガスの発生量および熱量の予測方法。
(2) 前記発生ガス成分として、CH4、C2H6、C2H4の炭化水素、一酸化炭素、二酸化炭素、水素ガスを定量することを特徴とする前記(1)記載のコークス炉ガスの発生量および熱量の予測方法。
(3) 前記発生ガスの定量を、フーリエ変換赤外線吸光分光分析装置と水素センサを組み合わせたシステムで行うことを特徴とする前記(1)または(2)に記載のコークス炉ガスの発生量および熱量の予測方法。
(4) 前記原料の石炭の最高加熱温度が900〜1200℃で、昇温速度が2〜10℃/minであることを特徴とする前記(1)記載のコークス炉ガスの発生量および熱量の予測方法。
(5) 前記銘柄別石炭の成分別発生ガス量と熱量の一方または双方をデータベース化することを特徴とする前記(1)記載のコークス炉ガスの発生量および熱量の予測方法。
(6) 石炭のコークス化工程において得られるコークス炉ガスの発生量と熱量の一方または双方を予測する情報処理方法であって、実際のコークス炉内における石炭の最高加熱温度および昇温速度に基づいて、原料の石炭を銘柄別に加熱炉心内で乾燥した不活性ガス気流中で加熱し、発生するガスを成分別に定量する処理と、前記銘柄別石炭の成分別発生ガス量に基づいて、原料の石炭の銘柄別の構成比に応じて、原料の石炭からの発生ガス量を成分別に算出する処理と、前記原料の石炭からの成分別発生ガス量に基づいて、コークス炉ガスの発生量を予測する処理と、前記銘柄別石炭の成分別発生ガス量に、各成分の単位量当たりのガス燃焼熱量を乗じることにより、銘柄別石炭の熱量を求め、原料の石炭の銘柄別の構成比に応じて、原料の石炭の熱量を算出する処理と、前記原料の石炭の熱量に基づいて、コークス炉ガスの熱量を予測する処理、を実行することを特徴とするコークス炉ガスの発生量および熱量を予測する情報処理方法。
(7) 前記(6)記載の情報処理機能を格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を備えたことを特徴とするコークス炉ガスの発生量および熱量を予測する情報処理装置。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、以下に詳細に説明する。
【0020】
本発明のコークス炉ガス(COG)の定量的な経時変化のモニタリング方法について述べる。
【0021】
図2には、本発明に用いる測定装置の一例を示す。本装置によって、石炭試料加熱により発生するガスの組成、ガス成分別の発生量の定量的な経時変化をモニタリングするとともに、同時にガス化しない成分(タール等)についても回収し質量を測定する。
【0022】
本測定法に用いる石炭試料1の採取量は、測定する石炭の代表性が保証でき、測定時に発生するタールがガス測定に影響を与えない量になるような0.01〜1g程度が好ましい。また試料形状も、代表性の問題から、長辺が100μm以下に粉砕したものを用いることが望ましい。採取した石炭試料1は、石英製などの加熱炉心管2内に装入した後、系内の大気を窒素やアルゴンなどの不活性ガス3で置換し、そのまま不活性ガス気流中で電気炉6などを用いて900〜1200℃の温度範囲まで昇温する。この加熱温度は、実際のコークス炉内での石炭の最高加熱温度に基づくものであり、また、このときの昇温速度は、実際のコークス炉内で石炭が加熱される速度に近い2〜10℃/min程度で行うことが望ましい。
【0023】
石炭の熱分解によりCH4、C2H6、C2H4、CO、CO2、H2、N2、O2等が発生し、発生した各ガスは、不活性ガスにより検出器に導入され、それぞれ成分別に定量される。検出器としては、測定目的成分であるCH4、C2H6、C2H4の炭化水素、CO、CO2、H2の各ガスを同時に連続的に測定できるものを使用すればよい。
【0024】
この測定装置としては、質量分析計のほか、図2に図示するフーリエ変換赤外線吸光分光分析装置(FT−IR:特開2001−83075号公報参照)と水素センサを組み合わせたシステムなどが利用できる。しかし、真空系を用いる質量分析計での検出は、加熱時に発生するタールの処理や煩雑な測定条件の設定などが必要であるなどの点から、常圧で簡便に検出が可能な後者の測定システムを利用することが望ましい。
【0025】
このシステムは、石炭試料を加熱管2内に装入し、50〜100mL/min程度の窒素やアルゴンなどの不活性ガスを流したままで900〜1200℃まで加熱した時に発生する各成分ガスについて、CH4、C2H6、C2H4の炭化水素、およびCO、CO2はFT−IR9で連続的に測定し、H2は水素センサ11により連続的に測定することが可能である。
【0026】
なお、ガスと同時に発生するタールについては、加熱部直後の加熱管2内壁、およびタール回収用のタールトラップ7に付着分の質量を測定し、これらをあわせてタール量とした。
【0027】
COG熱量は、発生ガスの組成別の発生予測量に応じ、それぞれの単位量あたりのガス燃焼熱量(CH4:8570kcal/Nm3、C2H6:15370kcal/Nm3、C2H4:14320kcal/Nm3、CO:3035kcal/Nm3、CO2:0kcal/Nm3、H2:2570kcal/Nm3)を掛けたものを合算することにより求める。
【0028】
表1には、銘柄(A〜E)別の石炭の工業分析による揮発分(VM)と、図2の測定系を用いて、石炭を1000℃まで加熱した際に発生したタール量および発生ガス量の測定結果を示す。表1からわかるように、発生ガスの構成成分別の発生量は石炭の種類毎に異なり、単純に発生前後の質量差だけでは揮発分(VM)の性格付けはできず、従って、VMを基本としたCOG予測方法では、COGの発生量および熱量を正確に予測できないことは明らかである。
【0029】
【表1】
【0030】
これらの発生ガスは、NMRによる石炭構造解析と比較することにより発生メカニズムを予測できる。例えば、−CH3基を多く有する石炭は、熱分解によりCH4を多く発生する。図1には、数種類の銘柄の石炭について調べた結果を示すが、石炭から発生するガス種はその石炭が持つ構造に起因して発生していることが分かる。
【0031】
実際のコークス製造は、一般に複数の石炭を配合して行われるため、COGの発生量および熱量もこれら石炭の配合比に従うものと考えられる。従って、本発明法においては、実際に使用される石炭について、銘柄別に本発明のモニタリング方法で発生ガス量、組成、および熱量を測定し、これらのデータに基づきCOGの発生量および熱量を推定する。さらに、実際に使用される石炭の銘柄別の発生ガス量、組成、および熱量に関する測定値をデータベース化することにより、より簡便にCOGの発生量および熱量を推定することが可能となる。
【0032】
【実施例】
次に、本発明をさらに実施例により説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
【0033】
図2に示す本発明のガスモニタリング装置を用い、石炭試料の、熱分解により発生するガスの組成、成分別のガス発生量をモニタリングし、ガス化しない成分(タール等)についても回収し質量を測定した。
【0034】
石炭試料は、A〜Eの5種類の銘柄のものをそれぞれ粉体として約0.05gを使用し、5℃/minで昇温し、1000℃まで加熱を行った。CH4、C2H6、C2H4の炭化水素、およびCO、CO2ガスはフーリエ変換赤外分光法(FT−IR)で、H2は水素センサで定量した。その結果を表1に示す。
【0035】
次に、表1のデータを基に、実際のコークス製造に用いられる石炭の配合比に従ってコークス炉ガス(COG)発生量を推定し、この本発明法による推定値と、従来の揮発分(VM)を基本とする推定式により得られたデータと、実際のコークス炉から発生するCOGの実績値とを比較した。なお、実測COGの値は1日当たりの量で、このときの石炭配合割合、石炭質量も1日当たりの平均値で換算してある。
【0036】
これらの値を1ヶ月間比較した結果を図3に示す。本発明法は、従来の方法に比べ、COG実績データとよく一致した推移を示し、本発明法によるCOG推定法の定量性が高いことを明確に示している。
【0037】
COG熱量は以下のように求めた。
【0038】
すなわち、発生ガスの組成別の発生予測量に応じ、それぞれの単位量あたりのガス燃焼熱量(CH4:8570kcal/Nm3、C2H6:15370kcal/Nm3、C2H4:14320kcal/Nm3、CO:3035kcal/Nm3、CO2:0kcal/Nm3、H2:2570kcal/Nm3)を掛けたものを合算する。
【0039】
図4に、実績使用石炭量にこれを換算して求めた本発明法によるカロリー推定値と、COGの熱量の実績とを上記図3の集計と同時期の1ヶ月間に渡って比較した結果を示す。両者は、良い一致を示し、本発明法によるCOG熱量の推定が高精度に行えることが示された。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、従来の石炭の加熱前後の質量差分(=揮発分:VM)を基本とした経験的な推定式による予測に比べ、石炭の化学構造を考慮してコークス炉ガス(COG)を推定する方法であることから、精度良く実績COGを予測することが可能となり、その産業上の価値は極めて高いと言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】NMRによる石炭中の−CH3存在割合と、ガスモニタリングによる乾留時に発生した単位石炭量あたりのCH4発生量との関係を示す図である。
【図2】石炭の乾留時に発生する全ガスをモニタリングするシステムの例を示す図である。
【図3】実炉COGの発生量の経時的変化と、本発明法による発生量推定値および従来のVM基本の推定式による発生量推定との関係を示す図である。
【図4】実炉COGの熱量の経時的変化と、本発明法による発生ガス予測から求めたガス熱量予測値との関係を示す図である。
【符号の説明】
1…石炭試料
2…加熱管
3…不活性ガス
4…ガス精製器
5…流量計
6…加熱用管状電気炉
7…タールトラップ
8…FT−IR測定用ガスセル
9…FT−IR
10…FT−IR制御およびデータ処理用コンピュータ
11…水素センサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、石炭のコークス化時における発生ガスの発生量および熱量を精度よく予測する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在の高炉による製鉄プロセスにおいては、原料である鉄鉱石を効率よく還元するために、石炭(通常は、複数銘柄の石炭を配合して利用)を乾留し、強固化したコークスが利用されている。製造されたコークスは、高炉内において、ガス流れを確保するための隙間を作るとともに、自身が鉄鉱石の還元材として働く。
【0003】
石炭のコークス化は、コークス炉と呼ばれる1000℃程度に温度管理された炉内において、石炭を乾留(蒸し焼き)して行われる。このコークス化工程では、コークスが製造されることに加え、石炭の一部が熱分解されてコークス炉ガス(COG)やタールが発生する。COGは、製鉄所内あるいは所外において燃料ガスとして利用されている。なお、同時に産出するタールは、化学製品などに利用されている。
【0004】
従って、製鉄所における石炭のコークス化工程においては、主製品であるコークスの品質維持に加え、副製品であるCOGの発生量や熱量が一定水準以上になるように管理することが重要である。COGのエネルギーが不足する場合は、一般燃料ガスや重油、電力などを別に購入することが必要となり、製鉄コストを高くする原因となる。そこで、製鉄コスト低減の面から、使用する石炭から発生するCOGの発生量および熱量を予測し、これらが不足することのないようにコークス製造の操業条件を制御する必要がある。
【0005】
COGの発生量を予測する手法としては、従来から、石炭を乾留する時の揮発分(VM)を基本としたCOG予測式を用いた操業管理が行われている。VMとは、通常、他の石炭管理指標と同様に、JIS−M8812(石炭類およびコークス類−工業分析法)に準拠した工業分析法によって石炭銘柄ごとに測定されるものであり、石炭試料1gをふた付のるつぼに入れ、空気との接触を避けるようにして900℃で7分間加熱したときの加熱減量に対する質量百分率を求め、この値からさらに、同時に定量した水分を差し引いたものをVMとしている。
【0006】
COGの発生量の予測は、特許文献1、特許文献2等で開示されているように、VMに、炉温や石炭成分中の酸素量などの情報を各現場で経験的に係数化し数式としたものを用いて行っている。
【0007】
上記特許文献1には、各炭化室に装入された石炭量と、石炭装入からコークス排出までの間のガス発生量の経時的変化に基づいて求められるコークス炉団からのガス発生総量を、過去の実績値と予測値の誤差を推定する式により予測し、その都度新たな装入石炭量とガス発生総量測定値を加えて順次修正する方法が開示されている。また、特許文献2には、これにVMの情報、置時間ならびに乾留時間などの条件を加えて演算推定し、この推定した各炭化室のガス発生量の経時的変動を用いて窯出ブロックごとの平均ガス発生量の経時的変動を演算し、コークス炉団のガス発生量を予測する方法が開示されている。
【0008】
これらは、いずれも前述のVMを基本として、操業条件や過去実績を加えた演算手法での予測であり、使用する石炭の構造やこれに起因するCOGの発生挙動については考慮されていない。すなわち、従来のCOG発生総量は、使用する石炭の加熱前後の質量差により求められることを前提としている。
【0009】
従って、前述したVMを基本としたCOG予測方法は、限られた石炭群の中ではある程度の精度で可能であるものの、最近では、安価コークス原料の使用技術の向上もあって、これまで使用されていなかった石炭種が多く使用されるようになり、実操業においては十分な予測精度が確保できなくなってきているという問題が生じている。
【0010】
これは、従来のCOG予測方法で基本とする情報であるVMが、石炭の加熱乾留時の揮発分(質量)のみの情報であるのに対し、実操業においては、COGに関してガス発生量(体積)のみならず、熱量(成分)までを含めて評価する必要があるためである。
【0011】
【特許文献1】
特開平1−98693号公報
【特許文献2】
特開平6−1980号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を解決して、コークス炉ガス(COG)の発生量ならびに熱量を精度よく推定できる方法ならびに装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために、本発明者らは、石炭から発生するコークス炉ガス(COG)の発生量および熱量の予測方法について種々の検討を行った。
【0014】
石炭から発生するCOGの一般的な構成ガス成分の種類は、CH4、C2H6、C2H4、CO、CO2、H2、N2、O2であるが、構成成分の種類および量は、石炭の銘柄により異なることが従来より知られていた。本発明者らは、これが石炭銘柄ごとに異なる石炭の構造に起因するものであるとの知見を新たに得た。すなわち、COGの発生量は、VMという石炭の加熱前後の質量差分だけではなく、石炭の持つ化学構造に由来しているとの知見を新たに得た。
【0015】
特に、COGの中で発生量の多いメタンや水素については、核磁気共鳴(NMR)法による石炭の化学構造解析と、石炭試料を連続的に2〜10℃/minの昇温速度で、900〜1200℃に昇温したときに発生するガスを成分別に連続的に測定し、加熱温度別に発生ガスの発生パターンを求めるガスモニタリング法によって、これらの発生量が石炭の持つ化学構造に由来していることをより明確に見ることができる。図1には、NMR法から求めた石炭中全炭素に対する−CH3割合と、ガスモニタリング法から求めた石炭単位量当たりのCH4発生量との関係を示すが、両者は相関関係にあり、メタンガス発生量は石炭の持つ化学構造に由来していることが明確である。
【0016】
なお、上記ガス成分以外も、石炭の化学構造に由来して発生するものと考えられるが、熱分解反応のうち酸素の関与する部分や、一次分解的に発生したガスやタールが乾留時にさらに熱分解を受けて生成するガス(二次分解ガス)についても考慮する必要があるため、石炭の化学構造から全てのガスの発生量を予測することは困難である。
【0017】
そこで、本発明者らは、上記知見に基づき鋭意検討した結果、石炭を銘柄別に乾留して、乾留時に発生するガスを簡便なガスモニタリング装置を用いて、ガス成分別に定量的な経時変化をモニタリングし、発生ガス量に関しては、その定量値を装入石炭量に換算して推定し、発生熱量に関しては、各発生ガスの単位体積あたりの熱量から総熱量を求め、装入石炭量に換算することにより推定できることを新たに見出した。
【0018】
すなわち、本発明は、上記知見に基づくものであり、その要旨は以下のとおりである。
(1) 石炭のコークス化工程において得られるコークス炉ガスの発生量と熱量の一方または双方を予測する方法であって、実際のコークス炉内における石炭の最高加熱温度および昇温速度に基づいて、原料の石炭を銘柄別に加熱炉心内で乾燥した不活性ガス気流中で加熱し、発生するガスを成分別に定量するステップと、前記銘柄別石炭の成分別発生ガス量に基づいて、原料の石炭の銘柄別の構成比に応じて、原料の石炭からの発生ガス量を成分別に算出するステップと、前記原料の石炭からの成分別発生ガス量に基づいて、コークス炉ガスの発生量を予測するステップと、前記銘柄別石炭の成分別発生ガス量に、各成分の単位量当たりのガス燃焼熱量を乗じることにより、銘柄別石炭の熱量を求め、原料の石炭の銘柄別の構成比に応じて、原料の石炭の熱量を算出するステップと、前記原料の石炭の熱量に基づいて、コークス炉ガスの熱量を予測するステップ、を含むことを特徴とするコークス炉ガスの発生量および熱量の予測方法。
(2) 前記発生ガス成分として、CH4、C2H6、C2H4の炭化水素、一酸化炭素、二酸化炭素、水素ガスを定量することを特徴とする前記(1)記載のコークス炉ガスの発生量および熱量の予測方法。
(3) 前記発生ガスの定量を、フーリエ変換赤外線吸光分光分析装置と水素センサを組み合わせたシステムで行うことを特徴とする前記(1)または(2)に記載のコークス炉ガスの発生量および熱量の予測方法。
(4) 前記原料の石炭の最高加熱温度が900〜1200℃で、昇温速度が2〜10℃/minであることを特徴とする前記(1)記載のコークス炉ガスの発生量および熱量の予測方法。
(5) 前記銘柄別石炭の成分別発生ガス量と熱量の一方または双方をデータベース化することを特徴とする前記(1)記載のコークス炉ガスの発生量および熱量の予測方法。
(6) 石炭のコークス化工程において得られるコークス炉ガスの発生量と熱量の一方または双方を予測する情報処理方法であって、実際のコークス炉内における石炭の最高加熱温度および昇温速度に基づいて、原料の石炭を銘柄別に加熱炉心内で乾燥した不活性ガス気流中で加熱し、発生するガスを成分別に定量する処理と、前記銘柄別石炭の成分別発生ガス量に基づいて、原料の石炭の銘柄別の構成比に応じて、原料の石炭からの発生ガス量を成分別に算出する処理と、前記原料の石炭からの成分別発生ガス量に基づいて、コークス炉ガスの発生量を予測する処理と、前記銘柄別石炭の成分別発生ガス量に、各成分の単位量当たりのガス燃焼熱量を乗じることにより、銘柄別石炭の熱量を求め、原料の石炭の銘柄別の構成比に応じて、原料の石炭の熱量を算出する処理と、前記原料の石炭の熱量に基づいて、コークス炉ガスの熱量を予測する処理、を実行することを特徴とするコークス炉ガスの発生量および熱量を予測する情報処理方法。
(7) 前記(6)記載の情報処理機能を格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を備えたことを特徴とするコークス炉ガスの発生量および熱量を予測する情報処理装置。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、以下に詳細に説明する。
【0020】
本発明のコークス炉ガス(COG)の定量的な経時変化のモニタリング方法について述べる。
【0021】
図2には、本発明に用いる測定装置の一例を示す。本装置によって、石炭試料加熱により発生するガスの組成、ガス成分別の発生量の定量的な経時変化をモニタリングするとともに、同時にガス化しない成分(タール等)についても回収し質量を測定する。
【0022】
本測定法に用いる石炭試料1の採取量は、測定する石炭の代表性が保証でき、測定時に発生するタールがガス測定に影響を与えない量になるような0.01〜1g程度が好ましい。また試料形状も、代表性の問題から、長辺が100μm以下に粉砕したものを用いることが望ましい。採取した石炭試料1は、石英製などの加熱炉心管2内に装入した後、系内の大気を窒素やアルゴンなどの不活性ガス3で置換し、そのまま不活性ガス気流中で電気炉6などを用いて900〜1200℃の温度範囲まで昇温する。この加熱温度は、実際のコークス炉内での石炭の最高加熱温度に基づくものであり、また、このときの昇温速度は、実際のコークス炉内で石炭が加熱される速度に近い2〜10℃/min程度で行うことが望ましい。
【0023】
石炭の熱分解によりCH4、C2H6、C2H4、CO、CO2、H2、N2、O2等が発生し、発生した各ガスは、不活性ガスにより検出器に導入され、それぞれ成分別に定量される。検出器としては、測定目的成分であるCH4、C2H6、C2H4の炭化水素、CO、CO2、H2の各ガスを同時に連続的に測定できるものを使用すればよい。
【0024】
この測定装置としては、質量分析計のほか、図2に図示するフーリエ変換赤外線吸光分光分析装置(FT−IR:特開2001−83075号公報参照)と水素センサを組み合わせたシステムなどが利用できる。しかし、真空系を用いる質量分析計での検出は、加熱時に発生するタールの処理や煩雑な測定条件の設定などが必要であるなどの点から、常圧で簡便に検出が可能な後者の測定システムを利用することが望ましい。
【0025】
このシステムは、石炭試料を加熱管2内に装入し、50〜100mL/min程度の窒素やアルゴンなどの不活性ガスを流したままで900〜1200℃まで加熱した時に発生する各成分ガスについて、CH4、C2H6、C2H4の炭化水素、およびCO、CO2はFT−IR9で連続的に測定し、H2は水素センサ11により連続的に測定することが可能である。
【0026】
なお、ガスと同時に発生するタールについては、加熱部直後の加熱管2内壁、およびタール回収用のタールトラップ7に付着分の質量を測定し、これらをあわせてタール量とした。
【0027】
COG熱量は、発生ガスの組成別の発生予測量に応じ、それぞれの単位量あたりのガス燃焼熱量(CH4:8570kcal/Nm3、C2H6:15370kcal/Nm3、C2H4:14320kcal/Nm3、CO:3035kcal/Nm3、CO2:0kcal/Nm3、H2:2570kcal/Nm3)を掛けたものを合算することにより求める。
【0028】
表1には、銘柄(A〜E)別の石炭の工業分析による揮発分(VM)と、図2の測定系を用いて、石炭を1000℃まで加熱した際に発生したタール量および発生ガス量の測定結果を示す。表1からわかるように、発生ガスの構成成分別の発生量は石炭の種類毎に異なり、単純に発生前後の質量差だけでは揮発分(VM)の性格付けはできず、従って、VMを基本としたCOG予測方法では、COGの発生量および熱量を正確に予測できないことは明らかである。
【0029】
【表1】
【0030】
これらの発生ガスは、NMRによる石炭構造解析と比較することにより発生メカニズムを予測できる。例えば、−CH3基を多く有する石炭は、熱分解によりCH4を多く発生する。図1には、数種類の銘柄の石炭について調べた結果を示すが、石炭から発生するガス種はその石炭が持つ構造に起因して発生していることが分かる。
【0031】
実際のコークス製造は、一般に複数の石炭を配合して行われるため、COGの発生量および熱量もこれら石炭の配合比に従うものと考えられる。従って、本発明法においては、実際に使用される石炭について、銘柄別に本発明のモニタリング方法で発生ガス量、組成、および熱量を測定し、これらのデータに基づきCOGの発生量および熱量を推定する。さらに、実際に使用される石炭の銘柄別の発生ガス量、組成、および熱量に関する測定値をデータベース化することにより、より簡便にCOGの発生量および熱量を推定することが可能となる。
【0032】
【実施例】
次に、本発明をさらに実施例により説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
【0033】
図2に示す本発明のガスモニタリング装置を用い、石炭試料の、熱分解により発生するガスの組成、成分別のガス発生量をモニタリングし、ガス化しない成分(タール等)についても回収し質量を測定した。
【0034】
石炭試料は、A〜Eの5種類の銘柄のものをそれぞれ粉体として約0.05gを使用し、5℃/minで昇温し、1000℃まで加熱を行った。CH4、C2H6、C2H4の炭化水素、およびCO、CO2ガスはフーリエ変換赤外分光法(FT−IR)で、H2は水素センサで定量した。その結果を表1に示す。
【0035】
次に、表1のデータを基に、実際のコークス製造に用いられる石炭の配合比に従ってコークス炉ガス(COG)発生量を推定し、この本発明法による推定値と、従来の揮発分(VM)を基本とする推定式により得られたデータと、実際のコークス炉から発生するCOGの実績値とを比較した。なお、実測COGの値は1日当たりの量で、このときの石炭配合割合、石炭質量も1日当たりの平均値で換算してある。
【0036】
これらの値を1ヶ月間比較した結果を図3に示す。本発明法は、従来の方法に比べ、COG実績データとよく一致した推移を示し、本発明法によるCOG推定法の定量性が高いことを明確に示している。
【0037】
COG熱量は以下のように求めた。
【0038】
すなわち、発生ガスの組成別の発生予測量に応じ、それぞれの単位量あたりのガス燃焼熱量(CH4:8570kcal/Nm3、C2H6:15370kcal/Nm3、C2H4:14320kcal/Nm3、CO:3035kcal/Nm3、CO2:0kcal/Nm3、H2:2570kcal/Nm3)を掛けたものを合算する。
【0039】
図4に、実績使用石炭量にこれを換算して求めた本発明法によるカロリー推定値と、COGの熱量の実績とを上記図3の集計と同時期の1ヶ月間に渡って比較した結果を示す。両者は、良い一致を示し、本発明法によるCOG熱量の推定が高精度に行えることが示された。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、従来の石炭の加熱前後の質量差分(=揮発分:VM)を基本とした経験的な推定式による予測に比べ、石炭の化学構造を考慮してコークス炉ガス(COG)を推定する方法であることから、精度良く実績COGを予測することが可能となり、その産業上の価値は極めて高いと言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】NMRによる石炭中の−CH3存在割合と、ガスモニタリングによる乾留時に発生した単位石炭量あたりのCH4発生量との関係を示す図である。
【図2】石炭の乾留時に発生する全ガスをモニタリングするシステムの例を示す図である。
【図3】実炉COGの発生量の経時的変化と、本発明法による発生量推定値および従来のVM基本の推定式による発生量推定との関係を示す図である。
【図4】実炉COGの熱量の経時的変化と、本発明法による発生ガス予測から求めたガス熱量予測値との関係を示す図である。
【符号の説明】
1…石炭試料
2…加熱管
3…不活性ガス
4…ガス精製器
5…流量計
6…加熱用管状電気炉
7…タールトラップ
8…FT−IR測定用ガスセル
9…FT−IR
10…FT−IR制御およびデータ処理用コンピュータ
11…水素センサ
Claims (7)
- 石炭のコークス化工程において得られるコークス炉ガスの発生量と熱量の一方または双方を予測する方法であって、
実際のコークス炉内における石炭の最高加熱温度および昇温速度に基づいて、原料の石炭を銘柄別に加熱炉心内で乾燥した不活性ガス気流中で加熱し、発生するガスを成分別に定量するステップと、
前記銘柄別石炭の成分別発生ガス量に基づいて、原料の石炭の銘柄別の構成比に応じて、原料の石炭からの発生ガス量を成分別に算出するステップと、
前記原料の石炭からの成分別発生ガス量に基づいて、コークス炉ガスの発生量を予測するステップと、
前記銘柄別石炭の成分別発生ガス量に、各成分の単位量当たりのガス燃焼熱量を乗じることにより、銘柄別石炭の熱量を求め、原料の石炭の銘柄別の構成比に応じて、原料の石炭の熱量を算出するステップと、
前記原料の石炭の熱量に基づいて、コークス炉ガスの熱量を予測するステップ、
を含むことを特徴とするコークス炉ガスの発生量および熱量の予測方法。 - 前記発生ガス成分として、CH4、C2H6、C2H4の炭化水素、一酸化炭素、二酸化炭素、水素ガスを定量することを特徴とする請求項1記載のコークス炉ガスの発生量および熱量の予測方法。
- 前記発生ガスの定量を、フーリエ変換赤外線吸光分光分析装置と水素センサを組み合わせたシステムで行うことを特徴とする請求項1または2に記載のコークス炉ガスの発生量および熱量の予測方法。
- 前記原料の石炭の最高加熱温度が900〜1200℃で、昇温速度が2〜10℃/minであることを特徴とする請求項1記載のコークス炉ガスの発生量および熱量の予測方法。
- 前記銘柄別石炭の成分別発生ガス量と熱量の一方または双方をデータベース化することを特徴とする請求項1記載のコークス炉ガスの発生量および熱量の予測方法。
- 石炭のコークス化工程において得られるコークス炉ガスの発生量と熱量の一方または双方を予測する情報処理方法であって、
実際のコークス炉内における石炭の最高加熱温度および昇温速度に基づいて、原料の石炭を銘柄別に加熱炉心内で乾燥した不活性ガス気流中で加熱し、発生するガスを成分別に定量する処理と、
前記銘柄別石炭の成分別発生ガス量に基づいて、原料の石炭の銘柄別の構成比に応じて、原料の石炭からの発生ガス量を成分別に算出する処理と、
前記原料の石炭からの成分別発生ガス量に基づいて、コークス炉ガスの発生量を予測する処理と、
前記銘柄別石炭の成分別発生ガス量に、各成分の単位量当たりのガス燃焼熱量を乗じることにより、銘柄別石炭の熱量を求め、原料の石炭の銘柄別の構成比に応じて、原料の石炭の熱量を算出する処理と、
前記原料の石炭の熱量に基づいて、コークス炉ガスの熱量を予測する処理、
を実行することを特徴とするコークス炉ガスの発生量および熱量を予測する情報処理方法。 - 請求項6記載の情報処理機能を格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を備えたことを特徴とするコークス炉ガスの発生量および熱量を予測する情報処理装置。
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