JP4050976B2 - バイオガス変換におけるアンモニア濃度自動管理方法および該方法を用いた有機系廃棄物の処理装置 - Google Patents

バイオガス変換におけるアンモニア濃度自動管理方法および該方法を用いた有機系廃棄物の処理装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バイオガス変換におけるアンモニア濃度自動管理方法および該方法を用いた有機系廃棄物の処理装置に関し、詳しくは、有機系廃棄物を嫌気性微生物で生分解してバイオガスに変換する際の反応を阻害するアンモニアの濃度を自動管理するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、有機系廃棄物の再資源化技術の分野において、特に、嫌気性微生物を用いて有機系廃棄物をメタン発酵させて生成されるバイオガス(メタンと二酸化炭素を含むガス)が、石油等の化石燃料に代替する再生資源として着目されている。
従来より、し尿の中温嫌気性消化処理、洗毛廃液、製薬廃液等の高濃度廃液の高温嫌気性消化処理が実用化されている。
【0003】
有機系廃棄物の処理方法は、家畜糞し尿の処分に関する法律、食料品リサイクル法等々の諸法律の施行に伴ない、3年程前から有機系廃棄物を嫌気性微生物により発酵させてバイオガスに変換させる再資源化の方向に発展している。
特に、養豚糞尿、酪農牛糞し尿、養鶏鶏糞、食品製造廃棄物、家庭生ゴミ等々の有機系廃棄物の嫌気性微生物によるバイオガスへの変換法の確立化はバイオガスのエネルギー利用のため強く要望されている。
【0004】
最近の学術論文、”有機系廃棄物の嫌気消化”−実際における反応因子と平衡(共著:M.Kranert,K.Hillebrecht。出典:国連、高級研究所(日本):http://www.ias.unu.edu/proceedings/icibs/ic〜mfa/hillebrecht/paper.html)によると、多種類のバイオガスの高濃度微生物による短時間の変換、高成分のバイオガス生産のための微生物反応に関する種々な因子、種々な反応物質の平衡状態について詳述されている。
【0005】
嫌気性微生物による有機物の分解過程は、初めに、腐敗菌により有機物質が分解され、種々な有機酸、水素、アルコール、アミノ酸、種々な窒素化合物に変化する第一段階の「酸生成相」と、多種類の酵素や微生物によりさらに分解され、最終的には酢酸、水素とメタン菌とによりメタンガスを含むバイオガスを生産する第二段階の「メタン生成相」とがあり、難分解物質(例えば鶏糞のような廃棄物)は「酸生成相」と「メタン生成相」を分離した二相式中温嫌気性消化法(あるいは二槽式中温嫌気性消化法)が採用されている。
【0006】
なお、種々の有機系廃棄物の嫌気性微生物によるバイオガスへの変換技術の区分として、難分解物質は「酸生成相」と「メタン生成相」より構成されている二相式中温嫌気性消化法が採用され、易分解物質は高温嫌気性消化法が採用されている。前者は、分解消化時間が20日から30日と長期間であり、後者は5日から10日の短期間である。さらにバイオガス排出速度は後者が前者よりも1.5倍くらい迅速であり、廃棄物の分解率は後者のほうが前者よりも多い。
【0007】
【非特許文献1】
“有機系廃棄物の嫌気消化”−実際における反応因子と平衡
(共著:M.Kranert,K.Hillebrecht。出典:国連、高級研究所(日本);http://www.ias.unu.edu/proceedings/icibs/ic〜mfa/hillebrecht/paper.html)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、高成分のバイオガスを安定して生産するためには、発酵槽内の酢酸濃度が一定以下であると、酢酸分子とメタン菌との微生物反応が安定していると判断されるが、有機系廃棄物を構成する窒素化合物が腐敗工程やメタン生成工程でアンモニア分子となり消化槽内のアンモニア濃度が5000ppm以上に増加すると、該アンモニア分子が酢酸分子と結合してしまい、消化液のpHが9くらいに上昇してバイオガス生成の障害となる本質的な問題が発生している。
この現象に対して、水による希釈やアルカリ液による中和などの対策が取られてきたが、何れも本質的な対策には至っておらず、従来法では、上記問題点を未解決のまま操業しているのが現状である。
【0009】
特に、豚糞尿、牛糞尿、鶏糞の中には多くの窒素化合物を含有しており、これらは嫌気性微生物の嫌気性消化反応において高濃度のアンモニアが発生し、バイオガスの生成を抑制することとなる。
図2は、鶏糞の実験室規模の中温嫌気性消化反応の研究で得られた結果のうち、アンモニア濃度とバイオガス発生率との関係を示すグラフであり、該グラフより明らかなように、時間経過により次第にアンモニア濃度が上昇すると共に、バイオガス発生率が減少していることが確認される。
【0010】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、嫌気性微生物による有機系廃棄物の生分解過程において発生するアンモニアがバイオガスの安定生成を阻害しないようにすることを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、有機系廃棄物が空気を遮断した状態で撹拌される発酵槽内で嫌気性微生物により生分解され、メタンと二酸化炭素ガスを含むバイオガスの変換において、上記有機系廃棄物の分解により発生するアンモニア濃度を自動管理する方法であって、
上記発酵槽内の嫌気性消化液を抽出しアンモニア分子を通過させる精密膜で濾過し、濾液中のアンモニア濃度が2000〜5500mg/lの範囲内の一定の閾値以上の場合はアンモニア発散槽に送液してアンモニアを除去する一方、濾液中のアンモニア濃度が上記閾値より低い場合は上記濾液を上記発酵槽に戻し、かつ、上記精密膜を通過しなかった嫌気性消化液も上記発酵槽に戻し、上記発酵槽内のアンモニア濃度を所定以下に管理することを特徴とするバイオガス変換におけるアンモニア濃度自動管理方法を提供している。
【0012】
上記方法によると、有機系物質を嫌気性微生物により生分解してバイオガスに変換する際に、その変換反応を阻害する嫌気性消化液に含有されるアンモニアが高濃度となった場合に適宜除去して、発酵槽内のアンモニア濃度が一定以上にならないように管理することができる。
しかも、嫌気性消化液を濾過槽の精密膜で濾過された濾液のアンモニア濃度が、バイオガス発生率を低下させない閾値より低い場合には、そのまま発酵槽へ戻しているので、嫌気性微生物の活動に必要なアンモニア窒素成分が確保できる。かつ、上記精密膜を通過しなかった嫌気性微生物を含む消化液も発酵槽へ戻しているので、発酵槽における嫌気性微生物の濃度低下も防止できる。
したがって、有機系物質と嫌気性微生物との反応を安定保持して、変動の少ないバイオガスの生産を確保することが可能になる。
【0013】
上記濾液を発酵槽へ戻すか、アンモニア発散槽に送液するかを判断するアンモニア濃度の閾値は、上記したように2000〜5500mg/lの範囲内の値としている。
上記閾値を5500mg/l以上とすると、バイオガス変換反応を阻害する程にアンモニア濃度が高いにも関わらず発酵槽へと上記濾液が戻されてしまうからである。一方、閾値を2000mg/l以下とすると、バイオガス変換反応を大幅には低下させないアンモニア濃度であるにも関わらずアンモニア発散槽に送液されて発酵槽に戻されないので、発酵槽において有機系物質のバイオガス変換に必要な窒素成分を減少させてしまうからである。
よって、上記2000〜5500mg/lの範囲内の値を閾値として用いることで、発酵槽におけるアンモニア濃度の上昇防止とバイオ変換に必要な因子の確保とを両立させた自動運転が可能になる。
【0014】
また、本発明は、有機系廃棄物が分解してメタンと二酸化炭素を含むバイオガスに変換する有機系廃棄物の処理装置において、上記アンモニア濃度管理方法を用いた装置を提供している。該処理装置は、
有機系廃棄物が空気を遮断した状態で嫌気性微生物と撹拌される発酵槽と、
上記発酵槽より抽出された嫌気性消化液が流入する精密膜を有する濾過槽と、
上記濾過槽で濾過された濾液が送液されるアンモニア濃度自動計測器と、
上記濾過槽で上記精密膜を通過しなかった嫌気性消化液が上記発酵槽へ戻される第一返送管と、
上記アンモニア濃度自動計測器で測定される濾液のアンモニア濃度が所定の閾値以上であると、該濾液が送給されるアンモニア発散槽と、
上記アンモニア濃度自動計測器で測定される濾液のアンモニア濃度が上記閾値より低いと上記発酵槽へ濾液を還流する第二返送管を備え
上記アンモニア濃度自動計測器より濾液を導出する管を二股に分岐して、該分岐管の一方を上記アンモニア発散槽に接続する送液管とすると共に、分岐管の他方を発酵槽に接続する上記第二返送管とし、
上記分岐させた送液管に、濾液のアンモニア濃度により開閉する第1開閉弁を介設すると共に、上記第二返送管に第2開閉弁を介設していることを特徴とする。
【0015】
上記のように、アンモニア濃度自動計測器より濾液を導出する管を二股に分岐して、該分岐管の一方を上記アンモニア発散槽に接続する送液管とすると共に、分岐管の他方を発酵槽に接続する上記第二返送管とし、
上記分岐させた送液管に第1開閉弁を介設すると共に、上記第二返送管に第2開閉弁を介設している。上記アンモニア濃度自動計測器からの計測信号により上記第1、2開閉弁を開閉作動させ、上記アンモニア濃度が2000〜5500mg/lの範囲内の一定の閾値以上の場合は第1開閉弁を開、第2開閉弁は閉とする一方、アンモニア濃度が上記閾値より低い場合は第1開閉弁を閉、第2開閉弁は開としている。
【0016】
上記の構成とすると、嫌気性消化液を濾過槽で濾過した濾液のアンモニア濃度が、アンモニア濃度自動計測器により閾値より低いと判断された場合には、開閉信号により上記第1、第2開閉弁が作動して上記第二返送管で発酵槽へ戻し、かつ、上記精密膜を通過しなかった嫌気性微生物を含む嫌気性消化液も第一返送管により発酵槽へ戻しているので、発酵槽における嫌気性微生物の濃度低下の防止ができると共に、嫌気性微生物の活動に必要な窒素成分の低下が防止できる。
【0017】
また、上記アンモニア発散槽はアンモニア分解槽と接続し、アンモニア発散槽では濾液をpH10〜14と調整した後に充填材でアンモニアを気化させ、該アンモニア発散槽から上記アンモニア分解槽に送給されたアンモニアガスを触媒により窒素ガスまで分解して大気に放出する構成としている。
【0018】
上記のように、アンモニア濃度自動計測器により濾液のアンモニア濃度が閾値以上と判断された場合には、上記アンモニア発散槽へと送られ、pHを10〜14とし、充填材を通して濾液中のアンモニアがアンモニアガスに気化している。詳しくは、アンモニア分子は、濾液中では溶解して次のような化学式(1)でアンモニウムイオンとなっている。
(式1)
Figure 0004050976
濾液をアルカリ性にすると、既知の如く、化学平衡によりアンモニウムイオンNH がアンモニア分子NHとなり、飽和濃度以上になるとアンモニアガスとなって濾液より発散する。
上記アンモニア発散槽で気化されたアンモニアガスは、上記アンモニア分解槽に送風され、触媒により窒素ガスまで還元されて安全に大気に放出できる。
【0019】
上記濾過槽内の上記精密膜の孔径は0.1〜0.5μmとし、アンモニア分子を通すが、嫌気性微生物は通さない大きさとしている。
即ち、上記精密膜で濾過されなかった嫌気性微生物の濃縮された消化液を発酵槽へ戻すことで、発酵槽の嫌気性微生物濃度を維持し、安定、且つ、迅速な微生物反応を可能にする。
【0020】
また、上記嫌気性微生物により有機系廃棄物を生分解する発酵槽は、中温嫌気性微生物に適した35〜37℃または高温嫌気性微生物に適した53〜56℃の加熱雰囲気とし、嫌気性微生物の活性化を図り生分解作用を促進させている。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、有機系廃薬物を安定してバイオガスに変換するためのアンモニア濃度自動管理装置の概略図を示す。
【0022】
上記装置は有機系廃棄物が排出される工場等に設置されるもので、該有機系廃棄物が供給される供給路12と、供給路12に接続され有機系廃棄物を空気を遮断した状態で嫌気性微生物と撹拌する発酵槽1と、発酵槽1の嫌気性消化液がポンプ14を介して抽出・送液されると共に内部に精密膜濾過筒3を収納している濾過槽2と、精密膜濾過筒3を通過しなかった消化液を発酵槽1へ戻す第一返送管16と、精密膜濾過筒3を通過した濾液がポンプ15を介して抽出・送液されるアンモニア濃度自動計測器4と、アンモニア濃度自動計測器4より流出された濾液を二方向に振り分ける弁別部18と、アンモニア濃度自動計測器4によりアンモニア濃度が一定の閾値を超えたかどうかを弁別部18に知らせる開閉信号5と、弁別部18によりアンモニア濃度が閾値以上の場合に送液されるアンモニア発散槽8と、弁別部18によりアンモニア濃度が閾値より低い場合に濾液を発酵槽1へ戻す第二返送管17と、アンモニア発散槽8で発散されたアンモニアガスを触媒により窒素ガス10まで分解して大気に放出するアンモニア分解槽9とを備えている。
【0023】
発酵槽1は、雰囲気温度を35℃〜37℃として中温嫌気性微生物と撹拌して有機系廃棄物をメタン発酵させているか、或いは、雰囲気温度を53℃〜66℃として高温嫌気性微生物と撹拌して有機系廃棄物をメタン発酵させている。
メタン発酵は、第一段階の「酸生成相」で、有機系廃棄物が嫌気性微生物により分解され、種々な有機酸、水素、アルコール、アミノ酸、種々な窒素化合物に変化され、第二段階の「メタン生成相」で、多種類の酵素や微生物により更に分解されて酢酸、水素とメタン菌とによりメタンガスを含むバイオガス11が生成される。この際、有機系廃棄物を構成する窒素化合物の一部はアンモニアとなり、嫌気性消化液の中にアンモニア分子とアンモニウムイオンになって溶解している。
【0024】
濾過槽2は、槽内に円筒形状の精密膜濾過筒3を配置した所謂クロスフロー濾過方式であり、精密膜濾過筒3は、濾液を容易に通過できる高分子系基材の表面にポリスルフォンのような有機物を塗布して形成されており、その有孔径は0.3〜0.6μmの細孔としてアンモニア分子を通し、かつ、嫌気性微生物を通さない大きさとしている。本実施形態では0.45μmの細孔を設けている。
【0025】
発酵槽1より濾過槽2に送られる嫌気性消化液は精密膜濾過筒3の外部に流入し、精密膜濾過筒3で濾過されて円筒内部に入った濾液はポンプ15でアンモ二ア濃度自動計測器4に送液される。また、精密膜濾過筒3を通過しなかった円筒外部の嫌気性消化液は第一返送管16で発酵槽1に戻される。
【0026】
アンモニア濃度自動計測器4は、濾液を少量採取計量し、そのpHを10〜14に調節し発生するアンモニアガスをガス透過膜を透過させて0.1モルの塩化アンモニウムに吸収させ、この吸収液のpHを、複合型ガラス電極と変換器でpHを測定し、学術的に既知であるpHとアンモニア濃度との間の関係式からアンモニア濃度を計測している。
【0027】
上記計測した濾液を発酵槽1へ戻すか、アンモニア発散槽8に送液するかを判断するアンモニア濃度の閾値は2000〜5500mg/lの範囲内の値とし、本実施形態では3000mg/lとしている。
【0028】
弁別部18の構成は、アンモニア濃度自動計測器4より濾液を導出する管20を二股に分岐して、一方の分岐管をアンモニア発散槽8に接続する送液管21とすると共に、分岐管の他方を発酵槽1に接続する第二返送管17としている。
上記送液管21に第1開閉弁7を介設すると共に、第二返送管17に第2開閉弁6を介設し、アンモニア濃度自動計測器4からの計測に基づく開閉信号5により第1、第2開閉弁7、6を開閉作動させている。
上記第1、第2開閉弁7、6は電磁弁とし、第2開閉弁6はノーマルオープンとし、第1開閉弁7はノーマルクローズとしている。
【0029】
アンモニア発散槽8では、空気送風部13と小型円筒型充填材(図示せず)と、pH調節部(図示せず)とを備え、pH調節部より濾液に水酸化ナトリウム10%水溶液が添加されてpHを10〜14に調整している。本実施形態では、pHを12に自動調整している。
そして、pHを12とすることにより濾液中のアンモニアがアンモニアガスに気化される。詳しくは、アンモニア分子は、濾液中では溶解して次のような化学式(1)でアンモニウムイオンとなっている。
(式1)
Figure 0004050976
この濾液をpHを12としてアルカリ性にすることで、化学平衡によりアンモニウムイオンNH がアンモニア分子NHとなり、飽和濃度以上になるとアンモニア分子NHが気化され、上記小型円筒型充填材を乱流通液することで益々アンモニア分子NHが気化されアンモニアガスが発散する。そのアンモニアガスは空気送風13と共にアンモニア分解槽9へと運ばれる構成としている。
【0030】
アンモニア分解槽9では、アンモニア発散槽8から送られたアンモニアガスを加熱し、第一段階として300〜450℃で触媒により窒素酸化物にして、第二段階として600〜700℃でチタン系触媒により窒素ガス10まで還元させて大気に放出している。
なお、本実施形態では、上記第一段階の温度は約380℃とし、上記第二段階の温度は約650℃としている。
【0031】
次に、上記装置の作用を説明する。
有機系廃棄物12を発酵槽1へ供給し、嫌気性微生物と共に空気を遮断した状態で撹拌してメタン発酵によりメタンと二酸化炭素を含むバイオガス11へと変換する。
この有機系廃棄物の嫌気性微生物による生分解過程で発生しバイオガス生成を阻害するアンモニアは嫌気性消化液の中に溶解しており、該嫌気性消化液を発酵槽1の底部からポンプ14により抽出して濾過槽2へと送液する。
【0032】
濾過槽2内に流入した嫌気性消化液は精密膜濾過筒3の外表面を流動し、該精密膜濾過筒3内が低減圧状態となることで、外表面から垂直方向に精密膜濾過筒3の内部へと嫌気性消化液が通過して濾液が得られる。この際、嫌気性消化液に存在する嫌気性微生物は既に凝集しており、精密膜濾過筒3の細孔より大きいので通過できなく、嫌気性微生物が除かれアンモニアを含む嫌気性消化液が通過して濾液となる。
なお、このクロスフロー濾過法は、嫌気性消化液の主流は精密膜濾過筒3の外表面を滑るように下から上へ流れるので、精密膜濾過筒3の目詰まりを起こし難い利点がある。
【0033】
上記精密膜濾過筒3を通過しなかった嫌気性微生物を含む嫌気性消化液は第一返送管16を通して発酵槽1へと戻される。一方、濾過された精密膜濾過筒3内部の濾液はポンプ15でアンモニア濃度自動計測器4へ送液され、アンモニア濃度が計測される。
【0034】
アンモニア濃度自動計測器4では、アンモニア濃度が閾値3000mg/lより低い時は、通常状態である第2開閉弁6が開状態で、第1開閉弁7が閉状態のままで、第二返送管17により発酵槽1へと濾液が戻される。一方、閾値3000mg/l以上の場合は、アンモニア濃度計からの開閉信号5が弁別部18に送信され、第2開閉弁6が閉状態とされると同時に第1開閉弁7が開状態とされ、アンモニア発散槽8へ濾液が送液される。
【0035】
アンモニア発散槽8では、濾液に水酸化ナトリウム10%水溶液が添加されてpHを12に自動的調節し、小型円筒型充填材を乱流通水するときに自然にアンモニアガスに気化される。アンモニア発散槽8で気化されたアンモニアガスは外部からの空気送風13に伴なってアンモニア分解槽9に導入される。
このアンモニアガスを含む混合ガスは約380℃に加熱され触媒により窒素酸化物に酸化され、次にチタン系触媒により約650℃の条件下で窒素ガス10にまで還元して安全な状態として大気に放出している。
【0036】
上記装置によると、従来法では発酵槽内からアンモニアを系外に取り出さないままの方法でバイオガスの生成が不安定であったが、本発明によれば発酵槽1内からアンモニアを取り出して適正なアンモニア濃度に自動管理することができるので、メタン発酵反応を安定化させて、バイオガスを安定的に生産することができる。
【0037】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、有機系廃棄物を嫌気性微生物により生分解してバイオガスに変換する際に、その変換反応を阻害するアンモニア濃度が一定以上にならないように自動管理することができる。
また、嫌気性消化液を濾過槽の精密膜で濾過した濾液のアンモニア濃度が、バイオガス発生率を低下させない閾値以下である場合には発酵槽へ戻し、かつ、精密膜を通過しなかった嫌気性微生物を含む嫌気性消化液も発酵槽へ戻しているので、発酵槽における嫌気性微生物の活動に必要な窒素成分および嫌気性微生物の濃度低下も防止することができる。
よって、有機系物質の嫌気性微生物による分解反応が安定化され、変動の少ないバイオガス生産を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 バイオガス変換におけるアンモニア濃度自動管理方法を用いた有機系廃棄物の処理装置の概略図である。
【図2】 嫌気性発酵日数の経過におけるアンモニア濃度の変動およびバイオガス発生率の変動を示すグラフである。
【符号の説明】
1 嫌気性発酵槽
2 濾過槽
3 精密膜濾過筒
4 アンモニア濃度自動計測器
5 開閉信号
6 第2開閉弁
7 第1開閉弁
8 アンモニア発散槽
9 アンモニア分解槽
10 窒素ガス
11 バイオガス
12 有機系廃棄物
13 空気送風
14、15 ポンプ
16 第一返送管
17 第二返送管
18 弁別部

Claims (6)

  1. 有機系廃棄物が空気を遮断した状態で撹拌される発酵槽内で嫌気性微生物により生分解され、メタンと二酸化炭素ガスを含むバイオガスの変換において、上記有機系廃棄物の分解により発生するアンモニア濃度を自動管理する方法であって、
    上記発酵槽内の嫌気性消化液を抽出しアンモニア分子を通過させる精密膜で濾過し、濾液中のアンモニア濃度が2000〜5500mg/lの範囲内の一定の閾値以上の場合はアンモニア発散槽に送液してアンモニアを除去する一方、濾液中のアンモニア濃度が上記閾値より低い場合は上記濾液を上記発酵槽に戻し、かつ、上記精密膜を通過しなかった嫌気性消化液も上記発酵槽に戻し、上記発酵槽内のアンモニア濃度を所定以下に管理することを特徴とするバイオガス変換におけるアンモニア濃度自動管理方法。
  2. 有機系廃棄物が分解してメタンと二酸化炭素を含むバイオガスに変換する有機系廃棄物の処理装置であって、
    有機系廃棄物が空気を遮断した状態で嫌気性微生物と撹拌される発酵槽と、
    上記発酵槽より抽出された嫌気性消化液が流入する精密膜を有する濾過槽と、
    上記濾過槽で濾過された濾液が送液されるアンモニア濃度自動計測器と、
    上記濾過槽で上記精密膜を通過しなかった嫌気性消化液が上記発酵槽へ戻される第一返送管と、
    上記アンモニア濃度自動計測器で測定される濾液のアンモニア濃度が所定の閾値以上であると、該濾液が送給されるアンモニア発散槽と、
    上記アンモニア濃度自動計測器で測定される濾液のアンモニア濃度が上記閾値より低いと上記発酵槽へ濾液を還流する第二返送管を備え
    上記アンモニア濃度自動計測器より濾液を導出する管を二股に分岐して、該分岐管の一方を上記アンモニア発散槽に接続する送液管とすると共に、分岐管の他方を発酵槽に接続する上記第二返送管とし、
    上記分岐させた送液管に、濾液のアンモニア濃度により開閉する第1開閉弁を介設すると共に、上記第二返送管に第2開閉弁を介設していることを特徴とする有機系廃棄物の処理装置。
  3. 記アンモニア濃度自動計測器からの計測信号により上記第1、第2開閉弁を開閉作動させ、上記アンモニア濃度が2000〜5500mg/lの範囲内の一定の閾値以上の場合は第1開閉弁を開、第2開閉弁は閉とする一方、アンモニア濃度が上記閾値より低い場合は第1開閉弁を閉、第2開閉弁は開としている請求項2に記載の有機系廃棄物の処理装置。
  4. 上記アンモニア発散槽はアンモニア分解槽と接続し、
    上記アンモニア発散槽では濾液をpHl0〜14に調整した後に充填材でアンモニアを気化させ、該アンモニア発散槽からアンモニア分解槽に送給されたアンモニアガスを触媒により窒素ガスまで分解して大気に放出する構成としている請求項2または請求項3に記載の有機系廃棄物の処理装置。
  5. 上記濾過槽内の上記精密膜の孔径は0.1〜0.5μmとし、アンモニア分子を通すが、嫌気性微生物は通さない大きさとしている請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の有機系廃棄物の処理装置。
  6. 上記嫌気性微生物により有機系廃棄物を生分解する発酵槽は、35〜37℃または53〜56℃の加熱雰囲気としている請求項2乃至請求項5のいずれか1項に記載の有機系廃棄物の処理装置。
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