JP4050896B2 - 有機性廃棄物の発酵堆肥化方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機性廃棄物の発酵堆肥化方法及び装置に関し、特に家畜の糞尿などの有機性廃棄物を発酵させて分化して堆肥化する装置(含む施設)及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、このような有機性廃棄物の発酵堆肥化には、糞尿などの有機性廃棄物に対して、籾殻、大鋸屑(おがくず)、その他の増量剤を混ぜて、発酵させ堆肥化していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような有機性廃棄物の発酵堆肥化の方法では、籾殻、大鋸屑、その他の増量剤を混ぜなくてはならず、糞尿に混ぜる材料を多量に必要としていた。
【0004】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、簡便で安価な有機性廃棄物の発酵堆肥化方法及び装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、積層された有機性廃棄物を掘り起こし、0.5メートル乃至3メートルの高さまで持ち上げ、持ち上げた有機性廃棄物を、5キログラム以上の有機性廃棄物につき、3秒以上をかけてゆっくりと徐々に落下させ、これらの掘り起こし落下を所定日数ごとまたは所定時間ごとに行って、有機性廃棄物を撹拌し、これにより好気性発酵行わせる。
【0006】
これにより、掘り起こし落下させるという非常に簡単な操作で、有機性廃棄物の水分を蒸発(乾燥)させ、これにより汚水の流出または飛散がなくなり、この結果、好気性発酵が可能とされ、悪臭の発生を防止することができる。 しかも、この有機性廃棄物の発酵堆肥化装置(施設)は、防水/防雨/防雪/防霜/防霧/防露の機能によって、雨水/地下水/雪水/霜水/霧水/露水/水/水分が流れ込む/浸水する/浸入する/入り込むことを防ぐことができ、有機性廃棄物の水分の蒸発(乾燥)が妨害されることがなくなる。
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、底面の防水性シートがほぼ水平に敷かれ、当該底面の防水性シートの周縁にて側面の防水性シートがほぼ垂直状に設けられ、この側面の防水性シートと底面の防水性シートとは防水が保たれるように連結され、底面の防水性シートの上及び側面の防水性シートの中に通常の土壌が数十センチメートルの厚さで積層され、これら底面の防水性シート及び側面の防水性シートによって内部の上記土壌に水分が入るのを防止する発酵槽に対して、上記通常の土壌の上に家畜の糞尿などの有機性廃棄物が数十センチメートルの厚さで積層し、しかもこの有機性廃棄物の厚さは上記通常の土壌の厚さより薄いものであり、 上記発酵槽の上に設置された光透過性及び防水性の屋根によって、上記底面の防水性シート及び側面の防水性シートの中に雨水などの水分が入るのを防止するとともに、上記有機性廃棄物に対して太陽光などの自然光を当てさせ、 上記屋根の周縁と上記側面の防水性シートとの間に設けられた通気部によって、上記発酵槽と外気との換気を行う。
【0008】
これにより、籾殻、大鋸屑、その他の増量剤を混ぜなくても済み、有機性廃棄物を簡便で安価に分解/堆肥化できる。また、有機性廃棄物の発酵堆肥化のための施設も、底面及び側面の防水性シート、通常の土壌、光透過性及び防水性の屋根、通気部、有機性廃棄物を掘り起こし落下させる機構(ショベルカー)だけで済み、施設も簡便かつ安価で済む。さらに、この有機性廃棄物の発酵堆肥化方法は屋外でも行うことができ、作業性も向上し、環境上も優れている。
【0009】
【発明の実施の形態】
(1)有機性廃棄物の発酵堆肥化装置(施設)
図1乃至図3は、有機性廃棄物の発酵堆肥化装置(施設)の外観及び断面を示す。この発酵堆肥化装置(施設)つまり発酵槽1の敷地の大きさは幅及び奥行きは、数十メートル乃至百数十メートル、場合によって数百メートルであり、通常は屋外に設置される。しかし、屋内に設置されてもよい。
【0010】
この設置個所の周囲は畑でかまわない。しかし、設置個所の周囲は、田んぼ、牧場、森林、山林、山、山間、河川付近、河川敷、湖沼付近などでもよい。この設置個所は水平で平坦な箇所である。しかし斜面でもよいし、凹凸のある面でもよい。また設置個所の周囲には日照及び風をさえぎるものが無いほうがよい。有機性廃棄物14の水分の蒸発(乾燥)に支障が生じるからである。
【0011】
上記敷地に対して多数の支柱2が地中から立設されている。この支柱2は幅方向に数メートル乃至十数メートル間隔、例えば12メートル間隔で立設され、奥行き方向で数メートル間隔、例えば5〜6メートル間隔で立設される。この支柱2の下端の地中には建築用ブロックまたはコンクリートの土台が配置されている。
【0012】
これら多数の支柱2の内、いちばん外側の支柱2の外側に沿って防水壁(防水性シート)7が地面に立設され、幾分地中に埋め込まれている。この防水壁(防水性シート)7は、側面の防水性シートとしての役割もあり、発酵槽1の周囲の地表より高く延出され、これにより発酵槽1の周囲の地表から雨水/地下水/雪水/霜水/霧水/露水/水/水分が流れ込む/浸水する/浸入する/入り込むことを防ぐことができ、有機性廃棄物14の水分の蒸発(乾燥)が妨害されることがなくなる。
【0013】
図2の例では、この防水壁7の内側にさらにもう1つ防水壁7が立設されている。むろん、内側の防水壁7又は4外側の防水壁7は省略されてもよい。このように防水壁7を二重にすれば、通気シート10等から降り込んだ雨水/露/霧/雪などを二重の防水壁7の間に貯め込んで排水することができる。これにより、有機性廃棄物14に上記雨水などが染み込んで、有機性廃棄物14から汚水が流出したりまたは飛散したりすることがなくなり、環境上も優れているし、また、有機性廃棄物14の水分の蒸発(乾燥)が妨害されることがなくなる。
【0014】
この防水壁(防水性シート)7の内側は、数十センチメートル例えば40センチメートルの深さに掘り起こされ、底面の防水性シート11がほぼ水平に敷かれ、この底面の防水性シート11の周縁はほぼ直角に上方へ折り曲げられ、側面の防水性シート12となっている。これら底面の防水性シート11及び側面の防水性シート12の中には、通常の土壌13が数十センチメートル例えば40センチメートルの厚さに積層されている。この通常の土壌13の上には有機性廃棄物14、例えば家畜の糞尿、牛糞が、数十センチメートル例えば20センチメートルの厚さに積層されている。
【0015】
これにより、底面の防水性シート11がほぼ水平に敷かれ、当該底面の防水性シート11の周縁にて側面の防水性シート12がほぼ垂直状に設けられ、この側面の防水性シート12と底面の防水性シート11とは防水が保たれるように連結されていることになる。これら底面の防水性シート11及び側面の防水性シート12の防水/防雨/防雪/防霜/防霧/防露の機能によって、上記発酵槽1の中の土壌13及び有機性廃棄物14に、周りの土壌及び地下の土壌から、雨水/地下水/雪水/霜水/霧水/露水/水/水分が流れ込む/浸水する/浸入する/入り込むことを防ぐことができ、有機性廃棄物14の水分の蒸発(乾燥)が妨害されることがなくなる。
【0016】
そして、この有機性廃棄物14の厚さは上記通常の土壌13の厚さより薄い。これにより、有機性廃棄物14に対して、通常の土壌13の中の好気性発酵菌が十分に行き渡り、好気性発酵が十分に行われ、悪臭、汚水の発生を防止できる。このように通常の土壌13を好気性発酵に使用するから、籾殻、大鋸屑(おがくず)、その他の増量剤を混ぜる必要はなくなる。またコンクリートの上に有機性廃棄物14を積層した場合に比べ、通常の土壌13の上に有機性廃棄物14を積層すると、好気性発酵菌の増加速度が速く、この結果、好気性発酵の速度が速くなり、有機性廃棄物14を迅速に分解/堆肥化できる。
【0017】
上記有機性廃棄物14の厚さは上記通常の土壌13の厚さと同じまたは厚くてもよい。この場合は、好気性発酵菌の増加速度が遅くなり、この結果、好気性発酵の速度が遅くなるが、最終的には有機性廃棄物14を分解/堆肥化できる。
【0018】
上記通常の土壌13は、畑の土、牧場の土、田の土、山の土、山林の土、森林の土、河川の土、湖沼池の土、本件発酵堆肥化方法/装置/施設によって有機性廃棄物14を分解堆肥化した土であってもよい。上記有機性廃棄物14は家畜または人間の糞尿、牛糞、豚糞、鳥糞、家庭または工場からの生ごみ、食品性ごみ、植物または動物の廃棄物また排泄物、生物の死骸などであってもよい。
【0019】
上記各支柱2の上端には奥行き方向及び幅方向に奥行き梁3及び幅梁4が掛け渡されている。この奥行き梁3の間隔は上記12メートル間隔となっており、これら奥行き梁3それぞれに湾曲したアーチ状の屋根壁支持棒5が幅方向に多数掛け渡され、蒲鉾状の屋根が形成される。この屋根壁支持棒5のうち、発酵槽1のいちばん外側の端は延長され、上記防水壁7に連結されている。これら屋根壁支持棒5は奥行き方向に延びる奥行き支持棒6に連結され固定されている。この奥行き支持棒6は発酵槽1の屋根部分のほか、発酵槽1のいちばん外側の壁にも設けられている。
【0020】
これら屋根壁支持棒5及び奥行き支持棒6の上には光透過性及び防水性のビニルシート8が覆われ被せられている。このビニルシート8は1枚または複数枚が雨漏りをしないように重ねられて被せられている。このビニルシート8の上には固定針金(固定紐または固定ロープ)9が掛け渡されて押さえつけられ、ちょうど上記屋根壁支持棒5の中間で屋根壁支持棒5に平行に掛け渡されて、端は防水壁7の外側の奥行き支持棒6に連結固定されるとともに、上記奥行き梁3にも連結固定されている。これにより、ビニルシート8が屋根壁支持棒5及び奥行き支持棒6に対して押さえつけられ固定されている。
【0021】
このようなビニルシート8の屋根は、光透過性及び防水性であって、上記底面の防水性シート及び側面の防水性シートの中に雨水などの水分が入るのを防止するとともに、上記有機性廃棄物に対して太陽光などの自然光を当てさせることができる。この然光は太陽からの直接の太陽光、雲の隙間から地表に到達する太陽光、雲を通過してくる太陽光、またはこれらの太陽光の反射光若しくは媒体を通過した太陽光である。
【0022】
このように発酵堆肥化装置/施設の屋根が防水性であるため、屋根は防水/防雨/防雪/防霜/防霧/防露の機能を有し、発酵槽1の中に雨水/地下水/雪水/霜水/霧水/露水/水/水分が流れ込む/浸水する/浸入する/入り込むことを防ぐことができ、有機性廃棄物14の水分の蒸発(乾燥)が妨害されることがなくなる。
【0023】
またこのように発酵堆肥化装置/施設の屋根が光透過性であるため、積層された有機性廃棄物14に対して光を当てることができ、これにより有機性廃棄物14の水分の蒸発(乾燥)を促すことができる。また、有機性廃棄物14に光を当てることにより、好気性発酵菌の増加を促し、好気性発酵の速度を上げることができる。
【0024】
これら多数の支柱2の内、いちばん外側の支柱2の外側に沿って、側面には、網状の通気シート10が取り付けられ、施設/装置の側面が網状の通気シート10で覆われている。この施設/装置の側面に沿って延びる網状の通気シート10の上縁は上記上方の奥行き支持棒6に固定され、通気シート10の下縁は上記下方の防水壁7の外側の奥行き支持棒6に固定されている。この通気シート10の外側にも上記固定針金(固定紐または固定ロープ)9が掛け渡され押さえつけられて、通気シート10が屋根壁支持棒5及び奥行き支持棒6に対して押さえつけられ固定されている。
【0025】
この通気シート10の上縁は上記ビニルシート8の下縁の内側に入り込み、この通気シート10の下縁は上記防水壁7の外側に出ている。したがって、屋根のビニルシート8に降り注いだ雨水などは通気シート10に伝わって流れることがなくなり、また風などによって通気シート10に当たった雨水が防水壁7の内側に流れ込むことがなくなる。しがって、発酵槽1の中に、雨水/地下水/雪水/霜水/霧水/露水/水/水分が流れ込む/浸水する/浸入する/入り込むことを防ぐことができ、有機性廃棄物14の水分の蒸発(乾燥)が妨害されることがなくなる。
【0026】
このような通気シート10は、上記屋根のビニルシート8の周縁と上記側面の防水性シート12または防水壁7との間に設けられた通気部の役目を果たす。このような通気シート10によって、上記発酵槽1の中の有機性廃棄物14または土壌13と外気との換気を行うことができるし、自然風が発酵槽1の中に入り込み、有機性廃棄物14の水分の蒸発(乾燥)と、好気性発酵をより促進することができる。この結果、扇風機や換気装置を設けなくても済む。
【0027】
このような通気シート10は、網体であるから、通気/換気を行うとともに、上記有機性廃棄物14に対して太陽光などの自然光を当てさせることができる。またこのように通気シート10は、網状で光透過性があるため、積層された有機性廃棄物14に対して光を当てることができ、これにより有機性廃棄物14の水分の蒸発(乾燥)を促すことができる。また、有機性廃棄物14に光を当てることにより、好気性発酵菌の増加を促し、好気性発酵の速度を上げることができる。
【0028】
上記発酵堆肥化装置/施設の正面には出入り口15が設けられ、ダンプカー/トラックなどによって、有機性廃棄物14が搬入される。この出入り口15の部分の通気シート10は別体とされ、巻き上げ棒によって巻き上げられ、ダンプカー/トラックの出入りに支障がないようになっている。また、上記奥行き梁3の上の上記ビニルシート8の凹んだ溝の上には排水樋20が設けられ、ビニルシート8の上に降った雨水などが排水される。
【0029】
図3に示すように、蒲鉾形の各屋根の間の谷間には上述のように排水樋20が固定されている。この排水樋20の下には上記ビニルシート8及び固定針金(固定紐または固定ロープ)9が挟み込みまたは排水樋20の重みによって押さえつけられている。
【0030】
以上のように、防水性及び光透過性のビニルシート8の屋根、底面及び側面の防水性シート11、12及び光回透過性及び通気性のある通気シート10などによって、防水/防雨/防雪/防霜/防霧/防露の機能が発揮され、発酵槽1内の有機性廃棄物14に雨水/地下水/雪水/霜水/霧水/露水/水/水分が流れ込む/浸水する/浸入する/入り込むのを防止でき、有機性廃棄物14に上記雨水などが染み込んで、有機性廃棄物14から汚水が流出したりまたは飛散したりすることがなくなり、環境上も優れているし、また、上述したように、有機性廃棄物14の水分の蒸発(乾燥)が妨害されることがなくなる。
【0031】
(2)有機性廃棄物14の掘り起こし落下
図4は、発酵槽1の中に設置される小型のパワーショベルカー16を示す。このパワーショベルカー16によって、積層された有機性廃棄物14が掘り起こされ落下される。この場合、パワーショベルカー16のバケット17の中に有機性廃棄物14が取り込まれ、0.5メートル乃至3メートルの高さ例えば1.5メートルの高さまで持ち上げられ、バケット17が少しずつ徐々に切り換えされ、バケット17の中の有機性廃棄物14が、数回例えば5回に分けて落下される。
【0032】
図5はバケット17の傾きをコントロールするバケットレバー18であり、このバケットレバー18には当該バケットレバー18を間欠的に動くように許容する間欠プレート19が設けられている。この間欠プレート19によって、バケットレバー18を間欠的に動かすことができ、バケット17の中の有機性廃棄物14が、数回に分けて順次落下される。
【0033】
この有機性廃棄物14の掘り起こし落下によって、有機性廃棄物14の表面の浅い部分と深い部分とが入れ替わって切り返しができ、有機性廃棄物14が十分に撹拌され、有機性廃棄物14が優しく揉みほぐされ、有機性廃棄物14の中に空気が十分に混入され、有機性廃棄物14の中の空気が均一かつ十分に入れ替わる。これにより有機性廃棄物14の水分がよく蒸発(乾燥)し、好気性発酵を十分に行わせることができる。
【0034】
落下の高さは0.5メートル乃至5メートルであり、望ましくは1メートル乃至3メートルの高さであり、より望ましくは1.5メートル乃至2メートルである。落下の高さが高いほど、有機性廃棄物14がより十分に撹拌され、有機性廃棄物14がより優しく揉みほぐされ、有機性廃棄物14の中に空気がより十分に混入され、有機性廃棄物14の中の空気がより均一かつ十分に入れ替わる。しかし、落下の高さが高いほど掘り起こし落下の作業は難しくなる。
【0035】
図8は、有機性廃棄物14の水分含有量と重さとに対する落下に費やすべき時間の変化を示す。上記落下/切り返し/撹拌/揉みほぐし、特に落下にあたっては、上記有機性廃棄物14は、5キログラム以上の有機性廃棄物14につき、3秒以上をかけてゆっくりと徐々に落下される。望ましくは、5kgの有機性廃棄物14で3秒乃至5秒望ましくは約4秒、10kgの有機性廃棄物14で3秒乃至6秒望ましくは約4.5秒、15kgの有機性廃棄物14で3秒乃至7秒望ましくは約5秒、20kg以上の有機性廃棄物14で3秒乃至8秒望ましくは5.5秒、30kg以上の有機性廃棄物14で3秒乃至9秒望ましくは6秒、40kg以上の有機性廃棄物14で3秒乃至10秒望ましくは7秒、5kg以下の有機性廃棄物14で3秒乃至4秒望ましくは約3.5秒である。
【0036】
これにより、有機性廃棄物の中に空気がさらに十分に混入され、有機性廃棄物の中の空気がさらに均一かつ十分に入れ替わる。むろん、落下させる時間は10秒以上でもよいし、3秒以下でもよい。例えば5キログラム以上の有機性廃棄物14につき、2.5秒以上、2秒以上、1.5秒以上をかけてゆっくりと徐々に落下されてもよい。
【0037】
このように落下時間に幅があるのは、有機性廃棄物14の水分含有量によって落下時間を変更しなくてはならないためである。水分含有量が多いほど、落下時間は長くなり、水分含有量が少ないほど、落下時間は短くなる。また、有機性廃棄物14の量が多いほど、落下時間は長くなり、有機性廃棄物14の量が少ないほど、落下時間は短くなる。
【0038】
また、有機性廃棄物14は複数回に分けて分割落下され、この分割落下回数は、数回、望ましくは4〜6回、より望ましくは5回である。有機性廃棄物14の分割落下回数が多いほど、有機性廃棄物14がより十分に撹拌され、有機性廃棄物14がより優しく揉みほぐされ、有機性廃棄物14の中に空気がより十分に混入され、有機性廃棄物14の中の空気がより均一かつ十分に入れ替わる。しかし、落下の回数が多いほど落下の作業は難しくなる。
【0039】
このように落下回数に幅があるのは、有機性廃棄物14の水分含有量によって落下回数を変更しなくてはならないためである。水分含有量が多いほど、落下回数は多くなり、水分含有量が少ないほど、落下回数は少なくなる。また、有機性廃棄物14の量が多いほど、落下回数は多くなり、有機性廃棄物14の量が少ないほど、落下回数は少なくなる。
【0040】
上記掘り起こし落下/切り返し/撹拌/揉みほぐしにあたっては、有機性廃棄物14を揺らしながら、振りながら、揺動させながらまたは振動させながら、落下/切り返し/撹拌/揉みほぐしされる。この場合、パワーショベルカー16のバケット17を支えるアームが揺動または振動される。これにより、有機性廃棄物14の中に空気がさらに十分に混入され、有機性廃棄物14の中の空気がさらに均一かつ十分に入れ替わる。
【0041】
このような有機性廃棄物14の掘り起こし落下/切り返し/撹拌/揉みほぐしは、所定日数ごとまたは所定時間ごとに行われる。例えば、このような掘り起こし落下は、2日乃至7日ごと、望ましくは3日乃至6日ごと、より望ましくは4日乃至5日ごとに行われる。
【0042】
また、上記掘り起こし落下/切り返し/撹拌/揉みほぐしは、一日の中では比較的気温の高い正午から午後2時付近、比較的湿度の低い午後1時から午後3時付近、または太陽光線の光量が多い正午ごろの時間帯に行われる。さらに、上記掘り起こし落下/切り返し/撹拌/揉みほぐしは、雨天、降雪、霧、霜のある日よりは、曇天の日に行われ、さらに曇天の日よりは快晴の日に行われる。有機性廃棄物14の乾燥がより促されるからである。
【0043】
上記掘り起こし落下/切り返し/撹拌/揉みほぐしによって、有機性廃棄物14の水分は蒸発(乾燥)し、これにより有機性廃棄物14の水分は70重量%以下となり、この結果、汚水の流出または飛散がなく、しかも好気性発酵が可能となり、この好気性発酵によって悪臭が発生しなくなる。
【0044】
上記分解前/堆肥化前の有機性廃棄物14の水分は95重量%乃至85重量%例えば90重量%であり、分解前/堆肥化前の有機性廃棄物14は流動性を有していて、ゾル状またはゲル状である。上記掘り起こし落下/切り返し/撹拌/揉みほぐしによって、有機性廃棄物14の水分が70重量%ないし60重量%以下になると、好気性発酵が始まる。
【0045】
この好気性発酵によって有機物から無機物への発酵分解が進み、炭酸ガスと水分が分離され、この好気性発酵による発熱によって、水分はさらに蒸発(乾燥)する。水分が少なくなると、有機物も無機物に分解される。分解後/堆肥化後の有機性廃棄物14の水分は70重量%乃至10重量%例えば32.5重量%となる。水分が32.5重量%付近になると、これ以上水分の蒸発(乾燥)及び好気性発酵はあまり進まなくなる。むろん、太陽光線が当たり続ければさらに水分の蒸発(乾燥)は進む。
【0046】
なお、上記パワーショベルカー16の無限軌道(キャタピラ)はゴム製でもよいが、金属製が望ましい。金属製であれば、有機性廃棄物14の上をパワーショベルカー16がスリップする(滑る)ことがなくなる。
【0047】
(3)有機性廃棄物14の掘り起こし落下/切り返し/撹拌/揉みほぐしの間隔日数
図6は、平均気温または平均湿度の変化に対する、有機性廃棄物14の掘り起こし落下/切り返し/撹拌/揉みほぐしの間隔日数を示す。この平均気温または平均湿度は、1日当たりのもの、午前中当たりのもの、午後当たりのもの、日中当たりのもの、夜間当たりのもの、2日当たりのもの、3日当たりのもの、4日当たりのもの、5日当たりのもの、6日当たりのもの、1週間あたりのものなどどのようなものでもよい。以下も同じである。
【0048】
これによれば、有機性廃棄物14の掘り起こし落下/切り返し/撹拌/揉みほぐしの間隔日数は、分解/堆肥化時の平均気温または平均湿度の変化に応じて変化する。すなわち、有機性廃棄物14の掘り起こし落下/切り返し/撹拌/揉みほぐしの間隔日数は、分解/堆肥化時の平均気温が高くなるほど短くなり、逆に平均気温が低くなるほど長くなる。また、有機性廃棄物14の掘り起こし落下/切り返し/撹拌/揉みほぐしの間隔日数は、分解/堆肥化時の平均湿度が低くなるほど短くなり、逆に平均湿度が高くなるほど長くなる。
【0049】
(4)有機性廃棄物14の分解/堆肥化所要日数
図7は、平均気温または平均湿度の変化に対する、有機性廃棄物14の分解/堆肥化所要日数を示す。これによれば、有機性廃棄物14の分解/堆肥化所要日数は、分解/堆肥化時の平均気温または平均湿度の変化に応じて変化する。すなわち、有機性廃棄物14の分解/堆肥化所要日数は、分解/堆肥化時の平均気温が高くなるほど短くなり、逆に平均気温が低くなるほど長くなる。また、有機性廃棄物14の分解/堆肥化所要日数は、分解/堆肥化時の平均湿度が低くなるほど短くなり、逆に平均湿度が高くなるほど長くなる。
【0050】
図7の例によれば、平均気温30℃乃至24℃及び平均湿度50%乃至70%で2週間乃至3週間で有機性廃棄物14は分解/堆肥化される。平均気温24℃乃至18℃及び平均湿度50%乃至70%で3乃至4週間で有機性廃棄物14は分解/堆肥化される。平均気温18℃乃至12℃及び平均湿度50%乃至70%で4乃至5週間で有機性廃棄物14は分解/堆肥化される。平均気温12℃乃至6℃及び平均湿度50%乃至70%で5乃至6週間で有機性廃棄物14は分解/堆肥化される。平均気温6℃乃至0℃及び平均湿度50%乃至70%で6乃至7週間で有機性廃棄物14は分解/堆肥化される。
【0051】
そして、この図7の特性は、平均湿度が低くなるほど、有機性廃棄物14の分解/堆肥化所要日数は短くなる。また、この図7の特性は、平均湿度が高くなるほど、有機性廃棄物14の分解/堆肥化所要日数は長くなる。一方、上述したように、有機性廃棄物14の分解/堆肥化所要日数は、分解/堆肥化時の平均気温が高くなるほど短くなり、分解/堆肥化時の平均湿度が低くなるほど短くなる。これらを総合すると、有機性廃棄物14の1回の分解/堆肥化における上記掘り起こし落下/切り返し/撹拌/揉みほぐしの合計回数は、平均気温または平均湿度の変化にかかわらず、7回乃至10回のほぼ一定回数となる。
【0052】
本発明は上記実施例に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、有機性廃棄物14の掘り起こし落下/切り返し/撹拌/揉みほぐしにあたっては、有機性廃棄物14ばかりでなく、通常の土壌13までも巻き込んで掘り起こし落下/切り返し/撹拌/揉みほぐしをしてもよい。
【0053】
上記防水壁7は、防水できれば、プレート、シート、カバーなどの形態でもよく、材質は木材、合成樹脂、金属などでもよい。この防水壁7は、側面の防止性シート12が延出されたものでもよい。屋根のビニルシート8は、透明ガラス、透明アクリル樹脂、透明合成樹脂などの透明体、半透明体または光透過性のない材質でもよい。通気シート10は、網状のほか、メッシュ状、縦簾状、横簾状、透明ガラスの鎧戸状、透明アクリル樹脂の鎧戸状、透明合成樹脂の鎧戸状などの通気性のある透明体または通気性のある半透明体、光透過性のない材質の鎧戸状など、通気性があればどのようなものでもよい。発酵槽1の形状は方形状のほか、円形、三角形、その他の多角形、直線及び/または曲線で囲まれた形状でもよい。
【0054】
上記パワーショベルカー16は、パワーリフト、フォークリフトなどでもよく、有機性廃棄物14を掘り起こし落下/切り返し/撹拌/揉みほぐしできれば何でもよい。例えば、自動的に掘り起こし落下/切り返し/撹拌/揉みほぐしをさせる機械でもよく、この機械はバケットの多数付いた無限軌道を備え、有機性廃棄物14を自動的に所定の高さまで掘り起こし、自動的にゆっくりと徐々に落下させ、自動的に発酵槽1の中を移動し、上記図6の間隔日数ごとに、この掘り起こし落下の作業を行う。さらに、上記防水壁7と側面の防水性シート12との間に万が一入り込んだ雨水等を排出する排水路を設けてもよい。
【0055】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明は、積層された有機性廃棄物を掘り起こし、0.5メートル乃至3メートルの高さまで持ち上げ、持ち上げた有機性廃棄物を、5キログラム以上の有機性廃棄物につき、3秒以上をかけてゆっくりと徐々に落下させ、これらの掘り起こし落下を所定日数ごとまたは所定時間ごとに行って、有機性廃棄物を撹拌させ、これにより好気性発酵行わせる。
【0056】
したがって、掘り起こし落下させるという非常に簡単な操作で、有機性廃棄物の水分を蒸発(乾燥)させ、これにより汚水の流出または飛散がなくなり、この結果、好気性発酵が可能とされ、悪臭の発生を防止することができる等の効果を奏する。
【0057】
また、この有機性廃棄物の発酵堆肥化装置(施設)は、防水/防雨/防雪/防霜/防霧/防露の機能によって、雨水/地下水/雪水/霜水/霧水/露水/水/水分が流れ込む/浸水する/浸入する/入り込むことを防ぐことができ、有機性廃棄物の水分の蒸発(乾燥)が妨害されることがなくなる等の効果を奏する。
【0058】
また、本発明は、底面の防水性シートがほぼ水平に敷かれ、当該底面の防水性シートの周縁にて側面の防水性シートがほぼ垂直状に設けられ、この側面の防水性シートと底面の防水性シートとは防水が保たれるように連結され、底面の防水性シートの上及び側面の防水性シートの中に通常の土壌が数十センチメートルの厚さで積層され、これら底面の防水性シート及び側面の防水性シートによって内部の上記土壌に水分が入るのを防止する発酵槽に対して、上記通常の土壌の上に家畜の糞尿などの有機性廃棄物が数十センチメートルの厚さで積層し、しかもこの有機性廃棄物の厚さは上記通常の土壌の厚さより薄いものであり、 上記発酵槽の上に設置された光透過性及び防水性の屋根によって、上記底面の防水性シート及び側面の防水性シートの中に雨水などの水分が入るのを防止するとともに、上記有機性廃棄物に対して太陽光などの自然光を当てさせ、 上記屋根の周縁と上記側面の防水性シートとの間に設けられた通気部によって、上記発酵槽と外気との換気を行う。
【0059】
したがって、籾殻、大鋸屑、その他の増量剤を混ぜなくても済み、有機性廃棄物を簡便で安価に分解/堆肥化できる等の効果を奏する。 また、有機性廃棄物の発酵堆肥化のための施設も、底面及び側面の防水性シート、通常の土壌、光透過性及び防水性の屋根、通気部、有機性廃棄物を掘り起こし落下させる機構(ショベルカー)だけで済み、施設も簡便かつ安価で済む等の効果を奏する。 さらに、この有機性廃棄物の発酵堆肥化方法は屋外でも行うことができ、作業性も向上し、環境上も優れている等の効果を奏する。
【0060】
本発明の上記通気部は網体であって、通気/換気を行うとともに、上記有機性廃棄物に対して太陽光などの自然光を当てさせるものである。これにより、有機性廃棄物に自然風が当たり、外気との換気を行うことができ、有機性廃棄物14に自然光が当たって、有機性廃棄物の水分を早く蒸発(乾燥)させることができ、扇風機/換気装置などが不要になる。
【0061】
本発明の上記側面の防水性シートは、発酵槽の周囲の地表より高く延出され、これにより発酵槽の周囲の地表から雨水などの水が浸入するのを防ぐ。これにより、有機性廃棄物の水分蒸発(乾燥)に支障が生じない。
【0062】
本発明の上記自然光は太陽からの直接の太陽光、雲の隙間から地表に到達する太陽光、雲を通過してくる太陽光、またはこれらの太陽光の反射光若しくは媒体を通過した太陽光である。これにより有機性廃棄物の乾燥を安価に行え、好気性発酵を促すことができる。
【0063】
本発明の上記有機性廃棄物は家畜または人間の糞尿、牛糞、豚糞、鳥糞、家庭または工場からの生ごみ、食品性ごみ、植物または動物の廃棄物また排泄物、生物の死骸である。これにより、このような廃棄物を有効に再利用出る。
【0064】
本発明の上記掘り起こし落下によって、有機性廃棄物の水分は蒸発(乾燥)し、これにより有機性廃棄物の水分は70重量%以下となり、この結果、汚水の流出または飛散がなく、しかも好気性発酵が可能となり、この好気性発酵によって悪臭が発生しない。
【0065】
本発明の上記堆肥化前の有機性廃棄物の水分は95重量%乃至85重量%であり、堆肥化前の有機性廃棄物は流動性を有するゾル状またはゲル状であり、堆肥化後の有機性廃棄物の水分は70重量%乃至10重量%であり、堆肥化後の有機性廃棄物は好気性発酵によって無機物に分解される。分解/堆肥化されれば水分が少ないので分解堆肥化された有機性廃棄物の運搬に便利である。
【0066】
本発明の上記掘り起こし落下は、一日の中では比較的気温の高い、比較的湿度の低いまたは太陽光線の光量が多い時間帯に行われる。これにより、有機性廃棄物の水分をより早く蒸発(乾燥)させることができる。
【0067】
本発明の上記有機性廃棄物の落下において、有機性廃棄物の水分含有量が多いほど、落下時間は長くなり、水分含有量が少ないほど、落下時間は短くなり、また、有機性廃棄物の量が多いほど、落下時間は長くなり、有機性廃棄物の量が少ないほど、落下時間は短くなる。これにより、そのときの有機性廃棄物の水分含有量/重さにあった最適な空気混入を行うことができ、最も短い時間で作業できる。
【0068】
本発明の上記有機性廃棄物の落下において、有機性廃棄物は数回に分けて落下される。これにより、有機性廃棄物の中に空気がさらに十分に混入され、有機性廃棄物の中の空気がさらに均一かつ十分に入れ替わる。
【0069】
本発明の有機性廃棄物の水分含有量が多いほど、落下回数は多くなり、水分含有量が少ないほど、落下回数は少なくなり、また、有機性廃棄物の量が多いほど、落下回数は多くなり、有機性廃棄物の量が少ないほど、落下回数は少なくなる。これにより、そのときの有機性廃棄物の水分含有量/重さにあった最適な空気混入を行うことができ、最も短い時間で作業できる。
【0070】
本発明の上記掘り起こし落下にあたっては、有機性廃棄物を揺らしながら、振りながら、揺動させながらまたは振動させながら、掘り起こし落下/切り返し/撹拌/揉みほぐしされる。これにより、有機性廃棄物の中に空気がさらに十分に混入され、有機性廃棄物の中の空気がさらに均一かつ十分に入れ替わる。
【0071】
本発明の上記掘り起こし落下は、2日乃至7日ごと、望ましくは3日乃至6日ごと、より望ましくは4日乃至5日ごとに行われる。これにより、有機性廃棄物の水分蒸発(乾燥)/好気性発酵が断絶することなく程良い状態で継続され、しかも掘り起こし落下を余分に無駄に行ってしまうことがない。
【0072】
本発明の平均気温または平均湿度の変化に応じて、上記掘り起こし落下の間隔日数は変動する。これにより、有機性廃棄物の水分蒸発(乾燥)/好気性発酵が断絶することなく、平均気温または平均湿度に対して最適な状態で継続され、しかも掘り起こし落下を余分に無駄に行ってしまうことがない。
【0073】
本発明の有機性廃棄物の1回の分解/堆肥化における上記掘り起こし落下の合計回数は、平均気温または平均湿度の変化にかかわらずほぼ一定である。これにより、有機性廃棄物の水分蒸発(乾燥)/好気性発酵が断絶することなく、平均気温または平均湿度に対して最適な状態で継続され、しかも掘り起こし落下を余分に無駄に行ってしまうことがない。
【0074】
本発明の上記有機性発酵物の堆肥化は無機物への分解であり、平均気温30℃乃至24℃及び平均湿度50%乃至70%で2週間乃至3週間で分解/堆肥化され、平均気温24℃乃至18℃及び平均湿度50%乃至70%で3乃至4週間で分解/堆肥化され、平均気温18℃乃至12℃及び平均湿度50%乃至70%で4乃至5週間で分解/堆肥化され、平均気温12℃乃至6℃及び平均湿度50%乃至70%で5乃至6週間で分解/堆肥化され、平均気温6℃乃至0℃及び平均湿度50%乃至70%で6乃至7週間で分解/堆肥化される。これにより、有機性廃棄物の水分蒸発(乾燥)/好気性発酵が断絶することなく、平均気温または平均湿度に対して最適な状態で継続され、しかも掘り起こし落下を余分に無駄に行ってしまうことがない。
【0075】
本発明の平均気温または平均湿度の変化に応じて分解/堆肥化の所要日数は変動するものである。これにより、有機性廃棄物の水分蒸発(乾燥)/好気性発酵が断絶することなく、平均気温または平均湿度に対して最適な状態で継続され、しかも掘り起こし落下を余分に無駄に行ってしまうことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 有機性廃棄物の発酵堆肥化装置/施設の外観を示す。
【図2】 有機性廃棄物の発酵堆肥化装置/施設の部分断面を示す。
【図3】 有機性廃棄物の発酵堆肥化装置/施設の部分断面を示す。
【図4】 有機性廃棄物の発酵堆肥化装置/施設の中に設置されたパワーショベルカー16を示す。
【図5】 バケット17の傾きをコントロールするバケットレバー18及びこのバケットレバー18を間欠的に動くように許容する間欠プレート19を示す。
【図6】 平均気温または平均湿度の変化に対する、有機性廃棄物14の掘り起こし落下/切り返し/撹拌/揉みほぐしの間隔日数を示す。
【図7】 平均気温または平均湿度の変化に対する、有機性廃棄物14の分解/堆肥化所要日数を示す。
【図8】 有機性廃棄物14の水分含有量と重さとに対する、有機性廃棄物14の落下に費やすべき時間の変化を示す。
【符号の説明】
1…発酵槽、2…支柱、3…奥行き梁、4…幅梁、5…屋根壁支持棒、6…奥行き支持棒、7…防水壁、8…ビニルシート(屋根)、9…固定針金(固定紐または固定ロープ)、10…通気シート(通気部)、11…底面の防水性シート、12…側面の防水性シート、13…通常の土壌、14…有機性廃棄物、15…出入り口、16…パワーショベルカー、17…バケット、18…バケットレバー、19…間欠プレート、20…排水樋。
Claims (3)
- 底面の防水性シートがほぼ水平に敷かれ、当該底面の防水性シートの周縁にて側面の防水性シートがほぼ垂直状に設けられ、この側面の防水性シートと底面の防水性シートとは防水が保たれるように連結され、底面の防水性シートの上及び側面の防水性シートの中に通常の土壌が数十センチメートルの厚さで積層され、これら底面の防水性シート及び側面の防水性シートによって内部の上記土壌に水分が入るのを防止する発酵槽に対して、上記通常の土壌の上に家畜の糞尿などの有機性廃棄物が数十センチメートルの厚さで積層し、しかもこの有機性廃棄物の厚さは上記通常の土壌の厚さより薄いものであり、
上記発酵槽の上に設置された光透過性及び防水性の屋根によって、上記底面の防水性シート及び側面の防水性シートの中に雨水などの水分が入るのを防止するとともに、上記有機性廃棄物に対して太陽光などの自然光を当てさせ、
上記屋根の周縁と上記側面の防水性シートとの間に設けられた通気部によって、上記発酵槽と外気との換気を行わせ、
上記積層された有機性廃棄物を掘り起こし、0.5メートル乃至3メートルの高さまで持ち上げ、持ち上げた有機性廃棄物を、5キログラム以上の有機性廃棄物につき、3秒以上をかけてゆっくりと徐々に落下させ、これらの掘り起こし落下を所定日数ごとまたは所定時間ごとに行って、有機性廃棄物を撹拌し、これにより好気性発酵を行わせ、
上記有機性廃棄物の堆肥化前の水分量は95重量%乃至85重量%であり、堆肥化後の水分量は70重量%乃至10重量%であり、 有機性廃棄物の堆肥化前の水分量が多いほど、上記1回の落下に費やす時間を長くするとともに、当該1回の落下において分けて落下される分割落下回数を増やし、 有機性廃棄物の堆肥化前の水分量が少ないほど、同1回の落下に費やす時間を短くするとともに、同分割落下回数を減らし、
上記有機性廃棄物を堆肥化している間の平均気温が低いほどまたは平均湿度が高いほど、上記掘り起こし落下の間隔日数を長くし、同平均気温が高いほどまたは同平均湿度が低いほど、上記掘り起こし落下の間隔日数を短くし、 しかも当該有機性廃棄物の堆肥化までの上記掘り起こし落下の合計回数は、同平均気温または同平均湿度の変化にかかわらずほぼ一定とすることを特徴とする有機性発酵物の発酵堆肥化方法。 - 底面の防水性シートがほぼ水平に敷かれ、当該底面の防水性シートの周縁にて側面の防水性シートがほぼ垂直状に設けられ、この側面の防水性シートと底面の防水性シートとは防水が保たれるように連結され、底面の防水性シートの上及び側面の防水性シートの中に通常の土壌が数十センチメートルの厚さで積層され、これら底面の防水性シート及び側面の防水性シートによって内部の上記土壌に水分が入るのを防止し、上記通常の土壌の上に家畜の糞尿などの有機性廃棄物が数十センチメートルの厚さで積層され、しかもこの有機性廃棄物の厚さは上記通常の土壌の厚さより薄い発酵槽と、
この発酵槽の上に設置された光透過性及び防水性の屋根であって、上記底面の防水性シート及び側面の防水性シートの中に雨水などの水分が入るのを防止するとともに、上記有機性廃棄物に対して太陽光などの自然光を当てさせる屋根と、
この屋根の周縁と上記側面の防水性シートとの間に設けられた通気部であって、上記発酵槽と外気との換気を行わせる通気部と、
上記積層された有機性廃棄物を掘り起こし、0.5メートル乃至3メートルの高さまで持ち上げ、持ち上げた有機性廃棄物を、5キログラム以上の有機性廃棄物につき、3秒以上をかけてゆっくりと徐々に落下させ、これらの掘り起こし落下を所定日数ごとまたは所定時間ごとに行って、有機性廃棄物を撹拌し、これにより好気性発酵を行わせる掘り起こし落下装置であって、
上記有機性廃棄物の堆肥化前の水分量は95重量%乃至85重量%であり、堆肥化後の水分量は70重量%乃至10重量%であり、 当該掘り起こし落下装置は、 有機性廃棄物の堆肥化前の水分量が多いほど、上記1回の落下に費やす時間が長くするとともに、当該1回の落下において分けて落下される分割落下回数が増やし、 有機性廃棄物の堆肥化前の水分量が少ないほど、同1回の落下に費やす時間が短くされるとともに、同分割落下 回数が減らすものであり、
さらに上記掘り起こし落下装置は、 上記有機性廃棄物を堆肥化している間の平均気温が低いほどまたは平均湿度が高いほど、上記掘り起こし落下の間隔日数を長くし、同平均気温が高いほどまたは同平均湿度が低いほど、上記掘り起こし落下の間隔日数が短くし、 しかも当該有機性廃棄物の堆肥化までの上記掘り起こし落下の合計回数は、同平均気温または同平均湿度の変化にかかわらずほぼ一定とするものであることを特徴とする有機性発酵物の発酵堆肥化装置。 - 上記掘り起こし落下は、2日乃至7日ごと、望ましくは3日乃至6日ごと、より望ましくは4日乃至5日ごとに行われ、
平均気温30℃乃至24℃及び平均湿度50%乃至70%で2週間乃至3週間で分解/堆肥化され、平均気温24℃乃至18℃及び平均湿度50%乃至70%で3乃至4週間で分解/堆肥化され、平均気温18℃乃至12℃及び平均湿度50%乃至70%で4乃至5週間で分解/堆肥化され、平均気温12℃乃至6℃及び平均湿度50%乃至70%で5乃至6週間で分解/堆肥化され、平均気温6℃乃至0℃及び平均湿度50%乃至70%で6乃至7週間で分解/堆肥化され、
平均気温または平均湿度の変化に応じて分解/堆肥化の所要日数は変動するものである請求項1記載の有機性発酵物の発酵堆肥化方法。
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