JP4050278B2 - ガラス基板用搬送ボックス - Google Patents

Description

本発明は、非常に清浄なガラス基板用の搬送ボックスに関し、より詳しくは、使い捨て支持ボードおよび無塵バッグを有するガラス基板用搬送ボックスに関する。

ガラス基板は、ＬＣＤ、カラーフィルタおよび同様な製品を製造するための非常に重要な材料である。ＬＣＤを製造する際、ガラス基板の品質は、歩留りに対して重大な影響を有する。そのため、ガラス基板のメーカは、高品質ガラス基板を製造するのみでなく、搬送の際にガラス基板を保護し、ガラス基板の汚染を防ぐことも要求される。したがって、搬送ボックスは、耐衝撃性、防塵性および防水性を必要としており、低い熱伝導率、低い圧縮変形性、良好な衝撃強さ、良好な寸法安定性、低い吸湿性などを有している。

従来のガラス基板用搬送ボックスは、ポリオレフィン発泡体から形成される本体部およびカバー部を有し、当該ポリオレフィン発泡体は、３〜３０倍の発泡率を有し、その厚みは、１５〜１００ｍｍであり、本体部の一対の相対する直立側壁は、ガラス基板を保持するための複数の溝部を有する（例えば、特許文献１および特許文献２参照。）。
米国特許第５５８８５３１号明細書 特開平７−１３２９８６号公報

しかし、当該ガラス基板用搬送ボックスは、製造するのに高価であり、また、再利用は、高コストの洗浄（クリーニング）を必要とする。洗浄プロセスは、クリーンルームにおける水洗浄およびマニュアル式有機溶剤洗浄（脱脂）を含んでいる。再利用洗浄プロセスのために、ガラス基板のメーカは、多数の搬送ボックスを在庫として保持することが必要であり、搬送コストが高くなっている。さらに、搬送ボックスの再利用の増加に伴って、搬送ボックスの表面は、ダストを生成し、ガラス基板を汚染する虞があるため、搬送ボックスの耐用年数が減少する。したがって、前記問題が緩和および／または除去された搬送ボックスを提供することは、好ましい。

本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、搬送の際に、非常に清浄なガラス基板の品質の完全性を、確保し得る搬送ボックスを提供することを目的とする。

上記目的を達成するための本発明は、
長方形の内部空間、４つの直立側壁によって定義される上部開口部および底面を備えた直立のボックス本体部を有するガラス基板用搬送ボックスであって、
無塵バッグと、第１および第２支持ボードと、カバー部とをさらに有し、
前記第１および第２支持ボードの各々は、ガラス基板の端部を支持するための複数の平行の溝部を有し、
前記無塵バッグは、前記ボックス本体部の内部に配置され、
前記無塵バッグの開口部は、前記ボックス本体部の上部開口部に相対し、
前記無塵バッグの開口部の端部は、前記４つの直立側壁の上部端部の上方に配置され、
前記第１および第２支持ボードは、前記無塵バッグの内部に、前記溝部が互いに相対するように平行に配置され、前記ボックス本体部と前記第１および第２支持ボードとの間の前記無塵バッグと共に、前記ボックス本体部に固定されており、
前記第１および第２支持ボードの複数の溝部は、複数のガラス基板の２つの端部を、平行に保持するため複数の溝部ペアを形成し、
前記無塵バッグの開口部の端部は、折り重ねられ、前記無塵バッグの内部に配置される複数のガラス基板を密封し、
前記カバー部は、前記密封の後において、前記ボックス本体部に配置され、前記ボックス本体部の上部開口部を覆う
ことを特徴とするガラス基板用搬送ボックスである。

好ましくは、前記ボックス本体部の２つの相対する直立側壁は、２対の連結溝部を有し、前記第１および第２支持ボードは、前記ボックス本体部と前記第１および第２支持ボードとの間に位置する無塵バッグと共に、前記連結溝部に挿入され、残りの２つの直立側壁にそれぞれ接触する。

好ましくは、本発明に係る搬送ボックスは、前記第１および第２支持ボードと同一の第３支持ボードをさらに有している。前記第３支持ボードは、前記無塵バッグの内部に配置され、かつ前記ボックス本体部の底面と前記第３支持ボードとの間に位置する無塵バッグと共に、前記ボックス本体部の底面に位置決めされる。前記第３支持ボードの平行な複数の溝部は、前記無塵バッグの開口部に相対しており、複数の前記ガラス基板の平行な底部端部を保持するために使用される。

好ましくは、第１および第２支持ボードは、長方形あるいは面取りされた長方形である。

好ましくは、第３支持ボードは、長方形あるいは面取りされた長方形である。

上記のように構成した本発明によれば、搬送の際に、非常に清浄なガラス基板の品質の完全性を、確保し得る搬送ボックスを提供することが可能である。

なお、本発明の他の目的、利点および新規な特徴は、添付の図面を参照し、以下の詳細な説明から、より明らかとなるだろう。

以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。

本発明に係るガラス基板用搬送ボックスは、ＬＣＤ用ガラス基板の搬送ボックスとして適用可能である。搬送ボックスは、ボックス本体部と、ボックス本体部の内部に配置される無塵（dust-free）バッグと、ボックス本体部の溝部に挿入され、無塵バッグを固定するための第１および第２支持ボード（２つの支持ボード）とを有する。ガラス基板が搬送ボックスの無塵バッグに配置されると、無塵バッグは密封され、カバー部がボックス本体部の上部に配置されることで、パッキングプロセスは完了する。

ボックス本体部、第１および第２支持ボードおよびカバー部は、ポリオレフィン発泡体から形成される。ポリオレフィン発泡体は、低いダスト量を有するポリプロピレンなどからなり、適当な製造方法が、米国特許第５５８８５３１号明細書に開示されている。

本発明に係る無塵バッグは、光デバイスを運搬するために使用されるパッキング袋であり、無塵プラスチック材（主に、ポリエチレン樹脂）から形成され、市場において商業的に入手可能であり、市販されている。

搬送の目的地において、ガラス基板を取り外した後で、ボックス本体部を、ガラス基板のメーカに返却し、清浄にすることが可能であり、新規な無塵バッグおよび新規な支持ボードを、ボックス本体部に再び配置することができる。無塵バッグおよび支持ボードの交換は、約１０〜１５秒だけが必要である。無塵バッグおよび支持ボードは、各回において交換することが可能であるため、搬送ボックスの繰返しの洗浄によるダスト問題は、引き起こされない。

図１は、本発明の実施の形態に係るガラス基板用搬送ボックスを説明するための斜視図である。本実施の形態において、搬送ボックスは、長方形のボックス本体部１０およびカバー部２０を有する。カバー部２０は、直立のボックス本体部１０の上部開口部１１を覆うために使用され、複数の平行なガラス基板を保持するための長方形の密閉内部空間を形成する。

搬送ボックスは、無塵バッグ３０および３つの支持ボード（第１、第２および第３支持ボード）４０をさらに有する。各支持ボード４０は、平行なガラス基板の端部を支持するための複数の溝部４１を有する。無塵バッグ３０は、ボックス本体部１０に配置される。無塵バッグ３０の開口部３１およびボックス本体部１０の上部開口部１１は、上方に向いている。無塵バッグ３０の開口部３１の端部３２は、ボックス本体部１０の４つの直立側壁１２の上部端部の上方に配置される。

第１および第２支持ボード（２つの支持ボード）４０は、無塵バッグ３０の内部で平行に配置され、その溝部４１（図中右側に位置する第１および第２支持ボード４０の一方における溝部４１は、示されていない）は、互いに相対している。また、第１および第２支持ボード４０は、ボックス本体部１０と第１および第２支持ボード４０との間に位置する無塵バッグ３０と共に、ボックス本体部１０の２つの端部に位置する連結溝部１５に締結（固定）されている。したがって、第１および第２支持ボード４０上の複数の溝部４１は、複数のガラス基板（不図示）の２つの端部を平行に保持のための複数の溝部ペアを形成する。

第３支持ボード（残りの支持ボード）４０は、無塵バッグ３０の内部で水平に位置決めされ、その溝部４１は、上方に向いており、ボックス本体部１０の内部底面１３と第３支持ボード４０との間に位置する無塵バッグ３０と共に、ボックス本体部１０の内部底面１３上に、配置される。

さらに、水平に配置される第３支持ボード４０における２つの長辺は、ボックス本体部１０と第３支持ボード４０との間に位置する無塵バッグ３０と共に、ボックス本体部１０の２つの直立側壁１２の底面部位と接触する。無塵バッグ３０および水平に配置される第３支持ボード４０における２つの短辺は、ボックス本体部１０に配置される２対の直立条片部（strip）１４によって制限される。

第１、第２および第３支持ボード４０は、同一のサイズおよび形状を有し、溝部４１は、ボックス本体部１０を均一に分割する仮想鉛直面に関し、互いに対称である。そのため、ガラス基板の左端、右端および底部端部は、同一平面上にある第１、第２および第３支持ボード４０の溝部４１に、挿入することが可能である。換言すれば、多数のガラス基板を、ボックス本体部１０の内部において、垂直かつ分離して（一定の間隔で）、収容することが可能である。水平に配置される第３支持ボード４０を省略する場合においても、明らかに、同じ目的を達成することが可能であるが、ガラス基板が安定しない虞がある。

多数のガラス基板が、第１、第２および第３支持ボード４０の溝部４１に保持された後において、無塵バッグ３０の開口部３１の端部３２を、折り重ね、テープによって密封することが可能である。したがって、多数のガラス基板が、無塵バッグの内部に密封される。カバー部２０がボックス本体部１０に載置されることで、パッキングプロセスは完了する。したがって、ガラス基板は、搬送の際、清浄な状態に保たれる。

以上のように、本発明に係るガラス基板用搬送ボックスは、搬送の際のガラス基板の完全性を確保するだけでなくて、搬送ボックスのボックス本体部のための簡易な構造を提供し、成形型のコストを削減し、また、支持ボードの製造は、比較的容易である。支持ボードおよび無塵バッグは、製造コストが比較的低く、かつ製造が容易であるため、使い捨て材料としてリサイクルすることが可能である。そのため、クリーンルームにおける高価かつ複雑な有機溶剤洗浄プロセスの必要性を避けることができる。

したがって、本発明は、従来のガラス基板用搬送ボックスにおいては必要とされた洗浄プロセスのための運転費および資本コストを避けることが可能である。さらに、本発明は、クリーンルームにおける上記洗浄プロセスの省略に起因するガラス基板用搬送ボックスの利用準備（アレンジメント）を、向上させることができる。

なお、本発明は、好ましい実施の形態に関して説明されているが、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々改変や修正することができることは、理解される。

本発明の実施の形態に係るガラス基板用搬送ボックスを説明するための斜視図である。

符号の説明

１０・・ボックス本体部、
１１・・上部開口部、
１２・・直立側壁、
１３・・内部底面、
１５・・連結溝部、
２０・・カバー部、
３０・・無塵バッグ、
３１・・開口部、
３２・・端部、
４０・・第１〜第３支持ボード、
４１・・溝部。

Claims (5)

1. 長方形の内部空間、４つの直立側壁によって定義される上部開口部および底面を備えた直立のボックス本体部を有するガラス基板用搬送ボックスであって、
   無塵バッグと、第１および第２支持ボードと、カバー部とをさらに有し、
   前記第１および第２支持ボードの各々は、ガラス基板の端部を支持するための複数の平行の溝部を有し、
   前記無塵バッグは、前記ボックス本体部の内部に配置され、
   前記無塵バッグの開口部は、前記ボックス本体部の上部開口部に相対し、
   前記無塵バッグの開口部の端部は、前記４つの直立側壁の上部端部の上方に配置され、
   前記第１および第２支持ボードは、前記無塵バッグの内部に、前記溝部が互いに相対するように平行に配置され、前記ボックス本体部と前記第１および第２支持ボードとの間の前記無塵バッグと共に、前記ボックス本体部に固定されており、
   前記第１および第２支持ボードの複数の溝部は、複数のガラス基板の２つの端部を、平行に保持するため複数の溝部ペアを形成し、
   前記無塵バッグの開口部の端部は、折り重ねられ、前記無塵バッグの内部に配置される複数のガラス基板を密封し、
   前記カバー部は、前記密封の後において、前記ボックス本体部に配置され、前記ボックス本体部の上部開口部を覆う
   ことを特徴とするガラス基板用搬送ボックス。
2. 前記ボックス本体部の２つの相対する直立側壁は、２対の連結溝部を有し、前記第１および第２支持ボードは、前記ボックス本体部と前記第１および第２支持ボードとの間に位置する無塵バッグと共に、前記連結溝部に挿入され、残りの２つの直立側壁にそれぞれ接触する
   ことを特徴とする請求項１に記載のガラス基板用搬送ボックス。
3. 前記第１および第２支持ボードと同一の第３支持ボードをさらに有しており、
   前記第３支持ボードは、前記無塵バッグの内部に配置され、かつ前記ボックス本体部の底面と前記第３支持ボードとの間に位置する無塵バッグと共に、前記ボックス本体部の底面に位置決めされ、
   前記第３支持ボードの平行な複数の溝部は、前記無塵バッグの開口部に相対しており、複数の前記ガラス基板の平行な底部端部を保持するために使用されることを特徴とする請求項１又は請求項２に記載のガラス基板用搬送ボックス。
4. 前記第１および第２支持ボードは、長方形あるいは面取りされた長方形であることを特徴とする請求項１または請求項２に記載のガラス基板用搬送ボックス。
5. 前記第３支持ボードは、長方形あるいは面取りされた長方形であることを特徴とする請求項３に記載のガラス基板用搬送ボックス。

Images