JP4049681B2 - 無線信号伝送システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,所定の移動経路上を移動する移動側アンテナとその移動経路方向に沿って複数配置される固定側アンテナとの間で一方向又は双方向に無線信号の伝送を行う無線信号伝送システムに関し,特に,列車やモノレール等に設けられる移動側アンテナと列車の線路方向に沿って複数配置される固定側アンテナとの間での無線信号の伝送を行う際に好適な無線信号伝送システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年,移動する列車の中にある端末(乗客の所有するモバイル機器等)からインターネット網等の外部ネットワークに接続してブロードバンド通信(双方向の信号伝送)を行ったり,所定のセンター局から各列車の中にある端末に各種デジタル情報を配信(一方向の信号伝送)したりするために用いる無線信号伝送システムの普及が要求されている。このような無線信号伝送システムでは,列車(移動体)に搭載されて列車とともに移動するアンテナ(以下,移動側アンテナという)と該移動側アンテナの移動経路方向に沿って(即ち,線路の方向に沿って)複数配置されるアンテナ(以下,固定側アンテナという)との間で,一方向又は双方向の無線信号の伝送を行うことが有効である。
従来,例えば非特許文献1には,列車にはアンテナを備えた移動側の無線LAN装置(以下,移動側無線LAN装置という)を設け,鉄道(列車の移動経路)の沿線には所定間隔で配置されアンテナを備えた無線LAN装置(以下,固定側無線LAN装置という)を複数配置し,前記移動側無線LAN装置といずれかの前記固定側無線LAN装置との間で無線通信(無線信号の伝送)を行うシステムが示されている。ここで,前記固定側無線LAN装置相互間においては,ADSLを用いて通信接続を行なうよう構成されるとともに,このADSLは駅で中継されてインターネット等の外部ネットワークに接続される。そして,前記固定側無線LAN装置は,通信状態に関する情報を相互にやり取りすることにより,通信状態が最適である前記固定側無線LAN装置が前記移動側無線LAN装置と通信を行なうよう構成されている。これにより,列車が移動しても前記固定側無線LAN装置の切り替え(ハンドオフ)時に瞬間的にリンク(通信接続)が切れるものの,基本的には継続して無線通信(双方向の無線信号伝送)が行なえることが開示されている。
ここで,列車が走行中(移動中)に継続して信号伝送を行うためには,前記固定側無線LAN装置のアンテナ(前記固定側アンテナの一例)は,それぞれの通信可能な領域を隣り合うアンテナ間でオーバラップして配置する必要があった。非特許文献1によれば,この設置間隔は500mとしている。通常,無線LANの通信規格であるIEEE802.11bに準拠した無線LAN装置は,ごく短距離の通信を想定したTDD方式の装置であり,使用するアンテナゲインと送信パワーにもよるが通信距離はせいぜい周囲300m程度の範囲内に限定される。従って,適切なハンドオフを行える条件,即ち,前記移動側無線LAN装置が前記固定側無線LAN装置の1つと通信中に,そのリンクが切れないうちに次の前記固定側無線LAN装置との通信が可能となる範囲に入るような前記固定側無線LAN装置(前記固定側アンテナ)の配置条件として,設置間隔を500mとすることは妥当なものと考えられる。
【0003】
【非特許文献1】
高速移動体へのIPネットワーク実現に向けて 平14年鉄道技術連合シンポジウムJ-RAIL2002 S5-1-1
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,鉄道の沿線は通常数十km以上,新幹線などに至っては数百〜千kmにも及び,500mごとに前記固定側無線LAN装置を設置することは多大な機器及び設置コストがかかるという問題点があった。
また,前記固定側無線LAN装置の設置間隔を広げるために無線信号の送信電力を増大させることも考えられるが,そうすることは近隣の他の無線通信への干渉が生じ,出力規制(法規制)もあるため好ましくない。
さらに,前記固定側無線LAN装置は伝送信号をバッファリングして所定の処理や判断を行いながら信号伝送を行うものである場合に,直列的に配置された多数の前記固定側無線LAN装置間で伝送信号を順次中継伝送するシステムに適用した場合には,前記固定側無線LAN装置の数が増えるほど信号伝送の遅延時間が大きくなり,通信品質に影響を与えるという問題点もあった。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,所定の移動経路上を移動する移動側アンテナ(移動側無線装置が備えるもの)とその移動経路方向に沿って複数配置される固定側アンテナ(固定側無線装置が備えるもの)との間で一方向又は双方向に無線信号の伝送を行う無線信号伝送システムにおいて,固定側アンテナの配置間隔を極力長くとって固定側アンテナの設置数を減らすことが可能な無線信号伝送システムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は,所定の移動経路上を移動する移動側アンテナと前記移動経路方向に沿って複数配置される固定側アンテナとの間で一方向又は双方向に無線信号の伝送を行う無線信号伝送システムにおいて,前記移動側アンテナが前記移動経路方向に間隔を設けて配置され前記固定側アンテナとの間で所定の伝送可能範囲において無線信号の伝送が可能な複数の移動側単位アンテナからなり,前記固定側アンテナそれぞれが,隣り合う前記固定側アンテナとの間で前記伝送可能範囲が重ならず,かつ隣り合う前記固定側アンテナにおける前記伝送可能範囲相互の前記移動側アンテナの移動方向における間隔が該移動方向最上流側及び最下流側の前記移動側単位アンテナの間隔以下となるよう配置され,前記移動側単位アンテナそれぞれが,前記固定側アンテナそれぞれの前記移動方向における前記伝送可能範囲の長さ以下の間隔で配置されてなることを特徴とする無線信号伝送システムとして構成されるものである。
これにより,前記移動側単位アンテナのいずれかが,常に固定側アンテナのいずれかとの間で前記伝送可能範囲内に存在することになる。従って,前記移動側アンテナが移動しても,該移動側アンテナと前記固定側アンテナとの間で継続的に信号伝送を行うことが可能となる。
さらに,隣り合う前記固定側アンテナにおける前記通信可能範囲相互の前記移動方向における間隔を,前記移動側アンテナが設けられる移動体(列車等)の全長近くまで長くとることができるので,前記固定側アンテナの配置数を少なくすることができる。
【0006】
また,前記移動側アンテナと前記固定側アンテナとの相対位置を検出する位置検出手段を具備するものであれば,以下のような応用が可能となる。
例えば,前記位置検出手段による検出結果に基づいて使用する前記固定側アンテナを選択する固定側アンテナ選択手段を具備するものが考えられる。
これにより,通信に不要な前記固定側アンテナによる信号伝送(電波放射)を停止することが可能となり,無駄な電波放射を防止することができる。
また,前記位置検出手段による検出結果に基づいて使用する前記移動側単位アンテナを選択する移動側単位アンテナ選択手段を具備するものも考えられる。
これにより,前記固定側アンテナに最も近い前記移動側単位アンテナを選択すること等が可能となり,信号伝送品質の高い良好な状態を維持することが可能となる。
また,前記位置検出手段としては,前記移動側アンテナとともに移動するものが考えられる。これにより,GPSや前記移動側アンテナが搭載される移動体(列車等)が通常備える移動(走行)距離検出手段や移動速度検出手段(速度計)を利用した位置検出が可能となる。もちろん,発信器等を前記移動体側アンテナ又はそれを移動させる移動体に設けてその移動を固定側から追跡する等の構成であってもかまわない。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態及び実施例について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態及び実施例は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は本発明の実施の形態に係る無線信号伝送システムXの概略構成を表す平面図,図2は本発明の実施の形態に係る無線信号伝送システムXにおける列車内の通信システムの構成及びアンテナの配置関係を表す概略図,図3は本発明の実施例に係る無線信号伝送システムにおける列車内の通信システムの概略構成を表す図,図4は本発明の実施例に係る無線信号伝送システムにおいて使用する車上単位アンテナが切り替わる様子を模式的に表した図,図5は本発明の実施例に係る無線信号伝送システムにより地上ノードの選択を行う場合と地上ノードの選択を行わない場合とにおける伝送信号の流れを模式的に表した図である。
【0008】
まず,図1及び図2(a)を用いて,本発明の実施の形態に係る無線信号伝送システムXの概略構成について説明する。
無線信号伝送システムXは,図1に示すように,線路1上を移動する列車2に取り付けられることにより線路1に沿った所定の移動経路1a上を移動する無線通信装置である車上ノード20と,該車上ノード20の前記移動経路1a方向に沿って複数配置される無線通信装置である地上ノード30と,該地上ノード30相互間における有線又は無線の信号伝送手段である中継リンク40と,該中継リンク40と外部ネットワークであるインターネットとの間の信号伝送を中継するセンタ装置50とを具備している。
前記中継リンク40は,例えば,100BaseFX規格の長距離伝送向けの光ファイバによるネットワークやその他無線通信手段等を用いることができる。
前記地上ノード30は,前記中継リンク40の終端機器であるスイッチングHUB33と,無線アンテナ32(ロッドアンテナ)を備え前記車上ノード20との無線LAN通信(図中,無線アクセスリンクと表す)を行うための無線LANアクセスポイント31とを具備している。該無線LANアクセスポイント31が備える無線アンテナを以下,地上アンテナ32(前記固定側アンテナの一例)という。前記スイッチングHUB33は,前記中継リンク40を流れる通信パケット(伝送信号)を分岐して前記無線LANアクセスポイント31に伝送し,前記無線LANアクセスポイント31から伝送されてくる通信パケットを前記中継リンク40に伝送する。
前記センタ装置50は,駅等に設置され,前記中継リンク40とインターネットとの接続を中継するものである。さらに,列車の運行状況や各種サービスに関するデジタルコンテンツを前記端末24に向けて配信する機能も有する。
【0009】
前記車上ノード20は,図2(a)に示すように,前記移動経路1a方向に間隔を空けて配置された複数の車上単位アンテナNa,Nb,Nc(前記移動側単位アンテナの一例)と,該車上単位アンテナNa,Nb,Ncそれぞれと接続された無線LAN通信装置である車上無線LAN装置21とを具備している。ここで,前記車上単位アンテナNa,Nb,Ncを総称して車上アンテナ22(前記移動側アンテナの一例)ということとする。
前記車上無線LAN装置21は,スイッチングHUB23に接続され,該スイッチングHUB23には,当該列車2の乗客が使用する複数の端末24が接続される。この接続は,図2(a)では,10Base−Tで接続するよう図示しているが,これに限るものでなく,他の有線又は無線により通信接続するよう構成してもかまわない。
また,本無線信号伝送システムXにおける前記車上ノード22では,複数の前記車上単位アンテナNa,Nb,Ncそれぞれにより受信された伝送信号が合成されて前記車上無線LAN装置21に入力され,該車上無線LAN装置21から送信される伝送信号は複数の前記車上単位アンテナNa,Nb,Ncそれぞれに分岐出力されるよう構成されている。
前記地上ノード30における前記地上アンテナ32と前記車上単位アンテナNa,Nb,Ncそれぞれとは,相互に所定の通信可能範囲w(前記伝送可能範囲の一例)内に存在する場合に無線信号の伝送が可能である。
このような構成により,前記端末24それぞれが,前記スイッチングHUB23,前記車上無線LAN装置21,前記車上単位アンテナNa,Nb,Nc,前記地上アンテナ32,前記無線LANアクセスポイント31,前記スイッチングHUB33,前記中継リンク40及び前記センタ装置50を介してインターネットに接続する(即ち,信号伝送する)ことが可能となる。
ここで,前記車上アンテナ22が,複数の前記車上単位アンテナNa,Nb,Ncからなるため,図2(a)又は図2(b)に示すように,一つの前記地上アンテナ32の前記通信可能範囲w内に複数の前記車上単位アンテナが存在することが発生しうる。この場合,同一の伝送信号を複数の前記車上単位アンテナで受信することになり,いわゆるマルチパスフェージングが発生し得るが,伝送信号の変調方式としてマルチパスフェージングの影響を受けにくいとされるOFDM等を採用し,これに対応した通信機器を用いれば,位相のずれた複数の伝送信号を受信した場合でも正常に復調して通信を行うことが可能である。
【0010】
次に,図2(a),(b)を用いて,各アンテナの配置関係について説明する。
まず,前記地上アンテナ32それぞれ(図2(a)では,NG2で表すものを指す)は,図2(a)に示すように,隣りの他の前記地上アンテナ32との間で前記伝送可能範囲wが重ならず,かつ前記車上アンテナ22の移動方向1bにおける最上流側(列車の最後尾側)の前記車上単位アンテナNaが前記移動方向1b上流側隣りの前記地上アンテナ32(図2(a)では,NG1で表すものを指す)に対して前記通信可能範囲の最も前記移動方向1b下流側の位置P1にあるときに,前記移動方向1bにおける最下流側の前記車上単位アンテナNc(列車の最先頭側)に対して前記通信可能範囲w内となる間隔で配置される。
即ち,前記地上アンテナ32それぞれが,隣り合う前記地上アンテナ32との間で前記通信可能範囲wが重ならず,かつ隣り合う前記地上アンテナ32における前記通信可能範囲w相互の前記移動方向1bにおける間隔wxが,前記移動方向1b最上流側及び最下流側の前記車上単位アンテナNa,Ncの間隔wac以下となるよう配置される。
【0011】
また,前記車上単位アンテナNa,Nb,Ncそれぞれは,図2(b)に示すように,前記移動方向1b下流側の隣りの他の前記車上単位アンテナ(ここでは,Naに対するNb又はNbに対するNcのことを指す)が前記地上アンテナ32それぞれに対して前記通信可能範囲wの最も前記移動方向1b下流側の位置P3にあるときに,該地上アンテナ32に対して前記伝送可能範囲w内となる間隔で配置される。
即ち,前記車上単位アンテナNa,Nb,Ncそれぞれが,前記地上アンテナ32それぞれの前記移動方向1bにおける前記通信可能範囲wの長さ以下の間隔w0で配置される。
このようなアンテナの配置構成により,前記車上単位アンテナNa,Nb,Ncのいずれかが,常に前記地上アンテナ32のいずれかとの間で前記通信可能範囲w内に存在することになる。これにより,列車2が移動しても,前記地上ノード30側のハンドオフを適切に行えば,前記端末24は継続的にインターネット接続することが可能となる。
また,隣り合う前記地上アンテナ32における前記通信可能範囲w相互の前記移動方向1bにおける間隔wxを,ほぼ列車2全体の長さ(前記移動方向1b最上流側及び最下流側の前記車上単位アンテナNa,Ncの間隔に近い長さ)近くまで長くとることができるので,前記地上アンテナ32の配置数を少なくすることができる。
【0012】
例えば,前記移動方向1bにおける前記通信可能範囲wを500m(前記移動方向1b上流側・下流側にそれぞれ250m),列車2の全長を400m(=25m/1車両×16車両)とすると,前記地上アンテナ32は,約900m間隔で設置すればよいことになる。これは,非特許文献1に示される設置間隔500mの1.8倍にもなり,従来よりも大幅に設置間隔を長くとることができる。これを,1000kmの線路1の沿線に配置したとすると,従来は約2000個の前記地上アンテナ32が必要であるのに対し,本無線信号伝送システムXでは,約1111個の前記地上アンテナ32を配置するだけで済む。これにより,無線信号の送信電力を増大させることなく前記地上アンテナ32の設置数(所定距離当たりの設置数)を減らすことができ,省資源化(省コスト化)につながる。さらに,伝送信号を前記無線LANアクセスポイント31でバッファリングする場合には,バッファリングの回数が減ることで,信号伝送の遅延時間が大幅に短縮され,通信品質への影響を小さくできるという効果も奏する。これらの効果は,列車2の全長が長いほど顕著となる。
ここで,図2には,3個の前記車上単位アンテナNa,Nb,Ncを設けた例を示したが,これに限るものでなく,2個或いは4個以上設けるものも考えられる。例えば,上述したように前記移動方向1bにおける前記通信可能範囲wが上流側・下流側にそれぞれ250m,列車2の全長が400mである場合(即ち,列車2の全長が前記移動方向1bにおける前記通信可能範囲wの長さ以下である場合)には,列車の最後尾部と最先頭部に前記車上単位アンテナNa,Ncを2個設ければ,該車上単位アンテナNa,Ncのいずれかが,常に前記地上アンテナ32のいずれかとの間で前記通信可能範囲w内に存在することになる。また,相対的に列車2の全長が長く,前記通信可能範囲wが狭い場合には,前記車上単位アンテナの数を増やせばよい。
また,本実施の形態では,インターネット接続のための双方向の信号伝送(通信)について説明したが,これに限るものでなく,例えば,駅から所定のデジタルコンテンツを配信(放送)する場合のように一方向の信号伝送に本発明を適用することも可能である。
【0013】
【実施例】
前記無線信号伝送システムXでは,前記車上ノード20は,複数の前記車上単位アンテナNa,Nb,Ncそれぞれによる伝送信号を合成(受信)又は分岐(送信)するものであったが,複数の前記車上単位アンテナNa,Nb,Ncから使用するものを選択するよう構成された実施例について説明する。
図3は,本発明の実施例に係る無線信号伝送システムにおける列車内の通信システムの概略構成を表す図である。本実施例に係る無線信号伝送システムは,実施の形態に係る前記無線信号伝送システムXに対して,前記車上単位アンテナNa,Nb,Ncと前記車上無線LAN装置21との間に設けるアンテナ切替えスイッチ25と,該アンテナ切替えスイッチ25にアンテナの切替え(選択)信号を出力するアンテナ切替え信号発生器26と,前記車上アンテナ22(Na,Nb,Nc)と前記地上アンテナ32との相対位置を検出して前記アンテナ切替え信号発生器26に対して出力する列車位置検出装置27とが追加されたものである。それ以外は,前記無線信号伝送システムXと同じ構成及び機能を有する。ここで,前記アンテナ切替えスイッチ25及び前記アンテナ切替え信号発生器26とが,前記移動側単位アンテナ選択手段の一例を構成する。
【0014】
前記列車位置検出装置27としては様々なものが考えられる。例えばGPSにより列車2の位置を検出し,その検出結果と予め登録された前記地上アンテナ32それぞれの位置との相対位置関係を求めるよう構成されたものや,駅からの走行距離(走行速度の積分値等)を検出し,予め登録された前記地上アンテナ32それぞれの駅からの距離との差分(相対位置の一例)を求めるよう構成されたものが考えられる。また,前記車上単位アンテナNa,Nb,Ncそれぞれの受信信号レベル(強度)を検出し,そのレベルの比較によって前記車上単位アンテナそれぞれと前記地上アンテナ32との相対位置(距離)を推定する(前記受信信号レベルが高い前記車上単位アンテナほど前記地上ノード30に近いとする)よう構成されたものや,既存の列車運行システムにより検出された列車の位置情報を前記列車運行システムが有する通信機能を用いて受信し,これと予め登録された前記地上アンテナ32の位置との相対位置関係を求めるもの等も考えられる。前記列車運行システムの有する通信機能は,データの伝送容量が小さいため,前記端末24によるインターネット接続に用いることはできないが,前記位置情報程度の小容量のデータ伝送に用いることは可能である。
【0015】
前記アンテナ切替え信号発生器26は,前記列車位置検出装置27による検出結果に基づいて通信に最適な前記車上単位アンテナが選択されるよう前記アンテナ切替えスイッチ25に対して切替え信号を出力する。通常は,前記地上アンテナ32との相対距離が最も近い前記車上単位アンテナが選択されるよう前記切替え信号を出力する。また,前記相対距離が同等又は同等に近い前記車上単位アンテナが複数存在する場合には,列車2の移動方向の下流側の前記車上単位アンテナが選択されるよう前記切替え信号を出力する。
図4は,使用する(選択される)前記車上単位アンテナが切り替わる様子を模式的に表した図である。図4において,横方向は列車2の移動方向1b(進行方向)を表し,縦方向は時間経過を表す。また,破線で囲まれた前記車上単位アンテナNa,Nb,Ncが,前記アンテナ切替え信号発生器26及び前記アンテナ切替えスイッチ25によって選択されているアンテナを示す。
図4に示すように,列車2の移動,即ち,前記車上アンテナ22の移動に応じて,前記地上アンテナ32との距離が最も近い前記車上単位アンテナが選択されるため,マルチパスフェージングが発生せず,常時良好な通信状態を維持でき,る。また,信号送信の際に伝送信号が複数の前記車上単位アンテナNa,Nb,Ncに分岐されないため,無駄な電波放射を防止でき,伝送信号の出力電力も小さくて済む。
【0016】
ところで,前記地上ノード30と前記車上ノード20との無線通信に,IEEE802.11等の一般的な無線LANを採用した場合,前記地上ノード30それぞれは,通信相手となる前記車上ノード20が前記通信範囲w内に存在するか否かにかかわらず,定期的に制御用の無線信号(電波)を放射する。一方,列車ダイヤは,安全運行上,駅間に存在する列車2の数がごくわずかとなるように組まれるのが通常である。従って,多くの前記地上ノード30は,通信相手がいない状態で電波を発することになり無駄であるばかりでなく,このように常時(定期的に)電波を放射することは,近隣で行われる他の無線通信に悪影響を与えることにもなる。
このような事態の発生を防止するため,本実施例に係る無線信号伝送システムでは,前記地上アンテナ32と前記車上アンテナ22との相対位置情報に基づいて,前記車上アンテナ22との無線通信に使用する前記地上ノード30(即ち,使用する前記地上アンテナ32)が選択され,不要な前記地上アンテナ30の動作が停止(無線信号の伝送が停止)されるよう構成されている。以下,これについて説明する。
【0017】
本無線信号伝送システムは,前記列車位置検出装置27により検出された前記地上アンテナ32と前記車上アンテナ22との相対位置情報が,前記センタ装置50に随時伝送されるよう構成されている。この相対位置情報の伝送方法としては,前記地上ノード30と前記車上ノード20との間で行われる無線通信の伝送信号に前記相対位置情報を付加して伝送することや,既存の列車運行システムにおけるデータ伝送機能を用いて伝送すること等,各種方法が考えられる。もちろん,既存の列車運行システム等の他の位置検出手段から前記相対位置情報が前記センタ装置50に伝送されるよう構成してもよい。
前記センタ装置50は,前記相対位置情報に基づいて,前記地上ノード30それぞれについて,その前記通信可能範囲w内に前記車上アンテナ22(即ち,列車2)が存在するか否かを判断する。そして,前記通信可能範囲w内に前記車上アンテナ22が存在する前記地上ノード30と,その前記移動方向1b下流側に続けて配置される所定数(1又は複数)の前記地上ノード30とを無線通信に使用する前記地上ノード30として選択する(前記センタ装置50が前記固定側アンテナ選択手段の一例)。以下,ここで選択された前記地上ノード30を選択地上ノード,それ以外の前記地上ノード30を非選択地上ノードという。さらに,前記センタ装置50は,前記中継リンク40を通じて,前記選択地上ノード30に対して所定の作動ON信号を,前記非選択地上ノード30に対して所定の作動OFF信号を送信する。
一方,前記作動ON信号を受信した前記地上ノード30の前記無線LANアクセスポイント31は,前記車上ノード20との無線通信を作動状態(列車2の有無に関わらす定期的に電波を放射する状態)とし,前記作動OFF信号を受信した前記地上ノード30は,前記車上ノード20との無線通信を停止状態(列車2の有無に関わらす電波を放射しない状態)とする。ここで,前記センタ装置50及び前記無線LANアクセスポイント31が,前記固定側アンテナ動作制御手段の一例を構成する。
これにより,必要最小限の前記地上ノード30のみが作動状態(電波を放射する状態)となり,無駄な電波放射及びそれによる近隣無線通信への悪影響を防止できる。
【0018】
また,本実施例に係る無線信号伝送システムは,前記センタ装置50から前記地上ノード30に対して信号伝送を行う際,全ての前記地上ノード30に対してブロードキャスト的に送信するのではなく,前記選択地上ノード30に対してのみ選択的に信号伝送を行うよう構成されている。
これにより,前記中継リンク40における信号伝送のトラフィックを最小限にすることが可能となる。
図5は,無線信号伝送システムにおける伝送信号の流れを太線矢印により模式的に表したものである。ここで,図5(a)は,本実施例に係る前記地上ノード30の選択を行わず(全て作動),前記センタ装置50から全ての前記地上ノード30に対して伝送信号をブロードキャスト的に送信する場合における伝送信号の流れを示し,図5(b)は,本実施例に係る前記地上ノード30の選択を行う場合における伝送信号の流れを示す。
図5(a),(b)を比較してわかるように,前記地上ノード30の選択を行うことにより,前記地上ノード30(前記地上アンテナ32)による前記車上ノード20との間における無線リソースの無駄な消費(無駄な無線放射)と,前記中継リンク40における通信リソースの無駄な消費(無駄なトラフィックの発生)とを無くすことができる。なお,図5(b)の点線矢印で示すように,前記地上ノード30それぞれが,より近い前記センタ装置50(駅等)との間でデータ伝送(中継)を行うよう構成すれば,前記中継リンク40における無駄なトラフィックの発生をより抑えることができる。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によれば,所定の移動経路上を移動する移動側アンテナと複数の固定側アンテナとの間で無線信号の伝送を行う場合に,移動経路方向に複数配置されたアンテナからなる移動側アンテナと固定側アンテナとの配置関係を適切に配置することにより,固定側アンテナの配置間隔を長くとることができるので,固定側アンテナの設置数を減らすことが可能となる。その結果,省資源化(省コスト化)と信号伝送の遅延時間の小さい高品質の信号伝送とが可能となる。
さらに,移動側アンテナと固定側アンテナとの相対位置に基づいて使用するアンテナを選択することにより,マルチパスフェージングの影響等による通信品質の悪化や,無駄な無線信号(電波)の放射及び無駄なトラフィックの発生を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る無線信号伝送システムXの概略構成を表す平面図。
【図2】本発明の実施の形態に係る無線信号伝送システムXにおける列車内の通信システムの構成及びアンテナの配置関係を表す概略図。
【図3】本発明の実施例に係る無線信号伝送システムにおける列車内の通信システムの概略構成を表す図。
【図4】本発明の実施例に係る無線信号伝送システムにおいて使用する車上単位アンテナが切り替わる様子を模式的に表した図。
【図5】本発明の実施例に係る無線信号伝送システムにより地上ノードの選択を行う場合と地上ノードの選択を行わない場合とにおける伝送信号の流れを模式的に表した図。
【符号の説明】
1…線路
1a…車上アンテナの移動経路
1b…車上アンテナの移動方向
2…列車
20…車上ノード
21…車上無線LAN装置
22…車上アンテナ
23…スイッチングHUB
24…端末
25…アンテナ切替えスイッチ
26…切替え信号発生器
27…列車位置検出装置(位置検出手段)
30…地上ノード
31…無線LANアクセスポイント
32…地上アンテナ(固定側アンテナ)
33…スイッチングHUB
40…中継リンク
50…センタ装置
Na,Nb,Nc…車上単位アンテナ(移動側単位アンテナ)
w…通信可能範囲
wx…通信可能範囲の間隔

Claims (5)

  1. 所定の移動経路上を移動する移動側アンテナと前記移動経路方向に沿って複数配置される固定側アンテナとの間で一方向又は双方向に無線信号の伝送を行う無線信号伝送システムにおいて,
    前記移動側アンテナが前記移動経路方向に間隔を設けて配置され前記固定側アンテナとの間で所定の伝送可能範囲において無線信号の伝送が可能な複数の移動側単位アンテナからなり,
    前記固定側アンテナそれぞれが,隣り合う前記固定側アンテナとの間で前記伝送可能範囲が重ならず,かつ隣り合う前記固定側アンテナにおける前記伝送可能範囲相互の前記移動側アンテナの移動方向における間隔が該移動方向最上流側及び最下流側の前記移動側単位アンテナの間隔以下となるよう配置され,
    前記移動側単位アンテナそれぞれが,前記固定側アンテナそれぞれの前記移動方向における前記伝送可能範囲の長さ以下の間隔で配置されてなることを特徴とする無線信号伝送システム。
  2. 前記移動側アンテナと前記固定側アンテナとの相対位置を検出する位置検出手段を具備してなる請求項1に記載の無線信号伝送システム。
  3. 前記位置検出手段による検出結果に基づいて使用する前記固定側アンテナを選択する固定側アンテナ選択手段を具備してなる請求項2に記載の無線信号伝送システム。
  4. 前記位置検出手段による検出結果に基づいて使用する前記移動側単位アンテナを選択する移動側単位アンテナ選択手段を具備してなる請求項2又は3のいずれかに記載の無線信号伝送システム。
  5. 前記位置検出手段が前記移動側アンテナとともに移動するものである請求項4に記載の無線信号伝送システム。
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