JP2013049395A - 列車制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】列車制御システムで、列車がさらに安全かつ円滑に走行できるようにする。
【解決手段】車上制御装置は、この車上制御装置が送信した電文に含めた編成IDおよび第1の電文IDと、拠点装置を識別する拠点装置IDおよび拠点装置が送信する電文を識別する第2の電文IDとを含む電文が返信されてきた場合、この車上制御装置と受信した電文に含まれる拠点装置IDの拠点装置との間の無線接続が確立したことを認識する手段を備える。拠点装置は、この拠点装置が送信した拠点装置IDおよび第2の電文IDと、車上制御装置を搭載している列車を識別する編成IDおよび該車上制御装置が送信した電文を識別する第1の電文IDとを含む電文が返信されてきた場合、この拠点装置と受信した電文に含まれた編成IDで特定される列車の車上制御装置との間の無線接続が確立したことを認識する手段を備える。
【選択図】図4
【解決手段】車上制御装置は、この車上制御装置が送信した電文に含めた編成IDおよび第1の電文IDと、拠点装置を識別する拠点装置IDおよび拠点装置が送信する電文を識別する第2の電文IDとを含む電文が返信されてきた場合、この車上制御装置と受信した電文に含まれる拠点装置IDの拠点装置との間の無線接続が確立したことを認識する手段を備える。拠点装置は、この拠点装置が送信した拠点装置IDおよび第2の電文IDと、車上制御装置を搭載している列車を識別する編成IDおよび該車上制御装置が送信した電文を識別する第1の電文IDとを含む電文が返信されてきた場合、この拠点装置と受信した電文に含まれた編成IDで特定される列車の車上制御装置との間の無線接続が確立したことを認識する手段を備える。
【選択図】図4
Description
本発明の実施形態は、列車制御システムに関する。
従来より、路線上を走行する列車には、車上制御装置が搭載されており、この車上制御装置と地上の拠点装置との間の情報伝送ラインを確保する手段として、車上側には車上無線局が設けられ、地上側には無線基地局が設けられて、無線伝送が行われている。
このように車上制御装置と拠点装置との間で無線通信が利用されるが、車上制御装置は、自らが発信している列車位置情報などがどの拠点装置に届いているのか、また拠点装置は、自らが発信している停止限界位置情報などの制御情報がどの車上制御装置に届いているのか、をどのようにして認識するのかが課題の1つとなっていた。この課題を解決できれば、列車の安全走行に必要な車上〜地上間の情報授受が確実に行われているかを列車制御システムとして確認できることになる。
本発明が解決しようとする課題は、このような列車制御システムで、車上〜地上間の情報授受を確実にし、列車がさらに安全かつ円滑に走行できるようにする列車制御システムを提供することである。
実施形態の列車制御システムは、各列車に搭載された車上制御装置と、各列車に搭載された車上無線局と、地上側に設置された複数の拠点装置と、複数の拠点装置相互の通信手段と、地上側に設置された複数の無線基地局と、を含んでなる列車制御システムである。車上制御装置は、ブロードキャストにより電文を送信する第1の送信手段を備える。また、車上制御装置は、第1の送信手段から送信する電文にこの車上制御装置を搭載している列車を識別する編成IDおよびこの車上制御装置から送信する電文を識別する第1の電文IDと、受信済みであればこの車上制御装置が受信した電文に含まれた拠点装置からのこの拠点装置を識別する拠点装置IDおよびこの拠点装置が送信する電文を識別する第2の電文IDと、を含ませる手段を備える。また、車上制御装置は、この車上制御装置が送信した電文に含めた編成IDおよび第1の電文IDと、拠点装置を識別する拠点装置IDおよび拠点装置が送信する電文を識別する第2の電文IDとを含む電文が返信されてきた場合、この車上制御装置と受信した電文に含まれる拠点装置IDの拠点装置との間の無線接続が確立したことを認識する手段を備える。拠点装置は、ユニキャストにより電文を送信する第2の送信手段を備える。また、拠点装置は、第2の送信手段から送信する電文にこの拠点装置を識別する拠点装置IDおよびこの拠点装置から送信する電文を識別する第2の電文IDと、この拠点装置が受信した電文に含まれた車上制御装置からの列車を識別する編成IDおよび車上制御装置からの電文を識別する第1の電文IDと、を含ませる手段を備える。また、拠点装置は、この拠点装置が送信した拠点装置IDおよび第2の電文IDと、車上制御装置を搭載している列車を識別する編成IDおよび該車上制御装置が送信した電文を識別する第1の電文IDとを含む電文が返信されてきた場合、この拠点装置と受信した電文に含まれた編成IDで特定される列車の車上制御装置との間の無線接続が確立したことを認識する手段を備える。
(第1の実施形態)
はじめに、第1の実施形態に係る列車制御システムの全体構成について、図1を参照し説明する。図1は、第1の実施形態に係る列車制御システムの全体構成例を示す図である。なお、図1に示す列車制御システムの全体構成例は、従来の列車制御システムの全体構成と同様であり、同図に示す各構成要素も従来のものと同様である。
はじめに、第1の実施形態に係る列車制御システムの全体構成について、図1を参照し説明する。図1は、第1の実施形態に係る列車制御システムの全体構成例を示す図である。なお、図1に示す列車制御システムの全体構成例は、従来の列車制御システムの全体構成と同様であり、同図に示す各構成要素も従来のものと同様である。
路線上を走行する列車には、車上制御装置1が搭載されており、この車上制御装置1と拠点装置4との間の情報伝送ラインを確保する手段として、車上側には車上無線局2が設けられ、地上側には無線基地局3が設けられる。地上側の無線基地局3から車上側の車上無線局2へは、多くは送信先を指定する方式で無線伝送が行われる。各無線基地局3と各拠点装置4は、沿線ネットワーク5で結ばれており、各拠点装置4は、路線上において管轄すべき対象となる列車を分担している。また、各拠点装置4は相互に拠点間通信ネットワーク6で接続されており、指令所装置7とも接続されている。
このような列車制御システムにおいて、指令所装置7は、列車の運行スケジュールの基となるダイヤ管理を行いながら、拠点装置4から送信されてくる列車在線情報(各列車が何処に存在するかに関する情報)などを基に、必要に応じてルート設定要求(列車が走行予定ルートを安全に走行できるようにするための準備の要求)を拠点装置4に対して送信する。このルート設定要求を受信した拠点装置4では、管轄範囲に存在する各列車の在線位置を把握しながら、ルートの設定を行う。
具体的には、まず、拠点装置4が、該当列車の走行予定ルート上に他列車が存在していないか、該当列車の走行予定方向に転換されていない分岐器が存在していないかどうかを確認する。この確認を行った上で、拠点装置4は、可能ならば転てつ装置8に対して分岐器転換指令を送信し、転てつ装置8が分岐器の転換を完了したことを確認すると、対象となる転てつ装置8を当該列車のために鎖錠(ロック)する。このようなルート設定を行った上で、拠点装置4は、該当列車がどの地点まで走行できるかを示す停止限界位置を設定し、この停止限界位置および各種速度制限情報等を、無線基地局3と車上無線局2を経由して該当列車の車上制御装置1に送信する。
車上制御装置1では、受信した停止限界位置情報及び各種速度制限情報などを基に、列車速度を監視しながら自動列車制御を行い、必要に応じて保安ブレーキ制御(先行列車への追突回避、分岐器上での脱線回避などのための減速・停止制御)を実施する。また、車上制御装置1では、自らの速度・位置検知を行い、先端・尾端位置情報を車上無線局2と無線基地局3を経由して拠点装置4に送信する。このようにして、列車が安全かつ円滑に走行できるよう制御される。なお、図1に示す全体構成例は一例にすぎず、他の構成要素(例えば、拠点装置4と連動して転てつ装置8を制御する連動装置など)を含んで構成される場合もある。また、車上制御装置1および拠点装置4および指令所装置7は、通信制御機能を有するコンピュータ装置(例えば、サーバ)等により構成することができ、後述の通信制御部1a、4a、在線区間判定部1b、ID設定部1d、異常検出部4b、入出庫判定部4cは、コンピュータ装置に備わるCPU等からなる制御手段の機能として実現することができる。
ところで、列車制御システムでは、列車が安全かつ円滑に走行できることが求められる。上記のように車上制御装置1と拠点装置4との間で無線伝送が行われるが、前述のように、車上制御装置1は、自らが発信している列車位置情報などがどの拠点装置4に届いているのか、また拠点装置4は、自らが発信している停止限界位置情報などの制御情報がどの車上制御装置1に届いているのか、をどのようにして認識するのかが課題となっていた。この課題を解決できれば、列車の安全走行に必要な車上〜地上間の情報授受が確実に行われているかを列車制御システムとして確認できることになる。以下では、この課題を解決する無線通信の手法を、図2〜図4を用いて説明する。
図2は、本実施形態の列車制御システムにおける拠点装置4と車上制御装置1間の無線通信を説明するための図である。図2では拠点装置4と車上制御装置1間の無線通信による情報のやり取りを示している。
列車制御システムの全体構成例及び列車制御の概要は前述したとおりである。一般に、拠点装置4から車上制御装置1への無線通信として、無線基地局3と車上無線局2を経由したブロードキャストを採用した場合、本来制御指令を送信すべき車上制御装置1だけではなく、広範囲の、制御対象外の車上制御装置1に対しても各種情報を送信することになるので、車上制御装置1側での情報の採用方法の複雑化およびネットワークトラフィックの増加に繋がる。このことから、本実施形態では、図2に示すように、拠点装置4から車上制御装置1への無線通信をユニキャストにより行っている。一方、車上制御装置1から拠点装置4への無線通信はブロードキャストにより行う。
図3は、本実施形態における拠点装置4と車上制御装置1間での情報(電文)のやり取りを概念的に示した図である。同図では、拠点装置4は、その通信制御部4aにより自装置から電文を送信する際、車上制御装置1からの情報を折り返し返信し、車上制御装置1は、その通信制御部1aにより自装置から電文を送信する際、拠点装置4からの情報を折り返し返信することを示している。その詳細については下記にて説明する。なお、各装置からの情報の発信の時間間隔は、例えば100msである。
図4は、本実施形態における拠点装置4と車上制御装置1間での情報(電文)のやり取りを示すシーケンス図である。
車上制御装置1は、電源投入時に拠点装置4に対して列車識別としての「編成ID+(当該電文識別としての)電文シリアルNo.」、および折り返し情報(初期値)を送信する(t11)。このときの折り返し情報は、拠点装置4からの電文を受け取っていない段階のもののため(すなわち、折り返し送る情報がないため)所定の初期値を送信する。なお、拠点装置4と車上制御装置1間でやり取りされる電文には、ここで説明する編成ID/拠点装置ID+電文シリアルNo.といった識別情報のほか必要な情報(自列車位置/停止限界位置等の情報)を含めることができるが、ここでは省略して説明する。
拠点装置4は、車上制御装置1からの電文を受信し、拠点識別としての「拠点装置ID+(当該電文識別としての)電文シリアルNo.」および折り返し情報として車上制御装置1から受け取った編成ID+電文シリアルNo.を送信する(t12)。
車上制御装置1は、拠点装置4から上記電文を受信することにより自装置が送信した電文に含めた編成ID+電文シリアルNo.が折り返し情報として通知されたことが認識できるため、この情報を用いて通信接続確立と判断する。
車上制御装置1は、次に電文を送信する際、拠点装置4から通知された拠点装置ID+電文シリアルNo.を折り返し情報として含めて拠点装置4に送信する(t13)。
拠点装置4は、車上制御装置1からの上記電文を受信することにより自装置が送信した電文に含めた拠点装置ID+電文シリアルNo.が折り返し情報として通知されたことが認識できるため、この情報を用いて通信接続確立と判断する(t14)。
以後、車上制御装置1と拠点装置4間で、必要な電文のやり取りが行われる(t15〜t17)。この間、折り返し情報によって、車上制御装置1および拠点装置4は、自身が送信した電文が他方に確実に着信したことを認識することができる。
もし、一定時間車上制御装置1からの情報が通知されない場合は、拠点装置4は、伝送途絶と判断し通信接続を解除する(t18)。
車上制御装置1も、一定時間拠点装置4からの情報が通知されない場合は伝送途絶と判断し通信接続を解除する(t19)。
伝送途絶からの回復は、上記の車上制御装置1の電源投入時と同様の手順により通信接続確立を行う(t20〜t23)。
このように、第1の実施形態の列車制御システムによれば、電文に含められる上記折り返し情報によって、列車の安全走行に必要な車上〜地上間の情報授受が確実に行われているかを、列車制御システムとして確認することができる。
(第2の実施形態)
従来の列車制御システムでは、システム起動時およびシステム再起動時に、列車在線状態がリセットされる。このため、現時点での列車在線状態を把握する必要がある。本実施形態は、列車在線状態をより正確に把握できるようにしたものである。以下に、そのような列車制御システムの第2の実施形態について、図5を用いて説明する。図5は、列車制御システムの第2の実施形態を説明するための図である。
従来の列車制御システムでは、システム起動時およびシステム再起動時に、列車在線状態がリセットされる。このため、現時点での列車在線状態を把握する必要がある。本実施形態は、列車在線状態をより正確に把握できるようにしたものである。以下に、そのような列車制御システムの第2の実施形態について、図5を用いて説明する。図5は、列車制御システムの第2の実施形態を説明するための図である。
本実施形態は、第1の実施形態における列車制御システムにおいて、無線基地局3側のアンテナとして漏洩同軸ケーブル(LCX)を用い、このLCXの敷設区間から列車の在線区間を特定できるようにしたものである。そのために、車上側に、当該無線基地局3を識別するAP−IDと、列車の在線区間に対応するものであるLCX敷設区間とを対応付けた路線DB1cを備え、在線区間判定部1bにより列車の在線区間を判定する構成としている。
この構成において、車上制御装置1は、拠点装置4への当該列車の在線区間の通知にあたり、車上無線局2(ST)を介して、当該車上制御装置1が通信可能な無線基地局3(AP)からAP−IDを受信する。
車上制御装置1の在線区間判定部1bは、自装置内の路線DB1cより無線基地局3から受信したAP−IDを用いてLCX敷設区間を特定し、自列車が在線する区間を特定する。
次いで、車上制御装置1は、特定した在線区間の情報を拠点装置4に対して送信する。
拠点装置4は、車上無線局2(ST)および無線基地局3(AP)を介して車上制御装置1から在線区間の情報を受信する。このようにして、拠点装置4は、この車上制御装置1からの情報を用いて、列車在線区間を把握することができる。
LCXによって無線通信できる範囲は狭いので、第2の実施形態の列車制御システムによれば、現在無線通信しているLCX敷設区間を特定することにより、列車の在線区間をより正確に特定できるようになる。
(第3の実施形態)
従来の列車制御システムでは、拠点装置4が車上制御装置1を一位に認識するための手段が必要であり、そのために編成IDが予め設定されているが、一般に変更できないものとなっている。そのため、例えば当該車上制御装置1を他の列車で利用(再利用)することは簡単ではない。本実施形態は、この編成IDを任意に変更可能としたものである。以下に、そのような列車制御システムの第3の実施形態について、図6を用いて説明する。図6は、列車制御システムの第3の実施形態を説明するための図である。
従来の列車制御システムでは、拠点装置4が車上制御装置1を一位に認識するための手段が必要であり、そのために編成IDが予め設定されているが、一般に変更できないものとなっている。そのため、例えば当該車上制御装置1を他の列車で利用(再利用)することは簡単ではない。本実施形態は、この編成IDを任意に変更可能としたものである。以下に、そのような列車制御システムの第3の実施形態について、図6を用いて説明する。図6は、列車制御システムの第3の実施形態を説明するための図である。
本実施形態は、第1の実施形態における列車制御システムにおいて、車上制御装置1を含む車上システム内で、編成IDを任意に変更できるようにしたものである。そのために、編成IDを入力するためのDipスイッチ(Dip−SW)等の編成ID入力器11と、この編成ID入力器11を介して入力された編成IDを車上制御装置1に設定するためのID設定器12とを備え、さらに車上制御装置1内に、不揮発性記憶装置等からなり編成IDを格納するデータベース(DB)1eと、ID設定器12から入力された編成IDをDB1eに格納するID設定部1dを備える。車上システムから地上側のID検知装置30へ編成IDを渡すための構成は従来と同様であり、電磁式の車上側にある電子レスポンス式車上子21と、地上側にある電子レスポンス式地上子22を用いる。
管理者等が、車上システム内のDIP−SW等の編成ID入力器11を用いて編成IDを入力する。
入力された編成IDは、ID設定器12から電子レスポンス式車上子21および電子レスポンス式地上子22を介して地上側に設置してあるID検知装置30に通知される。またこの編成IDは、ID設定器12から車上制御装置1にも通知される。
車上制御装置1は、ID設定器12より通知された編成IDを自装置内のDBに保存する。このようにして、編成IDを任意に設定することができるようになる。
このように、第3の実施形態の列車制御システムによれば、車上制御装置1に設定される編成IDを任意に設定できるので、当該車上制御装置1を他の列車で利用することなども容易に行えるようになる。
(第4の実施形態)
従来の列車制御システムにおける無線基地局3(AP)は、自身の故障の検知ができず、また、列車制御システム自体も無線基地局3の故障を検知する手段をもたない。本実施形態は、無線基地局3(AP)の故障を検知できるようにしたものである。以下に、そのような列車制御システムの第4の実施形態について、図7を用いて説明する。図7は、列車制御システムの第4の実施形態を説明するための図である。
従来の列車制御システムにおける無線基地局3(AP)は、自身の故障の検知ができず、また、列車制御システム自体も無線基地局3の故障を検知する手段をもたない。本実施形態は、無線基地局3(AP)の故障を検知できるようにしたものである。以下に、そのような列車制御システムの第4の実施形態について、図7を用いて説明する。図7は、列車制御システムの第4の実施形態を説明するための図である。
本実施形態は、第1の実施形態における列車制御システムにおいて、拠点装置4に、通常は車上に設置される車上無線局2(ST)を接続する。そして、拠点装置4が、無線基地局3(AP)と地上に設置した車上無線局2(ST)を用いてデータの送受信を継続的に行う。そして、データの送受信が途絶した場合に、拠点装置4の異常検出部4bは、無線基地局3(AP)の異常と判断する。これにより、拠点装置4は、無線基地局3(AT)の異常を検知することができる。
このように、第4の実施形態の列車制御システムによれば、従来検知できなかった無線基地局3(AT)の故障を検知できるようになる。
(第5の実施形態)
従来の列車制御システムにおいて、列車が車両基地内で滞泊する場合、車両基地内での列車の移動があるため、その位置を明確に定められない。本実施形態は、車両基地内で列車が、列車制御システムの無線による制御エリア内にあるか否を明確にできるようにし、該当の列車を、列車制御システムの在線位置特定対象(管理対象)とするか否かを判断できるようにしたものである。以下に、そのような列車制御システムの第5の実施形態について、図8を用いて説明する。図8は、列車制御システムの第5の実施形態を説明するための図である。
従来の列車制御システムにおいて、列車が車両基地内で滞泊する場合、車両基地内での列車の移動があるため、その位置を明確に定められない。本実施形態は、車両基地内で列車が、列車制御システムの無線による制御エリア内にあるか否を明確にできるようにし、該当の列車を、列車制御システムの在線位置特定対象(管理対象)とするか否かを判断できるようにしたものである。以下に、そのような列車制御システムの第5の実施形態について、図8を用いて説明する。図8は、列車制御システムの第5の実施形態を説明するための図である。
本実施形態は、第1の実施形態における列車制御システムにおいて、列車制御システムの無線(ユニキャスト)による制御エリアとこの無線による制御の境界となる車両基地との境界付近をゲート区間とし、このゲート区間にID検知装置30を設置する。本実施形態では、車両基地を列車制御システムの無線による制御エリア外とし、ゲート区間は、車両基地において列車制御システムの無線による制御エリア外と定めた領域と、列車制御システムの無線による制御エリアとの間でオーバーラップする部分となる。
列車の入庫時には、拠点装置4の入出庫判定部4cが、ゲート区間に設置されたID検知装置30からの検知情報と車両基地に向う列車の運転方向により、当該列車が車両基地への入庫列車であることを認識する。なお、ID検知装置30からの検知情報から列車を特定することができる。また、運転方向は、列車制御システムの無線による制御エリア内にいた列車がゲート区間で検知されることにより、路線から車両基地へ向う方向であることが認識できる。そして、入出庫判定部4cにより入庫列車であることが認識されると、拠点装置4は、該当の列車を在線位置特定対象から除外する(拠点装置4の管理対象外とする)。
一方、出庫時には、列車はゲート区間で一旦停止する。このとき、ゲート区間で設置されたID検知装置30により当該列車の検知がなされる。このとき拠点装置4の入出庫判定部4cは、この列車が在線位置特定対象から除外されていたものであることを認識でき、従ってこの列車の運転方向が出庫の方向であることが認識できるので、その後、通常の制御シーケンスに移行することが可能となる。
このように、ID検知装置30からの検知情報と列車の運転方向により当該列車が車両基地への入庫なのか、車両基地からの出庫なのかが判断でき、車両基地への入庫と判断した場合は、在線位置特定対象外とし、車両基地からの出庫の場合は、在線位置特定対象とする。
このように、第5の実施形態の列車制御システムによれば、列車制御システムの無線による制御エリア内にあるか否を明確にでき、その結果、該当の列車を、列車制御システムの在線位置特定対象(管理対象)とするか否かを正しく判断することができる。
以上説明したとおり、第1から第5の実施形態の列車制御システムによれば、列車をさらに安全かつ円滑に走行できるようにすることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 車上制御装置
1a 通信制御部
1b 在線区間判定部
1c 路線DB
1d ID設定部
1e DB
2 車上無線局
3 無線基地局
4 拠点装置
4a 通信制御部
4b 異常検出部
4c 入出庫判定部
5 沿線ネットワーク
6 拠点間通信ネットワーク
7 指令所装置
11 編成ID入力器
12 ID設定器
21 電子レスポンス式車上子
22 電子レスポンス式地上子
30 ID検知装置
1a 通信制御部
1b 在線区間判定部
1c 路線DB
1d ID設定部
1e DB
2 車上無線局
3 無線基地局
4 拠点装置
4a 通信制御部
4b 異常検出部
4c 入出庫判定部
5 沿線ネットワーク
6 拠点間通信ネットワーク
7 指令所装置
11 編成ID入力器
12 ID設定器
21 電子レスポンス式車上子
22 電子レスポンス式地上子
30 ID検知装置
Claims (4)
- 各列車に搭載された車上制御装置と、各列車に搭載された車上無線局と、地上側に設置された複数の拠点装置と、前記複数の拠点装置相互の通信手段と、地上側に設置された複数の無線基地局と、を含んでなる列車制御システムにおいて、
前記車上制御装置は、
ブロードキャストにより電文を送信する第1の送信手段と、
前記第1の送信手段から送信する電文に、該車上制御装置を搭載している列車を識別する編成IDおよび該車上制御装置から送信する電文を識別する第1の電文IDと、受信済みであれば該車上制御装置が受信した電文に含まれた前記拠点装置からの該拠点装置を識別する拠点装置IDおよび該拠点装置が送信する電文を識別する第2の電文IDと、を含ませる手段と、
該車上制御装置が送信した電文に含めた編成IDおよび第1の電文IDと、前記拠点装置を識別する拠点装置IDおよび該拠点装置が送信する電文を識別する第2の電文IDとを含む電文が返信されてきた場合、該車上制御装置と受信した電文に含まれる拠点装置IDの拠点装置との間の無線接続が確立したことを認識する手段と、を備え、
前記拠点装置は、
ユニキャストにより電文を送信する第2の送信手段と、
前記第2の送信手段から送信する電文に、該拠点装置を識別する拠点装置IDおよび該拠点装置から送信する電文を識別する第2の電文IDと、該拠点装置が受信した電文に含まれた前記車上制御装置からの列車を識別する編成IDおよび該車上制御装置からの電文を識別する第1の電文IDと、を含ませる手段と、
該拠点装置が送信した拠点装置IDおよび第2の電文IDと、前記車上制御装置を搭載している列車を識別する編成IDおよび該車上制御装置が送信した電文を識別する第1の電文IDとを含む電文が返信されてきた場合、該拠点装置と受信した電文に含まれた編成IDで特定される列車の車上制御装置との間の無線接続が確立したことを認識する手段と、を備えた列車制御システム。 - 前記車上制御装置は、
該車上制御装置が送信した電文に含めた該車上制御装置を搭載している列車を識別する編成IDおよび該車上制御装置から送信する電文を識別する第1の電文IDと、前記拠点装置を識別する拠点装置IDおよび該拠点装置が送信する電文を識別する第2の電文IDとを含む電文が返信されてきた場合、該車上制御装置が送信した前記第1の電文IDで特定される電文が、該車上制御装置が受信した電文に含まれる拠点装置IDの拠点装置に着信したことを認識する手段を備え、
前記拠点装置は、
該拠点装置が送信した電文に含めた該拠点装置を識別する拠点装置IDおよび該拠点装置が送信する電文を識別する第2の電文IDと、前記車上制御装置を搭載している列車を識別する編成IDおよび該車上制御装置が送信した電文を識別する第1の電文IDとを含む電文が返信されてきた場合、該拠点装置が送信した前記第2の電文IDで特定される電文が、受信した電文に含まれる編成IDで特定される車上制御装置に着信したことを認識する手段を備えた請求項1に記載の列車制御システム。 - 前記車上制御装置は、
前記編成IDを記憶する記憶手段と、
該車上制御装置に接続される編成ID設定手段から入力される編成IDを前記記憶手段に設定する手段と、
をさらに備えた請求項1または請求項2に記載の列車制御システム。 - 前記拠点装置のユニキャストによる制御エリア内で該制御エリアの外側となる車両基地との境界付近の所定区間に前記編成IDを検知するID検知装置をさらに備え、
前記拠点装置は、前記ID検知装置により検知された編成IDで識別される列車の運転方向から入庫か出庫かを判定し、車両基地への入庫の場合は、該列車を前記拠点装置の管理対象外とし、車両基地からの出庫の場合は、該列車を前記拠点装置の管理対象とする手段をさらに備えた請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の列車制御システム。
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