JP4049575B2 - 工具アダプタ及びアダプタ付回転工具 - Google Patents

工具アダプタ及びアダプタ付回転工具 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転駆動軸側にアダプタ付工具等を着脱可能に保持するための工具アダプタ及び当該工具アダプタを含むアダプタ付回転工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、高速回転しながら被加工面を加工する回転工具は、モータ等の駆動源に連結された回転駆動軸に着脱可能に装着され、適宜交換される。このように回転工具を回転駆動軸に着脱可能に装着する手段として、従来はボルトやナットといったねじ式の締結具が多用されている。
【0003】
例えば、特開2001−225274号公報には、電動回転工具の回転駆動軸にドーナツ板状の回転アダプタ付工具を装着するにあたり、前記回転駆動軸の外側に遊嵌される中央部材と、前記回転駆動軸の外周面に形成された雄ねじに螺合する固定ねじとで前記回転アダプタ付工具を軸方向両側から挟み込むようにしたものが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記のようにねじを用いて回転工具を回転駆動軸に装着する場合には、その装着構造が自ずと複雑になり、コスト高は免れ得ない。また、砥石を着脱するのにネジを回すための治具が別途必要であり、しかもその回転操作は非常に面倒である。特に、回転工具を高速で回転させる場合にはその遠心力に耐え得るようにねじを強く締め付ける必要があり、交換作業はより面倒なものとなる。
【0005】
なお、特開平6−278044号公報には、電気めっき等によって磁性プレートの両面に研磨剤を付着させ、この磁性プレートをホルダー側の磁石によって磁気的に保持することにより、当該ホルダーに前記磁性プレートが着脱可能に装着され得るようにしたものが開示されているが、このような磁気的な吸着力のみでは保持力強化に限界があり、高速回転する回転工具の保持に適用することは事実上困難である。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑み、回転駆動軸側に回転工具を確実に保持し、かつ、その工具着脱作業を容易にすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段として、本発明は、回転駆動軸に連結され、回転工具を着脱可能に保持する工具アダプタにおいて、前記回転駆動軸の先端に固定されるアダプタ本体と、このアダプタ本体に取付けられ、内部に流体が封入された弾性変形可能な袋体とを備え、前記袋体は、その内部が所定方向に開放された形状を有し、その開放部分を塞ぐようにして前記アダプタ本体に取付けられ、前記回転駆動軸と一体に回転する際に前記流体に作用する遠心力前記回転工具を保持するように構成されているものである。
【0008】
また本発明は、前記工具アダプタと、この工具アダプタに装着される回転工具とを備え、当該回転工具が前記流体の遠心力で前記袋体により保持されるように構成されているアダプタ付回転工具である。
【0009】
以上の構成によれば、工具アダプタの袋体に封入される流体が回転中に受ける遠心力を利用して、回転工具をその高速回転時にも確実に保持することができる。その一方、非回転時には前記流体に遠心力が作用しないので、前記袋体の弾性変形を利用して前記回転工具を難なく工具アダプタに装着することができる。
【0010】
ここで、前記回転駆動軸の回転中心軸上に加工液噴射通路が形成されている場合、その加工液噴射通路の周囲に前記袋体を配設することが好ましい。この構成によれば、前記回転中心軸上に加工液噴射通路を確保しながら、回転工具を保持するための袋体をその保持に有効な位置に配設することができる。
【0011】
その場合、前記加工液噴射通路の周囲に複数の袋体を並べて配置するようにしてもよいが、当該袋体を前記加工液噴射通路を取り巻く環状に形成すれば、単一の袋体を用いた簡素な構造で、前記加工液噴射通路の配設を可能にしながら回転工具の保持も行うことができる。
【0012】
前記袋体は、その内部が所定方向に開放された形状を有し、その開放部分を塞ぐようにして前記アダプタ本体に取付けられるので、工具アダプタを組立てる過程において、前記開放部分を利用して袋体内に流体を容易に注入することができる。
【0013】
具体的に、前記袋体をアダプタ本体に取付ける構造としては、例えば、前記袋体の端部をアダプタ本体とで挟み込んで固定する取付部材と、この取付部材をアダプタ本体に締結する締結具とを備え、かつ、この締結具が前記袋体の径方向外側に設けられているものが、好適である。この構成によれば、前記取付部材をアダプタ本体に締結するだけの簡単な構造で袋体をアダプタ本体に固定することができる。しかも、締結具は袋体の径方向外側に位置しているので、袋体内の流体が締結具の挿入孔を通じて外部に漏れる心配がなく、その分シール構造は簡略化される。
【0014】
前記アダプタ付回転工具においては、非回転状態で前記工具アダプタ側に前記回転工具を仮保持する仮保持手段が設けられていることが、より好ましい。この構成によれば、流体の遠心力が働かない非回転時にも工具アダプタ側に回転工具を安定した状態でセットすることができる。しかも、この非回転時での仮保持は、回転工具を静止した工具アダプタに止めておく程度の保持でよいので、従来の工具アダプタのようにねじを用いて強く締め付けるといった大掛かりな作業は要しない。
【0015】
例えば、前記仮保持の態様としては、前記工具アダプタと回転工具のいずれか一方に他方を吸引する磁石が設けられているものでもよいし、前記回転工具に非回転状態の袋体の外周部と係合される係合部が設けられているものでもよい。いずれの場合も、工具アダプタが静止しているときの係合部のみによる仮保持状態から、前記工具アダプタ及び回転工具の回転に伴って、袋体内の流体に作用する遠心力を利用した本格的な保持状態へ移行し、加工中には回転工具が確実に保持されることになる。
【0016】
前記袋体は、専ら回転工具の保持にのみ用いるようにしてもよいが、この袋体の弾性変形を利用して、加工面の形状変化に柔軟に対応し得るフレキシブルな工具を構築することが可能である。具体的には、前記袋体が前記アダプタ本体から前記回転駆動軸の軸方向の先端側に露出するように当該アダプタ本体に取付けられるものとし、かつ、前記回転工具を、可撓性及び伸縮性を有する母材とその少なくとも表面部分に設けられる砥粒とを有していて前記袋体の面のうち前記軸方向の先端側の面上に取付けられる可撓性工具とすることにより、前記袋体及び可撓性工具の母材の変形を伴いながら加工面の形状変化に対応した柔軟な加工を行うことが可能となる。
【0017】
その場合、前記可撓性工具としては、その母材の表面に複数の突出部が形成され、少なくとも当該突出部に前記砥粒が含まれているものが、好適である。この構成によれば、母材の全体形状は薄肉にして可撓性及び伸縮性を担保しながら、その表面に肉厚の大きい突出部を形成することにより、工具寿命を伸ばすとともに加工面に対する面圧を高めることができる。
【0018】
また、前記可撓性工具は、前記袋体をその面のうち前記軸方向の先端側の面から径方向外側の側面にかけて覆う形状を有し、当該側面を覆う部分が回転中の袋体の外周部によって内側から押圧されるように構成されたものが好適である。この構成によれば、袋体内の流体の遠心力を利用して可撓性工具を径方向内側から安定して保持することができる。
【0019】
その場合、前記可撓性工具が前記袋体の側面を覆う部分に非回転状態で当該袋体の側面と係合される係合部を設けることによって、前記可撓性工具を非回転状態で有効に仮保持することができる。
【0020】
また、前記工具アダプタは、その袋体が前記軸方向の先端側を向く状態で前記回転駆動軸に装着される第1の装着姿勢と、当該袋体が前記軸方向の先端側と反対の側を向く状態で前記回転駆動軸に装着される第2の装着姿勢とに切換可能であり、前記第1の装着姿勢でその袋体の面のうち前記軸方向の先端側の面上に前記可撓性工具が装着され、前記第2の装着姿勢で前記可撓性工具とは別の回転工具が装着される構成とすることも可能である。このような構成にすれば、単一種の工具アダプタを用いて複数種の回転工具を保持することができることになる。
【0021】
また、他の保持態様として、例えば、前記回転工具が前記アダプタ本体の外側に嵌合される筒状部分を有し、この筒状部分の内側面に前記流体に作用する遠心力で膨らんだ袋体の外周部が嵌まり込む凹部が設けられている構成等が好適である。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態を図1及び図2に基づいて説明する。
【0023】
図示の工具アダプタは、アダプタ本体20と袋体30とを備える。アダプタ本体20は回転駆動軸10に固定され、袋体30はアダプタ本体20に取付けられる。この工具アダプタが回転駆動軸10に連結される姿勢は、図1(a)に示すように袋体30が前側(前記回転駆動軸10の軸方向の先端側;同図では下側)を向く第1の姿勢と、同図(b)に示すように袋体30が後側(前記軸方向の先端側と反対の側;同図では上側)を向く第2の姿勢とに選択可能であり、第1の姿勢で可撓性研磨工具40を保持し、第2の姿勢で研磨工具50を保持するように工具アダプタが構成されている。
【0024】
以下の説明は、特に断りのない限り、前記第1の姿勢を基準にして行う。
【0025】
回転駆動軸10は、図略の駆動源に連結される軸本体12と、その先端側のねじ軸部14とを一体に有する。ねじ軸部14は、軸本体12よりも小径で、その外周面には雄ねじが形成されている。さらに、この回転駆動軸10の回転中心軸上には軸先端側に加工液を噴射するための加工液噴射孔16が設けられている。
【0026】
なお、ここでいう「加工液」とは、図示のような単なる冷却水でもよいし、砥粒を含有する研磨機能をもったものでもよい。
【0027】
アダプタ本体20は、金属材料のように比較的強度を有する材料で形成され、基板部22とボス部24とを一体に有する。基板部22は、前記回転駆動軸10と直交する円板状をなし、この基板部22の中央部から前方に前記ボス部24が突出している。ボス部24はその中心軸上にねじ孔24aを有し、このねじ孔24aが前記回転駆動軸10のねじ軸部14に螺合され、締め付けられることにより、アダプタ本体20が回転駆動軸10に固定される。
【0028】
なお、前記基板部22の背面中央には円形の凹部22aが形成され、この凹部22a内に前記回転駆動軸10の軸本体12の前端が挿入される。基板部22の前面外周部には袋体30を取付けるための周溝22bが形成されている。
【0029】
袋体30は、ゴム(例えば天然ゴム、ウレタン系ゴム、エラストマー)等の弾性に富んだ材料からなり、内部空間が後方すなわち前記回転駆動軸10の軸方向と平行な方向の後側に開放された袋状をなしている。そして、その内部空間に適当な流体(例えば水)を入れた状態で、前記開放部分を塞ぐようにしてアダプタ本体20に固定されている。
【0030】
具体的に、この袋体30は、筒状の内周壁31と、この内周壁31の前端から径方向外側に延びる前壁32と、前壁32の外周部から後方に延びる外周壁33と、外周壁33の後端から径方向内側に延びる補助壁34とを一体に有し、全体は前記加工液噴射孔16を取り囲む環状をなしている。前記外周壁33の外周面には、全周にわたって延びる複数の係止突条33aが形成されている。さらに、前記補助壁34からは径方向内側に楔部(袋体30の端部)35が突出しており、この楔部35が取付板(取付部材)25及びボルト(締結具)26を用いて前記周溝22b内に固定される。
【0031】
前記楔部35は、前記周溝22bの径方向外側部分に嵌め込まれる位置に形成され、この楔部35の前面は、径方向内側に向かうに従って後退する向きのテーパー面35aとされている。取付板25は、前記周溝22bの径方向内側部分に嵌め込まれるドーナツ板状をなし、その外周部には前記楔部35のテーパー面35aと当接可能なテーパー面25aが形成されている。そして、両テーパー面35a,25aが圧接する状態で取付板25がボルト26によって周溝22bの底面側に締め付けられる(すなわちアダプタ本体20側に締結される)ことにより、袋体30の開放部分が前記取付板25で塞がれた状態で当該袋体30がアダプタ本体20に固定されるようになっている。
【0032】
可撓性工具40は、可撓性及び伸縮性を有する薄肉のシート状母材を有する。この母材は、前記第1の姿勢における袋体30の前壁32を前側から覆う前側部42と、この前側部42から後方に延びて袋体30の外周壁33の側面を覆う外周部44とを一体に有する。外周部44には全周にわたって延びる複数の凹部44aが形成され、これらの凹部44aが前記袋体30の外周壁33に形成された係止突条33aと係合可能になっている。
【0033】
前側部42は、その中央に貫通孔46を有し、この貫通孔46は前記加工液噴射孔16から加工面へ至る加工液噴射通路を確保する大きさを有する。前側部42の前側表面には図2にも示す多数の突出部42aが形成され、これらの突出部42aに研磨用の砥粒が含有されている。
【0034】
この可撓性工具40の母材としては、ある程度の弾性をもつ合成樹脂等が好適であり、通常の砥石におけるバインダと同等の材料が使用可能である。具体的には、各種合成樹脂(フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、これらの混合物等)等が好適である。
【0035】
同様に、砥粒も通常の研磨用砥石で用いられているものが適用可能である。具体的には、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素(CBN)、炭化ケイ素(SiC)、酸化アルミニウム(Al23)、あるいはこれらの混合体等が好適である。
【0036】
一方、図1(b)に示す回転工具50は、その本体が金属材料等の比較的硬質な材料で形成されている。当該本体は、円板状の前壁52と、この前壁52の外周部から後方に延びる筒状の周壁54とを一体に有し、この周壁54の内周面には全周にわたって複数本の凹溝54aが形成されている。そして、非回転状態で前記凹溝54aが前記第2の姿勢における袋体30の係止突条33aに係合されることにより、前記前壁52が第2の姿勢におけるアダプタ本体20の前面を覆う状態で袋体30側に仮保持される。
【0037】
前壁52の前面には研磨用の砥石55が設けられている。この砥石55は、通常の研磨用または研削用砥石と同様に多数の砥粒をバインダで一体化したものであり、前壁52の前面に沿って平面状に配されている。この砥石55及び前記前壁52の中央には前記加工液噴射通路を確保するための貫通孔56が設けられている。
【0038】
なお、本発明の保持対象となる工具は前記研磨工具に限らず、例えば切断工具やフライスなど、その回転によって加工面を加工する種々の回転工具について本発明の適用が可能である。例えば、回転しながら母材表面の塗膜を薄く削り取る塗膜除去用回転工具にも適用が可能である。
【0039】
このアダプタ付工具の作用は次のとおりである。
【0040】
まず、図1(a)に示す第1の姿勢で工具アダプタを回転駆動軸10に固定した場合について説明する。図示の回転駆動軸及び工具アダプタが静止している状態で、シート状の可撓性工具40を袋体30に対して前側から被せ、その凹部44aを袋体30の係止突条33aに係合する。このとき、袋体30内の流体には遠心力が作用していないので、この袋体30の弾性変形を利用して前記凹部44aと係止突条33aとの係合を容易に行うことができ、この係合によって可撓性工具40は袋体30に仮保持される。
【0041】
この状態で回転駆動軸10に連結されたモータ等の駆動源を作動させると、当該回転駆動軸10と一体に工具アダプタ及び可撓性工具40が回転駆動される。このとき、袋体30内に封入された流体に作用する遠心力で、袋体30の外周壁33が可撓性工具40の外周部44を径方向内側から押圧し、その押圧力によっても可撓性工具40が袋体30側に保持されることになる。すなわち、工具アダプタが静止しているときの前記凹部44aと係止突条33aとの係合のみによる仮保持状態から、袋体30内の流体に作用する遠心力を利用した本格的な保持状態へ移行することとなる。しかも、この保持力は工具アダプタの回転が高速になるほど、すなわち前記流体に作用する遠心力が大きくなるほど強くなり、可撓性工具40の保持はより確実になる。
【0042】
従って、当該工具アダプタ及び可撓性工具40を高速回転させながら、当該可撓性工具40を工具アダプタ側に確実に保持することができ、その保持状態で前記可撓性工具40の突出部42aを加工面に押し当てることによって当該加工面の研磨加工を行うことができる。
【0043】
特に、この第1の姿勢では、袋体30の弾性変形と相俟って可撓性工具40の形状が加工面の形状変化に柔軟に追従することが可能であり、これにより曲面その他の複雑な形状をもつ加工面の研磨も良好に行うことができる。また、袋体30の内側には回転駆動軸10の加工液噴射孔16から加工面へ至る加工液(図では冷却水)噴射通路が確保されているので、同通路を通じて加工液を噴射することにより、例えば工具の外側から加工液を吹きかける場合に比べてより効率良くかつ有効に加工面への加工液の供給をすることができる。
【0044】
一方、同図(b)に示すように第2の姿勢で工具アダプタを回転駆動軸10に固定した場合には、静止状態で袋体30の外側に研磨工具50の周壁54を嵌め、その凹溝54aと袋体30の係止突条33aとを係合することにより研磨工具50を工具アダプタ側に仮保持した後、回転駆動軸10と一体に工具アダプタ及び研磨工具50を回転駆動することにより、前記第1の姿勢と同様、袋体30内の流体に作用する遠心力を利用して袋体30により研磨工具50を確実に保持することができる。そして、この状態で研磨工具50の砥石55を所定の加工面(平面状の加工面)に押し当てることにより、当該加工面の研磨を迅速に効率良く行うことができる。
【0045】
第2の実施の形態を図3〜図5に示す。
【0046】
この実施の形態にかかるアダプタ本体20は、ねじ軸14の外側に螺合される円筒状をなし、その外周部に全周にわたって凹溝28が形成されており、この凹溝28内に環状の袋体30が嵌め込まれている。この実施の形態にかかる袋体30は、内部が(開放部分を持たずに)密閉された完全な袋体であり、予め内部に流体が封入された状態でゴム等の弾性材料により一体成形されている。
【0047】
なお、本発明において、袋体30内の流体は当該袋体30内に充満していてもよいし、袋体30の容積よりも少ない量だけ封入されたものでもよい。
【0048】
この工具アダプタには、研磨工具50が保持される。この研磨工具50は、前記図1(b)に示したものと同様、略円板状の前壁52と、この前壁52から後方に延びる筒状の周壁54とを一体に有し、前壁52の前面に砥石55が設けられるとともに、この砥石55及び前壁52の中央に加工液噴射通路を確保するための貫通孔56が設けられている。
【0049】
この研磨工具50の特徴として、前記前壁52の裏面には円形以外の形状(ここでは図4及び図5に示すような小判状)の突出部53が形成されるとともに、この突出部53の適所に仮保持用の磁石58が埋め込まれている。一方、前記アダプタ本体20の前側面(図3では下面)には前記突出部53が嵌入可能な凹部23(図4)が形成され、この凹部23と前記突出部53との嵌合によってアダプタ本体20に対する研磨工具50の回り止めが行われるとともに、前記磁石58がアダプタ本体20を吸引することによって研磨工具50がアダプタ本体20側に仮保持されるようになっている。
【0050】
なお、この磁石58をアダプタ本体20側に設け、研磨工具50を吸引するようにしても、当該研磨工具50の仮保持が可能である。
【0051】
前記周壁54の内周面には、前記袋体30の外周部と対向する位置に凹部54bが形成されている。そして、前記研磨工具50がアダプタ本体20に仮保持された状態で両者が回転駆動軸10と一体に回転駆動されることにより、内部流体に作用する遠心力で膨らんだ袋体30の外周部が前記凹部54bに嵌まり込み(図3(b))、これにより、前記研磨工具50の保持状態は、前記磁石58の磁力のみによる仮保持状態から内部流体の遠心力を利用した本格的な保持状態へ移行し、より確実な保持が行われることとなる。
【0052】
すなわち、この第2の実施の形態においても、前記第1の実施の形態と同様、ねじ等の操作が煩わしい固定手段を用いることなく、簡単に装着ができ、かつ、高速回転中であっても研磨工具50を回転駆動軸側に確実に保持することができる。
【0053】
なお、本発明はねじを用いた着脱構造を一切排除する趣旨ではなく、当該ねじを補助的に用いる構造も含む趣旨である。この場合も、当該ねじは工具アダプタに工具を仮止めしておく程度の簡易なものでよいので、ねじのみを用いて工具を回転駆動軸に固定する従来装置に比して構造の簡素化及び着脱作業の容易化が果たされる。
【0054】
なお、前記各実施の形態では、環状の袋体30を用いているが、例えば加工液噴射通路の周囲に複数の袋体30を並べて配設するようにしても当該加工液の噴射が可能である。さらに、袋体30は必ずしもアダプタ本体20の外周部に取付けられるものに限らず、第3の実施の形態として図6に示すように、袋体30をアダプタ本体20の前側(図では下側)に取付けるようにしてもよい。
【0055】
図例では、袋体30の外周壁33の後端から直接、楔部35が径方向外側に突出しており、この楔部35がアダプタ本体22と取付板25との間に挟み込まれている。そして、この取付板25のテーパー面25aが前記楔部35のテーパー面35aを後方のアダプタ本体22側に押付けた状態となっている。また、取付板25をアダプタ本体22に締結するためのボルト26はアダプタ外周部に設けられており、前記袋体30よりも径方向外側に位置している。このため、前記ボルト26を挿通するための挿通孔が袋体30内の流体の密封状態に影響を与えることがなく、その分シール構造が簡略化される。
【0056】
この場合も、図示のように当該袋体30を環状にしてその中央及びアダプタ本体22の中央に加工液噴射通路38を確保しておくことにより、加工液を回転駆動軸10から前方に噴射することができる。また、当該加工液の噴射を行わない場合には、前記袋体30を例えば回転駆動軸を前側から全面的に覆う形状にしてもよい。さらに、図示のようにアダプタ本体22から袋体30内に周方向に並ぶ複数枚の攪拌翼27を突出させ、アダプタ本体22の回転に伴う袋体30内の流体の回転を促進することにより、当該流体に作用する遠心力を十分に確保することも可能である。
【0057】
また本発明では、アダプタ本体20と回転駆動軸10との具体的な連結構造を問わない。例えば、専用のボルトでアダプタ本体20を回転駆動軸10に締結するようにしてもよい。
【0058】
【発明の効果】
以上のように本発明は、回転駆動軸に連結されるアダプタ本体に、内部に流体が封入された弾性変形可能な袋体を取付け、その回転中に前記流体に作用する遠心力を利用して前記袋体により工具を保持するようにしたものであるので、回転駆動軸側に回転工具を確実に保持し、かつ、その工具着脱作業を容易にすることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第1の実施の形態において回転駆動軸に工具アダプタを第1の姿勢で連結した状態を示す断面図、(b)は同工具アダプタを第2の姿勢で連結した状態を示す断面図である。
【図2】(a)は前記第1の姿勢で工具アダプタに保持される可撓性工具の正面図、(b)はその側面図である。
【図3】(a)は本発明の第2の実施の形態にかかるアダプタ付工具の静止状態を示す断面図、(b)はその回転状態を示す断面図である。
【図4】図3(a)のA−A線断面図である。
【図5】図3に示す研磨工具の内部構造を外部から透過して示した斜視図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態にかかるアダプタ付工具の断面図である。
【符号の説明】
10 回転駆動軸
20 アダプタ本体
25 取付板(取付部材)
26 ボルト(締結具)
30 袋体
33a 係止突条
35 楔部
40 可撓性工具
42a 突出部
44a 凹部(係合部)
50 研磨工具(回転工具)
54a 凹溝(係合部)
58 磁石

Claims (8)

  1. 回転駆動軸に連結され、回転工具を着脱可能に保持する工具アダプタにおいて、前記回転駆動軸の先端に固定されるアダプタ本体と、このアダプタ本体に取付けられ、内部に流体が封入された弾性変形可能な袋体とを備え、前記袋体は、その内部が所定方向に開放された形状を有し、その開放部分を塞ぐようにして前記アダプタ本体に取付けられ、前記回転駆動軸と一体に回転する際に前記流体に作用する遠心力前記回転工具を保持するように構成されていることを特徴とする工具アダプタ。
  2. 請求項1記載の工具アダプタにおいて、前記袋体は前記回転駆動軸の回転中心軸上に形成された加工液噴射通路の周囲に配設されていることを特徴とする工具アダプタ。
  3. 請求項2記載の工具アダプタにおいて、前記袋体は前記加工液噴射通路を取り巻く環状に形成されていることを特徴とする工具アダプタ。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の工具アダプタにおいて、前記袋体の端部をアダプタ本体とで挟み込んで固定する取付部材と、この取付部材をアダプタ本体に締結する締結具とを備え、かつ、この締結具が前記袋体の径方向外側に設けられていることを特徴とする工具アダプタ。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の工具アダプタと、この工具アダプタに装着される回転工具とを備え、当該回転工具が前記流体の遠心力で前記袋体により保持されるように構成されていることを特徴とするアダプタ付回転工具。
  6. 請求項5記載のアダプタ付回転工具において、前記袋体は前記アダプタ本体から前記回転駆動軸の軸方向の先端側に露出するように当該アダプタ本体に取付けられ、前記回転工具には、可撓性及び伸縮性を有する母材とその少なくとも表面部分に設けられる砥粒とを有していて前記袋体の面のうち前記軸方向の先端側の面上に取付けられる可撓性工具が含まれることを特徴とするアダプタ付回転工具。
  7. 請求項6に記載のアダプタ付回転工具において、前記可撓性工具は前記袋体をその面のうち前記軸方向の先端側の面から径方向外側の側面にかけて覆う形状を有し、当該側面を覆う部分が回転中の袋体の外周部によって内側から押圧されるように構成されていることを特徴とするアダプタ付回転工具。
  8. 請求項6または7に記載のアダプタ付回転工具において、前記工具アダプタは、その袋体が前記軸方向の先端側を向く状態で前記回転駆動軸に装着される第1の装着姿勢と、当該袋体が前記軸方向の先端側と反対の側を向く状態で前記回転駆動軸に装着される第2の装着姿勢とに切換可能であり、前記第1の装着姿勢でその袋体の前記軸方向の先端側の面上に前記可撓性工具が装着され、前記第2の装着姿勢で前記可撓性工具とは別の回転工具が装着されるように構成されていることを特徴とするアダプタ付回転工具。
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