JP4048703B2 - キャップ固定方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、ケース体の開放された端面にシール部材を介して密着状態でキャップを固定するためのキャップ固定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、多光軸光電センサは、プレス機械や産業用ロボットのような各種の機械からの作業者の安全を確保するための安全設備などに用いられている。その種の多光軸光電センサは、図10に示すように、長手形状のケース体80の内部に複数の投光素子73が配置された投光器71と、同様の長手形状のケース体80の内部に複数の受光素子74が配置された受光器72とで構成されており、投光器71の各投光素子73と、各投光素子73と対をなす受光器72の各受光素子74とは、各ケース体80の内部に、光軸75の向きを揃えてそれぞれ保持されている。
【0003】
投光器71と受光器72とを対向させて設置したとき、投光器71と受光器72との間には、危険区域の境界となる2次元の物体検知領域Sが形成される。なお、「危険区域」とは、例えば産業用ロボットではロボットアームの作業領域を、プレス機械では型の往復動領域を、それぞれ意味している。前記物体検知領域Sに作業者の身体の一部が入ると、いずれかの投光素子73からの光が遮断される結果、前記投光素子73と対をなす受光素子74がオン状態からオフ状態へ移行する。これにより、危険区域内に人が侵入したとして、警報が発せられたり、機械の作動が即座に停止したりする。
【0004】
この種の多光軸光電センサにおける投光器71と受光器72とは、全体の構成がほぼ同じであり、図11に示すように、長手形状のケース体80とキャップ82とを備えている。前記ケース体80は、投光素子や受光素子の各配置位置に投受光のための窓孔91が開設された側面部92を有しており、ケース体80の両方の端面は開放されている。なお前記ケース体80の側面部92は、図示しない透光性を有する塞ぎ板により密封状態で塞がれる。
【0005】
前記キャップ82は、ケース体80の開放された端面(以下、「開放端面」という。)にシール部材としてのパッキン81を介して止め固定される。ケース体80の開放端面にはネジ孔83が2箇所、形成されており、キャップ82に形成された2個のネジ挿入孔84へそれぞれネジ85を挿入して各ネジ孔83へネジ込むことによりキャップ82がケース体80の開放端面に止め固定される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記した構成の多光軸光電センサでは、ケース体80の両方の開放端面にネジ孔83を2箇所ずつ形成する必要があるため、下穴加工、タップ加工、およびタップ切粉除去の各工程が必要であり、ケース体の製作コストが高価につく。
また、ケース体80には、ネジ孔83を形成するための肉厚部分が必要であるため、ケース体80の内部の有効スペースが狭められる。さらに、ネジ85の締付け作業に時間がかかり、製品組立時の作業効率が低下するだけでなく、ネジ85の締付け時に、ケース体80のタップを潰したり、ネジ85を折ったり、ネジ85の頭部を潰したりするなどのおそれがあり、品質の低下や不良品の発生を招くという問題もある。
【0007】
この発明は、ケース体の開放された端面にキャップを密着固定したり、そのキャップを取り外す作業を簡単化し、ケース体の製作コストを低減し、ケース体内部の有効スペースを増加させ、ネジの締付け作業に伴う品質の低下や不良品の発生を防止することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るキャップ固定方法は、対向する側面にそれぞれ係合突起が設けられるとともに端面が開放されたケース体の前記開放端面に、上面の中央部と前記係合突起の形成面に対応する両端縁との間にそれぞれ中央部から端縁に向かって後方に傾斜する斜面が形成された構成のキャップを、シール部材を介して密封状態で止め固定するためのもので、前記キャップの各斜面の上面にそれぞれ台部を設けるとともに、ばね板材の両端部を同方向へ屈曲させることにより胴板部と一対の脚部とが一連に形成された止め金具と、補助金具とを使用する。
【0009】
前記止め金具の各脚部には、それぞれ前記係合突起に係合可能な係合孔が形成されるとともに、前記胴板部には、この胴板部をキャップの上面に当接させたときに各台部を臨ませるための開口部が形成される。また、一対の台部にはそれぞれ前記補助金具をネジ止めするためのネジ孔が形成される。
前記補助金具は、胴板部の前記脚部に連続する両端部を上方から押圧するための一対の押圧部を有するとともに、前記キャップの上面に当接された胴板部の前記両端部に各押圧部を当接させたときに前記開口部内の各台部のネジ孔に対応する位置にそれぞれネジ挿入孔が形成され、対応するネジ挿入孔とネジ孔とがそれぞれネジにより連結され、さらに各ネジがねじ込まれたとき、各押圧部が前記胴板部の両端部を上方から押圧するように構成される。
【0010】
さらに上記の方法では、前記シール部材を介して前記ケース体の開放端面を塞ぐように配置されたキャップの上面に前記止め金具を前記開口部内に各台部を臨ませた状態で配備し、各台部に補助金具をネジにより連結した後に各ネジをねじ込んで、各押圧部による押圧力および前記胴板部と前記キャップの各斜面との間の間隙によって前記胴板部を弾性変形させることにより、各脚部がそれぞれ後方に変位して各係合孔が係合突起に係合し、前記胴板部とキャップの各斜面との間に前記弾性変形前より小さい所定大きさの間隙を残して前記キャップが止め金具によりケース体の開放端面側に押し付けられて固定されるようにする。また補助金具を、止め金具によりキャップが固定された後に取り外し、止め金具により固定されたキャップの各台部に前記補助金具を再びネジにより連結して各ネジをねじ込むことにより、各押圧部による押圧力および前記胴板部とキャップの各斜面との間に残されていた間隙によって前記胴板部が弾性変形し、その変形により各脚部の係合孔がそれぞれ前記係合突起の後方に変位して係合が外れ、前記キャップの固定状態が解除されるようにする。
【0011】
上記の方法によれば、キャップをケース体に固定する場合には、ケース体の開放端面をシール部材を介してキャップにより塞ぎ、このキャップの上面に止め金具の胴板部を当接させた後に、その上方に補助金具を各押圧部が胴板部の両端部に当接するようにして設置し、キャップの各台部のネジ孔に補助金具をねじ止めする。さらに各ネジをねじ込むことにより、補助金具の各押圧部が止め金具の胴板部の両端を上方から押圧すると、胴板部とキャップの各斜面との間の間隙の存在によって胴板部が弾性変形し、各脚部が後方に変位して係合孔が係合突起に係合し、キャップがケース体の開放端面側に密着固定される。
【0014】
上記のようにしてキャップが固定された後に、補助金具が取り外された後、固定されたキャップを取り外す必要が生じた場合には、補助金具を再び各押圧部が胴板部の両端部に当接するようにして設置し、前記キャップの各台部のネジ孔に補助金具をねじ止めする。さらに各ネジをねじ込むことにより、補助金具の各押圧部が止め金具の胴板部の両端を押圧すると、止め金具とキャップの各斜面との間に残されていた間隙の存在によって胴板部が弾性変形して、各脚部が後方に変位し、前記脚部の係合孔とキャップの係合突起との係合がはずれる。この状態下で前記ネジを取り外すと、取り外し金具とともに止め金具もはずれ、前記キャップはケース体の開放端面から取り外されることになる。
【0016】
上記のキャップ固定方法は、複数の投光素子と、各投光素子と対をなす複数の受光素子とを、対をなす各ケース体の内部に、光軸が平行となるようにそれぞれ配置して、投光器と受光器とが形成されてなる多光軸光電センサに実施することができる。
【0017】
前記の「投光素子」や「受光素子」は、例えば発光ダイオードやフォトダイオードであり、対をなすケース体の一方に各投光素子を同方向へ向けて所定の間隔で配列し、ケース体の他方に各受光素子を同方向へ向けて投光素子と同じ間隔で配列する。
投光器と受光器とを光軸合わせを行って対向させると、投光器と受光器との間に、2次元の物体検知領域が形成される。この物体検知領域に身体の一部が入ると、いずれかの投光素子からの光が遮断される結果、対応する受光素子がオン状態からオフ状態へ移行する。
【0018】
前記投光器および受光器は、端面が開放されているケース体と、ケース体の開放された端面をシール部材を介して密封状態で塞ぐキャップと、このキャップを止め固定する止め金具とを備えている。ケース体の対向する端面にはそれぞれ係合突起が形成され、前記キャップの上面の中央部と前記係合突起の形成面に対応する両端縁との間には、それぞれ中央部から端縁に向かって後方に傾斜する斜面が形成され、各斜面の上面には、前記キャップをケース体に着脱するために使用される補助金具をネジ止めするためのネジ孔が設けられた台部がそれぞれ設けられる。
止め金具は、ばね板材の両端部を同方向へ屈曲させることにより胴板部と一対の脚部とが一連に形成され、各脚部には、それぞれ前記係合突起に係脱可能な係合孔が形成されるとともに、前記胴板部には、この胴板部をキャップの上面に当接させたときに各台部を臨ませるための開口部が形成される。
前記補助金具は、前記胴板部の前記脚部に連続する両端部を上方から押圧するための一対の押圧部を有するとともに、前記キャップの上面に当接された胴板部の前記両端部に各押圧部を当接させたときに前記開口部内の各台部のネジ孔に対応する位置にそれぞれネジ挿入孔が形成され、対応するネジ挿入孔とネジ孔とがそれぞれネジにより連結され、さらに各ネジがねじ込まれたとき、各押圧部が前記胴板部の両端部を上方から押圧するように構成される。
前記シール部材を介して前記ケース体の開放端面を塞ぐように配置されたキャップの上面に前記止め金具が前記開口部内に各台部を臨ませた状態で配備され、各台部に補助金具がネジにより連結された後に各ネジがねじ込まれたとき、各押圧部による押圧力および前記胴板部とキャップの各斜面との間の間隙によって胴板部が弾性変形し、その変形により各脚部がそれぞれ後方に変位して各係合孔が係合突起に係合し、前記胴板部とキャップの各斜面との間に前記弾性変形前より小さい所定大きさの間隙を残して前記キャップが止め金具によりケース体の開放端面側に押し付けられて固定される。
前記補助金具は、止め金具によりキャップが固定された後に取り外され、止め金具により固定されたキャップの各台部に前記補助金具が再びネジにより連結されて各ネジがねじ込まれたとき、各押圧部による押圧力および前記胴板部とキャップの各斜面との間に残されていた間隙によって胴板部が弾性変形し、その変形により各脚部の係合孔がそれぞれ前記係合突起の後方に変位して係合が外れ、前記キャップの固定状態が解除される。
【0019】
上記の多光軸光電センサのさらに好ましい実施態様では、前記キャップが固定されて補助金具が取り外された後のネジ孔に、当該キャップを含む投光器または受光器を設置するための金具がねじ止めされる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1〜3は、この発明の一実施例である多光軸光電センサにおける投光器および受光器の構成を示す。
図中の1は、ケース体であって、アルミニウムのような金属材の引抜加工により中空かつ長手形状に形成され、内部には、投光器では複数の投光素子が、受光器では複数の受光素子が、それぞれ長手方向に沿って一列に配置されている。ケース体1の断面形状はほぼ矩形状であり、光軸方向の一側面と両方の端面とが開放されている。
【0021】
なお図1中の9は、各種信号線がまとめられたケーブルである。また図3中の10はケース本体1の内部に配備されたプリント基板であり、このプリント基板10の上面には、図示しない複数の投光素子または受光素子がそれぞれの光軸が平行となるようにハンダ付けされる。
【0022】
前記ケース体1の開放側面には、図2,3に示すように、塞ぎ板2の両側縁を支持するための一対の支持壁部11a,11bが設けてある。各支持壁部11a,11bは、ケース体1の対向する側壁1a,1bの内面に全長にわたって一体形成されている。
各側壁1a,1bの外面には、開放端面から近い位置に、一対の係合突起12a,12bが一体形成されている。この係合突起12a,12bは、後述する止め金具5を取外し可能に止め固定するためのもので、プレス加工により各側壁1a,1bの外面を突出させて形成される。
【0023】
前記塞ぎ板2は、ケース体1の開放側面を密封状態で塞ぐためのものであり、アクリル板のような透明または半透明の合成樹脂板で形成して透光性を持たせている。この塞ぎ板2は、ケース体1の開放側面に適合する幅を有し、その長さは、両端部がケース体1の開放端面より突出するように、ケース体1より長く形成されている。なお、この塞ぎ板2の全長は、たとえ周囲温度が変化して塞ぎ板2やケース体1が伸縮しても、塞ぎ板2の両端部がケース体1の両端面より突出した状態が維持される長さに設定される。
【0024】
前記塞ぎ板2は、両端部がケース体1の両方の開放端面より突出した状態で、ケース体1の開放側面に固定されるもので、ケース体1の各支持壁部11a,11bと塞ぎ板2の両側縁との間に、表裏両面が糊着面の帯状のテープ部材20a,20bをそれぞれ介在させることにより、両支持壁部11a,11b上に塞ぎ板2を密封状態で固定する。
【0025】
各テープ部材20a,20bは、ケース体1より長く形成され、各テープ部材20a,20bの両端部をケース体1の開放端面上へ屈曲して突出させる。各テープ部材20a,20bの突出部分Dにはケース体1の開放端面にパッキン3を介してキャップ4を固定するとき、前記パッキン3と各テープ部材20a,20bの突出端部Dとが接合して隙間の発生が防止される。
【0026】
前記パッキン3は、ケース体1の開放端面に当接する第1のシールド部3Aと、塞ぎ板2の突出した端部の下面に当接する第2のシールド部3Bとを有する。第1のシールド部3Aは、外形がケース体1の開放端面に適合する矩形であり、かつリング状に形成され、ケース体1の開放端面とキャップ4との間を密封状態に保持する。第2のシールド部3Bは、第1のシールド部3Aの上端に屈曲形成されており、塞ぎ板2の突出した端部とキャップ4との間を密封状態に保持する。
【0027】
この実施例のパッキン3は、図4に示すように、パッキン本体30と補強板31と表裏両面が糊着面のテープ部材32とで構成されている。前記パッキン本体30は、ゴムなどの弾性体より成り、前記した第1のシールド部3Aを構成するリング状部30Aと第2のシールド部3Bを構成する屈曲部30Bとを備える。補強板31は、前記リング状部30Aに対応する形状のステンレスのような金属板であって、前記パッキン本体30の成型時に型内でリング状部30Aに貼着される。前記テープ部材32は、パッキン本体30に対応する形状であって、補強板31の表面とパッキン本体30の屈曲部30Bの表面とに貼設される。
前記補強板31は、キャップ4の押圧力がパッキン本体3に作用したときのパッキン本体30の変形を防止するためのもので、これにより、ケース体1とキャップ4との間の密封状態を保持する。
【0028】
前記キャップ4は、ケース体1の開放端面を密封状態で塞ぐためのものであり、パッキン3を介してケース体1の開放端面に押付状態で固定される。このキャップ4は、たとえば合成樹脂成形体であり、ケース体1の開放端面に適合する矩形状を有する。キャップ4の外面には、中央にボス部41、ボス部41の両側に台部42,42が一体形成され、各台部42,42の上面にネジ孔43a,43bが開設されている。各ネジ孔43a,43bは、投光器および受光器を設置するための金具(図示せず。)をねじ止めするためのものであるが、後記するように、キャップ4の取外し処理にも使用される。
【0029】
前記止め金具5は、ケース体1の開放端面へパッキン3を中間に介在させてキャップ4を固定するためのものであり、金属製のばね板材の両端に同方向に折曲加工を施すことにより、胴板部50の両端に脚部51a,51bを形成している。胴板部50はキャップ4に対応する形状であり、中心部にはキャップ4のボス部41と台部42,42とを臨ませる開口部52が形成されている。また各脚部51a,51bには、前記係合突起12a,12bの大きさに応じた矩形状の係合孔53a,53bが形成される。
【0030】
前記キャップ4の前面の両端位置には、図5(1)(2)に示すように、それぞれ両端位置で後方に傾斜する斜面40,40が形成されている。このためキャップ4に前記止め金具5の胴板部50を当接させると、図6に示すように、キャップ4の斜面40,40と胴板部50の内面との間にそれぞれ間隙d0が生じる。
【0031】
前記ケース体1の側面の係合突起12a,12bは、後方にいくほど外側に突出する斜面を持つように形成される。またこの係合突起12a,12bは、キャップ4と止め金具5とが図6の位置関係にあるとき、止め金具5の係合孔53a,53bに対応する位置から所定距離だけ後方にずれた位置に形成される。
図6の状態下で前記胴板部50の両端を前方から所定の力fで押圧すると、前記間隙d0の存在により胴板部50が弾性変形して前記脚部51a,51bが後方に変位し、係合孔53a,53bが前記係合突起12a,12bに対応する位置まで変位した時点で係合突起12a,12bに嵌まり込んで支持される。この状態下で前記押圧力fを解除すると、図7に示すように、キャップ4は、止め金具5の復元力によってケース体1の開放端面側へと押し付けられ、前記パッキン3を介してケース体1に密着した状態で固定される。
なおこの状態下で、前記止め金具5の胴板部50とキャップ4の斜面40との間には、前記間隙d0より小さいが、所定大きさの間隙d1が発生する。
【0032】
上記した構成の投光器や受光器によれば、止め金具5をキャップ4に当接させて押圧力をかけるだけでキャップ4を密封状態で固定することが可能となるので、組立てがきわめて簡単になり、またネジ締めの失敗により不良品が発生するという問題も解消できる。またケース体1の係合突起12a,12bは、プレス加工の一工程で形成できるので、ネジ孔を形成する場合に比べ、工数および製作コストを大幅に削減することができる。さらにネジ孔をなくすことにより、ケース体1内の有効スペースを広くとることができる。
【0033】
ところでこの種の投光器,受光器は、環境によっては、複数個の投受光器を連結させて使用することがある。このような場合、前記キャップ4をコネクタ付きのキャップに交換し、コネクタを介して2つの機器を接続する。
【0034】
この実施例では、このキャップ交換作業を、図8に示すような取外し金具6を用いて行うようにしている。
この取外し金具6は、金属板を折曲加工して成るもので、前記キャップ4の前面に応じた形状の支持板60の両端に、それぞれ押圧部61a,61bが一体形成されて成る。各押圧部61a,61bは、前記キャップ4のネジ孔43a,43bを塞がない程度に内側に屈曲する略L字状に形成される。また前記支持板60のキャップ4の各ネジ孔43a,43bに対応する場所にそれぞれネジ挿入孔62a,62bが形成される。
【0035】
前記キャップ4を取り外す際には、上記構成の取外し金具6を、各ネジ挿入孔62a,62bをキャップ4のネジ穴43a,43bに対応させ、各押圧部61a,61bを止め金具5の胴板部50の両端に当接させた状態で設置し、各ネジ挿入孔62a,62bを対応するネジ孔43a,43bとそれぞれネジ63a,63bにより連結する。この状態下でさらに各ネジ63a,63bをねじ込むと、中央位置では、支持板60がボス部41に当接して支持されるのに対し、両端部では、前記押圧部61a,61bによって前記止め金具5の胴板部に圧力がかかり、胴板部50が弾性変形する。
【0036】
図9(1)は、前記押圧力をかける前のキャップ4,止め金具5,取外し金具の関係を、図9(2)は、押圧力をかけている際の3者の関係を、それぞれ示す。
図9(1)の状態では、前記したように、止め金具5の各係合孔53a,53bはケース体1の両側部1a,1bの係合突起12a,12bに係合し、キャップ4は、止め金具5の復元力によりケース体1の開放端縁側に押し付けられた状態にある。この状態下での止め金具5は、復元力により、前記胴板部50とキャップ4の斜面との間に前記間隙d1を隔てた状態でケース体1に支着される。
【0037】
図9(2)の状態では、胴板部50の両端に押圧力をかけることにより、前記間隙d1の分だけ胴板部50が後方に撓む。これに応じて両端の脚部51a,51bは、前記係合突起12a,12bの斜面に沿って滑りながら後方に変位し、前記係合孔53a,53bが係合突起12a,12bの後方側に位置ずれして若干浮き上がる(図9(2)中のσは係合孔53a,53bの位置ずれ量を示す。)。ここで係合孔53a,53bを係合突起12a,12bから完全に開放し、前記ネジ63a,63bをはずすと、取外し金具6とともに止め金具5が開放され、前記キャップ4は、ケース体1の開放端縁から取り外されることになる。
なお係合孔53a,53bを係合突起12a,12bからはずす際には、補助器具を使用してもよい。
【0038】
さらに上記構成の取外し金具6は、キャップ4の取外しのみならず、キャップ4を再びケース体1に支着する際にも使用することができる。この場合には、ケース体1の開放端面に前記パッキン3を介してキャップ4を当接させた後、その上から前記止め金具5および取外し金具6を順に当接させ、取外し金具6とキャップ4とを前記ネジ63a,63bによりねじ止めする。さらにこの状態下で、前記止め金具6の弾性変形により係合孔53a,53bと係合突起12a,12bとが係合するまでネジ63a,63bをねじ込むことにより、キャップ4および止め金具5を固定し、しかる後に取外し金具6を取り外す。
【0039】
このような方法により、ケース体1に密着するキャップ4を簡単に取り外したり、取り付けることができるので、投受光器の増設作業時の労力が削減され、利便性の高い多光軸光電センサを提供することができる。
【0040】
【発明の効果】
この発明によれば、ケース体の開放された端面へのキャップの固定や取り外しの作業をきわめて簡単にすることができ、作業効率を高めることができる。またケース体の開放端面にネジ孔を形成する必要がなくなるので、ケース体の製作コストを大幅に削減することができる。またケース体側の係合手段を係合突起にしたことにより、ケース体内部の有効スペースを増加させることができる。
特にこの発明を多光軸光電センサに適用した場合、投光器や受光器を構成するケース体に対するキャップの取り付けや取り外しを簡単に行うことが可能となる。またこの種の投受光器の製作コストを大幅に削減することができる。しかも、ネジの締付け作業に伴う品質の低下や不良品の発生を防止し、ケース体に対しキャップを完全に密着することができるので、安価かつ高品質の多光軸光電センサを提供することが可能となる。またケース体内部のスペースが確保できるので、投受光器を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例である多光軸光電センサの投光器および受光器の構成を示す斜視図である。
【図2】投光器および受光器の構成を示す分解斜視図である。
【図3】塞ぎ板が固定されたケース体の開放端面を示す斜視図である。
【図4】パッキンの外観を示す斜視図である。
【図5】キャップの構成を示す斜視図およびこの図のI−I線に沿う断面図である。
【図6】キャップと止め金具との関係を示す説明図である。
【図7】キャップが固定された状態を示す断面図である。
【図8】取外し金具の使用例を示す斜視図である。
【図9】取外し金具による押圧力をかける前および後の状態を示す断面図である。
【図10】従来の投光器および受光器の構成を示す斜視図である。
【図11】従来の多光軸光電センサにおける投光器および受光器の構成を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 ケース体
3 パッキン
4 キャップ
5 止め金具
6 取外し金具
12a,12b 係合突起
53a,53b 係合孔
43a,43b ネジ孔
Claims (1)
- 対向する側面にそれぞれ係合突起が設けられるとともに端面が開放されたケース体の前記開放端面に、上面の中央部と前記係合突起の形成面に対応する両端縁との間にそれぞれ中央部から端縁に向かって後方に傾斜する斜面が形成された構成のキャップを、シール部材を介して密封状態で止め固定するためのキャップ固定方法であって、
前記キャップの各斜面の上面にそれぞれ台部を設けるとともに、ばね板材の両端部を同方向へ屈曲させることにより胴板部と一対の脚部とが一連に形成された止め金具と、補助金具とを使用し、
前記止め金具の各脚部には、それぞれ前記係合突起に係合可能な係合孔が形成されるとともに、前記胴板部には、この胴板部をキャップの上面に当接させたときに各台部を臨ませるための開口部が形成されており、
前記一対の台部にはそれぞれ前記補助金具をネジ止めするためのネジ孔が形成され、
前記補助金具は、前記胴板部の前記脚部に連続する両端部を上方から押圧するための一対の押圧部を有するとともに、前記キャップの上面に当接された胴板部の前記両端部に各押圧部を当接させたときに前記開口部内の各台部のネジ孔に対応する位置にそれぞれネジ挿入孔が形成され、対応するネジ挿入孔とネジ孔とがそれぞれネジにより連結され、さらに各ネジがねじ込まれたとき、各押圧部が前記胴板部の両端部を上方から押圧するように構成されており、
前記シール部材を介して前記ケース体の開放端面を塞ぐように配置されたキャップの上面に前記止め金具を前記開口部内に各台部を臨ませた状態で配備し、各台部に補助金具をネジにより連結した後に各ネジをねじ込んで、各押圧部による押圧力および前記胴板部と前記キャップの各斜面との間の間隙によって前記胴板部を弾性変形させることにより、各脚部がそれぞれ後方に変位して各係合孔が係合突起に係合し、前記胴板部とキャップの各斜面との間に前記弾性変形前より小さい所定大きさの間隙を残して前記キャップが止め金具によりケース体の開放端面側に押し付けられて固定されるようにし、
前記補助金具を、止め金具によりキャップが固定された後に取り外し、止め金具により固定されたキャップの各台部に前記補助金具を再びネジにより連結して各ネジをねじ込むことにより、各押圧部による押圧力および前記胴板部とキャップの各斜面との間に残されていた間隙によって前記胴板部が弾性変形し、その変形により各脚部の係合孔がそれぞれ前記係合突起の後方に変位して係合が外れ、前記キャップの固定状態が解除されるようにした、
ことを特徴とするキャップ固定方法。
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