JP4048574B2 - 記録媒体および再生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばディジタル・ビデオ・ディスクまたはディジタル・ヴァーサタイル・ディスク(以下、DVDと記す。)等の記録媒体、およびこの記録媒体からデータを再生する再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ディジタル化した映像データや音声データを記録可能な光ディスクであるDVD、およびDVDからのデータの再生とDVDに対するデータの記録のうちの少なくとも再生を行う装置であるDVDプレイヤ(以下、単にプレイヤとも言う。)が実用化されている。
【0003】
DVDでは、その機能の特長としてメニュー機能がある。このメニュー機能では、同一の内容に対して、その内容を複数言語で表現した複数のメニュー画面をディスク(DVD)に記録しておき、プレイヤの設定によって好みの言語に固定してメニュー画面を再生し利用することができるようになっている。
【0004】
また、DVDには、字幕や音声を複数言語で記録しておき、再生時にそのいずれかを選ぶという機能が標準で備えられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、DVDに映画等を記録する場合には、本編映像に付随させて、映画の予告編や著作権に関する表示や複製禁止の警告等の付随画像(以下、トレーラとも言う。)のデータをディスクに記録し、本編映像の前や後でトレーラが再生されるようにする場合がある。
【0006】
トレーラには、複製禁止の警告等、その性質上、言語別に表示しなければ意味がないようなものがある。しかしながら、従来は、トレーラを複数言語分だけ用意し、且つ自動的に適した言語のトレーラを再生できるようにしたものは存在しなかった。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、本編映像データに付随して再生される付随画像データを複数の言語毎に再生可能で、且つ本編映像データに付随して自動的に適した言語の付随画像データが再生されるようにした記録媒体および再生装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の記録媒体は、制御部および記憶部を備えたコンピュータによって読み取られ、記憶部に格納されるデータが記憶されたものであって、本編映像の内容を表す本編映像データと、この本編映像データの制御部における再生を制御する本編再生制御用データと、複数の言語毎に用意されたメニュー画面の内容を表すメニュー画面データと、このメニュー画面データの制御部における再生を制御するメニュー再生制御用データと、複数の言語毎に用意され、本編映像に付随して再生される付随画像の内容を表す付随画像データと、この付随画像データの制御部における再生を制御する付随画像再生制御用データとが記録され、メニュー再生制御用データは、入力装置の操作によって選択された言語に対応するメニュー画面データが制御部において再生されるように、複数の言語毎に分類されたデータ構造を有し、付随画像再生制御用データは、入力装置の操作によるメニュー画面データにおける言語の選択によって選択された言語と同一の言語に対応する付随画像データが制御部において再生されるように、複数のランゲージ・ユニット(LU)によって、複数の言語毎に、メニュー再生制御用データに対応付けられて分類されたデータ構造を有し、本編映像データおよび本編再生制御用データは、タイトル・ドメイン(TT DOM)に配置され、メニュー画面データおよびメニュー再生制御用データは、ビデオ・マネージャ・メニュードメイン(VMGM DOM)およびビデオ・タイトル・セット・メニュー・ドメイン(VTSM DOM)に配置され、付随画像データおよび付随画像再生制御用データは、ビデオ・マネージャ・メニュードメイン(VMGM DOM)に配置されているものである。
【0009】
本発明の再生装置は、上記記録媒体から、本編映像データ、メニュー画面データおよび付随画像データを再生するものであって、メニュー画面データにおける言語の選択を行う選択手段と、メニュー画面データおよび本編映像データの再生を指示するための再生指示手段と、この再生指示手段によってメニュー画面データの再生が指示されたときに、メニュー再生制御用データを用いて、選択手段によって選択された言語に対応するメニュー画面データを再生するメニュー画面データ再生手段と、再生指示手段によって本編映像データの再生が指示されたときに、本編再生制御用データを用いて本編映像データを再生すると共に、本編映像データの再生に付随させて、付随画像再生制御用データを用いて、選択手段によって選択された言語に対応する付随画像データを再生する本編映像データ再生手段とを備えたものである。
【0010】
本発明の記録媒体では、本編映像データの再生に付随して付随画像データが再生されると共に、その際、付随画像再生制御用データのデータ構造に基づいて、メニュー画面データにおける言語の選択によって選択された言語と同一の言語に対応する付随画像データが再生される。
【0011】
本発明の再生装置では、再生指示手段によってメニュー画面データの再生が指示されると、メニュー画面データ再生手段によって、メニュー再生制御用データを用いて、選択手段によって選択された言語に対応するメニュー画面データが再生される。また、再生指示手段によって本編映像データの再生が指示されると、本編映像データ再生手段によって、本編再生制御用データを用いて本編映像データが再生されると共に、本編映像データの再生に付随して、付随画像再生制御用データを用いて、選択手段によって選択された言語に対応する付随画像データが再生される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。ここでは、本実施の形態に係る映像データ記録媒体および映像データ再生装置について、DVDおよびDVDプレイヤに適用した場合の例を挙げて説明する。従って、DVDが、本実施の形態に係る映像データ記録媒体に対応し、DVDプレイヤおよびその周辺機器が、本実施の形態に係る映像データ再生装置に対応する。
【0013】
始めに、図1を参照して、DVDフォーマットのデータ構造について簡単に説明する。DVDでは、記録されている多重化オーディオ(音声)・ビデオ(映像)データストリームを、いくつかの論理空間(ドメイン)に分割して管理している。論理空間の種類は、次のように4種類あり、これらの組み合わせでDVDフォーマットは構成されている。
【0014】
・ファースト・プレイ・ドメイン(First Play Domain ;以下、FP DOMと記す。)1
これは、ディスク(DVD)がローディングされたときに一番最初にアクセスされる空間であり、一つだけ存在が許されている。
【0015】
・ビデオ・マネージャ・メニュー・ドメイン(Video Manager Menu Domain ;以下、VMGM DOMと記す。)2
これは、主に、タイトル・メニューが記述される空間であり、複数存在可能である。後で、詳しく説明するが、本実施の形態において、本編映像に付随して再生される付随画像であるトレーラは、この空間に配置される。
【0016】
・ビデオ・タイトル・セット・メニュー・ドメイン(Video Title Set Menu Domain ;以下、VTSM DOMと記す。)3
これは、DVDフォーマットで規定されているDVDメニューのうち、上記タイトル・メニューを除いた、ルート・メニュー、オーディオ・メニュー、字幕(サブピクチャ)・メニュー、チャプタ・メニュー、アングル・メニューが置かれる空間であり、複数存在可能である。
【0017】
・タイトル・ドメイン(Title Domain;以下、TT DOMと記す。)4
これは、DVDの本編が置かれる空間であり、ビデオデータ、オーディオデータ、字幕(サブピクチャ)データ等が多重化されたもので、映画やビデオクリップそのものである。これは、複数存在可能である。
【0018】
DVDフォーマットでは、これらのドメインをグループ分けして、次のようなスペース(Space )というまとまりが定義されている。ただし、このスペースというのは、フォーマット上で定められた概念であり、これがDVDプレイヤでの再生機能に関係するわけではない。
【0019】
・VMGスペース5
これは、単数または複数のVMGM DOM2と、単数のFP DOM1から構成される。
【0020】
・VTSスペース6
これは、単数または複数のVTSM DOM3と単数または複数のTT DOM4から構成される。タイトルが複数存在する場合には、TT DOM4が複数存在する。なお、VTSスペース6自体も複数存在することができるが、本発明には関係がないので説明を省略する。
【0021】
・メニュースペース7
これは、単数または複数のVMGM DOM2と単数または複数のVTSMDOM3をまとめたものである。メニュースペース7には、ランゲージ・ユニット(Language Unit ;以下、LUと記す。)8というグループが存在しており、これは、同一言語で表現されたVMGM DOM2とVTSM DOM3を結び付けている。図1では、4種類のLU、すなわち、LU#1,LU#2,LU#3,LU#4がある場合を示しており、これは、4ケ国語で表現されたメニューがあることを意味している。
【0022】
このように、LN8は、メニュースペース7に存在する。なお、メニュースペース7を包括するスペースとして、システムスペース9があるが、本発明には関係がないので説明を省略する。
【0023】
上述のように、ドメインとは、「一つの概念であり、再生の単位」という性格を持っている。DVDフォーマットでは、再生の単位は、プログラム・チェイン(Program Chain ;以下、PGCと記す。)と呼ばれる再生制御データによって表わされるが、そういった意味では、図2に示したように、ドメイン10は、PGC11の集まりであると考えることができる。なお、具体的には、ディスクのある領域があるドメインであると区切られているわけであるが、それに関するPGCが物理的にそこに固まって存在しているわけではない。
【0024】
ところで、DVDにおいては、実際に多重化されたビデオやオーディオのデータは、ビデオ・オブジェクト(Video Object;以下、VOBと記す。)と呼ばれている。VOBは、意味のある一連の多重化されたビデオやオーディオのデータで構成され、例えば、映画のタイトル1本分であるとか、オーディオ・メニューとか、チャプタ・メニューとか、一度そこにアクセスして連続的に再生することに大きな意味を持っている多重化データとして定義されている。
【0025】
従って、一枚のディスクにはVOBという固まりは複数存在しているのが通常であり、図3に示したように、それぞれのVOB12には、VOB 識別番号(以下、VOB ID番号、または単にVOB番号と記す。)(図3では、ID#1)という通し番号が与えられている。また、VOBの中は、さらに、セル(以下、CELLと記す。)13という単位に分かれており、各CELL13には、1から昇順に、CELL 識別番号(以下、CELL ID番号、または単にCELL番号と記す。)(図3では、ID#1〜ID#6)が与えられている。CELL13は、機械的に分けられているのではなく、VOBの考えと同様に、意味のある固まりとして定義される。例えば、映画タイトルであれば各チャプタの区切りに相当し、あるメニューが複数ページで構成される場合であれば各表示ページに相当している。
【0026】
ここで、PGC11の説明に戻る。PGC11は、図4に示したように、プリコマンド(以下、PRE CMDと記す。)14、VOB識別部(以下、VOBIDと記す。)15およびポストコマンド(以下、POST CMDと記す。)16から構成されている。このうち、VOB ID15は、上述のVOB ID番号と該当するVOBが記録されているディスク上の先頭番地の組みで構成されている。VOB ID15は、複数個連ねることも可能である。
【0027】
VOB ID15は、更に、CELL識別部(以下、CELL IDと記す。)17の連なりから構成されている。CELL ID17は、VOB ID15と同様に、VOBの中の各CELLのID番号(図4では、#nとしている。)とそのCELLが記録されているディスク上の先頭番地の組みで構成されている。
【0028】
DVDプレイヤは、このVOB ID15とCELL ID17の情報を前から順番にたどっていくことで、再生すべき多重化データの実体の記録されているアドレスを知り、実際に再生していくのである。なお、便宜上、この動作を、PGCの再生と呼ぶことにする。なお、PRE CMD14は、PGCの再生の前に実行されるナビゲーション・コマンド(Navigation Command)のことであり、POST CMD16は、PGCの再生の後に実行されるナビゲーション・コマンドである。ナビゲーション・コマンドについては、後で説明する。
【0029】
このように見ていくと、ドメイン10というものは、あるPGC11と、それに対応する実際の多重化データ(VOB12)と、それに付けられたVOB ID番号との組みで構成されていると考えることができる。実際には、ドメイン10にはもっと多くのデータが入っているが、本発明とは関係ないので説明を省略する。
【0030】
次に、ナビゲーション・コマンドについて説明する。DVDフォーマットにおいては、DVDプレイヤでの再生方法を制御するためにナビゲーション・コマンドと呼ばれる独特のプログラミング言語が用意されている。ナビゲーション・コマンドで記述されたプログラムは、ビデオやオーディオデータと共に、ディスクに記録され、DVDプレイヤは、そのプログラムに従ってビデオやオーディオデータを再生する。
【0031】
DVDでは、音声チャンネルは複数本多重化することができるが、例えば、ナビゲーション・コマンドによるプログラムは、複数ある音声のうち、どれを選ぶかを指定したり、また、チャプタと呼ばれる特定の頭出し点(映画であれば、見どころのシーンの始まりや、ストーリの切れ目の点。CD(コンパクト・ディスク)で言うところのトラックのように曲の切れ目を表わすなどの点。)へ直接ジャンプして再生を開始する際に使用される。この例は、ナビゲーション・コマンドによるプログラムの最も単純なものであるが、もっと複雑な動作も考えられる。
【0032】
例えば、あるチャプタの再生の終了点で、視聴者に質問をするような静止画が現れ、その質問に対する視聴者の回答に応じて、次にジャンプして再生をするチャプタを決定するようなインタラクティブな(対話形式による)作品(ソフト)も、このナビゲーション・コマンドによるプログラムにより可能となる。この例は、マルチストーリ/マルチエンディングと呼ばれる作品(シーンの切れ目毎に、A,B等の選択肢があり、その選択の結果によって次のシーンが決まるような、ゲーム的要素の高い作品)で使われる手法である。
【0033】
次に、LUについて、更に説明する。まず、LUのメニューにおける基本的な場合について説明する。図5は、VTSM DOM3におけるLUとPGCの構造とVOBの関係を示したものである。この例では、言語の種類は、日本語、英語、仏語、独語の全部で4ケ国語であるとする。図5は、VTSM DOM3に置かれるメニューとして、ルート・メニュー、オーディオ・メニュー、字幕メニュー、チャプタ・メニューの4つのメニューがあり、且つ、それぞれのメニューが、日、英、仏、独の4ケ国語で表現される場合について示している。
【0034】
まず、当然ながら、表示されるメニューの実体であるVOBは、メニューの種類×言語の数、すなわち、16だけ存在している。一方、メニューの数分だけPGCが存在するので、合計4種類あればよいが、これを4ケ国語分用意しなければならないので、やはり16種類存在することになる。それぞれのPGCには、それぞれどのVOBが対応するかが記述されている。
【0035】
図5に示した例では、各メニューのPGCは、各言語毎に、PGC#1〜#4にグループ化されて、LU番号LU#1〜#4が与えられており、LU#1〜#4がまとまって、VTSM PGC インフォメーションという名称で、エントリサーチデータ(Entry Search Data )と呼ばれるエリアの一部としてディスクに記録されている。ここで、各LUが、各言語毎のメニューのVTSM DOMに対応している。
【0036】
なお、図5の例では、LU#1〜#4は、それぞれ、日本語VTSM DOM、英語VTSM DOM、仏語VTSM DOM、独語VTSM DOMに対応している。日本語VTSM DOM(LU#1)のPGC#1〜#4は、それぞれ、VOB#1〜#4に対応し、VOB#1〜#4は、それぞれ日本語のルート・メニュー、オーディオ・メニュー、字幕メニュー、チャプタ・メニューの実体である。英語VTSM DOM(LU#2)のPGC#1〜#4は、それぞれ、VOB#5〜#8に対応し、VOB#5〜#8は、それぞれ英語のルート・メニュー、オーディオ・メニュー、字幕メニュー、チャプタ・メニューの実体である。仏語VTSM DOM(LU#3)のPGC#1〜#4は、それぞれ、VOB#9〜#12に対応し、VOB#9〜#12は、それぞれ仏語のルート・メニュー、オーディオ・メニュー、字幕メニュー、チャプタ・メニューの実体である。独語VTSM DOM(LU#4)のPGC#1〜#4は、それぞれ、VOB#13〜#16に対応し、VOB#13〜#16は、それぞれ独語のルート・メニュー、オーディオ・メニュー、字幕メニュー、チャプタ・メニューの実体である。
【0037】
DVDプレイヤは、まず、全部で何ケ国語あるかを、上述のエントリサーチデータを見て知る。ユーザは、リモートコントロール装置やDVDプレイヤのスイッチ等を用いて、そのうち一つの言語をプリセット状態として設定しておくことができる。この段階で、図5に示した例では、16個のPGCのうち、ある言語に対応する4個だけが特定される。後は、それぞれのメニュー呼び出し命令がDVDプレイヤのリモートコントロール装置によって出される(例えば、ルート・メニューは1番、オーディオ・メニューは2番、字幕メニューは3番等と選択される)と、それに対応したPGC番号をエントリサーチデータより読み出せば、自動的に、指定の言語のメニューの再生アドレスをそのPGCの記述から得ることができる。なお、メニューを呼び出す命令は、言語の数とは無関係に、メニューの種類で固定されているので、例えLUが異なっても同一の番号が付けられる。
【0038】
ところで、図1に示したように、LUは、VTSM DOMだけではなく、VMGM DOMにも、共通の言語に対応して存在している。ただし、通常、DVDフォーマットで記述されている標準的な用途では、VMGM DOMにはタイトル・メニューだけが置かれるので、例えば図5に示したようにVTSM DOMにLUを持つディスクの場合では、VMGM DOMにおけるLUの様子は、図6に示したようになる。すなわち、各LU#1〜#4に対して、それぞれ、一つのPGC(PGC#1)のみが存在している。各LU#1〜#4毎のPGC(PGC#1)は、それぞれ、VOB#17〜#20に対応し、VOB#17〜#20は、それぞれ、日本語、英語、仏語、独語のタイトル・メニューの実体である。
【0039】
図6に示したように、標準的には、VMGM DOMには、1種類のPGCだけが定義されているが、1種類でなければならないという制約は存在していない。本実施の形態では、この点に着目し、VMGM DOMに、トレイラのPGCとVOBを配置している。
【0040】
図7は、VMGM DOMにトレイラのPGCとVOBを配置したときのLUとPGCの構造とVOBの関係を示したものである。この例では、トレイラが3種類、言語が4ケ国語の場合を示している。トレイラが3種類というのは、内容的に3種類という意味であり、例えば、宣伝が3本あるというようなものである。それらが、それぞれ4ケ国語分存在している。トレイラの内容を区別するのが、各LU毎のPGC#2〜#4であり、それらの組みが、4個の各LU#1〜#4に書かれている。図7に示したように、VMGM DOMに、トレイラのPGCとVOBを配置したデータ構造が、本実施の形態に係るDVDにおけるデータ構造の基本である。
【0041】
なお、図7の例では、LU#1〜#4は、それぞれ、日本語VMGM DOM、英語VMGM DOM、仏語VMGM DOM、独語VMGM DOMに対応している。日本語VMGM DOM(LU#1)のPGC#2〜#4は、それぞれ、VOB#21〜#23に対応し、VOB#21〜#23は、それぞれ日本語の3種類のトレイラの実体である。英語VMGM DOM(LU#2)のPGC#2〜#4は、それぞれ、VOB#24〜#26に対応し、VOB#24〜#26は、それぞれ英語の3種類のトレイラの実体である。仏語VMGM DOM(LU#3)のPGC#2〜#4は、それぞれ、VOB#27〜#29に対応し、VOB#27〜#29は、それぞれ仏語の3種類のトレイラの実体である。独語VMGM DOM(LU#4)のPGC#2〜#4は、それぞれ、VOB#30〜#32に対応し、VOB#30〜#32は、それぞれ独語の3種類のトレイラの実体である。
【0042】
ここで、図8に、本実施の形態で実現できる簡単な再生制御の例を示す。この例では、まず、LUの設定に関係なく、トレーラ#1(共通)を再生し、続いて、LUの設定にしたがって、日本語表示の「コピー禁止の警告」を示す案内トレーラ#2(J)、または英語表示の「コピー禁止の警告」を示す案内トレーラ#2(E)をを再生した後、本編のメインプログラム20を再生するような場合を想定している。この例を使用して、本実施の形態におけるDVDに記録されるデータの構造について説明する。
【0043】
この例では、実際に再生される内容が4種類あるので、VOBも4種類必要なのは自明である。ここでは、トレーラ#1のVOBをVOB#1、トレーラ#2(J)のVOBをVOB#2、トレーラ#2(E)のVOBをVOB#3、メインプログラム20のVOBをVOB#4とする。
【0044】
ここで、トレーラ#1、トレーラ#2(J)およびトレーラ#2(E)は、VMGM DOMに属し、メインプログラム20はTT DOMに属する。
【0045】
図9は、上述のドメインの構造を示したものである。図9(a)に示したように、VMGM DOMには、言語数×内容の種類分、すなわち4つのPGCが必要であり、更に、図9(b)に示したように、本編用のTT DOMには一つのPGCが必要であり、合計5つのPGCが必要である。この例では、言語の種類に関係なく、共通して、トレーラ#1を再生しなければならないので、LU#1のPGC#1とLU#2のPGC#1の双方に、同一のVOB#1を当てはめる。次に、日本語表示の「コピー禁止の警告」のために、LU#1のPGC#2には、VOB#2を当てはめ、英語表示の「コピー禁止の警告」のために、LU#2のPGC#2には、VOB#3を当てはめる。また、TT DOMのPGC#1には、メインプログラム用のVOB#4を当てはめる。
【0046】
図10は、上述のように設定されたPGCの内容を示したものである。PGCの種類は、以下のように4種類となる。図10(a)に示したように、トレーラ#1のPGCは、PRE CMDと、VOB#1と、POST CMDからなり、図10(b)に示したように、トレーラ#2(J)のPGCは、PRE CMDと、VOB#2と、POST CMDからなり、図10)に示したように、トレーラ#2(E)のPGCは、PRE CMDと、VOB#3と、POST CMDからなり、図10(d)に示したように、メインプログラムのPGCは、PRE CMDと、VOB#4と、POST CMDからなる。トレーラ#1のPGCは、2つのLUに共通して使われる。
【0047】
次に、図8に示したような再生動作を制御するためのデータ構造について説明する。図8に示したように再生動作を制御するためには、それを実現するために、本編とトレーラの再生の順序を規定する情報としてのナビゲーション・コマンド(PRE CMDとPOST CMD)が必要である。以下に、この例の場合におけるPRE CMDとPOST CMDの内容を記す。
【0048】
トレーラ#1のPGCのPRE CMDは、実行すべき内容がない。従って、そのままVOB#1を再生させる。
トレーラ#1のPGCのPOST CMDは、「VMGM DOMのPGC#2へ行く。」という内容である。この場合、VMGM DOMのPGC#2には、トレーラ#2(J)に対応するLU#1のPGC#2と、トレーラ#2(E)に対応するLU#2のPGC#2とがあるが、LUの設定に従っていずれかが選択される。
【0049】
トレーラ#2(J)のPGCのPRE CMDは、実行すべき内容がない。従って、そのままVOB#2を再生させる。
トレーラ#2(J)のPGCのPOST CMDは、「TT DOMのPGC#1へ行く。」という内容である。
【0050】
トレーラ#2(E)のPGCのPRE CMDは、実行すべき内容がない。従って、そのままVOB#3を再生させる。
トレーラ#2(E)のPGCのPOST CMDは、「TT DOMのPGC#1へ行く。」という内容である。
【0051】
メインプログラムのPGCのPRE CMDの内容は、後で、図11の流れ図を参照して説明する。
メインプログラムのPGCのPOST CMDは、再生を停止する「ストップ状態とする。」という内容である。
【0052】
ここで、メインプログラムのPGCのPRE CMDの内容を説明する前に、本実施の形態において利用するDVDフォーマット上の性質について説明する。第1の性質は、レジスタに関してである。DVDプレイヤには、電源オンのとき、あるいはストップ状態になったときに必ずゼロクリアされるジェネラル・パラメータ(GENERAL PARAMETER )と呼ばれるレジスタがいくつか存在している。ナビゲーション・コマンドのプログラミングでは、このレジスタを自由に使い、制御に応用することができる。本実施の形態では、ジェネラル・パラメータは「ストップ状態になったときに必ずゼロクリアされる。」という性質を使って、制御プログラミングをしている。
【0053】
第2の性質は、DVDフォーマットでは、ストップ状態において、DVDプレイヤのプレイキーを押して再生を開始する場合、必ず、TT DOMのPGC#1が参照されることがルールとなっていることである。
【0054】
メインプログラムのPGCのPRE CMDは、上記の2つの性質を利用している。図11に示したように、メインプログラムのPGCのPRE CMDは、まず、ジェネラル・パラメータRegが0か否かを判断する(ステップS101)。ジェネラル・パラメータRegが0の場合(Y)、すなわち、電源がオンにされて、あるいはストップ状態から再生が始まるときは、ジェネラル・パラメータRegを1にし(ステップS102)、VMGM PGC#1を再生して(ステップS103)、制御を終了する。メインプログラムのPGCのPRE CMDは、ジェネラル・パラメータRegが0ではない場合(ステップS101;N)、ジェネラル・パラメータRegを0にし(ステップS104)、メインプログラムを再生して(ステップS105)、制御を終了する。
【0055】
図11に示したメインプログラムのPGCのPRE CMDは、電源がオンにされてから、あるいはストップ状態から再生が始まるとき、すなわちジェネラル・パラメータRegが0のときは、ジェネラル・パラメータRegを1にしてから、VMGM DOMのPGC#1を再生させる。これにより、トレーラ#1のPGCのPRE CMDにより、VOB#1、すなわちトレーラ#1が再生され、トレーラ#1のPOST CMDにより、次に、VMGM DOMのPGC#2が再生される。その結果、トレーラ#2(J)またはトレーラ#2(E)が再生され、次に、TT DOMのPGC#1、すなわちメインプログラムのPGCが再生される。このとき、ジェネラル・パラメータRegは1になっているので、図11に示したメインプログラムのPGCのPRE CMDは、ステップS101からステップS104,S105と進み、自らのVOB、すなわちメインプログラムを再生する。このようにして、図8に示した再生動作が制御可能となる。
【0056】
なお、ナビゲーション・コマンドで、なぜLUを指定していないかというと、DVDフォーマットでは、ナビゲーション・コマンドでLUを指定することは許されていないからである。ナビゲーション・コマンドで許されるのは、飛び先のドメインとPGC番号だけである。LUは、DVDプレイヤでのみ設定が切り替えられる。
【0057】
次に、以上のような構造を有するデータが記録されたDVDよりデータを再生するDVDプレイヤの構成について説明する。図12は、DVDプレイヤとその周辺機器を示したものである。この図には、DVDプレイヤ31と、このDVDプレイヤ31によって再生される画像を表示するためのモニタ32と、DVDプレイヤ31を操作するためのリモートコントロール装置33とが示されている。リモートコントロール装置33は、選択する操作ボタンを上下左右に移動させるための上カーソルキー35、下カーソルキー36、左カーソルキー37および右カーソルキー38と、選択した操作ボタンの動作を完了させるためのメニュー決定キー39とを含んでいる。
【0058】
図13は、本実施の形態におけるDVDプレイヤの構成の一例を示すブロック図である。この図に示したDVDプレイヤは、DVD40を回転させるためのモータ41と、このモータ41によって回転されるDVD40に対向するように配置され、DVD40に記録された情報を検出するピックアップ42と、このピックアップ42の出力信号を復調して出力する復調器43と、2つの固定接点44a,44bと可動接点44cとを有し、可動接点44cが復調器43の出力端に接続されたスイッチ44とを備えている。なお、ピックアップ42は、DVD40に対して光を照射すると共に戻り光を検出して、DVD40に記録された情報を光学的に読み出すものである。また、ピックアップ42は、DVD40に対する光の照射位置をDVD40の半径方向に移動させて、DVD40における情報の読み出し位置を制御するための駆動装置を含んでいる。
【0059】
DVDプレイヤは、更に、入力端がスイッチ44の固定接点44aに接続され、スイッチ44を介して入力される復調器43の出力信号を、DVDプレイヤでの再生方法を制御するためナビゲーションパック(Navigation Pack ;図では、NAVIと記す。)61と視聴者に提供する情報であるプレゼンテーションデータ(Presentation Data )62とに分離するデマルチプレクサ(1)45と、スイッチ44の固定接点44bからの信号およびデマルチプレクサ(1)45からのナビゲーションパック61を入力すると共に、モータ41、ピックアップ42およびスイッチ44を制御する本発明におけるコンピュータとしてのCPU(中央処理装置)46とを備えている。なお、CPU46は、プログラムを格納したROM(リード・オンリ・メモリ)および作業領域となるRAM(ランダム・アクセス・メモリ)を含み、RAMを作業領域として、ROMに格納されたプログラムを実行することにより、後述する動作を行うようになっている。
【0060】
DVDプレイヤは、更に、デマルチプレクサ(1)45からのプレゼンテーションデータ62を、符号化されたサブピクチャ信号(図では、SPと記す。)63と符号化されたビデオ信号(図では、Vと記す。)64と符号化されたオーディオ信号(図では、Aと記す。)65とに分離するデマルチプレクサ(2)47と、デマルチプレクサ(2)47からのサブピクチャ信号63をデコード(復号化)するサブピクチャデコーダ48と、デマルチプレクサ(2)47からのビデオ信号64をデコードするビデオデコーダ49と、デマルチプレクサ(2)47からのオーディオ信号65をデコードして、オーディオ出力信号66として出力するオーディオデコーダ50と、サブピクチャデコーダ48からのデコード後のサブピクチャ信号を一旦記憶してサブピクチャを形成するディスプレイメモリ51と、ビデオデコーダ49からのデコード後のビデオ信号を一旦記憶して動画部分を形成するディスプレイメモリ52と、ディスプレイメモリ51,52の各出力信号を加算して、ビデオ出力信号67として出力する加算器53とを備えている。
【0061】
CPU46は、RAM内に、インフォメーションデータ(Information Data)を記憶するためのインフォメーションデータ記憶領域71と、ナビゲーションパック61に含まれるナビゲーションコントロールデータ(Navigation Control Data )を記憶するナビゲーションコントロールデータ記憶領域72と、選択されたLUの番号を保持するLUレジスタ73とを有している。インフォメーションデータ記憶領域71は、ジェネラルコントロールデータ(General Control Data)を記憶するジェネラルコントロールデータ記憶領域71aと、エントリサーチデータ(Entry Search Data )を記憶するエントリサーチデータ記憶領域71bとを含んでいる。インフォメーションデータは、スイッチ44を介して入力されるようになっている。また、CPU46は、サブピクチャにおけるハイライトを制御するためのハイライトディスプレイコントロール信号68をディスプレイメモリ51に送るようになっている。
【0062】
DVDプレイヤは、更に、リモートコントロール装置33からの信号を受信し、信号処理して、リモートコントロール装置33のキー操作に応じた信号に変換してCPU46に与える受信装置75を有している。LUの選択は、例えばリモートコントロール装置33によって行われ、選択されたLUの内容がLUレジスタ73に保持される。
【0063】
次に、図13に示したDVDプレイヤの動作について説明する。始めに、DVDプレイヤによるインフォメーションデータの読み込みの動作について説明する。この場合、CPU46は、スイッチ44を固定接点44b側に切り換えておき、サーボ制御によって、ピックアップ42とモータ41とを動かして、DVD40より、ジェネラルコントロールデータとエントリサーチデータとを読み込み、それぞれ、ジェネラルコントロールデータ記憶領域71aとエントリサーチデータ記憶領域71bに記憶させる。ジェネラルコントロールデータには、ビデオのアスペクト比やオーディオのコーディングの種類や本数等、再生に必要な静的な情報が書かれている。また、エントリサーチデータは、メニューの各ページの多重化データや各タイトルの多重化データがDVD40上の何番地に書いてあるかのアドレス情報をテーブルにまとめたものである。DVDプレイヤは、このエントリサーチデータを使って、任意のメニューやタイトルの指示されたアドレスまでピックアップ42を移動して再生を開始することができる。
【0064】
次に、DVDプレイヤによるメニューの再生の動作について説明する。この場合、CPU46は、スイッチ44を固定接点44a側に切り換えておき、エントリサーチデータからメニューの先頭番地を知り、そのメニューの情報を読み込めるように、ピックアップ42とモータ41とを動かして、ピックアップ42より再生信号を得る。再生信号は、復調器43により、通常のディジタル信号に戻り、再生ストリーム60となる。この、再生ストリーム60を模式的に拡大すると、ナビゲーションパック(NAVI)、ビデオ信号(V)、オーディオ信号(A)およびサブピクチャ信号(SP)が順番に多重化されて並んでいるように見える。
【0065】
次に、復調器43より出力される再生ストリーム60は、デマルチプレクサ(1)45によって、ナビゲーションパック61とプレゼンテーションデータ62とに分離される。分離された一方のデータであるナビゲーションパック61は、CPU46のナビゲーションコントロールデータ記憶領域72に記憶される。
【0066】
デマルチプレクサ(1)45によって分離された他方のデータであるプレゼンテーションデータ62は、デマルチプレクサ(2)47によって、更にサブピクチャ信号63、ビデオ信号64およびオーディオ信号65に分離され、それぞれに対応したデコーダ48〜50によって、復号化されたサブピクチャ信号、ビデオ信号およびオーディオ信号に戻される。なお、サブピクチャデコーダ48より出力されるサブピクチャ信号とビデオデコーダ49より出力されるビデオ信号は、それぞれディスプレイメモリ51,52に一旦記憶され、その後、加算器53で加算されて、ビデオ出力信号67として出力される。ディスプレイメモリ51には、CPU46からのハイライトディスプレイコントロール信号68が与えられている。例えば、メニュー画面において、リモートコントロール装置のカーソルキーの操作に応じてハイライトを移動させるとき等には、CPU46は、このハイライトディスプレイコントロール信号68を使って、直接、ディスプレイメモリ51におけるハイライトに対応する場所のデータを書き換えることで、ハイライト色の移動という視覚的効果を得る。
【0067】
前述のように、各メニューのPGCは、各言語毎にグループ化されて、LU番号が与えられ、VTSM PGC インフォメーションという名称で、エントリサーチデータと呼ばれるエリアの一部としてディスクに記録されている。ディスク上のエントリサーチデータは、CPU46に取り込まれ、エントリサーチデータ記憶領域71bに格納される。なお、より詳細に説明すると、ジェネラルコントロールデータ記憶領域71aに、PGCとVOB番号とCELL番号の対応関係を示すPGCテーブル群が格納され、エントリサーチデータ記憶領域71bには、PGCテーブル群における各PGC、VOB番号、CELL番号に対応するディスク上の物理的なアドレスを示すVOBテーブル群が格納されている。従って、CPU46は、VMGM DOMかVTSM DOMを再生するときには、ジェネラルコントロールデータ記憶領域71aより、LUレジスタ73によって保持されたLU番号のLUに対応するPGCテーブル群を読み、その結果、PGCのVOB番号およびCELL番号を知り、エントリサーチデータ記憶領域71bのVOBテーブル群の中から、VOB番号およびCELL番号に対応するディスク上の物理的なアドレスを知ることになる。
【0068】
次に、図8に示した再生動作を行う場合におけるDVDプレイヤでのPGC再生時の動作について、図14および図15に示した流れ図を参照して説明する。なお、以下の動作は、図13に示した例では、主にCPU46の動作となる。この動作では、DVDプレイヤの電源がオンにされると、ジェネラル・パラメータRegをゼロクリアし(ステップS111)、プレイキーが押されたか否かを判断する(ステップS112)。プレイキーが押されなければ(N)、この判断を繰り返す。プレイキーが押されたら(Y)、TT DOMのPRE CMDを実行する(ステップS113)。ここで、ジェネラル・パラメータReg=0であるから、ジェネラル・パラメータRegに1を代入して、VMGM DOMのPGC#1へ行く(ステップS114)。このとき、LUレジスタ73によって保持されたLU番号を確認し(ステップS115)、日本語に対応するLU番号か英語に対応するLU番号かで、以降の動作が異なる。
【0069】
すなわち、日本語に対応するLU番号の場合は、LU#1のPGC#1を実行し、VOB#1すなわちトレーラ#1を再生し(ステップS116)、LU#1のPGC#1のPOST CMDを実行し(ステップS117)、LU#1のPGC#2を実行し、VOB#2すなわちトレーラ#2(J)を再生し(ステップS118)、LU#1のPGC#2のPOST CMDを実行して(ステップS119)、ステップS124に進む。
【0070】
一方、英語に対応するLU番号の場合は、LU#2のPGC#1を実行し、VOB#1すなわちトレーラ#1を再生し(ステップS120)、LU#2のPGC#1のPOST CMDを実行し(ステップS121)、LU#2のPGC#2を実行し、VOB#3すなわちトレーラ#2(E)を再生し(ステップS123)、LU#2のPGC#2のPOST CMDを実行して(ステップS123)、ステップS124に進む。
【0071】
ステップS124では、TT DOMのPRE CMDを実行し(ステップS124)、このとき、ジェネラル・パラメータReg=1であるから、ジェネラル・パラメータRegに0を代入して、VOB#4を再生する(ステップS125)。これにより、メインプログラムが再生される(ステップS125)。メインプログラムの再生が終了したら、ストップ状態に移行し(ステップS127)、ステップS111に戻る。
【0072】
なお、メインプログラムのPGCのPOST CMDを「ストップ状態とする。」という内容とせずに、別のVMGM DOMのPGC番号へ行くような内容とすれば、本編の後ろにも、多言語表示のトレイラを置くことができる。このような場合のPRE CMDとPOST CMDの内容の例を、以下に示す。
【0073】
トレーラ#1のPGCのPRE CMDは、実行すべき内容がない。従って、そのままVOB#1を再生させる。
トレーラ#1のPGCのPOST CMDは、「TT DOMのPGC#1へ行く。」という内容である。
【0074】
トレーラ#2(J)のPGCのPRE CMDは、実行すべき内容がない。従って、そのままVOB#2を再生させる。
トレーラ#2(J)のPGCのPOST CMDは、「ストップ状態とする。」という内容である。
【0075】
トレーラ#2(E)のPGCのPRE CMDは、実行すべき内容がない。従って、そのままVOB#3を再生させる。
トレーラ#2(E)のPGCのPOST CMDは、「ストップ状態とする。」という内容である。
【0076】
メインプログラムのPGCのPRE CMDは、図11に示した内容である。
メインプログラムのPGCのPOST CMDは、「VMGM DOMのPGC#2へ行く。」という内容である。
【0077】
上述のように設定すれば、図16に示したように、トレーラ#1(共通)の再生の後に、本編であるメインプログラム20を再生し、最後に日本語のトレーラ#2(J)または英語トレーラ#2(E)を再生することができる。
【0078】
また、VMGM DOMのPGC#1とPGC#2をそっくり入れ替え、且つ、上述のナビゲーション・コマンドを使えば、図17に示したように、最初に日本語のトレーラ#2(J)または英語トレーラ#2(E)で、例えば「警告」を再生してから、本編であるメインプログラム20を再生し、最後に、トレーラ#1(共通)を再生することもできる。
【0079】
以上説明したように、本実施の形態に係る映像データ記録媒体(DVD)および映像データ再生装置(DVDプレイヤおよびその周辺機器)によれば、本編映像データに付随して再生される付随画像データ(トレーラ)を複数の言語毎に再生可能で、本編映像データに付随して自動的に適した言語(メニュー画面における言語の選択によって選択された言語と同一の言語)の付随画像データ(トレーラ)を再生させることが可能となる。従って、特に「コピー禁止の警告」のように、言語別に表示しなければ意味がないようなトレーラを再生させる場合に大きな効果がある。
【0080】
また、本実施の形態によれば、各LUのVMGM DOMに、言語によらない共通のトレーラを置くことで、言語で分けたくない内容のトレイラも実現することができる。
【0081】
また、本実施の形態によれば、トレイラを、TT DOMではなく、VMGMDOMに置くことで、再生の順序に関係なく、本編に対してタイトル番号1を与えることができ(トレイラにタイトル番号1が付かないので)、ディスク(DVD)の品が良くなる。
【0082】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、例えば、本発明に係る映像データ記録媒体は、上記実施の形態で挙げたようなDVDに限らず、他の種類の記録媒体でもよい。同様に、本発明に係る映像データ再生装置も、DVDプレイヤに限らず、他の種類の記録媒体に記録された映像データを再生する装置であってもよい。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の記録媒体または再生装置によれば、付随画像再生制御用データのデータ構造に基づいて、メニュー画面データにおける言語の選択によって選択された言語と同一の言語に対応する付随画像データを再生させることができるようにしたので、本編映像データに付随して再生される付随画像データを複数の言語毎に再生可能で、且つ本編映像データに付随して自動的に適した言語の付随画像データを再生させることができるという効果を奏する。
また、付随画像データおよび付随画像再生制御用データを、タイトル・ドメイン(TT DOM)ではなく、ビデオ・マネージャ・メニュードメイン(VMGM DOM)に配置するようにしたので、再生の順序に関係なく、本編映像データに対してタイトル番号1を与えることができ(付随画像データにタイトル番号1が付かないので)、記録媒体の品が良くなるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】DVDフォーマットのデータ構造を示す説明図である。
【図2】DVDにおけるドメインのデータ構造を示す説明図である。
【図3】DVDにおけるVOBのデータ構造を示す説明図である。
【図4】DVDにおけるPGCのデータ構造を示す説明図である。
【図5】図1におけるVTSM DOMのLUとPGCの構造とVOBの関係を示す説明図である。
【図6】図1におけるVMGM DOMのLUとPGCの構造とVOBの標準的な関係を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施の形態において、VMGM DOMにトレイラのPGCとVOBを配置したときのLUとPGCの構造とVOBの関係を示す説明図である。
【図8】本発明の一実施の形態によって実現できる簡単な再生動作の例を示す説明図である。
【図9】図8に示した再生動作を実現するためのドメインの構造を示す説明図である。
【図10】図8に示した再生動作を実現するためのPGCの内容を示す説明図である。
【図11】図10におけるメインプログラムのPGCのPRE CMDの内容を示す説明図である。
【図12】DVDプレイヤとその周辺機器を示す説明図である。
【図13】本発明の一実施の形態におけるDVDプレイヤの構成の一例を示すブロック図である。
【図14】図8に示した再生動作を行う場合におけるDVDプレイヤでのPGC再生時の動作を示す流れ図である。
【図15】図8に示した再生動作を行う場合におけるDVDプレイヤでのPGC再生時の動作を示す流れ図である。
【図16】本発明の一実施の形態の変形例における再生動作の例を示す説明図である。
【図17】本発明の一実施の形態の他の変形例における再生動作の例を示す説明図である。
【符号の説明】
2…ビデオ・マネージャ・メニュー・ドメイン(VMGM DOM)、3…ビデオ・タイトル・セット・メニュー・ドメイン(VTSM DOM)、4…タイトル・ドメイン(TT DOM)、8…ランゲージ・ユニット(LU)、31…DVDプレイヤ、32…モニタ、33…リモートコントロール装置、46…CPU

Claims (8)

  1. 制御部および記憶部を備えたコンピュータによって読み取られ、前記記憶部に格納されるデータが記憶された記録媒体であって、
    本編映像の内容を表す本編映像データと、
    この本編映像データの前記制御部における再生を制御する本編再生制御用データと、
    複数の言語毎に用意されたメニュー画面の内容を表すメニュー画面データと、
    このメニュー画面データの前記制御部における再生を制御するメニュー再生制御用データと、
    複数の言語毎に用意され、本編映像に付随して再生される付随画像の内容を表す付随画像データと、
    この付随画像データの前記制御部における再生を制御する付随画像再生制御用データと
    が記録され、
    前記メニュー再生制御用データは、入力装置の操作によって選択された言語に対応するメニュー画面データが前記制御部において再生されるように、複数の言語毎に分類されたデータ構造を有し、
    前記付随画像再生制御用データは、前記入力装置の操作によるメニュー画面データにおける言語の選択によって選択された言語と同一の言語に対応する付随画像データが前記制御部において再生されるように、複数のランゲージ・ユニット(LU)によって、複数の言語毎に、前記メニュー再生制御用データに対応付けられて分類されたデータ構造を有し、
    前記本編映像データおよび前記本編再生制御用データは、タイトル・ドメイン(TT DOM)に配置され、
    前記メニュー画面データおよび前記メニュー再生制御用データは、ビデオ・マネージャ・メニュードメイン(VMGM DOM)およびビデオ・タイトル・セット・メニュー・ドメイン(VTSM DOM)に配置され、
    前記付随画像データおよび前記付随画像再生制御用データは、前記ビデオ・マネージャ・メニュードメイン(VMGM DOM)に配置されている
    ことを特徴とする記録媒体
  2. 前記本編再生制御用データと前記付随画像再生制御用データの少なくとも一方は、本編映像データと付随画像データの前記制御部における再生の順序を規定する情報を含むデータ構造を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の記録媒体。
  3. 前記再生の順序を規定する情報として、プリ・コマンド(PRE CMD)およびポスト・コマンド(POST CMD)を含む
    ことを特徴とする請求項2に記載の記録媒体。
  4. 前記再生の順序を規定する情報として、ジェネラル・パラメータを含むと共に、このジェネラル・パラメータの値に応じて、前記本編映像データおよび前記付随画像データのうちの一方の再生が決定される
    ことを特徴とする請求項2に記載の記録媒体。
  5. 本編映像の内容を表す本編映像データと、この本編映像データの制御部における再生を制御する本編再生制御用データと、複数の言語毎に用意されたメニュー画面の内容を表すメニュー画面データと、このメニュー画面データの前記制御部における再生を制御するメニュー再生制御用データと、複数の言語毎に用意され、本編映像に付随して再生される付随画像の内容を表す付随画像データと、この付随画像データの前記制御部における再生を制御する付随画像再生制御用データとが記録され、且つ前記メニュー再生制御用データは、入力装置の操作によって選択された言語に対応するメニュー画面データが前記制御部において再生されるように、複数の言語毎に分類されたデータ構造を有し、前記付随画像再生制御用データは、前記入力装置の操作によるメニュー画面データにおける言語の選択によって選択された言語と同一の言語に対応する付随画像データが前記制御部において再生されるように、複数のランゲージ・ユニット(LU)によって、複数の言語毎に、前記メニュー再生制御用データに対応付けられて分類されたデータ構造を有し、且つ前記本編映像データおよび前記本編再生制御用データは、タイトル・ドメイン(TT DOM)に配置され、前記メニュー画面データおよび前記メニュー再生制御用データは、ビデオ・マネージャ・メニュードメイン(VMGM DOM)およびビデオ・タイトル・セット・メニュー・ドメイン(VTSM DOM)に配置され、前記付随画像データおよび前記付随画像再生制御用データは、前記ビデオ・マネージャ・メニュードメイン(VMGM DOM)に配置されている記録媒体から前記本編映像データ、前記メニュー画面データおよび前記付随画像データを再生する再生装置であって、
    前記メニュー画面データにおける言語の選択を行う選択手段と、
    前記メニュー画面データおよび前記本編映像データの再生を指示するための再生指示手段と、
    この再生指示手段によってメニュー画面データの再生が指示されたときに、前記メニュー再生制御用データを用いて、前記選択手段によって選択された言語に対応するメニュー画面データを再生するメニュー画面データ再生手段と、
    前記再生指示手段によって本編映像データの再生が指示されたときに、前記本編再生制御用データを用いて本編映像データを再生すると共に、本編映像データの再生に付随させて、前記付随画像再生制御用データを用いて、前記選択手段によって選択された言語に対応する付随画像データを再生する本編映像データ再生手段と
    を備えたことを特徴とする再生装置
  6. 前記本編再生制御用データと前記付随画像再生制御用データの少なくとも一方は、本編映像データと付随画像データの前記制御部における再生の順序を規定する情報を含むデータ構造を有する
    ことを特徴とする請求項5に記載の再生装置。
  7. 前記再生の順序を規定する情報として、プリ・コマンド(PRE CMD)およびポスト・コマンド(POST CMD)を含む
    ことを特徴とする請求項6に記載の再生装置。
  8. 前記再生の順序を規定する情報として、ジェネラル・パラメータを含むと共に、このジェネラル・パラメータの値に応じて、前記本編映像データおよび前記付随画像データのうちの一方の再生が決定される
    ことを特徴とする請求項6に記載の再生装置。
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