以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。ここでは、本実施の形態に係るメニュー制御用データを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、メニュー制御方法およびメニュー制御装置について、DVDおよびDVDプレイヤに適用した場合の例を挙げて説明する。従って、DVDが、本実施の形態に係るメニュー制御用データを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に対応し、DVDプレイヤによってDVDに記録された情報を再生する際に使用されるメニュー画面を制御する方法が、本実施の形態に係るメニュー制御方法に対応し、DVDプレイヤが、本実施の形態に係るメニュー制御装置に対応する。
始めに、DVDにおけるメニュー画面を表示させるために必要となるサブピクチャについて説明する。既に説明したように、DVDのフォーマットでは、MPEG2規格で符号化された通常の動画部分とは別に、動画に重ねて表示することができるサブピクチャと呼ばれる静止画のフォーマットが定義されている。ここで、DVDのフォーマットにおけるサブピクチャのフォーマットのうち、本実施の形態に関係のある部分を抜き出して簡単に説明する。
DVDにおけるサブピクチャは、図12に示したように、1枚の画面を縦478×横720(NTSCビデオ方式の場合)に分割した画素(ピクセル(pixel))201のそれぞれに割り当てられた固有の2ビットの画素データ202の集合体として定義される。2ビットの画素データの各値には、それぞれ固有の色が割り当てられており、画素データによって合計4色の色が表現できるようになっている。なお、実際には、16色のカラーパレットの中から任意の4色の組み合わせが選択され、サブピクチャの各画素に付される4種類の色として用いられる。
また、サブピクチャでは、背景となる動画部分と重ねる際の比率も設定可能となっている。例えば、サブピクチャ0%、動画を100%の比率にするとサブピクチャは透明となり見えず、また50%:50%とすれば半透明のサブピクチャとなり、100%:0%とすれば背景の動画部分は完全に隠れる。
選ばれた4色が2ビットの画素データの値のどれに対応するか、またサブピクチャと背景となる動画部分とをどのような比率で重ねるのかは、それを指定するために各画素データ毎に別途用意されたテーブルによって決定される。
ここで、一例として、図13を参照して、「縁取りのついた十文字」を、DVDにおけるサブピクチャで表わす場合について考える。まず、この「縁取りのついた十文字」を表わすのに必要な色の数は、図13(a)に示したように、バックグラウンド211の色、十文字212の色、縁取り213の色の合計3色である。次に、「縁取りのついた十文字」の大きさを、ここでは、9×9画素であると仮定する。いま、バックグラウンド211の色には画素データ”00”を割り当て、十文字212の色には画素データ”11”を割り当て、縁取り213の色には画素データ”10”を割り当てるとすれば、図13(b)に示したような9×9の画素データの集合体が決定される。このような作業を720×478の全ての画素について行うことにより、1枚分のDVDにおけるサブピクチャを得ることができる。
このようなサブピクチャを用いて、例えば、720×478画素の全ての領域のうち、下辺に近いところだけに文字の画素データを置き、それより上の部分は、全てバックグラウンド211と定義し、且つバックグラウンド211の画素の動画に対する混合比率を0%とすれば、下辺の部分だけ文字が見え、その他は透明なサブピクチャができ上がる。DVDでは、このような仕掛けを使って、映画用の字幕等を表現している。
次に、DVDにおけるメニュー画面について説明する。既に説明したように、DVDのフォーマットでは、インタラクティブな操作をするためのメニューのうち、DVDに共通な要素で、且つ基本的なものがDVDシステムメニューとして定義されている。このDVDシステムメニューは、DVDプレイヤでDVDを再生する際に、DVDプレイヤのリモートコントロール装置に必ず付随していなければならないとフォーマットで規定されているメニューボタンを視聴者自身が操作することで呼び出される画面であり、視聴者が、画面に表わされるメニューボタンを、DVDプレイヤのリモートコントロール装置に必ず付随されるカーソルキーで選択することで、種々の再生パターンを指定することを可能とするものである。DVDのフォーマットでは、DVDシステムメニューとして、以下のものが規定されている。
1.タイトルメニュー(Title Menu)
タイトルメニューは、DVDに、複数のタイトル(映画やアニメーションの一話分)のオーディオ・ビデオデータが記録されている場合に、視聴者がいずれのタイトルのオーディオ・ビデオデータを再生するかを指定するために用いられるメニュー画面である。
2.チャプタメニュー(Chapter Menu)
1本のタイトル(映画なら映画1本分、ミュージックビデオ(ビデオクリップ)なら1アルバム分等、通常、作品と呼ばれるもの)のオーディオ・ビデオデータには、内部に固有の区切り(映画ならシーンの変わり目、ビデオクリップなら曲の切れ目等、レコード会社の制作者が作品上、頭出しをすることを希望するような区切り)が設けられており、この区切りはチャプタと呼ばれる。チャプタメニューは、各チャプタから直接、再生を開始するためのメニューボタンを画面に配置したメニュー画面である。
3.オーディオメニュー(Audio Menu)
オーディオメニューは、DVDに記録されている各タイトルのビデオデータ、複数の音声チャンネルが付されている場合(例えば、映画のビデオデータに、元の言語の音声(オリジナル音声)と、複数の言語の吹き替え音声が付されている場合)に、いずれの言語の音声を聞くかを選択するために用いられるメニュー画面である。このオーディオメニューでは、選択可能な言語の名称等が付されたメニューボタンが、音声チャンネル毎に独立して画面上に配置される。
4.サブタイトルメニュー(Sub Title Menu;字幕メニュー)
サブタイトルは、映画やテレビ放送の用語であって、いわゆる「字幕スーパー」を意味する。サブタイトルメニューは、DVDに記録されているタイトルに、単数もしくは複数種類の字幕スーパーが付されている場合に、複数種類の字幕スーパーのいずれを表示するのか、または、字幕スーパーを表示するか否かを選択するために用いられるメニュー画面である。このサブタイトルメニューでは、選択可能な字幕スーパーを示す名称が付されたメニューボタンが、字幕スーパーの種類毎に独立して画面上に配置される。
5.アングルメニュー(Angle Menu)
アングルとは、DVDのフォーマット固有の機能である。例えば、サッカーの試合を収録する場合には、通常、複数のカメラが用いられ、これらのカメラによって、試合を同時に、それぞれ異なったカメラアングルから並行して撮影する。つまり、例えば、サッカーの試合のビデオデータには、試合全体をロングで引いて映しているカメラから得られたもの、攻撃側の選手をアップで追っているカメラから得られたもの、あるいは、守備側の選手をアップにしているカメラから得られたもの等が含まれる。このように、対象物を複数のカメラアングルで同時に並行して撮影して得られた複数のビデオデータを多重化してDVDに記録し、DVDプレイヤで再生する際に、視聴者がいずれのカメラアングルで撮影して得られたビデオデータを再生するかを選択できるようにしたのが、DVDにおいてアングルと呼ばれる機能である。アングルメニューには、選択可能なアングルの名称等が記されたメニューボタンが、アングル毎に独立して画面上に配置される。
6.ルートメニュー(Root Menu)
ここまでに、DVDのフォーマットで規定された合計5種類のメニューについて説明したが、DVDプレイヤのリモートコントロール装置には、5種類のメニューそれぞれを表示させるための5個のボタンが設けられるとは限らない。DVDのフォーマットでは、リモートコントロール装置に、タイトルメニューを呼び出すボタンとその他のメニューを呼び出すボタンの2個のボタンを義務づけているだけである。従って、再生するタイトルが、チャプタメニュー、オーディオメニュー、サブタイトルメニューおよびアングルメニューのうちのいずれか一つ以上を要する場合には、それらのメニューを呼び出すために用いられる特別なメニュー画面が必要になる。ルートメニューは、チャプタメニュー、オーディオメニュー、サブタイトルメニューおよびアングルメニューのうちのいずれか一つ以上、サブタイトルメニューおよびアングルメニューの名称が付された操作ボタンが配置されたメニュー画面である。
上述のような各メニューを作成(オーサリング)する場合には、各メニューボタンに対応したDVDにおけるサブピクチャのフォーマットに従った画素データを作ることはもちろん、それぞれのメニューボタンに付随すべきナビゲーションコマンドによるプログラミングを各メニューボタン毎に行う必要がある。なお、ナビゲーションコマンドとは、既に説明したように、DVDプレイヤでの再生方法を制御するために、DVDのフォーマットで用意された独特のプログラミング言語である。このナビゲーションコマンドで記述されたプログラムは、ビデオデータやオーディオデータと共にDVDに記録され、DVDプレイヤは、そのナビゲーションコマンドで記述されたプログラムに従ってビデオデータやオーディオデータを再生する。
次に、図5を参照して、上述のようなメニュー等を構成するためのデータ構造について説明する。DVDにおいては、実際に多重化されたビデオやオーディオなどのデータは、ビデオ・オブジェクト(Video Object;以下、VOBと記す。)と呼ばれている。VOBは、意味のある一連の多重化されたビデオやオーディオのデータで構成され、例えば、映画のタイトル1本分である、オーディオメニューあるいはチャプタメニュー等、一度そこにアクセスして連続的に再生することに大きな意味を持っている多重化データとして定義されている。
従って、一枚のディスクにはVOBという固まりは複数存在しているのが通常であり、図5に示したように、それぞれのVOB62には、VOB 識別番号(以下、VOB ID番号と記す。)(図5では、ID#1)という通し番号が与えられている。また、VOB62の中は、更に、セル(以下、CELLと記す。)63という単位に分かれており、各CELL63には、1から昇順に、CELL 識別番号(以下、CELL ID番号と記す。)(図5では、ID#1〜ID#6)が与えられている。CELL63は、機械的に分けられているのではなく、VOBの考えと同様に、意味のある固まりとして定義される。例えば、映画タイトルであれば各チャプタの区切りに相当し、あるメニューが複数ページで構成される場合であれば各表示ページに相当している。
ここで、DVDフォーマットでは、メニューやタイトルの再生の単位は、プログラムチェイン(Program Chain ;以下、PGCと記す。)と呼ばれる再生制御データによって表される。図6に示したように、PGC70は、プリコマンド(以下、PRE CMDと記す。)64、VOB識別部(以下、VOB IDと記す。)65およびポストコマンド(以下、POST CMDと記す。)66から構成されている。このうち、VOB ID65は、上述のVOB ID番号と該当するVOBが記録されているディスク上の先頭番地の組みで構成されている。VOB ID65は、複数個連ねることも可能である。
VOB ID65は、更に、CELL情報部67の連なりから構成されている。CELL情報部67は、VOB ID65と同様に、VOBの中の各CELL ID番号(図6では、CELL番号CN#1〜CN#6分)とそのCELLが記録されているディスク上の先頭番地の組みで構成されているCELL識別部(以下、CELL IDと記す。)68と、そのCELLの再生の終了時点で実行されるセルコマンド(以下、CELL CMDと記す。)69の組み合わせで構成されている。なお、CELL CMD69は省略することも可能であり、本発明のような特殊な用途でのみ使用され、通常の映画や静止画のメニューでは存在しない場合が多い。
DVDプレイヤは、このVOB ID65とCELL ID68の情報を前から順番にたどっていくことで、再生すべき多重化データの実体の記録されているアドレスを知り、実際に再生していくのである。なお、便宜上、この動作を、PGCの再生と呼ぶことにする。なお、PRE CMD64は、PGCの再生の前に実行されるナビゲーションコマンド(Navigation Command)のことであり、POST CMD66は、PGCの再生の後に実行されるナビゲーションコマンドである。ナビゲーションコマンドについては、後で説明する。
このように見ていくと、DVDの再生の仕組みというものは、あるPGC70とそれに対応する実際の多重化データ(VOB62)と、それに付けられたVOB ID65とCELL ID68との組みで構成され、PRE CMD64、POST CMD66およびCELL CMD69というナビゲーション・コマンドで再生の制御がされていると考えることができる。DVDの再生には、実際は、もっと多くのデータが用いられるが、本発明とは関係がないので説明を省略する。
次に、ナビゲーションコマンドについて説明する。DVDのフォーマットでは、ナビゲーションコマンドで記述されたプログラムは、ビデオデータやオーディオデータと共にDVDに記録され、DVDプレイヤは、そのナビゲーションコマンドで記述されたプログラムに従ってビデオデータやオーディオデータを再生する。例えば、DVDでは、複数の音声チャンネルを多重化して記録することができるが、ナビゲーションコマンドによるプログラムは、例えば、複数ある音声チャンネルのうちのどれを選ぶかを指定したり、チャプタ(Chaptar)へ直接ジャンプして再生を開始する際等に使用される。なお、この例は、ナビゲーションコマンドによるプログラムの最も単純なものであるが、もっと複雑な動作も考えられる。
また、例えば、あるチャプタの再生の終了点で、視聴者に質問をするような静止画(サブピクチャ)が現れ、その質問に対する視聴者の回答に応じて、次にジャンプして再生を開始するチャプタを決定するようなインタラクティブな作品も、ナビゲーションコマンドによるプログラムにより可能となる。この例は、マルチストーリ/マルチエンディングと呼ばれる作品(シーンの切れ目毎に、A、B等の選択肢があり、その選択の結果によって次のシーンが決まるような、ゲーム的要素の高い作品)で使われる手法である。また、ナビゲーションコマンドを用いることにより、あるCELLを繰り返し再生したり、DVDメニューを用いた視聴者自身の選択に従って、再生されるCELLを切り換えるといった高度なインタラクティブ性の実現も可能である。
図7は、一つのメニューを実現するための多重化されたVOB62の中のCELL63内のデータ構造を表したものである。なお、メニューを実現するためのデータ構造は、PGC全体で決定されるが、ここでは、メニューボタン部分を構成するための説明に限定する。
まず、例えば、あるメニューが複数ページ存在しているとすると、各メニューページは、それぞれ一つのCELL63により構成されている。これらCELL63が、ページ数分集まり、図5に示したようなVOB62となる。CELL63は、図7に示したように、以下のような各構成要素により構成されている。
1.セル(CELL)
一つのCELL63は、メニューの1ページ分に相当する全ての表示データとメニューボタンの制御データを含んでいる。CELL63には、表示データとしてメニューボタンの表示イメージであるサブピクチャ(図では、SUB PICTUREと記す。)71が含まれ、メニューボタンの制御データとしてハイライト情報データ(図では、HLI(Highlight Information)と記す。)72が含まれていると共に、本実施の形態では、特に、メニュー画面のバックグラウンド用のビデオデータ(図では、VIDEOと記す。)73が多重化され、更に、メニューが音声付き画像(動画または静止画)メニューである場合には、オーディオデータ(図では、AUDIOと記す。)74が多重化されている。なお、ビデオデータが静止画イメージの場合は、静止画メニューとなり、ビデオデータが動画イメージであれば、動画メニューとなる。
2.サブピクチャ(SUB PICTURE)
サブピクチャ71は、メニュー画面を表示するための画素(ピクセル)データと色情報が格納される領域であり、後述するサブピクチャピクセルデータ(図では、Sub Pictureピクセルデータと記す。)75とボタン色データ(図では、BTN COLORと記す。)76とを含む。
3.ハイライト情報データ(HLI)
ハイライト情報データ72は、メニュー画面中のメニューボタンの選択に関する情報が格納される領域であり、ハイライト色データ(図では、Highlight COLORと記す。)77と、ボタン情報データ(図では、BTN INFOと記す。)78とを含む。ハイライト色データ77は、メニュー画面中のある一つのメニューボタンが選択されたときに、選択されたことを示すために、選択されたメニューボタンの色を変更する(ハイライトする)ための色情報と、選択されたメニューボタンに割り当てられた機能が実行されたときにメニューボタンの色を変更するための色情報とを含んでいる。ボタン情報データ78は、各メニューボタンのメニュー画面内での相対的位置関係と、DVDプレーヤのリモートコントロール装置のカーソルキーによってメニュー画面中で選択対象となるメニューボタンを上下左右に移動させるための操作が行われた際に次に選択対象とするメニューボタンを指示するために必要なメニューボタン間の隣接情報と、メニューボタンに付随する操作決定時のナビゲーションコマンドとを含んでいる。
4.サブピクチャピクセルデータ
サブピクチャピクセルデータ75には、メニューボタンの表示用の画素データが格納されている。なお、メニューが複数ページからなる場合は、この画素データもページ分存在する。
5.ボタン色データ(Button Color)
ボタン色データ76には、メニュー画面を表示するためのサブピクチャの画素データの非選択時(ハイライト処理されていないとき)の色情報、およびメニューボタンがハイライト処理されたときの色情報の参照先でありカラーパレットを示すデータが格納されている。
6.ハイライト色データ(Highlight COLOR)
ハイライト色データ77には、メニュー画面中の各メニューボタンのハイライトのための色情報が格納され、この色情報は、メニューボタンの選択時のハイライト色を示す選択色データ(図では、SELECT COLORと記す。)79と、選択されたメニューボタンに割り当てられた機能が実行されたときのメニューボタンのハイライト色を示すアクション色データ(図では、ACTION COLORと記す。)80とを含んでいる。なお、各色データ79,80は、ボタン色データ76中のカラーパレットを示すデータへのポインタであり、実際の色のデータがここに格納されるわけではない。
7.ボタン情報データ(Button Information)
ボタン情報データ78は、各メニューボタンのメニュー画面内での相対的位置関係を表すボタン位置データ(図では、BTN POSITIONと記す。)81と、DVDプレーヤのリモートコントロール装置のカーソルキーによってメニュー画面中で選択対象となるメニューボタンを上下左右に移動させるための操作が行われた際に、次に選択対象とするメニューボタンを指示するために必要なメニューボタン間の隣接情報である隣接ボタンデータ(ADJ BTNと記す。)82と、メニューボタンに割り当てられた機能を実行させるためのナビゲーションコマンドからなるボタンコマンド(図では、BTN CMDと記す。)83とを含んでいる。ボタン情報データ78は、メニュー画面の各メニューボタンの機能ロジックを記述する部分として中心的な役割を果たす。
8.選択色データ(SELECT COLOR)
選択色データ79には、メニューボタンの選択時のハイライト色のカラーパレットへのポインタが格納される。
9.アクション色データ(ACTION COLOR)
アクション色データ80には、選択されたメニューボタンに割り当てられた機能が実行されたときのメニューボタンのハイライト色のカラーパレットへのポインタが格納される。
10.ボタン位置データ(Button Position)
ボタン位置データ81は、各メニューボタンのメニュー画面内での相対的位置を、画素の座標で表現している。具体的には、各メニューボタンの論理的表示領域は長方形と定められているので、ボタン位置データ81は、その領域の左上と右下の座標のデータを含んでいる。ボタン位置データ81は、更に、各メニューボタンの非選択時の色情報のカラーパレットへのポインタも含んでいる。なお、一つのメニュー画面内においては、メニューボタンの数にかかわらず、非選択時の色は1種類と定められている。ボタン位置データ81は、更に、各メニューボタンが選択されたときに、各メニューボタンに割り当てられた機能を自動的に実行するか否かを示す自動実行情報としての自動実行フラグ(AUTO ACTION FLAG)を含んでいる。
11.隣接ボタンデータ(Adjacent Button)
隣接ボタンデータ82には、DVDプレーヤのリモートコントロール装置のカーソルキーによってメニュー画面中で選択対象となるメニューボタンを上下左右に移動させるための操作が行われた際に、次に選択対象とするメニューボタンを指示するために必要なメニューボタン間の隣接情報が格納されている。
12.ボタンコマンド(Button Command)
ボタンコマンド83は、メニューボタンに割り当てられた機能を実行させるためのナビゲーションコマンドからなり、各メニューボタンに割り当てられた機能を直接的に定義するものである。
さて、図8は、上述したVOB、PGCおよびメニューのデータ構造をまとめて表したものである。この図に示したように、本発明におけるメニュー制御用データに対応するPGC70には、CELL番号CN#1,#2,#3,…のCELL情報部67が含まれている。なお、図8では、CELL番号CN#1,CN#2,CN#3,…のCELL ID番号をそれぞれ#1,#2,#3,…としている。CELL情報部67によって示されるVOB62のCELL63内には、メニューの表示データ(メニューのバックグラウンドとなるビデオデータ、オーディオデータ、サブピクチャデータ)とメニューボタンの制御データとしてのハイライト情報データ(HLI)が含まれている。図8では、CELL ID番号#1のCELL63に含まれるメニュー画面表示用データを示している。一つのメニュー画面を表示するためには、このように複雑な階層的データ構造が必要である。しかし、メニューやタイトルの再生の仕組みを制御するナビゲーションコマンドに注目してみると、メニュー画面の表示に関連する項目は、PRE CMD64,CELL CMD69,POST CMD66,BTN CMD83である。従って、ここで、図9に示したように、PGC70の構造を、便宜的に、これらのナビゲーションコマンドに加えてCELL63への対応を示すCELL ID68のみで簡略化して表す。なお、図9におけるBTN CMD#1,#2等の表現は、該当するメニューページにおいてメニューボタンの数だけBTN CMDが存在することを意味している。なお、BTN CMD83は、厳密には、CELL63に含まれるが、図9では、便宜上、PGC70に含めている。
以下、本実施の形態の概略について、図1に示した具体例を参照して説明する。ここでは、メニューとして、チャプタメニューの例を挙げている。図1は、本実施の形態におけるメニュー画面からタイトルが再生されるまでの一例を示したものである。このメニュー画面は、通常の静止画像でもよいが、望ましくは音声付きの動画像で作成する。この音声付きの動画像は、自動で繰り返して再生されるようにプログラミングされている。例えば、図1に示したメニュー画面1では、ウサギが家に向かって走っていく様子が音声付きで繰り返して再生される。このとき、メニューボタンは、サブピクチャによる静止画像で作成され、DVDプレイヤでの再生時に、バックグラウンドの音声付きの動画像と共に1枚の画像に合成されている。なお、バックグラウンドの音声付きの動画像における動画像とは、例えば前述のウサギが家に向かって走っていく様子を表す画像であり、音声とは、例えば、「好きな方を選んで下さい。」というようなメッセージである。
図1に示したメニュー画面1上において、使用者は、従来のメニューと同様に、リモートコントロール装置のカーソルキーを操作して、メニューボタンを選択して、再生したいチャプタを決定する。従来のメニューと同様に、メニューボタンが操作決定されると、メニューボタンはアクションハイライト状態となり、メニューボタンのハイライト色が変わる。従来のメニューでは、この後、チャプタの再生に移行する。本実施の形態では、メニューボタンの操作決定後、メニューボタンのアクションハイライト状態を強調するために、メニューボタンがアクションハイライト状態となり、メニューボタンのハイライト色が変わった後、アクションハイライト状態を表した短めの特別な音声付きの動画像を自動的に再生し、その後に、メニューボタンで選択されたタイトル中のチャプタにジャンプして、再生が開始される。この一連の動きを、便宜上「ダイナミックハイライト動作」と呼ぶことにする。また、アクションハイライト状態を表す音声付きの動画像を「ダイナミックハイライト画面」という。例えば、図1に示した例では、メニューボタンの「シーン1:はじまり」2が選択され、アクションハイライト状態となった後、ウサギが扉を開けて家の中に入り、その家が大きくクローズアップされるという動画が、ダイナミックハイライト画面3として自動的に特別な音声と共に表示される。そして、ダイナミックハイライト画面3の表示後、タイトル再生画面4において、メニューボタンの「シーン1:はじまり」2で指定されたチャプタの動画が再生される。なお、特別な音声としては、ズームアップを連想させる効果音や、家の扉を開ける効果音や、再生されるチャプタに関連したメッセージ等がある。
次に、音声付きの動画像によるメニュー画面の動きとページ間の動きについて説明する。図2は、音声付きの動画像により作成された2ページからなるメニュー画面と、これらメニュー画面上で選択されたメニューボタン(以下、BTNと記す。)に応じて再生されるダイナミックハイライト画面およびチャプタを表したものである。
第1ページのメニュー(P1)は、チャプタ(1)の再生を指示するためのBTN(#1)11と、チャプタ(2)の再生を指示するためのBTN(#2)12と、下向き矢印の形状をしており、次のメニューページへの切り換えを指示するためのBTN(#3)14とを含んでいる。第2のページのメニュー(P2)は、チャプタ(3)の再生を指示するためのBTN(#5)17と、チャプタ(4)の再生を指示するためのBTN(#6)18と、上向き矢印の形状をしており、前のメニューページへの切り換えを指示するためのBTN(#4)20とを含んでいる。まず、第1ページのメニュー(P1)は、メニュー画面10としての音声付きの動画像を再生し、最後まで再生した後、自動的にその動画の始まりの部分に戻るというリピート再生(矢印13)を行う。メニュー(P1)と同様に、第2ページのメニュー(P2)も、メニュー画面16としての音声付きの動画を再生し、最後まで再生した後、自動的にその動画の始まりの部分に戻るというリピート再生(矢印19)を行う。第1ページのメニュー画面10の再生は、BTN(#3)14を選択して実行した直後に中断され、第2ページのメニュー画面16の最初の部分から、再生が開始される。逆に、第2ページのメニュー画面16の再生は、BTN(#4)20を選択して実行した直後に中断され、第1ページのメニュー画面10の最初の部分から、再生が開始される。
次に、ダイナミックハイライト動作について説明する。今、第1ページのメニュー画面10がリピート再生されているとする。そこで、BTN(#1)11を選択して実行すると、その直後に、第1ページのメニュー画面10の再生は中断され、ダイナミックハイライト画面(1)15が自動的に再生される。その再生が終了した時点で、BTN(#1)11の本来の機能であるタイトル中のチャプタ(1)22にジャンプし、再生が始まる。BTN(#1)11を実行した場合と同様に、BTN(#2)12を選択して実行すると、その直後に、第1ページのメニュー画面10の再生は中断され、ダイナミックハイライト画面(1)15が自動的に再生される。その再生が終了した時点で、BTN(#2)12の本来の機能であるタイトル中のチャプタ(2)23にジャンプし、再生が始まる。
第2ページのメニュー画面16がリピート再生されている場合は、BTN(#5)17を選択して実行すると、ダイナミックハイライト画面(2)21を再生後にチャプタ(3)24にジャンプし、BTN(#6)18を選択して実行した場合は、BTN(#5)17と同様に、ダイナミックハイライト画面(2)21の再生後にチャプタ(4)25にジャンプし、再生が開始される。このようなダイナミックハイライト動作は、メニュー制御用データとしてのPGCの構造とナビゲーションコマンドのプログラミングによって実現される。
ここで、本実施の形態において、上述のような動作を行わせるためのPGCの構造とナビゲーションコマンドのプログラミングについて説明する。なお、メニューを構成するのには、図7に示したように、サブピクチャピクセルデータ75、ボタン色データ76、選択色データ79、アクション色データ80、ボタン位置データ81、隣接ボタンデータ82の各情報も必要になるが、本発明とは直接関係ないので詳細の説明は省略する。ここでは、本発明の説明に矛盾しない様なプログラミングがされているものと仮定する。例えば、各ボタン色データ76には、透明ではない色が指定され、初期のハイライト状態のメニューボタンはBTN(#1)11またはBTN(#5)17であり、隣接ボタンデータ82には上下の関係のみが記述されている等のプログラミングがされているものとする。
まず、図2に示したようなメニューをDVDシステムメニューのうちのチャプタメニューとして実現する場合について、データ構造であるVOBの構造とPGCの構造について説明する。
前述したように、DVDシステムメニューでは、チャプタメニュー,オーディオメニュー,サブタイトルメニュー,アングルメニューのうちの一つでも存在する場合は、それらのメニューを呼び出すための特別なメニューであるルートメニューが必須である。従って、ルートメニューの論理構造であるルートメニュー用のPGCが必要である。図3は、ルートメニュー用のPGC(PGC#1)30の構造を表したものである。ルートメニュー用のPGC30は、ルートメニューとして表示すべきメニューページがないので、これに対応するVOBないしCELLが存在せず、ナビゲーションコマンドのなかでもPRE CMD31だけからなる特殊な形のPGCとなる。DVDフォーマットでは、このようなPGCをダミーPGCと呼ぶ。
図4は、図2に示したようなメニューのVOBの構造およびPGCの構造を表したものである。チャプタメニューまたはダイナミックハイライト画像として実際に再生されるバックグラウンドのビデオ信号、オーディオ信号、あるいはメニューボタン用のサブピクチャ信号は、チャプタメニュー用のVOB(VOB ID#1)61に一連のデータとして多重化される。VOB61は、CELL番号CN#1〜CN#4の4つのCELL41〜44を含んでいる。図4では、CELL番号CN#1〜CN#4の各CELL41〜44のCELL ID番号をそれぞれ#1〜#4としている。メニュー画面表示用データとしての図2における第1ページのメニュー画面10のデータは、CELL IDが#1であるCELL41に記録される。メニュー画面10と同様に、第2ページのメニュー画面16のデータは、CELL IDが#2であるCELL42に記録され、応答画面表示用データとしてのダイナミックハイライト画面(1)15のデータは、CELL IDが#3であるCELL43に記録され、ダイナミックハイライト画面(2)21のデータは、CELL IDが#4であるCELL44に記録される。
このように、メニュー画面表示用データおよびダイナミックハイライト画面のデータを一連の順番で記録することにより、DVDのオーサリングが容易になる。すなわち、まず、マスタテープを作成する際に、特別な配慮が不要になる。使用者は、このような特殊なメニューを制作するときでも、通常のタイトルを作成する場合と同様に、必要な動画と音声をつなげただけのマスタテープを用意し、それぞれメニューページ部の切れ目とダイナミックハイライト部の切れ目がマスタテープ上のどの位置にあるかをタイムコードで指定するだけで容易に制作することが可能である。更に、メニュー画面およびダイナミックハイライト画面のデータが一連になっているので、DVDの符号化および多重化の際にも一度の作業で完成するため、それぞれ個別に作業するよりも効率良く行うことができる。
上述のような構成のVOB61に対して、PGC40は次のような構成となっている。一連のVOB61には、一つのチャプタメニュー用のPGC(PGC#2)40が割り当てられている。このPGC40には、4個のCELL41〜44に関する情報が含まれている。これらの情報は、VOB61内のCELL41〜44に対応付けるために、次のように設定されている。VOB61内のCELL番号CN#1のCELL41のCELL ID番号は#1に設定し、CELL番号CN#2のCELL42のCELL ID番号は#2に設定し、CELL番号CN#3のCELL43のCELL ID番号は#3に設定し、CELL番号CN#4のCELL44のCELL ID番号は#4に設定する。
CELL ID番号が#1と#2のCELL41,42は、図2に示した第1ページのメニュー画面10と第2ページのメニュー画面16に対応している。メニュー画面10,16には、それぞれ3つのメニューボタンがそれぞれ含まれているので、CELL41における応答画面表示指示データおよび機能実行指示データとしてのBTN CMDとしては3つのBTN CMD(#1〜#3)49〜51を設け、CELL42におけるBTN CMDとしては3つのBTN CMD(#4〜#6)52〜54を設ける。CELL ID番号が#3と#4であるCELL43,44は、ダイナミックハイライト画面(1)15とダイナミックハイライト画面(2)21に対応している。ダイナミックハイライト画面(1)15とダイナミックハイライト画面(2)21には、メニューボタンが存在しないので、CELL43,44にはBTN CMDは設定されない。また、PGC40には、4つのCELL41〜44に対応して、再生の動きを制御するためのCELL CMD55〜58が含まれており、更に、PRE CMD59とPOST CMD60が含まれている。
本実施の形態において、上述のようにチャプタメニュー用のPGC40を一つとしたことは、チャプタメニュー用のVOB61が一連で一つであるという理由もあるが、次に述べるメリットによるところが大きい。まず、PGC40に記載される各種データは、PGC情報テーブルとしてディスク上にまとめて記録されるが、PGCが複数となる場合は、PGC情報テーブルもディスク上に分割して記録される。従って、PGC40を一つにして、PGC情報テーブルをディスク上にまとめて記録することにより、DVDプレイヤが本実施の形態によるメニューを再生しようとする際に、PGC40を一度のアクセスで全て読み込むことができ、レスポンスの良い再生を行うことができる。ところが、例えば、メニュー部とダイナミックハイライト部にPGCを分割すると、DVDプレイヤはメニュー部の再生からダイナミックハイライト部の再生に移行する際に、一度、ダイナミックハイライト部のPGC情報テーブルをアクセスしなければならないので、その分、再生のレスポンスが劣化する。
次に、図2に示したようなメニューをDVDシステムメニューのうちのチャプタメニューとして実現する場合についての、ナビゲーションコマンドの内容について説明する。上述のPGCに記述されるPRE CMD,POST CMD,CELL CMD,BTN CMDと呼ばれるナビゲーションコマンドの内容が、本実施の形態の特徴となるので、これらのナビゲーションコマンドの内容について説明する。なお、DVDのフォーマットでは、ナビゲーションコマンドの記述の際には、CELL CMDおよびBTN CMDは1行で記述されなければならないと制約されている。また、CELLをいくつか集めたものをプログラム(PROGRAM;以下、PGと記す。)と称するが、1つのCELLに対して1つのPGとしても問題なく実現可能であり、本質的に影響はない。従って、本実施の形態では、単純化のために1つのCELLに対して1つのPGとする。更に、ナビゲーションコマンドでは、CELL番号(CN)ではなく、PG番号で記述しなければならないものもあり、厳密には区別すべきだが、本実施の形態では1CELLで1PGとしたので、CELL番号で記述されるものとPG番号で記述されるものは同一のものを表すものとする。
また、CELLに対しては、PGC情報テーブルにシームレスフラグ(SEAMLESS FLAG)、セルタイプ(CELL TYPE)、ブロックタイプ(BLOCK TYPE)、スティルタイム(STILL TIME)等の情報も書き込む必要はあるが、本実施の形態と直接に関係ないため、それらの説明は省略する。ここでは、本実施の形態におけるPGCおよびCELLの構造に矛盾しない設定がされているものとする。また、スティルタイムは無限大ではない任意の値とし、ここでは0秒とする。
まず、表示すべきメニューページがないルートメニュー用のPGC30には、図3に示したように、PRE CMD31のみが記述されている。このPRE CMD31の内容は、チャプタメニューへ移行するという命令になっている。
次に、チャプタメニュー用のPGC40は、図4に示したように、PRE CMD59、各メニューボタンごとのBTN CMD49〜54、各CELLごとのCELL CMD55〜58およびPOST CMD60を含んでいる。
PRE CMD59に対応する命令はない。従って、チャプタメニューへ移行した後は、CELL ID番号#1のCELL41へ移行する。
CELL ID番号#1のCELL41におけるBTN CMD(#1〜#3)49〜51の内容は、以下のようになっている。
BTN CMD(#1)49の内容は、パラメータ1に最終移行先のチャプタ番号である「1」を設定し、CELL番号CN#3のCELL43へ移行するという命令になっている。なお、パラメータ1は、メニューボタンに割り当てられた機能を特定するためのデータ、すなわち本実施の形態では最終移行先を特定するためのデータが設定されるものであり、本発明における機能特定データに対応する。
BTN CMD(#2)50の内容は、パラメータ1に最終移行先のチャプタ番号である「2」を設定し、CELL番号CN#3のCELL43へ移行するという命令になっている。
BTN CMD(#3)51の内容は、次のメニューページ、すなわち第2ページのメニュー画面16に対応するCELL番号CN#2のCELL42へ移行するという命令になっている。
CELL41に対応するCELL CMD55の内容は、自分自身のCELLの最初へ移行するという命令になっている。
CELL ID番号#2のCELL42におけるBTN CMD(#4〜#6)52〜54の内容は、以下のようになっている。
BTN CMD(#4)52の内容は、前のメニューページ、すなわち第1ページのメニュー画面10に対応するCELL番号CN#1のCELL41へ移行するという命令になっている。
BTN CMD(#5)53の内容は、パラメータ1に最終移行先のチャプタ番号である「3」を設定し、CELL番号CN#4のCELL44へ移行するという命令になっている。
BTN CMD(#6)54の内容は、パラメータ1に最終移行先のチャプタ番号である「4」を設定し、CELL番号CN#4のCELL44へ移行するという命令になっている。
CELL42に対応するCELL CMD56の内容は、自分自身のCELLの最初へ移行するという命令になっている。
CELL ID番号#3のCELL43に対応するCELL CMD57およびCELL ID番号#4のCELL44に対応するCELL CMD58の内容は、このPGC40の最後へ移行して、POST CMD60を実行するという命令になっている。
POST CMD60の内容は、パラメータ1に書かれている数字のチャプタへ移行するという命令になっている。すなわち、パラメータ1に「1」が設定されている場合はチャプタ(1)へ移行し、パラメータ1に「2」が設定されている場合はチャプタ(2)に移行し、パラメータ1に「3」が設定されている場合はチャプタ(3)に移行し、パラメータ1に「4」が設定されている場合はチャプタ(4)に移行する。
このようなナビゲーションコマンドにより、図2を用いて説明した再生動作の制御が可能となる。
次に、図10を参照して、例えば図1に示したような本実施の形態におけるメニュー画面を用いた操作について説明する。図10は、DVDプレイヤとその周辺機器を示す説明図である。図10には、DVDプレイヤ91と、このDVDプレイヤ91によって再生される画像を表示するためのモニタ90と、DVDプレイヤ91を操作するためのリモートコントロール装置92とが示されている。リモートコントロール装置92は、選択する操作ボタンを上下左右に移動させるための上カーソルキー93、下カーソルキー94、左カーソルキー95および右カーソルキー96と、選択した操作ボタンの動作を完了させるためのメニュー決定キー97とを含んでいる。
前述のようなPGC40を有するDVDを、DVDプレイヤ91によって再生する場合には、視聴者は、まず、DVDプレイヤ91のリモートコントロール装置92に設けられた図示しない操作ボタン等を操作して、所望のメニュー画面をモニタ90に表示させる。例えば、図1に示したようなメニュー画面1をモニタ90に表示させた場合、最初は、一番上のメニューボタン2がハイライトされた状態となっている。この状態から、視聴者は、リモートコントロール装置92の上カーソルキー93または下カーソルキー94を押して、メニューボタン2を選択することができる。メニューボタン2のうちのチャプタを指定するボタンが選択された状態(ハイライトされた状態)で、視聴者がメニュー決定キー97を押すと、ダイナミックハイライト画面3が表示された後、所定のチャプタからの再生が開始される。
また、メニューボタン2のうちのメニューページ切り換え用ボタンが選択された状態で、視聴者がメニュー決定キー97を押すと、メニューページが切り替わる。
次に、図11を参照して、本実施の形態に係るメニュー制御装置としてのDVDプレイヤの構成の一例について説明する。この図に示したDVDプレイヤは、DVD101を回転させるためのモータ102と、このモータ102によって回転されるDVD101に対向するように配置され、DVD101に記録された情報を検出するピックアップ103と、このピックアップ103の出力信号を復調して出力する復調器104と、2つの固定接点105a,105bと可動接点105cとを有し、可動接点105cが復調器104の出力端に接続されたスイッチ105とを備えている。なお、ピックアップ103は、DVD101に対して光を照射すると共に戻り光を検出して、DVD101に記録された情報を光学的に読み出すものである。また、ピックアップ103は、DVD101に対する光の照射位置をDVD101の半径方向に移動させて、DVD101における情報の読み出し位置を制御するための駆動装置を含んでいる。
DVDプレイヤは、更に、入力端がスイッチ105の固定接点105aに接続され、スイッチ105を介して入力される復調器104の出力信号を、DVDプレイヤの再生方法を制御するためナビゲーションパック(Navigation Pack)(図では、NAVIと記す。)106と視聴者に提供する情報であるプレゼンテーションデータ(Presentation Data)107とに分離するデマルチプレクサ(1)108と、スイッチ105の固定接点105bからの信号およびデマルチプレクサ(1)108からのナビゲーションパック106を入力すると共に、モータ102、ピックアップ103およびスイッチ105を制御する本発明におけるコンピュータとしてのCPU(中央処理装置)109とを備えている。なお、CPU109は、プログラムを格納したROM(リード・オンリ・メモリ)および作業領域となるRAM(ランダム・アクセス・メモリ)を含み、RAMを作業領域として、ROMに格納されたプログラムを実行することにより、後述する動作を行うようになっている。
DVDプレイヤは、更に、デマルチプレクサ(1)108からのプレゼンテーションデータ107を、符号化されたサブピクチャ信号(図では、SPと記す。)110と符号化されたビデオ信号(図では、Vと記す。)111と符号化されたオーディオデータ(図では、Aと記す。)112とに分離するデマルチプレクサ(2)113と、デマルチプレクサ(2)113からのサブピクチャ信号110をデコード(復号化)するサブピクチャデコーダ114と、デマルチプレクサ(2)113からのビデオ信号111をデコードするビデオデコーダ115と、デマルチプレクサ(2)113からのオーディオ信号112をデコードして、オーディオ出力信号117として出力するオーディオデコーダ116と、サブピクチャデコーダ114からのデコード後のサブピクチャ信号を一旦記憶してサブピクチャを形成するディスプレイメモリ118と、ビデオデコーダ115からのデコード後のビデオ信号を一旦記憶して動画部分を形成するディスプレイメモリ119と、ディスプレイメモリ118,119の各出力信号を加算して、ビデオ出力信号120として出力する加算器121とを備えている。
CPU109は、RAM内に、インフォメーションデータ(Information Data)を記憶するためのインフォメーションデータ記憶領域122と、ナビゲーションパック106に含まれるナビゲーションコントロールデータ(Navigation Control Data)を記憶するナビゲーションコントロールデータ記憶領域123とを有している。インフォメーションデータ記憶領域122は、ジェネラルコントロールデータ(General Control Data)を記憶するジェネラルコントロールデータ記憶領域124と、エントリサーチインフォメーション(Entry Serch Information)を記憶するエントリサーチインフォメーション記憶領域125とを含んでいる。インフォメーションデータは、スイッチ105を介して入力されるようになっている。また、CPU109は、ナビゲーションコントロールデータ記憶領域123に記憶されたサブピクチャにおけるハイライトを制御するためのハイライトディスプレイコントロール(Highlight Display Control)信号126をディスプレイメモリ118に送るようになっている。
DVDプレイヤは、更に、リモートコントロール装置92からの信号を受信し、信号処理して、リモートコントロール装置92のキー操作に応じた信号に変換してCPU109に与える受信装置129を有している。
次に、図11に示したDVDプレイヤの動作について説明する。始めに、DVDプレイヤによるインフォーメーションデータの読み込みの動作について説明する。この場合、CPU109は、スイッチ105を固定接点105b側に切り換えておき、サーボ制御によって、ピックアップ103とモータ102とを動かして、DVD101より、ジェネラルコントロールデータとエントリサーチインフォメーションとを読み込み、それぞれ、ジェネラルコントロールデータ記憶領域124とエントリサーチインフォメーション記憶領域125に記憶させる。ジェネラルコントロールデータには、ビデオのアスペクト比やオーディオのコーディングの種類や本数等、再生に必要な静的な情報が書かれている。また、エントリサーチインフォメーションは、メニューの各ページの多重化データや各タイトルの多重化データがDVD101上の何番地に書いてあるのかのアドレス情報をテーブルにまとめたものである。DVDプレイヤは、このエントリサーチインフォメーションを使って、任意のメニューやタイトルの指示されたアドレスまでピックアップ103を移動して再生を開始することができる。
次に、DVDプレイヤによるメニューの再生の動作について説明する。この場合、CPU109は、スイッチ105を固定接点105a側に切り換えておき、エントリサーチインフォメーションからメニューの先頭番地を知り、そのメニューの情報を読み込めるように、ピックアップ103とモータ102とを動かして、ピックアップ103より再生信号を得る。再生信号は、復調器104により、通常のディジタル信号に戻り、再生ストリーム127となる。この、再生ストリーム127を模式的に拡大すると、ナビゲーションパック(NAVI)、ビデオ信号(V)、オーディオ信号(A)およびサブピクチャ信号(SP)が順番に多重化されて並んでいるように見える。
次に、復調器104より出力される再生ストリーム127は、デマルチプレクサ(1)108によって、ナビゲーションパック106とプレゼンテーションデータ107とに分離される。分離された一方のデータであるナビゲーションパック106は、CPU109のナビゲーションコントロールデータ記憶領域123に記憶される。ナビゲーションパック106には、図7に示したハイライト情報データ72が含まれているので、メニューを再生するための命令(図7における隣接ボタンデータ82やボタンコマンド83等)も、この段階でCPU109に記憶されることになる。
デマルチプレクサ(1)108によって分離された他方のデータであるプレゼンテーションデータ107は、デマルチプレクサ(2)113によって、更にサブピクチャ信号110、ビデオ信号111およびオーディオ信号112に分離され、それぞれに対応したデコーダ114〜116によって、復号化されたサブピクチャ信号、ビデオ信号およびオーディオ信号に戻される。なお、サブピクチャデコーダ114より出力されるサブピクチャ信号とビデオデコーダ115より出力されるビデオ信号は、それぞれディスプレイメモリ118,119に一旦記憶され、その後、加算器121で加算されて、ビデオ出力信号120として出力される。ディスプレイメモリ118には、CPU109からのハイライトディスプレイコントロール信号126が与えられている。例えば、メニュー画面において、リモートコントロール装置のカーソルキーの操作に応じてハイライトを移動させるとき等には、CPU109は、このハイライトディスプレイコントロール信号126を使って、直接、ディスプレイメモリ118におけるハイライトに対応する場所のデータを書き換えることで、ハイライト色の移動という視覚的効果を得る。
前述のように、各メニューのPGCは、PGC情報テーブルとして、ジェネラルコントロールデータと呼ばれるエリアの一部としてディスクに記録されている。ディスク上のジェネラルコントロールデータは、CPU109に取り込まれ、ジェネラルコントロールデータ記憶領域124に格納される。なお、より詳細に説明すると、ジェネラルコントロールデータ記憶領域124に格納されたPGC情報テーブルには、PGCとVOB ID番号とCELL ID番号の対応関係が示されており、エントリサーチインフォメーション記憶領域125には、PGC情報テーブルにおける各PGC、VOB ID番号、CELL ID番号に対応するディスク上の物理的なアドレスを示すVOB情報テーブルが格納されている。従って、本実施の形態におけるメニューを再生するとき、CPU109は、ジェネラルコントロールデータ記憶領域124から、PGC情報テーブルを読み、その結果、PGCのVOB ID番号およびCELL ID番号を知り、エントリサーチインフォメーション記憶領域125のVOB情報テーブルの中から、VOB ID番号およびCELL ID番号に対応するディスク上の物理的なアドレスを知ることができる。
次に、図14および図15に示す流れ図を参照して、本実施の形態におけるDVDプレイヤによるメニューの再生の動作について説明する。なお、以下の動作は、図11に示した例では、主にCPU109の動作となる。
この動作は、視聴者がリモートコントロール装置によってDVDプレイヤに対して所定のメニューの再生を指示する(ステップS100)ことから始まる。DVDプレイヤのCPU109は、ルートメニュー用のPGCを実行し(ステップS101)、そのPRE CMDに従ってチャプタメニューへ移行し、チャプタメニューの再生を開始する(ステップS102)。CPU109は、チャプタメニュー用のPGCでは、PRE CMDに対応する命令が無いため、そのままCELL番号CN#1のCELL、すなわち図2における第1ページのメニュー画面10を再生して(ステップS103)、BTN#1を選択ハイライト状態とする(ステップS104)。ここで、CPU109は、リモートコントロール装置のキーが押されたか否かを判断し(ステップS105)、いずれのキーも押されていない場合(ステップS105;N)、CELL番号CN#1のCELLを最後まで再生して、CELL番号CN#1に対応するCELL CMDを実行する(ステップS106)。このCELL CMDは、自分自身のCELLの最初へ移行するという命令になっているので、CPU109は、CELL番号CN#1のCELLの最初へ移行し、再生を開始して(ステップS107)、ステップS105に戻り、リモートコントロール装置からキー入力が行われるまで、第1ページのメニュー画面10を繰り返し再生する。リモートコントロール装置のキーが押された場合(ステップS105;Y)、CPU109はいずれのキーが押されたかを判断する(ステップS108)。CPU109は、左右カーソルキーが押された場合には、ステップS106へ進み、第1ページのメニュー画面10の再生を続行し、リモートコントロール装置からのキー入力を待つ。CPU109は、上下カーソルキーが押された場合には、選択ハイライト状態を隣のボタンに移動し(ステップS109)、ステップS105に戻り、リモートコントロール装置からのキー入力を待つ。
メニュー決定キーが押された場合には、CPU109はいずれのメニューボタンが選択ハイライト状態であるかを判断する(ステップS110)。CPU109は、選択ハイライト状態のメニューボタンがBTN#1である場合には、BTN#1をアクションハイライト状態として(ステップS111)、CELL番号CN#1のCELLにおけるBTN CMD#1を実行し(ステップS112)、パラメータ(以下、GPと記す。)1に最終移行先のチャプタ番号である「1」を設定し、CELL番号CN#3のCELLへ移行して(ステップS113)、図2におけるダイナミックハイライト画面(1)15を再生する(ステップS114)。CPU109は、選択ハイライト状態のメニューボタンがBTN#2である場合には、BTN#2をアクションハイライト状態として(ステップS115)、CELL番号CN#1のCELLにおけるBTN CMD#2を実行し(ステップS116)、GP1に最終移行先のチャプタ番号である「2」を設定し、CELL番号CN#3のCELLへ移行して(ステップS117)、図2におけるダイナミックハイライト画面(1)15を再生する(ステップS114)。CPU109は、BTN#1,#2が操作決定されて、ダイナミックハイライト画面(1)15が再生された後、CELL番号CN#3のCELLに対応するCELL CMDを実行して(ステップS121)、PGCの最後のPOST CMDへ移行する(ステップS122)。
一方、選択ハイライト状態のメニューボタンがBTN#3である場合には、CPU109はBTN#3をアクションハイライト状態として(ステップS118)、CELL番号CN#1のCELLにおけるBTN CMD#3を実行し(ステップS119)、CELL番号CN#2のCELLへ移行して、第2ページのメニュー画面16を再生し(ステップS120)、メニュー画面上のBTN#5を選択ハイライト状態にする(ステップS125)。
CPU109は、BTN#5を選択ハイライト状態にした後、第1ページのメニューにおける処理と同様の処理を行う。すなわち、CPU109は、まず、リモートコントロール装置のキーが押されたか否かを判断し(ステップS126)、いずれのキーも押されていない場合(ステップS126;N)、CELL番号CN#2のCELLを最後まで再生して、CELL番号CN#2に対応するCELL CMDを実行する(ステップS127)。CPU109は、CELL番号CN#2のCELLの最初へ移行し、再生を開始して(ステップS128)、ステップS126に戻り、リモートコントロール装置からのキー入力を待つ。CPU109は、リモートコントロール装置のキーが押された場合(ステップS126;Y)、押されたキーを判断し(ステップS129)、左右カーソルキーが押された場合には、ステップS127へ進む。CPU109は、上下カーソルキーが押された場合には、選択ハイライト状態を隣のボタンに移動し(ステップS130)、ステップS126に戻る。
メニュー決定キーが押された場合には、CPU109は選択ハイライト状態のメニューボタンを判断する(ステップS131)。CPU109は、選択ハイライト状態のメニューボタンがBTN#5である場合には、BTN#5をアクションハイライト状態として(ステップS132)、CELL番号CN#2のCELLにおけるBTN CMD#5を実行し(ステップS133)、GP1に最終移行先のチャプタ番号である「3」を設定し、CELL番号CN#4のCELLへ移行して(ステップS134)、図2におけるダイナミックハイライト画面(2)21を再生する(ステップS135)。CPU109は、選択ハイライト状態のメニューボタンがBTN#6である場合には、BTN#6をアクションハイライト状態として(ステップS136)、CELL番号CN#2のCELLにおけるBTN CMD#6を実行し(ステップS137)、GP1に最終移行先のチャプタ番号である「4」を設定し、CELL番号CN#4のCELLへ移行して(ステップS138)、図2におけるダイナミックハイライト画面(2)21を再生する(ステップS135)。
一方、選択ハイライト状態のメニューボタンがBTN#4である場合には、CPU109はBTN#4をアクションハイライト状態として(ステップS139)、CELL番号CN#2のCELLにおけるBTN CMD#4を実行し(ステップS140)、CELL番号CN#1のCELLへ移行して第1ページのメニュー画面10を再生し(ステップS141)、ステップS104に戻る。
CPU109は、BTN#1,#2,#5,#6が操作決定され、ダイナミックハイライト画面(1),(2)が再生された後、チャプタメニュー用のPGCのPOST CMDを実行して(ステップS123)、GP1の値に従って各チャプタに移行する(ステップS124)。すなわち、GP1=1のときはチャプタ(1)を再生し、GP1=2のときはチャプタ(2)を再生し、GP1=3のときはチャプタ(3)を再生し、GP1=4のときはチャプタ(4)を再生して、チャプタメニューに関する動作を終了する。
以上説明したように本実施の形態に係るメニュー制御用データを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、メニュー制御方法およびメニュー制御装置によれば、メニュー画面を音声付きの動画像とすると共に、メニューボタンの操作決定後に、音声付きの動画像で作成されたダイナミックハイライト画面(1),(2)を自動的に再生して、その後に、実際のタイトル中のチャプタの再生を開始するようにしたので、選択したメニューボタンのアクションハイライト状態がより強調され、表現力が高く、視聴者の興味を引くようなメニューを作成することができる。
更に、本実施の形態では、メニュー画面とダイナミックハイライト画面についてのVOBおよびPGCをそれぞれ一つにまとめて、一連の順番で記録するようにしたので、DVDのオーサリングが容易になると共に、PGCに記載される各種のデータをPGC情報テーブルとして、ディスク上にまとめて記録して、一度のアクセスで全て読み込むことが可能なので、DVDプレイヤによって、レスポンスの良い再生を行うことができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、複数のページからなるメニューにおいて、メニューページを切り換える際にもダイナミックハイライト画面の再生を行うことができるようにしたものである。なお、本実施の形態において、第1の実施の形態と同一構成部分については同一符号を付してその説明は省略する。
この例では、図4におけるBTN#3のBTN CMD(#3)51,BTN#4のBTN CMD(#4)52およびPOST CMD60の内容が次のようになっている。
BTN CMD(#3)51の内容は、PG1に「10」を設定し、CELL番号CN#3のCELL43へ移行するという命令になっている。
BTN CMD(#4)52の内容は、PG1に「20」を設定し、CELL番号CN#4のCELL44へ移行するという命令になっている。
POST CMD60の内容は、PG1に「1」〜「4」が設定されている場合は、その値に従って、チャプタ(1)〜(4)へそれぞれ移行し、PG1の値が「10」の場合、CELL番号CN#2のCELL42へ移行し、PG1の値が「20」の場合、CELL番号CN#1のCELL41へ移行するという命令になっている。
次に、図16および図17を参照して、本実施の形態におけるDVDプレイヤによるメニューの再生の動作について説明する。本実施の形態では、CPU109は、第1ページのメニュー画面において、BTN#3が操作決定され、BTN#3をアクションハイライト状態にした場合(ステップS118)、BTN CMD#3を実行し(ステップS119)、GP1に「10」を設定し、CELL番号CN#3のCELLへ移行して(ステップS120A)、図2におけるダイナミックハイライト画面(1)15を再生する(ステップS114)。CPU109は、ダイナミックハイライト画面(1)15が再生された後、CELL番号CN#3に対応するCELL CMDを実行して(ステップS121)、PGCの最後のPOST CMDへ移行する(ステップS122)。
また、CPU109は、第2ページのメニュー画面において、BTN#4が操作決定され、BTN#4をアクションハイライト状態にした場合(ステップS139)、BTN CMD#4を実行し(ステップS140)、GP1に「20」を設定し、CELL番号CN#4のCELLへ移行して(ステップS141A)、図2におけるダイナミックハイライト画面(2)21を再生する(ステップS135)。
ダイナミックハイライト画面(1),(2)が再生された後、CPU109は、POST CMDを実行して(ステップS123)、GP1の値を判断し(ステップS124A)、GP1の値に応じて、以下の処理を行う。GP1の値が「10」すなわち、第1ページのメニュー画面のBTN#3が操作決定された場合には、CELL番号CN#2のCELLへ移行して、第2ページのメニュー画面を再生し(ステップS143A)、ステップS125へ進む。GP1の値が「20」すなわち、第2ページのメニュー画面のBTN#4が操作決定された場合には、CELL番号CN#1のCELLへ移行して、第1ページのメニュー画面を再生し(ステップS144A)、ステップS104へ進む。GP1の値が「1」,「2」,「3」,「4」のいずれか、すなわちBTN#1,#2,#5,#6のいずれかが操作決定された場合には、GP1の値に従って、各チャプタへ移行して、それぞれ再生を開始する(ステップS142A)。
図16および図17に示した動作の他の部分は、第1の実施の形態(図14,15)と同様である。
このように本実施の形態によれば、図2における第1ページのメニュー画面10上のBTN(#3)14を操作決定すると、第2ページのメニュー画面16の動画再生の始まりの部分へ移行し、第2ページのメニュー画面16の再生が開始される前に、一旦、ダイナミックハイライト画面(1)15の動画が自動的に再生される。また、第2ページのメニュー画面16上のBTN(#4)20を操作決定すると、第1ページのメニュー画面10の動画再生の始まりの部分へ移行し、第1ページのメニュー画面10の再生が開始される前に、一旦、ダイナミックハイライト画面(2)21の動画が自動的に再生される。すなわち、メニューページを切り換える際にも、ダイナミックハイライト動作をはさむことができ、より魅力的なメニューを作成することが可能となる。
なお、メニューページを切り換える際に再生するダイナミックハイライト画面用のCELLを追加し、図2におけるBTN(#3)14のBTN CMD51を、追加したCELLへ移行する命令とし、この追加したCELLのCELL CMDを、CELL番号CN#2のCELLへ移行する命令とし、同様に、BTN(#4)20のBTN CMD52を、追加したCELLへ移行する命令とし、この追加したCELLのCELL CMDを、CELL番号CN#1のCELLへ移行する命令とすることによっても、メニューページの切り換えの際に、ダイナミックハイライト動作を挿入することが可能である。
本実施の形態におけるその他の構成、動作および効果は、第1の実施の形態と同様である。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、メニュー画面とダイナミックハイライト画面についてのVOBおよびPGCを複数に分けた例である。なお、上記実施の形態と同一構成部分については同一符号を付してその説明は省略する。この例では、簡略化のために、1ページからなるメニューの場合について説明し、ルートメニューのダミーPGCについての記述は省略する。
図18は、本実施の形態におけるメニューのVOBの構造およびPGCの構造を表した説明図である。本実施の形態では、メニュー画面用のデータとダイナミックハイライト画面用のデータは、それぞれ別のVOB130とVOB131に分けて記録する。各VOB130,131にそれぞれ対応するPGCも、PGC132とPGC133に分かれる。ここで、VOB130,131をそれぞれVOB#1,VOB#2とし、そのVOB ID番号をそれぞれ#1,#2とする。また、PGC132,133をそれぞれPGC#1,PGC#2とする。
メニュー画面用のデータが記録されるVOB130は、1ページからなるメニューのため、1つのCELL134からなる。このCELL134のCELL番号をCN#1とし、CELL ID番号を#1とする。VOB130と対応するPGC132は、PRE CMD135と、CELL134に関する情報と、POST CMD137とを含んでいる。CELL134に関する情報は、CELL ID番号と2つのBTN CMD#1,#2とCELL CMD142とを含んでいる。
一方、VOB131も、ダイナミックハイライト画面が1つであるため、1つのCELL138からなる。このCELL138のCELL番号をCN#1とし、CELL ID番号を#1とする。VOB131と対応するPGC133は、PRE CMD139と、CELL138に関する情報と、POST CMD141とを含んでいる。CELL138に関する情報は、CELL ID番号とCELL CMD143とを含んでいる。ダイナミックハイライト画面にはメニューボタンが存在しないので、CELL138に対応するBTN CMDは無い。
PGC132,133におけるナビゲーションコマンドの内容は、次のようになる。チャプタメニュー用のPGC132は、PRE CMD135、各メニューボタンごとのBTN CMD#1,#2、CELL CMD142、POST CMD137を含んでいる。
PRE CMD135に対応する命令はない。従って、チャプタメニューへ移行した後は、CELL ID番号#1のCELL134へ移行する。
CELL ID番号#1のCELL134におけるBTN CMD#1,#2の内容は、以下のようになっている。
BTN CMD#1の内容は、PG1に最終移行先のチャプタ番号である「1」を設定し、ダイナミックハイライト画面用のPGC133へ移行するという命令になっている。
BTN CMD#2の内容は、PG1に最終移行先のチャプタ番号である「2」を設定し、ダイナミックハイライト画面用のPGC133へ移行するという命令になっている。
CELL134に対応するCELL CMD142の内容は、自分自身のCELLの最初へ移行するという命令になっている。
POST CMD137に対応する命令はない。
ダイナミックハイライト画面用のPGC133は、PRE CMD139、CELL CMD143およびPOST CMD141を含んでいる。PRE CMD139およびCELL CMD143に対応する命令はない。
POST CMD141の内容は、PG1に書かれている数字のチャプタへ移行するという命令になっている。すなわち、PG1に「1」が設定されている場合はチャプタ(1)へ移行し、PG1に「2」が設定されている場合はチャプタ(2)へ移行する。
次に、図19に示す流れ図を参照して、本実施の形態におけるDVDプレイヤによるメニューの再生の動作について説明する。本実施の形態では、視聴者がリモートコントロール装置によってDVDプレイヤに対して所定のメニューの再生を指示する(ステップS200)ことから始まる。DVDプレイヤのCPU109は、ルートメニュー用のPGCを実行し(ステップS201)、そのPRE CMDに従ってチャプタメニューへ移行し、チャプタメニューの再生を開始する(ステップS202)。CPU109は、チャプタメニュー用のPGC(#1)132では、PRE CMD135に対応する命令が無いため、そのままCELL番号CN#1のCELL134、すなわちメニュー画面を再生して(ステップS203)、BTN#1を選択ハイライト状態とする(ステップS204)。ここで、CPU109は、リモートコントロール装置のキーが押されたか否かを判断し(ステップS205)、いずれのキーも押されていない場合(ステップS205;N)、CELL番号CN#1のCELL134を最後まで再生して、CELL番号CN#1に対応するCELL CMD142を実行する(ステップS206)。このCELL CMD142は、自分自身のCELLの最初へ移行するという命令になっているので、CPU109は、CELL番号CN#1のCELL134の最初へ移行し、再生を開始して(ステップS207)、ステップS205に戻り、リモートコントロール装置からキー入力が行われるまで、メニュー画面を繰り返し再生する。リモートコントロール装置のキーが押された場合(ステップS205;Y)、CPU109はいずれのキーが押されたかを判断する(ステップS208)。CPU109は、左右カーソルキーが押された場合には、ステップS206へ進み、メニュー画面の再生を続行し、リモートコントロール装置からのキー入力を待つ。CPU109は、上下カーソルキーが押された場合には、選択ハイライト状態を隣のボタンに移動し(ステップS209)、ステップS205に戻り、リモートコントロール装置からのキー入力を待つ。
メニュー決定キーが押された場合には、CPU109はいずれのメニューボタンが選択ハイライト状態であるかを判断する(ステップS210)。CPU109は、選択ハイライト状態のメニューボタンがBTN#1である場合には、BTN#1をアクションハイライト状態として(ステップS211)、CELL番号CN#1のCELL134におけるBTN CMD#1を実行し(ステップS212)、GP1に最終移行先のチャプタ番号である「1」を設定し、PGC(#2)133へ移行して(ステップS213)、ダイナミックハイライト画面を再生する(ステップS214)。
CPU109は、選択ハイライト状態のメニューボタンがBTN#2である場合には、BTN#2をアクションハイライト状態として(ステップS215)、CELL番号CN#1のCELL134におけるBTN CMD#2を実行し(ステップS216)、GP1に最終移行先のチャプタ番号である「2」を設定し、PGC(#2)133へ移行して(ステップS217)、ダイナミックハイライト画面を再生する(ステップS214)。CPU109は、BTN#1,#2が操作決定されて、ダイナミックハイライト画面が再生された後、PGC(#2)133の最後のPOST CMD141を実行して(ステップS218)、GP1の値に従って各チャプタに移行する(ステップS219)。すなわち、GP1=1のときはチャプタ(1)を再生し、GP1=2のときはチャプタ(2)を再生して、チャプタメニューに関する動作を終了する。
このように本実施の形態では、メニュー画面用のデータとダイナミックハイライト画面用のデータを、それぞれ別のVOBおよびPGCに分けて記録しているので、1組のVOB、PGCにそれぞれ連結すべきPGCの番号を変更することで、メニューページの増加や構成の変更を行うことができ、ナビゲーションコマンドのプログラミングから見ると、プログラミングが容易になると共に、作成したプログラムの汎用性を高めることができる。
なお、複数ページでメニューを構成する場合には、各ページごとに上述のVOBの構成とPGCの構成を1組として、例えば、新たなページに対応するVOBとPGCをVOB#3,VOB#4,PGC#3,PGC#4としたうえで、メニューページ切り換え用のBTN CMDには、送り先のページに対応するPGCへ移行する命令を記述すればよい。
本実施の形態におけるその他の構成、動作および効果は、第1の実施の形態と同様である。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、例えば、実施の形態では、メニューボタン操作決定応答画面を音声付きの動画像としたが、これは静止画像でも良いし、音声無しの画像でも良い。同様に、メニュー画面も、静止画像でも良いし、音声無しの画像でも良い。また、本発明に係るメニュー制御用データを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記実施の形態で挙げたようなDVDに限らず、他の種類の記録媒体でも良い。同様に、本発明に係るメニュー制御方法および装置も、DVDプレイヤによってDVDに記録された情報を再生する際に使用されるメニュー画面を表示させる場合に限らず、他の種類の記録媒体に記録された情報を再生する際等に使用されるメニュー画面を表示させる場合にも適用でき、更には、DVDのようにリムーバブルな記録媒体に記録されたメニュー制御用データを用いず、例えば、予めコンピュータの記憶装置に記憶されたメニュー制御用データを用いてメニュー画面を表示させるような場合にも適用することができる。
10,16…メニュー画面、11,12,14,17,18,20…メニューボタン、15…ダイナミックハイライト画面(1)、21…ダイナミックハイライト画面(2)、22,23,24,25…チャプタ、40…PGC、41,42,43,44…CELL、49,50,51,52,53,54…BTN CMD、55,56,57,58…CELL CMD、59…PRE CMD、60…POST CMD、61…VOB