JP4048491B2 - 携帯式円錐・平板粘度計 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液状食品や塗料などのような粘性流体に対して、その液体の交換と粘度測定を手に持ったままで可能にした携帯式円錐・平板粘度計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
円錐・平板粘度計は円錐と平板間に液体を充填し、円錐を回転させたときに生ずるトルクを測定する。このトルクは粘度に比例し、よって粘度を測定できる。食品や産業に使用される高粘度液体は同じ液体でもずり速度により粘度が異なる、いわゆる非ニュートン流体が多い。したがって、測定部のいたるところでずり速度一定の条件のもとで粘度測定を行うことが重要である。円錐・平板粘度計は円錐と平板間のいたるところでずり速度が同一であり、決められたずり速度での測定が可能な利点をもっている。また、円錐・平板粘度計は試料の液体が少量でも測定できる利点をもっている。
【0003】
円錐・平板粘度計は現在広く利用されているものの、円錐と平板との間を平行に保ち、かつ所定の間隔を維持しなければならないため、その調整に高価な位置決め機構が使用されていた。そこで、上記の欠点を解消すべく、平板をカップ状とし、これと組み合わせるアジャストリングを設けることにより、円錐と平板間の間隔の調整を容易にする方法を提案している(例えば、特許文献1)。しかしながら、上述の方法ではカップを装着する操作のために粘度計をスタンドに固定しなければならず、液体の交換を含む粘度測定のすべての操作を手で持ったまま行うことができない。食品や塗料などの粘度測定は増粘剤などを加えて粘度を調整しながら同時に行うことが望ましく、液体の交換から粘度測定までの全てを粘度調整と並行して繰り返し、かつ迅速に行えることが必要である。
【0004】
この目的を達成するための携帯粘度計として、試料の中へ回転円板や回転円筒を直接挿入し、これら回転体に働くトルクから粘度を求める回転粘度計も提案されている(例えば、非特許文献1)。これらの粘度計は比較的小形ではあるものの、測定条件としてのずり速度が求まらない、あるいは少量の試料に対して測定できないという欠点がある。
【0005】
一方、円錐・平板粘度計の円錐に作用するトルクの測定には歪ゲージが広く用いられている(例えば、非特許文献2)。これは軸の一部をトルクによりねじれ変形可能なように加工し、その変形部に歪ゲージを貼り付けて、ねじれ変形からトルクを測定する。しかし、このひずみゲージなどの従来用いられているトルク検出機構はそのゲージ取り付け部やその信号処理回路を小型化することが困難で、粘度計全体は机の上に設置して使用することとなり、高価でかつ可搬性に劣っていた。
【0006】
円錐に働くトルク検出機構を簡素化するため、例えば特許文献2では回転軸の一部をトーションバーで構成し、トーションバーのねじれ量を目盛板を用いて読み取り、そのねじれ量から粘度を求めている。しかしながら、このトーションバーとして用いられるピアノ線はたわみ性が高いために、粘度計を水平な机の上に静かにおいて利用しなければならず、携帯して利用することは出来ない欠点がある。
【0007】
食品の粘度の測定は調理と並行して行われなければならず、粘度計を片手で持ったままで操作できることが必要であるが、これと同時に、食品に触れる測定部が容易に洗浄できることが重要である。これに対し、従来の円錐・平板粘度計は円錐を回転軸に取り付ける方法としてねじ込み、またはフランジ結合が利用され、円錐を取りはずして洗浄する作業に手間がかかる欠点がある。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−160660号 (第1図)
【特許文献2】
特開平 9−243544号 (第1図)
【非特許文献1】
「井内盛栄堂研究用総合カタログ30000」株式会社井内盛栄堂、1998年、P.316
【非特許文献2】
「日本レオロジー機器株式会社総合カタログ」日本レオロジー機器株式会社、1997年、P.4
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した従来の問題点を解決し、安価なトルク検出機構を備え、かつ粘度計本体を軽量化することにより測定を必要とする場所に携帯して、試料の交換から粘度測定までの全ての操作を手で持ったまま行え、測定部を衛生的に保つための洗浄も容易に行える円錐・平板粘度計を提供するためになされたものである。
【0010】
【課題を解決するために手段】
上記の課題を解決するためになされた本発明の円柱形状の携帯式小型円錐・平板粘度計による粘度測定方法は、円錐・平板のうちの平板を指1本で下に押し下げることの出来る連結棒を取り付けたことにより、被測定流体の交換に必要な粘度計測の操作を、片手で持ったまま行うことが出来るようにしたものである。
【0011】
また、円錐に働くトルクをバネにより円錐駆動軸のねじれ変形に変換し、さらに、このねじれ変形の大きさを電気抵抗体上をねじれと共に移動するカンチレバー型のピックアップの移動変位として、電気的に測定し粘度を測定するようにしている。
【0012】
さらに、測定部を容易に洗浄できるように、被測定流体と接触して濡れる測定部の円錐を、マグネットの吸引力を利用して回転駆動軸に取り付け、着脱可能としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を示す。本発明では図1に示した通りの、モーター1により回転される駆動軸2に円錐4をバネ3を介して接続した円柱形状の円錐・平板粘度計を用いる。測定対象となる粘性流体をこの回転式粘度計の円錐4と平板6の間に充填し、駆動軸2を回転させる。バネ3により円錐に働くトルクを検出する機構を図2に示す。2枚の円板19と21の間にバエ3の伸縮によりねじれが生ずる。円錐側の円板21に円弧状の電気抵抗体15を取り付け、モーター側の円板19にカンチレバー式のピックアップ16を取り付ける。電気抵抗体には外部から摺動端子12,13を経由してその円弧の両端に一定電圧を負荷する。ピックアップ16の先端は電気抵抗体15に接しながら円板間のねじれと共に電位抵抗体上を移動する。したがって、電気抵抗体印加電圧のうち、ピックアップ先端が接する位置の電圧は駆動軸のねじれとともに変化し、その電圧を摺動端子11を経由して測定すれば駆動軸に生ずるねじれの大きさを知ることができる。ねじれの大きさから円錐に働くトルクを求め、粘度が得られる。
【0014】
図3はトルク検出部の検定例を示す。円錐に既知のトルクTを与え、そのときのピックアップが示すねじれの角度αを測定した例である。横軸に示す円錐に働くトルクTは、縦軸に示すねじれの角度αと比例関係にあり、図3よりその比例定数kを求めるとT=kαの関係が得られる。円錐をある角速度ωで回転させると、ねじれの角度αは粘度μの大きさに応じて増加する。これは粘性流体と接触している円錐4が粘性流体の粘度に応じてトルクT=2πμωR3/3θ(R:円錐半径、θ:円錐と平板間のすき間の角度)を受けるためであり、このトルクTは前記したようにねじれの角度αに比例する。よって、粘度 μは角度αより、μ=(3kθα)/(2πωR3)として求まる。以上が円錐・平板粘度計の測定原理と請求項2のトルク測定機構である。
【0015】
本発明品は図4に示すように垂直に携帯して利用し、連結棒9を指先で下に押し下げることにより平板6も円錐4から離れて下がる。このように平板が押し下げられた状態を利用して、請求項1に述べたように、粘度計を片手で持ったまま平板上の液体試料を簡単に交換できる。連結棒から指を離すとバネ10の力で平板は上に戻り、3本のギャップ調整ねじ7がマグネット5に吸着して元の状態に戻る。円錐4と平板6との間のすき間の大きさと平行度はギャップ調整ねじ7により調整される。
【0016】
円錐4は請求項3で述べたように図5に示す駆動軸2に小型のマグネット22の吸引力で固定されており、容易に取り外すことが出来る。円錐と平板は試料に直接触れるので、このような円錐の取り外しと連結棒9の操作による平板の分離が容易に出来る構造は装置を清潔に保つのに非常に便利である。
【0017】
本発明品は携帯して使用することを前提としている。手で持った状態では粘度計の垂直度を厳密に保つことは不可能である。しかしながら、円錐と平板間のすき間の角度θは1度から3度程度の小さな角度が用いられ、そのすき間寸法も1mm程度と狭い。したがって、粘度計の傾きが大きくなければ、すき間内から試料が流出することはなく、円錐と平板間の流れも影響を受けない。図6はグリセリンを試料として粘度計を傾けて測定し、得られた粘度指示値の相対変化の一例を示している。傾きが6度以内であれば測定誤差は10%以下であり、手で持ったまま粘度計に取り付けた図1の気泡式水準器8により容易に6度以内の傾きに粘度計を保つことが出来る。図7は本発明品によるグリセリン、ヨーグルト、及びとろみ調整食品に対する粘度の測定例を示す。グリセリンは粘度が一定のニュートン流体であり、本発明品による測定結果は市販のウベローデ粘度計による測定結果と良い一致を示しており、本発明品が精度よく粘度測定できることを示している。ヨーグルトととろみ調整食品はずり速度の増加と共に粘度が低下する非ニュートン流体であり、本発明品はその特性を正しく測定していることが図7よりわかる。
【0018】
【発明の効果】
本発明の作用効果を列挙すると下記の通りである。
▲黒四角▼本発明によれば、粘性抵抗としてのトルクによる駆動軸のねじれを安価な電気抵抗体とその上を移動するピックアップのみにより測定することができ、電気信号処理回路を含めた粘度計を安価でかつ携帯可能な小さな形状に製作できる。
▲黒四角▼携帯可能な小さな形状とすることにより、粘度を管理しなければならない場所で液体の粘度を容易に測定することができ、液体の粘度管理を容易に実施できる。
▲黒四角▼粘度計を必要とする場は産業界のみならず、高齢者施設や高齢者を介護する一般家庭にまで広がっている。これは、高齢者に多くみられる嚥下障害者に対して、その症状に適した粘度の液状食品を提供することが、誤嚥性肺炎の防止に対して重要だからである。液状食品の粘度測定は調理と並行して行われなければならず、粘度計を片手で持ったままで操作できること、価格が一般家庭で購入できるような安価なものであること、食品に触れる測定部が容易に洗浄できることが重要である。本発明はこれらの要件をいずれも満たしており、本発明品を嚥下障害者の食事の調理と並行して用いることにより、調理師の感に依存しない正しい液状食品の粘度管理が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による携帯式円錐・平板粘度計の側面図と立面図
【図2】トルク検出部
【図3】円錐に作用するトルクとねじれ角との関係
【図4】連結棒による平板着脱の操作
【図5】円錐と駆動軸のマグネットによる結合
【図6】粘度計の傾きによる粘度指示値の変化
【図7】粘度の測定例
【符号の説明】
1 モータ
2 駆動軸
3 バネ
4 円錐
5 マグネット
6 平板
7 ギャップ調整ねじ
8 気泡式水準器
9 連結棒
10 バネ
11 ピックアップ電圧取り出し用摺動端子
12、13 電気抵抗体印加電圧用摺動端子
14,20 バネフック
15 電気抵抗体
16 ピックアップ
17 円錐側駆動軸
18 モーター側駆動軸
19,21 円板
22 マグネット
Claims (1)
- 円錐と平板との間に粘性流体を充填し、円錐を回転したときに生じるトルクを測定する円柱形状の携帯式小型円錐・平板粘度計において、上記トルクの測定は、上記円錐に働くトルクをバネにより回転駆動軸のねじれに変換し、ねじれの大きさを電気抵抗体の上をねじれに比例した変位量だけ移動するピックアップ接点の位置から電気的に測定することにより粘性流体の粘度を測定する構成であり、上記円錐は、上記回転駆動軸の下部に、マグネットの吸引力で着脱可能に取り付けた構成であり、上記小型円錐・平板粘度計の側面には、上記円錐・平板のうちの平板を指1本で下に押し下げることのできる連結棒を取り付けた構成であり、かつ、上記平板は、上記連結棒の押し下げにより上記円錐から下方へ離れる構成であることにより、上記粘性流体の交換から粘度測定までのすべての操作を、片手で持ったまま行うことを可能とした円柱形状の携帯式小型円錐・平板粘度計。
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