JP4048111B2 - 受信装置、送信装置、通信システム及び通信方法 - Google Patents

受信装置、送信装置、通信システム及び通信方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、受信装置、送信装置、通信システム及び通信方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
マルチキャリア符号分割多元接続伝送方式(Multi−Carrier Code Division Multiple Access 伝送方式、以下「マルチキャリアCDMA伝送方式」という)は、1993年に提案され、その後、その移動通信システムへの適用について研究がなされている(例えば、非特許文献1参照)。マルチキャリアCDMA伝送方式は、情報シンボルを周波数軸方向に複製し、複製した各情報シンボルに拡散符号の1チップを乗算して拡散し、拡散後の情報信号を周波数の異なる複数のサブキャリアにより並列伝送する伝送方式である。
【0003】
マルチキャリアCDMA伝送方式は、複数の情報シンボルを同時に送信することができる。又、マルチキャリアCDMA伝送方式では、情報シンボルに周波数軸方向に拡散符号が乗算される。そのため、マルチキャリアCDMA伝送方式では、情報シンボルに直交する拡散符号を乗算することにより、複数の情報シンボルの符号多重を実現できる。
【0004】
更に、マルチキャリアCDMA伝送方式は、複数のサブキャリアを用いて並列伝送を行うため、シンボルレートが低減し、シンボル長が拡大する。その結果、マルチキャリアCDMA伝送方式では、移動通信環境において問題となる、いわゆるマルチパス干渉の影響を低減できる。マルチパス干渉とは、送信された信号が複数の異なる伝送路(マルチパス伝送路)を経て異なるタイミングで受信装置に到達し、到達したそれらの信号がお互いに干渉して信号伝送特性を劣化させることをいう。マルチパス伝送路では、周波数により伝送路の変動が異なってしまう周波数選択性フェージングが発生し、周波数によって信号伝送品質が変化する。しかし、マルチキャリアCDMA伝送方式では、周波数軸方向に情報信号が拡散している。そのため、マルチキャリアCDMA伝送方式では、周波数ダイバーシチ効果により、信号伝送品質が変化する影響を低減し、信号伝送特性が向上する。このように、マルチキャリアCDMA伝送方式には多くの利点がある。
【0005】
一方で、マルチキャリアCDMA伝送方式には、次のような問題点がある。図42に示すように、受信装置は、情報チャネル#1と情報チャネル#2の信号を多重して送信された信号を受信する。受信装置は、受信信号に送信装置で乗算された拡散符号と同一の拡散符号を周波数方向に乗算する。次いで、受信装置は、各サブキャリアの受信信号を拡散符号の拡散符号周期に渡って合成することにより、逆拡散を行う。
【0006】
図42(a)に示すように、各サブキャリアの伝搬路変動値が一定の場合、各情報チャネルの情報シンボルに乗算された拡散符号は互いに直交する。そのため、逆拡散後の受信信号は、各情報チャネル#1,#2の情報シンボルを完全に復元したものとなる。しかし、実際には、図42(b)に示すように、各サブキャリアが異なる振幅変動、位相変動を受けるため、伝搬路変動値は一定にはならない。そのため、マルチパス伝搬路を伝搬して受信した各情報チャネルの受信信号に乗算されている拡散符号間の直交性は崩れてしまう。その結果、逆拡散後の受信信号は、それぞれの情報チャネル#1,#2の情報シンボルを完全に復元することができず、他の情報チャネルの情報シンボルが干渉して残留する。よって、信号伝送特性が劣化してしまう。
【0007】
このような問題点を解決するために、受信装置が、サブキャリア毎の受信信号に重みを乗算し、合成することにより、情報チャネル間の情報シンボルの干渉を低減する方法が提案されている(例えば、非特許文献2参照)。
【0008】
一方、上記した周波数選択性フェージングにより、周波数によって信号伝送品質が変化する影響を低減し、信号伝送特性を向上させる技術として、ダイバーシチ合成がある。ダイバーシチ合成の一つに、複数のアンテナで信号を受信し、アンテナ毎の受信信号に重みを乗算して、アンテナ間で合成を行う空間ダイバーシチ合成がある。又、その空間ダイバーシチ合成における重みの乗算方法についても、提案がなされている(例えば、非特許文献3参照)。
【0009】
そして、近年、直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency and Code Division Multiplexing)のマルチキャリア伝送方式に、空間ダイバーシチ合成を適用することが提案されている(例えば、非特許文献4参照)。
【0010】
【非特許文献1】
N.Yee、外2名,「MULTI-CARRIER CDMA IN INDOOR WIRELESS RADIO NETWORKS」,Personal Indoor and Mobile Radio Communications,IEEE,1993年9月8−11日,p.109−113
【0011】
【非特許文献2】
S.Hara、外1名,「Design and Performance of Multicarrier CDMA System in Frequency-Selective Rayleigh Fading Channels」,IEEE TRANSCATIONS ON VEHICULAR TSCHNOLOGY,IEEE,1999年9月,VOL.48,NO.5,p.1584−1595
【0012】
【非特許文献3】
D.G.Brennan,「Linear Diversity Combining Techniques」,Proceedings of the IRE,IRE,1959年6月,VOL.47,NO.6,p.1075−1102
【0013】
【非特許文献4】
M.Munster、外2名,「CO-CHANNEL INTERFERENCE SUPPRESSION ASSISTED ADAPTIVE OFDM IN INTERFERENCE LIMITED ENVIRONMENTS」, Vehicular Technology Conference-Fall,IEEE,1999年9月19−22日,p.284−288
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来は、直交周波数分割多重のマルチキャリア伝送方式への空間ダイバーシチ合成の適用の検討がなされてきただけであり、マルチキャリアCDMA伝送方式への空間ダイバーシチ合成の適用については検討が全くされていなかった。
【0015】
そこで、本発明は、マルチキャリアCDMA伝送方式に、空間ダイバーシチ合成を適切に適用し、情報チャネル間の干渉の影響を低減して、信号伝送特性を向上させることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る受信装置は、複数の情報チャネルで送信される複数の情報シンボルに、その情報チャネル毎の拡散符号を乗算して得られた信号であって、周波数の異なる複数のサブキャリアによって送信された信号を受信する複数のアンテナと、その複数のアンテナが受信した受信信号に、その受信信号に対応する情報チャネルの拡散符号を乗算する拡散符号乗算部と、アンテナ毎の受信信号に乗算するアンテナ重み及びサブキャリア毎の受信信号に乗算するサブキャリア重みを調整する重み制御部と、その重み制御部が調整したアンテナ重み及びサブキャリア重みを、受信信号に乗算する重み乗算部と、重み乗算部がアンテナ重み及びサブキャリア重みを乗算した受信信号を、アンテナ間及び拡散符号の拡散符号周期に渡って合成する合成部とを備える。
【0017】
このような受信装置によれば、複数のアンテナが、複数の情報シンボルに情報チャネル毎の拡散符号を乗算して得られた信号であって、周波数の異なる複数のサブキャリアにより送信された信号を受信する。拡散符号乗算部がその受信信号に、その受信信号に対応する情報チャネルの拡散符号を乗算する。重み乗算部が、重み制御部が調整したアンテナ毎の受信信号に乗算するアンテナ重み及びサブキャリア毎の受信信号に乗算するサブキャリア重みを、受信信号に乗算する。そして、合成部がそのアンテナ重み及びサブキャリア重みが乗算された受信信号を、アンテナ間及び拡散符号の拡散符号周期に渡って合成する。
【0018】
よって、受信信号には、重み制御部が調整したアンテナ重み及びサブキャリア重みが乗算される。そのため、受信信号に乗算されている各情報チャネルの拡散符号は互いに直交する。その結果、情報シンボルは、拡散符号間の直交性が崩れることによって生じる情報チャネル間の干渉の影響が低減したものとなる。このように、受信装置は、マルチキャリアCDMA伝送方式に、空間ダイバーシチ合成を適切に適用して、信号伝送特性を向上させることができる。
【0019】
又、重み制御部は、複数の情報チャネルの拡散符号が互いに直交するように、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整することが好ましい。これによれば、受信信号には、重み制御部によって、複数の情報チャネルの拡散符号が互いに直交するように調整されたアンテナ重み及びサブキャリア重みが乗算される。そのため、受信信号に乗算されている各情報チャネルの拡散符号を、より確実に互いに直交させることができる。
【0020】
更に、重み制御部は、複数の情報チャネルの拡散符号が互いに直交するように、かつ、信号電力対雑音電力比が大きくなるように、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整することが好ましい。これによれば、受信装置は、受信信号の信号電力対雑音電力比(SNR:Signal to Noise Power Ratio)を大きくすることができるため、雑音の影響を低減でき、信号伝送特性を更に向上させることができる。
【0021】
又、重み制御部は、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整して、アンテナ重みとサブキャリア重みとを個別に決定し、重み乗算部は、アンテナ毎の受信信号にアンテナ重みを乗算するアンテナ重み乗算部と、サブキャリア毎の受信信号にサブキャリア重みを乗算するサブキャリア重み乗算部とを備え、合成部は、アンテナ間でアンテナ重みが乗算された受信信号を合成するアンテナ信号合成部と、拡散符号周期に渡ってサブキャリア重みが乗算された受信信号を合成するシンボル合成部とを備えることが好ましい。
【0022】
これによれば、受信装置は、アンテナ重みを求め、アンテナ毎の受信信号にアンテナ重みを乗算し、その受信信号をアンテナ間で合成する処理と、サブキャリア重みを求め、サブキャリア毎の受信信号にサブキャリア重みを乗算し、その受信信号を拡散符号周期に渡って合成する処理とを個別に行うことができる。その結果、重み制御部は、受信信号にサブキャリア重み乗算して拡散符号周期に渡って合成する処理を考慮して、アンテナ重みを決定することができる。又、重み制御部は、受信信号にアンテナ重みを乗算してアンテナ間に渡って合成する処理を考慮して、サブキャリア重みを決定することができる。
【0023】
又、重み制御部は、アンテナ重み及び前記サブキャリア重みを調整して、受信信号に一括して乗算する一括重みを決定し、重み乗算部は、各アンテナのサブキャリア毎の受信信号に一括重みを乗算し、合成部は、一括重みが乗算された受信信号を、アンテナ間及び拡散符号周期に渡って一括して合成するようにしてもよい。これによれば、受信装置は、重みを求める処理、重みを乗算する処理、受信信号を合成する処理を一括して行うことができる。そのため、受信装置が行う処理を簡略化できる。又、受信装置の構成を簡略化できる。
【0024】
更に、受信装置は、拡散符号が乗算されたサブキャリア毎の受信信号にサブキャリア重みを乗算し、拡散符号周期に渡って合成し、アンテナ毎の受信信号にアンテナ重みを乗算し、アンテナ間で合成する順番を制御する判断部を備え、重み乗算部及び合成部は、判断部の制御に基づいて逆拡散を行い、空間ダイバーシチ合成を行うことが好ましい。
【0025】
これによれば、判断部が、逆拡散の処理に含まれる拡散符号が乗算されたサブキャリア毎の受信信号に対するサブキャリア重みの乗算と、拡散符号周期に渡る合成、空間ダイバーシチ合成の処理に含まれるアンテナ毎の受信信号に対するアンテナ重みの乗算と、アンテナ間での合成の順番を制御する。そして、重み乗算部及び合成部は、判断部の制御に従った順番で、各処理を行い逆拡散及び空間ダイバーシチ合成を行う。よって、受信装置は、その時の状況にあった適切な順番で逆拡散及び空間ダイバーシチ合成の処理に含まれる各処理を行うことができる。よって、受信装置は、更に、信号伝送特性を向上させることができる。
【0026】
更に、受信装置は、複数のアンテナが受信した受信信号の状態を測定する測定部を備え、判断部は、測定部が測定した受信信号の状態に基づいて、各処理の順番を制御することが好ましい。これによれば、判断部は、測定部が測定した受信信号の状態に基づいて、各処理の順番を制御できる。よって、受信装置は、各アンテナの受信信号の状態に応じて、適切な順番で逆拡散及び空間ダイバーシチ合成の処理に含まれる各処理を行うことができる。
【0027】
又、サブキャリア重み乗算部は、アンテナ重み乗算部がアンテナ毎の受信信号に前記アンテナ重みを乗算し、アンテナ信号合成部がアンテナ間でアンテナ重みが乗算された受信信号を合成する空間ダイバーシチ合成を行った後に、拡散符号が乗算されたサブキャリア毎の受信信号にサブキャリア重みを乗算し、シンボル合成部は、空間ダイバーシチ合成が行われた後に、サブキャリア重みが乗算された受信信号を、拡散符号周期に渡って合成する逆拡散を行うことが好ましい。
【0028】
これによれば、サブキャリア重み乗算部及びシンボル合成部は、複数のアンテナの受信信号毎に個別に、サブキャリア重みを乗算する処理、受信信号を拡散符号周期に渡って合成する処理を行う必要がない。即ち、サブキャリア重み乗算部及びシンボル合成部は、複数のアンテナ間で合成された受信信号に対して、一括してサブキャリア重みを乗算する処理、受信信号を拡散符号周期に渡って合成する処理を行うことができる。
【0029】
この場合、アンテナ重み乗算部は、受信信号をサブキャリア毎の受信信号に分離する前に、アンテナ毎の受信信号にアンテナ重みを乗算し、アンテナ信号合成部は、受信信号をサブキャリア毎の受信信号に分離する前に、アンテナ重みが乗算された受信信号をアンテナ間で合成することが好ましい。これによれば、受信装置は、受信信号をサブキャリア毎の受信信号に分離する処理についても、複数のアンテナの受信信号毎に個別に行う必要がない。即ち、受信装置は、複数のアンテナ間で合成された受信信号に対して、一括して受信信号をサブキャリア毎の受信信号に分離する処理を行うことができる。
【0030】
又、アンテナ重み乗算部は、拡散符号乗算部が受信信号に、その受信信号に対応する情報チャネルの拡散符号を乗算し、サブキャリア重み乗算部がサブキャリア毎の受信信号にサブキャリア重みを乗算し、シンボル合成部が拡散符号周期に渡ってサブキャリア重みが乗算された受信信号を合成する逆拡散を行った後に、アンテナ毎の受信信号にアンテナ重みを乗算し、アンテナ信号合成部は、逆拡散が行われた後に、アンテナ重みが乗算された受信信号を、アンテナ間で合成する空間ダイバーシチ合成を行うことが好ましい。
【0031】
これによれば、重み制御部は、拡散符号が乗算され、サブキャリア重みが乗算され、拡散符号周期に渡って合成された後の受信信号、即ち、逆拡散が行われた後の受信信号における情報チャネル間の干渉の影響を考慮して、アンテナ重みを決定することができる。そして、重み乗算部が、そのアンテナ重みを乗算する。最後に、アンテナ信号合成部が、情報チャネル間の干渉の影響を考慮して求められたアンテナ重みが乗算された受信信号を、アンテナ間で合成する。よって、受信装置は、情報シンボルの情報チャネル間の干渉の影響をより適切に低減させることができ、信号伝送特性を更に向上させることができる。
【0032】
この場合、重み制御部は、シンボル合成部によって拡散符号周期に渡って合成された受信信号に基づいて、アンテナ重みを決定することが好ましい。これによれば、重み制御部は、実際に、サブキャリア重みが乗算され、拡散符号周期に渡って合成された受信信号における情報チャネル間の干渉の影響を考慮してアンテナ重みを決定できる。よって、情報シンボルの情報チャネル間の干渉の影響をより適切に低減させることができ、信号伝送特性をより一層向上させることができる。
【0033】
更に、受信装置は、送信された信号が伝搬した伝搬路の状況を推定する伝搬路状況推定部を備え、重み制御部は、伝搬路状況推定部が推定した伝搬路状況の推定値に基づいて、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整することが好ましい。これによれば、受信装置は、伝搬路状況に応じて、適切にアンテナ重み及びサブキャリア重みを決定することができる。そのため、受信装置は、更に、信号伝送特性を向上させることができる。
【0034】
又、受信装置は、受信信号における干渉の状況を推定する干渉状況推定部を備え、重み制御部は、干渉状況推定部が推定した干渉状況の推定値に基づいて、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整するようにしてもよい。これによれば、受信装置は、受信信号の干渉状況に応じて、適切にアンテナ重み及びサブキャリア重みを決定することができる。そのため、受信装置は、更に、信号伝送特性を向上させることができる。
【0035】
又、受信装置は、受信信号から復元した情報シンボルの受信品質を測定する受信品質測定部を備え、重み制御部は、受信品質測定部が測定した受信品質の測定値に基づいて、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整するようにしてもよい。これによれば、受信装置は、情報シンボルの受信品質に応じて、適切にアンテナ重み及びサブキャリア重みを決定することができる。特に、受信装置は、復元した情報シンボルの受信品質を、アンテナ重み及びサブキャリア重みにフィードバックさせることができる。そのため、受信装置は、更に、信号伝送特性を向上させることができる。
【0036】
又、受信装置は、サブキャリア毎の受信信号を加算し、周波数方向又は時間軸方向に平均化する加算部を備えるようにしてもよい。これによれば、加算部が受信信号を周波数方向に平均化する場合、周波数方向に平均化した後に、重み乗算部が、アンテナ重み及びサブキャリア重みを受信信号に乗算することができる。よって、重み制御部は、決定するアンテナ重み及びサブキャリア重みの個数を減らすことができ、重みを決定する処理の負荷を低減できる。又、受信装置に設ける重み乗算部の個数を減らせるため、受信装置の構成を簡略化できる。又、加算部が受信信号を時間軸方向に平均化する場合、サブキャリア毎の受信信号が時間軸方向に平均化されることにより、その平均化された受信信号を拡散符号周期に渡って合成し、逆拡散することにより得られる受信信号の信号電力対雑音電力比を大きくできる。
【0037】
又、本発明に係る送信装置は、複数の情報チャネルで送信される情報シンボルを複数の情報シンボルに分割する分割部と、分割部が分割した複数の情報シンボルを、その情報シンボルを送信する情報チャネルに対応する拡散符号の拡散符号周期と等しい個数複製するシンボル複製部と、シンボル複製部が複製した情報シンボルに、その情報シンボルを送信する情報チャネルに対応する拡散符号を乗算して情報信号とする拡散符号乗算部と、拡散符号乗算部が拡散符号を乗算した情報信号を、その情報信号を送信する周波数の異なる複数のサブキャリアに拡散する拡散部と、拡散部が複数のサブキャリアに拡散した情報信号毎に、その情報信号間の干渉を防止するガードインターバルを挿入するガードインターバル挿入部とを備えることを特徴とする。
【0038】
このような送信装置によれば、分割部が複数の情報チャネルで送信される情報シンボルを複数の情報シンボルに分割する。シンボル複製部が、その情報シンボルを送信する情報チャネルに対応する拡散符号の拡散符号周期と等しい個数だけ、情報シンボルを複製する。拡散符号乗算部が、複製された情報シンボルに、その情報チャネルに対応する拡散符号を乗算して、情報信号とする。そして、拡散部が、情報信号を周波数の異なる複数のサブキャリアに拡散する。更に、ガードインターバル挿入部が、複数のサブキャリアに拡散された情報信号毎にガードインターバルを挿入する。そのため、送信装置は、周波数の異なる複数のサブキャリアによって、複数の情報チャネルの複数の情報信号を同時に送信することができる。又、送信装置は、マルチパス伝搬の影響により遅延して受信装置に到達する複数の情報信号が、情報信号間で干渉する影響を低減できる。よって、送信装置は、伝送特性を向上させることができる。
【0039】
又、送信装置は、情報信号を受信する受信装置において振幅及び位相が既知のパイロットシンボルを、情報シンボルに挿入するパイロットシンボル挿入部を備えることが好ましい。これによれば、送信装置は、受信装置に、受信装置において振幅及び位相が既知のパイロットシンボルを、情報シンボルと共に送信することができる。そのため、受信装置は、実際に受信したパイロットシンボルと、振幅及び位相が既知の送信装置から送信されることになっているパイロットシンボルとを比較することにより、パイロットシンボルの伝搬路変動量や、受信した逆拡散後のパイロットシンボルと送信されたパイロットシンボルとの誤差を求めることができる。
【0040】
そして、受信装置は、パイロットシンボルの伝搬路変動量を用いて、チャネル推定を行うことができる。ここで、伝搬路変動量とは、送信装置が送信した信号が、送信装置と受信装置との間の伝搬路を伝搬することにより、受信装置が受信するまでに変動した位相の変動量及び振幅の変動量のことをいう。即ち、伝搬路変動量は、送信装置が送信した信号が、送信装置と受信装置5の間の伝搬路を伝搬し、受信装置が受信するまでの間に、どれだけ位相及び振幅が変動したかを示す。又、このように受信信号の伝搬路変動量を推定することを、チャネル推定という。そのため、チャネル推定により求めた受信信号の伝搬路変動量を、特に「チャネル推定値」という。又、受信装置は、パイロットシンボルの誤差を用いて、逆拡散後の受信信号と送信信号との誤差を推定することができる。そのため、受信装置は、チャネル推定値や逆拡散後の受信信号と送信信号との誤差の推定値を用いて、受信信号に乗算するサブキャリア重みや一括重みを決定することができる。
【0041】
更に、パイロットシンボル挿入部は、受信装置において、情報信号の伝搬路変動量の推定に用いられる伝搬路変動量推定用パイロットシンボルを、情報シンボルに挿入する伝搬路変動量推定用パイロットシンボル挿入部と、受信装置において、逆拡散後の受信装置が受信した情報信号と、送信装置が送信した情報信号との誤差の推定に用いられる重み更新用パイロットシンボルを、情報シンボルに挿入する重み更新用パイロットシンボル挿入部とを備えることが好ましい。
【0042】
これによれば、伝搬路変動量推定用パイロットシンボル挿入部と、重み更新用パイロットシンボル挿入部とが個別に設けられる。そのため、送信装置は、伝搬路変動量を推定するために最適な伝搬路変動量推定用パイロットシンボルと、逆拡散後の受信信号と送信信号との誤差を推定するために最適な重み更新用パイロットシンボルとを分けて送信することができる。更に、送信装置は、それぞれのパイロットシンボルに適した多重方法により、送信信号を生成することができる。
【0043】
又、本発明に係る通信システムは、複数の情報チャネルで送信される複数の情報シンボルに、情報チャネル毎の拡散符号を乗算して得られた信号を、周波数の異なる複数のサブキャリアによって送信する送信装置と、送信装置が送信した信号を受信する受信装置とを備える通信システムであって、受信装置は、信号を受信する複数のアンテナと、複数のアンテナが受信した受信信号に、その受信信号に対応する情報チャネルの拡散符号を乗算する拡散符号乗算部と、アンテナ毎の受信信号に乗算するアンテナ重み及びサブキャリア毎の受信信号に乗算するサブキャリア重みを調整する重み制御部と、重み制御部が調整したアンテナ重み及びサブキャリア重みを、受信信号に乗算する重み乗算部と、重み乗算部がアンテナ重み及びサブキャリア重みを乗算した受信信号を、アンテナ間及び拡散符号の拡散符号周期に渡って合成する合成部とを備えることを特徴とする。
【0044】
又、本発明に係る通信方法は、複数の情報チャネルで送信される複数の情報シンボルに、情報チャネル毎の拡散符号を乗算して得られた信号であって、周波数の異なる複数のサブキャリアによって送信された信号を、受信装置の複数のアンテナが受信し、受信装置が、複数のアンテナが受信した受信信号に、その受信信号に対応する情報チャネルの拡散符号を乗算し、アンテナ毎の受信信号に乗算するアンテナ重み及びサブキャリア毎の受信信号に乗算するサブキャリア重みを調整し、調整したアンテナ重み及びサブキャリア重みを、受信信号に乗算し、アンテナ重み及びサブキャリア重みを乗算した受信信号を、アンテナ間及び拡散符号の拡散符号周期に渡って合成することを特徴とする。
【0045】
このような通信方法によれば、受信信号には、調整されたアンテナ重み及びサブキャリア重みが乗算される。そのため、受信信号に乗算されている各情報チャネルの拡散符号は互いに直交する。その結果、情報シンボルは、拡散符号間の直交性が崩れることによって生じる情報チャネル間の干渉の影響が低減したものとなる。よって、このような通信方法によれば、マルチキャリアCDMA伝送方式に、空間ダイバーシチ合成を適切に適用して、信号伝送特性を向上させることができる。
【0046】
又、受信装置が、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整する際に、複数の情報チャネルの拡散符号が互いに直交するように、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整することが好ましい。更に、受信装置が、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整する際に、複数の情報チャネルの拡散符号が互いに直交するように、かつ、信号電力対雑音電力比が大きくなるように、アンテナ重み及び前記サブキャリア重みを調整することが好ましい。
【0047】
又、受信装置が、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整して、アンテナ重みとサブキャリア重みとを個別に決定し、アンテナ毎の受信信号にアンテナ重みを乗算して、アンテナ間で受信信号を合成し、サブキャリア毎の受信信号にサブキャリア重みを乗算して、拡散符号周期に渡って受信信号を合成することが好ましい。
【0048】
又、受信装置が、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整して、受信信号に一括して乗算する一括重みを決定し、その一括重みを各アンテナのサブキャリア毎の受信信号に乗算し、一括重みが乗算された受信信号を、アンテナ間及び拡散符号周期に渡って一括して合成するようにしてもよい。
【0049】
更に、受信装置が、拡散符号が乗算されたサブキャリア毎の受信信号にサブキャリア重みを乗算し、拡散符号周期に渡って合成し、アンテナ毎の受信信号にアンテナ重みを乗算し、アンテナ間で合成する順番を制御し、その制御に基づいて逆拡散を行い、空間ダイバーシチ合成を行うことが好ましい。又、この場合、受信装置が、複数のアンテナが受信した受信信号の状態を測定し、測定した受信信号の状態に基づいて、順番を制御することが好ましい。
【0050】
又、受信装置が、アンテナ毎の受信信号にアンテナ重みを乗算し、アンテナ重みが乗算された受信信号をアンテナ間で合成する空間ダイバーシチ合成を行った後に、拡散符号が乗算されたサブキャリア毎の受信信号にサブキャリア重みを乗算し、サブキャリア重みが乗算された受信信号を拡散符号周期に渡って合成する逆拡散を行うことが好ましい。この場合、受信装置は、受信信号をサブキャリア毎の受信信号に分離する前に、アンテナ毎の受信信号にアンテナ重みを乗算し、そのアンテナ重みが乗算された受信信号をアンテナ間で合成することが好ましい。
【0051】
又、受信装置が、受信信号に、その受信信号に対応する情報チャネルの拡散符号を乗算し、サブキャリア毎の受信信号にサブキャリア重みを乗算し、サブキャリア重みが乗算された受信信号を拡散符号周期に渡って合成する逆拡散を行った後に、アンテナ毎の受信信号にアンテナ重みを乗算し、そのアンテナ重みが乗算された受信信号を、アンテナ間で合成する空間ダイバーシチ合成を行うようにしてもよい。この場合、受信装置は、拡散符号周期に渡って合成された受信信号に基づいて、アンテナ重みを決定することが好ましい。
【0052】
更に、受信装置は、空間ダイバーシチ合成を行った後に、逆拡散を行う場合、受信信号に乗算されるアンテナ重みに基づいて、そのアンテナ重みを乗算した受信信号の状態を維持するか、アンテナ重みを乗算した受信信号の状態を再度調整するかを判断し、その判断結果に基づいてサブキャリア重みを調整することが好ましい。又、受信装置は、空間ダイバーシチ合成を行った後に、逆拡散を行う場合、等利得合成法を用いてアンテナ重みを決定し、最小平均2乗誤差合成法又は等利得合成法のいずれかを用いてサブキャリア重みを決定することが好ましい。
【0053】
又、受信装置は、逆拡散を行った後に、空間ダイバーシチ合成を行う場合、受信信号に乗算されるサブキャリア重みに基づいて、そのサブキャリア重みを乗算した受信信号の状態を維持するか、サブキャリア重みを乗算した受信信号の状態を再度調整するかを判断し、その判断結果に基づいてアンテナ重みを調整することが好ましい。又、受信装置は、逆拡散を行った後に、空間ダイバーシチ合成を行う場合、最小平均2乗誤差合成法を用いてサブキャリア重みを決定し、等利得合成法を用いてアンテナ重みを決定することが好ましい。
【0054】
更に、受信装置が、送信された信号が伝搬した伝搬路の状況を推定し、その伝搬路状況の推定値に基づいて、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整することが好ましい。この場合、受信装置は、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整する判断基準となる伝搬路状況の閾値と、伝搬路状況の推定値とを比較し、その比較結果に基づいてアンテナ重み及びサブキャリア重みを調整することが好ましい。
【0055】
又、受信装置が、受信信号における干渉の状況を推定し、その干渉状況の推定値に基づいて、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整するようにしてもよい。この場合、受信装置は、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整する判断基準となるアンテナ間の干渉状況の差の閾値と、アンテナ間の干渉状況の推定値の差とを比較し、その比較結果に基づいてアンテナ重み及びサブキャリア重みを調整することが好ましい。
【0056】
更に、受信装置が、受信信号から復元した情報シンボルの受信品質を測定し、その受信品質の測定値に基づいて、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整するようにしてもよい。この場合、受信装置は、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整する判断基準となる受信品質の変動量の閾値と、受信品質の測定値の変動量とを比較し、その比較結果に基づいてアンテナ重み及びサブキャリア重みを調整することが好ましい。
【0057】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0058】
〔第1の実施の形態〕
(通信システム)
図1に示すように、通信システム1は、送信装置4と受信装置5とを備える。送信装置4は、例えば基地局2に設けられる。受信装置5は、例えば端末装置3に設けられる。送信装置4は、複数の情報チャネルで送信される複数の情報シンボルに拡散符号を乗算して得られた信号を、周波数の異なる複数のサブキャリアにより送信するマルチキャリアCDMA伝送方式を用いて信号を送信する。受信装置5は、送信装置4がマルチキャリアCDMA伝送方式により送信した信号を受信する。尚、通信システムは、図1に示すような送信装置4と受信装置5が1対1の通信に限らず、送信装置4と受信装置5が1対複数の通信や、送信装置4と受信装置5が複数対1の通信、送信装置4と受信装置5が複数対複数の通信を行う通信システムであってもよい。又、通信システムは、送信装置4や受信装置5が、他の送信装置4や受信装置5への信号を中継するような通信システムであってもよい。
【0059】
(送信装置)
図2に示すように、送信装置4は、複数の信号処理部41〜41nと、パイロットシンボル挿入部41hと、信号合成部42と、周波数時間変換部43と、ガードインターバル挿入部44と、アンテナ45とを備える。信号処理部41〜41nは、複数の情報チャネル#1〜#nの個数設ける。そして、各情報チャネル#1〜#nに対応する信号処理部41〜41nが、その情報チャネル#1〜#nで送信する情報信号やパイロット信号等の送信信号の処理を行う。
【0060】
信号処理部41〜41nは、情報シンボル生成部41aと、誤り訂正符号化部41bと、データ変調部41cと、直並列変換部41dと、拡散符号生成部41eと、複数のシンボル複製部41fと、複数の拡散符号乗算部41gとを備える。
【0061】
情報シンボル生成部41aは、その情報チャネルで送信する情報シンボルを生成する。即ち、各信号処理部41〜41nの情報シンボル生成部41aは、各情報チャネル#1〜#nに対応した情報シンボルを生成する。情報シンボル生成部41aは、端末装置3に送信する画像等のデータや音声の情報シンボルを生成する。情報シンボル生成部41aは、例えば、情報シンボルを生成する情報シンボル生成回路を用いることができる。
【0062】
誤り訂正符号化部41bは、情報シンボル生成部41aにより生成された情報シンボルに対して、誤り訂正符号化を行う。誤り訂正符号化部41bは、例えば、ターボ符号化や畳み込み符号化を行う。これによれば、受信装置5は、誤り訂正復号を行うことができる。そのため、受信装置5は、符号化利得(誤り訂正符号の適用により所要受信電力が低減される改善量)を得ることができ、通信品質を改善できる。
【0063】
データ変調部41cは、誤り訂正符号化が行われた情報シンボルに対して、データ変調処理を行う。データ変調部41cは、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)や64QAM等の多値直交振幅変調、BPSK(Binary Phase Shift Keying)変調、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)変調等を行う。
【0064】
直並列変換部41dは、情報シンボルを複数の情報シンボルに分割する分割部である。直並列変換部41dは、複数の情報シンボルを同時に送信するために、情報シンボルを直並列変換する。具体的には、直並列変換部41dは、データ変調部41cから入力される直列の情報シンボルを、一定区間毎に分割し、周波数軸方向に並列に並んだ情報シンボルに変換する。
【0065】
シンボル複製部41fは、直並列変換部41dが直並列変換し、分割した複数の情報シンボルを、その情報シンボルを伝送する情報チャネル#1〜#nに対応する拡散符号の拡散符号周期と等しい個数だけ複製する。
【0066】
拡散符号生成部41eは、各情報チャネルに割り当てられた各情報チャネルに対応する拡散符号を生成する。拡散符号生成部41eは、生成した拡散符号を拡散符号乗算部41gに入力する。
【0067】
拡散符号乗算部41gは、シンボル複製部41fが複製した情報シンボルに、その情報シンボルを送信する情報チャネル#1〜#nに対応する拡散符号を乗算して、情報信号とする。拡散符号乗算部41gは、拡散符号生成部41eにより入力された拡散符号を、複製された各情報シンボルに対して周波数軸方向に乗算する。拡散符号乗算部41gは、その情報シンボルを送信する情報チャネル#1〜#nに対応する拡散符号の拡散符号周期と等しい個数だけ設けられる。拡散符号乗算部41gは、情報シンボルに拡散符号を乗算して得た情報信号を、信号合成部42に入力する。
【0068】
パイロットシンボル挿入部41hは、情報信号とパイロット信号を多重した送信信号6を生成するために、パイロットシンボルを情報シンボルに挿入する。パイロットシンボルは、受信装置5において振幅及び位相が既知のシンボルである。パイロットシンボルは、受信装置5において、受信信号の伝搬路変動量や逆拡散後の受信信号と送信信号との誤差の推定に用いられる。パイロットシンボルは、複数の情報チャネル#1〜#nにおいて、共通のパイロットシンボルを用いてもよく、各情報チャネル#1〜#nにおいて、異なるパイロットシンボルを用いてもよい。
【0069】
送信装置4では、パイロット信号と情報信号とを拡散符号軸方向に多重する符号多重を行う。そのため、パイロット信号挿入部41hは、複数の情報チャネル#1〜#nの信号処理部41〜41nと共に、信号処理部41〜41nと異なる拡散符号をパイロットシンボルに乗算して得たパイロット信号を、信号合成部42に入力する。このように、パイロットシンボルを挿入するとは、パイロットシンボルそのものを挿入する場合だけでなく、パイロットシンボルに拡散符号を乗算してパイロット信号としてから、挿入する場合も含まれる。
【0070】
信号合成部42は、各情報チャネルの信号処理部41〜41nの拡散符号乗算部41gから入力される各情報チャネル#1〜#nの情報信号を合成し、符号多重する。送信装置4では、各情報チャネル#1〜#nの情報信号だけでなく、パイロットシンボル挿入部41hによりパイロット信号が信号合成部42に入力される。そのため、信号合成部42は、情報信号とパイロット信号とを合成して、符号多重する。
【0071】
周波数時間変換部43は、拡散符号乗算部41gが拡散符号を乗算し、信号合成部42が符号多重した情報信号を、その情報信号を送信する周波数の異なる複数のサブキャリアに拡散する拡散部である。周波数時間変換部43は、情報信号を周波数時間信号変換し、情報信号を周波数の異なる複数のサブキャリアに割り振って、マルチキャリアCDMA信号を生成する。周波数時間変換部43は、例えば、IFFT装置(Inverse Fast Fourier Transform)等を用いることができ、逆高速フーリエ変換処理を行うことができる。
【0072】
ガードインターバル挿入部44は、周波数時間変換部43が複数のサブキャリアに拡散した情報信号毎に、ガードインターバルを挿入する。ガードインターバルは、情報信号間の干渉を防ぐもので、情報信号間に挿入される。各情報信号が、マルチパス伝搬の影響により遅延して受信装置5に到達し、情報信号間で干渉する影響を、ガードインターバルを挿入することによって、低減することができる。ガードインターバル挿入部44は、ガードインターバルとして、例えば、情報信号の波形の一部を複製した信号や、所定パターンの信号を挿入することができる。又、ガードインターバルの長さは、遅延時間を考慮して定めることができる。
【0073】
アンテナ45は、ガードインターバルが挿入されたマルチキャリアCDMA信号を、送信信号6として受信装置5に送信する。送信装置4では、パイロット信号と情報信号とを符号多重したため、図3(a)に示すように、パイロット信号62aと情報信号61aとが、異なる拡散符号により拡散符号軸方向に符号多重された送信信号6aとなる。又、送信信号6aは、周波数軸方向に拡散された、即ち、複数のサブキャリアの周波数に拡散されたマルチキャリアCDMA信号となる。このように、パイロット信号62aと情報信号61aを符号多重した場合、1つのフレームの送信信号6aの時間を短くでき、フレーム効率を向上させることができる。
【0074】
尚、パイロット信号と情報信号は、時間軸方向に多重する時間多重により多重してもよい。時間多重を行う場合、例えば、図4に示す送信装置204を用いることができる。送信装置204では、パイロット信号と情報信号を時間多重する。送信装置204において、信号処理部241〜241nの情報シンボル生成部41a、誤り訂正符号化部41b、データ変調部41c、拡散符号生成部41e及び周波数時間変換部43、ガードインターバル挿入部44、アンテナ45は、図2に示す送信装置4と実質的に同様である。そのため、図4では、送信装置4と同じ符号を付して説明を省略する。
【0075】
パイロットシンボル挿入部241hは、データ変調部41cが情報シンボルを直並列変換部241dに入力する時間と異なる時間に、パイロットシンボルを直並列変換部241dに入力する。これにより、情報シンボルとパイロットシンボルが時間多重される。具体的には、図5に示すように、データ変調部41cから出力される情報シンボルと、パイロットシンボル挿入部241hから出力されるパイロットシンボルとを、切り替えて直並列変換部41dに入力する切り替え部241iによって、情報シンボルとパイロットシンボルとが異なる時間に直並列変換部241dに入力される。
【0076】
直並列変換部241dは、時間多重された情報シンボルとパイロットシンボルを、直並列変換部41dと同様にして直並列変換する。シンボル複製部241fは、時間多重された情報シンボルとパイロットシンボルを、シンボル複製部41fと同様にして複製する。そして、拡散符号乗算部241gは、時間多重された情報シンボルとパイロットシンボルに、拡散符号乗算部41gと同様にして拡散符号を乗算し、時間多重された情報信号とパイロット信号にする。各情報チャネル#1〜#nの拡散符号乗算部241gは、拡散符号が乗算され、時間多重された情報信号とパイロット信号を、信号合成部242に入力する。信号合成部242は、各情報チャネルの信号処理部241〜241nの拡散符号乗算部241gから入力される各情報チャネル#1〜#nの時間多重された情報信号とパイロット信号を合成し、符号多重する。
【0077】
その結果、送信装置204が送信する送信信号6bは、図3(b)に示すように、パイロット信号62bと情報信号61bとが時間軸方向に時間多重された送信信号になる。又、時間多重された情報信号とパイロット信号に拡散符号が乗算され、符号多重が行われたため、送信信号6bは、情報信号61bと共にパイロット信号62bも符号多重されたマルチキャリアCDMA信号となる。このように、パイロット信号62bと情報信号61bを時間多重した場合、図3(b)に示すように、パイロット信号62bは、符号間干渉が生じない。そのため、受信装置5が、受信したパイロット信号62bを用いて伝搬路変動量や、逆拡散後の受信信号と送信信号6との誤差の推定を行う場合に、その推定精度を向上させることができる。
【0078】
又、パイロット信号と情報信号は、周波数軸方向に多重する周波数多重により多重してもよい。周波数多重を行う場合、例えば、図6に示す送信装置304を用いることができる。送信装置304では、パイロット信号と情報信号を周波数多重する。送信装置304において、信号処理部341〜341nの情報シンボル生成部41a、誤り訂正符号化部41b、データ変調部41c、直並列変換部41d、拡散符号生成部41e、シンボル複製部41f及び周波数時間変換部43、ガードインターバル挿入部44、アンテナ45は、図2に示す送信装置4と実質的に同様である。そのため、図6では、送信装置4と同じ符号を付して説明を省略する。
【0079】
パイロットシンボル挿入部341hは、拡散符号乗算部341gにパイロットシンボルを入力する。パイロットシンボル挿入部341hは、複数ある拡散符号乗算部341gの全てにパイロットシンボルを入力するのではなく、数個の間隔をおいて入力する。即ち、パイロットシンボル挿入部341hは、複数ある拡散符号乗算部341gの中のいくつかの拡散符号乗算部341gにパイロットシンボルを入力する。これにより、パイロットシンボルがある特定の周波数に挿入され、情報シンボルとパイロットシンボルが周波数多重される。パイロットシンボルが挿入された拡散符号乗算部341gは、情報シンボルとパイロットシンボルに、拡散符号乗算部41gと同様にして拡散符号を乗算する。各情報チャネル#1〜#nの拡散符号乗算部341gは、拡散符号を乗算して得た周波数多重された情報信号とパイロット信号を、信号合成部342に入力する。信号合成部342は、各情報チャネルの信号処理部341〜341nの拡散符号乗算部341gから入力された各情報チャネル#1〜#nの周波数多重された情報信号とパイロット信号とを合成し、符号多重する。
【0080】
その結果、送信装置304が送信する送信信号6cは、図3(c)に示すように、パイロット信号62cと情報信号61cとが周波数軸方向に多重された送信信号となる。又、周波数多重された情報信号とパイロット信号とは、符号多重が行われたため、送信信号6cは、情報信号61cと共にパイロット信号62cも符号多重されたマルチキャリアCDMA信号となる。このように、パイロット信号62cと情報信号61cを周波数多重した場合、1つのフレームの送信信号6cの時間を短くでき、フレーム効率を向上させることができる。
【0081】
尚、パイロット信号は、情報信号と別の信号形態で送信するようにしても構わない。又、パイロットシンボルに乗算する拡散符号は、複数の情報チャネル#1〜#nにおいて共通の拡散符号を用いてもよく、各情報チャネル#1〜#n毎に異なる拡散符号を用いてもよい。
【0082】
(受信装置)
図7に示すように、受信装置5は、複数のアンテナ51〜51nと、複数の信号処理部52〜52nと、重み制御部8と、アンテナ信号合成部53と、複数のサブキャリア重み乗算部54と、複数のシンボル合成部55と、直並列変換部56と、データ復調部57と、誤り訂正復号部58と、情報シンボル復元部59とを備える。
【0083】
複数のアンテナ51〜51nは、送信装置4から送信され、複数の情報チャネル#1〜#nで送信される複数の情報シンボルに、その情報チャネル毎の拡散符号を乗算して得られた信号であって、周波数の異なる複数のサブキャリアにより送信されたマルチキャリアCDMA信号を受信する。以下、アンテナ51〜51nが受信した信号を受信信号7という。尚、受信信号7には、情報信号だけでなく、パイロット信号やガードインターバルが含まれている。
【0084】
信号処理部52〜52nは、複数のアンテナ51〜51nの個数だけ設ける。各アンテナ51〜51nに対応する信号処理部52〜52nが、そのアンテナ51〜51nが受信したマルチキャリアCDMA信号である受信信号7の処理を行う。信号処理部52〜52nは、シンボルタイミング同期部52aと、ガードインターバル除去部52bと、時間周波数変換部52cと、拡散符号生成部52dと、複数の拡散符号乗算部52eと、複数のアンテナ重み乗算部52fとを備える。
【0085】
シンボルタイミング同期部52aは、アンテナ51〜51nが受信した受信信号7毎に、シンボルタイミングの同期を確立する。ガードインターバル除去部52bは、受信信号7に挿入されているガードインターバルを除去する。
【0086】
時間周波数変換部52cは、受信信号7を時間周波数変換し、周波数の異なる複数のサブキャリアに拡散された受信信号7を、サブキャリア毎の受信信号7に分離する。時間周波数変換部52cは、例えば、FFT装置(Fast Fourier Transform)等を用いることができ、高速フーリエ変換処理を行うことができる。
【0087】
拡散符号生成部52dは、受信信号7に乗算されている拡散符号と同様の拡散符号を生成する。即ち、拡散符号生成部52dは、受信信号7を送信した情報チャネル#1〜#nの拡散符号を生成する。拡散符号生成部52dは、生成した拡散符号を拡散符号乗算部52eに入力する。
【0088】
拡散符号乗算部52eは、複数のアンテナ51〜51nが受信した受信信号7に、受信信号7に対応する情報チャネルの拡散符号を乗算する。拡散符号乗算部52eは、時間周波数変換部52cが分離したサブキャリア毎の受信信号7に、その受信信号7を送信した情報チャネル#1〜#nの拡散符号を、周波数軸方向に乗算する。このように拡散符号が乗算されることにより、受信信号7は、送信装置4において拡散符号が乗算された影響が除去される。その結果、受信信号7に含まれる情報信号、パイロット信号は、情報シンボル、パイロットシンボルとなる。拡散符号乗算部52eは、複数のサブキャリアの個数だけ設ける。各拡散符号乗算部52eが、それぞれサブキャリア毎の受信信号7に拡散符号を乗算する。拡散符号乗算部52eは、拡散符号が乗算された受信信号を、アンテナ重み乗算部52fに入力する。
【0089】
重み制御部8は、アンテナ毎の受信信号7に乗算する重み(以下「アンテナ重み」という)及びサブキャリア毎の受信信号7に乗算する重み(以下「サブキャリア重み」という)を調整する。尚、アンテナ重みには、サブキャリア毎に分離される前の受信信号7に、アンテナ毎に乗算する重みと、サブキャリア毎に分離された後の受信信号7に、アンテナ毎に乗算する重みとがある。又、サブキャリア重みには、アンテナ間で合成される前の受信信号7に、サブキャリア毎に乗算する重みと、アンテナ間で合成された後の受信信号7に、サブキャリア毎に乗算する重みとがある。
【0090】
ここで、発明者等が、マルチキャリアCDMA伝送方式への空間ダイバーシチ合成の適用を検討したところ、受信装置が、単に各アンテナのサブキャリア毎の受信信号に重みを乗算し、アンテナ間で合成した場合、次のような問題を生じる場合があった。図8に示すように、単に各アンテナのサブキャリア毎の受信信号に重みを乗算し、アンテナ間で合成すると、アンテナ間で合成した後のサブキャリア毎の受信信号の電力が、アンテナ間で合成する前よりも、周波数方向に大きく変動してしまう場合があった。この場合、情報信号に乗算されている拡散符号間の直交性が大きく崩れてしまう。そして、アンテナ間で合成した後のサブキャリア毎の受信信号に拡散符号を乗算し、拡散符号周期に渡って合成して逆拡散すると、得られた逆拡散後の情報シンボルは、拡散符号間の直交性が崩れることによって生じる情報チャネル間の干渉が増大してしまう。即ち、マルチキャリアCDMA伝送方式に空間ダイバーシチ合成を単に適用しただけでは、信号伝送特性を大きく劣化させてしまう場合があった。
【0091】
そのため、重み制御部8が、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整して、複数の情報チャネル#1〜#nの拡散符号が互いに直交するようにすることが重要である。よって、重み制御部8は、アンテナ重み及びサブキャリア重みを、複数の情報チャネル#1〜#nの拡散符号が互いに直交するように調整する。重み制御部8は、好ましくは、複数の情報チャネル#1〜#nの拡散符号が互いに直交し、かつ、信号電力対雑音電力比(SNR)が大きくなるようにアンテナ重み及びサブキャリア重みを調整する。これによれば、受信装置5は、受信信号7のSNRも大きくすることができるため、雑音の影響を低減でき、信号伝送特性を更に向上させることができる。
【0092】
重み制御部8は、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整して、アンテナ重みとサブキャリア重みとを個別に求める。重み制御部8は、アンテナ重み制御部81と、サブキャリア重み制御部82とを備える。アンテナ重み制御部81は、アンテナ重みを求め、アンテナ重み乗算部52fにアンテナ重みを入力する。サブキャリア重み制御部82は、サブキャリア重みを求め、サブキャリア重み乗算部54にサブキャリア重みを入力する。
アンテナ重み乗算部52f及びサブキャリア重み乗算部54は、重み制御部8が調整したアンテナ重みとサブキャリア重みを、受信信号7に乗算する重み乗算部を構成する。アンテナ信号合成部53及びシンボル合成部55は、重み乗算部がアンテナ重み及びサブキャリア重みを乗算した受信信号7を、アンテナ間及び拡散符号の拡散符号周期に渡って合成する合成部を構成する。
【0093】
アンテナ重み乗算部52fは、アンテナ51〜51n毎の受信信号7にアンテナ重みを乗算する。アンテナ重み乗算部52fは、信号処理部52〜52nが信号の処理を行うアンテナ51〜51nが受信した受信信号7に、アンテナ重みを乗算する。アンテナ重み乗算部52fは、複数のサブキャリアの個数だけ設ける。各アンテナ重み乗算部52fが、各拡散符号乗算部52eから入力されたサブキャリア毎の受信信号7に、アンテナ重み乗算する。各信号処理部52〜52nのアンテナ重み乗算部52fはそれぞれ、アンテナ重みを乗算した受信信号7をアンテナ信号合成部53に入力する。
【0094】
サブキャリア重み乗算部54は、サブキャリア毎の受信信号7にサブキャリア重みを乗算する。サブキャリア重み乗算部54は、複数のサブキャリアの個数だけ設ける。各サブキャリア重み乗算部54が、アンテナ信号合成部53から入力されたサブキャリア毎の受信信号7に、サブキャリア重み乗算する。各サブキャリア重み乗算部54は、サブキャリア重みを乗算したサブキャリア毎の受信信号7を、シンボル合成部55に入力する。
【0095】
アンテナ信号合成部53は、アンテナ51〜51n間で受信信号7を合成する。アンテナ信号合成部53は、各信号処理部52〜52nのアンテナ重み乗算部52fから入力される受信信号7をアンテナ間で合成する。このように、各アンテナ51〜51nが受信した受信信号7にアンテナ重みを乗算し、アンテナ間で合成することにより、空間ダイバーシチ合成が行われる。シンボル合成部55は、拡散符号周期に渡って受信信号7を合成する。複数のシンボル合成部55は、サブキャリア重み乗算部54から入力されるサブキャリア毎の受信信号7を、その受信信号7に対応する情報チャネル#1〜#nの拡散符号の拡散符号周期に渡って合成する。このように、拡散符号が乗算されたサブキャリア毎の受信信号7にサブキャリア重みを乗算し、拡散符号周期に渡って合成することにより、逆拡散が行われる。シンボル合成部55は、合成した受信信号7を直並列変換部56に入力する。
【0096】
受信装置5では、拡散符号乗算部52eが、サブキャリア毎の受信信号7に拡散符号を乗算した後に、アンテナ重み乗算部52fがアンテナ51〜51n毎の受信信号7にアンテナ重みを乗算する。そして、アンテナ信号合成部53が、アンテナ51〜51n間で受信信号7を合成し、空間ダイバーシチ合成を行う。その後、サブキャリア重み乗算部54が、アンテナ51〜51n間で合成されたサブキャリア毎の受信信号7にサブキャリア重みを乗算する。最後に、シンボル合成部55が、受信信号7を拡散符号周期に渡って合成し、逆拡散を行う。シンボル合成部55による合成の結果、送信装置4において拡散符号が乗算される前の情報シンボルが復元される。
【0097】
直並列変換部56は、シンボル合成部55により拡散符号周期に渡って合成され、復元された情報シンボルを並直列変換する。直並列変換部56は、複数の情報シンボルを一つの情報シンボルに連結する連結部である。直並列変換部56は、一定区間毎に分割され、周波数軸方向に並列に並んだ情報シンボルを、連結して直列に並んだ一つの情報シンボルに変換する。
【0098】
データ復調部57は、直並列変換部56により並直列変換された情報シンボルに対して、データ復調処理を行う。データ復調部57は、送信装置4,204,304のデータ変調部41cが行った変調に応じてデータ復調処理を行う。
【0099】
誤り訂正復号部58は、データ復調部57がデータ復調処理を行った情報シンボルに対して、誤り訂正復号処理を行う。誤り訂正復号部58は、送信装置4,204,304の誤り訂正符号化部41bが行った誤り訂正符号化に応じて誤り訂正復号処理を行う。これによれば、受信装置5は、符号化利得が得られ、通信品質を改善できる。
【0100】
情報シンボル復元部59は、誤り訂正復号部58により、誤り訂正復号処理が行われた情報シンボルを、ディスプレイやスピーカー等の出力装置に出力可能な状態に復元し、出力装置に出力する。これにより、画像等のデータや音声が出力される。
【0101】
次に、アンテナ重み制御部81、サブキャリア重み制御部82について、詳細に説明する。アンテナ重み制御部81としては、例えば、図9(a)〜(c)に示すアンテナ重み制御部811〜813を用いることができる。
【0102】
図9(a)に示すように、アンテナ重み制御部811は、信号電力比較部811aと、選択部811bとを備える。信号電力比較部811aは、複数のアンテナ51〜51nが受信した受信信号7の電力を検出して、比較する。信号電力比較部811aは、受信信号7の電力として、受信信号7そのものの電力、受信信号7から雑音等の影響を除いた信号の電力等を検出し、比較する。
【0103】
信号電力比較部811aは、比較結果に応じて、アンテナ重み811cを、最大の電力の受信信号7を持つアンテナの受信信号7の重みを「1」とし、他のアンテナの受信信号7の重みを「0」とするアンテナ重み811cに決定する。選択部811bは、アンテナ重み811cに応じて、重みが「1」のアンテナの受信信号7を選択する。そのため、選択部811bは、最大の電力の受信信号7を持つアンテナの受信信号7のみを選択することになる。
【0104】
アンテナ重み制御部811は、アンテナ重み乗算部52fに、決定したアンテナ重み811cを入力する。その結果、選択されたアンテナの受信信号7だけが、アンテナ信号合成部53に入力され、アンテナ信号合成部53によってアンテナ51〜51n間で合成された受信信号が出力される。以下、このようにアンテナ重み811cを求め、アンテナ51〜51n間で重みを合成する方法を「選択合成法」という。このような重み制御部811によれば、簡単な構成で実現できるというメリットがある。
【0105】
図9(b)に示すように、アンテナ重み制御部812は、重み保持部812aを備える。重み保持部812aは、一定の値の重みを保持する。アンテナ重み制御部812は、重み保持部812aに保持された一定の値の重みを、各アンテナ51〜51nに乗算するアンテナ重み812bと決定する。そのため、各アンテナ51〜51nの受信信号7に乗算するアンテナ重みは全て等しくなる。
【0106】
アンテナ重み制御部812は、アンテナ重み乗算部52fに決定した一定の値のアンテナ重み812bを入力する。そして、アンテナ重み乗算部52fにより一定の値のアンテナ重み812bが乗算された受信信号7が、アンテナ信号合成部53に入力され、アンテナ信号合成部53によってアンテナ51〜51n間で合成された受信信号7が出力される。以下、このようにアンテナ重み812bを求め、アンテナ51〜51n間で重みを合成する方法を「等利得合成法」という。このような重み制御部812によれば、次のようなメリットがある。最大の電力を持たない受信信号7であっても、信号電力対雑音電力比が大きい信号はある。そのため、全てのアンテナ51〜51nの受信信号7に等しいアンテナ重み812bを乗算して、合成することで、信号電力対雑音電力比を更に増大させることができる。
【0107】
図9(c)に示すように、アンテナ重み制御部813は、信号電力検出部813aを備える。信号電力検出部813aは、複数のアンテナ51〜51nが受信した受信信号7の電力を検出する。信号電力検出部813aは、受信信号7の電力として、受信信号7そのものの電力、受信信号7から雑音等の影響を除いた信号の電力等を検出する。アンテナ重み制御部813は、信号電力検出部813aが検出した各アンテナ51〜51nの電力に比例した重みを、そのアンテナ51〜51nに乗算するアンテナ重み813bと決定する。
【0108】
アンテナ重み制御部813は、各アンテナ51〜51nのアンテナ重み乗算部52fに、そのアンテナ51〜51nの受信信号7の電力に比例したアンテナ重み813bを入力する。そして、アンテナ重み乗算部52fにより、受信信号7の電力に比例したアンテナ重み813bが乗算された受信信号7が、アンテナ信号合成部53に入力され、アンテナ信号合成部53によってアンテナ51〜51n間で合成された受信信号7が出力される。以下、このようにアンテナ重みを求め、アンテナ51〜51n間で受信信号7を合成する方法を「最大比合成法」という。
【0109】
このような重み制御部813によれば、次のようなメリットがある。受信信号7の中に存在する雑音電力に近い電力の受信信号7が、アンテナ51〜51n間で合成された後の受信信号7に与える影響を小さくし、電力の大きな受信信号7が、アンテナ51〜51n間で合成された後の受信信号7に与える影響を大きくすることができる。その結果、更に、信号電力対雑音電力比を大きくすることができる。
【0110】
尚、アンテナ重み制御部81として、選択合成法を用いるアンテナ重み制御部811やMRCを用いるアンテナ重み制御部813を用いる場合のように、アンテナ重み制御部81が、受信信号7の電力等の受信信号7に関する情報を検出し、アンテナ重みを決定する場合がある。このように、アンテナ重みを決定するために必要な受信信号7に関する情報を、以下、「アンテナ重み情報」という。アンテナ重み情報には、受信信号7の電力そのものや、雑音等の影響やガードインターバルを除いた後の受信信号7の電力、信号電力対雑音電力比(SNR)、信号電力対干渉電力比(SIR:Signal to Interference Power Ratio)、希望波電力対干渉波電力比(CIR:Carrier to Interference Power Ratio)等がある。
【0111】
図7に示すように、受信装置5では、アンテナ重み制御部81は、ガードインターバル除去部52bによってガードインターバルが除去された後であって、時間周波数変換部52cによって時間周波数変換処理が行われる前の受信信号7からアンテナ重み情報を取得する。これによれば、アンテナ重み制御部81は、時間周波数変換部52cによって、サブキャリア毎の受信信号7に分離される前の一つの受信信号7からアンテナ重み情報を、アンテナ51〜51n毎に取得すればよい。そのため、アンテナ重み制御部81は、処理を簡略化できる。尚、アンテナ重み制御部81は、時間周波数変換部52cによってサブキャリア毎の受信信号7に分離され、拡散符号乗算部52fによって、拡散符号が乗算される前の受信信号7から、アンテナ重み情報を取得してもよい。
【0112】
又、図10に示す受信装置205のように、アンテナ重み制御部81は、拡散符号乗算部52eによって拡散符号が乗算された後であって、アンテナ重み乗算部52fによってアンテナ重みが乗算される前の受信信号7から、アンテナ重み情報を取得するようにしてもよい。受信装置205は、重み制御部81が、受信信号7に関する情報を取得する位置が異なるだけで、他は、図7に示す受信装置5と実質的に同様である。そのため、図10では、受信装置5と同一の符号を付して説明を省略する。
【0113】
受信装置205では、アンテナ重み制御部81は、拡散符号が乗算され、送信装置4において拡散符号が乗算された影響が除去された後の受信信号7から、アンテナ重み情報を取得できる。アンテナ重み制御部81が、送信装置4において拡散符号が乗算された影響を除去した後のアンテナ重み情報に基づいてアンテナ重みを決定したい場合に、拡散符号が乗算される前の受信信号7からアンテナ重み情報を取得してしまうと、そのアンテナ重み情報に基づいて拡散符号の乗算を行った後のアンテナ重み情報を求める処理を行う必要が生じてしまう。しかし、受信装置205によれば、そのようなことがなく、アンテナ重み制御部81が行う処理を簡略化できる。
【0114】
次に、サブキャリア重み制御部82がサブキャリア重みを決定する方法を、図11を用いて説明する。サブキャリア重み制御部82は、直交復元合成法(Orthogonal Restore Combining、以下「ORC」という)、最大比合成法(Maximum Ratio Combining、以下「MRC」という)、等利得合成法(Equal Gain Combining、以下「EGC」という)、最小平均2乗誤差合成法(Minimum Mean Square Error Combining、以下「MMSEC」という)等の方法を用いて、サブキャリア重みを決定する。
【0115】
ORCは、図11(a)に示すように、サブキャリア毎の受信信号7の伝搬路変動値9の逆数を、そのサブキャリアの受信信号7に乗算するサブキャリア重み821cと決定する方法である。伝搬路変動値とは、送信装置4が送信した送信信号6が、送信装置4と受信装置5との間の伝搬路を伝搬し、位相変動や振幅変動を受けた後の受信信号7の電力の値をいう。ORCによれば、サブキャリア重み乗算後の受信信号7の伝搬路変動値9が一定となり、複数の情報チャネル#1〜#nの拡散符号が互いに直交するという利点がある。
【0116】
MRCは、図11(b)に示すように、サブキャリア毎の受信信号7の伝搬路変動値9を、そのサブキャリアの受信信号7に乗算するサブキャリア重み822bと決定する方法である。MRCによれば、SNRの小さいサブキャリアには小さなサブキャリア重みが乗算され、SNRの大きいサブキャリアには大きなサブキャリア重みが乗算される。そのため、サブキャリア毎の受信信号7を合成した後の情報シンボルのSNRを最大にできるという利点がある。
【0117】
EGCは、図11(c)に示すように、伝搬路変動値9に関わらず、全てのサブキャリア毎の受信信号7に等しい一定の値を、サブキャリア重み823bと決定する方法である。EGCによれば、全てのサブキャリア毎の受信信号7に等しい重みが乗算される。そのため、サブキャリア毎の受信信号7を合成した後の情報シンボルの信号電力対雑音電力比を向上させることができ、かつ、複数の情報チャネル#1〜#nの拡散符号を互いに直交させることができるという利点がある。
【0118】
MSSECは、図11(d)に示すように、受信信号7に拡散符号を乗算し、拡散符号周期に渡って合成して逆拡散を行った後の受信信号7と、実際に送信装置4が送信した送信信号6との間の平均2乗誤差が最小となるように、サブキャリア重み824dを決定する方法である。MMSECによれば、刻々と変動する伝搬路の状況に応じてサブキャリア重み824dを算出することができる。そのため、伝搬路の状況を考慮することができ、サブキャリア毎の受信信号7を合成した後の情報シンボルのSNRを向上させることができ、かつ、複数の情報チャネル#1〜#nの拡散符号を互いに直交させることができるという利点がある。
【0119】
このようなサブキャリア重みを決定する方法を実行する具体的なサブキャリア重み制御部82には、例えば、図12に示すサブキャリア重み制御部821〜828がある。図12(a)に示すように、サブキャリア重み制御部821は、伝搬路変動値検出部821aと、逆数算出部821bとを備える。伝搬路変動値検出部821aは、受信信号7から伝搬路変動値9を検出する。逆数算出部821bは、伝搬路変動値検出部821aが検出した伝搬路変動値9の逆数を算出し、算出した伝搬路変動値9の逆数をサブキャリア重み821cと決定する。このようなサブキャリア重み制御部821によれば、ORCを用いてサブキャリア重み821cを決定することができる。
【0120】
図12(b)に示すように、サブキャリア重み制御部822は、伝搬路変動値検出部822aを備える。伝搬路変動値検出部822aは、受信信号7から伝搬路変動値9を検出し、検出した伝搬路変動値9をそのままサブキャリア重み822bと決定する。このようなサブキャリア重み制御部822によれば、MRCを用いてサブキャリア重み822bを決定することができる。
【0121】
図12(c)に示すように、サブキャリア重み制御部823は、重み保持部823aを備える。重み保持部823aは、一定の値の重みを保持する。サブキャリア重み制御部823は、重み保持部823aより一定の値の重みを取得し、その一定の値の重みを、全てのサブキャリア毎の受信信号7に等しいサブキャリア重み823bと決定する。このようなサブキャリア重み制御部823によれば、EGCを用いてサブキャリア重み823bを決定することができる。
【0122】
図11(d)に示すサブキャリア重み制御部824は、誤差推定部824aと、参照シンボル保持部824bと、重み算出部824cとを備える。参照シンボル保持部824bは、参照シンボルを保持する。参照シンボルとは、送信装置4と受信装置5において振幅及び位相が既知のシンボルをいう。ここでは、参照シンボルとして、送信装置4が送信することになっているパイロットシンボルと同一のシンボルを用いる。誤差推定部824aは、送信装置4が送信し、受信装置5が実際に受信した受信信号7に含まれる逆拡散後のパイロットシンボル72を取得する。誤差推定部824aは、参照シンボル保持部824bから参照シンボルを取得する。そして、誤差推定部824aは、パイロットシンボル72と参照シンボルの位相や振幅等を比較して、実際に受信した逆拡散後のパイロットシンボル72と送信装置4が送信したパイロットシンボルとの誤差を求める。
【0123】
誤差推定部824aは、求めた逆拡散後のパイロットシンボル72と送信装置4が送信したパイロットシンボルとの誤差を、逆拡散後の受信信号7と送信信号6との誤差であると推定する。誤差推定部824aは、逆拡散後の受信信号7と送信信号6との誤差の推定値を、重み算出部824cに入力する。重み算出部824cは、逆拡散後の受信信号7と送信信号6との誤差の推定値から、平均2乗誤差を算出し、その値が最小となるようなサブキャリア重み824dを算出する。尚、重み算出部824cは、最初に受信信号7を受信した際には、誤差を推定するための逆拡散後のパイロットシンボル72がないため、予め設定された初期値をサブキャリア重みとする。
【0124】
このようなサブキャリア重み制御部824によれば、MMSECを用いてサブキャリア重み824dを求めることができる。又、受信したパイロットシンボル72と、参照シンボルを用いることにより、実際の伝搬路の状況を考慮して、逆拡散後の受信信号7と送信信号6との誤差を求め、最適なサブキャリア重み824dを求めることができる。
【0125】
図12(d)に示すサブキャリア重み制御部825は、誤差推定部825aと、ビット列保持部825bと、参照シンボル生成部825cと、重み算出部825dとを備える。ビット列保持部825bは、送信装置4と受信装置5において振幅及び位相が既知の参照シンボルの基礎となるビット列を保持する。ビット列保持部825bは、送信装置4が送信することになっているパイロットシンボルの基礎となるビット列を保持する。参照シンボル生成部825cは、ビット列保持部825bからビット列を取得し、そのビット列を変調して参照シンボルを生成する。即ち、参照シンボル生成部825cは、ビット列を変調することにより、送信装置4が送信することになっているパイロットシンボルと同一の参照シンボルを生成する。
【0126】
誤差推定部825aは、参照シンボル生成部825cから参照シンボルを取得する以外は、図11(d)に示した誤差推定部824aと実質的に同様である。又、重み算出部825dは、図11(d)に示した重み算出部824cと実質的に同様である。このようなサブキャリア重み制御部825によれば、MMSECを用いてサブキャリア重み825eを求めることができる。又、受信したパイロットシンボル72と、生成した参照シンボルを用いることにより、実際の伝搬路の状況を考慮して、逆拡散後の受信信号7と送信信号6との誤差を求め、最適なサブキャリア重み825eを求めることができる。
【0127】
図12(e)に示すサブキャリア重み制御部826は、チャネル推定部826aと、雑音電力推定部826bと、コード多重数推定部826cと、重み算出部826dとを備える。チャネル推定部826a、雑音電力推定部826b、コード多重数推定部826cは、送信装置4が送信することになっているパイロットシンボルと同一のシンボルを、参照シンボルとして保持している。尚、チャネル推定部826a、雑音電力推定部826b、コード多重数推定部826cは、送信装置4が送信することになっているパイロット信号と同一の信号を、参照信号として保持してもよい。
【0128】
チャネル推定部826aは、送信装置4が送信し、受信装置5が実際に受信した受信信号7に含まれるパイロットシンボル72を取得する。チャネル推定部826aは、取得したパイロットシンボル72と参照シンボルとの位相や振幅等を比較して、パイロットシンボル72の伝搬路変動量を求める。そして、チャネル推定部826aは、パイロットシンボル72の伝搬路変動量を用いてチャネル推定を行い、チャネル推定値を求める。尚、チャネル推定部826aは、受信信号7に含まれるパイロット信号と参照信号とを比較して、チャネル推定値を求めてもよい。
【0129】
雑音電力推定部826bは、送信装置4が送信し、受信装置5が実際に受信した受信信号7に含まれるパイロットシンボル72を取得する。雑音電力推定部826bは、取得したパイロットシンボル72と参照シンボルと比較して、パイロットシンボル72の分散量を求める。そして、雑音電力推定部826bは、求めた分散量を用いて、受信信号7のサブキャリア当たりの雑音電力を推定する。尚、雑音電力推定部826bは、受信信号7に含まれるパイロット信号と参照信号とを比較して、パイロット信号の分散量を求めてもよい。
【0130】
コード多重数推定部826cは、送信装置4が送信し、受信装置5が実際に受信した受信信号7に含まれるパイロットシンボル72と情報シンボル71を取得する。コード多重数推定部826cは、パイロットシンボル72の電力と、情報シンボル71の電力との比を算出する。そして、コード多重数推定部826cは、算出したパイロットシンボル72の電力と、情報シンボル71の電力との比から、コード多重数を推定する。ここで、拡散符号は、各情報チャネル#1〜#nに対応する数だけ生成される。よって、コード多重数は、符号多重する情報チャネル#1〜#nの個数に相当する。尚、コード多重数推定部826cは、受信信号7に含まれるパイロット信号と情報信号とに基づいて、コード多重数を推定してもよい。
【0131】
チャネル推定部826a、雑音電力推定部826b、コード多重数推定部826cは、それぞれチャネル推定値、雑音電力の推定値、コード多重数の推定値を重み算出部826dに入力する。重み算出部826dは、以下に示す(1)式に受信信号7のチャネル推定値、雑音電力の推定値、コード多重数の推定値を代入して、サブキャリア重み826eを算出する。
【0132】
(1)式は、受信信号7に拡散符号を乗算して逆拡散を行った後の受信信号7と、実際に送信装置4が送信した送信信号6との間の平均2乗誤差が最小となるように、サブキャリア重み826eを算出する式である。(1)式において、wはサブキャリア重み、hはチャネル推定値、Nは雑音電力、Cmuxはコード多重数を意味する。mはサブキャリアの番号を表す。尚、(1)式を用いたサブキャリア重みの算出方法は、例えば、「Design and Performance of Multicarrier CDMA System in Frequency-Selective Rayleigh Fading Channels(S.Hara et al.,IEEE TRANSCATIONS ON VEHICULAR TSCHNOLOGY,pp.1584-1595,VOL.48,NO.5,September 1999)」に示されている。
【0133】
=h/(Cmux|h+N) (1)
このようなサブキャリア重み制御部824によれば、MMSECを用いてサブキャリア重み826eを求めることができる。又、サブキャリア重み制御部824は、実際に受信したパイロットシンボル72や情報シンボル71と、参照シンボルを用いることにより、実際の伝搬路の状況を考慮して、チャネル推定値や雑音電力、コード多重数を推定することができ、最適なサブキャリア重み826eを求めることができる。
【0134】
図12(f)に示すサブキャリア重み制御部827は、誤差推定部827aと、参照シンボル保持部827bと、重み更新部827cとを備える。誤差推定部827aと、参照シンボル保持部827bは、図11(d)に示す誤差推定部824a、参照シンボル保持部824bと実質的に同様である。
【0135】
重み更新部827cは、逆拡散後の受信信号7と送信信号6との誤差の推定値を、適応アルゴリズムに代入する。重み更新部827cは、その適応アルゴリズムを実行することにより、逐次更新されるサブキャリア重み827dを求める。適応アルゴリズムとは、逆拡散後の受信信号7と送信信号6との誤差の推定値に基づいて、その誤差の平均2乗誤差が最小となっていくように、サブキャリア重み827dを徐々に更新していくアルゴリズムである。適応アルゴリズムとしては、例えば、LMS(Least Mean Square)やRLS(Recursive Least Squares)等を用いることができる。尚、適応アルゴリズムは、例えば、「Orthogonal multi-carrier techniques applied to direct sequense CDMA systems(A Chouly et.Al.,1993 IEEE Global Telecommunications Conference)に示されている。
【0136】
尚、重み更新部827cは、最初に受信信号7を受信した際には、誤差を推定するための逆拡散後のパイロットシンボルがないため、予め設定された初期値をサブキャリア重み827dとする。このようなサブキャリア重み制御部824によれば、MMSECを用いてサブキャリア重み827dを求めることができる。又、重み更新部827cは、受信したパイロットシンボル72と、参照シンボルを用いることにより、実際の伝搬路の状況を考慮して、逆拡散後の受信信号7と送信信号6との誤差を求め、最適なサブキャリア重み827dを求めることができる。更に、重み更新部827cは、適応アルゴリズムを用いることにより、逆拡散後の受信信号7と送信信号6との平均2乗誤差が最小となっていくように、サブキャリア重み827dを徐々に更新していくことができる。
【0137】
図12(g)に示すサブキャリア重み制御部828は、誤差推定部828aと、ビット列保持部828bと、参照シンボル生成部828cと、重み更新部828dとを備える。誤差推定部828a、ビット列保持部828b、参照シンボル生成部828cは、図12(d)に示した誤差推定部825a、ビット列保持部825b、参照シンボル生成部825cと実質的に同様である。又、重み更新部828dは、図12(f)に示した重み更新部827cと実質的に同様である。
【0138】
このようなサブキャリア重み制御部828によれば、MMSECを用いてサブキャリア重み828eを求めることができる。又、サブキャリア重み制御部828は、受信装置5が受信したパイロットシンボル72と、生成した参照シンボルを用いることにより、実際の伝搬路の状況を考慮して、逆拡散後の受信信号7と送信信号6との誤差を求め、最適なサブキャリア重み828eを求めることができる。更に、サブキャリア重み制御部828は、適応アルゴリズムを用いることにより、逆拡散後の受信信号7と送信信号6との平均2乗誤差が最小となっていくように、サブキャリア重み827dを徐々に更新していくことができる。
【0139】
尚、図11(d)、図12(d)、図12(e)に示した誤差推定部824a,825a,827a,828aは、逆拡散後の受信信号7と送信信号6との誤差を推定する際に、逆拡散後のパイロットシンボル72及び情報シンボル71、即ち、逆拡散後の受信信号7そのものと、参照信号との誤差を求め、その誤差を逆拡散後の受信信号7と送信信号6との誤差であると推定してもよい。これによれば、重み算出部824c,825dや重み更新部827c,828dは、実際に受信した逆拡散後の受信信号7と、送信信号6との誤差の推定値を用いることができ、より適切なサブキャリア重み824d,825e,827d,828eを求めることができる。その場合、誤差推定部824a,825a,827a,828aが、参照信号を取得するために、判定帰還部を設ける。判定帰還部は、シンボル合成部55により拡散符号周期に渡って合成された受信信号7を取得する。判定帰還部は、その受信信号7に基づいて送信信号6がどのようなものであったかを判定し、誤差推定部824a,825a,827a,828aに入力する。そして、誤差推定部824a,825a,827a,828aは、判定帰還部が判定した送信信号6を、参照信号として利用する。
【0140】
尚、サブキャリア重み制御部82として、ORCを用いるサブキャリア重み制御部821、MRCを用いるサブキャリア重み制御部822、MMSECを用いるサブキャリア重み制御部824〜828を用いる場合のように、サブキャリア重み制御部82が、受信信号7の伝搬路変動値9、パイロットシンボル71やパイロット信号の位相や振幅、情報シンボル71や情報信号の電力等の受信信号7に関する情報を検出し、サブキャリア重みを求める場合がある。このように、サブキャリア重みを決定するために必要な受信信号7に関する情報を、以下、「サブキャリア重み情報」という。サブキャリア重み情報には、受信信号7の伝搬路変動値9、パイロットシンボル72やパイロット信号の位相や振幅、情報シンボル71や情報信号の電力そのものや、雑音等の影響やガードインターバルを除いた後の受信信号7の伝搬路変動値9、パイロットシンボル72やパイロット信号の位相や振幅、情報シンボル71や情報信号の電力等がある。
【0141】
図7に示すように、受信装置5では、サブキャリア重み制御部82は、アンテナ信号合成部53によって、アンテナ重みが乗算された受信信号7がアンテナ間で合成された後であって、サブキャリア重み乗算部54によって、サブキャリア重みが乗算される前の受信信号7から、サブキャリア重み情報を取得する。これによれば、サブキャリア重み制御部82は、アンテナ信号合成部53によって、複数のアンテナ間で受信信号7が合成されたものから、サブキャリア重み情報を取得すればよい。そのため、サブキャリア重み制御部82は、複数のアンテナ51〜51nの信号処理部52〜52nからサブキャリア重み情報を取得する必要がなく、処理を簡略化できる。
【0142】
更に、サブキャリア重み制御部82は、アンテナ重みが乗算され、複数のアンテナ間で合成された後の受信信号7からサブキャリア重み情報を取得することができる。そのため、サブキャリア重み制御部82は、アンテナ重みが乗算されることによる受信信号7への影響や、アンテナ間で合成されることによる受信信号7への影響を考慮して、サブキャリア重みを求めることができる。加えて、この場合、サブキャリア重み制御部82は、拡散符号が乗算された後の受信信号7からサブキャリア重み情報を取得しているため、送信装置4において乗算された拡散符号の影響が除かれた後の受信信号7の情報を用いて、より適切なサブキャリア重みを求めることができる。
【0143】
サブキャリア重み制御部82は、アンテナ重み乗算部52fによってアンテナ重みが乗算された後であって、アンテナ信号合成部53によりアンテナ間で受信信号が合成される前の受信信号7から、サブキャリア重み情報を取得してもよい。これによれば、サブキャリア重み制御部82は、アンテナ重みが乗算された後の受信信号7からサブキャリア重み情報を取得することができ、アンテナ重みが乗算されることによる受信信号7への影響を考慮して、サブキャリア重みを求めることができる。又、この場合、サブキャリア重み制御部82は、アンテナ重み乗算部52fによってアンテナ重みが乗算された後であって、アンテナ信号合成部53によりアンテナ間で受信信号が合成される前の受信信号7から取得したサブキャリア重み情報に基づいて、アンテナ間で合成された後のサブキャリア重み情報を推定できる。そして、サブキャリア重み制御部82は、その推定した情報からサブキャリア重みを求めることもできる。
【0144】
更に、これらの場合、サブキャリア重み制御部82は、拡散符号が乗算された後の受信信号7からサブキャリア重み情報を取得しているため、送信装置4において乗算された拡散符号の影響が除かれた後の受信信号7の情報を用いて、より適切なサブキャリア重みを求めることができる。
【0145】
又、サブキャリア重み制御部82は、時間周波数変換部52cと拡散符号乗算部52eとの間の受信信号7からや、拡散符号乗算部52eとアンテナ重み乗算部52fとの間の受信信号7から、サブキャリア重み情報を取得してもよい。
【0146】
尚、サブキャリア重み制御部82として、図11(d)、図13(d)、(f)、(g)に示したサブキャリア重み制御部824,825,827,828を用いる場合、逆拡散後のパイロットシンボル72や逆拡散後の受信信号7を用いて、サブキャリア重みを求める必要がある。そのため、これらの場合には、図10に示す受信装置205のように、サブキャリア重み制御部82は、シンボル合成部55によって逆拡散された後の受信信号7から、サブキャリア重み情報を取得することが好ましい。これによれば、サブキャリア重み制御部82は、取得したサブキャリア重み情報をそのまま用いることができるため、処理を簡略化できる。
【0147】
又、サブキャリア重み制御部82として、図12(e)に示したサブキャリア重み制御部826を用いる場合、例えば、図7に示すように、サブキャリア毎に分離された状態の受信信号7から、サブキャリア重み情報を取得することが好ましい。そして、サブキャリア重み制御部82は、サブキャリア毎の受信信号7に基づいて、サブキャリア重みを決定することが好ましい。これによれば、チャネル推定部826aや雑音電力推定部826b、コード多重数推定部826cはそれぞれ、チャネル推定値、雑音電力の推定値及びコード多重数の推定値を、サブキャリア毎に推定することができる。
【0148】
又、上記したように、アンテナ重み制御部81とサブキャリア重み制御部82が、異なる位置からそれぞれアンテナ重み情報やサブキャリア重み情報を取得する場合には、アンテナ重み制御部81やサブキャリア重み制御部82はそれぞれ、アンテナ重みやサブキャリア重みを決定するために最適な位置で情報を取得でき、精度の高い制御ができる。
【0149】
一方、重み制御部8は、一箇所からアンテナ重み情報、サブキャリア重み情報として、共通の受信信号7の情報を取得し、アンテナ重み制御部81とサブキャリア重み制御部82が、共通の情報を用いるようにしてもよい。この場合には、重み制御部8は、一度にアンテナ重み情報とサブキャリア重み情報を取得できる。そのため、重み制御部8は、処理を簡略化できる。又、受信装置5の構成も簡略化される。
【0150】
尚、図7や図10に示す受信装置5,205のように、アンテナ重み乗算部52fがアンテナ51〜51n毎の受信信号7にアンテナ重みを乗算し、アンテナ信号合成部53が、アンテナ重みが乗算された受信信号7をアンテナ間で合成する空間ダイバーシチ合成を行った後に、サブキャリア重み乗算部54が、拡散符号が乗算されたサブキャリア毎の受信信号7にサブキャリア重みを乗算し、シンボル合成部55が、サブキャリア重みが乗算された受信信号7を拡散符号周期に渡って合成する逆拡散を行う場合には、サブキャリア重み制御部82は、先に受信信号7に乗算されるアンテナ重みに基づいて、アンテナ重みを乗算した受信信号7の状態を維持するか、アンテナ重みを乗算した受信信号7の状態を再度調整するかを判断する。そして、サブキャリア重み制御部82は、その判断結果に基づいてサブキャリア重みを調整することが好ましい。又、この場合、アンテナ重み制御部81は、等利得合成法を用いてアンテナ重みを決定し、サブキャリア重み制御部82は、MMSEC又はEGCのいずれかを用いてサブキャリア重みを決定することが好ましい。
【0151】
(通信方法)
次に、通信方法について説明する。まず、図2に示した送信装置4を用いて送信信号を送信する場合について説明する。図13に示すように、送信装置4は、各情報チャネル#1〜#nで送信する情報シンボルを生成する(S101)。送信装置4は、生成した情報シンボルに対して、誤り訂正符号化を行う(S102)。送信装置4は、誤り訂正符号化が行われた情報シンボルに対して、データ変調処理を行う(S103)。送信装置4は、データ変調処理が行われた情報シンボルを直並列変換し、情報シンボルを複数の情報シンボルに分割する(S104)。
【0152】
次に、送信装置4は、直並列変換され、分割された複数の情報シンボルを、その情報シンボルを伝送する情報チャネル#1〜#nに対応する拡散符号の拡散符号周期と等しい個数だけ複製する(S105)。送信装置4は、各情報チャネルに割り当てられた各情報チャネルに対応する拡散符号を生成する。そして、送信装置4は、複製された情報シンボルに、その情報シンボルを送信する情報チャネル#1〜#nに対応する拡散符号を乗算して、情報信号とする(S106)。
【0153】
次に、送信装置4は、情報信号にパイロット信号を挿入する(S107)。送信装置4は、各情報チャネル#1〜#nの情報信号とパイロット信号を合成し、符号多重する(S108)。そして、送信装置4は、符号多重された情報信号を、その情報信号を送信する周波数の異なる複数のサブキャリアに拡散する(S109)。具体的には、送信装置4は、情報信号を周波数時間信号変換し、情報信号を周波数の異なる複数のサブキャリアに割り振って、マルチキャリアCDMA信号を生成する。送信装置4は、複数のサブキャリアに拡散された情報信号毎に、ガードインターバルを挿入する(S110)。そして、送信装置4は、ガードインターバルが挿入されたマルチキャリアCDMA信号を、送信信号6として受信装置5に送信する(S111)。
【0154】
次に、図7に示した受信装置5を用いて受信信号を受信する場合について説明する。図14に示すように、受信装置5の複数のアンテナ51〜51nが、送信装置4により、複数の情報チャネル#1〜#nで送信される複数の情報シンボルに、その情報チャネル毎の拡散符号を乗算して得られた信号であって、周波数の異なる複数のサブキャリアにより送信されたマルチキャリアCDMA信号を受信する(S201)。受信装置5は、アンテナ51〜51nが受信した受信信号7毎に、シンボルタイミングの同期を確立する(S202)。受信装置5は、受信信号7に挿入されているガードインターバルを除去する(S203)。
【0155】
次に、受信装置5は、受信信号7を時間周波数変換し、周波数の異なる複数のサブキャリアに拡散された受信信号7を、サブキャリア毎の受信信号7に分離する(S204)。受信装置5は、受信信号7に乗算されている拡散符号と同様の拡散符号を生成する。そして,受信装置5は、複数のアンテナ51〜51nによって受信された受信信号7に、受信信号7に対応する情報チャネルの拡散符号を乗算する(S205)。
【0156】
次に、受信装置5は、アンテナ重みを決定し、決定したアンテナ重みを、アンテナ51〜51n毎の受信信号7に乗算する(S206)。そして、受信装置5は、アンテナ51〜51n間で受信信号7を合成する(S207)。このようにして、空間ダイバーシチ合成が行われる。次に、受信装置5は、サブキャリア重みを決定し、決定したサブキャリア重みを、サブキャリア毎の受信信号にサブキャリア重みを乗算する(S208)。そして、受信装置5は、拡散符号周期に渡って受信信号7を合成する(S209)。このようにして、逆拡散が行われる。これにより、送信装置4において拡散符号が乗算される前の情報シンボルが復元される。
【0157】
次に、受信装置5は、拡散符号周期に渡って合成され、復元された情報シンボルを並直列変換する(S210)。受信装置5は、並直列変換された情報シンボルに対して、データ復調処理を行う(S211)。受信装置5は、データ復調処理を行った情報シンボルに対して、誤り訂正復号処理を行う(S212)。最後に、受信装置5は、誤り訂正復号処理が行われた情報シンボルを、ディスプレイやスピーカー等の出力装置に出力可能な状態に復元し、出力装置に出力する(S213)。
【0158】
(効果)
このような通信システム1、送信装置4,204,304、受信装置5,205及び通信方法によれば、次のような効果を得ることができる。受信装置5,205では、複数のアンテナ51〜51nが、複数の情報シンボルに情報チャネル#1〜#n毎の拡散符号を乗算して得られた信号であって、周波数の異なる複数のサブキャリアにより送信された送信信号6を受信する。拡散符号生成部52dが、その受信信号7に対応する情報チャネルの拡散符号を生成する。拡散符号乗算部52eが、その拡散符号を受信信号7に乗算する。重み制御部8が、複数の情報チャネル#1〜#nの拡散符号が互いに直交するようにアンテナ重み及びサブキャリア重みを調整する。そして、アンテナ重み乗算部52f及びサブキャリア重み乗算部54が、重み制御部8が調整したアンテナ重み及びサブキャリア重みを、受信信号7に乗算する。最後に、アンテナ信号合成部53及びシンボル合成部55が、そのアンテナ重み及びサブキャリア重みを乗算した受信信号7を、アンテナ間及び拡散符号の拡散符号周期に渡って合成する。
【0159】
よって、受信信号7には、重み制御部8によって、複数の情報チャネル#1〜#nの拡散符号が互いに直交するように調整されたアンテナ重み及びサブキャリア重みが乗算される。そのため、受信信号7に乗算されている各情報チャネル#1〜#nの拡散符号は互いに直交する。その結果、受信装置5,205において得られる情報シンボルは、拡散符号間の直交性が崩れることによって生じる情報チャネル#1〜#n間の干渉の影響が低減したものとなる。このように、受信装置5,205は、マルチキャリアCDMA伝送方式に、空間ダイバーシチ合成を適切に適用できる。その結果、受信装置5,205は、サブキャリア毎の受信信号7の信号電力対雑音電力比を大きくでき、信号伝送特性を向上させることができる。
【0160】
又、重み制御部8は、アンテナ重み制御部81と、サブキャリア重み制御部82とを備える。そして、重み制御部8は、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整して、アンテナ重みとサブキャリア重みとを個別に求める。そして、受信装置5は、アンテナ毎の受信信号7にアンテナ重みを乗算するアンテナ重み乗算部52fと、サブキャリア毎の受信信号7にサブキャリア重みを乗算するサブキャリア重み乗算部54とを備える。更に、アンテナ間で受信信号7を合成するアンテナ信号合成部53と、拡散符号周期に渡って受信信号7を合成するシンボル合成部55とを備える。
【0161】
そのため、受信装置5は、アンテナ重みを求め、アンテナ毎の受信信号7にアンテナ重みを乗算し、その受信信号7をアンテナ間で合成する処理と、サブキャリア重みを求め、サブキャリア毎の受信信号7にサブキャリア重みを乗算し、その受信信号7を拡散符号周期に渡って合成する処理とを個別に行うことができる。その結果、アンテナ重み制御部81は、受信信号7にサブキャリア重み乗算して拡散符号周期に渡って合成する処理を考慮して、アンテナ重みを決定することができる。一方、サブキャリア重み制御部82は、受信信号7にアンテナ重みを乗算してアンテナ51〜51n間に渡って合成する処理を考慮して、サブキャリア重みを決定することができる。
【0162】
又、サブキャリア重み乗算部54は、アンテナ重み乗算部52fがアンテナ毎の受信信号7にアンテナ重みを乗算し、アンテナ信号合成部53がアンテナ間で受信信号7を合成する空間ダイバーシチ合成を行った後に、拡散符号が乗算されたサブキャリア毎の受信信号7にサブキャリア重みを乗算する。そして、シンボル合成部55は、空間ダイバーシチ合成が行われた後に、サブキャリア重みが乗算された受信信号7を拡散符号周期に渡って合成する逆拡散を行う。そのため、サブキャリア重み乗算部54及びシンボル合成部55は、複数のアンテナ51〜51nの受信信号7毎に個別に、サブキャリア重みを乗算する処理、受信信号7を拡散符号周期に渡って合成する処理を行う必要がない。即ち、サブキャリア重み乗算部54及びシンボル合成部55は、複数のアンテナ51〜51n間で合成された受信信号7に対して、一括してサブキャリア重みを乗算する処理、受信信号7を拡散符号周期に渡って合成する処理を行うことができる。
【0163】
又、送信装置4,204,304によれば、直並列変換部41d,241dが複数の情報チャネル#1〜#nで送信される情報シンボルを複数の情報シンボルに分割する。シンボル複製部41f,241fが、その情報シンボルを送信する情報チャネル#1〜#nに対応する拡散符号の拡散符号周期と等しい個数だけ、情報シンボルを複製する。拡散符号生成部41eがその情報チャネルに対応する拡散符号を生成する。拡散符号乗算部41g,241g,341gが、その複製された情報シンボルに、拡散符号を乗算して、情報信号とする。周波数時間変換部43が、情報信号及びパイロット信号を周波数の異なる複数のサブキャリアに拡散する。そして、ガードインターバル挿入部44が、複数のサブキャリアに拡散された情報信号毎にガードインターバルを挿入する。よって、送信装置4,204,304は、周波数の異なる複数のサブキャリアによって、複数の情報チャネル#1〜#nの複数の情報信号を同時に送信することができる。又、送信装置4,204,304は、マルチパス伝搬の影響により遅延して受信装置に到達する複数の情報信号が、情報信号間で干渉する影響を低減できる。よって、送信装置4,204,304は、伝送特性を向上させることができる。
【0164】
更に、送信装置4,204,304は、パイロットシンボル挿入部41h,241h,341hを備え、情報シンボルにパイロットシンボルを挿入する。そのため、送信装置4,204,304は、受信装置5,205に、受信装置5,205において振幅及び位相が既知のパイロットシンボルを、情報シンボルと共に送信することができる。よって、受信装置は、実際に受信したパイロットシンボルと、振幅及び位相が既知の送信装置4,204,304から送信されることになっているパイロットシンボルとを比較することにより、パイロットシンボルの伝搬路変動量や、受信した逆拡散後のパイロットシンボルと送信されたパイロットシンボルとの誤差を求めることができる。そして、受信装置は、パイロットシンボルの伝搬路変動量を用いて、チャネル推定を行うことができる。又、受信装置は、パイロットシンボルの誤差を用いて逆拡散後の受信信号と送信信号との誤差を推定することができる。
【0165】
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態に係る通信システム及び通信方法について説明する。第2の実施の形態に係る通信システムでは、受信装置として、図15に示す受信装置305を備える。
【0166】
(受信装置)
図15に示すように、受信装置305は、複数のアンテナ51〜51nと、複数の信号処理部352〜352nと、重み制御部308と、アンテナ信号シンボル合成部353と、直並列変換部56と、データ復調部57と、誤り訂正復号部58と、情報シンボル復元部59とを備える。信号処理部352〜352nは、シンボルタイミング同期部52aと、ガードインターバル除去部52bと、時間周波数変換部52cと、拡散符号生成部52dと、複数の拡散符号乗算部52eと、複数の一括重み乗算部352fとを備える。
【0167】
複数のアンテナ51〜51nと、直並列変換部56と、データ復調部57と、誤り訂正復号部58と、情報シンボル復元部59と、シンボルタイミング同期部52aと、ガードインターバル除去部52bと、時間周波数変換部52cと、拡散符号生成部52dと、拡散符号乗算部52eとは、図7に示した受信装置5と実質的に同様である。そのため、図15では、同一の符号を付して説明を省略する。
【0168】
複数のアンテナ51〜51nが送信信号6を受信してから、拡散符号乗算部52eが受信信号7に拡散符号を乗算するまでは、図7に示した受信装置5と同様の処理が行われる。拡散符号乗算部52eは、拡散符号を乗算した受信信号7を一括重み乗算部352fに入力する。
【0169】
重み制御部308は、複数の情報チャネル#1〜#nの拡散符号が互いに直交するように、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整して、各アンテナのサブキャリア毎の受信信号7に一括して乗算する重み(以下「一括重み」という)を決定する。重み制御部308は、好ましくは、複数の情報チャネル#1〜#nの拡散符号が互いに直交し、かつ、信号電力対雑音電力比(SNR)が大きくなるようにアンテナ重み及びサブキャリア重みを調整して、一括重みを決定する。これによれば、受信装置305は、受信信号7の信号電力対雑音電力比も大きくすることができ、信号伝送特性を更に向上させることができる。
【0170】
重み制御部308は、選択合成法、等利得合成法、最大比合成法等を用いてアンテナ重みを調整し、ORC、MRC、EGC、MMSEC等を用いてサブキャリア重みを調整して、一括重みを決定する。重み制御部308は、図9に示したアンテナ重み制御部811〜813が備える構成と、図11(d)、図12に示したサブキャリア重み制御部821〜828が備える構成を備える。そして、重み制御部308は、アンテナ重みやサブキャリア重みを調整して、一括重みを直接決定する。
【0171】
又、一括重みを決定する重み制御部として、図16に示す重み制御部408を用いてもよい。重み制御部408は、アンテナ重み制御部481と、サブキャリア重み制御部482と、一括重み制御部483とを備える。アンテナ重み制御部481は、アンテナ重みを決定する。サブキャリア重み制御部482は、サブキャリア重みを決定する。アンテナ重み制御部481は、上記した選択合成法、等利得合成法、最大比合成法等を用いてアンテナ重みを決定する。又、アンテナ重み制御部481としては、例えば、図9に示したアンテナ重み制御部811〜813を用いることができる。サブキャリア重み制御部482は、上記したORC、MRC、EGC、MMSEC等を用いてサブキャリア重みを決定する。サブキャリア重み制御部482としては、例えば、図11(d)や図12に示したサブキャリア重み制御部821〜828を用いることができる。アンテナ重み制御部481とサブキャリア重み制御部482は、決定したアンテナ重みやサブキャリア重みを、一括重み制御部483に入力する。
【0172】
一括重み制御部483は、アンテナ重み制御部481が決定したアンテナ重みと、サブキャリア重み制御部482が決定したサブキャリア重みとを調整して、一括重み484を決定する。このように、重み制御部408は、一度、アンテナ重みとサブキャリア重みを個別に求めてから、それらに基づいて一括重み484を決定する。
【0173】
一括重み乗算部352fは、重み制御部308,408によって調整された一括重みを、各アンテナ51〜51nのサブキャリア毎の受信信号7に、一括して乗算する重み乗算部である。一括重み乗算部352fは、信号処理部352〜352nが信号処理を行うアンテナ51〜51nが受信した受信信号7に、一括重みを乗算する。一括重み乗算部352fは、複数のサブキャリアの個数だけ設ける。各一括重み乗算部352fが、各拡散符号乗算部52eから入力されたサブキャリア毎の受信信号7に、一括重みを乗算する。各信号処理部352〜352nの一括重み乗算部352fはそれぞれ、一括重みを乗算した受信信号7をアンテナ信号シンボル合成部353に入力する。
【0174】
アンテナ信号シンボル合成部353は、一括重みが乗算された受信信号7を、アンテナ51〜51n間及び拡散符号周期に渡って一括して合成する合成部である。アンテナ信号シンボル合成部353は、各信号処理部352〜352nの一括重み乗算部352fから入力された受信信号7を、アンテナ51〜51n間及びその受信信号7に対応する情報チャネル#1〜#nの拡散符号の拡散符号周期に渡って一括して合成する。これにより、一括してダイバーシチ合成及び逆拡散が行われる。
【0175】
受信装置305では、拡散符号乗算部52eが、サブキャリア毎の受信信号7に、その受信信号7に対応する情報チャネル#1〜#nの拡散符号を乗算した後に、一括重み乗算部352fが各アンテナ51〜51nのサブキャリア毎の受信信号7に一括重みを一括して乗算する。そして、アンテナ信号シンボル合成部353が、アンテナ51〜51n間及び拡散符号周期に渡って一括して受信信号7を合成する。アンテナ信号シンボル合成部353による合成の結果、送信装置において拡散符号が乗算される前の情報シンボルが復元される。
【0176】
アンテナ信号シンボル合成部353によって、合成された受信信号7は、直並列変換部56に入力される。その後は、図7に示した受信装置5と同様の処理が行われ、情報シンボルが出力される。
【0177】
尚、重み制御部308,408は、選択合成法や最大比合成法、ORC、MRC、MMSECを用いる場合等は、受信信号7からアンテナ重み情報やサブキャリア重み情報を取得する。重み制御部308,408は、図15に示すように、拡散符号乗算部52eによって、拡散符号が乗算された後であって、一括重み乗算部352fによって、一括重みが乗算される前の受信信号7からアンテナ重み情報及びサブキャリア重み情報を、一括して取得する。これによれば、重み制御部308,408が行う処理が簡略化される。更に、重み制御部308,408は、拡散符号が乗算され、送信装置において拡散符号が乗算された影響が除去された後の受信信号7からアンテナ重み情報やサブキャリア重み情報を取得できる。よって、重み制御部308,408は、適切な一括重みを求めることができる。尚、重み制御部308,408は、時間周波数変換部52cと拡散符号乗算部52eとの間の受信信号7から、アンテナ重み情報やサブキャリア重み情報を取得してもよい。
【0178】
又、重み制御部308,408は、ガードインターバル除去部52bによってガードインターバルが除去された後であって、時間周波数変換部52cによって時間周波数変換処理が行われる前の受信信号7から、アンテナ重み情報やサブキャリア重み情報を取得してもよい。これによれば、重み制御部308,408は、時間周波数変換部52cによって、サブキャリア毎の受信信号7に分離される前の一つの受信信号7からアンテナ重み情報やサブキャリア重み情報を、アンテナ51〜51n毎に取得すればよく、重み制御部308,408が行う処理を簡略化できる。
【0179】
又、重み制御部308,408が、図11(d)、図12(d)、(f)、(g)に示したサブキャリア重み制御部824,825,827,828のように、逆拡散後のパイロットシンボル72や逆拡散後の受信信号7を用いて、サブキャリア重みを調整し、一括重みを決定する場合がある。これらの場合には、重み制御部308,408は、アンテナ信号シンボル合成部353によって逆拡散された後の受信信号7から、サブキャリア重み情報を取得することが好ましい。これによれば、サブキャリア重み制御部82は、取得したサブキャリア重み情報をそのまま用いることができるため、処理を簡略化できる。
【0180】
又、重み制御部308,408が、図12(e)に示したサブキャリア重み制御部826のように、サブキャリア重みを調整し、一括重みを決定する場合がある。この場合、重み制御部308,408は、サブキャリア毎に分離された受信信号7から、サブキャリア重み情報を取得することが好ましい。これによれば、チャネル推定部826aや雑音電力推定部826b、コード多重数推定部826cはそれぞれ、チャネル推定値、雑音電力の推定値及びコード多重数の推定値を、サブキャリア毎に推定することができる。
【0181】
尚、重み制御部308,408は、異なる位置からアンテナ重み情報やサブキャリア重み情報を取得してもよい。これによれば、重み制御部308,408は、アンテナ重みやサブキャリアを決定するために最適な位置で情報を取得でき、精度の高い制御ができる。
【0182】
(通信方法)
次に、図15に示した受信装置305を用いて受信信号を受信する場合について説明する。図17に示すように、受信装置305は、ステップ(S301)〜ステップ(S305)を行う。ステップ(S301)〜ステップ(S305)は、図14に示したステップ(S201)〜(S205)と実質的に同様である。
【0183】
次に、受信装置305は、一括重みを決定し、決定した一括重みを、各アンテナ51〜51nのサブキャリア毎の受信信号7に、一括して乗算する(S306)。受信装置305は、一括重みが乗算された受信信号7を、アンテナ51〜51n間及び拡散符号周期に渡って一括して合成する。(S307)。このようにして、空間ダイバーシチ合成及び逆拡散が一括して行われる。これにより、送信装置において拡散符号が乗算される前の情報シンボルが復元される。
【0184】
次に、図17に示すように、受信装置305は、ステップ(S308)〜ステップ(S311)を行う。ステップ(S308)〜ステップ(S311)は、図14に示したステップ(S210)〜(S213)と実質的に同様である。
【0185】
(効果)
このような通信システム、受信装置305、通信方法によれば、次のような効果を得ることができる。重み制御部308が、複数の情報チャネル#1〜#nの拡散符号が互いに直交するように、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整して、受信信号7に一括して乗算する一括重みを求める。一括重み乗算部352fが、その一括重みを各アンテナ51〜51nのサブキャリア毎の受信信号7に乗算する。そして、アンテナ信号シンボル合成部353が、その一括重みを乗算した受信信号7を、アンテナ51〜51n間及び拡散符号周期に渡って一括して合成する。
【0186】
よって、受信信号7には、重み制御部308によって、複数の情報チャネル#1〜#nの拡散符号が互いに直交するように調整された一括重みが乗算される。そのため、受信信号7に乗算されている各情報チャネル#1〜#nの拡散符号は互いに直交する。その結果、受信装置305において得られる情報シンボルは、拡散符号間の直交性が崩れることによって生じる情報チャネル#1〜#n間の干渉の影響が低減したものとなる。このように、受信装置305は、マルチキャリアCDMA伝送方式に、空間ダイバーシチ合成を適切に適用できる。その結果、受信装置5,205は、サブキャリア毎の受信信号7の信号電力対雑音電力比を大きくでき、信号伝送特性を向上させることができる。
【0187】
更に、受信装置305は、一括重みを求める処理、一括重みを乗算する処理、受信信号7を合成する処理を一括して行うことができる。そのため、受信装置305が行う処理を簡略化できる。又、受信装置305の構成を簡略化できる。
【0188】
〔第3の実施の形態〕
次に、本発明の第3の実施の形態に係る通信システム及び通信方法について説明する。第3の実施の形態に係る通信システムは、受信装置として図18に示す受信装置505を備える。
【0189】
(受信装置)
図18に示すように、受信装置505は、複数のアンテナ51〜51nと、複数の信号処理部552〜552nと、重み制御部508と、複数のアンテナ重み乗算部553と、アンテナ信号合成部554と、直並列変換部56と、データ復調部57と、誤り訂正復号部58と、情報シンボル復元部59とを備える。又、信号処理部552〜552nは、シンボルタイミング同期部52aと、ガードインターバル除去部52bと、時間周波数変換部52cと、拡散符号生成部52dと、複数の拡散符号乗算部52eと、複数のサブキャリア重み乗算部552f、複数のシンボル合成部552gとを備える。
【0190】
複数のアンテナ51〜51nと、直並列変換部56と、データ復調部57と、誤り訂正復号部58と、情報シンボル復元部59と、シンボルタイミング同期部52aと、ガードインターバル除去部52bと、時間周波数変換部52cと、拡散符号生成部52dと、拡散符号乗算部52eとは、図7に示した受信装置5と実質的に同様である。そのため、図18では、同一の符号を付して説明を省略する。
【0191】
複数のアンテナ51〜51nが送信信号6を受信してから、拡散符号乗算部52eが受信信号7に拡散符号を乗算するまでは、図7に示した受信装置5と同様の処理が行われる。拡散符号乗算部52eは、拡散符号を乗算した受信信号7をサブキャリア重み乗算部552fに入力する。
【0192】
重み制御部508は、アンテナ重み制御部581と、サブキャリア重み制御部582とを備える。重み制御部508は、アンテナ重み及びサブキャリア重みを、複数の情報チャネル#1〜#nの拡散符号が互いに直交するように調整する。重み制御部508は、好ましくは、複数の情報チャネル#1〜#nの拡散符号が互いに直交し、かつ、SNRが大きくなるようにアンテナ重み及びサブキャリア重みを調整する。重み制御部508は、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整して、アンテナ重みとサブキャリア重みとを個別に求める。
【0193】
アンテナ重み制御部581は、選択合成法、等利得合成法、最大比合成法等を用いてアンテナ重みを決定する。アンテナ重み制御部581としては、図9に示したアンテナ重み制御部811〜813を用いることができる。サブキャリア重み制御部582は、ORC、MRC、EGC、MMSEC等を用いてサブキャリア重みを決定する。サブキャリア重み制御部582としては、図11(d)や図12に示したサブキャリア重み制御部821〜828を用いることができる。
【0194】
各信号処理部552〜552nのサブキャリア重み乗算部552fは、信号処理部552〜552nが信号の処理を行うアンテナ51〜51nが受信したサブキャリア毎の受信信号7に、サブキャリア重みを乗算する。サブキャリア重み乗算部552fは、複数のサブキャリアの個数だけ設ける。各サブキャリア重み乗算部552fが、各拡散符号乗算部52eから入力されたサブキャリア毎の受信信号7に、サブキャリア重み乗算する。各サブキャリア重み乗算部552fはそれぞれ、サブキャリア重みを乗算したサブキャリア毎の受信信号7を、シンボル合成部552gに入力する。
【0195】
各信号処理部552〜552nのシンボル合成部552gは、信号処理部552〜552nが信号の処理を行うアンテナ51〜51nが受信したサブキャリア毎の受信信号7を、その受信信号7に対応する情報チャネル#1〜#nの拡散符号の拡散符号周期に渡って合成する。シンボル合成部552gは、サブキャリア重み乗算部552fから入力されたサブキャリア重みが乗算されたサブキャリア毎の受信信号7を、拡散符号周期に渡って合成する。このようにして、逆拡散が行われる。シンボル合成部552gは、合成した受信信号7をアンテナ重み乗算部553に入力する。
【0196】
アンテナ重み乗算部553は、各信号処理部552〜552nのシンボル合成部552gから入力された逆拡散後の受信信号7に、アンテナ重みを乗算する。アンテナ重み乗算部553は、全ての信号処理部552〜552nのシンボル合成部552gの個数だけ設ける。各アンテナ重み乗算部553は、アンテナ重みを乗算した受信信号7をアンテナ信号合成部554に入力する。アンテナ信号合成部554は、アンテナ重み乗算部553から入力された受信信号7をアンテナ51〜51n間で合成する。このようにして、空間ダイバーシチ合成が行われる。
【0197】
受信装置505では、拡散符号乗算部52eが、サブキャリア毎の受信信号7に拡散符号を乗算し、サブキャリア重み乗算部552fがサブキャリア毎の受信信号7にサブキャリア重みを乗算する。次いで、シンボル合成部552gが、サブキャリア重みが乗算された受信信号7を拡散符号周期に渡って合成し、逆拡散を行う。シンボル合成部552gによる合成の結果、送信装置4において拡散符号が乗算される前の情報シンボルが復元される。その後、アンテナ重み乗算部553が、拡散符号周期に渡って合成されたアンテナ51〜51n毎の受信信号7にアンテナ重みを乗算する。そして、アンテナ信号合成部554が、逆拡散が行われた後に、アンテナ重みが乗算された受信信号7をアンテナ51〜51n間で合成する空間ダイバーシチ合成を行う。
【0198】
アンテナ信号合成部554によって、合成された受信信号7は、直並列変換部56に入力される。その後は、図7に示した受信装置5と同様の処理が行われ、情報シンボルが出力される。
【0199】
尚、図18に示す受信装置305のように、サブキャリア重み乗算部552fが、拡散符号が乗算されたサブキャリア毎の受信信号7にサブキャリア重みを乗算し、シンボル合成部552gが、サブキャリア重みが乗算された受信信号7を、拡散符号周期に渡って合成する逆拡散を行った後に、アンテナ重み乗算部553が、アンテナ51〜51n毎の受信信号7にアンテナ重みを乗算し、アンテナ信号合成部554がアンテナ間で受信信号7を合成する空間ダイバーシチ合成を行う場合には、アンテナ重み制御部581は、先に受信信号7に乗算されるサブキャリア重みに基づいて、サブキャリア重みを乗算した受信信号の状態を維持するか、サブキャリア重みを乗算した受信信号の状態を再度調整するかを判断する。そして、アンテナ重み制御部581は、その判断結果に基づいてアンテナ重みを調整することが好ましい。又、この場合、サブキャリア重み制御部582は、MMSECを用いてサブキャリア重みを決定し、アンテナ重み制御部581は、等利得合成法を用いてアンテナ重みを決定することが好ましい。
【0200】
又、重み制御部508は、選択合成法や最大比合成法、ORC、MRC、MMSECを用いる場合等は、受信信号7からアンテナ重み情報やサブキャリア重み情報を取得する。図18に示すように、アンテナ重み制御部581は、シンボル合成部552gによって拡散符号周期に渡って合成されたアンテナ毎の受信信号7から、アンテナ重み情報を取得する。そして、アンテナ重み制御部581は、シンボル合成部552gによって拡散符号周期に渡って合成されたアンテナ毎の受信信号7に基づいて、アンテナ重みを決定する。これによれば、アンテナ重み制御部581は、実際に、サブキャリア重みが乗算され、拡散符号周期に渡って合成された受信信号7における情報チャネル間の干渉の影響を考慮してアンテナ重みを決定できる。よって、情報シンボルの情報チャネル間の干渉の影響をより適切に低減させることができ、信号伝送特性をより一層向上させることができる。
【0201】
又、アンテナ重み制御部581は、サブキャリア重み乗算部552fによってサブキャリア重みが乗算された後であって、シンボル合成部552gによって合成される前の受信信号7からアンテナ重み情報を取得してもよい。これによれば、送信装置において拡散符号が乗算された影響が除去され、サブキャリア重みが乗算された後のアンテナ重み情報に基づいて、アンテナ重みを決定することができる。そのため、アンテナ重み制御部582は、受信信号7にサブキャリア重みが乗算されることによる影響を考慮して、アンテナ重みを決定することができ、拡散符号が乗算された影響が除去された受信信号7を用いるため、より適切なアンテナ重みを求めることができる。
【0202】
又、アンテナ重み制御部581は、拡散符号乗算部52eによって拡散符号が乗算された後であって、サブキャリア重み乗算部552fによってサブキャリア重みが乗算される前の受信信号7や、ガードインターバル除去部52bによって、ガードインターバルが除去された後であって、時間周波数変換部52cによって時間周波数変換処理が行われる前の受信信号7、時間周波数変換部52cによってサブキャリア毎の受信信号7に分離され、拡散符号乗算部52eによって拡散符号が乗算される前の受信信号7から、アンテナ重み情報を取得してもよい。
【0203】
一方、サブキャリア重み制御部582は、図18に示すように、拡散符号乗算部52eによって拡散符号が乗算された後であって、サブキャリア重み乗算部552fによってサブキャリア重みが乗算される前の受信信号7からサブキャリア情報を取得する。これによれば、サブキャリア重み制御部582は、送信装置4において拡散符号が乗算された影響が除去された受信信号7から取得したサブキャリア重み情報に基づいて、より適切なアンテナ重みを決定できる。又、サブキャリア重み制御部582は、時間周波数変換部52cと拡散符号乗算部52eとの間からサブキャリア重み情報を取得してもよい。
【0204】
尚、サブキャリア重み制御部582として、図11(d)、図12(d)、(f)、(g)に示したサブキャリア重み制御部824,825,827,828を用いる場合には、シンボル合成部552gによって逆拡散された後の受信信号7から、サブキャリア重み情報を取得する。これによれば、サブキャリア重み制御部582は、取得したサブキャリア重み情報をそのまま用いることができるため、処理を簡略化できる。
【0205】
又、サブキャリア重み制御部582として、図12(e)に示したサブキャリア重み制御部826を用いる場合、サブキャリア毎に分離された状態の受信信号7から、サブキャリア重み情報を取得することが好ましい。そして、サブキャリア重み制御部582は、サブキャリア毎の受信信号7に基づいて、サブキャリア重みを決定することが好ましい。これによれば、チャネル推定部826aや雑音電力推定部826b、コード多重数推定部826cはそれぞれ、チャネル推定値、雑音電力の推定値及びコード多重数の推定値を、サブキャリア毎に推定することができる。
【0206】
(通信方法)
次に、図18に示した受信装置505を用いて受信信号を受信する場合について説明する。図19に示すように、受信装置505は、ステップ(S401)〜ステップ(S405)を行う。ステップ(S401)〜ステップ(S405)は、図14に示したステップ(S201)〜(S205)と実質的に同様である。
【0207】
次に、受信装置505は、サブキャリア重みを決定し、決定したサブキャリア重みを、アンテナ51〜51nが受信したサブキャリア毎の受信信号7に乗算する(S406)。そして、受信装置505は、拡散符号周期に渡って受信信号7を合成する(S407)。このようにして、逆拡散が行われる。これにより、送信装置において拡散符号が乗算される前の情報シンボルが復元される。次に、受信装置505は、アンテナ重みを決定し、決定したアンテナ重みを、アンテナ51〜51n毎の受信信号7に乗算する(S408)。そして、受信装置505は、アンテナ51〜51n間で受信信号7を合成する。このようにして、空間ダイバーシチ合成が行われる(S409)。
【0208】
次に、図19に示すように、受信装置505は、ステップ(S410)〜ステップ(S413)を行う。ステップ(S410)〜ステップ(S413)は、図14に示したステップ(S210)〜(S213)と実質的に同様である。
【0209】
(効果)
このような通信システム、受信装置505、通信方法によれば、図1、図7、図14に示した通信システム1、受信装置5、通信方法とほぼ同様の効果を得ることができる。更に、アンテナ重み乗算部553は、拡散符号乗算部52eが受信信号7に、その受信信号7に対応する情報チャネル#1〜#nの拡散符号を乗算し、サブキャリア重み乗算部552fがそのサブキャリア毎の受信信号7にサブキャリア重みを乗算し、シンボル合成部552gが拡散符号周期に渡ってサブキャリア重みが乗算された受信信号7を合成する逆拡散を行った後に、アンテナ51〜51n毎の受信信号7にアンテナ重みを乗算する。そして、アンテナ信号合成部554は、逆拡散が行われた後に、アンテナ重みが乗算された受信信号7をアンテナ間で合成する空間ダイバーシチ合成を行う。
【0210】
そのため、アンテナ重み制御部581は、拡散符号が乗算され、サブキャリア重みが乗算され、拡散符号周期に渡って合成された後の受信信号7、即ち、逆拡散が行われた後の受信信号7における情報チャネル間の干渉の影響を考慮して、アンテナ重みを決定することができる。そして、アンテナ重み乗算部553が、そのアンテナ重みを乗算する。最後に、アンテナ信号合成部554が、情報チャネル#1〜#n間の干渉の影響を考慮して求められたアンテナ重みが乗算された受信信号7を、アンテナ間で合成する。よって、受信装置505は、情報シンボルの情報チャネル間の干渉の影響をより適切に低減させることができ、信号伝送特性を更に向上させることができる。
【0211】
〔第4の実施の形態〕
次に、本発明の第4の実施の形態に係る通信システム及び通信方法について説明する。第4の実施の形態に係る通信システムは、受信装置として図20に示す受信装置605を備える。
【0212】
(受信装置)
図20に示すように、受信装置605は、複数のアンテナ51〜51nと、複数の信号処理部651〜652nと、重み制御部608と、アンテナ信号合成部653と、時間周波数変換部654と、拡散符号生成部655と、複数の拡散符号乗算部656と、複数のサブキャリア重み乗算部657と、複数のシンボル合成部658と、直並列変換部56と、データ復調部57と、誤り訂正復号部58と、情報シンボル復元部59とを備える。又、信号処理部652〜652nは、シンボルタイミング同期部52aと、ガードインターバル除去部52bと、アンテナ重み乗算部652cとを備える。
【0213】
複数のアンテナ51〜51nと、直並列変換部56と、データ復調部57と、誤り訂正復号部58と、情報シンボル復元部59と、シンボルタイミング同期部52aと、ガードインターバル除去部52bは、図7に示した受信装置5と実質的に同様である。そのため、図20では、同一の符号を付して説明を省略する。複数のアンテナ51〜51nが送信信号6を受信してから、ガードインターバル除去部52bが受信信号7からガードインターバルを除去するまでは、図7に示した受信装置5と同様の処理が行われる。
【0214】
重み制御部608は、アンテナ重み制御部681と、サブキャリア重み制御部682とを備える。重み制御部608は、アンテナ重み及びサブキャリア重みを、複数の情報チャネル#1〜#nの拡散符号が互いに直交するように調整する。重み制御部608は、好ましくは、複数の情報チャネル#1〜#nの拡散符号が互いに直交し、かつ、SNRが大きくなるようにアンテナ重み及びサブキャリア重みを調整する。重み制御部608は、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整して、アンテナ重みとサブキャリア重みとを個別に求める。
【0215】
アンテナ重み制御部681は、選択合成法、等利得合成法、最大比合成法等を用いてアンテナ重みを決定する。アンテナ重み制御部681としては、図9に示したアンテナ重み制御部811〜813を用いることができる。サブキャリア重み制御部682は、ORC、MRC、EGC、MMSEC等を用いてサブキャリア重みを決定する。サブキャリア重み制御部682としては、図11(d)、図12に示したサブキャリア重み制御部821〜828を用いることができる。アンテナ重み制御部681は、各信号処理部652〜652nのアンテナ重み乗算部652cにアンテナ重みを入力する。サブキャリア重み制御部682は、サブキャリア重み乗算部657にサブキャリア重みを入力する。
【0216】
各信号処理部652〜652nのアンテナ重み乗算部652cは、信号処理部652〜652nが処理を行うアンテナが受信した受信信号7に、アンテナ重みを乗算する。各アンテナ信号処理部652〜652nのアンテナ重み乗算部652cは、そのアンテナ51〜51nが受信した一つの受信信号7にアンテナ重みを乗算すればよいので、各信号処理部652〜652nに一つ設ければよい。よって、信号処理部652〜652nの構成が簡略化される。各信号処理部652〜652nのアンテナ重み乗算部652cは、アンテナ信号合成部653に、アンテナ重みを乗算した受信信号7を入力する。
【0217】
アンテナ信号合成部653は、各信号処理部652〜652nのアンテナ重み乗算部652cから入力された受信信号7を、アンテナ51〜51n間で合成する。このようにして、空間ダイバーシチ合成が行われる。アンテナ信号合成部653は、アンテナ51〜51n間で合成した受信信号7を、時間周波数変換部654に入力する。時間周波数変換部654は、アンテナ信号合成部653から入力されたアンテナ51〜51n間で合成された後の受信信号7を、時間周波数変換し、サブキャリア毎の受信信号7に分離する。時間周波数変換部654は、サブキャリア毎に分離された受信信号7を、拡散符号乗算部656に入力する。
【0218】
拡散符号生成部655は、受信信号7に乗算されている拡散符号と同様の拡散符号を生成する。拡散符号生成部655は、生成した拡散符号を拡散符号乗算部656に入力する。拡散符号乗算部656は、時間周波数変換部654によって分離された、アンテナ51〜51n間で合成された後のサブキャリア毎の受信信号7に、その受信信号7を伝送した情報チャネル#1〜#nの拡散符号を、周波数軸方向に乗算する。このように拡散符号が乗算されることにより、受信信号7は、送信装置において拡散符号が乗算された影響が除去される。拡散符号乗算部656は、複数のサブキャリアの個数だけ設ける。各拡散符号乗算部656がそれぞれ、アンテナ51〜51n間で合成された後のサブキャリア毎の受信信号7に、拡散符号を乗算する。拡散符号乗算部656は、拡散符号が乗算された受信信号7をサブキャリア重み乗算部657に入力する。
【0219】
サブキャリア重み乗算部657は、各拡散符号乗算部52eから入力されたサブキャリア毎の受信信号7に、サブキャリア重み乗算する。サブキャリア重み乗算部657は、サブキャリアの個数だけ設ける。各サブキャリア重み乗算部657は、それぞれサブキャリア重みを乗算したサブキャリア毎の受信信号7を、シンボル合成部658に入力する。シンボル合成部658は、サブキャリア重み乗算部657から入力された、アンテナ間で合成された後のサブキャリア毎の受信信号7を、その受信信号7に対応する情報チャネル#1〜#nの拡散符号の拡散符号周期に渡って合成する。このようにして、逆拡散が行われる。
【0220】
受信装置605では、各信号処理部652〜652nのアンテナ重み乗算部652cが、アンテナ重みを受信信号7に乗算し、アンテナ信号合成部653がアンテナ51〜51n間で合成する。次いで、時間周波数変換部654が、アンテナ間で合成された後の受信信号7を、サブキャリア毎の受信信号に分離する。そして、拡散符号乗算部656が、アンテナ51〜51n間で合成された後のサブキャリア毎の受信信号7に拡散符号を乗算する。最後に、サブキャリア重み乗算部657がアンテナ51〜51n間で合成された後のサブキャリア毎の受信信号7にサブキャリア重みを乗算し、シンボル合成部658が、拡散符号周期に渡って合成する。これにより、逆拡散が行われる。シンボル合成部658による合成の結果、送信装置において拡散符号が乗算される前の情報シンボルが復元される。
【0221】
シンボル合成部658によって、合成された受信信号7は、直並列変換部56に入力される。その後は、図7に示した受信装置5と同様の処理が行われ、情報シンボルが出力される。
【0222】
尚、図20に示す受信装置605のように、アンテナ重み乗算部652cがアンテナ51〜51n毎の受信信号7にアンテナ重みを乗算し、アンテナ信号合成部653が、アンテナ重みが乗算された受信信号7をアンテナ間で合成する空間ダイバーシチ合成を行った後に、サブキャリア重み乗算部657が、拡散符号が乗算されたサブキャリア毎の受信信号7にサブキャリア重みを乗算し、シンボル合成部658が、サブキャリア重みが乗算された受信信号7を拡散符号周期に渡って合成する逆拡散を行う場合には、サブキャリア重み制御部682は、先に受信信号7に乗算されるアンテナ重みに基づいて、アンテナ重みを乗算した受信状態7の状態を維持するか、アンテナ重みを乗算した受信信号7の状態を再度調整するかを判断する。そして、サブキャリア重み制御部682は、その判断結果に基づいてサブキャリア重みを調整することが好ましい。又、この場合、アンテナ重み制御部681が、等利得合成法を用いてアンテナ重みを決定し、サブキャリア重み制御部682は、MMSEC又はEGCのいずれかを用いてサブキャリア重みを決定することが好ましい。
【0223】
又、重み制御部608は、選択合成法や最大比合成法、ORC、MRC、MMSECを用いる場合等は、受信信号7からアンテナ重み情報やサブキャリア重み情報を取得する。図20に示すように、アンテナ重み制御部681は、ガードインターバル除去部52bによってガードインターバルが除去された後であって、アンテナ重み乗算部652cがアンテナ重みを乗算する前の受信信号7から、アンテナ情報を取得する。
【0224】
サブキャリア重み制御部682は、アンテナ信号合成部653によって、受信信号7がアンテナ51〜51n間で合成され、時間周波数変換部654によって、サブキャリア毎の受信信号に分離され、拡散符号乗算部656によって、拡散符号が乗算された後であって、サブキャリア重み乗算部657によって、サブキャリア重みが乗算される前の受信信号7からサブキャリア重み情報を取得する。これによれば、サブキャリア重み制御部682は、受信信号7がアンテナ重みを乗算され、アンテナ51〜51n間で合成されることによる影響を考慮してサブキャリア重みを求めることができる。
【0225】
又、サブキャリア重み制御部682は、送信装置において拡散符号が乗算された影響が除去された受信信号7から取得したサブキャリア重み情報を用いることができる。そのため、より適切なサブキャリア重みを求めることができる。又、サブキャリア重み制御部682は、時間周波数変換部654によって、サブキャリア毎の受信信号7に分離された後であって、拡散符号乗算部656によって拡散符号が乗算される前の受信信号7からサブキャリア重み情報を取得してもよい。
【0226】
尚、サブキャリア重み制御部682として、図11(d)、図12(d)、(f)、(g)に示したサブキャリア重み制御部824,825,827,828を用いる場合には、シンボル合成部658によって逆拡散された後の受信信号7から、サブキャリア重み情報を取得する。これによれば、サブキャリア重み制御部682は、取得したサブキャリア重み情報をそのまま用いることができるため、処理を簡略化できる。
【0227】
又、サブキャリア重み制御部682として、図12(e)に示したサブキャリア重み制御部826を用いる場合、サブキャリア毎に分離された状態の受信信号7から、サブキャリア重み情報を取得することが好ましい。そして、サブキャリア重み制御部682は、サブキャリア毎の受信信号7に基づいて、サブキャリア重みを決定することが好ましい。これによれば、チャネル推定部826aや雑音電力推定部826b、コード多重数推定部826cはそれぞれ、チャネル推定値、雑音電力の推定値及びコード多重数の推定値を、サブキャリア毎に推定することができる。
【0228】
尚、受信装置605において、時間周波数変換部654を各信号処理部652〜652nにおいて、アンテナ重み乗算部652cの次に設けるようにしてもよい。この場合、各信号処理部652〜652nの時間周波数変換部が、サブキャリア毎に分離した受信信号7をアンテナ信号合成部653に入力する。このような構成によっても、アンテナ重み乗算部652cは、そのアンテナ51〜51nが受信した一つの受信信号7にアンテナ重みを乗算すればよく、各信号処理部652〜652nに一つ設ければよいことになる。よって、信号処理部652〜652nの構成が簡略化される。
【0229】
(通信方法)
次に、図20に示した受信装置605を用いて受信信号を受信する場合について説明する。図21に示すように、受信装置605は、ステップ(S501)〜ステップ(S503)を行う。ステップ(S501)〜ステップ(S503)は、図14に示したステップ(S201)〜(S203)と実質的に同様である。
【0230】
次に、受信装置605は、アンテナ重みを決定し、決定したアンテナ重みを、アンテナ51〜51n毎の受信信号7に乗算する(S504)。そして、受信装置605は、アンテナ51〜51n間で受信信号7を合成する(S505)。このようにして、空間ダイバーシチ合成が行われる。次に、受信装置605は、受信信号7を時間周波数変換し、周波数の異なる複数のサブキャリアに拡散された受信信号7を、サブキャリア毎の受信信号7に分離する(S506)。受信装置605は、受信信号7に乗算されている拡散符号と同様の拡散符号を生成する。そして,受信装置605は、複数のアンテナ51〜51nによって受信された受信信号7に、受信信号7に対応する情報チャネルの拡散符号を乗算する(S507)。
【0231】
次に、受信装置605は、サブキャリア重みを決定し、決定したサブキャリア重みを、サブキャリア毎の受信信号にサブキャリア重みを乗算する(S508)。そして、受信装置605は、拡散符号周期に渡って受信信号7を合成する(S509)。このようにして、逆拡散が行われる。これにより、送信装置において拡散符号が乗算される前の情報シンボルが復元される。次に、図20に示すように、受信装置605は、ステップ(S510)〜ステップ(S513)を行う。ステップ(S510)〜ステップ(S513)は、図14に示したステップ(S210)〜(S213)と実質的に同様である。
【0232】
(効果)
このような通信システム、受信装置605、通信方法によれば、図1、図7、図14に示した通信システム1、受信装置5、通信方法とほぼ同様の効果を得ることができる。更に、時間周波数変換部654が、受信信号7をサブキャリア毎の受信信号7に分離する前に、アンテナ重み乗算部652cがアンテナ51〜51n毎の受信信号7にアンテナ重みを乗算し、アンテナ信号合成部653が、アンテナ51〜51n間で受信信号7を合成する。その後、時間周波数変換部654が、サブキャリア毎の受信信号に分離する。そして、サブキャリア重み乗算部657が、サブキャリア毎の受信信号7にサブキャリア重みを乗算する。最後に、シンボル合成部658が、サブキャリア重みが乗算された受信信号7を拡散符号周期に渡って合成する。
【0233】
そのため、時間周波数変換部654、サブキャリア重み乗算部657及びシンボル合成部658は、複数のアンテナ51〜51nの受信信号毎に個別に、受信信号7をサブキャリア毎の受信信号7に分離する処理、サブキャリア重みを乗算する処理、受信信号7を拡散符号周期に渡って合成する処理を行う必要がない。即ち、時間周波数変換部654、サブキャリア重み乗算部657及びシンボル合成部658は、複数のアンテナ51〜51n間で合成された受信信号7に対して、一括して受信信号7をサブキャリア毎の受信信号7に分離する処理、サブキャリア重みを乗算する処理、受信信号7を拡散符号周期に渡って合成する処理を行うことができる。
【0234】
〔第5の実施の形態〕
次に、本発明の第5の実施の形態に係る通信システムについて説明する。第5の実施の形態に係る通信システムは、送信装置として図22に示す送信装置404又は図24に示す送信装置504を備える。
【0235】
(送信装置)
図22に示すように、送信装置404は、複数の信号処理部441〜441nと、信号合成部442と、周波数時間変換部43と、ガードインターバル挿入部44と、アンテナ45とを備える。信号処理部441〜441nは、情報シンボル生成部41aと、誤り訂正符号化部41bと、データ変調部41cと、直並列変換部241dと、拡散符号生成部41eと、複数のシンボル複製部241fと、複数の拡散符号乗算部241gと、伝搬路変動量推定用パイロットシンボル挿入部441hと、重み更新用パイロット信号挿入部441iと、情報チャネル内信号合成部441jとを備える。
【0236】
情報シンボル生成部41aと、誤り訂正符号化部41bと、データ変調部41cと、拡散符号生成部41eと、周波数時間変換部43と、ガードインターバル挿入部44は、図2に示した送信装置4と実質的に同様である。又、直並列変換部241dと、複数のシンボル複製部241fと、複数の拡散符号乗算部241gは、図4に示した送信装置204と実質的に同様である。そのため、図22では説明を省略する。
【0237】
伝搬路変動量推定用パイロットシンボル挿入部441hは、伝搬路変動量推定用パイロットシンボルを情報シンボルに挿入する。これにより、情報信号と伝搬路変動量推定用パイロット信号を多重した送信信号6が生成される。伝搬路変動量推定用パイロットシンボルは、受信装置5において振幅及び位相が既知のシンボルを用いる。伝搬路変動量推定用パイロットシンボルは、受信装置において、受信信号の伝搬路変動量等の推定に用いられる。
【0238】
重み更新用パイロット信号挿入部441iは、重み更新用パイロット信号を情報信号に挿入する。これにより、情報信号と重み更新用パイロット信号を多重した送信信号6が生成される。重み更新用パイロット信号は、重み更新用パイロットシンボルに拡散符号を乗算したものである。重み更新用パイロットシンボルは、受信装置5において振幅及び位相が既知のシンボルを用いる。重み更新用パイロットシンボルは、受信装置において、逆拡散後の受信装置が受信した情報信号と、送信装置が送信した情報信号との誤差の推定に用いられる。重み更新用パイロットシンボルは、サブキャリア重みを更新するために、逆拡散後の受信信号と送信信号との誤差を推定する際に用いられる。このように、重み更新用パイロットシンボルを挿入するとは、重み更新用パイロットシンボルそのものを情報シンボルに挿入する場合だけでなく、重み更新用パイロットシンボルに拡散符号を乗算した重み更新用パイロット信号を情報信号に挿入する場合も含まれる。よって、重み更新用パイロット信号挿入部441iは、重み更新用パイロットシンボルを情報シンボルに挿入する重み更新用パイロットシンボル挿入部として機能している。尚、伝搬路変動量推定用パイロットシンボル、重み更新用パイロットシンボルは、複数の情報チャネル#1〜#nにおいて、共通のパイロットシンボルを用いてもよく、各情報チャネル#1〜#nにおいて、異なるパイロットシンボルを用いてもよい。
【0239】
情報チャネル内信号合成部441jは、情報チャネル#1〜#n毎に、情報信号と伝搬路変動量推定用パイロット信号、重み更新用パイロット信号とを合成する。送信装置404では、重み更新用パイロット信号と情報信号を、拡散符号軸方向に多重する符号多重により多重する。そして、送信装置404では、その符号多重された重み更新用パイロット信号及び情報信号と、伝搬路変動量推定用パイロット信号とを、時間軸方向に多重する時間多重により多重する。
【0240】
情報シンボル生成部41aからデータ変調部41cまでは、図2に示した送信装置4と同様の処理が行われる。データ変調部41cと、伝搬路変動量推定用パイロットシンボル挿入部441hは、お互いに異なる時間に、情報シンボル、伝搬路変動量推定用パイロットシンボルを、直並列変換部241dに入力する。これにより、情報シンボルと伝搬路変動量推定用パイロットシンボルが時間多重される。具体的には、データ変調部41cが直並列変換部241dに入力する情報シンボルと、伝搬路変動量推定用パイロットシンボル挿入部441hが直並列変換部241dに入力する伝搬路変動量推定用パイロットシンボルとを切り替えて直並列変換部241dに入力する切り替え部によって、情報シンボル、伝搬路変動量推定用パイロットシンボルが、異なる時間に直並列変換部241dに入力される。
【0241】
直並列変換部241dから拡散符号乗算部241gまでは、図4に示した送信装置204と同様の処理が行われる。但し、拡散符号乗算部241gは、伝搬路変動量推定用パイロットシンボルと、情報シンボルに異なる拡散符号を乗算する。拡散符号乗算部241gは、拡散符号が乗算され、時間多重された情報信号と伝搬路変動量推定用パイロット信号を、情報チャネル内信号合成部441jに入力する。
【0242】
情報チャネル内信号合成部441jは、その情報チャネル#1〜#nで送信する情報信号と伝搬路変動量推定用パイロット信号とを合成する。情報チャネル内信号合成部441jは、合成した情報信号と伝搬路変動量推定用パイロット信号とを、信号合成部442に入力する。重み更新用パイロット信号挿入部441iは、信号処理部441〜441nにおいて、伝搬路変動量推定用パイロットシンボルに乗算した拡散符号と同一の拡散符号を、重み更新用パイロットシンボルに乗算して得た重み更新用パイロット信号を、信号合成部442に入力する。
【0243】
信号合成部442は、各情報チャネル#1〜#nの信号処理部441〜441nの情報チャネル内信号合成部441jから入力される時間多重された情報信号及び伝搬路変動量等推定用パイロット信号と、パイロット信号挿入部441iから入力される重み更新用パイロット信号とを符号多重する。その後、周波数時間変換部43からアンテナ45までは、図2に示した送信装置4と同様の処理が行われる。
【0244】
その結果、図23に示す送信信号6dが得られる。送信信号6dは、重み更新用パイロット信号63dと情報信号61dとが拡散符号軸方向に符号多重され、重み更新用パイロット信号63d及び情報信号61dと、伝搬路変動量推定用パイロット信号62dとが時間軸方向に時間多重されている。尚、伝搬路変動量推定用パイロット信号62dと、重み更新用パイロット信号63dとは、同じ拡散符号において、時間多重されている。そして、送信信号6dは周波数軸方向に拡散されており、マルチキャリアCDMA信号となる。
【0245】
このように、送信装置404では、伝搬路変動量推定用パイロットシンボル挿入部441hと、重み更新用パイロット信号挿入部441iとが個別に設けられる。そのため、送信装置404は、伝搬路変動量等を推定するために最適な伝搬路変動量推定用パイロットシンボルと、逆拡散後の受信信号と送信信号との誤差を推定するために最適な重み更新用パイロットシンボルとを分けて送信することができる。更に、送信装置404は、それぞれのパイロットシンボルに適した多重方法により、送信信号6dを生成することができる。例えば、図23に示すように、重み更新用パイロット信号63dは、長い時間を使用しているため、情報信号61dと時間多重してしまうと、フレーム効率が悪くなってしまう。そのため、重み更新用パイロット信号63dについては、符号多重を採用することにより、フレーム効率を上げることができる。伝搬路変動量推定用パイロット信号62dについては、短い時間しか使用していない。そのため、伝搬路変動量推定用パイロット信号62dについては、時間多重を採用することにより、伝搬路変動量推定用パイロット信号62dの部分の符号間干渉を生じないようにできる。その結果、受信装置が行う伝搬路変動量等の推定の精度を向上させることができる。
【0246】
尚、図24に示す送信装置504のように、各情報チャネル#1〜#nの信号処理部541〜541nに、情報信号と、伝搬路変動量推定用パイロット信号や重み更新用パイロット信号とを時間多重させるために、直並列変換部241dに伝搬路変動量推定用パイロットシンボルを挿入する伝搬路変動量推定用パイロットシンボル挿入部441hと、直並列変換部241dに重み更新用パイロットシンボルを挿入する重み更新用パイロットシンボル挿入部541iを設けるようにしてもよい。更に、情報信号と伝搬路変動量推定用パイロット信号や重み更新用パイロット信号とを符号多重させるために、信号合成部442に伝搬路変動量推定用パイロット信号を挿入する伝搬路変動量推定用パイロット信号挿入部541hと、信号合成部442に重み更新用パイロット信号を挿入する重み更新用パイロット信号挿入部441iを設けるようにしてもよい。
【0247】
このような送信装置504によれば、情報信号、重み更新用パイロット信号、伝搬路変動量推定用パイロット信号を多重する場合に、適した多重方法を適宜選択し、組み合わせることができる。よって、送信装置504は、最適な送信信号を生成することができる。
【0248】
(受信装置)
送信装置404,504から伝搬路変動量推定用パイロットシンボル及び重み更新用パイロットシンボルを含む受信信号7を受信した場合には、図7、図10、図18、図20に示した受信装置5,205,505,605は、サブキャリア重み制御部82,282,482,582,682として、図25に示すようなサブキャリア重み制御部829を用いることができる。又、図15に示した重み制御部308は、サブキャリア重み制御部829が持つ構成を備えることができる。
【0249】
図25に示すように、サブキャリア重み制御部829は、チャネル推定部829aと、雑音電力推定部829bと、コード多重数推定部829cと、重み算出部829dと、誤差推定部829eと、参照シンボル保持部829fと、重み更新部829gと、切り替え部829hとを備える。
【0250】
チャネル推定部829aと、雑音電力推定部829bと、コード多重数推定部829cは、各値を推定するために伝搬路変動量推定用パイロットシンボル72aを用いる以外は、図12(e)に示したサブキャリア重み制御部826のチャネル推定部826aと、雑音電力推定部826bと、コード多重数推定部826cと、実質的に同様である。又、重み算出部829dは、決定したサブキャリア重みを、切り替え部829hに入力する以外は、図12(e)に示した重み算出部826dと実質的に同様である。
【0251】
誤差推定部829eは、誤差を推定するために重み更新用パイロットシンボル72bを用いる以外は、図12(f)に示したサブキャリア重み制御部827の誤差推定部827aと実質的に同様である。又、参照シンボル保持部829fは、送信装置404,504が送信することになっている重み更新用パイロットシンボルを、参照シンボルとして保持する。重み更新部829gは、決定したサブキャリア重みを切り替え部829hに入力する。又、重み更新部829gは、最初に受信信号7を受信した際には、誤差を推定するための逆拡散後のパイロットシンボルがないため、サブキャリア重みを求めない。重み更新部829gは、それら以外は図12(f)に示したサブキャリア重み制御部827の重み更新部827cと実質的に同様である。
【0252】
切り替え部829hは、重み算出部829dから入力されたサブキャリア重みと、重み更新部829gから入力されたサブキャリア重みを、図7、図10、図18、図20に示した受信装置5,205,505,605のサブキャリア重み乗算部54,552f,657や、図15に示した受信装置305の一括重み乗算部352fへの入力を切り替える。
【0253】
切り替え部829hは、最初に受信信号7を受信した際には、誤差を推定するための逆拡散後のパイロットシンボルがないため、重み算出部829dが求めたサブキャリア重みを、初期値としてサブキャリア重み乗算部54,552f,657や一括重み乗算部352fへ入力する。その後は、重み更新部829gが決定したサブキャリア重みを、サブキャリア重み乗算部54,552f,657や一括重み乗算部352fへ入力する。これによれば、より適切な初期値をサブキャリア重みとして、受信信号7に乗算することができる。尚、切り替え部829hは、サブキャリア重み乗算部54,552f,657や一括重み乗算部352fに、重み算出部829d又は重み更新部829gのいずれが求めたサブキャリア重みを入力するかは、適宜設定できる。よって、上記した切り替え方式に限定されない。
【0254】
このようなサブキャリア重み制御部829によれば、サブキャリア重み制御部829は、伝搬路変動量等を推定するために最適な伝搬路変動量推定用パイロットシンボルを用いて、より適切にチャネル推定や雑音電力の推定、コード多重数の推定を行うことができる。又、サブキャリア重み制御部829は、逆拡散後の受信信号と送信信号との誤差を推定するために最適な重み更新用パイロットシンボルを用いて、より適切に誤差を推定できる。又、サブキャリア重み制御部829は、状況に応じて、サブキャリア重み算出部829dと重み更新部829gとが決定したサブキャリア重みを使い分けることができる。
【0255】
尚、図7、図10、図18、図20に示した受信装置5,205,505,605のサブキャリア重み制御部82,282,482,582,682として、図11(d)、図13(d)〜(g)に示したサブキャリア重み制御部824〜828を用いた場合や、図15に示した受信装置305の重み制御部382が、サブキャリア重み制御部824〜828の構成を備える場合にも、サブキャリア重み制御部824,825,827,828は、重み更新用パイロットシンボル72bを用いることができ、サブキャリア重み制御部826は、伝搬路変動量推定用パイロットシンボル72aを用いることができる。
【0256】
このような通信システム、送信装置404,504によれば、図1、図2、図4、図6に示した通信システム1、送信装置4,204,304とほぼ同様の効果を得ることができる。更に、伝搬路変動量等推定用パイロットシンボル挿入部441h,541hと、重み更新用パイロットシンボル挿入部441i,541iを個別に設けたため、送信装置404,504は、伝搬路変動量推定用パイロットシンボルと、重み更新用パイロットシンボルとを分けて送信することができる。更に、送信装置404,504は、それぞれのパイロットシンボルに適した多重方法を用いて、送信信号6dを生成することができる。又、受信装置は、伝搬路変動量推定用パイロットシンボルを用いて、より適切にチャネル推定や雑音電力の推定、コード多重数の推定を行うことができ、重み更新用パイロットシンボルを用いて、より適切に誤差を推定できる。
【0257】
〔第6の実施の形態〕
次に、本発明の第6の実施の形態に係る通信システムについて説明する。第6の実施の形態に係る通信システムは、受信装置として図26に示す受信装置705を備える。
【0258】
(受信装置)
受信装置705は、複数のアンテナ51〜51nと、複数の信号処理部752〜752nと、判断部752と、構成切り替え部753と、ダイバーシチ合成後逆拡散部754と、逆拡散後ダイバーシチ合成部755と、直並列変換部56と、データ復調部57と、誤り訂正復号部58と、情報シンボル復元部59とを備える。又、信号処理部752〜752nは、シンボルタイミング同期部52aと、ガードインターバル除去部52bと、受信信号状態測定部751とを備える。複数のアンテナ51〜51nと、直並列変換部56と、データ復調部57と、誤り訂正復号部58と、情報シンボル復元部59と、シンボルタイミング同期部52aと、ガードインターバル除去部52bとは、図7に示した受信装置5と実質的に同様である。そのため、図26では、同一の符号を付して説明を省略する。
【0259】
受信信号状態測定部751は、受信信号7の状態を測定する測定部である。受信信号状態測定部751は、複数のアンテナ51〜51nの個数だけ設ける。受信装置705では、各アンテナ51〜51nに対応する信号処理部752〜752nが、各アンテナ51〜51nが受信した受信信号7の状態を測定する受信信号状態測定部751を備える。受信信号状態測定部751は、受信信号7の状態として、受信信号7の電力及びフェージング相関について測定する。尚、受信信号状態測定部751は、受信信号7の電力又はフェージング相関のいずれかについて測定するようにしてもよく、受信信号7の状態を示す他のパラメータについて測定するようにしてもよい。
【0260】
具体的には、各信号処理部752〜752nの受信信号状態測定部751は、各アンテナ51〜51nが受信した受信信号7の電力及びフェージング相関係数をそれぞれ測定する。受信信号状態測定部751は、測定した受信信号7の電力の測定値及びフェージング相関係数の測定値を、判断部752に入力する。又、各信号処理部752〜752nの受信信号状態測定部751は、各アンテナ51〜51nが受信した受信信号7を構成切り替え部753に入力する。
【0261】
判断部752は、拡散符号が乗算されたサブキャリア毎の受信信号にサブキャリア重みを乗算し、拡散符号周期に渡って合成し、アンテナ毎の受信信号にアンテナ重みを乗算し、アンテナ間で合成する順番を制御する。ここでは、判断部752は、逆拡散と空間ダイバーシチ合成の順番を制御する。具体的には、判断部752は、サブキャリア重み乗算部が、拡散符号が乗算されたサブキャリア毎の受信信号にサブキャリア重みを乗算し、シンボル合成部が、サブキャリア重みが乗算された受信信号を拡散符号周期に渡って合成する処理(逆拡散)と、アンテナ重み乗算部が、アンテナ51〜51n毎の受信信号7にアンテナ重みを乗算し、アンテナ信号合成部が、アンテナ重みが乗算された受信信号7を、アンテナ51〜51n間で合成する処理(空間ダイバーシチ合成)を行う順番を制御する。
【0262】
判断部752は、各信号処理部752〜752nの受信信号状態測定部751から入力される各アンテナ51〜51nが受信した受信信号7の状態に基づいて、逆拡散と空間ダイバーシチ合成の処理に含まれる各処理の順番を制御する。ここでは、判断部752は、受信信号7の状態に基づいて、逆拡散と空間ダイバーシチ合成の順番を制御する。
【0263】
判断部752は、各アンテナ51〜51nの受信信号7のフェージング相関係数の測定値に基づいて、順番を制御する。具体的には、判断部752は、各アンテナ51〜51nの受信信号7のフェージング相関係数が高い場合には、空間ダイバーシチ合成後に逆拡散を行うと判断する。一方、判断部752は、各アンテナ51〜51nの受信信号7のフェージング相関係数が低い場合には、逆拡散後に空間ダイバーシチ合成を行うと判断する。
【0264】
これによれば、フェージング相関が高く、空間ダイバーシチ合成による利得が減少してしまう場合に、空間ダイバーシチ合成後に逆拡散を行うことにより、チャネル推定精度を向上させることができる。そのため、空間ダイバーシチ合成による利得が減少しても、サブキャリア重み制御部が高い精度でチャネル推定を行うことができ、最適なサブキャリア重みを決定できる。よって、受信装置705は、最終的な信号伝送特性を向上させることができる。一方、フェージング相関が低く、空間ダイバーシチ合成による利得が大きい場合には、逆拡散後に空間ダイバーシチ合成を行うことにより、アンテナ重み制御部は、逆拡散が行われた後の受信信号7における情報チャネル間の干渉の影響、即ち、拡散符号の直交性に関する影響を考慮して、アンテナ重みを決定することができる。よって、受信装置705は、適切な空間ダイバーシチ合成を行って、その利得を更に向上させることができ、信号伝送特性を向上させることができる。
【0265】
又、判断部752は、各アンテナ51〜51nの受信信号7の電力の測定値に基づいて、順番を制御してもよい。具体的には、判断部752は、各アンテナ51〜51nの受信信号7の電力が小さい場合には、空間ダイバーシチ合成後に逆拡散を行うと判断する。一方、判断部752は、各アンテナ51〜51nの受信信号7の電力が大きい場合には、逆拡散後に空間ダイバーシチ合成を行うと判断する。
【0266】
これによれば、受信信号7の電力が小さく、そのままではチャネル推定精度が低下してしまう場合に、空間ダイバーシチ合成後に逆拡散を行うことにより、チャネル推定精度を向上させることができる。そのため、サブキャリア重み制御部が高い精度でチャネル推定を行うことができ、最適なサブキャリア重みを決定できる。よって、受信装置705は、最終的な信号伝送特性を向上させることができる。一方、受信信号7の電力が大きい場合には、チャネル推定精度が既に高く、チャネル推定精度を向上させる処理を更に行う必要性が低い。そのため、逆拡散後に空間ダイバーシチ合成を行うことにより、アンテナ重み制御部は、逆拡散が行われた後の受信信号7における情報チャネル間の干渉の影響、即ち、拡散符号の直交性に関する影響を考慮して、アンテナ重みを決定することができる。よって、受信装置705は、信号伝送特性を向上させることができる
又、判断部752は、受信信号7のフェージング相関係数及び受信信号7の電力の両方に基づいて、逆拡散と空間ダイバーシチ合成の順番を制御してもよい。例えば、判断部752は、逆拡散と空間ダイバーシチ合成の順番を決定する判断基準となるフェージング相関係数の閾値と、電力の閾値を保持する。まず、判断部752は、受信信号状態測定部751から入力される各アンテナ51〜51nが受信した受信信号7のフェージング相関係数の測定値と、フェージング相関係数の閾値とを比較する。判断部752は、各アンテナ51〜51nが受信した受信信号7のフェージング相関係数の測定値がフェージング相関係数の閾値を上回る場合には、空間ダイバーシチ合成後に逆拡散を行うと判断する。
【0267】
一方、判断部752は、受信信号状態測定部751から入力されるアンテナ51〜51nが受信した受信信号7のフェージング相関係数の測定値が、フェージング相関係数の閾値以下の場合には、受信信号7の電力に基づいて順番を判断すると決定する。受信信号7のフェージング相関係数の測定値が閾値以下の場合、判断部752は、各アンテナ51〜51nの信号処理部752〜752nの受信信号状態測定部751から入力される全てのアンテナ51〜51nの受信信号7の電力の測定値について、電力の閾値と比較する。判断部752は、全てのアンテナ51〜51nの受信信号7の電力の測定値が、電力の閾値を下回る場合には、空間ダイバーシチ合成後に逆拡散を行うと判断する。一方、判断部752は、各アンテナ51〜51nの受信信号7の電力の測定値が、1つでも電力の閾値以上の場合には、逆拡散後に空間ダイバーシチ合成を行うと判断する。
【0268】
判断部752は、このようにして決定した逆拡散と空間ダイバーシチ合成の順番を、構成切り替え部753に入力する。
【0269】
構成切り替え部753は、ダイバーシチ合成後逆拡散部754と逆拡散後ダイバーシチ合成部755への受信信号7の入力を切り替える。構成切り替え部753には、各アンテナ51〜51nが受信した受信信号7が、各アンテナ51〜51nの信号処理部752〜752nの受信信号状態測定部751から入力される。又、構成切り替え部753には、判断部752が決定した逆拡散と空間ダイバーシチ合成の順番が入力される。構成切り替え部753は、判断部752から入力される逆拡散と空間ダイバーシチ合成の順番に基づいて、各アンテナ51〜51nの受信信号7を、ダイバーシチ合成後逆拡散部754又は逆拡散後ダイバーシチ合成部755のいずれかに入力する。
【0270】
構成切り替え部753は、逆拡散後に空間ダイバーシチ合成を行うという順番を入力された場合には、図26中の実線で示すように、各アンテナ51〜51nの受信信号7を、逆拡散後ダイバーシチ合成部755に入力する。一方、構成切り替え部753は、空間ダイバーシチ合成後に逆拡散を行うという順番の場合には、図26中の点線で示すように、各アンテナ51〜51nの受信信号7を、ダイバーシチ合成後逆拡散部754に入力する。
【0271】
ダイバーシチ合成後逆拡散部754は、空間ダイバーシチ合成後に逆拡散を行うための構成を備える。ダイバーシチ合成後逆拡散部754は、時間周波数変換部と、拡散符号生成部と、複数の拡散符号乗算部と、重み制御部と、複数のアンテナ重み乗算部と、アンテナ信号合成部と、複数のサブキャリア重み乗算部と、複数のシンボル合成部とを備える。尚、重み制御部は、アンテナ重み制御部とサブキャリア重み制御部を備える。ダイバーシチ合成後逆拡散部754では、これらの構成が空間ダイバーシチ合成を行った後に、逆拡散を行うことができるように配置されている。具体的には、図7、図10、図20に示した受信装置5,205,605と同様にして、時間周波数変換部と、拡散符号生成部と、複数の拡散符号乗算部と、重み制御部と、複数のアンテナ重み乗算部と、アンテナ信号合成部と、複数のサブキャリア重み乗算部と、複数のシンボル合成部を配置することができる。
【0272】
そして、ダイバーシチ合成後逆拡散部754は、判断部752の制御に基づいて構成切り替え部753から、各アンテナ511〜51nの受信信号7が入力された際に、受信信号7の処理を行う。具体的には、ダイバーシチ合成後逆拡散部754のアンテナ重み乗算部が、アンテナ51〜51n毎の受信信号7にアンテナ重みを乗算し、アンテナ信号合成部が、アンテナ重みが乗算された受信信号7を、アンテナ51〜51n間で合成して、空間ダイバーシチ合成を行う。次に、ダイバーシチ合成後逆拡散部754のサブキャリア重み乗算部が、拡散符号が乗算されたサブキャリア毎の受信信号7にサブキャリア重みを乗算し、シンボル合成部が、サブキャリア重みが乗算された受信信号7を、拡散符号周期に渡って合成して、逆拡散を行う。ダイバーシチ合成後逆拡散部754は、合成した受信信号7を、直並列変換部56に入力する。その後は、図7に示した受信装置5と同様の処理が行われ、情報シンボルが出力される。
【0273】
逆拡散後ダイバーシチ合成部755は、逆拡散後に空間ダイバーシチ合成を行うための構成を備える。逆拡散後ダイバーシチ合成部755は、時間周波数変換部と、拡散符号生成部と、複数の拡散符号乗算部と、重み制御部と、複数のアンテナ重み乗算部と、アンテナ信号合成部と、複数のサブキャリア重み乗算部と、複数のシンボル合成部とを備える。尚、重み制御部は、アンテナ重み制御部とサブキャリア重み制御部を備える。逆拡散後ダイバーシチ合成部755では、これらの構成が逆拡散を行った後に、空間ダイバーシチ合成を行うことができるように配置されている。具体的には、図18に示した受信装置505と同様にして、時間周波数変換部と、拡散符号生成部と、複数の拡散符号乗算部と、重み制御部と、複数のアンテナ重み乗算部と、アンテナ信号合成部と、複数のサブキャリア重み乗算部と、複数のシンボル合成部を配置することができる。
【0274】
そして、逆拡散後ダイバーシチ合成部755は、判断部752の制御に基づいて構成切り替え部753から、各アンテナ51〜51nの受信信号7が入力された際に、受信信号7の処理を行う。具体的には、逆拡散後ダイバーシチ合成部755のサブキャリア重み乗算部が、拡散符号が乗算されたサブキャリア毎の受信信号7にサブキャリア重みを乗算し、シンボル合成部が、サブキャリア重みが乗算された受信信号7を、拡散符号周期に渡って合成して、逆拡散を行う。次に、アンテナ重み乗算部が、アンテナ51〜51n毎の受信信号7にアンテナ重みを乗算し、アンテナ信号合成部が、アンテナ重みが乗算された受信信号7を、アンテナ51〜51n間で合成して、空間ダイバーシチ合成を行う。逆拡散後ダイバーシチ合成部755は、合成した受信信号7を、直並列変換部56に入力する。その後は、図7に示した受信装置5と同様の処理が行われ、情報シンボルが出力される。
【0275】
尚、判断部752は、逆拡散と空間ダイバーシチ合成の順番を制御しているがこれに限定されない。判断部は、逆拡散の処理に含まれる拡散符号が乗算されたサブキャリア毎の受信信号に対するサブキャリア重みの乗算と、拡散符号周期に渡る合成(逆拡散における合成)と、空間ダイバーシチ合成の処理に含まれるアンテナ毎の受信信号に対するアンテナ重みの乗算と、アンテナ間での合成(空間ダイバーシチ合成における合成)の各処理の順番を制御するようにしてもよい。
【0276】
(通信方法)
次に、図26に示した受信装置705を用いて受信信号を受信する場合について説明する。図27に示すように、受信装置705は、各アンテナ51〜51nが受信した受信信号7の電力及びフェージング相関係数をそれぞれ測定する(S601)。受信装置705は、受信信号7のフェージング相関係数の測定値と、逆拡散と空間ダイバーシチ合成の順番を決定する判断基準となるフェージング相関係数の閾値とを比較する(S602)。ステップ(S602)において、受信装置705は、受信信号7のフェージング相関係数の測定値が、フェージング相関係数の閾値を上回る場合には、空間ダイバーシチ合成後に逆拡散を行うと判断する。そして、受信装置705は、空間ダイバーシチ合成後に逆拡散を行う(S604)。
【0277】
一方、ステップ(S602)において、受信装置705は、受信信号7のフェージング相関係数の測定値が、フェージング相関係数の閾値以下の場合には、各アンテナ51〜51nが受信した受信信号7の電力の測定値と、電力の閾値とを比較する(S603)。ステップ(S603)において、受信装置705は、全てのアンテナ51〜51nの受信信号7の電力の測定値が、電力の閾値を下回る場合には、空間ダイバーシチ合成後に逆拡散を行うと判断する。そして、受信装置705は、空間ダイバーシチ合成後に逆拡散を行う(S604)。一方、ステップ(S603)において、受信装置705は、各アンテナ51〜51nの受信信号7の電力の測定値が1つでも電力の閾値以上の場合には、逆拡散後に空間ダイバーシチ合成を行うと判断する。そして、受信装置705は、逆拡散後に空間ダイバーシチ合成を行う(S605)。
【0278】
このような通信システム、受信装置705、通信方法によれば、判断部752が、受信信号状態測定部751が測定した受信信号7の状態に基づいて、逆拡散と空間ダイバーシチ合成の順番を制御する。そして、判断部752の制御に基づいて、構成切り替え部753が、ダイバーシチ合成後逆拡散部754と逆拡散後ダイバーシチ合成部755に、各アンテナ51〜51nの受信信号7を入力する。そして、ダイバーシチ合成後逆拡散部754と逆拡散後ダイバーシチ合成部755が、判断部752の制御に従った順番で、逆拡散と空間ダイバーシチ合成を行う。よって、受信装置705は、各アンテナ51〜51nの受信信号7の状態に応じて、その時の状況にあった適切な順番で逆拡散と空間ダイバーシチ合成を行うことができる。よって、受信装置705は、更に、信号伝送特性を向上させることができる。
【0279】
〔第7の実施の形態〕
次に、本発明の第7の実施の形態に係る通信システム及び通信方法について説明する。第7の実施の形態に係る通信システムは、受信装置として図28に示す受信装置805を備える。
【0280】
(受信装置)
図28に示すように、受信装置805は、複数のアンテナ51〜51nと、複数の信号処理部852〜852nと、重み制御部808と、複数のアンテナ重み乗算部553と、アンテナ信号合成部554と、直並列変換部56と、データ復調部57と、誤り訂正復号部58と、情報シンボル復元部59とを備える。又、信号処理部852〜852nは、シンボルタイミング同期部52aと、ガードインターバル除去部52bと、伝搬路状況推定部851と、時間周波数変換部52cと、拡散符号生成部52dと、複数の拡散符号乗算部52eと、複数のサブキャリア重み乗算部552f、複数のシンボル合成部552gと、信号電力対干渉電力比推定部852とを備える。
【0281】
複数のアンテナ51〜51nと、複数のアンテナ重み乗算部553と、アンテナ信号合成部554と、直並列変換部56と、データ復調部57と、誤り訂正復号部58と、情報シンボル復元部59と、シンボルタイミング同期部52aと、ガードインターバル除去部52bと、時間周波数変換部52cと、拡散符号生成部52dと、複数の拡散符号乗算部52eと、複数のサブキャリア重み乗算部552fと、シンボル合成部552gは、図18に示した受信装置505と実質的に同様である。そのため、図28では、同一の符号を付して説明を省略する。
【0282】
複数のアンテナ51〜51nが送信信号6を受信してから、ガードインターバル除去部52bが受信信号7からガードインターバルを除去するまでは、図18に示した受信装置505と同様の処理が行われる。
【0283】
伝搬路状況推定部851は、送信装置により送信された信号が伝搬した伝搬路状況、即ち、送信装置と受信装置805との間の伝搬路の状況を推定する。伝搬路状況推定部851は、伝搬路状況として、遅延スプレッド、パス数、最大ドップラー周波数等を推定する。伝搬路状況推定部851は、複数のアンテナ51〜51nの個数だけ設ける。受信装置805では、各アンテナ51〜51nに対応する信号処理部852〜852nが、各アンテナ51〜51nが受信した受信信号7が伝搬してきた伝搬路状況を推定する伝搬路状況推定部851を備える。伝搬路状況推定部851は、各アンテナ51〜51nが受信した受信信号7に基づいて、各アンテナ51〜51nが受信した受信信号7が伝搬してきた伝搬路状況を推定する。伝搬路状況推定部851は、伝搬路状況の推定値を、重み制御部808に入力する。又、伝搬路状況推定部851は、受信信号7を時間周波数変換部52cに入力する。
【0284】
時間周波数変換部52が、受信信号7をサブキャリア毎の受信信号7に分離してから、シンボル合成部552gが、サブキャリア毎の受信信号を拡散符号周期に渡って合成するまでは、図18に示した受信装置505と同様の処理が行われる。
【0285】
信号電力対干渉電力比推定部852は、受信信号7における干渉の状況を推定する干渉状況推定部である。信号電力対干渉電力比推定部852は、受信信号7における干渉状況として、受信信号7の信号電力対干渉電力比(SIR)を推定する。信号電力対干渉電力比推定部852は、シンボル合成部552gによって拡散符号周期に渡って合成された受信信号7の信号電力対干渉電力比を推定する。信号電力対干渉電力比推定部852は、複数のアンテナ51〜51nの個数だけ設ける。受信装置805では、各アンテナ51〜51nに対応する信号処理部852〜852nが、各アンテナ51〜51nが受信した受信信号7の信号電力対干渉電力比を推定する信号電力対干渉電力比推定部852を備える。
【0286】
信号電力対干渉電力比推定部852は、アンテナ51〜51nが受信した受信信号7に基づいて、アンテナ51〜51nが受信した受信信号7の信号電力対干渉電力比を推定する。信号電力対干渉電力比推定部852は、受信信号7の信号電力対干渉電力比の推定値を重み制御部808に入力する。又、信号電力対干渉電力比推定部852は、受信信号7をアンテナ重み乗算部553に入力する。
【0287】
重み制御部808は、アンテナ重み制御部881と、サブキャリア重み制御部882とを備える。重み制御部808は、アンテナ重み及びサブキャリア重みを、複数の情報チャネル#1〜#nの拡散符号が互いに直交するように調整する。重み制御部808は、好ましくは、複数の情報チャネル#1〜#nの拡散符号が互いに直交し、かつ、信号電力対雑音電力比が大きくなるようにアンテナ重み及びサブキャリア重みを調整する。重み制御部808は、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整して、アンテナ重みとサブキャリア重みとを個別に求める。
【0288】
重み制御部808は、伝搬路状況推定部851が推定した伝搬路状況の推定値に基づいて、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整する。又、重み制御部808は、信号電力対干渉電力比推定部852が推定した干渉状況の推定値である信号電力対干渉電力比の推定値に基づいて、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整する。
【0289】
まず、サブキャリア重み制御部882が、ORC、MRC、EGC、MMSEC等を用いてサブキャリア重みを決定する。サブキャリア重み制御部882としては、図11(d)や図12に示したサブキャリア重み制御部821〜828を用いることができる。尚、サブキャリア重み制御部882は、MMSECを用いてサブキャリア重みを決定することが好ましく、特に、図12(e)に示したサブキャリア重み制御部826を用いることが好ましい。
【0290】
次に、アンテナ重み制御部881が、伝搬路状況の推定値に基づいてアンテナ重みを決定する。具体的には、まず、アンテナ重み制御部881は、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整する判断基準となる伝搬路状況の閾値を制御する。アンテナ重み制御部881は、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整する判断基準となる伝搬路状況の閾値として、受信信号7に先に乗算したサブキャリア重みに対して、後で乗算するアンテナ重みが適切になるようにアンテナ重みを決定するための判断基準となる閾値を制御する。
【0291】
伝搬路状況の閾値は、伝搬路状況が良好でない場合には、等利得合成法又は最大比合成法を用いて決定されるアンテナ重みとなるように、伝搬路状況が良好な場合には、信号電力対干渉電力比の推定値に比例したアンテナ重みとなるように制御されることが好ましい。例えば、伝搬路状況として遅延スプレッドを推定した際には、遅延スプレッドの推定値が閾値より大きい場合には、等利得合成法又は最大比合成法を用いて決定されるアンテナ重みとなるように、遅延スプレッドの推定値が閾値以下の場合には、信号電力対干渉電力比の推定値に比例したアンテナ重みとなるように、伝搬路状況の閾値は制御される。
【0292】
又、アンテナ重み制御部881は、伝搬路状況の閾値を、受信信号7の変調方式、拡散符号周期、コード多重数又は他セル干渉の少なくとも1つに基づいて制御することが好ましい。アンテナ重み制御部881は、受信信号7から、その変調方式、拡散符号周期、コード多重数又は他セル干渉を取得する。他セル干渉とは、受信装置805が在圏するセル以外のセルからの受信装置805に対する干渉量をいう。
【0293】
アンテナ重み制御部881は、遅延スプレッドのように伝搬路状況を示すパラメータが小さいほど伝搬路状況が良好であることを示すパラメータを用いる場合には、伝搬路状況の閾値を、変調方式の多値数、拡散符号周期、コード多重数、他セル干渉が小さいほど下げ、変調方式の多値数、拡散符号周期、コード多重数、他セル干渉が大きいほど上げる。よって、例えば、変調方式がQPSKやBPSKのような多値数の小さい方式の場合には、伝搬路状況の閾値は下がる。一方、変調方式が16QAMや64QAMのような多値数の大きい方式の場合には、伝搬路状況の閾値は上がる。尚、反対に、伝搬路状況のパラメータが大きいほど伝搬路状況が良好であることを示す場合には、伝搬路状況の閾値を、変調方式の多値数、拡散符号周期、コード多重数、他セル干渉が小さいほど上げ、変調方式の多値数、拡散符号周期、コード多重数、他セル干渉が大きいほど下げる。
【0294】
このように、アンテナ重み制御部881が、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整する判断基準となる伝搬路状況の閾値を、変調方式、拡散符号周期、コード多重数、他セル干渉に基づいて制御することにより、変調方式、拡散符号周期、コード多重数、他セル干渉を考慮して、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整することができる。
【0295】
次に、アンテナ重み制御部881は、制御した伝搬路状況の閾値と、伝搬路状況推定部851から入力される各アンテナ51〜51nの受信信号7が伝搬してきた伝搬路状況の推定値とを比較する。アンテナ重み制御部881は、その比較結果に基づいてアンテナ重みを決定する。例えば、アンテナ重み制御部881は、アンテナ51〜51nの受信信号7の遅延スプレッドの推定値が閾値より大きい場合のように、伝搬路状況が良好でない場合には、等利得合成法又は最大比合成法を用いてアンテナ重みを決定する。例えば、アンテナ重み制御部881として、図9(b)、(c)に示したアンテナ重み制御部812,813を用いることができる。
【0296】
一方、アンテナ重み制御部881は、アンテナ51〜51nの受信信号7の遅延スプレッドの推定値が閾値以下の場合のように、伝搬路状況が良好な場合には、各アンテナ51〜51nの信号電力対干渉電力比の推定値に比例した各アンテナ51〜51nのアンテナ重みを決定する。アンテナ重み制御部881は、信号電力対干渉電力比推定部852から入力されたアンテナ51〜51n毎の信号電力対干渉電力比の推定値を用いて、各アンテナ51〜51nの信号電力対干渉電力比の推定値に比例する各アンテナ51〜51nのアンテナ重みを決定する。
【0297】
このように重み制御部808は、アンテナ重み制御部881が、サブキャリア重み制御部882が先に決定したサブキャリア重みが乗算された受信信号7に乗算するアンテナ重みを、伝搬路状況の推定値と、信号電力対干渉電力比等の干渉状況の推定値に基づいて調整する。これにより、重み制御部808は、伝搬路状況の推定値や干渉状況の推定値に基づいたアンテナ重み及びサブキャリア重みの調整を行うことができる。
【0298】
その後、アンテナ重み乗算部553が、拡散符号周期に渡って合成された各アンテナ51〜51nの受信信号7に、アンテナ重みを乗算する。アンテナ信号合成部554が、アンテナ重みが乗算された受信信号7をアンテナ51〜51n間で合成する。アンテナ信号合成部554によって、合成された受信信号7は、直並列変換部56に入力される。その後は、図18に示した受信装置505と同様の処理が行われ、情報シンボルが出力される。
【0299】
尚、受信装置805は、信号電力対干渉電力比推定部852に代えて、受信信号7における干渉状況として、受信信号7の希望波電力対干渉波電力比(CIR)や受信信号7の干渉電力を推定する干渉状況推定部を備えるようにしてもよい。この場合、アンテナ重み制御部881は、遅延スプレッドの推定値が閾値以下の場合のように伝搬路状況が良好なときには、各アンテナ51〜51nの希望波電力対干渉波電力比の推定値に比例したアンテナ重みや、干渉電力の逆数に比例したアンテナ重みを決定する。
【0300】
又、受信装置805では、逆拡散後に空間ダイバーシチ合成を行っているため、サブキャリア重みを先に決定している。受信装置が、空間ダイバーシチ合成後に逆拡散を行う場合には、アンテナ重み制御部が、アンテナ重みを先に決定する。そして、アンテナ信号合成部がアンテナ重みが乗算された受信信号7をアンテナ間で合成する。信号電力対干渉電力比推定部852は、アンテナ間で合成された受信信号7の信号電力対干渉電力比を推定する。そして、サブキャリア重み制御部が、アンテナ重みが乗算された受信信号7に乗算するサブキャリア重みを、伝搬路状況の推定値や信号電力対干渉電力比の推定値に基づいて調整する。
【0301】
又、信号電力対干渉電力比推定部852は、シンボル合成部552gによって拡散符号周期に渡って合成された受信信号7の信号電力対干渉電力比ではなく、シンボル合成部552gによって拡散符号周期に渡って合成される前のサブキャリア毎の受信信号7の信号電力対干渉電力比を推定するようにしてもよい。あるいは、信号電力対干渉電力比推定部852は、シンボル合成部552gによって拡散符号周期に渡って合成された後の受信信号7と、合成される前のサブキャリア毎の受信信号7の信号電力対干渉電力比を推定してもよい。そして、重み制御部808は、合成前後の信号電力対干渉電力比の推定値を比較し、精度の高い信号電力対干渉電力比の推定値を用いてアンテナ重み及びサブキャリア重みを制御するようにしてもよい。
【0302】
又、受信装置805では、アンテナ重み制御部881が、アンテナ重み情報として、受信信号7の変調方式、拡散符号周期、コード多重数、他セル干渉、伝搬路状況の推定値、干渉状況の推定値を取得する。又、アンテナ重み制御部881が、等利得合成法や最大比合成法を用いてアンテナ重みを決定する場合には、図18に示した受信装置505と同様に、シンボル合成部552gによって拡散符号周期に渡って合成されたアンテナ毎の受信信号7から、アンテナ重み情報を取得する。尚、サブキャリア重み制御部882は、図18に示した受信装置505と同様にして、サブキャリア重み情報を取得することができる。
【0303】
(通信方法)
次に、図28に示した受信装置805を用いて受信信号を受信する場合について説明する。図29に示すように、受信装置805は、各アンテナ51〜51nがマルチキャリアCDMA信号である送信信号6を受信する(S701)。次に、受信装置805は、各アンテナ51〜51nが受信した受信信号7に基づいて、各アンテナ51〜51nが受信した受信信号7が伝搬してきた伝搬路状況として、遅延スプレッドを推定する(S702)。次に、受信装置805は、各アンテナ51〜51nが受信した受信信号7について、雑音電力の推定値、コード多重数の推定値、サブキャリア毎のチャネル推定値を推定する。そして、受信装置805は、MMSECを用いてサブキャリア重みを決定する(S703)。
【0304】
受信装置805は、決定したサブキャリア重みを、アンテナ51〜51nが受信したサブキャリア毎の受信信号7に乗算する。そして、受信装置805は、拡散符号周期に渡って受信信号7を合成する(S704)。受信装置805は、拡散符号周期に渡って合成された受信信号7の信号電力対干渉電力比を推定する(S705)。受信装置805は、推定した遅延スプレッド及び信号電力対干渉電力比を用いて、各アンテナ51〜51nのアンテナ重みを決定する(S706)。具体的には、受信装置805は、遅延スプレッドの推定値と遅延スプレッドの閾値とを比較する。受信装置805は、遅延スプレッドの推定値が閾値より大きい場合には、等利得合成法又は最大比合成法を用いてアンテナ重みを決定する。一方、受信装置805は、遅延スプレッドの推定値が閾値以下の場合には、各アンテナ51〜51nの受信信号7の信号電力対干渉電力比の推定値に比例したアンテナ重みを決定する。最後に、受信装置805は、決定したアンテナ重みを、拡散符号周期に渡って合成されたアンテナ51〜51n毎の受信信号7に乗算し、アンテナ51〜51n間で合成する(S707)。合成された受信信号7は、直並列変換部56に入力される。
【0305】
このような通信システム、受信装置805、通信方法によれば、図1、図7、図14に示した通信システム1、受信装置5、通信方法とほぼ同様の効果を得ることができる。更に、伝搬路状況推定部851が伝搬路状況を推定する。信号電力対干渉電力比推定部852が受信信号7の信号電力対干渉電力比等の干渉状況を推定する。そして、重み制御部808は、伝搬路状況の推定値や干渉状況の推定値に基づいて、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整する。よって、受信装置805は、伝搬路状況や受信信号7の干渉状況に応じて、適切にアンテナ重み及びサブキャリア重みを決定することができる。そのため、受信装置805は、更に、信号伝送特性を向上させることができる。又、このような伝搬路状況の推定値や干渉状況の推定値に基づいて、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整する受信装置805は、比較的簡単な構成で実現でき、制御も簡単であり、制御遅延も小さい。
【0306】
〔第8の実施の形態〕
次に、本発明の第8の実施の形態に係る通信システム及び通信方法について説明する。第8の実施の形態に係る通信システムは、受信装置として図30に示す受信装置905を備える。
【0307】
(受信装置)
図30に示すように、受信装置905は、複数のアンテナ51〜51nと、複数の信号処理部952〜952nと、重み制御部908と、複数のアンテナ重み乗算部553と、アンテナ信号合成部554と、直並列変換部56と、データ復調部57と、誤り訂正復号部58と、情報シンボル復元部59とを備える。又、信号処理部952〜952nは、シンボルタイミング同期部52aと、ガードインターバル除去部52bと、時間周波数変換部52cと、拡散符号生成部52dと、複数の拡散符号乗算部52eと、複数のサブキャリア重み乗算部552f、複数のシンボル合成部552gと、信号電力対干渉電力比推定部852とを備える。
【0308】
複数のアンテナ51〜51nと、複数のアンテナ重み乗算部553と、アンテナ信号合成部554と、直並列変換部56と、データ復調部57と、誤り訂正復号部58と、情報シンボル復元部59と、シンボルタイミング同期部52aと、ガードインターバル除去部52bと、時間周波数変換部52cと、拡散符号生成部52dと、複数の拡散符号乗算部52eと、複数のサブキャリア重み乗算部552fと、シンボル合成部552gは、図18に示した受信装置505と実質的に同様である。又、信号電力対干渉電力比推定部852は、図28に示した受信装置805と実質的に同様である。そのため、図30では、同一の符号を付して説明を省略する。
【0309】
複数のアンテナ51〜51nが送信信号6を受信してから、シンボル合成部552gが、受信信号7を拡散符号周期に渡って合成するまでは、図18に示した受信装置505と同様の処理が行われる。次に、信号電力対干渉電力比推定部852が、シンボル合成部552gによって拡散符号周期に渡って合成された受信信号7の信号電力対干渉電力比を推定する。信号電力対干渉電力比推定部852は、受信信号7の信号電力対干渉電力比の推定値を重み制御部908に入力する。又、信号電力対干渉電力比推定部852は、受信信号7をアンテナ重み乗算部553に入力する。
【0310】
重み制御部908は、アンテナ重み制御部981と、サブキャリア重み制御部982とを備える。重み制御部908は、アンテナ重み及びサブキャリア重みを、複数の情報チャネル#1〜#nの拡散符号が互いに直交するように調整する。重み制御部908は、好ましくは、複数の情報チャネル#1〜#nの拡散符号が互いに直交し、かつ、信号電力対雑音電力比が大きくなるようにアンテナ重み及びサブキャリア重みを調整する。重み制御部908は、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整して、アンテナ重みとサブキャリア重みとを個別に求める。
【0311】
重み制御部908は、信号電力対干渉電力比推定部852が推定した信号電力対干渉電力比の推定値に基づいて、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整する。まず、サブキャリア重み制御部982が、ORC、MRC、EGC、MMSEC等を用いてサブキャリア重みを決定する。サブキャリア重み制御部982としては、図11(d)や図12に示したサブキャリア重み制御部821〜828を用いることができる。尚、サブキャリア重み制御部982は、MMSECを用いてサブキャリア重みを決定することが好ましく、特に、図12(e)に示したサブキャリア重み制御部826を用いることが好ましい。
【0312】
次に、アンテナ重み制御部981が、信号電力対干渉電力比の推定値に基づいてアンテナ重みを決定する。具体的には、まず、アンテナ重み制御部981は、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整する判断基準となるアンテナ間の信号電力対干渉電力比の差の閾値を制御する。アンテナ重み制御部981は、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整する判断基準となるアンテナ間の信号電力対干渉電力比の差の閾値として、受信信号7に先に乗算したサブキャリア重みに対して、後で乗算するアンテナ重みが適切になるようにアンテナ重みを決定するための判断基準となる閾値を制御する。
【0313】
アンテナ間の信号電力対干渉電力比の差の閾値は、アンテナ間の信号電力対干渉電力比の差が小さい場合には、等利得合成法又は最大比合成法を用いたアンテナ重みとなるように、アンテナ間の信号電力対干渉電力比の差が大きい場合には、信号電力対干渉電力比に比例したアンテナ重みとなるように制御されることが好ましい。
【0314】
又、アンテナ重み制御部981は、アンテナ間の信号電力対干渉電力比の差の閾値を、受信信号7の変調方式、拡散符号周期、コード多重数又は他セル干渉の少なくとも1つに基づいて制御することが好ましい。アンテナ重み制御部981は、受信信号7から、その変調方式、拡散符号周期、コード多重数又は他セル干渉を取得する。アンテナ重み制御部981は、アンテナ間の信号電力対干渉電力比の差の閾値を、変調方式の多値数、拡散符号周期、コード多重数、他セル干渉が小さいほど下げ、変調方式の多値数、拡散符号周期、コード多重数、他セル干渉が大きいほど上げる。
【0315】
このように、アンテナ重み制御部981が、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整する判断基準となるアンテナ間の信号電力対干渉電力比の差の閾値を、変調方式、拡散符号周期、コード多重数、他セル干渉に基づいて制御することにより、変調方式、拡散符号周期、コード多重数、他セル干渉を考慮して、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整することができる。
【0316】
次に、アンテナ重み制御部981は、信号電力対干渉電力比推定部852から入力されるアンテナ51〜51n毎の信号電力対干渉電力比の推定値に基づいて、アンテナ51〜51n間の信号電力対干渉電力比の差を算出する。例えば、アンテナ重み制御部981は、アンテナ51〜51nの信号電力対干渉電力比の推定値の最大値と最小値の差を算出する。次に、アンテナ重み制御部981は、制御したアンテナ間の信号電力対干渉電力比の差の閾値と、算出したアンテナ51〜51n間の信号電力対干渉電力比の推定値の差とを比較する。アンテナ重み制御部881は、その比較結果に基づいてアンテナ重みを決定する。
【0317】
アンテナ重み制御部981は、算出したアンテナ51〜51n間の信号電力対干渉電力比の推定値の差が、アンテナ間の信号電力対干渉電力比の差の閾値以下の場合には、等利得合成法又は最大比合成法を用いてアンテナ重みを決定する。一方、アンテナ重み制御部981は、算出したアンテナ51〜51n間の信号電力対干渉電力比の推定値の差が、アンテナ間の信号電力対干渉電力比の差の閾値を越える場合には、各アンテナ51〜51nの信号電力対干渉電力比の推定値に比例した各アンテナ51〜51nのアンテナ重みを決定する。
【0318】
例えば、アンテナ重み制御部981は、算出したアンテナ51〜51n間の信号電力対干渉電力比の推定値の最大値と最小値の差が、アンテナ51〜51n間の信号電力対干渉電力比の差の閾値以下の場合には、等利得合成法又は最大比合成法を用いてアンテナ重みを決定する。例えば、アンテナ重み制御部981として、図9(b)、(c)に示したアンテナ重み制御部812,813を用いることができる。一方、アンテナ重み制御部981は、算出したアンテナ51〜51n間の信号電力対干渉電力比の推定値の最大値と最小値の差が、アンテナ間の信号電力対干渉電力比の差の閾値を越える場合には、各アンテナ51〜51nの信号電力対干渉電力比の推定値に比例した各アンテナ51〜51nのアンテナ重みを決定する。
【0319】
このように重み制御部908は、アンテナ重み制御部981が、サブキャリア重み制御部982が先に決定したサブキャリア重みが乗算された受信信号7に乗算するアンテナ重みを、信号電力対干渉電力比の推定値に基づいて調整する。これにより、重み制御部908は、信号電力対干渉電力比の推定値に基づいたアンテナ重み及びサブキャリア重みの調整を行うことができる。
【0320】
その後、アンテナ重み乗算部553が、拡散符号周期に渡って合成されたアンテナ51〜51n毎の受信信号7にアンテナ重みを乗算する。アンテナ信号合成部554が、アンテナ重みが乗算された受信信号7をアンテナ51〜51n間で合成する。アンテナ信号合成部554によって、合成された受信信号7は、直並列変換部56に入力される。その後は、図18に示した受信装置505と同様の処理が行われ、情報シンボルが出力される。
【0321】
尚、受信装置905は、信号電力対干渉電力比推定部852に代えて、受信信号7における干渉状況として、受信信号7の希望波電力対干渉波電力比(CIR)や受信信号7の干渉電力を推定する干渉状況推定部を備えるようにしてもよい。この場合、アンテナ重み制御部981は、アンテナ51〜51n間の希望波電力対干渉波電力比の差や、干渉電力の差を算出する。そして、アンテナ重み制御部981は、算出したアンテナ51〜51n間の希望波電力対干渉波電力比の差や干渉電力の差が、アンテナ間の希望波電力対干渉波電力比の差の閾値や、アンテナ間の干渉電力の差の閾値以下の場合には、等利得合成法又は最大比合成法を用いてアンテナ重みを決定する。一方、アンテナ重み制御部981は、算出したアンテナ51〜51n間の希望波電力対干渉波電力比の差や干渉電力の差が、アンテナ間の希望波電力対干渉波電力比の差の閾値や、アンテナ間の干渉電力の差の閾値を越える場合には、希望波電力対干渉波電力比の推定値に比例したアンテナ重みや、干渉電力の逆数に比例したアンテナ重みを決定する。
【0322】
又、受信装置905では、逆拡散後に空間ダイバーシチ合成を行っているため、サブキャリア重みを先に決定している。受信装置が、空間ダイバーシチ合成後に逆拡散を行う場合には、アンテナ重み制御部が、アンテナ重みを先に決定する。そして、アンテナ信号合成部がアンテナ重みが乗算された受信信号7をアンテナ間で合成する。信号電力対干渉電力比推定部は、アンテナ間で合成された受信信号7の信号電力対干渉電力比を推定する。そして、サブキャリア重み制御部が、アンテナ重みが乗算された受信信号7に乗算するサブキャリア重みを、信号電力対干渉電力比の推定値に基づいて調整する。
【0323】
又、受信装置905では、アンテナ重み制御部981が、アンテナ重み情報として、受信信号7の変調方式、拡散符号周期、コード多重数、他セル干渉、干渉状況の推定値を取得する。又、アンテナ重み制御部981が、等利得合成法や最大比合成法を用いてアンテナ重みを決定する場合には、図18に示した受信装置505と同様に、シンボル合成部552gによって拡散符号周期に渡って合成されたアンテナ毎の受信信号7から、アンテナ重み情報を取得する。尚、サブキャリア重み制御部982は、図18に示した受信装置505と同様にして、サブキャリア重み情報を取得することができる。
【0324】
(通信方法)
次に、図30に示した受信装置905を用いて受信信号を受信する場合について説明する。図31に示すように、受信装置905は、ステップ(S801)〜(S804)を行う。ステップ(S801)〜(S804)は、図29に示したステップ(S701)、(S703)〜(S705)と実質的に同様である。
【0325】
次に、受信装置905は、推定した信号電力対干渉電力比の推定値を用いて、各アンテナ51〜51nのアンテナ重みを決定する(S805)。具体的には、受信装置905は、アンテナ間の信号電力対干渉電力比の差の閾値と、アンテナ51〜51n間の信号電力対干渉電力比の推定値の差とを比較する。受信装置905は、アンテナ間の信号電力対干渉電力比の推定値の差が閾値以下の場合には、等利得合成法又は最大比合成法を用いてアンテナ重みを決定する。一方、受信装置905は、アンテナ間の信号電力対干渉電力比の推定値の差が閾値を越える場合には、各アンテナ51〜51nの受信信号7の信号電力対干渉電力比の推定値に比例した各アンテナ51〜51nのアンテナ重みを決定する。最後に、受信装置905は、決定したアンテナ重みを、拡散符号周期に渡って合成されたアンテナ51〜51n毎の受信信号7に乗算し、アンテナ51〜51n間で合成する(S806)。
【0326】
このような通信システム、受信装置905、通信方法によれば、図1、図7、図14に示した通信システム1、受信装置5、通信方法とほぼ同様の効果を得ることができる。更に、信号電力対干渉電力比推定部852が受信信号7の信号電力対干渉電力比を推定する。そして、重み制御部908は、信号電力対干渉電力比の推定値に基づいて、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整する。よって、受信装置905は、受信信号7の干渉状況に応じて、適切にアンテナ重み及びサブキャリア重みを決定することができる。そのため、受信装置805は、更に、信号伝送特性を向上させることができる。しかも受信装置905は、拡散符号周期に渡って合成された受信信号7の信号電力対干渉電力比の推定値を用いて、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整するため、精度良く調整することができる。又、このような干渉状況の推定値に基づいて、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整する受信装置905は、比較的簡単な構成で実現でき、制御も簡単であり、制御遅延も小さい。
【0327】
〔第9の実施の形態〕
次に、本発明の第9の実施の形態に係る通信システム及び通信方法について説明する。第9の実施の形態に係る通信システムは、受信装置として図32に示す受信装置105を備える。
【0328】
(受信装置)
図32に示すように、受信装置105は、複数のアンテナ51〜51nと、複数の信号処理部952〜952nと、重み制御部108と、複数のアンテナ重み乗算部553と、アンテナ信号合成部554と、直並列変換部56と、データ復調部57と、誤り訂正復号部58と、情報シンボル復元部59と、受信品質測定部151とを備える。又、信号処理部152〜152nは、シンボルタイミング同期部52aと、ガードインターバル除去部52bと、時間周波数変換部52cと、拡散符号生成部52dと、複数の拡散符号乗算部52eと、複数のサブキャリア重み乗算部552f、複数のシンボル合成部552gと、信号電力対干渉電力比推定部852とを備える。
【0329】
複数のアンテナ51〜51nと、複数のアンテナ重み乗算部553と、アンテナ信号合成部554と、直並列変換部56と、データ復調部57と、誤り訂正復号部58と、情報シンボル復元部59と、シンボルタイミング同期部52aと、ガードインターバル除去部52bと、時間周波数変換部52cと、拡散符号生成部52dと、複数の拡散符号乗算部52eと、複数のサブキャリア重み乗算部552fと、シンボル合成部552gは、図18に示した受信装置505と実質的に同様である。又、信号電力対干渉電力比推定部852は、図28に示した受信装置805と実質的に同様である。そのため、図32では、同一の符号を付して説明を省略する。
【0330】
複数のアンテナ51〜51nが送信信号6を受信してから、シンボル合成部552gが、受信信号7を拡散符号周期に渡って合成するまでは、図18に示した受信装置505と同様の処理が行われる。次に、信号電力対干渉電力比推定部852が、シンボル合成部552gによって拡散符号周期に渡って合成された受信信号7の信号電力対干渉電力比を推定し、受信信号7の信号電力対干渉電力比の推定値を重み制御部108に入力する。又、信号電力対干渉電力比推定部852は、受信信号7をアンテナ重み乗算部553に入力する。
【0331】
その後、アンテナ重み乗算部553が、拡散符号周期に渡って合成されたアンテナ51〜51n毎の受信信号7にアンテナ重みを乗算する。アンテナ信号合成部554が、アンテナ重みが乗算された受信信号7をアンテナ51〜51n間で合成する。アンテナ信号合成部554によって、合成された受信信号7は、直並列変換部56に入力される。その後、情報シンボル復元部59までは、図18に示した受信装置505と同様の処理が行われる。情報シンボル復元部59は、誤り訂正復号処理が行われた情報シンボルを出力装置に出力可能な状態に復元し、受信品質測定部151に入力する。
【0332】
受信品質測定部151は、受信信号7から復元した情報シンボルの受信品質を測定する。受信品質測定部151は、情報シンボルの受信品質として、情報シンボルのビット誤り率(BER:Bit Error Rate)やフレーム誤り率(FER:Flame Error Rate)を測定する。受信品質測定部151は、情報シンボルの測定値を重み制御部108に入力する。又、受信品質測定部151は、情報シンボルを出力する。
【0333】
重み制御部108は、アンテナ重み制御部181と、サブキャリア重み制御部182とを備える。重み制御部108は、アンテナ重み及びサブキャリア重みを、複数の情報チャネル#1〜#nの拡散符号が互いに直交するように調整する。重み制御部108は、好ましくは、複数の情報チャネル#1〜#nの拡散符号が互いに直交し、かつ、信号電力対雑音電力比が大きくなるようにアンテナ重み及びサブキャリア重みを調整する。重み制御部108は、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整して、アンテナ重みとサブキャリア重みとを個別に求める。
【0334】
重み制御部108は、受信品質測定部151が測定した受信品質の測定値に基づいて、アンテナ重み及び前記サブキャリア重みを調整する。又、重み制御部108は、信号電力対干渉電力比推定部852が推定した信号電力対干渉電力比の推定値に基づいて、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整する。
【0335】
まず、サブキャリア重み制御部182が、ORC、MRC、EGC、MMSEC等を用いてサブキャリア重みを決定する。サブキャリア重み制御部182としては、図11(d)や図12に示したサブキャリア重み制御部821〜828を用いることができる。尚、サブキャリア重み制御部182は、MMSECを用いてサブキャリア重みを決定することが好ましく、特に、図12に示したサブキャリア重み制御部826を用いることが好ましい。
【0336】
次に、アンテナ重み制御部181が、受信品質の測定値に基づいてアンテナ重みを決定する。具体的には、まず、アンテナ重み制御部181は、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整する判断基準となる受信品質の変動量の閾値を制御する。アンテナ重み制御部181は、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整する判断基準となる受信品質の変動量の閾値として、受信信号7に先に乗算したサブキャリア重みに対して、後で乗算するアンテナ重みが適切になるようにアンテナ重みを決定するための判断基準となる閾値を制御する。
【0337】
受信品質の変動量の閾値は、受信品質の増加量が大きいほど受信品質が悪化していることを示す場合には、受信品質の増加量が大きいときには、前回決定したアンテナ重みと異なるアンテナ重みを決定することができるように、受信品質の増加量が小さいときには、前回決定したアンテナ重みと同じアンテナ重みを決定することができるように、制御されることが好ましい。例えば、受信品質としてビット誤り率やフレーム誤り率を測定した場合には、ビット誤り率やフレーム誤り率の増加量が閾値より大きいときには、前回決定したアンテナ重みと異なるアンテナ重みを決定することができるように、ビット誤り率やフレーム誤り率の増加量が閾値以下のときには、前回決定したアンテナ重みと同じアンテナ重みを決定することができるように制御される。反対に、受信品質の変動量の閾値は、受信品質の減少量が大きいほど、受信品質が悪化していることを示す場合には、受信品質の減少量が大きいときには、前回決定したアンテナ重みと異なるアンテナ重みを決定することができるように、受信品質の減少量が小さいときには、前回決定したアンテナ重みと同じアンテナ重みを決定することができるように、制御されることが好ましい。
【0338】
又、アンテナ重み制御部181は、受信品質の変動量の閾値を、受信信号7の変調方式、拡散符号周期、コード多重数又は他セル干渉の少なくとも1つに基づいて制御することが好ましい。アンテナ重み制御部181は、受信信号7から、その変調方式、拡散符号周期、コード多重数又は他セル干渉を取得する。アンテナ重み制御部181は、ビット誤り率やフレーム誤り率のように受信品質の増加量が大きいほど、受信品質が悪化していることを示す場合には、受信品質の増加量の閾値を、変調方式の多値数、拡散符号周期、コード多重数、他セル干渉が小さいほど下げ、変調方式の多値数、拡散符号周期、コード多重数、他セル干渉が大きいほど上げる。反対に、受信品質の減少量が大きいほど、受信品質が悪化していることを示す場合には、アンテナ重み制御部181は、受信品質の減少量の閾値を、変調方式の多値数、拡散符号周期、コード多重数、他セル干渉が小さいほど下げ、変調方式の多値数、拡散符号周期、コード多重数、他セル干渉が大きいほど上げる。
【0339】
このように、アンテナ重み制御部181が、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整する判断基準となる受信品質の変動量の閾値を、変調方式、拡散符号周期、コード多重数、他セル干渉に基づいて制御することにより、変調方式、拡散符号周期、コード多重数、他セル干渉を考慮して、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整することができる。又、アンテナ重み制御部181は、前回決定したアンテナ重みを維持するかを判断する受信品質の基準値を保持する。受信品質の基準値は、例えば、要求される受信品質に基づいて設定できる。
【0340】
次に、アンテナ重み制御部181は、受信品質の基準値と、受信品質測定部151から入力される情報シンボルの受信品質の測定値とを比較する。アンテナ重み制御部181は、受信品質の測定値が受信品質の基準値を満たす場合には、アンテナ重みは、前回決定したアンテナ重みと同じアンテナ重みと決定する。一方、アンテナ重み制御部181は、受信品質の測定値が受信品質の基準値を満たさない場合には、受信品質の測定値の変動量を算出する。アンテナ重み制御部181は、前回の受信品質の測定値を保持しておき、新たに受信品質測定部151から入力された受信品質の測定値との差を算出する。
【0341】
次に、アンテナ重み制御部181は、制御した受信品質の変動量の閾値と、算出した受信品質の測定値の変動量とを比較する。アンテナ重み制御部181は、比較結果に基づいてアンテナ重みを決定する。アンテナ重み制御部181は、ビット誤り率やフレーム誤り率等の受信品質の測定値の増加量が、受信品質の変動量の閾値よりも大きい場合には、前回決定したアンテナ重みと異なるアンテナ重みを決定する。例えば、前回、等利得合成法又は最大比合成法を用いてアンテナ重みを決定した場合には、アンテナ重み制御部181は、信号電力対干渉電力比推定部852から入力された各アンテナ51〜51nの信号電力対干渉電力比の推定値を用いて、信号電力対干渉電力比の推定値に比例するアンテナ重みを決定する。又、前回、信号電力対干渉電力比の推定値に比例するアンテナ重みを決定した場合には、アンテナ重み制御部181は、等利得合成法又は最大比合成法を用いてアンテナ重みを決定する。
【0342】
一方、アンテナ重み制御部181は、ビット誤り率やフレーム誤り率等の受信品質の測定値の増加量が、受信品質の変動量の閾値以下の場合には、前回決定したアンテナ重みと同じアンテナ重みを決定する。例えば、前回、等利得合成法又は最大比合成法を用いてアンテナ重みを決定した場合には、アンテナ重み制御部181は、等利得合成法又は最大比合成法を用いてアンテナ重みを決定する。又、前回、信号電力対干渉電力比の推定値に比例するアンテナ重みを決定した場合には、アンテナ重み制御部181は、信号電力対干渉電力比推定部852から入力された各アンテナ51〜51nの信号電力対干渉電力比の推定値を用いて、信号電力対干渉電力比の推定値に比例するアンテナ重みを決定する。
【0343】
このように重み制御部108は、アンテナ重み制御部181が、サブキャリア重み制御部182が先に決定したサブキャリア重みが乗算された受信信号7に乗算するアンテナ重みを、情報シンボルの受信品質の測定値や信号電力対干渉電力比の推定値に基づいて調整する。これにより、重み制御部108は、情報シンボルの受信品質の測定値や信号電力対干渉電力比の推定値に基づいたアンテナ重み及びサブキャリア重みの調整を行うことができる。
【0344】
尚、受信装置105は、信号電力対干渉電力比推定部852に代えて、受信信号7における干渉状況として、受信信号7の希望波電力対干渉波電力比や受信信号7の干渉電力を推定する干渉状況推定部を備えるようにしてもよい。この場合、アンテナ重み制御部181は、希望波電力対干渉波電力比の推定値に比例したアンテナ重みや、干渉電力の逆数に比例したアンテナ重みを決定する。
【0345】
又、受信装置105では、逆拡散後に空間ダイバーシチ合成を行っているため、サブキャリア重みを先に決定している。受信装置が、空間ダイバーシチ合成後に逆拡散を行う場合には、アンテナ重み制御部が、アンテナ重みを先に決定する。そして、アンテナ信号合成部がアンテナ重みが乗算された受信信号7をアンテナ間で合成する。信号電力対干渉電力比推定部852は、アンテナ間で合成された受信信号7の信号電力対干渉電力比を推定する。そして、サブキャリア重み制御部が、アンテナ重みが乗算された受信信号7に乗算するサブキャリア重みを、情報シンボルの受信品質の測定値や信号電力対干渉電力比の推定値に基づいて調整する。
【0346】
又、受信装置105では、アンテナ重み制御部181が、アンテナ重み情報として、受信信号7の変調方式、拡散符号周期、コード多重数、他セル干渉、干渉状況の推定値、情報シンボルの受信品質を取得する。又、アンテナ重み制御部181が、等利得合成法や最大比合成法を用いてアンテナ重みを決定する場合には、図18に示した受信装置505と同様に、シンボル合成部552gによって拡散符号周期に渡って合成されたアンテナ毎の受信信号7から、アンテナ重み情報を取得する。尚、サブキャリア重み制御部182は、図18に示した受信装置505と同様にして、サブキャリア重み情報を取得することができる。
【0347】
(通信方法)
次に、図32に示した受信装置105を用いて受信信号を受信する場合について説明する。図33に示すように、受信装置105は、ステップ(S901)〜(S904)を行う。ステップ(S901)〜(S904)は、図31に示したステップ(S801)〜(S804)と実質的に同様である。
【0348】
次に、受信装置105は、情報シンボルのビット誤り率やフレーム誤り率等の受信品質の測定値及び信号電力対干渉電力比の推定値を用いて、アンテナ51〜51n毎のアンテナ重みを決定する(S905)。具体的には、受信装置105は、受信品質の基準値と、情報シンボルの受信品質の測定値とを比較する。受信装置105は、受信品質の測定値が受信品質の基準値を満たす場合には、アンテナ重みを、前回決定したアンテナ重みと同じアンテナ重みと決定する。一方、受信装置105は、受信品質の測定値が受信品質の基準値を満たさない場合には、受信品質の変動量の閾値と、受信品質の測定値の変動量とを比較する。
【0349】
受信装置105は、ビット誤り率やフレーム誤り率等の受信品質の測定値の増加量が、受信品質の変動量の閾値よりも大きい場合には、前回決定したアンテナ重みと異なるアンテナ重みを決定する。一方、アンテナ重み制御部181は、ビット誤り率やフレーム誤り率等の受信品質の測定値の増加量が、受信品質の変動量の閾値以下の場合には、前回決定したアンテナ重みと同じアンテナ重みを決定する。
【0350】
そして、受信装置105は、決定したアンテナ重みを、拡散符号周期に渡って合成されたアンテナ51〜51n毎の受信信号7に乗算し、アンテナ51〜51n間で合成する(S906)。最後に、受信装置105は、逆拡散により復元された情報シンボルの受信品質を測定する(S907)。ステップ(S907)において測定した受信品質の測定値は、ステップ(S905)において、次回のアンテナ重みを決定する際に用いられる。
【0351】
このような通信システム、受信装置105、通信方法によれば、図1、図7、図14に示した通信システム1、受信装置5、通信方法とほぼ同様の効果を得ることができる。更に、受信品質測定部151が、復元した情報シンボルの受信品質を測定する。又、信号電力対干渉電力比推定部852が受信信号7の信号電力対干渉電力比を推定する。そして、重み制御部108は、情報シンボルの受信品質の測定値及び信号電力対干渉電力比の推定値に基づいて、アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整する。よって、受信装置105は、情報シンボルの受信品質や、受信信号7の信号電力対干渉電力比のような干渉状況に応じて、適切にアンテナ重み及びサブキャリア重みを決定することができる。特に、受信装置105は、復元した情報シンボルの受信品質をアンテナ重み及びサブキャリア重みにフィードバックさせることができる。そのため、受信装置805は、更に、信号伝送特性を向上させることができる。
【0352】
〔第10の実施の形態〕
次に、図7、図18に示した受信装置5,505を用いて行ったシミュレーションについて説明する。シミュレーションは、図7に示した受信装置5を用いて、空間ダイバーシチ合成後に逆拡散を行う。空間ダイバーシチ合成を最大比合成法(以下「MRC」と示す)により行い、逆拡散をMMSEC、EGC、ORCの3通り行う(以下、それぞれ、MRC(ダイバーシチ)/MMSEC(逆拡散)、MRC(ダイバーシチ)/EGC(逆拡散)、MRC(ダイバーシチ)/ORC(逆拡散)と示す)。又、空間ダイバーシチ合成を等利得合成法(以下「EGC」と表す)により行い、逆拡散をMMSEC、EGCの2通り行う(以下、それぞれ、EGC(ダイバーシチ)/MMSEC(逆拡散)、EGC(ダイバーシチ)/EGC(逆拡散)と示す)。又、シミュレーションは、図18に示した受信装置505を用いて、逆拡散後に空間ダイバーシチ合成を行う。逆拡散をMMSECにより行い、空間ダイバーシチ合成をEGCにより行う(以下、MMSEC(逆拡散)/EGC(ダイバーシチ)と示す)。又、比較のために単に、MMSEC、EGCを用いて逆拡散を行う。シミュレーションの条件は、拡散率SF=32、総パス数L=24、遅延スプレッドσ=0.29(μsec)とする。
【0353】
図34に、コード多重数Cmux=8としたときの平均受信Eb/N0(1情報ビットあたりの信号電力対雑音電力密度比)に対する平均パケット誤り率特性を示す。図34に示すように、図18に示した受信装置505を用いて、逆拡散をMMSECにより行い、その後に空間ダイバーシチ合成をEGCにより行うMMSEC(逆拡散)/EGC(ダイバーシチ)が最も良好な特性を実現できる。このように、受信装置505によれば、アンテナ毎にMMSECを用いた逆拡散を適用することで、拡散符号の直交性の崩れに起因したコード間干渉をアンテナ毎に独立に低減できる。又、後段の空間ダイバーシチ合成では、アンテナ間のコード間干渉の違いを反映した合成が実現できる。
【0354】
又、単にMMSEC、EGCにより逆拡散を行う場合に比べて、MRC(ダイバーシチ)/MMSEC(逆拡散)、MRC(ダイバーシチ)/EGC(逆拡散)、MRC(ダイバーシチ)/ORC(逆拡散)、EGC(ダイバーシチ)/MMSEC(逆拡散)、EGC(ダイバーシチ)/EGC(逆拡散)いずれの場合にも、良好な特性を示す。
【0355】
次に、図35に、コード多重数Cmuxに対する平均パケット誤り率=10−2を満たす各アンテナ当たりの所要平均受信Eb/N0特性を示す。図35に示すように、図18に示した受信装置505を用いて、逆拡散をMMSECにより行い、その後に空間ダイバーシチ合成をEGCにより行うMMSEC(逆拡散)/EGC(ダイバーシチ)では、遅延スプレッドが大きい場合であっても、コード多重数に依らずに優れた特性を実現できる。又、空間ダイバーシチ合成後に逆拡散を行うEGC(ダイバーシチ)/EGC(逆拡散)、EGC(ダイバーシチ)/MMSEC(逆拡散)も比較的良好な特性を示す。
【0356】
又、コード多重数が少ないCmux<8の領域では、図7に示した受信装置5を用いて、空間ダイバーシチ合成後に逆拡散を行うMRC(ダイバーシチ)/EGC(逆拡散)が良好な特性を示す。このように、受信装置5を用いる場合、コード間干渉の影響が小さい領域では、ダイバーシチ利得の大きいMRCをダイバーシチ合成に用い、逆拡散には、MRCによるサブキャリア毎の雑音電力の変動を考慮する必要のないEGCを用いることが好ましい。
【0357】
更に、図36に、拡散率に対する平均パケット誤り率=10−2を満たす所要平均受信Eb/N0特性を示す。図36には、拡散率で正規化したコード多重数Cmux/SF=0.25の場合の特性を示す。図36に示すように、図18に示した受信装置505を用いて、逆拡散をMMSECにより行い、その後に空間ダイバーシチ合成をEGCにより行うMMSEC(逆拡散)/EGC(ダイバーシチ)では、拡散率に依らずに優れた特性を実現できる。このように、コード多重数が拡散率と比較して小さい場合には、受信装置505を用いて行うアンテナ間のコード間干渉の違いが反映されたMMSEC(逆拡散)/EGC(ダイバーシチ)による特性改善効果が大きい。
【0358】
又、図37に、アンテナ間のフェージング相関係数に対する平均パケット誤り率=10−2を満たす所要平均受信Eb/N0特性を示す。図37には、コード多重数Cmux=8の場合の特性を示す。図37に示すように、図18に示した受信装置505を用いて、逆拡散をMMSECにより行い、その後に空間ダイバーシチ合成をEGCにより行うMMSEC(逆拡散)/EGC(ダイバーシチ)では、相関係数が低い場合には、良好な特性を実現できる。
【0359】
〔変更例〕
尚、本発明は、上記第1〜第10の実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、図38に示すように、送信装置は、コード多重数情報生成部41iと、情報生成部41jを備えるようにしてもよい。コード多重数情報生成部41iは、符号多重される情報チャネル#1〜#nの個数に相当するコード多重数に関する情報(以下「コード多重数情報」という)を生成し、情報シンボル生成部41aに入力する。
【0360】
情報生成部41jは、コード多重数情報以外の情報、即ち、端末装置に送信する画像等のデータや音声等の情報を生成し、情報シンボル生成部41aに入力する。情報シンボル生成部41aは、コード多重数情報生成部41iから入力されたコード多重数情報と、情報生成部41jから入力されたコード多重数情報以外の情報を基に、両者の情報を含む情報シンボルを生成する。送信装置は、コード多重数情報を含む情報信号を受信装置に送信する。
【0361】
よって、受信装置では、受信信号7に含まれる情報信号からコード多重数情報を取得できる。そのため、図12(e)、図25に示したサブキャリア重み制御部826,829は、コード多重数を推定する処理が不要となり、コード多重数推定部826c,829cも不要となるため、処理や構成を簡略化できる。又、サブキャリア重み制御部826,829は、コード多重数として推定値ではなく、正確な実際の値を用いてサブキャリア重みを求めることができる。そのため、サブキャリア重み制御部826,829は、より適切なサブキャリア重みを求めることができる。
【0362】
又、図39に示すように、受信装置は、複数の加算部52gを備えるようにしてもよい。各拡散符号乗算部52eは、拡散符号が乗算されたサブキャリア毎の受信信号7を加算部52gに入力する。ここでは、各加算部52gに入力されるサブキャリア毎の受信信号7は、#1〜#n番までである(nは自然数である)。各加算部52gは、入力された#1〜#n番までのサブキャリア毎の受信信号7を加算し、周波数方向に平均化する。加算部52gは、加算した受信信号7を、アンテナ重み乗算部52f等に入力する。尚、各加算部52gに入力されるサブキャリア毎の受信信号7の数は、加算部52g毎に変化させてもよい。
【0363】
このように加算部52gは、拡散符号乗算部52eが拡散符号を乗算した後の受信信号7を加算し、周波数方向に平均化する。そのため、加算部52gが受信信号7を加算し、周波数方向に平均化した後に、アンテナ重み乗算部、サブキャリア重み乗算部、一括重み乗算部が、アンテナ重みやサブキャリア重み、一括重みを受信信号7に乗算することができる。よって、重み制御部は、決定するアンテナ重みやサブキャリア重み、一括重みの個数を減らすことができ、重みを求める処理の負荷を低減できる。又、アンテナ重み乗算部、サブキャリア重み乗算部、一括重み乗算部の個数を減らすことができるため、受信装置の構成を簡略化できる。特に、サブキャリア重み制御部として、図12(f)、(g)、図25に示したサブキャリア重み制御部827〜829を設け、適応アルゴリズムを用いてサブキャリア重みを求める場合、重み制御部308にあっては、その構成を備える場合、サブキャリア重みの個数の増大に伴って、重み更新部827c,828d,829gが行う計算量が増大する。そのため、決定するサブキャリア重みの個数が減ることで、重み更新部827c,828d,829gが行う計算量を低減でき、負荷を低減できる。
【0364】
又、図40に示すように、受信装置は、複数の遅延器52hと、複数の加算部52iとを備えるようにしてもよい。各拡散符号乗算部52eは、拡散符号が乗算されたサブキャリア毎の受信信号7を遅延器52hに入力すると共に、加算部52iにも入力する。複数の遅延器52hは、入力されたサブキャリア毎の受信信号7を、時間軸方向にm個加算するために、時間をずらしたサブキャリア毎の受信信号7をm―1個生成する(mは自然数である)。残りの一つは、拡散符号乗算部52eから直接入力されるサブキャリア毎の受信信号7を用いる。そのため、遅延器52hは、m−1個設ける。各遅延器52hは、入力された受信信号7を所定の遅延時間(Ts)だけ遅延させて、次の遅延器52hに入力すると共に、加算部52iに入力する。尚、遅延時間(Ts)は、1シンボル長に設定される。
【0365】
加算部52iは、入力された時間の異なる複数の(m個の)サブキャリア毎の受信信号7を、時間軸方向に加算し、時間軸方向に平均化する。加算部52iは、加算した受信信号7を、アンテナ重み乗算部52f等に入力する。尚、各加算部52iに入力されるサブキャリア毎の受信信号7の数は、加算部52i毎に変化させてもよい。
【0366】
これによれば、サブキャリア毎の受信信号7が時間軸方向に平均化されることにより、その平均化された受信信号7を拡散符号周期に渡って合成し、逆拡散することにより得られる受信信号7の信号電力対雑音電力比を大きくすることができる。特に、サブキャリア重み制御部として、図12(f)、(g)、図26に示したサブキャリア重み制御部827〜829を設け、適応アルゴリズムを用いてサブキャリア重みを決定する場合、重み制御部308にあっては、その構成を備える場合、そのサブキャリア重みを決定する際に用いられる逆拡散後の受信信号7の信号電力対雑音電力比が大きくなる。よって、サブキャリア重みを求める精度及び速度を向上させることができる。
【0367】
又、受信装置は、サブキャリア重み制御部、サブキャリア重み乗算部として、図41に示すサブキャリア重み制御部830、サブキャリア重み乗算部52jを用いてもよい。又、重み制御部として、サブキャリア重み制御部830の構成を備えるものを用い、一括重み乗算部として、サブキャリア重み乗算部52jの位置で一括重みを乗算するものを用いてもよい。
【0368】
サブキャリア重み制御部830は、ビット列保持部830aと、参照シンボル生成部830bと、複数のシンボル複製部830cと、拡散符号乗算部830dと、周波数時間変換部830eと、誤差推定部830fと、重み更新部830gとを備える。ビット列保持部830aと参照シンボル生成部830bは、図12(d)に示したサブキャリア重み制御部825のビット列保持部825bと参照シンボル生成部825cと実質的に同様である。
【0369】
参照シンボル生成部830bは、生成した参照シンボルを、シンボル複製部830cに入力する。シンボル複製部830cは、参照シンボルを拡散符号の拡散符号周期と等しい個数複製する。拡散符号乗算部830dは、複製された参照シンボルに拡散符号を乗算し、参照信号とする。周波数時間変換部830eは、その参照信号を周波数時間変換し、複数のサブキャリアに拡散された参照信号(以下「参照マルチキャリアCDMA信号」という)を生成する。周波数時間変換部830eは、誤差推定部830fに参照マルチキャリアCDMA信号を入力する。
【0370】
サブキャリア重み乗算部52jは、時間周波数変換部52cよりも前に設けられる。サブキャリア重み乗算部52jは、受信信号7にサブキャリア重みを乗算する。サブキャリア重み乗算部52jは、サブキャリア重みが乗算された受信信号7を、誤差推定部830fと、時間周波数変換部52cに入力する。誤差推定部830fは、サブキャリア重みが乗算され、時間周波数変換部52cによる時間周波数変換処理が行われる前の受信信号7と、参照マルチキャリアCDMA信号との誤差を推定する。重み更新部830gは、誤差推定部830fから入力されたサブキャリア重みが乗算され、時間周波数変換部52cによる時間周波数変換処理が行われる前の受信信号7と、参照マルチキャリアCDMA信号との誤差の平均2乗誤差が最小となるように、逐次的に更新される重みを適応アルゴリズムを用いて求める。サブキャリア重み制御部830は、求めたサブキャリア重み830hを、サブキャリア重み乗算部52jに入力する。
【0371】
これによれば、時間周波数変換部52cによる時間周波数変換処理が行われる前の受信信号7と、送信信号6との平均2乗誤差が最小となるようにサブキャリア重みを更新していくことができる。その結果、サブキャリア重み制御部830によれば、逆拡散後の受信信号7と送信信号6との平均2乗誤差が最小となるように、サブキャリア重みを更新していくことと、同等の効果が得られる。
【0372】
【発明の効果】
本発明によれば、マルチキャリアCDMA伝送方式に、空間ダイバーシチ合成を適切に適用し、情報チャネル間の干渉の影響を低減して、信号伝送特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る通信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る送信装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る送信信号を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る他の送信装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る入力するシンボルの切り替えを示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る他の送信装置の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る受信装置の構成を示すブロック図である。
【図8】マルチキャリアCDMA伝送方式に空間ダイバーシチ合成を単に適用した場合を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ重み制御部の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係る他の受信装置の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態に係るサブキャリア重みの決定方法を説明する図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態に係るサブキャリア重み制御部の構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態に係る送信信号を送信する場合の手順を示すフロー図である。
【図14】本発明の第1の実施の形態に係る受信信号を受信する場合の手順を示すフロー図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態に係る受信装置の構成を示すブロック図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態に係る他の重み制御部の構成を示すブロック図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態に係る受信信号を受信する場合の手順を示すフロー図である。
【図18】本発明の第3の実施の形態に係る受信装置の構成を示すブロック図である。
【図19】本発明の第3の実施の形態に係る受信信号を受信する場合の手順を示すフロー図である。
【図20】本発明の第4の実施の形態に係る受信装置の構成を示すブロック図である。
【図21】本発明の第4の実施の形態に係る受信信号を受信する場合の手順を示すフロー図である
【図22】本発明の第5の実施の形態に係る送信装置の構成を示すブロック図である。
【図23】本発明の第5の実施の形態に係る送信信号を示す図である。
【図24】本発明の第5の実施の形態に係る他の送信装置の構成を示すブロック図である。
【図25】本発明の第5の実施の形態に係るサブキャリア重み制御部の構成を示すブロック図である。
【図26】本発明の第6の実施の形態に係る受信装置の構成を示すブロック図である。
【図27】本発明の第6の実施の形態に係る受信信号を受信する場合の手順を示すフロー図である。
【図28】本発明の第7の実施の形態に係る受信装置の構成を示すブロック図である。
【図29】本発明の第7の実施の形態に係る受信信号を受信する場合の手順を示すフロー図である。
【図30】本発明の第8の実施の形態に係る受信装置の構成を示すブロック図である。
【図31】本発明の第8の実施の形態に係る受信信号を受信する場合の手順を示すフロー図である。
【図32】本発明の第9の実施の形態に係る受信装置の構成を示すブロック図である。
【図33】本発明の第9の実施の形態に係る受信信号を受信する場合の手順を示すフロー図である。
【図34】本発明の第10の実施の形態に係るシミュレーションによる平均パケット誤り率特性を示すグラフ図である。
【図35】本発明の第10の実施の形態に係るシミュレーションによるコード多重数に対する特性を示すグラフ図である。
【図36】本発明の第10の実施の形態に係るシミュレーションによる拡散率に対する特性を示すグラフ図である。
【図37】本発明の第10の実施の形態に係るシミュレーションによる相関係数に対する特性を示すグラフ図である。
【図38】本発明の変更例に従ったコード多重数情報生成部及び情報生成部を示す図である。
【図39】本発明の変更例に係る受信信号を周波数軸方向に平均化する処理を示す図である。
【図40】本発明の変更例に係る受信信号を時間軸方向に平均化する処理を示す図である。
【図41】本発明の変更例に係るサブキャリア重み制御部及びサブキャリア重み乗算部の構成を示すブロック図である。
【図42】従来のマルチキャリアCDMA伝送方式を示す図である。
【符号の説明】
1 通信システム
2 基地局
3 端末装置
4,204,304,404,504 送信装置
5,105,205,305,505,605,705,805,905 受信装置
8,108,308,408,508,608,708,808,908 重み制御部
41,41n,241,241n,341,341n,441,441n,541,541n 信号処理部
41a 情報シンボル生成部
41b 誤り訂正符号化部
41c データ変調部
41d,241d 直並列変換部
41e 拡散符号生成部
41f,241f,830c シンボル複製部
41g,241g,341g,830d 拡散符号乗算部
41h,241h,341h パイロットシンボル挿入部
41i 情報チャネル数情報生成部
41j 情報生成部
42,242,342,442 信号合成部
43,830e 周波数時間変換部
44 ガードインターバル挿入部
45 アンテナ
51,51n アンテナ
52,52n,152,152n,352,352n,552,552n,652,652n,752,752n,852,852n,952,952n 信号処理部
52a シンボルタイミング同期部
52b ガードインターバル除去部
52c,654 時間周波数変換部
52d,655 拡散符号生成部
52e,656 拡散符号乗算部
52f,553,652c アンテナ重み乗算部
52g,52i 加算部
52h 遅延器
53,554,653 アンテナ信号合成部
54,52j,552f,657 サブキャリア重み乗算部
55,552g,658 シンボル合成部
56 直並列変換部
57 データ復調部
58 誤り訂正復号部
59 情報シンボル復元部
81,181,481,581,681,811〜813,881,981 アンテナ重み制御部
82,182,482,582,682,821〜830,882,982 サブキャリア重み制御部
151 受信品質測定部
241i 切り替え部
352f 一括重み乗算部
353 アンテナ信号シンボル合成部
441h 伝搬路変動量推定用パイロットシンボル挿入部
441i 重み更新用パイロット信号挿入部
441j 情報チャネル内信号合成部
483 一括重み制御部
541h 伝搬路変動量推定用パイロット信号挿入部
541i 重み更新用パイロットシンボル挿入部
751 受信信号状態測定部
752 判断部
753 構成切り替え部
754 ダイバーシチ合成後逆拡散部
755 逆拡散後ダイバーシチ合成部
811a 信号電力比較部
811b 選択部
812a 重み保持部
813a 信号電力検出部
821a,822a 伝搬路変動値検出部
821b 逆数算出部
823a 重み保持部
824a,825a,827a,828a,829e,830f 誤差推定部
825b,828b,830a ビット列保持部
824b,827b,829f 参照シンボル保持部
825c,828c,830b 参照シンボル生成部
824c,825d 重み算出部
826a,829a チャネル推定部
826b,829b 雑音電力推定部
826c,829c コード多重数推定部
826d,829d 重み算出部
827c,828d,829g,830g 重み更新部
829h 切り替え部
851 伝搬路状況推定部
852 信号電力対干渉電力比推定部

Claims (38)

  1. 複数の情報チャネルで送信される複数の情報シンボルに、前記情報チャネル毎の拡散符号を乗算して得られた信号であって、周波数の異なる複数のサブキャリアによって送信された信号を受信する複数のアンテナと、
    該複数のアンテナが受信した受信信号に、該受信信号に対応する前記情報チャネルの拡散符号を乗算する拡散符号乗算部と、
    前記アンテナ毎の受信信号に乗算するアンテナ重み及び前記サブキャリア毎の受信信号に乗算するサブキャリア重みを調整する重み制御部と、
    該重み制御部が調整した前記アンテナ重み及び前記サブキャリア重みを、前記受信信号に乗算する重み乗算部と、
    該重み乗算部が前記アンテナ重み及び前記サブキャリア重みを乗算した受信信号を、前記アンテナ間及び前記拡散符号の拡散符号周期に渡って合成する合成部と
    を備えることを特徴とする受信装置。
  2. 前記重み制御部は、前記複数の情報チャネルの拡散符号が互いに直交するように、前記アンテナ重み及び前記サブキャリア重みを調整することを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
  3. 前記重み制御部は、前記複数の情報チャネルの拡散符号が互いに直交するように、かつ、信号電力対雑音電力比が大きくなるように、前記アンテナ重み及び前記サブキャリア重みを調整することを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
  4. 前記重み制御部は、前記アンテナ重み及び前記サブキャリア重みを調整して、前記アンテナ重みと前記サブキャリア重みとを個別に決定し、 前記重み乗算部は、前記アンテナ毎の受信信号に前記アンテナ重みを乗算するアンテナ重み乗算部と、前記サブキャリア毎の受信信号に前記サブキャリア重みを乗算するサブキャリア重み乗算部とを備え、
    前記合成部は、前記アンテナ間で前記アンテナ重みが乗算された受信信号を合成するアンテナ信号合成部と、前記拡散符号周期に渡って前記サブキャリア重みが乗算された受信信号を合成するシンボル合成部とを備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の受信装置。
  5. 前記重み制御部は、前記アンテナ重み及び前記サブキャリア重みを調整して、前記受信信号に一括して乗算する一括重みを決定し、
    前記重み乗算部は、各アンテナのサブキャリア毎の受信信号に前記一括重みを乗算し、
    前記合成部は、前記一括重みが乗算された受信信号を、前記アンテナ間及び前記拡散符号周期に渡って一括して合成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の受信装置。
  6. 前記拡散符号が乗算された前記サブキャリア毎の受信信号に前記サブキャリア重みを乗算し、前記拡散符号周期に渡って合成し、前記アンテナ毎の受信信号に前記アンテナ重みを乗算し、前記アンテナ間で合成する順番を制御する判断部を備え、
    前記重み乗算部及び前記合成部は、前記判断部の制御に基づいて逆拡散を行い、空間ダイバーシチ合成を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の受信装置。
  7. 前記複数のアンテナが受信した受信信号の状態を測定する測定部を備え、
    前記判断部は、前記測定部が測定した受信信号の状態に基づいて、前記順番を制御することを特徴とする請求項6に記載の受信装置。
  8. 前記サブキャリア重み乗算部は、前記アンテナ重み乗算部が前記アンテナ毎の受信信号に前記アンテナ重みを乗算し、前記アンテナ信号合成部がアンテナ間で前記アンテナ重みが乗算された受信信号を合成する空間ダイバーシチ合成を行った後に、前記拡散符号が乗算されたサブキャリア毎の受信信号に前記サブキャリア重みを乗算し、
    前記シンボル合成部は、前記空間ダイバーシチ合成が行われた後に、前記サブキャリア重みが乗算された受信信号を、前記拡散符号周期に渡って合成する逆拡散を行うことを特徴とする請求項4に記載の受信装置。
  9. 前記アンテナ重み乗算部は、前記受信信号を前記サブキャリア毎の受信信号に分離する前に、前記アンテナ毎の受信信号に前記アンテナ重みを乗算し、
    前記アンテナ信号合成部は、前記受信信号を前記サブキャリア毎の受信信号に分離する前に、前記アンテナ重みが乗算された受信信号をアンテナ間で合成することを特徴とする請求項8に記載の受信装置。
  10. 前記アンテナ重み乗算部は、前記拡散符号乗算部が前記受信信号に、該受信信号に対応する前記情報チャネルの拡散符号を乗算し、前記サブキャリア重み乗算部が前記サブキャリア毎の受信信号に前記サブキャリア重みを乗算し、前記シンボル合成部が拡散符号周期に渡って前記サブキャリア重みが乗算された受信信号を合成する逆拡散を行った後に、前記アンテナ毎の受信信号に前記アンテナ重みを乗算し、
    前記アンテナ信号合成部は、前記逆拡散が行われた後に、前記アンテナ重みが乗算された受信信号を、前記アンテナ間で合成する空間ダイバーシチ合成を行うことを特徴とする請求項4に記載の受信装置。
  11. 前記重み制御部は、前記シンボル合成部によって拡散符号周期に渡って合成された受信信号に基づいて、前記アンテナ重みを決定することを特徴とする請求項10に記載の受信装置。
  12. 前記送信された信号が伝搬した伝搬路の状況を推定する伝搬路状況推定部を備え、
    前記重み制御部は、前記伝搬路状況推定部が推定した伝搬路状況の推定値に基づいて、前記アンテナ重み及び前記サブキャリア重みを調整することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の受信装置。
  13. 前記受信信号における干渉の状況を推定する干渉状況推定部を備え、
    前記重み制御部は、前記干渉状況推定部が推定した干渉状況の推定値に基づいて、前記アンテナ重み及び前記サブキャリア重みを調整することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の受信装置。
  14. 前記受信信号から復元した情報シンボルの受信品質を測定する受信品質測定部を備え、
    前記重み制御部は、前記受信品質測定部が測定した受信品質の測定値に基づいて、前記アンテナ重み及び前記サブキャリア重みを調整することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の受信装置。
  15. 前記サブキャリア毎の受信信号を加算し、周波数方向又は時間軸方向に平均化する加算部を備えることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の受信装置。
  16. 複数の情報チャネルで送信される情報シンボルを複数の情報シンボルに分割する分割部と、
    該分割部が分割した複数の情報シンボルを、該情報シンボルを送信する情報チャネルに対応する拡散符号の拡散符号周期と等しい個数複製するシンボル複製部と、
    該シンボル複製部が複製した情報シンボルに、該情報シンボルを送信する情報チャネルに対応する拡散符号を乗算して情報信号とする拡散符号乗算部と、
    該拡散符号乗算部が拡散符号を乗算した前記情報信号を、該情報信号を送信する周波数の異なる複数のサブキャリアに拡散する拡散部と、
    該拡散部が前記複数のサブキャリアに拡散した情報信号毎に、該情報信号間の干渉を防止するガードインターバルを挿入するガードインターバル挿入部と
    前記情報信号を受信する受信装置において振幅及び位相が既知のパイロットシンボルを、前記情報シンボルに挿入するパイロットシンボル挿入部を備え、
    前記パイロットシンボル挿入部は、
    前記受信装置において、前記情報信号の伝搬路変動量の推定に用いられる伝搬路変動量推定用パイロットシンボルを、前記情報シンボルに挿入する伝搬路変動量推定用パイロットシンボル挿入部と、
    前記受信装置において、逆拡散後の前記受信装置が受信した情報信号と、送信装置が送信した前記情報信号との誤差の推定に用いられる重み更新用パイロットシンボルを、前記情報シンボルに挿入する重み更新用パイロットシンボル挿入部と
    を備えることを特徴とする送信装置。
  17. 複数の情報チャネルで送信される複数の情報シンボルに、前記情報チャネル毎の拡散符号を乗算して得られた信号を、周波数の異なる複数のサブキャリアによって送信する送信装置と、
    該送信装置が送信した信号を受信する受信装置とを備える通信システムであって、
    前記受信装置は、
    前記信号を受信する複数のアンテナと、
    該複数のアンテナが受信した受信信号に、該受信信号に対応する前記情報チャネルの拡散符号を乗算する拡散符号乗算部と、
    前記アンテナ毎の受信信号に乗算するアンテナ重み及び前記サブキャリア毎の受信信号に乗算するサブキャリア重みを調整する重み制御部と、
    該重み制御部が調整した前記アンテナ重み及び前記サブキャリア重みを、前記受信信号に乗算する重み乗算部と、
    該重み乗算部が前記アンテナ重み及び前記サブキャリア重みを乗算した受信信号を、前記アンテナ間及び前記拡散符号の拡散符号周期に渡って合成する合成部と
    を備えることを特徴とする通信システム。
  18. 複数の情報チャネルで送信される複数の情報シンボルに、前記情報チャネル毎の拡散符号を乗算して得られた信号であって、周波数の異なる複数のサブキャリアによって送信された信号を、受信装置の複数のアンテナが受信し、
    前記受信装置が、前記複数のアンテナが受信した受信信号に、該受信信号に対応する前記情報チャネルの拡散符号を乗算し、
    前記アンテナ毎の受信信号に乗算するアンテナ重み及び前記サブキャリア毎の受信信号に乗算するサブキャリア重みを調整し、
    該調整した前記アンテナ重み及び前記サブキャリア重みを、前記受信信号に乗算し、 前記アンテナ重み及び前記サブキャリア重みを乗算した受信信号を、前記アンテナ間及び前記拡散符号の拡散符号周期に渡って合成することを特徴とする通信方法。
  19. 前記受信装置が、前記アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整する際に、前記複数の情報チャネルの拡散符号が互いに直交するように、前記アンテナ重み及び前記サブキャリア重みを調整することを特徴とする請求項18に記載の通信方法。
  20. 前記受信装置が、前記アンテナ重み及びサブキャリア重みを調整する際に、前記複数の情報チャネルの拡散符号が互いに直交するように、かつ、信号電力対雑音電力比が大きくなるように、前記アンテナ重み及び前記サブキャリア重みを調整することを特徴とする請求項18に記載の通信方法。
  21. 前記受信装置が、前記アンテナ重み及び前記サブキャリア重みを調整して、前記アンテナ重みと前記サブキャリア重みとを個別に決定し、
    前記アンテナ毎の受信信号に前記アンテナ重みを乗算して、前記アンテナ間で受信信号を合成し、
    前記サブキャリア毎の受信信号に前記サブキャリア重みを乗算して、前記拡散符号周期に渡って受信信号を合成することを特徴とする請求項18乃至20のいずれか1項に記載の通信方法。
  22. 前記受信装置が、前記アンテナ重み及び前記サブキャリア重みを調整して、前記受信信号に一括して乗算する一括重みを決定し、
    該一括重みを各アンテナのサブキャリア毎の受信信号に乗算し、
    該一括重みが乗算された受信信号を、前記アンテナ間及び前記拡散符号周期に渡って一括して合成することを特徴とする請求項18乃至2のいずれか1項に記載の通信方法。
  23. 前記受信装置が、前記拡散符号が乗算された前記サブキャリア毎の受信信号に前記サブキャリア重みを乗算し、前記拡散符号周期に渡って合成し、前記アンテナ毎の受信信号に前記アンテナ重みを乗算し、前記アンテナ間で合成する順番を制御し、
    該制御に基づいて逆拡散を行い、空間ダイバーシチ合成を行うことを特徴とする請求項18乃至21のいずれか1項に記載の通信方法。
  24. 前記受信装置が、前記複数のアンテナが受信した受信信号の状態を測定し、
    該測定した受信信号の状態に基づいて、前記順番を制御することを特徴とする請求項23に記載の通信方法。
  25. 前記受信装置が、前記アンテナ毎の受信信号に前記アンテナ重みを乗算し、該アンテナ重みが乗算された受信信号をアンテナ間で合成する空間ダイバーシチ合成を行った後に、前記拡散符号が乗算されたサブキャリア毎の受信信号に前記サブキャリア重みを乗算し、
    該サブキャリア重みが乗算された受信信号を前記拡散符号周期に渡って合成する逆拡散を行うことを特徴とする請求項2に記載の通信方法。
  26. 前記受信装置が、前記受信信号を前記サブキャリア毎の受信信号に分離する前に、前記アンテナ毎の受信信号に前記アンテナ重みを乗算し、該アンテナ重みが乗算された受信信号をアンテナ間で合成することを特徴とする請求項2に記載の通信方法。
  27. 前記受信装置が、前記受信信号に、該受信信号に対応する前記情報チャネルの拡散符号を乗算し、前記サブキャリア毎の受信信号に前記サブキャリア重みを乗算し、該サブキャリア重みが乗算された受信信号を拡散符号周期に渡って合成する逆拡散を行った後に、前記アンテナ毎の受信信号に前記アンテナ重みを乗算し、
    該アンテナ重みが乗算された受信信号を、前記アンテナ間で合成する空間ダイバーシチ合成を行うことを特徴とする請求項2に記載の通信方法。
  28. 前記受信装置は、前記拡散符号周期に渡って合成された受信信号に基づいて、前記アンテナ重みを決定することを特徴とする請求項2に記載の通信方法。
  29. 前記受信装置は、前記受信信号に乗算されるアンテナ重みに基づいて、該アンテナ重みを乗算した受信信号の状態を維持するか、前記アンテナ重みを乗算した受信信号の状態を再度調整するかを判断し、該判断結果に基づいて前記サブキャリア重みを調整することを特徴とする請求項2又は2に記載の通信方法。
  30. 前記受信装置は、等利得合成法を用いて前記アンテナ重みを決定し、
    最小平均2乗誤差合成法又は等利得合成法のいずれかを用いて前記サブキャリア重みを決定することを特徴とする請求項2又は2に記載の通信方法。
  31. 前記受信装置は、前記受信信号に乗算されるサブキャリア重みに基づいて、該サブキャリア重みを乗算した受信信号の状態を維持するか、前記サブキャリア重みを乗算した受信信号の状態を再度調整するかを判断し、該判断結果に基づいて前記アンテナ重みを調整することを特徴とする請求項2又は28に記載の通信方法。
  32. 前記受信装置は、最小平均2乗誤差合成法を用いて前記サブキャリア重みを決定し、
    等利得合成法を用いて前記アンテナ重みを決定することを特徴とする請求項2又は28に記載の通信方法。
  33. 前記受信装置が、前記送信された信号が伝搬した伝搬路の状況を推定し、
    該伝搬路状況の推定値に基づいて、前記アンテナ重み及び前記サブキャリア重みを調整することを特徴とする請求項18乃至32のいずれか1項に記載の通信方法。
  34. 前記受信装置は、前記アンテナ重み及び前記サブキャリア重みを調整する判断基準となる前記伝搬路状況の閾値と、前記伝搬路状況の推定値とを比較し、該比較結果に基づいて前記アンテナ重み及び前記サブキャリア重みを調整することを特徴とする請求項3に記載の通信方法。
  35. 前記受信装置が、前記受信信号における干渉の状況を推定し、
    該干渉状況の推定値に基づいて、前記アンテナ重み及び前記サブキャリア重みを調整することを特徴とする請求項18乃至3のいずれか1項に記載の通信方法。
  36. 前記受信装置は、前記アンテナ重み及び前記サブキャリア重みを調整する判断基準となるアンテナ間の干渉状況の差の閾値と、アンテナ間の前記干渉状況の推定値の差とを比較し、該比較結果に基づいて前記アンテナ重み及び前記サブキャリア重みを調整することを特徴とする請求項3に記載の通信方法。
  37. 前記受信装置が、前記受信信号から復元した情報シンボルの受信品質を測定し、
    該受信品質の測定値に基づいて、前記アンテナ重み及び前記サブキャリア重みを調整することを特徴とする請求項18乃至3のいずれか1項に記載の通信方法。
  38. 前記受信装置は、前記アンテナ重み及び前記サブキャリア重みを調整する判断基準となる前記受信品質の変動量の閾値と、前記受信品質の測定値の変動量とを比較し、該比較結果に基づいて前記アンテナ重み及び前記サブキャリア重みを調整することを特徴とする請求項3に記載の通信方法。
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