JP4047504B2 - ロータリジョイント - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば回転するアンテナ等からの高周波信号を伝送するために使用するロータリジョイントに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ロータリジョイントとしては、例えば2つの同軸型コネクタの中心導体が容量結合するように、これら同軸型コネクタを相対回転可能に結合したものがあった。両コネクタが相対回転しても、結合容量の変化が少なくなるように両コネクタの中心導体の先端には、それぞれスパイラルコイルが設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなロータリジョイントでは、両コネクタの中心導体の先端にスパイラルコイルを設けなければならず、その構成が複雑になっていた。また、容量結合を使用しているので、使用周波数が低く、例えば1GHz帯程度の周波数でしか使用することができなかった。
【0004】
本発明は、簡単な構成で、かつ高い周波数でも損失が少なく使用することができるロータリジョイントを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様のロータリジョイントは、第1乃至第3の部材を有している。第1の部材は、例えば矩形状または円板状のような平板状である。第2の部材は、一面側に開口した凹所を有している。この凹所が第1の部材によって閉塞されてキャビティが形成されている。第1の部材の中心軸が前記キャビティ内を通っている。第3の部材は、第2の部材が前記中心軸の回りに回転可能なように、第1の部材と共同して第2の部材を挟んでいる。第1の部材と第3の部材とは、着脱可能に結合手段によって結合されている。第1の部材に第1のプローブが取り付けられている。第1のプローブは、第1の部材側から前記中心軸を通って前記キャビティ内に侵入している。第2の部材に第2のプローブが取り付けられている。第2のプローブは、第2の部材側から前記キャビティ内に第1のプローブと平行に侵入している。
【0010】
このロータリジョイントは、第2の部材側に取り付けられたアンテナが回転可能であって、かつ第1及び第2のプローブ間において少ない損失で高い周波数の信号を伝送することができる。しかも、キャビティの1つの面だけが第1の部材によって構成されており、他の面は第2の部材によって構成されている。従って、第2の部材を前記中心軸の回りに回転させても、キャビティの形状が崩れることがない。また、第2の部材が回転可能なように、第3の部材が設けられているので、第2の部材を容易に回転させることができる。
【0011】
前記第3の部材は、前記中心軸上に中心がある円形の凹所を有している。この凹所に面接触している接触部を第2の部材が有している。凹所は、接触部が接触する窪みとすることもできるし、接触部が接触する貫通孔とすることもできる。接触部が凹所と接触して、回転の案内を行うので、第2の部材の回転を容易に行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の態様のロータリジョイント1は、例えばXバンド(8乃至12.4GHz)またはKuバンド(12.4GHz乃至18GHz)の周波数帯の信号、具体的には11.7GHz乃至12GHzの衛星放送の受信周波数帯の信号を伝送する場合に使用されるものである。このロータリジョイント1は、図1及び図2に示すように、第1乃至第3の部材2、4、6を有している。
【0013】
第1の部材2は、導電金属製の平板状、例えば円板状のものである。第2の部材4も、導電金属製の平板状のものである。但し、その直径は、第1の部材2よりも一回り小さい。
【0014】
第1の部材2と第2の部材4とは、図2(b)に示すように、それぞれの一面が面接触するように重ねて配置されている。この場合、第1及び第2の部材2、4の中心が互いに一致するように、両者は重ねられている。この重ねた状態においてキャビティを形成するように、第2の部材4には、図1及び図3(a)、(b)に示すように、第1の部材2側に開口した凹所8が形成されている。キャビティは、偏平な直方体状をなしている。即ち、6つの面を有している。これら6つの面のうち、5つの面は第2の部材4の凹所8にあり、残りの1つの面が、第1の部材2にある。このように、第1及び第2の部材2、4は、キャビティ形成部材として機能する。
【0015】
凹所8は、図1に示すように、その平面形状が矩形、例えば正方形状をなすように形成されている。重ね合わせた第1及び第2の部材2、4の中心が凹所8内に位置するように、凹所8の位置が選択されている。凹所8は、一辺の長さが例えば約λg/2(λgは、このロータリジョイント1によって伝送される信号の管内波長)に形成されている。これら各辺の周囲には、これを囲うように第1の部材2側に向かう壁部10が形成されている。
【0016】
壁部10の上端部は、第1の部材2との間に隙間12を有している。この壁部10の周囲を囲うように溝14が形成されている。この隙間12と溝14とが、チョークを形成している。この隙間12の幅寸法(壁部10の幅寸法)aと溝14の深さ寸法bとの和は、図3(b)に示すように、約λg/4に選択され、そのうちaが約λg/8乃至λg/9の長さである。このような寸法に形成されているので、凹所8から第1の部材2の接合面部を見たインピーダンスが無限大となる。従って、第1及び第2の部材2、4を接触させることによってキャビティを形成しても、見かけ上、一体に形成したキャビティと等価となり、キャビティを第1及び第2の部材2、4によって構成しても、不要な損失が生じることがない。
【0017】
第3の部材6も、導電性金属製で、第1の部材2とほぼ同一の直径を有する円板状に形成されている。第3の部材6の一方の面側に、凹所、例えば第2の部材4の直径にほぼ等しい直径を有する円形の窪み16が、形成されている。この窪み16は、その中心が第1の部材2の中心と一致するように形成されている。窪み16の周面に、接触部、例えば第2の部材4の周面が接触するように、窪み16内に第2の部材4が配置されている。窪み16の底面には、凹所、例えば窪み16と同心に形成された貫通孔18が形成されている。この貫通孔18の周面に接触するように、第2の部材4における第1の部材2とは反対側の面に、接触部、例えば短円筒状の接触部20が形成されている。
【0018】
第1の部材2と第3の部材6とは、第1の部材2の中心を通る円上に例えば90度間隔に4つ設けられた結合手段、例えばボルト22を、第1の部材2側から第3の部材6に挿入し、これらを、第3の部材6における第1の部材2の中心を通る円上に設けたねじ孔24にそれぞれ螺合させることによって、第1の部材2と第3の部材6とが固定されている。第1及び第3の部材2、6間に第2の部材4が挟まれているので、第2の部材4も固定されている。なお、ボルト22をねじ孔24から外すことによって、第1の部材2と第3の部材6とは分離できる。
【0019】
ボルト22を若干緩めることによって、第2の部材4の固定が解除される。この解除状態では、第2の部材4の周面と窪み16の周面とが接触し、かつ第2の部材4の接触部20が貫通孔18の周面に接触しているので、窪み16及び貫通孔18が案内部として機能し、第2の部材4は、第1の部材2の中心を回転中心として回転可能となる。
【0020】
第1の部材2における第2の部材4とは反対側の面には、同軸型コネクタ28がネジ止めされている。この同軸型コネクタ28の直線状のピン30は、図3(a)、(b)に示すように、第1の部材2の中心を通り凹所8内に侵入している。ピン30は、プローブとして機能する。また第2の部材4における第1の部材2とは反対側の面、即ち接触部20には、同軸型コネクタ32が取り付けられている。このコネクタ32のピン34は、凹所8内に侵入し、ピン30と所定の間隔をおいて平行に位置している。ピン32も、プローブとして機能している。従って、一方の同軸型コネクタ、例えば同軸型コネクタ28にXバンドまたはKuバンドの信号を供給すると、キャビティ内で共振して、他の同軸型コネクタ32に現われる。キャビティを利用して上記の信号を伝送しているので、生じる損失は非常に少ない。
【0021】
上記のような位置に同軸型コネクタ28、32を配置しているので、例えば図4(a)に示すような状態から、図4(b)に示すように第2の部材4を第1の部材2の中心の回りに回転させても、図4(a)、(b)の比較から明らかなように、キャビティ内における同軸型コネクタ28のピン30と同軸型コネクタ32のピン34との距離や相対的な位置に変化はない。従って、第2の部材4を回転させても、損失が増大したり、減少したりすることはない。
【0022】
上述したように第2の部材4の凹所8がキャビティの6つの面のうち5つを構成し、第1部材2が残りの1つの面を形成している。そして、第2の部材4が回転した場合、上記5つの面がそのまま回転する。のこりの1つの面として、第2の部材4が回転した位置にある第1の部材2の面が機能する。従って、第2の部材4が回転しても、キャビティの形状や面積には変動は生じないので、第2の部材4の回転によって、損失に変動が生じることはない。また、チョークも第2の部材4側に設けられているので、チョークとキャビティとの位置にも変動が生じない。
【0023】
このように構成したロータリジョイント1は、例えば図5(a)、(b)に示すように使用することができる。即ち、ロータリジョイント1を2つ準備し、それぞれの第3の部材6の同軸型コネクタ32にアンテナ36a、36bを接続する。各ロータリジョイント1の第1の部材2の同軸型コネクタ28、28を位相合成器38に接続する。この位相合成器38の出力信号は、例えばチューナ(図示せず)に供給される。各アンテナ36a、36bを同図(b)に示すように回転させる場合には、ボルト22を緩めて、第2の部材4、4を回転させる。これによってアンテナ36a、36bのビームを所望の方位角に指向させることができる。なお、アンテナ36a、36bは所望仰角に相当するチルト角に設定してある。
【0024】
図1乃至図4に示したロータリジョイント1の損失と周波数との関係を図6に示す。衛星放送受信周波数帯(11.7GHz乃至12GHz)において最悪の損失値が約0.6dBであり、このような高い周波数において非常に少ない損失となった。
【0025】
上記の実施の形態では、キャビティは、偏平な直方体状としたが、円柱状とすることもできる。また、キャビティは、第2の部材4側に5つの面を形成し、残りの面を第1の部材2に形成したが、キャビティをその高さ方向の中途で二分割し、その一方に対応する凹所を第1の部材2に形成し、その他方に対応する凹所を第2の部材4に形成してもよい。この場合、キャビティは、円柱状とするのが望ましい。この場合、チョークを2つの凹所の接合面に設けることが望ましい。上記の実施の形態では、プローブとして、同軸型コネクタ28、32の直線状のピン30、34を使用したが、これに代えてフック状のプローブを使用することもできる。また、上記の実施の形態では、第3の部材6内に案内を形成したが、第3の部材6を省略し、例えば第1の部材の周縁部に第2の部材4の周縁部と接触する筒状部を設けてもよい。また、上記の実施の形態では、凹所16と第2の部材4の周面とを接触させ、かつ貫通孔18と第2の部材4の接触部20とを接触させ、貫通孔18と凹所16を共に案内として使用したが、凹所16と第2の部材4の周面との接触のみ、或いは貫通孔18と接触部20との接触のみとしてもよい。即ち、1つだけ案内部を設けてもよい。
【0026】
【発明の効果】
以上のように、本発明によるロータリジョイントでは、高い周波数帯の信号であっても、大きな損失を生じることなく伝送することができる上に、回転時に損失が大きくなることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のロータリジョイントの組み立て図である。
【図2】図1のロータリジョイントの平面図、側面図及び底面図である。
【図3】図2(a)におけるA−A線に沿う断面図及びB−B線に沿う断面図である。
【図4】図1のロータリジョイントの第2の部材を回転させる前後の状態を示す底面図である。
【図5】図1のロータリジョイントの使用状態を示す図である。
【図6】図1のロータリジョイントの損失と周波数との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 ロータリジョイント
2 第1の部材(キャビティ形成部材)
4 第2の部材(キャビティ形成部材)
6 第3の部材
8 凹所
12 隙間(チョーク)
14 溝(チョーク)
22 ボルト(結合手段)
30 ピン(第1のプローブ)
32 ピン(第2のプローブ)
Claims (1)
- 平板状の第1の部材と、
一面側に開口した凹所を有し、前記凹所が第1の部材によって閉塞されてキャビティを形成し、第1の部材の中心軸が前記キャビティ内を通る第2の部材と、
第2の部材が前記中心軸の回りに回転可能に、第1の部材と共同して第2の部材を挟んでいる第3の部材と、
第1の部材と第3の部材とを着脱可能に結合する結合手段と、
第1の部材に取り付けられ、第1の部材側から前記中心軸を通って前記キャビティ内に侵入した第1のプローブと、
第2の部材に取り付けられ、第2の部材側から前記キャビティ内に第1のプローブと平行に侵入した第2のプローブとを、
具備し、前記第3の部材は、前記中心軸上に中心がある円形の凹所を有し、この凹所に面接触している接触部を第2の部材が有するロータリジョイント。
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