JP4047484B2 - 耐衝撃性ヘルメット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチック又は金属からなるヘルメット本体の外面に、角錐台形状で且つ下部周縁にリブが設けられている中空成形物を装着又は固定し、その中空成形物の全面又は一部に、裏面が前記角錐形状又はその一部からなるセラミックチップを接着剤又は機械的方法等で固定することにより、外側から高速の飛来物を受けた場合、セラミックの部分的破壊により飛来物のエネルギーをほとんど吸収し、ヘルメット本体の損傷並びに内面への膨らみを非常に小さくし、高速な飛来物に対して優れた耐衝撃性を持つヘルメットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ヘルメットが高所から落下する物体又は飛来する物体に対する耐衝撃体になり得ることは、周知の事実である。しかし、衝撃力が大きい場合はヘルメット単体ではその衝撃力を緩和することは不可能な場合が多い。
一般的に、セラミックを高強度繊維強化プラスチック(以下、ACMという)の板に接着させることにより、高所から落下する物体又は高速に飛来する物体に対する耐衝撃体になりうることは、今日では公知の事実となっている。また、セラミック曲面板とACM曲面板とを接着する技術は、防弾チョッキ用耐弾板等において我が国内外で使用されている。本出願人もこの技術に関して特許出願している(特開平8−192497号公報)。
【0003】
しかしながら、ヘルメットにおいては外表面が連続的に変化する3次元曲面からなっており、その表面に直接セラミックチップを固定する場合セラミックチップの裏面形状もヘルメット外表面形状と同一にすることが望ましいが、このような形状のセラミック成形体を作製することは経済面、技術面で事実上不可能である。一方ヘルメットの外表面に合わせて数種類のセラミックチップを作製してヘルメットに固定しようとしても、ヘルメットの外表面にフィットしない部分が生じ、又ヘルメット本体下部周縁はリブ構造になっておらず比較的重たいセラミックチップを固定する際に動きやすくセラミックチップ間やセラミックチップとヘルメット間に隙間が生じ、耐弾性を低下させる結果となり、この点を改善する必要性がある。また、一旦ヘルメットにセラミックを固着してしまうとセラミックを除去することは困難であり、高所から落下する物体又は高速に飛来する物体の危険性が全くない場合でも重量の大きいセラミック固着ヘルメットを常時かぶらざるを得なかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ヘルメット本体の外面に、外形が角錐台形状で且つ下部周縁にリブが設けられている中空成形物を装着又は固定し、その中空成形物表面にセラミックチップを固定する構造とする。このような構造とすることにより、比較的重いセラミックチップがリブ部で下方への動きが防止されるために、中空成形物の下部より上部へ順次セラミックチップを固定すれば、このチップの固定が容易かつ良好に行われる。チップを接着剤などで固定する際も硬化するまでは接着剤は流動的でありリブが無いとセラミックチップが硬化途中で動く可能性は大であるが、リブによりこのようなトラブルが防止される。従って、セラミックチップと中空成形物との間及びセラミックチップ間の隙間を実質的に無くすることができるので、強力な衝撃力を受けた場合でも、その破壊エネルギーがセラミック固定中空成形物を介してヘルメットに伝わり、ヘルメット本体への衝撃力が緩和されるとともにヘルメット内面への膨らみを効果的に防止することができる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、プラスチック又は金属からなるヘルメット本体の外面に、中空で外形が角錐台形状である中空成形物を装着又は固定し、その角錐台表面にセラミックチップを固定してなる耐衝撃性ヘルメットにおいて、前記中空成形物の下部周縁にリブが設けられていることを特徴とする耐衝撃性ヘルメットに関するものである。好ましくは、この中空成形物の内面がヘルメットの外表面と同一形状であることを特徴とする耐衝撃性ヘルメットに関するものである。そして、好ましくは、この中空成形物がヘルメットに着脱自在であることを特徴とする耐衝撃性ヘルメットに関するものである。
【0006】
そして、好ましくは、ヘルメット本体が、比引張強度が10×106 cm以上であり、比弾性率が2.5×108 cm以上である高強度繊維を基材とし、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を結合剤とし、樹脂含有率が5〜80%である繊維強化プラスチックからなることを特徴とする耐衝撃性ヘルメットに関するものであり、更に好ましくは、繊維強化プラスチックの樹脂含有率が5〜30%である耐衝撃性ヘルメットに関するものである。
【0007】
また、好ましくは、中空成形物が、ヘルメット本体の外形に近似するように、2種類以上の中空の角錐台を接合した角錐台形状の中空成形物、より好ましくは、かかる中空の角錐台の接合面が一致するよう接合した角錐台形状の中空成形物であることを特徴とする耐衝撃性ヘルメットである。他の好ましい形状として、中空成形物が、ヘルメット本体の外形にさらに近似するように、中空の角錐台の底面中心線を挟んで底面に垂直に一定の幅で切り取り、残った2つの角錐台部分を接合一体化した左右対称の角錐台形状であることを特徴とする耐衝撃性ヘルメットである。更には、中空成形物が前記2種の形状を組み合わせた角錐台形状の中空成形物であることが好ましい。
【0008】
本発明において、上記中空成形物は、上下に貫通する中空部を有する成形物であるが、この中空成形物の内面はヘルメット本体の外面と同一形状であることが好ましい。この中空成形物は同種材質又は異種材質からなる2層以上の多層構造であってもよく、更には、中空成形物は、長手方向がヘルメット本体の前後方向で、短手方向がヘルメット本体の左右方向であることが好ましく、この中空成形物が左右対称形状であることが好ましい。また、この中空成形物を2個以上の分割体として形成し、これらを組み合わせて中空成形物とすることも好ましい形態である。
【0009】
本発明において用いられるヘルメット本体は、一般的にヘルメットといわれるものであればどのようなヘルメットでもよいが、好ましくは工事用の安全帽、乗車用安全帽、学童用安全帽及び耐衝撃用の防刃帽や防弾帽等である。ヘルメット本体はプラスチック又は金属からなっている。プラスチックの材質としてはヘルメットを製造するのに使用される全ての材質が該当するが、好ましくはABS、ポリカーボネート及びポリエチレン等の樹脂単体、その混合物及び2種類以上の複合層からなっているもの、あるいは樹脂と補強材から構成されているもの、例えばFRP(一般のガラス繊維、ナイロン繊維及びポリエステル繊維強化プラスチック)及びACMなどがあり、単体又は複合体として用いることができる。一方、金属としては、材質は特に限定しないが、好ましくはチタン、チタン合金、軟鉄、高張力鋼板、ステンレス、アルミニウム又はジュラルミンなどであり、単体又は合金あるいは複合体として用いることができる。
【0010】
上記ACMにおいて、用いられる高強度繊維としては、引張強度を密度で割った比引張強度が10×106 cm以上であり、弾性率を密度で割った比弾性率が2.5×108 cm以上のものである。具体的には、高強度ガラス繊維、アラミド繊維、芳香族ポリエステル繊維、高強度ポリエチレン繊維、高強度ナイロン繊維、及びポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(通称PBO)繊維等である。一般のガラス繊維、ナイロン繊維及びポリエステル繊維などは高強度繊維に該当しない。比引張強度あるいは比弾性率が前記値以上の繊維を用いることにより、ヘルメット本体の耐衝撃性もかなり良好なものとなる。一方、比引張強度あるいは比弾性率が前記値以下の繊維を用いるとヘルメット本体の耐衝撃性は必ずしも十分ではないので、中空成形物、あるいはセラミック固定中空成形物として耐衝撃性の優れたものを使用する必要がある。
【0011】
ACMを得るために、高強度繊維に含浸又はコーティングする樹脂としては、通常、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂及びポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂;あるいはポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアセテート、ポリエーテルエーテルケトン、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性エラストマー等の熱可塑性樹脂及び合成ゴムなどが使用される。
【0012】
ACMを得るには、熱硬化性樹脂の場合、高強度繊維に熱硬化性樹脂を含浸又はコーティングしてプリプレグを作製し、このプリプレグを複数枚重ね、加熱加圧する圧縮成形法、あるいはプリプレグを作らないハンドレイアップ法などがある。樹脂含有率は5〜80%(重量%、以下同じ)の範囲が使用可能であるが、通常5〜50%、優れた耐衝撃性のために好ましくは5〜30%である。熱可塑性樹脂の場合は、通常高強度繊維に熱可塑性樹脂の溶液、粉末又はその分散液を含浸又はコーティングしてプリプレグを作製し、このプリプレグを複数枚重ね熱板又は加熱ロールにて加熱加圧する圧縮成形法等がある。この際、樹脂の含有率は5〜80%(重量%、以下同じ)の範囲であるが、通常5〜50%、優れた耐衝撃性のために好ましくは5〜30%である。5%未満ではプリプレグを作ることが困難であり、80%を越えてもプリプレグを作ることが困難で、かつ耐衝撃性が低下する。
【0013】
一方、中空成形物としては、熱硬化性又は熱可塑性樹脂からなるFRP、ACM又は樹脂単体からなる成形物あるいは金属であり、表面硬度が高く、衝撃強度をはじめ機械的強度が大きく、耐候性があり、且つ軽量であることが望ましい。プラスチックの代表的なものとしては、熱硬化性樹脂としてフェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ウレタン樹脂等;熱可塑性樹脂としてはポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等があり、その単体又は複合体として使用される。FRPやACMに用いられる繊維及び樹脂としては上記ヘルメット本体に使用されるものが一般的に使用される。また、金属としては同様に上記ヘルメット本体に使用される材質が一般的に使用される。
【0014】
本発明の耐衝撃性ヘルメットにおいて、ヘルメット本体の外面に装着又は固定される中空成形物は、ヘルメット本体の外形に近似するように外形の異なる2種類以上の中空の角錐台の接合面が一致するように上下に積み重ねて接合一体化した形状であることが好ましい。
また、かかる中空成形物は、外形がヘルメットの外形により近似するように、角錐台の底面中心線を挟んで底面に垂直に一定の幅で切り取り、接合一体化した左右対称の角錐台形状であることが好ましい。
中空成形物を上記のような形状又はこれらを組み合わせることにより、成形物の外観がヘルメット本体形状に極めて近似しており、成形物の厚みが比較的均一になり、不必要な肉厚部が少なくなるので、必要な耐衝撃性を確保し、かつ軽量化が達成される。
【0015】
また、中空成形物は、2個以上に分割して形成しておき、これらを角錐台形状に組み合わせてヘルメット本体に装着することも好ましい例の1つである。この場合、装着しない時には、その分割体の体積がコンパクトになり、持ち運びに便利である。分割体は、通常ヘルメット本体に着脱自在に装着するが、隣接する分割体の接触部は、適宜の重ね合わせ構造とするのが好ましい。
更には、必要により、中空成形物を同種材質又は異種材質からなる2種類以上の多層構造とすることができる。例えば、表面に衝撃強度や耐候性の優れたものを使用し、内面に衝撃時の変形が少なく、且、軽量のものを使用することにより、全体として耐衝撃性や耐候性が良好で、軽量のヘルメットを得ることが出来る。
【0016】
中空成形物の形状は、その内面をヘルメット本体の外面と同形状とすることが好ましい。この場合、中空成形物をヘルメット本体に隙間無く装着することができ、従って、ヘルメットの耐衝撃性がより向上し、中空成形物装着時の安定性も良く、操用性が優れたものとなる。
【0017】
本発明において、用いられるセラミックは、好ましくはファインセラミックスと呼ばれているもので、アルミナ(純度90〜99.9)系、窒化ケイ素系、炭化ケイ素系、ジルコニア系等があり、特に限定されない。また、かかるセラミックスの1種又は2種以上を組合わせても良い。セラミックスの物性としては、ビツカース硬度1000kg/mm2 以上、曲げ強度30kgf/mm2 以上、弾性率2.8×104 kg/mm2 以上が好ましい。
【0018】
セラミックチップの形状としては中空成形物の外側にほゞぴったりと被さる一体型角錐台形状のもの、これを2ケ以上の分割した略台形形状のもの、あるいは、分割形状としては個片が3角形、4角形(正方形,長方形,台形)、6角形等であり、またこれらを組み合わせた一体化した多面形状からなるセラミックチップであっても良い。即ち、セラミックチップ形状は、中空成形物とセラミックチップあるいはセラミックチップ同士で隙間なく固定可能な形状なら各種形状のものが使用可能であり、制限はない。ただし、中空成形物の外形が角錐台形状であるので、セラミックチップの形状を角錐台の各面と同じ形状又はその分割形状とすることにより、各セラミックチップは、湾曲のない平板となるので、作製が容易であり、量産性が優れている。
【0019】
上記の方法で得られた中空成形物をヘルメット本体に固定する方法としては、中空成形物の内面とヘルメット本体の外面とを、中空成形物に用いられた樹脂そのもの、あるいは合成ゴム系やエポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の接着剤又は両面テープ等の粘着材で接着する方法、あるいはマジックテープ(登録商標)を中空成形物の内面とヘルメット本体の外周とに貼りつけておき、両者を固定する方法が望ましいが、場合によってはボルトやリベット等による機械的な接合も可能であり、着脱を最も簡単に行うには単に嵌合させるか、あるいは中空成形物とヘルメット本体にマグネットを固定し接合する等の方法もある。
【0020】
セラミックチップを中空成形物に固定する方法としては、前記と同様に、セラミックチップの内面と中空成形物の外面とを、中空成形物に用いられた樹脂そのもの、あるいは合成ゴム系やエポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の接着剤又は両面テープ等の粘着剤で接着する方法が望ましいが、場合によってはボルトやリベット等による機械的な接合も可能であり、セラミックチップと中空成形物にマグネットやマジックテープを固定し接合する等の方法もある。
上記装着時に中空成形物の下部周縁がリブを有する構造になっているため中空成形物の下部より上部へ順次セラミックチップを固定して行けば作業性並びにセラミックチップの配列が容易になる。
接着等にて複数のセラミックチップを並べる場合には、チップ間の隙間は全くないか出来るだけ小さい方がよい。中空成形物の表面に固定されるセラミックチップは、横方向に一列に並べられる場合、裏面は全て平面のためチップ間の間隙を極く微少(通常0.3mm以下)に保つことが可能であり、チップ同士の接触面には接着剤を塗布することにより、耐衝撃性をより確実にすることができる。
また、セラミックチップは少数の種類の平面板を作製するのみであるので、セラミックチップをヘルメット本体に直接固定する場合と比較して非常に安価である。
【0021】
この様にして得られた耐衝撃性ヘルメットは、大きな衝撃力の物体や非常に高速な飛来物が衝突した際、まずセラミックが破壊し次いで中空成形物が変形又は一部破壊し、急速にエネルギーを失った衝突物体とセラミック、又はセラミックと中空成形物の破片とがヘルメット本体に到達するため、ヘルメット本体への直接の衝撃は小さく、衝撃によるヘルメット内面への膨らみも少なく、頭部の損傷をほとんどなくすることが可能である。
更には、中空成形物をヘルメット本体に着脱自在に装着する事が可能なため、必要時には装着し、不必要時には取り外すことにより頭部へかかる荷重の負担を軽減し、使用時の操用性を大きく改良することができる。
更に、中空成形物を左右対称にすることは、ヘルメットに装着した場合のバランスがよく、機能上、操用性上重要なことである。
【0022】
以下、図面により本発明の具体例を説明する。
図1は、ヘルメット本体に角錐台形状中空成形物を装着した場合を示し、(1)はヘルメット本体、(2)は中空成形物、(3)は中空成形物のリブ部(以下、単に「リブ部」という)である。
図2は、8分割したセラミックチップを組み合わせて、図1の角錐台形状中空成形物に固定した場合であり、(1)はヘルメット本体、(2)は中空成形物、(3)はリブ部、(4)はセラミックチップである。
【0023】
図3は、ヘルメット本体に、2種類の中空角錐台形状と1つの部分中空角錐台形状とを一体化した中空成形物を装着した場合を示し、(1)はヘルメット本体、(5)は中空成形物、(6)はリブ部である。
図4は、台形状のセラミックチップ及び3角形状のセラミックチップを組み合わせ、図3の中空成形物に固定した場合であり、(1)はヘルメット本体、(5)は中空成形物、(6)はリブ部、(7)はセラミックチップである。
【0024】
図5は、ヘルメット本体に、角錐台の底面中心線を挟んで底面に垂直に一定の幅で切り取り、残った2つの角錐台部分を接合一体化した左右対称の角錐台形状中空成形物を装着した場合を示す。(1)はヘルメット本体、(8)は中空成形物、(9)はリブ部である。(a)は側面図、(b)は平面図、(c)は中空の角錐台の中央部分を一定の幅(T)で垂直面状に切り取る際の平面図、(d)は切り取った後の残った2つの角錐台部分(W)を結合させた左右対称の中空角錐台の平面図である。
図6は、8分割したセラミックチップを組み合わせて、図5の角錐台形状中空成形物に固定したものであり、(1)はヘルメット本体、(8)は中空成形物、(9)はリブ部、(10)はセラミックチップである。
【0025】
図7は、ヘルメット本体に2種類の連続した左右対称の角錐台形状からなる中空成形物を装着した場合を示し、(1)はヘルメット本体、(11)は中空成形物、(12)はリブ部である。この場合において、中空成形物の各表面の形状に相当するセラミックチップを組み合せて、中空成形物に固定して使用される。
図8は、ヘルメット本体に2種類の角錐台形状と1つの部分角錐台形状とを一体化した左右対称の中空成形物を装着した場合を示し、(1)はヘルメット本体、(13)は中空成形物、(14)はリブ部である。この場合においても、中空成形物の各表面の形状に相当するセラミックチップを組み合せて、中空成形物に固定して使用される。
【0026】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明の耐衝撃性ヘルメットは、ヘルメット本体に装着する中空成形物の下部周縁にリブを有する構造となっているため、中空成形物の表面にセラミックチップを固定する際、セラミックチップが重さによる下方への動きが防止され、所定位置に確実に固定されるために、セラミックチップ間の隙間が極めて小さくなり、中空成形物との密着力が大きくなる。このため、高所から落下する物体あるいは高速に飛来する物体に対して極めて優れた耐衝撃性を有している。さらに、セラミックが固着されたリブ付き中空成形物を着脱自在とすることにより操用性をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ヘルメット本体に角錐台形状中空成形物を装着した場合であり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図2】 8分割したセラミックチップを組み合わせて図1の角錐台形状中空成形物に固定したヘルメットであり、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は平面図、(d)は(b)の部分拡大図である。
【図3】 ヘルメット本体に2種の中空角錐台と1つの部分中空角錐台からなる角錐台中空成形物を装着した場合であり、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図4】 台形状のセラミックチップ及び3角形状のセラミックチップを組み合わせて、図3の中空成形物に固定したヘルメットであり、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図5】 ヘルメット本体に、左右対称の角錐台中空成形物を装着した場合であり、(a)は側面図、(b)は平面図、(c)は中空の角錐台の中央部分を一定の幅(T)で垂直面状に切り取る際の平面図、(d)は切り取った後の残った2つの角錐台部分(W)を接合一体化した左右対称の角錐台中空成形物の平面図である。
【図6】 8分割したセラミックチップを組み合わせて図5の中空成形物に固定したヘルメットであり、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図7】 ヘルメット本体に、2種類の中空の角錐台形状からなる左右対称の角錐台中空成形物を装着した場合であり、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図8】 ヘルメット本体に、2種類の中空角錐台形状と1つの部分中空角錐台形状からなる左右対称の角錐台中空成形物物を装着した場合であり、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【符号の説明】
1 ヘルメット本体
2,5,8,11、13 角錐台形状リブ付き中空成形物
3、6、9、12、14 中空成形物のリブ部
4,7,10 セラミックチップ
Claims (7)
- プラスチック又は金属からなるヘルメット本体の外面に、中空で外形が角錐台形状である中空成形物を装着又は固定し、その角錐台表面にセラミックチップを固定してなる耐衝撃性ヘルメットにおいて、前記中空成形物の下部周縁にリブが設けられていることを特徴とする耐衝撃性ヘルメット。
- 外形が角錐台形状である中空成形物が、ヘルメットの外表面に近似するように、2種類以上の中空の角錐台を接合した角錐台形状の中空成形物である請求項1記載の耐衝撃性ヘルメット。
- 外形が角錐台形状である中空成形物が、ヘルメットの外表面に近似するように、中空の角錐台の底面中心線を挟んで底面に垂直に一定の幅で切り取り、残った2つの角錐台部分を接合一体化した左右対称の角錐台形状の中空成形物である請求項1又は2記載の耐衝撃性ヘルメット。
- 中空成形物の内面がヘルメットの外表面と同形状である請求項1,2又は3記載の耐衝撃性ヘルメット。
- 中空成形物がヘルメットに着脱自在である請求項1,2,3又は4記載の耐衝撃性ヘルメット。
- ヘルメット本体が、比引張強度が10×106 cm以上であり、比弾性率が2.5×108 cm以上である高強度繊維を基材とし、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を結合剤とし、樹脂含有率が5〜80%である繊維強化プラスチックからなる請求項1,2,3,4又は5記載の耐衝撃性ヘルメット。
- 繊維強化プラスチックの樹脂含有率が5〜30%である請求項6記載の耐衝撃性ヘルメット。
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