JP4046349B2 - 腫瘍壊死因子−γ - Google Patents
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Description
ヒト腫瘍壊死因子α(TNF−α)およびβ(TNF−βまたはリンフォトキシン)は、サイトカインと総称される、インターフェロン、インターロイキンおよび増殖因子が含まれる、ポリペプチドメディエーターの広範にわたるクラスの関係するメンバーである(Beutler,B.およびCerami,A.、Annu.Rev.Immunol.、7:625−655(1989))。
腫瘍壊死因子(TNF−αおよびTNF−β)は、元来、その抗腫瘍活性の結果として発見されたが、今や、免疫調節および炎症において重要な役割を担う多面的サイトカインとして認められている。現在まで、TNF関連サイトカインファミリーの8つの既知のメンバー、TNF−α、TNF−β(リンフォトキシン−α)、LT−β、並びにFas、CD30、CD27、CD40および4−1BB受容体に対するリガンドがある。これらのタンパク質は、TNF−βを除き、膜アンカーとして使用されることの多い、保存されたC末端配列、および可変性のN末端配列を有する。TNF−αおよびTNF−βは両方とも、それらがTNF受容体に結合する場合、ホモトリマーとして機能する。
TNFは、単球、線維芽細胞、T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞を含め、多くの細胞の種類により、また主として活性化マクロファージにより産生される。TNF−αは、腫瘍の急速な壊死、免疫刺激、自己免疫疾患、移植片拒絶、寄生生物に対する耐性、抗ウイルス応答を引き起こすこと、敗血症性ショック、増殖調節、血管内皮効果および代謝効果において役割を有することが報告されている。TNF−αはまた、PAI−1、IL−1、GM−CSFおよびIL−6を含め、様々な因子を分泌するよう、内皮細胞を誘発して、細胞増殖を促進する。さらに、TNF−αは、E−セレクチン、ICAM−1およびVCAM−1といったような、様々な細胞接着分子を上方調節する。TNF−αおよびFasリガンドはまた、プログラムされた細胞死を誘起することも示されている。
TNFまたはLTにより媒介される様々な細胞応答の誘起における第一段階は、それらが特異的な細胞表面受容体に結合することである。約55KDa(TNF−R1)および75KDa(TNF−R2)の2つの異なったTNF受容体が同定されており(Hohman,H.P.ら、J.Biol.Chem.、264:14927−14934(1989))、また両方の受容体型に対応するヒトおよびマウスcDNAが単離されて特徴付けられている(Loetscher,H.ら、Cell、61:351(1990))。両方のTNF−Rとも、細胞外、膜貫通および細胞内領域を含め、典型的な細胞表面受容体構造を共有する。
本発明のポリペプチドは、構造上の、アミノ酸配列の相同性、および機能上の類似性に基づいて、TNFファミリーの新規メンバーとして同定されており、例えば、TNF−γは、炎症前タンパク質である。
本発明の一態様により、TNF−γである新規成熟ポリペプチド、さらにはまた、生物学的に活性であって、診断上または治療上有用な、そのフラグメント、アナログおよび誘導体を提供する。本発明のポリペプチドは、ヒト起源である。
本発明の別の態様により、mRNA、DNA、cDNA、ゲノムDNAを含め、ヒトTNF−γをコードする、単離された核酸分子、さらにはまた、アナログ、並びに生物学的に活性であって、診断上または治療上有用な、そのフラグメントおよび誘導体を提供する。
本発明のまたさらなる態様により、そのようなポリペプチドを組換え技術により製造する方法であって、当該タンパク質の発現、およびその後の当該タンパク質の回収を促進する条件下、ヒトTNF−γの核酸配列を含む組換え原核および/または真核宿主細胞を培養することを含んでなる方法を提供する。
本発明のまたさらなる態様により、そのようなポリペプチド、またはそのようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを、アゴニストおよびアンタゴニストに関してスクリーニングするために、また治療目的に、例えば、創傷治癒に、腫瘍増殖を阻害するために、寄生生物、細菌およびウイルスに対する耐性を与えるために、炎症活性を誘起するために、内皮細胞およびある造血細胞の増殖を誘起するために、再狭窄を治療するために、またある自己免疫疾患を予防するために利用する方法を提供する。
本発明のまたさらなる態様により、ヒトTNF−γ配列へ特異的にハイブリダイズするのに十分な長さの核酸分子を含んでなる核酸プローブもまた提供する。
本発明の別の態様により、TNF−γによく似ており、またTNF−γ受容体に結合して、TNF−γ型の応答を誘発する、TNF−γアゴニストを提供する。
本発明のまた別の態様により、そのようなポリペプチドの作用を阻害するために、例えば、敗血症性ショック、炎症、大脳マラリア、HIVウイルスの活性化、移植片拒絶、骨吸収および悪液質を予防するために使用することができる、そのようなポリペプチドに対するアンタゴニストを提供する。
本発明のさらに別の態様により、TNF−γポリペプチド、およびそのようなポリペプチドをコードする核酸配列の発現不足および過剰発現に関係のある疾患を検出するための診断アッセイを提供する。
本発明のこれらの態様および他の態様は、本明細書中の教示から当業者に明らかであろう。
以下の図面は、本発明の態様を説明するものであって、請求の範囲により包含される本発明の範囲を限定しようとするものではない。
第1図は、本発明のポリペプチドのcDNAおよび対応する推定アミノ酸配列を説明する。最初の25個のアミノ酸(下線部)は、推定されるリーダー配列である。アミノ酸に関する標準的な1文字略号を使用する。
第2図は、TNF−γとTNFファミリーの他のメンバーとの間のアミノ酸配列のアラインメント(alignment)を説明する。TNF−γは、陰影をつけた範囲によって示されるように、TNFファミリーの保存されたアミノ酸残基を含む。
第3A図は、TNF−γが発現されるヒト組織を示す、RNAブロット分析である。示した組織から得られたRNAを、標識化TNF−γ cDNAでプローブした。TNF−γ mRNAは、第3A図が異なったバンドを示すことから、主として腎臓に存在する。他のレーンは、強いハイブリダイゼーションを示すようであるが、実際には、非特異的なスミア(smear)がある。
第3B図は、TNF−γが、主として、レーン9であるHUVEC細胞(ヒト臍静脈内皮細胞)において発現されることを示す、RNAブロット分析である。レーン6およびレーン8は、非特異的なスミアである。示した細胞系から得られたRNAを、標識化TNF−γ cDNAでプローブした。レーン1は、CAMA1(乳癌)であり;レーン2は、AN3CA(子宮癌)であり;レーン3は、SK.UT.1(子宮癌)であり;レーン4は、MG63(骨芽細胞腫)であり;レーン5は、HOS(骨芽細胞腫)であり;レーン6は、MCF7(乳癌)であり;レーン7は、OVCAR−3(卵巣癌)であり;レーン8は、CAOV−3(卵巣癌)であり;レーン9は、HUVECであり;レーン10は、AOSMIC(平滑筋)であり;レーン11は、包皮線維芽細胞である。
第4図は、細菌発現および精製により産生されたTNF−γを電気泳動した後のゲルの写真である。
第5図は、TNF−γのバキュロウイルス発現後のゲルの写真である。
第6A図は、未処理のWEHI 164細胞(左上)、並びにTNF−α、TNF−βおよびTNF−γにさらした後のWEHI 164細胞の写真である。伸長された、丸くない形態学を有する細胞が溶菌している。加えたTNFは、約0.5μg/mlであった。TNFを加えてから72時間後に写真を撮った。
第6B図は、TNF−αおよびTNF−βと比較して、TNF−γがWEHI 164細胞増殖を阻害する能力を説明する。
第7図は、組換えTNF−γ、TNF−αおよびTNF−βがWEHI 164細胞死を誘起する能力を説明する。
第8図は、組換えTNF−α、TNF−βおよびTNF−γがL929細胞において形態学的変化を誘起する能力を説明する。その形態学的変化は、黒く丸い細胞により示される。細胞を、E.Coliが産生する組換えTNFを用いて、約0.5μg/mlの割合で処理した。TNFを加えてから72時間後に写真を撮った。その形態学的変化は、細胞が殺されていることを示す。
第9図は、静脈内皮細胞に対する、TNF−γ、TNF−αおよびTNF−βの効果のグラフ説明である。静脈内皮細胞を市販のTNF−αおよびTNF−βおよびE.Coliが産生するTNF−γで処理した後の細胞増殖を、MTSアッセイを利用して定量した。
第10図は、HL60細胞がばらばらに広がっていることを示す対照と共に、HL60細胞の写真である;TNF−αおよびTNF−γは、細胞接着を誘起して、細胞と細胞が、右下で一緒に接着している細胞によって説明されるように接触する。
第11図は、TNF−γが、2つの既知の可溶性TNF受容体、すなわちsTNF RI(p55)およびsTNF RII(p75)へ有意に結合しないことを説明する。
本発明の一態様により、第1図の推定アミノ酸配列を有する成熟ポリペプチド、または1994年10月26日にATCC寄託番号第75927号として寄託されたクローンのcDNAによりコードされる成熟ポリペプチドをコードする、単離された核酸(ポリヌクレオチド)を提供する。
本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、ヒト腎臓および臍静脈内皮細胞から得ることができる。本発明のポリヌクレオチドは、ヒト臍静脈内皮細胞から得られたcDNAライブラリー中で発見された。それは、構造上、TNFファミリーに関係がある。それは、174個のアミノ酸残基のタンパク質をコードするオープンリーディングフレームを含み、このうち、最初の約25個のアミノ酸残基は推定されるリーダー配列であることから、成熟タンパク質は149個のアミノ酸を含んでなる。そのタンパク質は、ウサギTNF−αに対し、111個のアミノ酸範囲にわたり、38%の同一性および58%の類似性をもって、最も高い程度の相同性をC末端で示す。TNFファミリーのメンバー全てに保存された配列はまた、TNF−γにおいても保存されている(第2図参照)。肉太の文字は、保存されたアミノ酸残基を示す。TNF−γ mRNAは、第3B図のRNAブロット分析で示されるように、ヒト臍静脈内皮細胞において特異的に発現される。
本発明のポリヌクレオチドは、RNAの形で、またはDNAの形であり得、このDNAには、cDNA、ゲノムDNA、および合成DNAが含まれる。該DNAは、二本鎖または一本鎖であり得、また一本鎖であるなら、コード鎖または非コード(アンチ−センス)鎖であり得る。成熟ポリペプチドをコードするコード配列は、第1図に示すコード配列または寄託されたクローンのコード配列と同じであってよく、あるいは遺伝コードの重複または縮重の結果として、第1図のDNAまたは寄託されたcDNAと同じ成熟ポリペプチドをコードする異なったコード配列であってもよい。
第1図の成熟ポリペプチドまたは寄託されたcDNAによりコードされる成熟ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドには、これに限定されるものではないが、以下のものが含まれ得る:成熟ポリペプチドのコード配列のみ;成熟ポリペプチドのコード配列、およびリーダーもしくは分泌配列またはプロタンパク質配列といったような付加的コード配列;成熟ポリペプチドのコード配列(また場合により、付加的コード配列)、および成熟ポリペプチドのコード配列のイントロンまたは非コード配列5'および/または3'といったような非コード配列。
従って、「ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド」という用語は、ポリペプチドのコード配列のみが含まれるポリヌクレオチド、さらにはまた、付加的コードおよび/または非コード配列が含まれるポリヌクレオチドを包含する。
本発明はさらに、第1図の推定アミノ酸配列を有するポリペプチドまたは寄託されたクローンのcDNAによりコードされるポリペプチドのフラグメント、アナログおよび誘導体をコードする、上記のポリヌクレオチドの変異体に関する。ポリヌクレオチドの変異体は、ポリヌクレオチドの天然に存在するアレル変異体またはポリヌクレオチドの天然には存在しない変異体であり得る。
従って、本発明には、第1図に示すのと同じ成熟ポリペプチドまたは寄託されたクローンのcDNAによりコードされる同じ成熟ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、さらにはまた、そのようなポリヌクレオチドの変異体が含まれ、これらの変異体は、第1図のポリペプチドまたは寄託されたクローンのcDNAによりコードされるポリペプチドのフラグメント、誘導体またはアナログをコードする。そのようなヌクレオチド変異体には、欠失変異体、置換変異体並びに付加および挿入変異体が含まれる。
先に示したように、該ポリヌクレオチドは、第1図に示すコード配列の天然に存在するアレル変異体または寄託されたクローンのコード配列の天然に存在するアレル変異体であるコード配列を有し得る。当業界で知られているように、アレル変異体は、1つまたはそれ以上のヌクレオチドの置換、欠失または付加を有し得る別の形のポリヌクレオチド配列であり、これは、コードされるポリペプチドの機能を実質的には変えない。
本発明にはまた、成熟ポリペプチドのコード配列が、宿主細胞からのポリペプチドの発現および分泌を助けるポリヌクレオチド配列、例えば、細胞からのポリペプチドの輸送を制御するための分泌配列として機能するリーダー配列に、同じ読み枠内で融合し得るポリヌクレオチドも含まれる。リーダー配列を有するポリペプチドがプレタンパク質であり、また宿主細胞により切断されて、成熟型のポリペプチドを形成したリーダー配列を有することがある。該ポリヌクレオチドはまた、付加的5'アミノ酸残基を加えた成熟タンパク質であるプロタンパク質もコードし得る。プロ配列を有する成熟タンパク質がプロタンパク質であり、また不活性型のタンパク質である。プロ配列が一度切断されると、活性成熟タンパク質が残る。
従って、例えば、本発明のポリヌクレオチドは、成熟タンパク質、またはプロ配列を有するタンパク質、またはプロ配列およびプレ配列(リーダー配列)の両方を有するタンパク質をコードし得る。
本発明のポリヌクレオチドはまた、本発明のポリペプチドの精製を可能とするマーカー配列に枠内で融合したコード配列も有し得る。細菌宿主の場合には、そのマーカー配列は、マーカーに融合した成熟ポリペプチドの精製を提供するための、pQE−9ベクターにより与えられるヘキサ−ヒスチジンタグ(tag)であってよく、または、例えば、哺乳動物宿主、例えば、COS−7細胞を使用する場合には、そのマーカー配列は、赤血球凝集素(HA)タグであってよい。HAタグは、インフルエンザ赤血球凝集素タンパク質から得られるエピトープに対応する(Wilson,I.ら、Cell、37:767(1984))。
本発明はさらに、配列間に少なくとも50%、また好ましくは70%の同一性がある場合に、上記の配列にハイブリダイズするポリヌクレオチドに関する。本発明は特に、ストリンジェント条件下、上記のポリヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドに関する。本明細書中で使用する場合、「ストリンジェント条件」という用語は、配列間に少なくとも95%、また好ましくは少なくとも97%の同一性がある場合にのみ、ハイブリダイゼーションが起こるであろうことを意味する。好ましい態様では、上記のポリヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドは、第1図のcDNAまたは寄託されたcDNAによりコードされる成熟ポリペプチドと同じ生物学的機能または活性を実質的には保有するポリペプチドをコードする。
本明細書中で言う寄託は、特許手続上の微生物の寄託の国際承認に関するブダペスト条約の条件の下に保持されるであろう。これらの寄託は、単に当業者への便宜として与えられるものであって、寄託が35 U.S.C. §112下に要求されることを承認するものではない。寄託された物質中に含まれるポリヌクレオチドの配列、さらにはまた、それによりコードされるポリペプチドのアミノ酸配列は、本明細書の一部を構成して、本明細書中の配列のいずれかの記載と矛盾する際はいつでも照合している。寄託された物質を製造し、使用し、または販売するには、実施許諾が要求され得、またそのような実施許諾は、ここでは付与されない。
本発明はさらに、第1図の推定アミノ酸配列を有する、または寄託されたcDNAによりコードされるアミノ酸配列を有するTNF−γポリペプチド、さらにはまた、そのようなポリペプチドのフラグメント、アナログおよび誘導体に関する。
第1図のポリペプチドまたは寄託されたcDNAによりコードされるポリペプチドを示す場合、「フラグメント」、「誘導体」および「アナログ」という用語は、そのようなポリペプチドと実質的に同じ生物学的機能または活性を保有するポリペプチドを意味する。従って、アナログには、プロプロテイン部分を切断することにより活性化して、活性な成熟ポリペプチドを製造することができるプロプロテインが含まれる。
本発明のポリペプチドは、組換えポリペプチド、天然ポリペプチドまたは合成ポリペプチド、好ましくは組換ポリペプチドであってよい。
第1図のポリペプチドまたは寄託されたcDNAによりコードされるポリペプチドのフラグメント、誘導体またはアナログは、(i)1つまたはそれ以上のアミノ酸残基が同型または非同型アミノ酸残基(好ましくは、同型アミノ酸残基)で置換されており、またそのような置換アミノ酸残基が遺伝コードによりコードされるものであってもよく、またはコードされたものでなくてもよいもの、(ii)1つまたはそれ以上のアミノ酸残基に置換基が含まれるもの、または(iii)成熟ポリペプチドが、該ポリペプチドの半減期を増加させる化合物(例えば、ポリエチレングリコール)のような、他の化合物と融合しているもの、または(iv)リーダーもしくは分泌配列、または成熟ポリペプチドの精製に使用される配列、またはプロプロテイン配列といったような、付加的アミノ酸が成熟ポリペプチドに融合しているものであり得る。そのようなフラグメント、誘導体およびアナログは、本明細書中の教示から当業者の範囲内であると思われる。
本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、単離された形で提供されるのが好ましく、好ましくは、均一となるまで精製される。
「単離された」という用語は、物質がその元の環境(例えば、それが天然に存在するなら、天然の環境)から除去されていることを意味する。例えば、生きている動物にある天然に存在するポリヌクレオチドまたはポリペプチドは単離されていないが、天然の系における共存物質のいくつかまたは全てから分離された同じポリヌクレオチドまたはポリペプチドは単離されている。そのようなポリヌクレオチドはベクターの部分となり得、および/またはそのようなポリヌクレオチドまたはポリペプチドは組成物の部分となり得、またそのようなベクターまたは組成物はその天然の環境の部分ではないという点で、なお単離されている。
本発明はまた、本発明のポリヌクレオチドが含まれるベクター、本発明のベクターで遺伝的に操作された宿主細胞、および本発明のポリペプチドの組換え技術による製造にも関する。
宿主細胞は、例えば、クローニングベクターまたは発現ベクターであり得る本発明のベクターで遺伝的に操作される(トランスデュースされ、またはトランスフォームされ、またはトランスフェクトされる)。該ベクターは、例えば、プラスミド、ウイルス粒子、ファージ等の形であり得る。操作された宿主細胞は、プロモーターを活性化し、トランスフォーマントを選択し、またはTNF−γ遺伝子を増幅するのに適するよう改変された従来の栄養培地で培養することができる。温度、pH等といったような培養条件は、発現用に選択された宿主細胞で先に使用した培養条件であって、当業者に明らかであろう。
本発明のポリヌクレオチドは、ペプチドを組換え技術により製造するのに使用することができる。従って、例えば、該ポリヌクレオチドを、ポリペプチドを発現するための様々な発現ベクターのいずれか1つに含ませることができる。そのようなベクターには、染色体、非染色体および合成DNA配列、例えば、SV40の誘導体;細菌プラスミド;ファージDNA;バキュロウイルス;酵母プラスミド;プラスミドとファージDNAとの組合せから得られるベクター;ワクシニア、アデノウイルス、鶏痘ウイルス、仮性狂犬病といったようなウイルスDNAが含まれる。しかし、他のいずれのベクターも、それが宿主中で複製可能であって、生存可能である限り、使用することができる。
適当なDNA配列を様々な方法によりベクターに挿入することができる。一般には、DNA配列を当業界で既知の方法により適当な制限エンドヌクレアーゼ部位に挿入する。そのような方法および他の方法は、当業者の範囲内であると思われる。
発現ベクターのDNA配列を、適当な発現制御配列(プロモーター)に作動可能に結合し、mRNA合成を行わせる。そのようなプロモーターの代表例として、以下のものが挙げられる:LTRまたはSV40プロモーター、E.coli. lacまたはtrp、ファージラムダPLプロモーター、および原核もしくは真核細胞またはそれらのウイルスでの遺伝子の発現を制御することが知られている他のプロモーター。発現ベクターはまた、翻訳開始のためのリボソーム結合部位および転写終結区も含む。該ベクターはまた、発現を増幅するのに適当な配列も含み得る。
さらに、発現ベクターは、真核細胞培養の場合にはジヒドロフォレートレダクターゼまたはネオマイシン耐性といったような、またはE.coliではテトラサイクリンまたはアンピシリン耐性といったような、トランスフォームされた宿主細胞の選択のための表現型特性を与えるために、1つまたはそれ以上の選択可能なマーカー遺伝子を含むのが好ましい。
上記のような適当なDNA配列、さらにはまた、適当なプロモーターまたは制御配列を含むベクターを、適当な宿主をトランスフォームするために使用して、その宿主がタンパク質を発現するのを可能にすることができる。
適当な宿主の代表例として、以下のものが挙げられる:E.coli、Streptomyces、Salmonella typhimuriumといったような細菌細胞;酵母のような真菌細胞;Drosophila S2およびSf9といったような昆虫細胞;CHO、COSまたはBowesメラノーマといったような動物細胞;アデノウイルス;植物細胞等。適当な宿主の選択は、本明細書中の教示から当業者の範囲内であると思われる。
とりわけ、本発明にはまた、先に広く記載した配列を1つまたはそれ以上含んでなる組換え構築物も含まれる。その構築物は、本発明の配列が順または逆方向で挿入されている、プラスミドまたはウイルスベクターといったようなベクターを含んでなる。この実施態様の好ましい態様では、該構築物はさらに、例えば、該配列に作動可能に結合したプロモーターを含め、制御配列を含んでなる。適当なベクターおよびプロモーターが多数、当業者に知られていて、市販されている。以下のベクターを例として挙げる。細菌用:pQE70、pQE60、pQE−9(Qiagen)、pBS、pD10、ファージスクリプト(phagescript)、psiX174、pbluescript SK、pbsks、pNH8A、pNH16a、pNH18A、pNH46A(Stratagene);ptrc99a、pKK223−3、pKK233−3、pDR540、pRIT5(Pharmacia)。真核生物用:pWLNEO、pSV2CAT、pOG44、pXT1、pSG(Stratagene)、pSVK3、pBPV、pMSG、pSVL(Pharmacia)。しかし、他のいずれのプラスミドまたはベクターも、それらが宿主中で複製可能であって、生存可能である限り、使用することができる。
プロモーター領域は、CAT(クロラムフェニコールトランスフェラーゼ)ベクターまたは選択マーカーを有する他のベクターを用いて、いずれかの所望の遺伝子から選択することができる。2つの適当なベクターは、PKK232−8およびPCM7である。個々に名付けられた細菌プロモーターには、lacI、lacZ、T3、T7、gpt、ラムダPR、PLおよびtrpが含まれる。真核プロモーターには、CMV即時初期(immediate early)、HSVチミジンキナーゼ、初期および後期SV40、レトロウイルス由来のLTR、およびマウスのメタロチオネイン−Iが含まれる。適当なベクターおよびプロモーターの選択は、十分、当業者のレベルの範囲内である。
さらなる態様では、本発明は、上記の構築物を含む宿主細胞に関する。その宿主細胞は、哺乳動物細胞のような高等真核細胞、酵母細胞のような低等真核細胞であり得、または該宿主細胞は、細菌細胞のような原核細胞であり得る。構築物の宿主細胞への導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストラン媒介トランスフェクションまたはエレクトロポレーションにより行うことができる。(Davis,L.、Dibner,M.、Battey,L.、Basic Methods in Molecular Biology(1986))。
宿主細胞中の構築物を通常の方法で使用して、組換え配列によりコードされる遺伝子産物を製造することができる。あるいはまた、本発明のポリペプチドは、従来のペプチド合成装置により合成的に製造することができる。
成熟タンパク質は、適当なプロモーターの制御下、哺乳動物細胞、酵母、細菌、または他の細胞中で発現させることができる。そのようなタンパク質を、本発明のDNA構築物から得られるRNAを用いて製造するために、無細胞翻訳系もまた使用することができる。原核および真核宿主で使用するのに適当なクローニングおよび発現ベクターは、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版、Cold Spring Harbor、ニューヨーク、(1989)により記載されており、この開示は、本明細書の一部を構成する。
本発明のポリペプチドをコードするDNAの高等真核生物による転写は、エンハンサー配列をベクターに挿入することにより増加する。エンハンサーは、プロモーターに作用してその転写を増加させる、通常、約10〜300bpの、DNAのシス作用性要素である。例には、bp 100〜270の、複製開始点の後期側にあるSV40エンハンサー、サイトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、複製開始点の後期側にあるポリオーマエンハンサー、およびアデノウイルスエンハンサーが含まれる。
通例、組換え発現ベクターには、複製開始点、および宿主細胞のトランスフォーメーションを可能にする選択可能なマーカー、例えば、E.coliのアンピシリン耐性遺伝子およびS.cerevisiae TRP1遺伝子、並びに下流の構造配列の転写を行わせるために高度に発現される遺伝子から得られるプロモーターが含まれるであろう。そのようなプロモーターは、とりわけ、3−ホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)のような解糖系酵素、α因子、酸性ホスファターゼ、または熱ショックタンパク質をコードするオペロンから得ることができる。ヘテロロガス構造配列は、翻訳開始および終結配列、また好ましくは、翻訳されたタンパク質の細胞周辺腔または細胞外媒体への分泌を行わせることができるリーダー配列と共に、適当な相(phase)で構築される。場合により、そのヘテロロガス配列は、所望の特性、例えば、発現された組換え生成物の安定化または精製の簡易化を与えるN−末端同定ペプチドが含まれる融合タンパク質をコードすることができる。
細菌で使用するのに有用な発現ベクターは、所望のタンパク質をコードする構造DNA配列を、適当な翻訳開始および終結シグナルと共に、機能的なプロモーターを有する作動可能なリーディング相に挿入することにより構築される。そのベクターは、ベクターの維持を確実なものとするために、また所望により、宿主内での増幅を与えるために、1つまたはそれ以上の表現型の選択可能なマーカーおよび複製開始点を含んでなるであろう。トランスフォーメーションに適当な原核宿主には、E.coli、Bacillus subtilis、Salmonella typhimurium、並びにPseudomonas属、Streptomyces属、およびStaphylococcus属の範囲内の様々な種が含まれるが、他のものもまた、選択物質として使用することができる。
代表的であるが、非限定的な例として、細菌で使用するのに有用なベクターは、周知のクローニングベクターpBR322(ATCC 37017)の遺伝要素を含んでなる市販のプラスミドから得られる、選択可能なマーカーおよび細菌の複製開始点を含んでなり得る。そのような市販のベクターには、例えば、pKK223−3(Pharmacia Fine Chemicals、Uppsala、スウェーデン)およびGEM1(Promega Biotec、Madison、WI、米国)が含まれる。これらのpBR322「骨核」部分を適当なプロモーターおよび発現されるべき構造配列と組み合わせる。
適当な宿主株をトランスフォーメーションして、その宿主株を適当な細胞密度まで増殖させた後、選択されたプロモーターを適当な方法(例えば、温度シフトまたは化学誘導)により誘導して、細胞をさらなる期間培養する。
細胞を、一般的には、遠心分離により収集し、物理的または化学的方法により破壊して、その結果得られた粗製の抽出物を更なる精製のために保有する。
タンパク質の発現に使用される微生物細胞は、凍結−解凍サイクル、音波処理、機械的破壊、または細胞溶解剤の使用を含め、いずれの従来法によっても破壊でき、そのような方法は、当業者に周知である。
組換えタンパク質を発現させるために、様々な哺乳動物細胞培養系もまた使用することができる。哺乳動物発現系の例には、Gluzman、Cell、23:175(1981)により記載されている、サルの腎臓線維芽細胞のCOS−7系、および適合可能なベクターを発現させることができる他の細胞系、例えば、C127、3T3、CHO、HeLaおよびBHK細胞系が含まれる。哺乳動物発現ベクターは、複製開始点、適当なプロモーターおよびエンハンサー、またいずれかの必要なリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライスドナーおよびアクセプター部位、転写終結配列、および5'に隣接する非転写配列もまた含んでなるであろう。SV40のスプライシングから得られるDNA配列、およびポリアデニル化部位を使用して、必要とされる非転写遺伝要素を与えることができる。
TNF−γポリペプチドは、硫酸アンモニウムまたはエタノール沈降、酸抽出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水的相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、およびレクチンクロマトグラフィーが含まれる方法により、組換え細胞培養物から回収して、精製することができる。必要に応じて、タンパク質の再生工程を、成熟タンパク質の立体配置を完成するのに使用することができる。最後に、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)を最終精製工程に使用することができる。
本発明のポリペプチドは、天然に精製された産物、もしくは化学合成法の産物であり得るか、または原核もしくは真核宿主から(例えば、培養物中の細菌、酵母、高等植物、昆虫および哺乳動物細胞によって)組換え技術により製造することができる。組換え製造方法で使用する宿主により、本発明のポリペプチドは、グリコシル化され得るか、またはグルコシル化され得ない。本発明のポリペプチドにはまた、最初のメチオニンアミノ酸残基が含まれ得る。
本発明のTNF−γポリペプチドは、腫瘍細胞増殖または新形成を阻害するために使用することができる。該TNF−γポリペプチドは、膜ブレビン(blebbin)(ゼイオシス(zeiosis))、細胞質の圧縮、および内因性エンドヌクレアーゼの活性化により特徴付けられる、アポプトシスによる腫瘍破壊の原因となり得る(第7図)。表1に示されるように、TNF−γは、異常な細胞増殖および調節を有する、試験した細胞系、例えば、線維肉腫および癌細胞系に対して、強い細胞毒活性を有する。このことはまた、第6A図、第6B図および第8図でも説明されており、ここでは、TNF−γが、細胞毒活性によってL929およびWEHI 164細胞増殖を阻害する能力を有することが示されている。WEHI 164細胞は、マウス線維肉腫細胞である。TNF−γを投与する好ましい方法は、腫瘍内への直接注射による。
TNF−γの細胞接着活性は、創傷治癒に利用することができる。表1および第9図に示されるように、TNF−γは強い内皮細胞増殖効果を有し、このことは、TNF−γが創傷治癒において役割を担うことの指標である。TNF−γの細胞接着効果はまた、創傷治癒においての役割も担い得る。
TNF−γはまた、増殖促進活性を必要とする疾患、例えば、再狭窄を治療するのに使用することもできる。上述のように、TNF−γは、内皮細胞増殖に対して強い増殖効果を有することが示されている。従って、TNF−γはまた、造血および内皮細胞の発達を調節するのに使用することもできる。
該TNF−γポリペプチドは、そのT細胞の活性化を刺激する能力により、免疫応答の重要なメディエーターである。従って、このポリペプチドは、様々な寄生生物、細菌およびウイルス感染に対する免疫応答を刺激するのに使用することができる。TNF−γは、ウイルス感染細胞を溶菌することから、HIV感染細胞を停止するのに使用することができる。
該TNF−γポリペプチドはまた、T細胞増殖応答を高めることにより、I型糖尿病のような自己免疫疾患を治療するのに使用することもできる。
本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、ヒト疾患に対する治療および診断の発見のための、研究試薬および物質として使用することができる。
本発明は、TNF−γに対する受容体の同定方法を提供する。該受容体をコードする遺伝子は、当業者に知られている多数の方法、例えば、リガンドパニング(panning)およびFACSソーティングにより同定することができる(Coliganら、Current Protocols in Immun.、1(2)、第5章(1991))。好ましくは、発現クローニングを利用し、ここでは、ポリアデニル化RNAをTNF−γに応答する細胞から調製して、このRNAから作られるcDNAライブラリーをプールに分けて、COS細胞またはTNF−γに応答しない他の細胞をトランスフェクトするために使用する。ガラススライド上で増殖させた、トランスフェクトされた細胞を、標識化TNF−γにさらす。TNF−γは、ヨウ素化または部位特異的プロテインキナーゼに対する認識部位の包含を含め、様々な方法により標識化することができる。固定およびインキュベーションに続いて、そのスライドをオートラジオグラフ分析にかける。陽性のプールを同定して、サブプールを調製し、反復サブプーリングおよび再スクリーニング方法を利用して、再びトランスフェクトし、最終的には、推定される受容体をコードする単一クローンを得る。
受容体を同定するための他の方法として、標識化TNF−γを細胞膜と光親和性により結合させるか、または受容体分子を発現する調製物を抽出することができる。橋かけ(cross-linked)物質をPAGEにより分けて、X線フィルムにさらす。TNF−γ−受容体を含む標識化複合体を切除し、ペプチドフラグメントに分けて、タンパク質ミクロ配列決定にかけることができる。ミクロ配列決定から得られるアミノ酸配列を使用して、一組の変性オリゴヌクレオチドプローブを設計し、cDNAライブラリーをスクリーニングして、推定される受容体をコードする遺伝子が同定されるであろう。
TNF−γは、2つの可溶性TNF受容体、sTNF−RI(p55)およびsTNF−RII(p75)へ有意に結合しない。従って、TNF−γは、既知のTNFタンパク質活性を含み、また既知のTNFタンパク質の活性以外の活性を有し得る(第11図参照)。
本発明はまた、化合物をスクリーニングして、TNF−γによく似ている化合物(アゴニスト)を同定する、またはTNF−γの効果を防ぐ方法にも関する。そのような方法の一例は、TNF−γがコミトゲン(comitogen)Con A.の存在下にヒト内皮細胞の増殖を有意に刺激する能力を利用する。内皮細胞を得て、2μg/mlのCon−A(Calbiochem、La Jolla、CA)の存在下、10%熱不活性化ウシ胎児血清(Hyclone Labs、Logan、UT)、1%L−グルタミン、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン、0.1%ゲンタマイシン(Gibco Life Technologies、Grand I sland、NY)を補ったRPM1 1640の入った、96ウェルの平底培養プレート(Costar、Cambridge、MA)で培養する。Con−A、およびスクリーニングすべき化合物を、最終体積が0.2mlとなるまで加える。37℃で60時間後、培養物を、1μCiの[3H]チミジン(5Ci/mmol;1Ci=37BGq;NEN)で12−18時間パルスして、ガラス繊維フィルター(PhD;Cambridge Technology、Watertown、MA)上に収集する。3回行った培養の平均の[3H]チミジンの取込み(cpm)を、液体シンチレーションカウンター(Beckman Instruments、Irvine、CA)を使用して測定する。有意な[3H]チミジンの取込みは、内皮細胞増殖の刺激を示す。
あるいはまた、TNF−γと受容体との相互作用に続いて起こる、既知の第二メッセンジャーシステムの応答は、該化合物の存在下または不存在下に測定して比較されるであろう。そのような第二メッセンジャーシステムには、これらに限定されるものではないが、cAMPグアニル酸シクラーゼ、イオンチャンネルまたはホスホイノシチド加水分解が含まれる。
アンタゴニストに関してアッセイするには、上記アッセイを行うが、このアッセイでは、TNF−γを、スクリーニングすべき化合物と一緒に加え、また該化合物がTNF−γの存在下に[3H]チミジンの取込みを阻害する能力は、該化合物がTNF−γに対するアンタゴニストであることを示す。あるいはまた、TNF−γアンタゴニストは、競合阻害アッセイに適当な条件下、TNF−γおよび可能性のあるアンタゴニストを、膜に結合したTNF−γ受容体と、または組換え受容体と合わせることにより検出することができる。TNF−γは、例えば、放射能より標識化することができることから、該受容体に結合したTNF−γ分子の数により、可能性のあるアンタゴニストの有効性を測定することができる。
あるいはまた、該化合物の存在下、TNF−γ受容体を発現する哺乳動物の細胞または膜調製物を、標識化TNF−γと共にインキュベートする。次いで、該化合物がこの相互作用を高める、またはブロックする能力を測定することができるであろう。
TNF−γに特異的な抗体は、TNF−γに結合して、TNF−γがその受容体に結合できないようにすることにより、アンタゴニストとして使用することができる。この試薬において、モノクローナル抗体が特に有効である。該TNF−γ受容体に特異的な抗体は、しかし、その受容体との相互作用に対するTNF−γの効果にアゴナイズ(agonize)傾向がある、異なった細胞応答を媒介し得る。
可能性のあるTNF−γアンタゴニストにはまた、TNF−γ受容体に結合して、該受容体をその天然リガンドから有効にブロックするために第二メッセンジャー応答を全く誘発しない、TNF−γの変異体も含まれる。具体的に設計されたオリゴヌクレオチドおよび小さな分子もまた、TNF−γ受容体に結合して、TNF−γ受容体をTNF−γからブロックすることができる。小さな分子の例には、これらに限定されるものではないが、小さなペプチドまたはペプチド様分子が含まれる。
別の可能性のあるTNF−γアンタゴニストは、TNF−γに結合して、TNF−γが膜に結合したTNF−γ受容体と相互作用できないようにする、可溶性型のTNF−γ受容体である。この方法では、該受容体が、TNF−γにより刺激されない。
別の可能性のあるTNF−γアンタゴニストは、アンチセンス技術を利用して調製されたアンチセンス構築物である。アンチセンス技術を利用して、三重らせん形成またはアンチセンスDNAもしくはRNAによって遺伝子発現を制御することができ、この方法は両方とも、ポリヌクレオチドのDNAまたはRNAへの結合に基づく。例えば、本発明の成熟ポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド配列の5'コード部分を使用して、長さ約10〜40塩基対のアンチセンスRNAオリゴヌクレオチドを設計する。DNAオリゴヌクレオチドを、転写に関与する遺伝子領域に対して相補的であるよう設計し(三重らせん−Leeら、Nucl.Acids Res.、6:3073(1979);Cooneyら、Science、241:456(1988);およびDervanら、Science、251:1360(1991)を参照)、そのことによって、転写およびTNF−γの産生を妨げる。アンチセンスRNAオリゴヌクレオチドは、インビボにおいてmRNAにハイブリダイズして、mRNA分子のTNF−γポリペプチドへの翻訳をブロックする(アンチセンス−Okano、J.Neurochem.、56:560(1991);Oligodeoxynucleotides as Antisense Inhibitors of Gene Expression、CRC Press、Boca Raton、FL(1988))。上記のオリゴヌクレオチドをまた、細胞に送り込むことから、アンチセンスRNAまたはDNAをインビボにおいて発現させて、TNF−γの産生を阻害することができる。
TNF−γアンタゴニストはまた、TNF−γにより抑制されるリポタンパク質リパーゼの全身性欠損から起こる脂質清澄化欠損症である、悪液質を治療するのに使用することもできる。TNF−γアンタゴニストはまた、TNF−γが病原的役割を担うらしい、大脳マラリアを治療するのにも使用される。該アンタゴニストはまた、滑液細胞において、IL−1のような炎症性サイトカインの産生を誘起するTNF−γを阻害することにより、慢性関節リウマチを治療するのに使用することもできる。関節炎を治療する場合、TNF−γを関節内に注射するのが好ましい。
該TNF−γアンタゴニストはまた、移植片の存在下、TNF−γによる免疫系の刺激を防ぐことにより、移植片拒絶を防ぐのに使用することもできる。
該TNF−γアンタゴニストはまた、TNF−γが骨吸収を誘起し得ることから、骨粗鬆症を治療するのに使用することもできる。
TNF−γに対するアンタゴニストはまた、TNF−γが炎症応答の高まりを媒介することから、抗炎症剤として使用することもできる。
該アンタゴニストはまた、敗血症性ショックとも呼ばれる内毒素性ショックを治療するのに使用することもできる。この重篤な病態は、細菌または他の種類の感染に対する応答の誇張から起こる。この応答は、ショックおよび組織損傷の原因となるTNF−γレベルの上昇をもたらす。
該アンタゴニストは、以下に記載するような薬学上許容され得る担体と共に、組成物中で使用することができる。
完全な長さのTNF−γ遺伝子のフラグメントは、完全な長さの遺伝子を単離するために、また該遺伝子に対する高い配列類似性、または類似の生物学的活性を有する他の遺伝子を単離するために、cDNAライブラリーに対するハイブリダイゼーションプローブとして使用することができる。この種類のプローブは、例えば、20〜2000塩基であり得る。好ましくは、しかし、該プローブは、30〜50塩基対を有する。該プローブはまた、完全な長さの転写物、並びにゲノムクローン、または調節およびプロモーター領域、エキソン、およびイントロンが含まれる、完全なTNF−γ遺伝子を含むクローンに対応するcDNAクローンを同定するのに使用することもできる。スクリーニングの例としては、オリゴヌクレオチドプローブを合成するための既知のDNA配列を使用することによって、TNF−γ遺伝子のコード領域を単離することを含んでなる。本発明の遺伝子の配列に相補的な配列を有する標識化オリゴヌクレオチドを、ヒトcDNA、ゲノムDNAまたはmRNAのライブラリーをスクリーニングするために使用して、プローブがハイブリダイズするライブラリーのメンバーを決定する。
本発明のTNF−γポリペプチド並びにアゴニストおよびアンタゴニストは、適当な薬学的担体と組み合わせて使用することができる。そのような組成物は、治療上有効な量の該化合物、および薬学上許容され得る担体または賦形剤を含んでなる。そのような担体には、これに限定されるものではないが、生理食塩水、緩衝化生理食塩水、デキストロース、水、グリセロール、エタノール、およびそれらの組み合わせが含まれる。その製剤は、投与方法に適合すべきである。
本発明はまた、本発明の医薬組成物の成分を1つまたはそれ以上充填した、1つまたはそれ以上の容器を含んでなる医薬品パックまたはキットも提供する。そのような容器に関連して、薬学的または生物学的製品の製造、使用または販売を規制する政府当局により規定された形の通知を付してもよく、この通知は、ヒトへの投与のための製造、使用または販売の、該当局による承認を表わす。さらに、本発明の医薬組成物は、他の治療化合物と共に使用することができる。
該医薬組成物は、局所、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、鼻腔内または皮内経路といったような、便利な方法で投与することができる。該医薬組成物は、具体的な徴候を治療および/または予防するのに有効な量で投与される。一般に、それらは、少なくとも約10μg/kg(体重)の量で投与され、最も多くの場合、それらは、1日当り約8mg/kg(体重)を超えない量で投与されるであろう。最も多くの場合、投与経路および症状等を考慮に入れて、投薬量は、毎日約10μg/kg〜約1mg/kg(体重)である。
該TNF−γポリペプチド、並びにポリペプチドであるアゴニストおよびアンタゴニストはまた、「遺伝子治療」と呼ばれることが多い、そのようなポリペプチドのインビボにおける発現により、本発明に従って使用することもできる。
従って、例えば、患者由来の細胞を、エクスビボにおいてポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(DNAまたはRNA)で操作した後、操作した細胞を該ペプチドで処置すべき患者に与える。そのような方法は、当業界で周知であって、本明細書中の教示から明らかである。例えば、本発明のポリペプチドをコードするRNAを含むレトロウイルス粒子の使用により、細胞を操作することができる。
同様に、例えば、当業界で既知の方法により、ポリペプチドのインビボにおける発現のために、細胞をインビボにおいて操作することができる。例えば、細胞をインビボにおいて操作して、ポリペプチドをインビボにおいて発現させるために、本発明のポリペプチドをコードするRNAを含むレトロウイルス粒子を製造するための産生細胞を患者に投与することができる。そのような方法により本発明のポリペプチドを投与するためのこれらの方法および他の方法は、本発明の教示から当業者に明らかであろう。例えば、細胞を操作するための発現ビヒクルは、レトロウイルス以外のもの、例えば、適当な運搬ビヒクルと組み合わせた後、細胞をインビボにおいて操作するために使用することができるアデノウイルスであってもよい。
本発明はまた、疾患、または変異したTNF−γの存在に関係のある疾患に対する感受率を検出するための診断アッセイの一部としての、TNF−γ遺伝子の使用にも関する。そのような疾患、例えば、腫瘍および癌といったような異常な細胞増殖は、TNF−γの発現不足と関係がある。
ヒトTNF−γ遺伝子において変異が起こっている個体は、様々な技術により、DNAレベルで検出することができる。診断用の核酸は、患者の細胞から、例えば、血液、尿、唾液、組織生検および剖検材料から得ることができる。ゲノムDNAは、検出のために直接使用することができ、または分析前にPCR(Saikiら、Nature、324:163−166(1986))を利用することにより、酵素的に増幅することができる。RNAまたはcDNAもまた、同じ目的に使用することができる。例としては、TNF−γをコードする核酸に相補的なPCRプライマーを使用して、TNF−γ変異を同定して分析することができる。例えば、欠失および挿入は、正常な遺伝子型と比較しての増幅産物のサイズにおける変化により検出することができる。点変異は、増幅されたDNAが、放射能標識化TNF−γ RNA、あるいはまた、放射能標識化TNF−γアンチセンスDNA配列にハイブリダイズすることにより同定することができる。完全に対合している配列は、RNアーゼA消化により、または融解温度の相違により、対合していない複式物(duplexes)と区別することができる。
DNA配列の相違に基づいた遺伝試験は、変性剤を含む、または含まないゲルでのDNAフラグメントの電気泳動移動度における変化の検出により成し遂げることができる。小さな配列の欠失および挿入は、高分解能ゲル電気泳動により視覚化することができる。DNAフラグメントの様々な配列は、ホルムアミジングラジエントゲルを変性することで区別することができ、ここでは、様々なDNAフラグメントの移動度が、それらの特異的な融解または部分的な融解温度により、ゲルにおける様々な位置で遅延される(例えば、Myersら、Science、230:1242(1985)を参照)。
特定の位置での配列変化もまた、RNアーゼおよびS1保護といったようなヌクレアーゼ保護アッセイ、または化学切断法により示すことができる(例えば、Cottonら、PNAS、USA、85:4397−4401(1985))。
従って、特異的なDNA配列の検出は、ゲノムDNAのハイブリダイゼーション、RNアーゼ保護、化学切断、直接DNA配列決定、または制限酵素の使用(例えば、制限酵素断片長多型(RFLP))、およびサザンブロッティングといったような方法により成し遂げることができる。
さらに従来的なゲル電気泳動およびDNA配列決定に加えて、変異はまた、in situ分析により検出することもできる。
本発明はまた、正常な対照の組織試料と比較しての該タンパク質の過剰発現により、疾患、または疾患に対する感受率、例えば、腫瘍および大脳マラリアの存在を検出することができることから、様々な組織におけるTNF−γタンパク質レベルの変化を検出するための診断アッセイにも関する。宿主から得られた試料中のTNF−γタンパク質レベルを検出するために利用されるアッセイは当業者に周知であって、ラジオイムノアッセイ、競合結合アッセイ、ウェスタンブロット分析、ELISAアッセイ、および「サンドイッチ」アッセイが含まれる。ELISAアッセイ(Coliganら、Current Protocols in Immunology、1(2)、第6章、(1991))は、まず最初に、TNF−γ抗原に特異的な抗体、好ましくはモノクローナル抗体を調製することを含んでなる。さらに、リポーター抗体を、そのモノクローナル抗体に対して調製する。そのリポーター抗体に、放射能、蛍光、また本実施例では、ワサビペルオキシダーゼ酵素といったような、検出可能な試薬を結合させる。試料を直ちに宿主から取り除いて、試料中のタンパク質を結合する固形保持体、例えば、ポリスチレン皿の上でインキュベートする。次いで、BSAのような、非特異的なタンパク質と共にインキュベートすることにより、その皿の上の空いているタンパク質結合部位を全て覆う。次に、モノクローナル抗体を皿においてインキュベートするが、その間に、そのモノクローナル抗体は、ポリスチレン皿に結合した全てのTNF−γタンパク質に結合する。結合しなかったモノクローナル抗体を全て、緩衝液で洗い流す。ワサビペルオキシダーゼに結合したリポーター抗体を直ちに皿に置くと、リポーター抗体の、TNF−γに結合した全てのモノクローナル抗体への結合が起こる。次いで、結合しなかったリポーター抗体を洗い流す。次いで、ペルオキシダーゼ基質を皿に加えて、一定時間に発生した色の量は、標準曲線に対して比較する場合、患者の試料の一定体積中に存在するTNF−γタンパク質の量の測定値である。
競合アッセイを利用することができ、ここでは、TNF−γに特異的な抗体を固形保持体に結合させて、標識化TNF−γおよび宿主から得られた試料を固形保持体上に通過させて、例えば、液体シンチレーションクロマトグラフィーにより検出される標識の量を、試料中のTNF−γの量に関連づけることができる。
「サンドイッチ」アッセイは、ELISAアッセイに似ている。「サンドイッチ」アッセイでは、TNF−γを固形保持体上に通過させて、固形保持体に結合した抗体に結合させる。次いで、第二抗体をTNF−γに結合させる。標識化され、また第二抗体に特異的な第三抗体を固形保持体上に通過させて、第二抗体に結合させた後、量を定量することができる。
本発明の配列はまた、染色体同定にも有益である。その配列を個々のヒト染色体上の特定の位置に対して具体的に標的化して、ハイブリダイズさせることができる。そのうえ、現在、染色体上の特定の部位を同定する必要がある。実際の配列データ(反復多型性)に基づいた染色体マーキング試薬は、現在、染色体位置をマークするのにはほとんど利用できない。本発明によるDNAの染色体へのマッピングは、それらの配列を病気と関連する遺伝子と関係づける重要な第一段階である。
簡単に言えば、cDNA由来のPCRプライマー(好ましくは、15−25bp)を調製することにより、配列を染色体にマップすることができる。配列の3'の翻訳されていない領域のコンピューター分析を利用して、ゲノムDNA中の1つ以上のエキソンをスパン(span)しないプライマーを迅速に選択することから、増幅過程を複雑なものとする。次いで、これらのプライマーを、個々のヒト染色体を含む体細胞ハイブリッドのPCRスクリーニングに使用する。プライマーに対応するヒト遺伝子を含む、それらのハイブリッドのみが、増幅されたフラグメントを与えるであろう。
体細胞ハイブリッドのPCRマッピングは、特定のDNAを特定の染色体に帰属させるための迅速な方法である。同じオリゴヌクレオチドプライマーを用いての本発明を利用して、サブローカリゼーションは、具体的な染色体または大きいゲノムクローンのプール由来のフラグメントのパネルを用いる類似の方法で達成することができる。その染色体へマップするのに同様に利用することができる他のマッピング方法には、in situハイブリダイゼーション、標識化フロー−ソーティッド(flow−sorted)染色体を用いてのプレスクリーニング、および染色体特異的cDNAライブラリーを構築するためのハイブリダイゼーションによるプレセレクションが含まれる。
cDNAクローンの、中期染色体スプレッドへの蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)を利用して、正確な染色体位置を一工程で与えることができる。この技術は、500または600塩基という短いcDNAで利用することができる;しかし、2,000bpより大きいクローンは、簡単な検出に十分なシグナル強度を有する独自の染色体位置へ結合する可能性が高い。FISHは、発現配列タグ(EST)が得られるクローンの使用を必要とし、また長ければ長いほどよい。例えば、2,000bpが良好であり、4,000はより良好であって、4,000以上は、恐らく、良好な結果を妥当な時間割合で得るのに必要ない。この技術の復習には、Vermaら、Human Chromosomes:a Manual of Basic Techniques、Pergamon Press、ニューヨーク(1988)を参照。
ある配列が正確な染色体位置に一度マップされると、染色体上の配列の物理的位置を遺伝マップデータと関連付けることができる。そのようなデータは、例えば、V.McKusick、Mendelian Inheritance in Man(Johns Hopkins University Welch Medical Libraryを介してオンラインで利用できる)に見い出される。次いで、同じ染色体領域にマップされている遺伝子と疾患との間の関係を結合分析(物理的に隣接した遺伝子の共遺伝(coinheritance))によって確認する。
次に、病気に冒された個体と冒されていない個体との間のcDNAまたはゲノム配列の相違を決定する必要がある。変異が、冒された個体のいくつかまたは全てにおいて認められるが、いずれの正常な個体においても認められないなら、その変異は疾患の原因となるものであるらしい。
現在、物理的マッピングおよび遺伝的マッピングの分析から、疾患と関連する染色体領域に正確に局在化したcDNAは、50〜500の可能な原因となる遺伝子の1つとなり得るであろう。(これは、1メガベースのマッピング分析および20kb当り1つの遺伝子を仮定する)。
ポリペプチド、それらのフラグメントもしくは他の誘導体、もしくはそれらのアナログ、またはそれらを発現する細胞を免疫源として使用して、それらに対する抗体を製造することができる。これらの抗体は、例えば、ポリクローナルまたはモノクローナル抗体であり得る。本発明にはまた、キメラ、単鎖、およびヒト化抗体、さらにはまた、Fabフラグメント、またはFab発現ライブラリーの生成物も含まれる。当業界で既知の様々な方法を、そのような抗体およびフラグメントの製造に使用することができる。
本発明の配列に対応するポリペプチドに対して生成される抗体は、ポリペプチドを動物に直接注入することにより、またはポリペプチドを動物、好ましくはヒトでない動物に投与することにより得ることができる。次いで、そのようにして得られた抗体は、そのポリペプチド自体に結合するであろう。この方法では、ポリペプチドのフラグメントのみをコードする配列さえも、完全な天然のポリペプチドを結合する抗体を製造するのに使用することができる。次いで、そのような抗体を使用して、そのポリペプチドを発現する組織からポリペプチドを単離することができる。
モノクローナル抗体を調製するには、連続的な細胞系培養により産生される抗体を与える技術を全て使用することができる。例には、ハイブリドーマ技術(KohlerおよびMilstein、1975、Nature、256:495−497)、トリオーマ(trioma)技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kozborら、1983、Immunology Today 4:72)、およびヒトモノクローナル抗体を製造するためのEBV−ハイブリドーマ技術(Coleら、1985、Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy、Alan R.Liss,Inc.、77−96頁において)が含まれる。
単鎖抗体の産生に関して記載されている技術(米国特許第4,946,778号)は、本発明の免疫原性ポリペプチド産物に対する単鎖抗体を製造するのに適合し得る。また、トランスジェニックマウスを使用して、本発明の免疫原性ポリペプチド産物に対するヒト化抗体を発現させることもできる。
本発明をさらに、以下の実施例に関して記載する;しかし、本発明は、そのような実施例に限定されないことを理解すべきである。部または量は全て、特にことわらない限り、重量単位である。
以下の実施例の理解を容易にするために、幾つかの頻繁に出てくる方法および/または用語を記載する。
「プラスミド」は、前置きする小文字のpおよび/または続けて大文字および/または数字により示す。本明細書中の出発プラスミドは、市販されていて、限定されない基盤の下に公に入手可能であるか、または公開された方法により入手可能なプラスミドから構築できる。さらに、記載したプラスミドと同等のプラスミドは、当業界で既知であって、当業者に明らかであろう。
DNAの「消化」は、DNAのある配列にのみ作用する制限酵素でDNAを触媒切断することを示す。本明細書中で使用する様々な制限酵素は市販されており、それらの反応条件、補因子および他の必要条件は、当業者に知られているように使用した。分析目的には、一般的に、緩衝溶液約20μl中、1μgのプラスミドまたはDNAフラグメントを約2単位の酵素と共に使用する。プラスミド構築のためのDNAフラグメントを単離する目的には、一般的に、より多量の体積中、DNA5〜50μgを20〜250単位の酵素で消化する。特定の制限酵素に適当な緩衝液および基質量は、製造者により指定されている。37℃で約1時間のインキュベーション時間が通常利用されるが、供給者の指示に従って変えることができる。消化後、その反応物をポリアクリルアミドゲルで直接電気泳動して、所望のフラグメントを単離する。
切断したフラグメントのサイズ分離は、Goeddel,Dら、Nucleic Acids Res.、8:4057(1980)により記載されている8%ポリアクリルアミドゲルを用いて行う。
「オリゴヌクレオチド」は、化学的に合成することができる、一本鎖ポリデオキシヌクレオチド、または2つの相補的ポリヌクレオチド鎖を示す。そのような合成オリゴヌクレオチドは5'ホスフェートを有さないことから、キナーゼの存在下、ATPでホスフェートを加えることなしには、別のオリゴヌクレオチドにライゲートしないであろう。合成オリゴヌクレオチドは、脱リン酸化されていないフラグメントにライゲートするであろう。
「ライゲーション」は、2つの二本鎖核酸フラグメントの間にホスホジエステル結合を形成する過程をいう(Maniatis,T.ら、同上、146頁)。特にことわらない限り、ライゲーションは、ライゲートさせるべきDNAフラグメントのほぼ等モル量の0.5μg当り10単位のT4DNAリガーゼ(「リガーゼ」)と共に、既知の緩衝液および条件を用いて成し遂げることができる。
特にことわらない限り、トランスフォーメーションは、Graham,F.およびVan der Eb,A.、Virology、52:456−457(1973)の方法に記載されているようにして行った。
実施例 1
TNF−γの細菌発現および精製
最初に、TNF−γをコードするDNA配列、ATCC第75927号を、TNF−γタンパク質の5'配列、およびTNF−γ遺伝子の3'側ベクター配列に対応するPCRオリゴヌクレオチドプライマーを利用して増幅する。TNF−γに対応する付加的ヌクレオチドを各々、5'および3'配列に付加した。5'オリゴヌクレオチドプライマーは、配列:
を有し、BamHI制限酵素部位、続いて、プロセッシングされたタンパク質コドンの推定される末端アミノ酸から始まる、TNF−γコード配列の最初の24ヌクレオチドを含む。3'配列:
は、XbaI部位に対する相補的配列、続いて、TNF−γの22ヌクレオチド、およびTNF−γ DNA挿入物の3'に位置するpQE−9ベクター配列に対する相補的配列を含む。その制限酵素部位は、細菌発現ベクターpQE−9(Qiagen)上の制限酵素部位に対応する。次いで、pQE−9をBamHIおよびXbaIで消化した。増幅された配列をpQE−9にライゲートして、ヒスチジンタグおよびRBSをコードする配列と共に枠内に挿入した。次いで、そのライゲーション混合物を使用して、Sambrook,J.ら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、Cold Spring Laboratory Press(1989)に記載されている手順により、Qiagenから商標M15/rep4で入手可能なE.coli.株をトランスフォームした。M15/rep4はプラスミドpREP4の多重コピーを含み、これは、lacIリプレッサーを発現して、またカナマイシン耐性(Kanr)も与える。トランスフォーマントを、それらがLBプレートで増殖する能力により同定して、アンピシリン/カナマイシン耐性コロニーを選択した。プラスミドDNAを単離して、制限分析により確認した。所望の構築物を含むコロニーを、Amp(100ug/ml)とKan(25ug/ml)の両方を補ったLB培地中での液体培養で一晩増殖させた(O/N)。そのO/N培養物を使用して、大きな培養物を1:100〜1:250の割合で播種した。細胞が、0.4〜0.6の光学密度600(O.D.600)まで増殖した。次いで、IPTG(「イソプロピル−B−D−チオガラクトピラノシド」)を、最終濃度が1mMとなるまで加えた。IPTGは、lacIリプレッサーを不活性化し、P/Oをクリアリングし、遺伝子発現を増加させることにより誘導する。細胞をさらに3〜4時間増殖させた。次いで、細胞を遠心分離により収集した。細胞ペレットをカオトロピック剤である6モルのグアニジンHCl中で可溶化した。清澄後、この溶液から、6−ヒスチジンタグを含むタンパク質による強固な結合を可能にする条件下、ニッケル−キレートカラムでのクロマトグラフィーにより、可溶化したTNF−γを精製した(Hochuli,E.ら、J.Chromatography 411:177−184(1984))。ニッケル−キレートカラムでの2回目の操作により、TNF−γをさらに精製した。6モルのグアニジンHCl(pH5.0)中、TNF−γ(純度90%)をカラムから溶出し、また再生を目的として、PBS緩衝液中で透析した。その発現産物をSDS−PAGEにより電気泳動し、またその結果は、第4図(ここで、Mは、分子量マーカーであり;レーン1は、誘導された細胞ライゼートであり;レーン2は、誘導されない細胞ライゼートであり;レーン3は、2回のニッケル−キレートカラム精製後のTNF−γタンパク質であり;レーン4は、1回のカラム精製後のTNF−γタンパク質である)に見ることができる。
実施例 2
バキュロウイルス発現システムを用いてのTNF−γのクローニングおよび発現
完全な長さのTNF−γタンパク質をコードするDNA配列、ATCC第75927号を、遺伝子の5'および3'配列に対応するPCRオリゴヌクレオチドプライマーを利用して増幅した。
その5'プライマーは、配列:
を有し、またBamHI制限酵素部位(肉太の活字)、続いて、24ヌクレオチドのTNF−γ遺伝子を含む(翻訳開始コドン「ATG」に下線を引く)。
その3'プライマーは、配列:
を有し、また制限エンドヌクレアーゼXbaIの切断部位、およびTNF−γ遺伝子の3'非翻訳配列に対して相補的な22ヌクレオチドを含む。増幅された配列を、市販のキット(「Geneclean」、BIO 101 Inc.、La Jolla、Ca.)を使用して、1%アガロースゲルから単離した。次いで、そのフラグメントをエンドヌクレアーゼBamHIおよびXbaIで消化した後、1%アガロースゲル上で次に再度精製した。このフラグメントをF2と名付ける。
ベクターpA2(pVL941ベクターの修飾、以下に論ずる)を、バキュロウイルス発現システムを用いてのTNF−γタンパク質の発現に使用した(レビューには、Summers,M.D.およびSmith,G.E.1987、A manual of methods for baculovirus vectors and insect cell culture procedures、Texas Agricultural Experimental Station Bulletin No.1555を参照)。この発現ベクターは、オートグラファ(Autographa)カリフォルニアポリヘドロシスウイルス(AcMNPV)の強力なポリヘドリンプロモーター、続いて、制限エンドヌクレアーゼBamHIおよびXbaIの認識部位を含む。シミアンウイルス(SV)40のポリアデニル化部位を、有効なポリアデニル化に使用する。組換えウイルスを容易に選択するため、E.coli由来のβ−ガラクトシダーゼ遺伝子を、ポリヘドリン遺伝子のポリアデニル化シグナルが続くポリヘドリンプロモーターと同じ向きに挿入する。同時トランスフェクトした(cotransfected)野生型ウイルスDNAの、細胞により媒介される相同組換えのためのウイルス配列をポリヘドリン配列の両側に隣接させる。多くの他のバキュロウイルスベクターを、例えば、pRG1、pAc373、pVL941、およびpAcIM1を、pA2の代わりに使用することができるであろう(Luckow,V.A.およびSummers,M.D.、Virology、170:31−39)。
プラスミドを制限酵素BamHIおよびXbaIで消化した後、当業界で既知の方法により、仔ウシ腸ホスファターゼを用いて脱リン酸化した。次いで、市販のキット(「Geneclean」BIO 101 Inc.、La Jolla、Ca.)を使用して、DNAを1%アガロースゲルから単離した。このベクターDNAをV2と名付ける。
フラグメントF2および脱リン酸化プラスミドV2をT4 DNAリガーゼでライゲートさせた。次いで、E.coli XL1ブルー細胞をトランスフォームした。クローン化されたフラグメントの配列を、DNA配列決定により確認した。
リポフェクション法を利用して、プラスミドpBac TNF−γ 5μgを市販の線形化バキュロウイルス(「BaculoGoldTMバキュロウイルスDNA」、Pharmingen、San Diego、CA)1.0μgと共に同時トランスフェクトした(Felgnerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、84:7413−7417(1987))。
BaculoGoldTMウイルスDNA 1μgおよびプラスミドpBac TNF−γ 5μgを、無血清グレイス(Grace's)培地(Life Technologies Inc.、Gaithersburg、MD)50μlを含むマイクロタイタープレートの無菌ウェル中で混合した。その後、リポフェクチン(Lipofectin)10μlとグレイス培地90μlを加え、混合して、室温で15分間インキュベートした。次いで、トランスフェクション混合物を、無血清グレイス培地1mlを含む、35mmの組織培養プレートに播種したSf9昆虫細胞(ATCC CRL 1711)に滴加した。そのプレートを前後に揺り動かして、新たに加えた溶液を混合した。次いで、そのプレートを27℃で5時間インキュベートした。5時間後、そのトランスフェクション溶液をプレートから除去して、10%ウシ胎児血清を補ったグレイス昆虫培地1mlを加えた。そのプレートをインキュベーターに戻して、27℃で4日間培養し続けた。
4日後、上清を集めて、SummersおよびSmith(上記)により記載されたようにして、プラークアッセイを行った。変法として、「Blue Gal」(Life Technologies Inc.、Gaithersburg)を含むアガロースゲルを使用したが、このことにより、青色に染色されたプラークを容易に単離することが可能となる。(「プラークアッセイ」の詳細な記述はまた、昆虫細胞培養に関する利用者のガイド、およびLife Technologies Inc.、Gaithersburgにより配布されたバキュロウイルス学、9−10頁にも見い出すことができる)。
連続希釈の4日後に、ウイルスを細胞に加えて、青色に染色されたプラークをエッペンドルフピペットの先端で採取した。次いで、組換えウイルスを含む寒天を、グレイス培地200μlを含むエッペンドルフ管内で再び懸濁させた。その寒天を短時間の遠心分離により除去して、組換えバキュロウイルスを含む上清を、35mmの皿に播種したSf9細胞を感染させるのに使用した。4日後、これらの培養皿の上清を収集した後、4℃で保存した。
Sf9細胞を、10%熱不活性化FBSを補ったグレイス培地で増殖させた。その細胞に、感染多重度(MOI)2で組換えバキュロウイルスV−TNF−γを感染させた。6時間後、その培地を除去して、メチオニンおよびシステインを含まないSF900II培地(Life Technologies Inc.、Gaithersburg)に替えた。42時間後、5μCiの35S−メチオニンおよび5μCiの35S システイン5μCi(Amersham)を加えた。その細胞をさらに16時間インキュベートした後、それらを遠心分離により収集して、標識化タンパク質を、SDS−PAGEおよびオートラジオグラフィーにより視覚化した。第5図は、ゲルを説明する(ここで、レーン1およびレーン3は、TNF−γおよび対照の培地であり;レーン2および4は、TNF−γおよび対照の細胞ライゼートである)。
実施例 3
COS細胞における組換えTNF−γの発現
プラスミド、TNF−γ HAの発現は、1)SV40複製開始点、2)アンピリシン耐性遺伝子、3)E.coli複製開始点、4)ポリリンカー領域、SV40イントロンおよびポリアデニル化部位が続くCMVプロモーターを含む、ベクターpcDNAI/Amp(Invitrogen)から得られる。完全なTNF−γ前駆体およびその3'末端に枠内で融合したHAタグ(tag)をコードするDNAフラグメントを、そのベクターのポリリンカー領域にクローン化したことから、組換えタンパク質発現は、CMVプロモーターの下に指示される。HAタグは、前記のようなインフルエンザ赤血球凝集素タンパク質から得られるエピトープに対応する(I.Wilson、H.Niman、R.Heighten、A.Cherenson、M.Connolly、およびR.Lerner、1984、Cell 37、767)。HAタグを我々の標的タンパク質へ融合させることにより、組換えタンパク質を、HAエピトープを認識する抗体で容易に検出することが可能となる。
プラスミド構築方法を以下に記載する:
TNF−γをコードするDNA配列、ATCC第75927号を、2つのプライマーを用いてクローン化した、もとのESTでのPCRにより構築した:
5'プライマー(バキュラ(bacula)の実施例に関するものと同じ)は、BamHI部位、続いて、開始コドンから始まる24ヌクレオチドのTNF−γコード配列を含む;
3'配列
は、XbaI部位に対する相補的配列、翻訳終止コドン、HAタグ、およびTNF−γコード配列の最後の18ヌクレオチド(終止コドンは含まれていない)を含む。従って、PCR産物は、BamHI部位、TNF−γコード配列、続いて、枠内で融合したHAタグ、そのHAタグの隣の翻訳終了終止コドン、およびXbaI部位を含む。PCRにより増幅されたDNAフラグメントおよびベクター、pcDNAI/Ampを、BamHIおよびXbaI制限酵素で消化して、ライゲートさせた。そのライゲーション混合物をE.coli株SURE(Stratagene Cloning Systems、11099 North Torrey Pines Road、La Jolla、CA 92037から入手可能である)にトランスフォームし、そのトランスフォームされた培養物をアンピシリン培地プレート上に置いて、耐性コロニーを選択した。プラスミドDNAをトランスフォーマントから単離して、正しいフラグメントの存在に関して制限分析により試験した。組換えTNF−γの発現には、DEAE−DEXTRAN方法により、COS細胞を発現ベクターでトランスフェクトした(J.Sambrook、E.Fritsch、T.Maniatis、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、Cold Spring Laboratory Press、(1989))。TNF−γ HAタンパク質の発現を、放射能標識および免疫沈降法により検出した。(E.Harlow、D.Lane、Antibodies:A Laboratory Manual、Cold Spring Laboratory Press、(1988))。トランスフェクションから2日後、細胞を35S−システインで8時間標識化した。次いで、細胞培地を集めて、細胞を界面活性剤(RIPA緩衝液(150mM NaCl、1%NP−40、0.1%SDS、1%NP−40、0.5%DOC、50mMトリス、pH7.5))で溶菌した。(Wilson,I.ら、同上37:767(1984))。細胞溶菌液および培養培地は両方とも、HAに特異的なモノクローナル抗体で沈降した。沈降したタンパク質を15%SDS−PAGEゲル上で分析した。
実施例 4
ヒト組織におけるTNF−γの発現パターン
RNAブロット分析を行って、ヒト組織におけるTNF−γの発現レベルを調べた。全体の細胞RNA試料をRNAzolTM Bシステム(Biotecx Laboratories,Inc.6023 South Loop East、Houston、TX 77033)で単離した。指定された各々のヒト組織から単離された総RNA約2μg(第3A図のRNAブロットに関して)を1%アガロース−ホルムアルデヒドゲルで分離して、ナイロンフィルター上にブロットした(Sambrook、Fritsch、およびManiatis、Molecular Cloning、Cold Spring Harbor Press、(1989))。Stratagene Prime−Itキットにより、標識化反応をTNF−γ cDNA50ngで行っって、32P−標識化TNF−γ cDNAを産生した。標識化DNAをSelect−G−50カラム(5 Prime−3 Prime,Inc.5603 Arapahoe Road、Boulder、CO 80303)で精製した。次いで、0.5M NaPO4(pH7.4)および7%SDS中、フィルターを、1,000,000cpm/mlの、完全な長さの放射能標識化TNF−γ遺伝子と、65℃で一晩ハイブリダイズした。0.5×SSC、0.1%SDSを用いて、室温で2回および60℃で2回洗浄した後、そのフィルターを増感紙に−70℃で一晩さらした。TNF−γのメッセージRNAは、腎臓に豊富である(第3A図)。
示した組織から得られたポリA RNA10μgを使用することだけを変えて、同じ反応を第3B図に示す結果に関して行った。TNF−γのメッセージRNAは、HUVEC細胞において主に発現する(第3B図)。
実施例 5
組換えTNF−γがWEHI 164およびL929細胞増殖を阻害し、HL−60細胞における細胞接着を誘起して、内皮細胞増殖を促進する能力
PBS中でのトリプシン処理により、接着性標的細胞を集密的(confluent)培養から調製し、非接着性標的細胞を静置培養から収集して、培養液で1回洗浄した。標的細胞を、10%FCSを含む培養液中に3×105細胞/mlの割合で懸濁させた。0.1mlのアリコートを、細胞(WEHI 164およびL929)の連続的に希釈した試験試料0.1mlを含む96ウェルの平底マイクロタイタープレートへと分配した。70時間インキュベーションし続けた。TNF−α、TNF−βおよびTNF−γを0.5μg/mlの濃度で加えた。MTSおよびメト硫酸フェナジン(PMS)溶液20μlを各々のウェルに加えることにより行われるMTSアッセイを利用して、細胞毒性および増殖活性を定量した。3時間インキュベーションした後、492nmでのODをELISAプレート読み取り装置により測定した。OD492は、ウェル中の生存可能な細胞の数に比例する。細胞毒性のパーセントを以下のように計算した:
細胞毒性(%)=(100−測定したOD/対照のOD)×100。
72時間後に写真をとった。第6A図および第8図で示すように、TNF−γは、殺された黒く丸い細胞として現れるという、形態学的変化を誘起した。
第6B図のグラフでは、アッセイを上記のように行ったが、TNFの量を次第に増加させて加えた。その結果は、TNF−γがWEHI 164細胞のインヒビターであることを示す。
TNF−γの接着能力を試験するために、HL−60細胞を使用し、細胞接着および細胞と細胞の接触を顕微鏡で観察することにより測定して、2人の別々の研究者により個人的に記録した。第10図は、細胞接着を誘起するTNF−γの能力を説明する。
TNF−γが内皮細胞増殖を促進する能力を試験するためのアッセイでは、増殖指数(PI)を以下のように計算した:
PI=測定したOD/対照のOD。
第8図は、TNF−γが内皮細胞増殖のプロモーターであることを説明する。
実施例 6
TNF−γのアポプトシス能力の測定
第一インキュベーション段階では、抗ヒストン抗体をマイクロタイタープレートモジュールの壁に吸着固定させる。その後、壁の上の非特異的な結合部位をインキュベーション緩衝液(例えば、ブロッキング溶液)で処理することにより飽和する。第二インキュベーション段階の間に、TNF−α、TNF−βまたはTNF−γで処理したWEHI 164細胞試料中に含まれるヌクレオソームが、それらのヒストン成分によって、固定化された抗ヒストン抗体に結合する。第三インキュベーション段階では、抗−DNA−ペルオキシダーゼ(POD)をヌクレオソームのDNA部分と反応させる。結合しなかったペルオキシダーゼ複合体を洗浄工程により全て取り除いた後、ABTS(2,2'−アジノ−ジ−[3−エチルベンズチアゾリン スルホネート])を基質として用い、免疫複合体中に保有されるペルオキシダーゼの量を吸光光度法により測定する。抗ヒストン抗体は、試料から得られたヒストンH1、H2A、H2B、H3およびH4と反応する。抗−DNA POD抗体を一本鎖および二本鎖DNAに結合させる。従って、ELIS Aは、モノ−およびオリゴヌクレオソームの検出を可能とし、またアポプトシス的な(apoptotic)細胞死を測定するのに適用することができる。細胞死のレベルは、吸光度A405nm/A490として示される、細胞質ヒストンが結合したDNAフラグメントの量により測定される(Boehringer mannheimカタログ、0990 C 93 2 1541170を参照)(第7図を参照)。
実施例 7
TNF−γを用いての受容体結合アッセイ
6−Hisタグを用いて、TNF−αおよびTNF−γをNi−NTAアフィニティークロマトグラフィー精製し、1μg/ウェルをニッケルキレートで覆われた96ウェルのプレート(Xenopore Corp.)に加えて、2時間インキュベートした。3回洗浄した後、ヒト可溶性TNF受容体、sTNF RIまたはsTNF RII 100ngを各々のウェルに加えて、2時間インキュベートした。そのプレートを3回洗浄して、sTNF RIまたはsTNF RII(200μl)に対する、アルカリ性ホスファターゼで標識化したポリクローナル抗体を加えた。基質溶液200μlを各々のウェルに加えて、そのプレートを2時間インキュベートした。ELISA読み取り装置(試験波長450nm、補正波長590nm)を用いて、ODを測定した。第11図に示す結果は、TNF−γがsTNF受容体に有意に結合しないことを説明する。
先の教示から見て、本発明の多数の変更および変化が可能であることから、後記する請求の範囲内で、特に記載した以外の方法で、本発明を行うことができる。
配 列 表
(1)一般的情報:
(i)特許出願人:ユー等
(ii)発明の名称:ヒト腫瘍壊死因子−γ
(iii)配列の数:2
(iv)連絡先:
(A)住所:カレラ,バーン,ベーン,ギルフィラン,
セッチ,ステュアート・アンド・オルステイン
(B)通り:ベッカー・ファーム・ロード6番
(C)市:ローズランド
(D)州:ニュージャージー
(E)国:アメリカ合衆国
(F)ZIP:07068
(v)コンピューター解読書式:
(A)媒体型:3.5インチ ディスケット
(B)コンピューター:IBM PS/2
(C)オペレーティング・システム:MS−DOS
(D)ソフトウエア:ワードパーフェクト5.1
(vi)本出願のデータ:
(A)出願番号:
(B)出願日:同日
(C)分類:
(vii)先行技術データ:
(A)出願番号:
(B)出願日:_
(viii)弁理士/代理人情報:
(A)氏名:フェルラロ,グレゴリー・ディ
(B)登録番号:36,134
(C)参照/整理番号:325800−256
(ix)電話連絡先情報:
(A)電話番号:201−994−1700
(B)ファックス番号:201−994−1744
(2)配列番号1の情報:
(i)配列の特徴
(A)長さ:2442塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の種類:cDNA
(xi)配列の記述:配列番号1:
(2)配列番号2の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:174アミノ酸
(B)型:アミノ酸
(C)鎖の数:
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:タンパク質
(xi)配列の記述:配列番号2:
Claims (33)
- ポリヌクレオチドがDNAである、請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチド。
- ポリヌクレオチドがRNAである、請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチド。
- ポリヌクレオチドがゲノムDNAである、請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチド。
- 請求項2に記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
- 請求項5に記載のベクターで遺伝的に操作された宿主細胞。
- ポリペプチドを製造する方法であって、請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドを請求項6に記載の宿主細胞から発現させることを含んでなる方法。
- ポリペプチドを発現させることができる細胞を製造する方法であって、細胞を請求項5に記載のベクターで遺伝的に操作することを含んでなる方法。
- 請求項1に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドであって、腫瘍細胞増殖の阻害活性、を有するポリペプチド。
- 請求項9に記載のポリペプチドに対する抗体。
- 請求項9に記載のポリペプチドに対するアンタゴニストであって、該アンタゴニストは該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドにハイブリダイズすることができ、該ポリペプチドの発現を阻害することができるアンチセンス分子であるアンタゴニスト。
- 腫瘍細胞の増殖を阻害するための薬剤であって、有効成分として請求項9に記載のポリペプチドを含む薬剤。
- 腫瘍細胞の増殖を阻害するための薬剤であって、請求項9に記載のポリペプチドをコードするDNAを有効成分として含み、該ポリペプチドをインビボにおいて発現させる薬剤。
- 請求項9に記載のポリペプチドに対するアゴニストおよびアンタゴニストを同定する方法であって、
スクリーニングすべき化合物の存在下または不存在下、ヒト静脈内皮細胞、コンカナバリン−A、請求項9に記載のポリペプチド、[3H]チミジンを混合し;
内皮細胞による[3H]チミジンの取り込みを測定し;および
該化合物が[3H]チミジンの取り込みを高めたか、またはブロックしたかどうかを測定する;
ことを含んでなる方法。 - 異種のポリヌクレオチドに融合している請求項1〜2、及び15のいずれかに記載のポリヌクレオチド。
- 異種のポリヌクレオチドが異種のポリペプチドをコードする請求項16に記載のポリヌクレオチド。
- 該異種のポリペプチドが請求項1に記載のポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドに融合している請求項17に記載のポリヌクレオチド。
- 請求項15に記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
- ポリヌクレオチドが調節配列に作動可能に結合している請求項5又は19に記載のベクター。
- 請求項20に記載のベクターを含む宿主細胞。
- ポリペプチドを製造する方法であって、請求項1または15に記載の該ポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドを請求項21に記載の宿主細胞から発現させることを含んでなる方法。
- 宿主細胞が原核細胞、真核細胞、脊椎動物細胞、Cos細胞、CHO細胞、又はE.Coli細胞である請求項6又は21に記載の宿主細胞。
- ポリペプチドが標識され、又はポリエチレングリコールに融合している請求項9に記載のポリペプチド。
- ポリペプチドが異種のポリペプチドに融合している請求項9に記載のポリペプチド。
- ポリペプチドがN−末端メチオニンを欠いている請求項9に記載のポリペプチド。
- ポリペプチドがN−末端メチオニンを有する請求項9に記載のポリペプチド。
- 抗体が請求項9に記載のポリペプチドに特異的に結合する請求項10に記載の抗体。
- ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、単鎖抗体、単鎖Fv抗体、ヒト化抗体、又はFab断片である請求項10又は28に記載の抗体。
- 請求項1〜4及び15〜18のいずれかに記載のポリヌクレオチド、及び担体を含む、患者における腫瘍細胞増殖を阻害するための組成物。
- 請求項9、24〜27のいずれかに記載のポリペプチド、及び担体を含む患者における腫瘍細胞増殖を阻害するための組成物。
- 患者における腫瘍細胞増殖を阻害するための医薬の製造における請求項1〜4及び15〜18のいずれかに記載のポリヌクレオチドの使用の方法。
- 患者における腫瘍細胞増殖を阻害するための医薬の製造における請求項9及び24〜27のいずれかに記載のポリペプチドの使用の方法。
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