JP4046006B2 - ディジタル放送受信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディジタル放送の受信装置に係り、特に1つのストリームに複数の走査方式の映像信号が多重された信号を受信するディジタル放送受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディジタル技術を用いて音声、映像に加えて各種情報を1つの電波に多重して放送できるようになり、この技術を用いた多チャンネル放送が始まっている。上記ディジタル技術を用いることで1つの電波に走査方式が異なる複数の映像信号を符号化して多重し送信することが出来るようになる。
【0003】
一方、従来のアナログ放送受信機では、複数の放送方式のアナログ放送に対応したテレビジョン受信機がある。従来のアナログ放送では、各種情報を多重することはできないので、走査方式の判別は受信した映像信号自体を解析して行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のアナログ放送では、複数の走査方式が異なる映像信号を受信した際にこれを識別する為には受信した映像信号そのものを解析して処理する必要があり専用の識別手段が必要になるとともに、映像信号を判別する為に実際には動作させる必要がない映像信号処理回路も動作させなければならないといった問題があった。
【0005】
これに対し、ディジタル放送の特徴として、複数の、音声、映像、データなどの情報を1つのストリームに多重して伝送できることがある。これにより、多重されたデータを利用して様々な機能を実現し提供することが出来る。
【0006】
本発明の目的は、映像信号走査方式の識別や切替えを行うディジタル放送受信装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、複数の走査方式のうちのいずれかの走査方式を有する映像が符号化された映像データを受信する受信手段と、前記受信手段にて受信された映像データを復号する復号手段と、前記受信手段により受信された走査方式に関する情報を用いて前記復号手段にて復号された映像を処理する処理手段と、前記処理手段にて処理された映像と走査方式に関する情報とを出力する出力手段と、を備えるように構成すればよい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。
【0009】
図1は本発明のディジタル放送受信装置の構成例を示す図である。人工衛星(図示せず)から送信された電波がアンテナ1で受信される。図1において、1はアンテナ、2は選局・復調手段、3は誤り訂正手段、5は多重された信号を分離する多重分離手段、6は制御CPU、11は符号化された音声・映像情報を復号するMPEGデコーダ、12はMPEGデコーダ11の出力映像信号に文字情報を付加するOSD(On Screen Display)回路、13はディジタル音声信号をアナログ信号に変換するD/Aコンバータ、141は例えば走査線525本をインタレース走査するNTSC信号に、142は例えば走査線525本を順次走査する525Progressive信号(以下525P信号と略記する)に、143は例えば走査線1080本をインタレース走査するHDTV信号にそれぞれ対応したディジタル映像信号をアナログ信号に変換すると共に同期情報などを付加するビデオエンコーダ、15は映像信号出力端子、16は音声信号出力端子、27は選択手段である。
【0010】
アンテナ1が受信した信号は選局・復調手段2によって選局され復調される。選局・復調手段2で復調された信号は、誤り訂正手段3によって信号に付加されている誤り訂正符号に基づいて誤り訂正が行われる。次に、多重分離手段5によって視聴する番組の信号が分離されて出力される。
【0011】
多重分離手段5によって分離された符号化音声データ及び符号化映像データはMPEGデコーダ11に印加される。MPEGデコーダ11は符号化されたデータを復号して符号化される前のディジタル信号を再生する。MPEGデコーダ11のディジタル映像信号出力は文字情報を付加するOSD手段12を経由して、ディジタル映像信号をアナログ映像信号に変換するビデオエンコーダ141、142、143に印加される。MPEGデコーダ11のディジタル音声信号出力はD/Aコンバータ13に印加され、アナログ音声信号に変換される。ビデオエンコーダ141、142、143の出力は制御CPU6によって制御される選択手段27に印加され選択された映像信号を出力する。これによって送信側から送られたアナログ映像信号とアナログ音声信号が再生され、映像信号出力端子15と音声信号出力端子16に出力される。
【0012】
上記において放送方式が異なる映像信号を処理する場合の動作を説明する。図1において多重分離手段5が処理する多重化された信号の例を図2に示す。図2(A)は多重された信号の1単位の構造でありトランスポートストリームパケット(以下TSパケットと略記する)と呼ばれるものである。TSパケットはデータを格納するペイロードと、格納されているデータがどのようなデータであるか等を示すヘッダと、誤り訂正を行う為の誤り訂正検査ビットの部分から構成されている。デジタル放送においては図2(B)に示すように1つのストリームに異なる複数の走査方式の映像信号を多重することが可能である。
このような信号から視聴者が希望する番組を選択した場合、多重分離手段5は例えば選択された番組を構成する符号化音声データと符号化映像データだけを分離して出力する。出力された符号化映像データと符号化音声データはMPEGデコーダ11に印加される。符号化映像データには走査方式を示すデータが含まれており、MPEGデコーダ11は前記走査方式を示すデータを検出して制御CPU6に伝達する。制御CPU6はMPEGデコーダ11から伝達された情報に基づいてビデオエンコーダ141、142、143の制御を行うとともに選択手段27の制御を行う。これによりビデオエンコーダ141、142、143のうち選択された映像信号に対応するビデオエンコーダだけを動作させられとともに選択手段27からエンコードしたアナログ映像信号を出力する。
【0013】
以上で説明したように、本発明によればMPEGデコーダ11で検出した走査方式の情報に基づいてビデオエンコーダ141、142、143と選択手段27の制御を行うので正しい走査方式で信号を処理して出力することができるとともに、必要のないビデオエンコーダの機能の一部を停止させあるいは電源を遮断して動作を停止させられるので、不要な電力消費をなくすことができるとともに妨害信号等の発生を低減することができる。
【0014】
本発明の第2の実施例を図3を用いて説明する。図3において14はビデオエンコーダである。図3の実施例が図1の実施例と異なるのはビデオエンコーダ14でNTSC信号と525P信号とHDTV信号のいずれをも処理する構成とした点である。制御CPU6はMPEGデコーダ11から伝達された情報に基いて前述の3つの処理手段のうちMPEGデコーダ11が検出した走査方式に対応するようビデオエンコーダ14の動作を制御する。より具体的には、例えば映像帯域を制限する為のビデオフィルタのパラメータ等の制御を行う。これによりビデオエンコーダ14に入力された信号は正しくエンコードされアナログ映像信号として出力端子15から出力される。
【0015】
以上で説明したように、本発明によればMPEGデコーダ11で検出した走査方式の情報に基づいてビデオエンコーダ14の走査方式に関する制御を行うので正しい走査方式で信号を処理して出力することができる。
【0016】
尚、前記図1と図3の実施例においては符号化映像データに含まれる走査方式のデータをMPEGデコーダ11で検出する例を示したが、例えば図4に示すようにペイロードに各映像信号の走査方式を示すデータが記述されたTSパケットがある場合は多重分離手段によって前記走査方式が記述されたTSパケットを分離し、制御CPU6に伝達して選択手段27やビデオエンコーダの制御を行ってもよい。この場合でも走査方式をMPEGデコーダ11で検出した場合と同様の効果を得ることが出来るのは明らかである。
【0017】
図5に本発明の第3の実施例を示す。図5の実施例が図1の実施例と異なるのは例えば赤外線信号を送出する信号送出手段24を設けた点である。前記信号送出手段24はMPEGデコーダ11で検出された映像信号の走査方式を示す赤外線信号を送出する。これにより例えば映像信号出力端子15に接続された、複数の走査方式に対応するとともに前記赤外信号を受信する手段を備えたテレビジョン受像機25に対して、MPEGデコーダ11で検出した映像信号の走査方式を伝達できる。これにより、視聴者がテレビジョン受像機25の走査方式の切替え措置を行わなくてもテレビジョン受像機25の映像信号走査方式を映像信号出力端子15から出力される映像信号の走査方式にあわせて切り換えることが出来る。
【0018】
尚、図5においては信号送出手段24としては赤外線信号を送出する光信号送出手段を用いる例を示したが、赤外線信号ではなく電波信号を送出する電波信号送出手段を用い、テレビジョン受像機として前記電波信号の受信手段を備えたものを映像信号出力端子15に接続しても同様な効果を得ることが出来る。
【0019】
図6に本発明の第4の実施例を示す。図6の実施例が図5の実施例と異なるのは、映像信号の走査方式を示す情報を赤外線などの無線信号ではなく電気信号送出手段26を用いて有線で電気信号として伝達する構成とした点である。図6の構成を用いても図5の実施例の場合と同様な効果を得ることが出来るのは明らかである。
【0020】
図7に本発明の第5の実施例を示す。図7の実施例が図1の実施例と異なるのは本発明のディジタル放送受信装置を表示装置と同じ筐体に収めたいわゆるディジタル放送受信装置内蔵テレビジョンとして構成した点である。図7において28は表示信号処理手段、29は音声信号処理手段、30はCRTや液晶パネルあるいはプラズマディスプレイパネル等の表示手段、31はスピーカー等の音声出力手段である。図7において、表示処理手段28と表示手段30は例えばNTSC信号と525P信号とDTV信号のいずれをも表示することができるよう構成されている。図7においては、制御CPU6は選択された映像信号の走査方式を検出してビデオエンコーダ141、142、143を制御し、また選択手段27を切り替えるとともに表示処理手段28を制御し検出された走査方式で映像信号を処理するよう動作させる。これにより、ディジタル放送受信装置内蔵テレビジョンとして構成した装置において選択した番組の映像信号を正しく処理して表示手段30に表示することができる。
【0021】
図8に本発明の第6の実施例を示す。図1においてはビデオエンコーダ141、142、143の出力を選択手段27で選択して出力する構成としていたが、図8においては選択手段27は使わずにビデオエンコーダ141、142、143の出力をそれぞれ出力端子151、152、153から出力する構成とした点である。図8の構成を用いても図1の実施例と同様の効果を得ることが出来る。
【0022】
以上の説明において、アンテナ1は人工衛星から送信された電波を受信する場合について説明したが、地上に設置されたアンテナから送信された電波を受信するアンテナを用いても本発明の構成を同様に適用できるのは言うまでもない。また、以上の説明においてはNTSC信号と525P信号とHDTV信号の3通りの走査方式に対応したディジタル放送受信装置の例について説明したが、他の走査方式の映像信号についてもMPEGエンコーダ及びビデオエンコーダを映像信号の走査方式に対応するよう構成することで同様な効果が得られるのはいうまでもない。
【0023】
【発明の効果】
以上で説明したように、本発明によれば、映像信号走査方式の識別や切替えを行うディジタル放送受信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】ディジタル多重ストリームの構成を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施例の構成を示すブロック図である。
【図4】ディジタル多重ストリームの構成を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施例の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第4の実施例の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第5の実施例の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第6の実施例の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…アンテナ、2…選局・復調手段、3…誤り訂正手段、5…多重分離手段、6…制御CPU、11…ビデオデコーダ、12…OSD回路、13…D/Aコンバータ、14…ビデオエンコーダ、15…映像出力端子、16…音声出力端子、27選択手段。
Claims (1)
- 複数の走査方式のうちいずれかの走査方式を有する映像がMPEG形式で符号化された映像データに続いて誤り訂正に用いる情報が付加されたディジタル放送信号を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信したディジタル放送信号を復調する復調手段と、
前記復調手段で復調したディジタル放送信号に含まれる誤り訂正に用いる情報に基づいて前記復調手段で復調したディジタル放送信号に誤り訂正を行なう誤り訂正手段と、
前記誤り訂正手段で誤り訂正されたディジタル放送信号から選択された番組を構成する映像データを分離する分離手段と、
前記分離手段で分離した映像データをMPEG復号するMPEG復号手段と、
前記分離手段で分離した映像データに含まれる当該映像データの走査方式の情報を検出する検出手段と、
前記MPEG復号手段でMPEG復号した映像データを前記検出手段で検出した走査方式に対応した映像出力信号に変換すると共に当該映像出力信号に同期情報を付加して出力する映像出力手段と、
前記検出手段で検出した走査方式の情報を前記映像出力手段で出力する映像出力信号とは異なる信号として出力する走査方式出力手段とを備えるディジタル放送受信装置。
Priority Applications (1)
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Family Applications (1)
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-
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