JP4045849B2 - サーボアンプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、サーボモータをPWM駆動するサーボアンプにおいて、電流センサのアナログ出力信号に重畳するノイズ成分を除去する回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、アナログ信号からノイズを除去する際、アナログ信号線にノイズを除去する抵抗器とコンデンサとからなるノイズフィルタを取り付け、このノイズフィルタ固有の周波数帯域のノイズを除去後、A/Dコンバータでデジタル信号に変換している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、抵抗器とコンデンサとからなるノイズフィルタを設置する場合には、ノイズフィルタの特性により除去できる周波数帯域が限定されてしまい、それに適合しないノイズ成分はノイズフィルタを通過し、A/Dコンバータに入力され、通過したノイズ成分までがデジタル変換され、サーボモータのPWM駆動に悪影響を与えるという問題があった。
【0004】
また、複数のアナログ信号を取り扱う場合には、ノイズフィルタも信号数と同じ数だけ必要となり、ノイズ除去回路を構成する部品が増えるという問題があった。
【0005】
本発明はこのような従来の問題点を解決するものであり、簡単な構成で電流センサのアナログ信号からノイズ成分を除去して、サーボモータを精度よく制御できるサーボアンプを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明は、サーボモータに出力する電流を感知してアナログ信号に変換する電流センサと、前記電流センサのアナログ信号をデジタル信号に変換する第1のA/Dコンバータと、前記電流センサと第1のA/Dコンバータとを接続する第1の信号線と、この第1の信号線に重畳したノイズ成分を感知するノイズ感知回路と、デジタル信号を演算処理するCPUとを備え、前記ノイズ感知回路は、前記電流センサの近傍に配置され一定電圧を発生させる定電圧回路と、この定電圧回路の出力電圧をデジタル信号に変換する第2のA/Dコンバータと、前記定電圧回路と第2のA/Dコンバータとを接続する第2の信号線とを備え、前記第2の信号線を第1の信号線の真横に配置し、第1の信号線に重畳したノイズを第2の信号線に重畳させ、第1のA/Dコンバータと第2のA/Dコンバータのデジタル信号に変換するタイミングを同期化させ、デジタル信号をCPUに入力して演算処理し、重畳ノイズを除去するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
上記の課題を解決するために請求項1記載の発明は、サーボモータをPWM駆動するサーボアンプにおいて、サーボモータに出力する電流を感知してアナログ信号に変換する電流センサと、前記電流センサのアナログ信号をデジタル信号に変換する第1のA/Dコンバータと、前記電流センサと第1のA/Dコンバータとを接続する第1の信号線と、この第1の信号線に重畳したノイズ成分を感知するノイズ感知回路と、デジタル信号を演算処理するCPUとを備え、前記ノイズ感知回路は、前記電流センサの近傍に配置され一定電圧を発生させる定電圧回路と、この定電圧回路の出力電圧をデジタル信号に変換する第2のA/Dコンバータと、前記定電圧回路と第2のA/Dコンバータとを接続する第2の信号線とを備え、前記第2の信号線を第1の信号線の真横に配置し、第1の信号線に重畳したノイズを第2の信号線に重畳させ、第1のA/Dコンバータと第2のA/Dコンバータのデジタル信号に変換するタイミングを同期化させ、デジタル信号をCPUに入力して演算処理し、重畳ノイズを除去するもので、サーボモータに出力される電流量の検出を高精度化できる。また、デジタル信号に変換する際の時間の離散化によるデータのずれをなくし、電流センサの信号からノイズ成分を正しく取り除くことができる。
【0008】
また、請求項2記載の発明は、電流センサと第1および第2のA/Dコンバータとを同一基板上に配置し、第1および第2の信号線をプリント基板上で平行パターンにより配設するもので、配線の位置取りに起因するノイズ成分が同じように両方の配線に印加されるので、ノイズ除去精度を向上させることができる。
【0009】
また、請求項3記載の発明は、複数の電流センサを備え、電流センサごとに第1のA/Dコンバータと第1の信号線とを備え、ノイズ感知回路を共用するもので、複数の電流センサを用いることでサーボモータに出力される電流量の検出を高精度化できるとともに複数のノイズ除去回路を小型化できる。
【0010】
【実施例】
以下本発明の一実施例について図面を参照して説明する。
【0011】
(実施例1)
図1において、11はCPU、12は2チャンネルのA/Dコンバータで、チャンネル1を第1のA/Dコンバータに、チャンネル2を第2のA/Dコンバータとして用いる。13は電流センサ、14は定電圧回路、15は第1の信号線、16は第2の信号線、17はサーボアンプ、18はサーボモータである。
【0012】
電流センサ13が検出した電流のアナログ信号は第1の信号線15を介してA/Dコンバータ12のチャンネル1に入力され、出力信号(デジタル信号)がCPU11に入力される。この電流信号(アナログ信号)にはサーボモータのスイッチングノイズが重畳され、これをデジタル変換すると電流センサ13の電流検出信号にノイズ成分が加わったデジタルデータが生成される。
【0013】
一方、ノイズ感知回路は、定電圧回路14、第2の信号線16およびA/Dコンバータ12のチャンネル2とで構成され、A/Dコンバータ12のチャンネル2の出力信号(デジタル信号)がCPU11に入力される。この定電圧回路14を電流センサ13の近傍に配置させ、第1の信号線15と第2の信号線16を平行に配置する。こりにより第2の信号線16に第1の信号線15と同じスイッチングノイズが印加され、デジタル変換するとノイズ成分のみのデジタルデータが生成される。
【0014】
そして、チャンネル1が出力するノイズ成分が加わったデジタルデータと、チャンネル2が出力するノイズ成分のみのデジタルデータとをCPU11に入力して演算処理すると、電流センサに重畳したノイズを除去したデジタルデータを得ることができる。
【0015】
このデジタルデータ生成過程において、A/Dコンバータ12のチャンネル1とチャンネル2とのデジタル信号に変換するタイミングを同期化することで、CPUの演算処理で確実にノイズを除去することができる。
【0016】
なお、電流センサと第1のA/Dコンバータとが同一プリント基板上に配置される場合、第1および第2の信号線をプリント配線(銅箔パターン)とし、近接させて並行にレイアウトすることで、信号線が受ける長さおよび位置取りに起因するノイズの影響を同じにでき、第1の信号線のノイズ成分と第2の信号線のノイズ成分を同じにできるので、確実にノイズを除去することができる。
【0017】
(実施例2)
実施例2は電流センサと第1のA/Dコンバータが別のプリント基板上に搭載される場合に好適なもので、第1および第2の信号線に同軸ケーブルを用いるものである。
【0018】
図2において、21はCPU、22は2チャンネルのA/Dコンバータで、チャンネル1を第1のA/Dコンバータに、チャンネル2を第2のA/Dコンバータとして用いている。23は電流センサ、24は定電圧回路、25は同軸ケーブルで、第1の信号線および第2の信号線を内包している。27はサーボアンプ、28はサーボモータである。
【0019】
第1の信号線および第2の信号線に同軸ケーブル25を用いる以外は実施例1と同じであり、ノイズ除去の説明は省略する。
【0020】
信号線に同軸ケーブルを用いるので、実施例1に比べてサーボモータのスイッチング電流以外のノイズから影響を受けにくい。
【0021】
なお、同軸ケーブルに換えて複数の電線を平行に密着させた平行線を用いてもよく、安価に構成できる。
【0022】
(実施例3)
実施例3はCPUに複数のA/Dコンバータを内蔵させたものである。
【0023】
図3において、31はCPUで2チャンネルのA/Dコンバータを内蔵しており、チャンネル1を第1のA/Dコンバータに、チャンネル2を第2のA/Dコンバータとして用いる。33は電流センサ、34は定電圧回路、35は第1の信号線、36は第2の信号線、37はサーボアンプ、38はサーボモータである。
【0024】
実施例1と異なるのは、CPUに複数のA/Dコンバータを内蔵させた点である。したがって、第1および第2の信号線はCPU31の第1および第2のA/Dコンバータに接続する。ノイズ除去については実施例1と同様であり省略する。
【0025】
(実施例4)
実施例4は電流センサを2個備えたものであり、サーボモータの3相中の2相について電流を検出し、残りの1相分は従来と同様に電流検出した2相から演算して推定する。
【0026】
図4において、41はCPU、42は3チャンネルのA/Dコンバータで、チャンネル1とチャンネル2を第1のA/Dコンバータに、チャンネル3を第2のA/Dコンバータとして用いる。43,49は電流センサ、44は定電圧回路、45,50は第1の信号線、46は第2の信号線、47はサーボアンプ、48はサーボモータである。
【0027】
実施例1と異なるのは電流センサ43と電流センサ49を2つ用いる点、A/Dコンバータの数およびCPUの入力数である。定電圧回路44は1つで、一方の電流センサの近傍に配置する。
【0028】
この電流センサ43に接続された第1の信号線45、電流センサ49に接続された第1の信号線50、定電圧回路44に接続された第2の信号線46には同じスイッチングノイズが印加される。そして、第1の信号線45および第1の信号線50を介してA/D変換したデジタルデータは、ノイズ成分が加わった電流情報のデジタルデータが生成され、第2の信号線46を介してA/D変換したデジタルデータには、ノイズ成分のみのデジタルデータが生成される。
【0029】
これらのデジタルデータをCPU41に入力して演算処理することにより電流センサに印加されたノイズ成分を取り除いたアナログ信号のデジタル変換した2相分のデータが得られる。
【0030】
なお、デジタルデータ生成過程において、A/Dコンバータ42のチャンネル1,2,3のデジタル信号に変換するタイミングを同期化するのは実施例1と同じである。また、第1の信号線45,49および第2の信号線は近傍に平行にレイアウトした印刷配線でも同軸ケーブルあるいは平行線でもよい。
【0031】
さらに、実施例1から実施例4は組み合わせても実施でき、電流センサを3相分にしても同様に実施することができる。
【0032】
【発明の効果】
上記の実施例から明らかなように請求項1記載の発明によれば、積極的にノイズ成分を感知するノイズ感知回路を設け、その感知された情報信号を用いてノイズを除去することができる。
【0033】
また、請求項2記載の発明によれば、より確実にノイズを除去することができる。
【0034】
さらに、請求項3載の発明によれば、複数の電流センサを使用する場合でも1つのノイズ感知回路で電流センサのアナログ信号からノイズ成分を除去でき、サーボモータを精度よく制御できるサーボアンプを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1におけるノイズ除去の説明図
【図2】 本発明の実施例2におけるノイズ除去の説明図
【図3】 本発明の実施例3におけるノイズ除去の説明図
【図4】 本発明の実施例4におけるノイズ除去の説明図
【符号の説明】
11,21,31,41 CPU
12,22,42 A/Dコンバータ
13,23,33,43,49 電流センサ
14,24,34,44 定電圧回路
15,35,45,50 第1の信号線
16,36,46 第2の信号線
17,27,37,47 サーボアンプ
18,28,38,48 サーボモータ
25 同軸ケーブル(あるいは平行線)
Claims (3)
- サーボモータをPWM駆動するサーボアンプにおいて、サーボモータに出力する電流を感知してアナログ信号に変換する電流センサと、前記電流センサのアナログ信号をデジタル信号に変換する第1のA/Dコンバータと、前記電流センサと第1のA/Dコンバータとを接続する第1の信号線と、この第1の信号線に重畳したノイズ成分を感知するノイズ感知回路と、デジタル信号を演算処理するCPUとを備え、前記ノイズ感知回路は、前記電流センサの近傍に配置され一定電圧を発生させる定電圧回路と、この定電圧回路の出力電圧をデジタル信号に変換する第2のA/Dコンバータと、前記定電圧回路と第2のA/Dコンバータとを接続する第2の信号線とを備え、前記第2の信号線を第1の信号線の真横に配置し、第1の信号線に重畳したノイズを第2の信号線に重畳させ、第1のA/Dコンバータと第2のA/Dコンバータのデジタル信号に変換するタイミングを同期化させ、デジタル信号をCPUに入力して演算処理し、重畳ノイズを除去することを特徴としたサーボアンプ。
- 電流センサと第1および第2のA/Dコンバータとを同一基板上に配置し、第1および第2の信号線をプリント基板上で平行パターンにより配設する請求項1記載のサーボアンプ。
- 複数の電流センサを備え、電流センサごとに第1のA/Dコンバータと第1の信号線とを備え、ノイズ感知回路を共用する請求項1記載のサーボアンプ。
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