JP4044886B2 - 炭製造方法および炭製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、木や竹などの木質系材料から炭を製造する方法に関し、さらに詳しくは、木質系材料に水蒸気を流動状態で供給して炭を製造する方法およびその装置に関する。
木や竹などの木質系材料から炭を製造する方法として、さまざまな方法が知られている。
従来の炭製造方法は、炭の原料となる木や竹などの繊維質を備える木質系材料(以下、「被炭化材」という)を炭化させる方法によって、おおまかに、簡易法、窯法、工業的製炭法に分類することができる。
簡易法は、伏せ焼き法や穴焼き法など、窯や炉を用いずに被炭化材を蒸し焼きにして炭を製造する方法である。窯法は、黒炭窯(土窯)や白炭窯(石窯)などの窯内を密閉して被炭化材を炭化させる方法である。工業的製炭法は、平炉法、乾留炉法、スクリュー炉法、流動炉法など、大規模な窯に被炭化材を入れ、バーナーで燃焼させた熱気を送り込んで被炭化材を炭化させたり、被炭化材を移動させながら外熱を加えて炭化させたりする方法である。
また、生成される炭は、被炭化材の炭化時の温度によって、低温炭化木炭、中温炭化木炭、高温炭化木炭の3つに分類される。低温炭化木炭は、乾留法や平炉法などにより、被炭化材を摂氏400〜500度(°C)で炭化したものである。中温炭化木炭は、被炭化材を600〜700°Cで炭化したものであって黒炭などである。高温炭化木炭は、被炭化材を1000°C前後で炭化したものであって白炭などである(非特許文献1参照)。
いずれの炭製造方法も、木材が木材自身の加熱により炭化する原理を利用するものである。一般に、木材を加熱すると、温度領域が一部で重複するところもあるが、60〜200°Cで熱減成、160〜400°Cで熱分解、260〜800°Cで木炭化、600〜1800°Cで炭素化、および1600°C以上で黒鉛化が生じるとされている。ところが、木材を酸素が少ない状態で加熱すると、280°C前後で木材が急速に組成分解を始め、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、炭化水素などがガスとなって揮発して炭化が進行する。そして、木材の残査である炭の結晶が不規則に並んだ無定型炭素に変化(炭化)して、多孔質の木炭が生成される(非特許文献2参照)。
従来のいずれの製炭法においても、被炭化材および生成する炭の種類に応じて加熱の温度条件を管理することが重要であり、少なくとも400°C前後の温度で木材を加熱する必要があると考えられている。
また、従来の製炭方法において、空気が遮断された状態で作り出し、被炭化材を酸素が少ない状態の中で加熱することが必要であるが、大気圧下での加熱を前提にしている。
しかしながら、従来の製炭方法において、水蒸気の供給や加圧の必要性は検討されていなかった。
炭やきの会編、「環境を守る炭と木酢液」、家の光協会、平成3年10月1日、p.40−41 立本英機著、「おもしろい炭のはなし」、日刊工業新聞社、2000年12月25日、p.36−37
炭は、燃料としての用途の他、水質浄化、土壌改良、消臭、鮮度保持、湿度調整、電磁波のシールドなどのさまざまな用途があり非常に有用である。経済的負担や環境への負担が少ない炭製造方法の提供が望まれている。
しかし、前記したように、木炭製造過程において、被炭化材を少なくとも400°C前後の高温で加熱する必要があり、従来は専用の製炭炉を用いて木炭を製造していた。
被炭化材を加熱するためには、ある程度の燃焼エネルギーが必要であり、また、この燃焼が、大気汚染や地球温暖化など、環境への負担となっていると考えられている。
したがって、製造コスト性に優れ、かつ環境に負担をかけない炭製造方法が提供されることにより、炭の有効利用がさらに促進されると考えられる。
本発明は、製造コストの負担および自然環境への負担が軽減できる炭製造方法を提供するため、木質系材料からなる被炭化材に対し所定温度および所定圧力の蒸気を流動状態で供給し、前記蒸気による加熱によって当該被炭化材を炭化させて炭を製造することを特徴とするものである。
被炭化材に所定温度および所定圧力の蒸気を流動状態で供給することにより、被炭化材が酸素の少ない状態で加熱される状態を作り出し、さらにその加熱状態に圧力が加わることによって、従来の炭製造方法より低い温度による加熱で木炭を製造することが可能となる。
すなわち、従来の炭製造方法では、常圧すなわち大気圧下において木質材の炭化開始温度とされる280°C前後まで加熱する必要があった。
しかし、本発明によれば、一般的なボイラー設備によって供給可能な程度の所定温度および所定圧力の水蒸気が供給される状態内で被炭化材を加熱することにより炭を製造することが可能となることが判った。供給される水蒸気の所定温度および所定圧力は、好ましくは、温度が140°C以上、かつ圧力が0.8メガパスカル(MPa)以上であればよい。
また、かかる状態の水蒸気は、一般的なコジェネレーションシステムの排熱エネルギーの一部として通常に発生するものであるから、一般的な既存のコジェネレーションシステム内に、被炭化材を格納して水蒸気が供給されるような容器を付置するだけで、簡単に、かつ製造コストをかけずに炭を製造することができる。
コジェネレーションシステムは、工場や作業所などの構内発電による電力供給とともに、発電時に発生する排出される蒸気の熱エネルギー(排熱エネルギー)をさまざまな用途に利用することにより、1つのエネルギー源から生成された2つのエネルギーをそれぞれ有効に利用するためのシステムである。
コジェネレーションシステムの実際の運用において、排熱エネルギーは、その一部が生産処理過程における熱源として利用されるが、ほとんどは、冬季の暖房および夏季の冷房用のエネルギーとして利用されるにとどまっている。そのため、暖房や冷房が不要な春季や秋季では、排熱エネルギーの大部分は有効に活用されずに大気に放出されているのが実態である。したがって、コジェネレーションシステム内で発生する水蒸気を利用することにより、エネルギーコストをかけずに木炭を製造することが可能となる。
本発明によれば、被炭化材に高圧の蒸気を流動状態で供給し続けることにより、従来の炭化開始温度より低い温度で被炭化材を炭化させ、木炭を製造することが可能となる。
図1に、本発明の効果を説明するため、炭生成条件における加熱温度と圧力の相関関係の条件を示す。図1の相関関係図において温度および圧力は、矢印の方向に従って数値が上昇することを示す。
図1に示すように、本発明の作用から、炭生成条件における温度および圧力の相関は、高い温度で加熱するにしたがって常圧に近い圧力で炭が生成でき、一方で、高い圧力下では低い温度で加熱する場合でも炭が生成できると見出した。従来の方法は、圧力が低くかつ温度が高い条件領域を利用した炭製造方法であるが、本発明は、圧力が高くかつ温度が低い条件領域を利用した炭製造方法である。
本発明において利用される蒸気として、既存のコジェネレーションシステムで発生する水蒸気を利用できる。そのため、本発明の炭製造方法を実施するための装置のイニシャルコストの負担が軽く、また省エネルギーかつ省コストで炭を製造することが可能となる。
また、コジェネレーションシステムの有効利用の観点からも、従来は、十分に利用されずに放出されていた蒸気あるいは熱量をさらに有効利用することができる。
また、従来では、工場構内で発生する木製梱包材などの廃材は焼却処分しており、その焼却過程で発するダイオキシン、一酸化炭素、二酸化炭素などの発生が大気汚染や地球温暖化などの一因となっていたが、このような木質系廃材をチップ化して被炭化材とし、構内のコジェネレーションシステムにおいて製炭処理することが可能となるため、自然環境への負荷の軽減、廃材などのリサイクルを実現することが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態として、本発明の炭製造方法を、コジェネレーションシステムを利用して実施する形態について説明する。
図2に、コジェネレーションシステムの構成例を示す。コジェネレーションシステムは、電力供給システム1において電力を供給し、発電時の排気ガスと水とにより発生する水蒸気を利用して、熱交換機2による温水、または、吸収式冷凍機3による冷水を供給するシステムである。
電力供給システム1のエンジン発電機11での発電時に発生する排気燃焼ガスを排ガスボイラ12に導びき、排ガスボイラ12内で水から発生させた所定温度および所定圧力の水蒸気は、水蒸気を分配する蒸気ヘッダ41へ送られ、さらに、熱交換機2または吸収式冷凍機3へ送られる。
水蒸気は、通気管の途中に設けられたバルブ42aおよびバルブ42bによって通路が切り替えられ、冬季暖房用に利用される場合に熱交換機2へ送られ、夏季冷房用に利用される場合に吸収式冷凍機3に送られる。
蒸気ヘッダ41から送られる水蒸気は、温度160〜170°C、圧力0.8〜0.9MPa、流量700kg/時間であるとする。
図2において、冬季暖房用などの温水供給時の水蒸気の流れを示す。冬季暖房用などの温水供給時には、水蒸気は、蒸気ヘッダ41から、バルブ42a、ゴミなどを濾過するストレーナ43aを通り、減圧弁44で一定の圧力になるように減圧され、電動弁45aを通って熱交換機2へ送られる。熱交換機2で生成された温水は蓄熱槽5へ蓄えられ、使用された温排水は環水槽6へ蓄えられる。なお、電動弁45aは、通常、毎日弁を開閉して、熱交換機2へ供給する蒸気量を調整する。
この過程で、水蒸気から生ずるドレン(水)は、バルブ42a’を通ってドレントラップ46aで回収されて環水槽6に集められ、減圧後の水蒸気の一部は、安全弁47を通じて放出される。環水槽6に集められた排水は、ポンプ48aによりタンク49へ送られて貯水され、さらにポンプ48bによって排ガスボイラ12へ送られて水蒸気の発生のために再利用される。なお、タンク49には、ポンプ48cで汲み上げられ、軟水装置410で軟水化した井戸水も貯水される。
図3に、夏季冷房用などの冷水供給時の水蒸気の流れを示す。夏季冷房用などの冷水供給時には、水蒸気は、蒸気ヘッダ41から、バルブ42b、ストレーナ43bを通り、電動弁45bを通って吸収式冷凍機3へ送られる。吸収式冷凍機3で生成された冷水は蓄熱槽5へ蓄えられ、使用された排水は環水槽6へ蓄えられる。また、水蒸気から生ずるドレンは、バルブ42b’を通ってドレントラップ46bで回収されて環水槽6へ集められる。なお、電動弁45bは、通常、毎日弁を開閉して、吸収式冷凍機3へ供給する蒸気量を調整する。
図2または図3のコジェネレーションシステムの構成において、温度140°C以上、圧力0.8MPa以上の水蒸気が流動的に供給される場所であれば、どの場所でも本発明の炭製造方法を実施することができるが、本形態では、ストレーナ43aもしくはストレーナ43c内に被炭化材を格納する被炭化材収容容器70を設けた場合を例に説明する。
被炭化材収容容器70は、金属製やセラミックス製などの耐熱性のある容器であって、その側面がパンチングメッシュ状または網状に容器内外を水蒸気が通過できるように、かつその内部が中空であって被炭化材が収容できるように加工された容器である。蒸気ヘッダ41から送られる水蒸気は、被炭化材収容容器70に施されたパンチングメッシュの孔または網の目を通って、容器内部の被炭化材全体に流動状態で供給される。
図4および図5に、被炭化材収容容器70の設置例を示す。
図4は、図2に点線の矩形で示す部分A内に備えられた各構成部分および水蒸気の通気管の断面を示す図であり、図5は、図2に点線の矩形で示す部分B内に備えられた各構成部分および水蒸気の通気管の断面を示す図である。
図4に示すストレーナ43aは、コジェネレーションシステム稼働開始後に、偶然に炭化した木片を発見した場所である。なお、ストレーナ43a内に配置される被炭化材収容容器70は、元来、通気管内に混入した異物などを捕捉するためのカゴ状の濾過容器として備えられていたものである。
本来、コジェネレーションシステムの水蒸気の通気管内に木片などの異物が混入することはなく、ストレーナ43a内の炭化した木片は、コジェネレーションシステムの建設時に水蒸気の通気管内に混入した異物と考えられた。当該異物として、炭がコジェネレーションシステムの周囲に存在する可能性はなかった。
また、ストレーナ43aの上流より分岐して位置するバルブ42a’およびドレントラップ46aにおいても、混入した木片により目詰まりが生じていたことを発見した。
これらの事実から、水蒸気の通気管のバルブ42a’およびドレントラップ46aでの目詰まりによって排水が妨げられ、ドレントラップ46aから放出されきれなかった液化蒸気水がストレーナ43aを経由して減圧弁44に回り、減圧弁44の減圧性能を低下させていた。この状態では、ストレーナ43a内を所定温度および所定圧力の水蒸気が常に通過していたことになり、ストレーナ43a内に滞留していた約500グラム(g)の木片は、長時間、所定温度および所定圧力の水蒸気に晒されたためにより炭化したと推測した。
また、蒸気ヘッダ41からバルブ42aまでの通気管の長さが約250mであったため、通気中の水蒸気の温度ロスを考慮して、ストレーナ43a内に供給された水蒸気のおおよその状態は、気圧:0.8〜0.9MPa、温度:摂氏140〜150°C、流量:700kg/時間であると推測した。
すなわち、図4に示す箇所では、ストレーナ43a内の異物を捕捉するカゴ状の濾過容器が被炭化材収容容器70の役割を果たし、容器内部に滞留した異物である木片が被炭化材として炭化されたと推測した。
図5のストレーナ43cは、前記の推測にもとづいて、被炭化材の炭化を再現し、その過程を観察するために、被炭化材収容容器70を付置した箇所である。図4に示すストレーナ43aの状態と同様の状態にするため、蒸気ヘッダ41の後部に新たに通気管のドレントラップ46c、ストレーナ43c、バルブ42cを設け、ストレーナ43c内に被炭化材収容容器70を備えた。
ストレーナ43c内の被炭化材収容容器70に供給される水蒸気のおおよその状態は、気圧:0.8〜0.9MPa、温度:摂氏160〜170°C、流量:700kg/時間であった。蒸気供給時間は、毎日、午前8:30から午後4:30までの約8時間とした。 以下、図5に示す箇所に付置した被炭化材収容容器70を用いた炭製造の実施例を時間経過とともに説明する。
3月21日(第1日目):
図6(A)に、被炭化材および被炭化材収容容器の例を示す。枝片および生木の木片を約10片前後を用意し、被炭化材収容容器70に投入した。被炭化材収容容器70として、容器側面の円筒部分がパンチングメッシュ状の筒形のストレーナ容器を使用した。図6(B)に、被炭化材を拡大した図を示す。
まず、圧力差による効果の比較のために、被炭化材収容容器70へ常圧の水蒸気が流動状態で供給されるようにした。
3月27日午後1時(常圧水蒸気供給第4日目):
図7に、常圧の水蒸気の供給開始後4日目の被炭化材の状況を示す。被炭化材収容容器70から取り出した被炭化材は変化しておらず、炭化の徴候はないと考えられた。
したがって、3月31日に、圧力が0.8〜0.9MPaの水蒸気が流動状態で被炭化材収容容器70に供給されるようにした。
4月4日午前10時(所定圧力水蒸気供給第5日目):
図8に、所定圧力水蒸気の供給開始後5日目の被炭化材の状況を示す。被炭化材収容容器70から取り出した枝片、生木片のいずれも、やや黒ずみ傾向を示しているが、まだ全体的に赤みが残っていた。
4月18日午後2時(所定圧力水蒸気供給第19日目):
図9(A)に、所定圧力水蒸気の供給開始後19日目の被炭化材の状況を示す。被炭化材収容容器70から取り出した枝片、生木片は、さらに赤みが減り、やや黒ずみ傾向が進んでいた。
図9(B)に、取り出した被炭化材の一部を拡大した図を示す。やや細い枝片や小さめの木材片は、より黒ずみ傾向が進んでいた。
4月25日午前10時(所定圧力水蒸気供給第26日目):
図10(A)に、所定圧力水蒸気の供給開始後26日目の被炭化材の状況を示す。被炭化材収容容器70から取り出した枝片、生木片は、ますます赤みが減り、さらに黒ずみ傾向が進んでいた。図10(B)に、取り出した枝片、生木片の一部を拡大した図を示す。
この時点で、被炭化材収容容器70としたストレーナ筒形容器の両端に、被炭化材として、約1cm角の合板材を投入し、その間に、従来から格納していた枝片、木材片を投入した。
5月9日午後2時(所定圧力水蒸気供給第40日目):
図11(A)および図11(B)に、所定圧力水蒸気の供給開始後40日目の被炭化材の状況を示す。図11(A)に、3月27日投入の生木片の状態を示す。生木片は、すでに40日目であるが、黒ずみ傾向は停滞していた。図11(B)に、4月25日投入の合板片の状態を示す。合板片は、所定圧力水蒸気供給後15日目であり、炭化が進行して全体が黒色になっていた。
また、5月16日、被炭化材として合板片を被炭化材収容容器70に追加投入した。
5月23日午後2時(所定圧力水蒸気供給第54日目):
図12(A)ないし図12(C)に、所定圧力水蒸気の供給開始後54日目の被炭化材の状況を示す。図12(A)に、4月25日投入の合板片の状態を示す。合板片は、29日目であり、炭化がさらに進行して全体が黒色になっていた。図12(B)に、5月16日に投入した合板片の状態を示す。合板片は、所定圧力水蒸気の供給開始後8日目であり、炭化が進み全体的に黒ずみ傾向であった。図12(C)に、3月27日投入の生木片の状態を示す。生木片は、所定圧力水蒸気の供給後54日目であるにもかかわらず、黒ずみ傾向は停滞して、変化がなかった。
なお、この時点で新たに被炭化材として竹片を被炭化材収容容器70に投入した。
6月9日午前11時(所定圧力水蒸気供給第71日目):
図13(A)ないし図13(C)に、所定圧力水蒸気の供給開始後71日目の被炭化材の状況を示す。図13(A)に、5月23日に投入した竹材の状態を示す。竹材は、18日目であるが、原形が確認できない。繊維質を主体として残存している状態であった。図13(B)に、3月27日に投入した生木片の状態を示す。生木片の黒ずみ傾向は停滞し、変化がみられなかった。図13(C)に、5月16日に投入した合板片の状態を示す。合板片は、25日目であるが、炭化が停滞気味であり、あまり変化がないようにみえた。
7月8日午後3時(所定圧力水蒸気供給第100日目):
図14(A)および図14(B)に、所定圧力水蒸気の供給開始後100日目の被炭化材の状況を示す。図14(A)に、3月27日に投入した生木片の状態を示す。生木片は、前回と同様に黒ずみ傾向が停滞して変化がみられなかった。図14(B)に、5月16日に投入した合板片の状態を示す。合板片は、54日目であるが、炭化が停滞気味であり、容量が減少していた。
以上の実施例での被炭化材の変化をみると、合板片が、最も顕著に炭化の様子を示した。生木片は濃茶色に変色したものの黒化まで至らず、乾燥木片は、黒茶色まで変色していた。竹片は、黒茶色に変色し、繊維質のみが残存する状態であった。したがって、被炭化材には合板材が最も好ましい。生木片は内部まで炭化が進行しないために、大きさに考慮する必要がある。
また、上記の実施例の結果および偶然に発見した木片の炭化状態から、温度140°C以上、圧力0.8MPa以上の水蒸気を流動状態で供給することにより被炭化材を炭化させて木炭を製造することが可能であることがわかる。
なお、蒸気供給時間は、被炭化材の材質および大きさによって相違すると考えられるが、1cm角程度の合板では、約1〜2週間程度あればよいと考えられる。
また、本発明は、被炭化材に供給される蒸気が水蒸気であるものとして説明したが、水蒸気に限らず、例えば、二酸化炭素、二酸化硫黄、水素、不活性ガスなど、高温状態で被炭化材が燃焼しないようなガスを利用することも可能である。
本発明の効果を説明するため、炭生成条件における加熱温度と圧力の相関関係の条件を示す図である。 コジェネレーションシステムの構成例および冬季暖房用などの温水供給時の水蒸気の流れを示す図である。 コジェネレーションシステムにおける夏季冷房用などの冷水供給時の水蒸気の流れを示す図である。 被炭化材収容容器の設置例を示す図である。 被炭化材収容容器の設置例を示す図である。 被炭化材および被炭化材収容容器の例を示す図である。 常圧の水蒸気の供給開始後4日目の被炭化材の状況を示す図である。 所定圧力水蒸気の供給開始後5日目の被炭化材の状況を示す図である。 所定圧力水蒸気の供給開始後19日目の被炭化材の状況を示す図。 所定圧力水蒸気の供給開始後26日目の被炭化材の状況を示す図である。 所定圧力水蒸気の供給開始後40日目の被炭化材の状況を示す図である。 所定圧力水蒸気の供給開始後54日目の被炭化材の状況を示す図である。 所定圧力水蒸気の供給開始後71日目の被炭化材の状況を示す図である。 所定圧力水蒸気の供給開始後100日目の被炭化材の状況を示す図である。
符号の説明
1 電力供給システム
11 エンジン発電機
12 排ガスボイラ
2 熱交換機
3 吸収式冷凍機
41 蒸気ヘッダ
42a、42a’、42b、42b’、42c バルブ
43a、43b、43c ストレーナ
44 減圧弁
45a、45b 電動弁
46a、46b、46c ドレントラップ
47 安全弁
48a、48b、48c ポンプ
49 タンク
410 軟水装置
5 蓄熱槽
6 環水槽
70 被炭化材収容容器

Claims (3)

  1. 木質系材料からなる被炭化材に対して所定の温度および所定の圧力の蒸気を流動状態で供給し、前記蒸気による加熱によって前記被炭化材を炭化させて炭を製造する炭製造方法であって、
    前記蒸気として、コジェネレーションシステムにより生成された水蒸気を利用してなり、
    当該コジェネレーションシステムが、
    水が供給されて貯えられかつ加熱源から供給される熱によって水蒸気を発生させるボイラと、当該発生された水蒸気が供給される配管と、当該配管内を流通する水蒸気を制御するバルブと、バルブを通過した水蒸気が導かれる熱交換機および/または吸収式冷凍機と、熱交換機および/または吸収式冷凍機に対して配管で結合される蓄熱槽とを、少なくとも備えて構成され、
    前記被炭化材が、水蒸気が流通する被炭化材収容容器に収容された上で、前記配管内に保持されて炭化されること
    を特徴とする炭製造方法。
  2. 前記水蒸気は、好ましくは、温度が摂氏140度以上であって、かつ圧力が0.8メガパスカル(MPa)以上であること
    を特徴とする請求項記載の炭製造方法。
  3. 水が供給されて貯えられ、かつ加熱源から供給される熱によって水蒸気を発生させるボイラと、当該発生された水蒸気が供給される配管と、当該配管内を流通する水蒸気を制御するバルブと、バルブを通過した水蒸気が導かれる熱交換機および/または吸収式冷凍機と、熱交換機および/または吸収式冷凍機に対して配管で結合される蓄熱槽とを、少なくとも備えて構成されたコジェネレーションシステムと、
    木質系材料からなる被炭化材が収容され、水蒸気が流通する被炭化材収容容器とを備え、
    前記被炭化材が、前記被炭化材収容容器に収容された上でストレーナ内に保持されて炭化されること
    を特徴とする炭製造装置。
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